(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記表示部(5)は、上記ピン距離(P)と上記回転されたグリーン図(30)と上記ピン前後左右エッジ距離(Ef)(Eb)(El)(Er)と共に、上記プレイヤ基準直線(T1)上のピン前方グリーンエッジ(32f)から上記現在位置(21)までのピン手前エッジ距離(F)と、上記プレイヤ基準直線(T1)上のピン後方グリーンエッジ(32b)から上記現在位置(21)までのピン奥エッジ距離(B)と、を表示する請求項1記載のゴルフプレイ支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
本発明のゴルフプレイ支援装置は、
図1に示すように、GPS等の測位衛星からの信号(電波)を受信可能な受信部2と、受信部2が受信した信号によって緯度・経度を算出する測位処理が可能なCPUやマイコン等の演算処理部1と、緯度・経度情報に関連付けられた多数のゴルフコース情報を記憶しているRAMやROM等の記憶部3と、液晶画面等の表示部5と、演算処理部1への命令信号や記憶部3へ記憶させる数値等を入力するための操作部4と、パーソナルコンピュータ等の外部機器と情報(データ)の送受信が可能な外部接続部8と、図示省略の乾電池や充電式電池等の内蔵電源と、を有する小型かつ軽量な端末10を備えている。
【0010】
ゴルフコース情報とは、緯度・経度情報に関連付けられた多数のゴルフホール(コース)のレイアウト図、レイアウト図に関連付けたホール番号及びパー数等である。
緯度・経度情報に関連付けられた多数のゴルフホールのレイアウト図とは、ティーグラウンドの位置、グリーンの位置、池や林及びバンカー等の障害物の位置、ホール形状(OB境界線)、フェアウェイ形状(フェアウェイとラフの境界線)、グリーン形状(グリーンエッジ等)、障害物の形状、ティーグラウンドよりも大きな範囲であるホール決定用区域等、に緯度・経度情報を対応させた情報を有するホール(コース)の平面図である。
【0011】
記憶部3は、ゴルフコース情報の一部として、
図7に示すように、グリーンエッジ32を有するグリーン図(グリーン形状図)30を含んだ正方形状のグリーン画像39を記憶(保持)している。グリーン画像39(グリーン
図30及びグリーン周辺図)は緯度・経度情報に関連付けられている。また、グリーン画像39は、グリーンエッジ32よりもグリーン内方のグリーン内側領域と、グリーンエッジ32と、グリーンエッジ32よりもグリーン外方のグリーン外側領域と、の色が相互に異なるように、色情報を有している。
なお、図面を見やすくするため、グリーン
図30は、グリーン画像39の枠(各辺)に対する比率を、大きくして図示している。
【0012】
グリーン画像39は、緯度・経度情報に関連付けられたレイアウト図の一部として記憶部3に記憶され、演算処理部1によってレイアウト図から抽出する(読み取る)場合や、コースレイアウト図とは別の情報(データ)として、対応するレイアウト図に関連付けて記憶部3に記憶している場合等、何れであっても良い。
【0013】
演算処理部1は、測位衛星から受信した信号に基づいてプレイヤの現在の位置の緯度・経度を算出する測位処理を行う。さらに、算出した緯度・経度とゴルフコース情報のホール決定用区域とを照合して、現在位置に該当するゴルフ場のホールを決定し、決定したホールに対応するゴルフコース情報を記憶部3から読み出して(選定して)、表示部5に表示させる現在位置ホール決定処理を行う。
【0014】
また、記憶部3は、ゴルフ場運営者等によって提供される(開示されている)ピン位置31の緯度・経度情報を記憶可能である。
ピン位置31(の緯度・経度情報)は、ゴルフプレイヤ等の操作者が端末10の操作部4を入力操作することで取得される。或いは、端末10の外部接続部8を介して、パーソナルコンピュータやスマートフォン等の外部機器と通信することで取得される。
【0015】
そして、演算処理部1は、取得したピン位置31を、グリーン画像39のグリーン
図30に関連付けるピン位置登録処理を行う。
ピン位置登録処理が行われるタイミングは様々であって、例えば、上述の現在位置ホール決定処理後に、記憶部3に予め記憶させたピン位置31を読み出して、決定されたホールに対応するグリーン
図30に関連付けることで行われる場合がある。又は、現在位置ホール決定処理後に、決定されたホールに対応するグリーン
図30を読み出して、取得したピン位置31を関連付けることで行う場合がある。或いは、現在位置ホール決定処理前に、取得したピン位置31を、そのピン位置31に対応するグリーン
図30に関連付けることで行う場合がある。
【0016】
図2乃至
図4、及び、
図7乃至
図9に示すように、演算処理部1は、現在位置ホール決定処理後に、グリーン画像39のグリーン
図30上のピン位置31を中心として、ピン位置31からグリーンエッジ32までの距離を360度分算出するグリーンエッジ距離算出処理を行う。上述したピン位置登録処理は、グリーンエッジ距離算出処理よりも前に行えば良く、現在位置ホール決定処理の前後いずれも自由である。
なお、
図3と
図4に於て、
図4の※Aは
図3の※Aに続き、
図3の※Bは
図4の※Bに続き、
図3の※Cは
図4の※Cに続く。
【0017】
図3及び
図7に示すように、グリーンエッジ距離算出処理は、先ず、第1ステップS1において、正方形状のグリーン画像39の相互に隣り合う角部の緯度・経度情報から、グリーン画像39の一辺の距離を算出する。例えば、グリーン画像39の右下(右前)角部39jと右上(右後)角部39kの緯度・経度情報から右辺(右端縁)39rの距離(mヤード)を算出する。
【0018】
次に、第2ステップS2において、右辺39rの画素数をカウントする(例えばn個)。そして、右辺39rの距離(mヤード)を、右辺39rの画素数(n個)で除算(m/n)して、グリーン画像39において1画素(1ピクセル)あたりの距離(m/nヤード)を算出する。
【0019】
次に、第3ステップS3に進む。ピン位置31からグリーンエッジ32までの距離(エッジ距離)を360度分算出していないので、Yes(第4ステップS4)へ進む。
【0020】
図8に示すように、ピン位置31から画像の上下左右(前後左右)方向のグリーンエッジ32(32f,32b,32l,32r)までの距離を算出する。
先ず、ピン位置31からグリーン画像39の下辺(前辺)39fに対して垂直となるように描いた仮想線と交差するグリーンエッジ32上の点を、ピン前方グリーンエッジ32fと呼ぶ。
同様に、ピン位置31から上辺(後辺)39b、左辺39l、右辺39rに対して垂直となるように描いた仮想線と交差しているグリーンエッジ32上の各点を、夫々、ピン後方グリーンエッジ32b、ピン左側グリーンエッジ32l、ピン右側グリーンエッジ32rと呼ぶ。
【0021】
第4ステップS4において、ピン位置31を、確認ポイントに設定する。
次の第5ステップS5に進んで、画素数のカウントを0に設定する。
次の第6ステップS6に進んで、確認ポイントがグリーン画像39の下辺(前辺)39fに到達していないので、Yesに進む。
第7ステップS7において、画素カウントの値に1をプラスする。
【0022】
そして、第8ステップS8に進んで、確認ポイントの(ピクセルの)色が、グリーンエッジ32の色か否かを判定する。ピン位置31はグリーン内側領域にあるので、色は、グリーン内側領域の色と判定され、Noに進む。
【0023】
第9ステップS9において、確認ポイントを下辺39f側へ向かって(下辺39fに対して垂直な方向に)1画素分だけ移動させる。
そして、第6ステップS6に戻って、第7ステップS7、第8ステップS8、第9ステップS9、と繰り返す。つまり、第8ステップS8において、確認ポイントの色が、グリーンエッジ32の色と判定されるまで、確認ポイントをカウントしつつ画像下(画像前方)へ移動させるのを繰り返す。
【0024】
そして、第8ステップS8において、確認ポイントの色が、グリーンエッジ32の色と判定されると、Yesに進む。
第10ステップS10では、確認ポイントの色がグリーンエッジ32の色と判定された時の画素数カウントの値を、ピン位置31から前方グリーンエッジ32fまでの画素数として設定する(記憶部3に記憶させる)。
【0025】
そして、第8ステップS8において、確認ポイントがグリーンエッジ32の色で無いと判定されるまで、第10ステップS10から第9ステップS9に進み、第6ステップS6、第7ステップS7、第8ステップS8、第10ステップS10、第9ステップS9と繰り返す。
【0026】
確認ポイントがグリーンエッジ32を超えると、確認ポイントの色は、グリーン外側領域の色であるため、第8ステップS8において、グリーンエッジ32の色で無いと判定され、No(第9ステップS9)に進む。そして、第6ステップS6において、確認ポイントが画像の前辺39fに到達したと判定されるまで、第6ステップS6、第7ステップS7、第8ステップS8、第9ステップS9と繰り返す。
【0027】
第6ステップS6にて、確認ポイントが下辺(前辺)39fまで到達したと判定すると、Nо(第11ステップS11)に進んで、第10ステップS10において記憶したピン前方グリーンエッジ32fまでの画素数と、第2ステップS2で算出した1画素あたりの距離と、を積算して、ピン前方グリーンエッジ32fまでの距離を算出し、記憶部3に記憶させる。
【0028】
なお、第8ステップS8において、確認ポイントの色がグリーンエッジ32の色と判定された場合、第10ステップS10から第9ステップS9に進み、その後、第11ステップS11に進むも良い。つまり、グリーン画像39の辺(端縁)まで画素数をカウントしない処理とするも良い。
【0029】
ここで、第4ステップS4から第11ステップS11を有する工程(
図3において点線枠で囲んだ工程)を、前エッジ距離算出工程Sfと呼ぶ。
【0030】
そして、
図4に示すように、前エッジ距離算出工程Sf終了後に、次の第12ステップS12において、前エッジ距離算出工程Sfと同様の手順(処理)にて、ピン位置31からピン後方グリーンエッジ32bまでの距離を算出する。言い換えると、後エッジ距離算出工程Sbを行う。
【0031】
つまり、ピン位置31を確認ポイントとし、確認ポイントを、グリーン画像39の上辺(後辺)39bに達するまで上辺39bに対して垂直方向に(画像上に)移動させ、確認ポイントから後辺39bまでの画素数をカウントし、そのカウント中に、確認ポイントの色が、グリーンエッジ32の色か否か判定し、確認ポイントの色がグリーンエッジ32の色と判定された時の画素数カウントの値を、ピン位置31からピン後方グリーンエッジ32bまでの画素数として設定し、ピン後方グリーンエッジ32bまでの画素数と、1画素あたりの距離と、を積算して、ピン後方グリーンエッジ32bまでの距離を算出して、記憶部3に記憶させる。
【0032】
第12ステップS12(後エッジ距離算出工程Sb)終了後に、第13ステップS13に進んで、前エッジ距離算出工程Sfと同様に、ピン位置31からピン左側グリーンエッジ32lまでの距離を算出する。つまり、左エッジ距離算出工程Slを行う。
【0033】
第13ステップS13(左エッジ距離算出工程Sl)終了後に、第14ステップS14に進んで、前エッジ距離算出工程Sfと同様に、ピン位置31からピン右側グリーンエッジ32rまでの距離を算出する。つまり、右エッジ距離算出工程Srを行う。
【0034】
第13ステップS13(右エッジ距離算出工程Sr)終了後に、第15ステップS15に進んで、
図9に示すように、ピン位置31を中心として、グリーン
図30を所定回転方向に所定回転角度(例えば1度)だけ回転させる。(グリーン図回転工程を行う)。
【0035】
そして、第15ステップS15(グリーン図回転工程)後に、第3ステップS3に進んで、グリーンエッジ32までの距離を360度分算出していない(グリーン
図30の回転角度が0度の時のグリーンエッジ32までの距離しか算出していない)ので、1度回転させたグリーン
図30を有するグリーン画像39に対して、前エッジ距離算出工程Sfと後エッジ距離算出工程Sbと左エッジ距離算出工程Slと右エッジ距離算出工程Srとを行う、つまり、グリーン
図30を1度回転させた場合においてピン位置31を基準(起点)としたピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erを算出して、記憶部3に記憶させる。
【0036】
なお、前エッジ距離算出工程Sfと後エッジ距離算出工程Sbと左エッジ距離算出工程Slと右エッジ距離算出工程Srの順番は自由である。
また、前エッジ距離算出工程Sfと後エッジ距離算出工程Sbと左エッジ距離算出工程Slと右エッジ距離算出工程Srとを、まとめて、前後左右距離算出工程と呼ぶ場合がある。
【0037】
そして、1度回転させたグリーン
図30を有するグリーン画像39に関して前後左右距離算出工程が終了すると、第15ステップS15において、1度回転させたグリーン
図30をさらに1度回転させる。
そして、グリーン
図30を2度回転させたグリーン画像39に対して、第3ステップS3から、前後左右距離算出工程へと進んだ後、第15ステップS15に進んで、第3のステップS3に戻る。
つまり、第3ステップS3において、グリーンエッジ32までの距離を360度分算出したと判定(
図3においてNоと判定)されるまで、前後左右距離算出工程とグリーン図回転工程(第15ステップS15)を繰り返し、各グリーン図回転角度に関連付けたピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erを記憶部3に記憶させていく(各グリーン図回転角度に関連付けたピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erを有するエッジ距離データベースを作成して記憶部3に記憶させる)。
【0038】
そして、第3ステップS3において、グリーンエッジ32までの距離を360度分算出したと判定されると、Nоに進んで、グリーンエッジ距離算出処理を終了する。
なお、
図3乃至
図6のフローチャート図及びその説明において、各ステップの名称の数字「第1」や「第22」等、符号「S1」や「S22」等は、説明を容易にするために付与したものであって、処理の順番を意味するものでは無い。
【0039】
ここで、
図3と
図4のフローチャート図は、最初のグリーン
図30の姿勢(回転させていないグリーン
図30)の場合のグリーン図回転角度を0度とし、グリーン
図30を359度まで回転させて算出する場合のフローチャート図を示している。
図示省略するが、最初のグリーン
図30の姿勢を、グリーン図回転角度が0度とし、グリーン
図30を89度まで所定角度ずつ回転させて前後左右距離算出工程を行い、その後、算出した0度から89度までに対応するピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erの値を、グリーン図回転角度に応じて振り分け(入れ替え)演算を行うことで、90度から359度までの各角度に対応するピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erを算出するも良い。
例えば、グリーン図回転角度が90度のピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erを算出する場合に、先ず、グリーン図回転角度が0度の時に算出した、後エッジ距離Ebの5ヤード、右エッジ距離Erの6ヤード、前エッジ距離Efの7ヤード、左エッジ距離Elの8ヤード、を呼び出して、その数値を抽出し、グリーン図回転角度に応じてずらして振り分けることで、グリーン図回転角度が90度の時の各エッジ距離を、後エッジ距離Ebは8ヤード、右エッジ距離Erは5ヤード、前エッジ距離Efは6ヤード、左エッジ距離Elは7ヤードと、算出できる。グリーン
図30を360度回転させる場合よりも処理時間の短縮に貢献できる。
【0040】
つまり、グリーンエッジ距離算出処理は、グリーン
図30上のピン位置31を中心としてグリーンエッジ32までの距離を360度分(相当)算出すればよく、0度から360度未満まで回転させて、0度以上360度未満の全周に渡って画素数のカウントや画素色の判別(識別)を行う必要は無い。
また、グリーン図回転工程(第15ステップS15)において、回転させる角度は0.5度や2度等自由であるが、0.5度以上2度未満とするのが、ゴルフプレイの支援に適したデータ(支援情報)が得られて望ましい。
【0041】
さらに、演算処理部1は、グリーンエッジ距離算出処理後に、
図2と
図5、及び、
図10と
図11に示すように、ゴルフプレイヤの現在位置21とピン位置31を結んだプレイヤ基準直線T1と、グリーン
図30のグリーン図基準直線T2と、の間の角度をグリーン表示用回転角度θ3として算出する表示用回転角度算出処理を行う。
【0042】
先ず、
図5及び
図11に示すように、演算処理部1は、第21ステップS21において、現在位置21の緯度・経度情報と、ピン位置31の緯度・経度情報から、現在位置21から見たピン位置31の方位角θ1を算出する。
現在位置21から見たピン位置31の方位角θ1(以下、プレイヤ方位角θ1と呼ぶ場合もある)は、ピン位置31から北に向かって伸びる方位基準直線T3と、ゴルフプレイヤの現在位置21とピン位置31を結んだプレイヤ基準直線T1と、の間の角度である。
なお、ゴルフプレイヤの現在位置21とピン位置31を結んだプレイヤ基準直線T1とは、現在位置21とピン位置31を通過する直線であって、現在位置21とピン位置31との間の線分に限らず、現在位置21から見てピン位置31よりも後方(奥)へ伸びた直線や、現在位置21やピン位置31を有していない線分も含む。
【0043】
次に、
図5と
図10に示すように、第22ステップS22は、グリーン
図30が回転していない(回転角度が0度のグリーン
図30)のグリーン画像39において、ピン位置31から、グリーン画像39の下辺(前辺)39fに下した垂線と交わる点を画像フロント基準位置39wとし、この画像フロント基準位置39wの緯度・経度を算出する。
【0044】
第22ステップS22の後に、第23ステップS23に進み、画像フロント基準位置39wの緯度・経度情報と、ピン位置31の緯度・経度情報から、画像フロント基準位置39wから見たピン位置31の方位角θ2を算出する。
画像フロント基準位置39wから見たピン位置31の方位角θ2(以下、グリーン図方位角θ2と呼ぶ場合もある)は、画像フロント基準位置39wとピン位置31を結んだグリーン図基準直線T2と、方位基準直線T3との間の角度である。
なお、画像フロント基準位置39wとピン位置31を結んだグリーン図基準直線T2とは、画像フロント基準位置39wとピン位置31を通過する直線であって、画像フロント基準位置39wとピン位置31との間の線分に限らず、画像フロント基準位置39wから見てピン位置31よりも後方(奥)へ伸びた直線も含む。
【0045】
第23ステップS23の後に、第24ステップS24に進み、プレイヤ方位角θ1とグリーン図方位角θ2の差を計算して、プレイヤ基準直線T1とグリーン図基準直線T2との間の角度をグリーン表示用回転角度θ3として算出して記憶部3に記憶させて、表示用回転角度算出処理を終了する。
【0046】
なお、プレイヤ方位角θ1の算出と、グリーン図方位角θ2の算出の順番は自由である。例えば、
図5において、第21ステップS21を、第22ステップS22又は第23ステップS23の後に行うも良い。
【0047】
そして、演算処理部1は、表示用回転角度算出処理後に、
図2と
図6、及び、
図12と
図13と
図14に示すように、グリーン表示処理を行う。
【0048】
図6と
図12に示すように、グリーン表示処理は、第31ステップS31において、グリーン
図30上のピン位置31が、表示部5のグリーン表示用範囲50の中央領域(中央位置)に配設されるように設定する(グリーン
図30の配置を設定する)。さらに、プレイヤ基準直線T1が、表示部5(グリーン表示用範囲50)の真上真下方向と一致するように、グリーン
図30及びプレイヤ基準直線T1をグリーン表示用回転角度θ3だけ回転させる。
言い換えると、プレイヤ基準直線T1が、グリーン表示用範囲50の表示前後基準直線T50と一致するように、グリーン
図30をグリーン表示用回転角度θ3だけ回転させる。
なお、表示部5(のグリーン表示用範囲50)の真上真下方向とは、表示面(ディスプレイ面)を鉛直面状とした場合の上下鉛直方向である。
なお、表示前後基準直線T50は、先ず、グリーン表示用範囲50内の所定の表示基準点(例えば中央点)からグリーン表示用範囲50の下辺(表示範囲前辺)50fに対して垂直に下した線(垂線)であり、表示部5の真上真下方向と平行である。
【0049】
第31ステップS31後に第32ステップS32に進んで、
図6及び
図13に示すように、現在位置21から見た、ピン位置31からグリーンエッジ32までのピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erを記憶部3から読み出す(呼び出す)。
【0050】
つまり、記憶部3には、予め(グリーン表示処理の前に)、グリーンエッジ距離算出処理において、各グリーン図回転角度に関連付けたピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erが記憶されているエッジ距離データベースを作成して記憶している。
そこで、演算処理部1は、グリーン表示用回転角度θ3に対応するグリーン図回転角度を照合して決定し、そのグリーン図回転角度に関連付けたピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erを記憶部3から読み出す(エッジ距離データベースから抽出する)。
グリーン表示用回転角度θ3に対応するピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erは、ゴルフプレイヤが(現在位置21から)ピンを見たプレイヤ目線(視線)での、ピン位置31を起点としてピン前方グリーンエッジ32fまでのピン前エッジ距離Efと、プレイヤ視線でのピン位置31を起点としてピン後方グリーンエッジ32bまでのピン後エッジ距離Ebと、プレイヤ視線でのピン位置31を起点としてピン左側グリーンエッジ32lまでのピン左エッジ距離Elと、プレイヤ視線でのピン位置31を起点としてピン右側グリーンエッジ32rまでのピン右エッジ距離Erと、なる。
【0051】
また、第32ステップS32において、現在位置21からピン位置31までのピン距離Pを演算して記憶部3に記憶させる。
【0052】
また、第32ステップS32において、プレイヤ基準直線T1上のピン前方グリーンエッジ32f(言い換えると、現在位置21とピン位置31を繋ぐ線分と、グリーンエッジ32と、が交差する地点)から、現在位置21まで、のピン手前エッジ距離Fを算出して記憶部3に記憶させる。
ピン手前エッジ距離Fは、ピン距離Pから前エッジ距離Efを引算して求めるのが、処理速度が速くて好ましい。
【0053】
また、第32ステップS32において、プレイヤ基準直線T1上のピン後方グリーンエッジ32b(現在位置21からピン位置31を通過して延びる直線と、グリーンエッジ32と、が交差する地点)から、現在位置21まで、のピン奥エッジ距離Bを算出して記憶部3に記憶させる。
ピン奥エッジ距離Bは、ピン距離Pに後エッジ距離Ebを加算して求めるのが、処理速度が速くて好ましい。
【0054】
そして、第32ステップS32後に、第33ステップS33に進んで、
図6及び
図14に示すように、表示部5のグリーン表示用範囲50に、グリーン表示用回転角度θ3だけ回転されたグリーン
図30と、ピン距離Pと、ピン手前エッジ距離Fと、ピン奥エッジ距離Bと、を表示させる。
さらに、ピン位置31を起点とする表示部5の上下左右方向へのグリーンエッジ32までの各距離を、ゴルフプレイヤ(現在位置21)から見たピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erとして表示する。なお、表示部5の上下左右方向とは、表示部5のディスプレイ面(表示面)を鉛直面状として、ゴルフプレイヤが表示面を見ている場合の方向を言う。
また、現在位置21とピン位置31とのピン高低差Hを表示するも良い。ピン高低差Hは、ピン孔を開けていない時のピン位置31のグリーン面高さに対して算出する。
【0055】
さらに、第32ステップS32において、グリーン表示用回転角度θ3だけ回転させたプレイヤ基準直線T1と、該プレイヤ基準直線T1とピン位置31にて直角に交差する左右基準直線T5と、を有する目安十字線36を、表示部5に表示させる。
また、目安十字線36近傍に、前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erを表示して、グリーン表示処理を終了する。
【0056】
なお、表示されるプレイヤ基準直線T1は、ピン位置31が含まれていれば良く(現在位置21が含まれていなくとも良く)、また、グリーン表示用範囲50の下辺50fから上辺に渡って表示されなくとも良い。例えば、
図14に示すように、グリーン表示用範囲50の下辺50fからピン後方グリーンエッジ32bまでの線分や、
図15及び
図16に示すように、ピン前方グリーンエッジ32fからピン後方グリーンエッジ32bまでの線分であっても良い。
左右基準直線T5は、グリーン表示用範囲50の右辺から左辺に渡って表示されなくとも良い。例えば、
図14乃至
図16に示すように、ピン左側グリーンエッジ32lからピン右側グリーンエッジ32rまでの線分や、図示省略するが、ピン左側グリーンエッジ32lからグリーン表示用範囲50の右辺までの線分等自由である。
【0057】
言い換えると、目安十字線36は、ピン位置31に交点に一致させて相互に直角に交わる前後目安線と左右目安線とを有している。そして、ピン前方グリーンエッジ32fとピン位置31を結んだ前目安線分と、ピン後方グリーンエッジ32bとピン位置31を結んだ後目安線分と、ピン左側グリーンエッジ32lとピン位置31を結んだ左目安線分と、ピン右側グリーンエッジ32rとピン位置31を結んだ右目安線分と、を有し、前目安線分近傍に前エッジ距離Efを、後目安線分近傍に後エッジ距離Ebを、左目安線分近傍に左エッジ距離Elを、右目安線分近傍に右エッジ距離Erを、夫々表示する。
【0058】
そして、
図15及び
図16に示すように、表示部5は、回転されたグリーン
図30と、ピン位置31と、前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erと、ピン距離Pと、ピン手前エッジ距離Fと、ピン奥エッジ距離Bと、ピン高低差Hと、目安十字線36(グリーン表示用回転角度θ3だけ回転させたプレイヤ基準直線T1と左右基準直線T5)と、ホール番号と、パー数等の支援情報を、同時(同一画面上)に表示する。
ここで、
図15の表示部5を見ているゴルフプレイヤと、
図16の表示部5を見ているゴルフプレイヤとは、同じホール(コース)において、ピン位置31から同じ距離だけ離れている(ピン距離Pが同じ)地点にいるが、相互に異なる場所である(現在位置21が異なる)ため、夫々が携帯している端末10の表示部5に表示されるグリーン
図30の姿勢(回転されたグリーン
図30)が異なっている。
【0059】
図15の表示部5を見ているゴルフプレイヤは、ピン位置31よりも奥(後方)を狙うとグリーンオーバーの可能性が高いことが分かり、ピン位置31より手前(前方)を狙うほうがグリーンオンの可能性が高いことが分かるため、例えば、グリーンオーバーに気を付けてピン手前を狙う戦略を立てることができる。
【0060】
図16の表示部5を見ているゴルフプレイヤは、ピン位置31よりも手前を狙うとグリーンに届かない可能性があり、ピン位置31の後ろ(奥)を狙うほうがグリーンオンの可能性が高いことがわかる。また、ピン位置31の右手前側が、グリーン面が広いことが一目でわかる。例えば、確実にグリーンオンを狙うためにグリーンの右手前を狙う戦略や、得意とする距離が70yであればピン位置31の後ろ(奥)を狙う戦略を立てることができる。
【0061】
このように、各ゴルフプレイヤの現在位置21から見た(ゴルフプレイヤ視線での)グリーン
図30と、ゴルフプレイヤの視線に対応した(準拠した)前後左右のグリーンエッジ32までの距離と、を表示するため、一目で直感的に自分(ゴルフプレイヤ)とグリーンとピンとの位置関係を知ることができる。従って、ゴルフプレイヤの現在位置21に応じた戦略を、容易かつ迅速に考えることができ、ゴルフスコアの向上や、ゴルフプレイの進行が円滑(スムーズ)に行われる。
【0062】
また、表示用回転角度算出処理及びグリーン表示処理は、ゴルフプレイヤがある程度(ティーグランドにいる時よりも)グリーンに近づいた時に行われる。例えば、ゴルフプレイヤがグリーンへのアプローチショット等を打つ前に所定操作を行うことで、又は、現在位置21に基づいてグリーンに近づいたと判定した演算処理部1によって(自動で)、ホール全体レイアウト表示モード等から、グリーン拡大表示モードへの切り替えを命令するグリーン表示命令を演算処理部1が受けた場合に行われる。
そこで、ゴルフプレイヤがグリーンに近づく迄の間に、グリーン図回転角度に関連付けたピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erを算出して記憶部3に記憶させている(表示用回転角度算出処理及びグリーン表示処理の前に、グリーンエッジ距離処理を行っている)ので、グリーン表示用回転角度θ3と照合して読み出すだけで、ゴルフプレイヤの視線と一致するピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erを表示できる。グリーンに近づいてからピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erを算出する場合に比べ、演算処理部1がグリーン表示命令を受けてから表示部5に表示させるまでの処理速度を格段に速くすることができる。
【0063】
また、グリーンエッジ距離算出処理は、ゴルフプレイヤの現在位置21や、現在位置21からピン位置31又は障害物まで距離や方向等のゴルフプレイナビゲーション画面を表示部5に表示させるナビゲーション処理と、同時(平行)処理することで、グリーンエッジ距離算出処理の終了を待たずに、ティーショットを打つことができ、ゴルプレイの進行を円滑に進めることができる。
【0064】
記憶部3は、情報の読み書きが繰り返し可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)やフラッシュメモリ等の内部記憶部のみのものや、内部記憶部に加えて、メモリカード等の記憶用の小型電子媒体に記録されている情報を保持可能なリーダライタ等の補助記憶装置である補助記憶部を有するもの等自由である。
表示部5のディスプレイ面は、液晶画面や有機EL等自由である。
操作部4は、表示部5のディスプレイ面と一体状のタッチパネル部や、ディスプレイ面に表示された項目を選択可能な選択キー(ボタン)や決定キー(ボタン)等自由である。
外部接続部8は、パーソナルコンピュータやスマートフォン等の外部機器と、有線で接続可能な有線用コネクタや、無線通信可能な無線モジュール等自由である。
測位衛星とは、GPS、Galileo、GLONASS、SABAS、等の測位人工衛星である。
【0065】
なお、本発明は、設計変更可能であって、グリーンエッジ距離算出処理は、ホール決定処理後に限らず、ピン位置登録処理の後、かつ、グリーン表示用回転角度算出よりも前であれば良い。
【0066】
以上のように、本発明のゴルフプレイ支援装置は、ゴルフプレイヤが携帯する端末10を備え、上記端末10は、測位衛星からの信号を受信可能な受信部2と、グリーン
図30を緯度・経度情報と関連付けられたグリーン画像39として記憶する記憶部3と、上記受信部2が受信した信号によって上記ゴルフプレイヤの現在位置21を算出する演算処理部1と、上記グリーン
図30を表示する表示部5と、を具備し、上記演算処理部1は、上記グリーン
図30上のピン位置31を中心としてグリーンエッジ32までの距離を360度分算出するグリーンエッジ距離算出処理を行い、さらに、上記演算処理部1は、上記グリーンエッジ距離算出処理後に、上記現在位置21と上記ピン位置31を結んだプレイヤ基準直線T1と、上記グリーン
図30のグリーン図基準直線T2と、の間の角度をグリーン表示用回転角度θ3として算出する表示用回転角度算出処理を行い、上記演算処理部1は、上記ピン位置31を中心として上記グリーン
図30及び上記プレイヤ基準直線T1を上記グリーン表示用回転角度θ3だけ回転させて、上記プレイヤ基準直線T1を上記表示部5の真上真下方向に一致させるグリーン表示処理を行い、上記表示部5は、上記現在位置21から上記ピン位置31までのピン距離Pを表示すると共に、上記表示部5の真上真下方向に一致させた上記プレイヤ基準直線T1を表示し、さらに、上記プレイヤ基準直線T1上の上記ピン位置31を起点とする上記表示部5の上下左右方向への上記グリーンエッジ32までの各距離を、ゴルフプレイヤから見たピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erとして表示するので、プレイヤが現実にピンを見ている視線と同じ方向での支援情報をプレイヤに提供できる。つまり、グリーンのどの辺りを狙えば、グリーンオンが容易であるか、或いは、ピンを狙えるかを、プレイヤ目線で、直感的に(一目で)知ることができる。戦略の決定を容易かつ迅速に行うことができ、ゴルフプレイを円滑に進行させることができる。グリーンオンしやすい安全な位置や、得意な距離でグリーンオンを狙うことができスコアの向上に貢献できる。また、ゴルフプレイヤから見た前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erを表示部5に表示させる処理が速く、使い勝手が良く、ゴルフプレイをスムーズに進行させることができる。現在位置21が異なるゴルフプレイヤ夫々に対して最適なプレイヤ目線(視線)の支援情報(前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Er)を、素早く提供できる。
【0067】
また、上記表示部5は、上記ピン距離Pと上記回転されたグリーン
図30と上記前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erと共に、上記プレイヤ基準直線T1上のピン前方グリーンエッジ32fから上記現在位置21までのピン手前エッジ距離Fと、上記プレイヤ基準直線T1上のピン後方グリーンエッジ32bから上記現在位置21までのピン奥エッジ距離Bと、を表示するので、一目で直感的に、グリーンの大きさや形状、端末10を見ているゴルフプレイヤ)とグリーンとピンとの相互の位置関係及び距離関係を把握でき、ゴルフプレイヤが、優れた(最適な)戦略を立てることができる。
【課題】ゴルフプレイヤの現在位置に応じたプレイヤ目線の支援情報を表示でき、戦略の決定を容易かつ迅速に行えると共にゴルフスコアの向上に貢献可能なゴルフプレイ支援装置を提供する。
を表示する表示部5とを備える。表示部5は、現在位置からピン位置31までのピン距離Pを表示すると共に、表示部5の真上真下方向に一致させたプレイヤ基準直線T1を表示し、さらに、直線T1上のピン位置31を起点とする表示部5の上下左右方向へのグリーンエッジ32までの各距離を、ゴルフプレイヤから見たピン前後左右エッジ距離Ef,Eb,El,Erとして表示する。