特許第6470813号(P6470813)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6470813
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】腕時計ケース用の電子ストラップ
(51)【国際特許分類】
   G04G 17/00 20130101AFI20190204BHJP
   G04B 37/16 20060101ALI20190204BHJP
   A44C 5/00 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   G04G17/00 E
   G04B37/16 B
   A44C5/00 D
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-199149(P2017-199149)
(22)【出願日】2017年10月13日
(65)【公開番号】特開2018-66737(P2018-66737A)
(43)【公開日】2018年4月26日
【審査請求日】2017年10月13日
(31)【優先権主張番号】16194408.7
(32)【優先日】2016年10月18日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ディミトリ・フォスティニス
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ピエルパスクヮーレ・トルトラ
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−055623(JP,A)
【文献】 特開2007−279020(JP,A)
【文献】 米国特許第09367087(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 37/16
G04G 17/00 − 08
A44C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路ボード(FL)と、
前記プリント回路ボード(FL)上に配置される挿入体(IS)と、
光波エミッター(EM)と
を有する計時器用の電子ストラップ(BR)であって、
前記挿入体(IS)は、腕時計ケース(BM)のホーンの対(CN1、CN2)の間に配置され固定されるガイド要素(EG1)を有し、
前記ガイド要素(EG1)は、光波ガイド(GO)を有し、
前記光波ガイド(GO)は、
前記ガイド要素(GD1)と前記プリント回路ボード(FL)の間の境界領域に配置された入力(EN)と、
前記ガイド要素(GD1)が前記ホーンの対(CN1、CN2)の間に配置されており固定されているときに、前記腕時計ケース(BM)における2つのホーン(CN1、CN2)の間にある第1の領域(ZN1)に対向するように配置されている第1の出力(SO1)と、及び
前記入力(EN)を前記第1の出力(SO1)に接続する第1の部分(PO1)と
を有し、
前記光波エミッター(EM)は、前記光波ガイド(GO)の入力(EN)に対向するように前記プリント回路ボード(FL)上に設置されるものである
ことを特徴とするストラップ(BR)。
【請求項2】
前記光波ガイド(GO)は、前記ガイド要素(GD1)が前記ホーンの対(CN1、CN2)の間に配置され固定されているときに前記腕時計ケースにおける2つのホーン(CN1、CN2)の間の第2の領域(ZN2)に対向するように配置される第2の出力(SO2)と、及び前記入力(EN)を前記第2の出力(SO2)に接続する第2の部分(PO2)とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のストラップ(BR)。
【請求項3】
前記第1の出力(SO1)及び前記第2の出力(SO2)は、前記第1の領域(ZN1)が前記ホーンの一方のホーン(CN1)の側に位置し、前記第2の領域(ZN2)が前記ホーンの他方のホーン(CN2)の側に位置するように配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載のストラップ(BR)。
【請求項4】
前記光波エミッター(EM)は、異なる周波数の少なくとも2つの光波源を有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のストラップ(BR)。
【請求項5】
前記光波ガイド(GO)は、透明である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のストラップ(BR)。
【請求項6】
前記プリント回路ボード(FL)は、第1の側方部分(PL1)と、及びエネルギー源(SE)とマイクロコントローラ(MC)を含む部品のアセンブリーとを有し、
前記部品のアセンブリーは、前記第1の側方部分(PL1)にマウントされ、
前記光波エミッター(EM)は、前記部品のアセンブリーに電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のストラップ(BR)。
【請求項7】
前記部品のアセンブリーは、少なくとも1つの押しボタン(BP)を有する
ことを特徴とする請求項6に記載のストラップ(BR)。
【請求項8】
前記部品のアセンブリーは、Bluetooth、WiFi又はNFCのタイプの無線通信システムを介して別の電子的な物と通信する通信手段を有する
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のストラップ(BR)。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のストラップ(BR)と、及び腕時計ケース(BM)とを有し、
前記ガイド要素(GD1)は、前記腕時計ケース(BM)のホーンの対(CN1、CN2)の間に配置されており固定されている
ことを特徴とする計時器。
【請求項10】
前記第1の領域(ZN1)は、不規則的な形状の面を有する
ことを特徴とする請求項9に記載の計時器。
【請求項11】
前記第1の領域(ZN1)は、サンドブラストされ又は微構造加工されている
ことを特徴とする請求項10に記載の計時器。
【請求項12】
前記第1の領域(ZN1)は、フレネルレンズの外観を有する
ことを特徴とする請求項9に記載の計時器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計ケースに取り付けることができる電子ストラップに関する。電子ストラップとは、電子部品を担持する成型されたフレキシブルなプリント回路を有し機能を実行することを可能にするストラップをいい、例えば、当該ストラップが海中の潜水時に着用されているときに周囲圧力を測定するものである。このような電子ストラップがスマートフォンのような電子デバイスと通信することができる場合に、コネクテッドであるという。電子ストラップは、例えば、前記電子デバイスに圧力値を送信する。
【背景技術】
【0002】
機械式腕時計において、腕時計ケースの本体内に電子部品を搭載することを避けつつ、オンライン腕時計のような電子式腕時計の機能を実行させるために、機械式腕時計のケースに固定する手段を備える電子ストラップが設計されている。電子部品はすべてストラップに搭載され、多くの機能を与える。例えば、このストラップの着用者の身体活動をモニタリングすること、ストラップに取り付けられたスマートフォンにて呼びやメッセージを着信したことを着用者に通知すること、そして、電子デバイスの長距離通話を制御することのような機能である。
【0003】
この観点から、ストラップ及び/又はストラップが取り付けられている電子デバイスの活動に関連する任意の種類の事象又は状態についてストラップの着用者に通知できるようにすることは重要である。ストラップ及び/又は前記ストラップが取り付けられている電子デバイスの活動に関連する事象又は状態としては、例えば、以下のものが挙げられる。ただし、これらに限定されない。すなわち、ストラップの機能のアクティブ化又は非アクティブ化、ストラップによる機能の進行(例、ストラップのセンサーによって記録される測定)、ストラップと電子デバイスの間のデータ転送の確立又は完了、ストラップと電子デバイスの間のデータ転送の進行、電子デバイスによる呼びやメッセージの着信などである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、前記の必要条件を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このために、本発明は、プリント回路ボードと、前記プリント回路ボード上に配置される挿入体と、光波エミッターとを有する計時器用の電子ストラップに関し、前記挿入体は、腕時計ケースのホーンの対の間に配置され固定されるガイド要素を有し、前記ガイド要素は、光波ガイドを有し、前記光波ガイドは、前記ガイド要素と前記プリント回路ボードの間の境界領域に配置された入力と、前記ガイド要素が前記ホーンの対の間に配置されており固定されているときに、前記腕時計ケースにおける2つのホーンの間にある第1の領域に対向するように配置されている第1の出力と、及び前記入力を前記第1の出力に接続する第1の部分とを有し、前記光波エミッターは、前記光波ガイドの入力のレベルにて前記プリント回路ボード上に設置される。
【0006】
したがって、光波エミッターが光波を発するときに、光波は、ガイド要素と中央部の間の境界領域に配置された入力を介して光波ガイドに入り込み、第1の部分を介して第1の出力まで伝搬し、最終的に、第1の領域のレベルに導かれる。ここにおいて、光波は反射され、結果的に、ストラップの着用者が光波を見ることができる。
【0007】
請求項2〜8には、本発明に係る電子ストラップの他の有利な特徴が定められており、これらを単独又は組み合わせて取り入れることができる。
【0008】
また、本発明は、本発明に係るストラップを有する計時器であって、ガイド要素が、腕時計ケースのホーンの対の間に配置されこのホーンの対に固定されているものに関する。
【0009】
請求項10〜12には、本発明に係る計時器の他の有利な特徴が定められており、これらを単独で又は組み合わせて取り入れることができる。
【0010】
添付の図面を参照しながら下記の説明を読むことによって(これに限定されない)、他の特徴及び利点がはっきりとわかるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】プリント回路ボード、挿入体、腕時計ケース及び2つの棒体を含む本発明に係る計時器のいくつかの要素の接続されていない状態の斜視図である。
図2】プリント回路ボード、挿入体及び腕時計ケースを含む図1の要素の接続されていない状態の斜視図であり、プリント回路ボードに成型された層が加えられている。
図3】プリント回路ボード、挿入体のガイド要素、腕時計ケース及び棒体を含む図1の要素の斜視図である。
図4】ガイド要素の光波ガイド及びプリント回路ボードを含む図3の要素の斜視図である。
図5】ケース中間部に表面処理が施された腕時計ケース、及び図4の光波ガイドとプリント回路ボードの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、2つの棒体などを介して腕時計ケースに固定された電子ストラップを有する計時器に関する。
【0013】
図1に、本発明に係る電子ストラップBRの要素についての好ましい実施形態を示している。ただし、これに限定されない。この好ましい実施形態によると、電子ストラップBRは、カフタイプのものである。ストラップBRは、第1の側方部分PL1によって、全体的に環状であり、ストラップBRは、第1の側方部分PL1から延在する中央部分PMによって、また、中央部分PMから延在する第2の側方部分PL2によって、一体化された形態で形成されたプリント回路ボードFLを有する。これらの側方部分PL1、PL2はそれぞれ、ストラップの2つのアームの一方の1つの要素であり、したがって、ストラップのアームはそれぞれ、プリント回路の一部を有する。
【0014】
図示していない代替実施形態において、ストラップはカフタイプのものではなく、対照的に、2つの別個の部品によって形成される。これらの代替実施形態の第1の代替実施形態において、プリント回路ボードは、2つの別個の部分によって形成される。このプリント回路ボードは、中央部分にはなく、電気的かつ機械的に接続されていない2つの側方部分PL1、PL2のみによって形成される。これらの側方部分のそれぞれPL1、PL2は、ストラップの2つのアームの一方のアームの要素である。したがって、ストラップのアームはそれぞれ、プリント回路の一部を有する。これらの代替実施形態の第2の代替実施形態において、プリント回路ボードは、第1の側方部分PL1のみを有する。第1の側方部分PL1は、ストラップの2つのアームの一方のアームの要素である。ストラップの第2のアームは、プリント回路を含まない。
【0015】
また、ストラップBRは、第1の側方部分PL1、そして、可能性としては、第2の側方部分PL2がある場合には第2の側方部分PL2に、マウントされる電気的及び/又は電子的な部品のアセンブリーを有する。当該部品は、例えば、マイクロコントローラMCと、電気的なエネルギー源SE(図3のみにおいて示されている)と、及びBluetooth(登録商標)、WiFi又はNFCなどのタイプの無線インタフェースを介して電子デバイスと通信する通信手段CIとを有する。当該部品は、さらに、一又は複数のセンサーCP及び/又は一又は複数の押しボタンBPを有することができる。
【0016】
図1に示す好ましい実施形態において、すなわち、カフストラップの場合に、ストラップBRは、さらに、プリント回路ボードFLの中央部分PMに配置されるように意図された挿入体ISを有する。挿入体ISは、剛リングAN及び直径に沿って反対側にある2つのガイド要素GD1、GD2を有する。ガイド要素GD1、GD2は、側方部分PL1、PL2との境界領域において、プリント回路ボードの中央部分PMに配置されるように意図され、前記腕時計ケースBMは、前記挿入体ISの上に配置されるように意図され、各ガイド要素GD1、GD2は、腕時計ケースBMのホーンの対CN1、CN2の間に配置される。ガイド要素GD1、GD2にはそれぞれ、棒体BT1、BT2を通すための穴TR1、TR2が形成されている。棒体BT1、BT2によって、腕時計ケースのホーンの対を挿入体ISに固定することができる。
【0017】
また、図2に示すように、ストラップBRは、成型された層CM1、CM2を有する。これは、例えば、プラスチック又はエラストマー材料によって作られており、これは、当該部品のアセンブリーがプリント回路ボードFLの側方部分PL1、PL2にマウントされたとき、そして、挿入体ISがプリント回路ボードFLの中央部分PMに適切に配置されたときに、取り付けられる。成型された層によって、プリント回路ボードFLの側方部分PL1、PL2によって担持される部品を保護し、挿入体IS及びプリント回路ボードFLを一体化することができる。このために、成型された層は、2つの部分CM1、CM2を有する。その第1の成型された部分CM1は、プリント回路ボードFLの第1の側方部分PL1と、及び挿入体ISのガイド要素GD1の1つとをカバーして、ストラップの第1のアームBA1を構成する。第2の成型された部分CM2は、プリント回路ボードFLの第2の側方部分PL2及び挿入体ISのガイド要素GD2の他方をカバーして、ストラップBA2の第2のアームを構成する。第1及び第2の代替実施形態において、ストラップは、挿入体の全体を含まず、ガイド要素GD1、GD2のみを含む。これらのガイド要素GD1、GD2はそれぞれ、ストラップのアームの一方の一部である。第1の代替実施形態において、ガイド要素GD1、GD2はそれぞれ、側方部分PL1、PL2の外側部分に配置され、そして、腕時計ケースBMのホーンの対CN1、CN2の間に配置されるように意図されている。成型された部分CM1、CM2によって、とりわけ、ガイド要素GD1、GD2と側方部分PL1、PL2の一体化が可能になる。第2の代替実施形態において、第1のガイド要素GD1は、第1の側方部分PL1の端部に配置され、腕時計ケースBMのホーンの対CN1、CN2の間に配置されるように意図されており、第2のガイド要素GD2は、ストラップの第2のアームの要素であり、これによって、第2のガイド要素GD2と、腕時計ケースBMの他方のホーンの対との一体化が可能になる。第1の成型された部分CM1によって、とりわけ、第1のガイド要素GD1と第1の側方部分PL1との一体化が可能になる。
【0018】
図3及び4に示すように、本発明に係るストラップBRには、以下のような特徴がある。すなわち、ホーンの対CN1、CN2の一方のホーンに固定された又は固定されるように意図された第1のガイド要素GD1は、光波ガイドGOを有し、プリント回路ボードFLは、当該部品のアセンブリーに電気的に接続された光波エミッターEMを担持し、この光波エミッターEMは、光波ガイドGOの入力ENに対向するように配置される。好ましい実施形態において、光波ガイドGOは、プラスチック又は他の透明材料によって形成される。第1のガイド要素GD1における光波ガイドGOの位置によって、計時器の審美性に影響しないように目立たないようにすることが可能になる。
【0019】
図3の実施形態(これに限定されない)において、光波ガイドGOは、2つの出力SO1、SO2と、及び入力ENを各出力SO1、SO2に接続する2つの部分PO1、PO2とを有する。しかし、光波ガイドGOは、1つの出力及びこの出力に入力を接続する部分を1つのみ有したり、3つ以上の出力及び出力と同数の部分を有したりすることもできる。また、光波ガイドGOは、複数の入力を有することもできる。このとき、ガイドは、各入力を各出力に接続するために必要な数の部分を有する。この場合、中央部分PMは、入力と同数の光波のエミッターを担持し、各エミッターは、光波ガイドGOの入力に対向するように配置されるように意図されている。
【0020】
第1の出力SO1と第2の出力SO2は、腕時計ケースBAのケース中間部CAにおける2つのホーンCN1、CN2の間の部分に対向するように配置される。したがって、光波エミッターEMによって発される光波は、ケース中間部CAの部分の方にガイドされ向けられ、この部分では、この光波を計時器の着用者が見ることができる。光波は、図3に示すケース中間部CAの部分上に2つの光ハローHL1、HL2を形成する。第1の光ハローHL1は、ケース中間部CAの第1の領域ZN1のレベルにおける部分にて見ることができ、この第1の領域ZN1は、光波ガイドGOの第1の出力SO1に対向している。第2の光ハローHL2は、ケース中間部CAの第2の領域ZN2のレベルにおける部分にて見ることができ、この第2の領域ZN2は、光波ガイドGOの第2の出力SO2に対向している。
【0021】
もちろん、光波ガイドGOが1つのみの出力を有する場合、1つのみの光ハローを見ることができる。一方のホーンから他方のホーンまで及ぶ長い光ハローを想到することができる。1つのホーンの側に位置しているハロー、そして、2つのホーンから実質的に等しい距離に位置しているハローも同様に想到することができる。光波ガイドが3以上の出力を有する場合、出力と同数の光ハローが出現する。また、ハローの形が出力の形に依存することを理解することができるであろう。
【0022】
図示した例において、第1の出力SO1が第1のホーンCN1の側に配置され、第2の出力SO2か第2のホーンCN2の側に配置されることがわかる。必須ではないが、光波ガイドGOの出力SO1、SO2を、腕時計ケースのホーンCN1の近くに配置することは有利であり、そのケース中間部CAの部分が曲げられる。実際に、この場合、ケース中間部CAの部分の間の空間は、ホーンCN1、CN2の間の等しい距離の位置にて最小となり、ホーンCN1、CN2の近くで最大となる。さて、光波ガイドGOの出力をケース中間部CAの前記部分の近くにしすぎると、光波ガイドによってガイドされた光波の可視性を害することがある。なぜなら、ケース中間部CAの前記部分上の光ハローが、ガイド要素EG1によって不明瞭になることがあるからである。もちろん、これらの考察は、正方形や長方形の腕時計ケースには当てはまらない。なぜなら、ストラップは、その幅全体にわたって、ケース中間部の前記部分から等距離であるからである。
【0023】
さらに、同様な強度の光ハローHL1、HL2を得るために、光波ガイドGOの入力ENを、第1の出力SO1及び第2の出力SO2から実質的に等しい距離に配置することが有利である。この場合、光波ガイドGOは、全体的にV字形となっている。しかし、光波ガイドGOの空間がずっと制限されるので、光波ガイドGOの様々な異なる構成を想到することができる。
【0024】
さらに、光波エミッターEMは、少なくとも1つの光波の点状光源を有する。例えば、エレクトロルミネセンスダイオードである。好ましいことに、光波エミッターEMは、互いに近くにあり異なる周波数、すなわち、異なる色で、光波を発することができるいくつかの点状光源を有する。したがって、点状光源は、計時器の着用者に与えられた情報に応じて特定の色の光ハローを作るように消光又は発光することができる。もちろん、前記点状光源の少なくとも1つは、計時器の着用者に与えられる情報に対応する時系列に応じて、同様に発光することができる。
【0025】
光波エミッターEMが電気的及び/又は電子的な部品のアセンブリーに電気的に接続されているので、光波エミッターEMの前記少なくとも1つの点状光源は、ストラップ又はストラップが取り付けられている電子デバイスの活動に関連する事象又は状態に応じてアクティブ化することができる。例えば、押しボタンBPが押されたとき、電子デバイスがメッセージを受信したとき、又はストラップBRと電子デバイスの間でデータが転送されたときに、点状光源をアクティブ化させることができる。
【0026】
ケース中間部CAの部分上への光の反射を変更して、計時器の着用者から見えるハローHL1、HL2の光形及び/又は強度を変更するために、領域ZN1、ZN2に表面処理を施すことができる。図5に、表面処理の例を示している。この例において、領域ZN1、ZN2のレベルにおける空洞によって同心のリングが作られ、フレネルレンズ効果を発生させる。また、光の拡散を向上させるような異なる効果を発生させるために又はロゴのようなモチーフを強調するために、レーザー又は他の手段によって微構造加工をすることも想到することができる。また、領域ZN1、ZN2にサンドブラスト(すなわち、加圧された砂の投射)を行って、領域ZN1、ZN2を不規則な領域にすることができる。この場合、ハローHL1、HL2の明るさは落ちるが、広範囲になり、したがって、審美性が向上する。
【0027】
もちろん、本発明は、図示した例に制限されず、当業者に明白な様々な変形態様があり改変を行うことができる。
【符号の説明】
【0028】
BM 腕時計ケース
BP 押しボタン
BR ストラップ
CN1、CN2 ホーン
EG1 ガイド要素
EM 光波エミッター
EN 入力
FL プリント回路ボード
GD1 ガイド要素
GO 光波ガイド
IS 挿入体
MC マイクロコントローラ
PL1 第1の側方部分
PO1 第1の部分
PO2 第2の部分
SE エネルギー源
SO1 第1の出力
SO2 第2の出力
ZN1 第1の領域
ZN2 第2の領域
図1
図2
図3
図4
図5