(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スイッチ素子は、前記第1状態においてアンテナポートを前記一つの受信フィルタ及び前記第1送信フィルタに電気的に結合するように構成され、前記第2状態において前記アンテナポートを前記一つの受信フィルタ及び前記第2送信フィルタに電気的に結合するように構成される請求項14の電子システム。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の、所定の実施形態の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な記載を提示する。しかしながら、ここに記載の新機軸は、例えば特許請求の範囲によって画定かつカバーされる多数の異なる態様で具体化することができる。本記載において参照される図面では、同じ参照番号が同一の又は機能的に類似の要素を示し得る。理解されることだが、図面に例示される要素は必ずしも縮尺どおりではない。さらに理解されることだが、所定の実施形態は、図面に例示されるよりも多くの要素を含んでよく、及び/又は図面に例示される要素の部分集合を含んでよい。さらに、いくつかの実施形態は、2以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせを組み入れてよい。
【0021】
セルラー無線送信器の公称動作条件は、固有の線形性、放射、電力レベル及び変調品質を特定する。望ましいのは、こうした仕様を、相対的に高い直流(DC)効率で達成することである。断続放射仕様は、ネットワークによってシグナリングされ得る。例えば、基地局が、断続放射仕様モードに入るための信号を携帯型デバイスに送信してよい。これは、ハンドセットにおける及び/又はハンドセットまわりの共存環境の変化に起因し得る。最悪のケースの断続仕様を満たすには、目標とする線形性及び/又は帯域外放射仕様を達成するためのDC電流効率が犠牲となり得る。最悪のケースの断続仕様を満たす従来の解決法によれば、最悪のケースの断続仕様を満たすことの代償として大部分の時間存在するDC電流消費及び/又は挿入損失のような公称動作条件に、ペナルティを科していた。これは、典型的動作中に準最適な性能をもたらし得る。
【0022】
本開示の複数の側面は、断続仕様を満たしながらも、典型的動作に対して相対的に高い性能を維持することに関する。本開示は、典型的なバンド13の動作と、NS_07放射の断続的ネットワークシグナリング仕様とを満たす実施形態の例を与える。NS_07の要件は、消防士、警察等が使用できる公共安全帯域に関連する。ロングタームエボリューション(LTE)規格では、バンド13の送信帯域がNS_07の帯域に隣接する。NS_07送信との干渉には厳密な仕様が存在する。バンド13の送信帯域(777〜787MHz)で動作する場合、NS_07の特別なケースがネットワークを介してシグナリングされ得る。NS_07の特別なケースがシグナリングされると、仕様は、公共安全帯域(769〜775MHz)のアンテナにおいて−57dBm/6.25kHz未満のスペクトル放射に整合させるべく、ハンドセットに対してその放射を下げるように要求する。これにより、公共安全帯域を保護することができる。NS_07の公共安全帯域は、バンド13の送信帯域から約2MHzだけ離れているにすぎない。NS_07の公共安全帯域がバンド13の送信帯域に近接することにより、技術的な課題が提示される。例えば、バンド13の送信帯域とNS_07の公共安全帯域との干渉を防止するべくフィルタ減衰を著しく増加させることにより、典型的動作に対する挿入損失及びDC動作電流が増加し得る。
【0023】
NS_07仕様は、バンド13の送信経路において、公称モードのバンド13送信動作よりも著しい帯域外減衰を規定する。この増加した帯域外減衰は、電力増幅器及びアンテナスイッチモジュール間に配置されたデュプレクサによって実装可能である。しかしながら、増加した帯域外減衰を伴うフィルタもまた、バンド13の送信経路における挿入損失を増加させる。NS_07モードは典型的に、わずかなパーセンテージの時間(例えば約1%以下の時間)のみに発生するので、典型的動作中に公称送信DC電流消費を保持しながらもNS_07仕様を満たす解決法が望ましい。
【0024】
本開示において、バンド13の典型的な送信のための、及びバンド13で送信しながらもNS_07公共安全帯域の放射仕様を満たすための専用のRF経路が与えられる。一の経路は、典型的なバンド13信号の送信のような、相対的に高い効率での公称動作条件のために実装可能であり、他の経路は、NS_07ケースのような、高い線形性及び/又は帯域外フィルタ減衰を有する断続ケースのために実装可能である。2つの経路の一方は、断続ケースがシグナリングされたか否かに基づいて選択可能である。これにより、困難かつ断続的な放射の仕様を、断続モード中の高いDC電流消費ひいては低効率というペナルティで満たすことが可能となるので、典型的動作中に同様のペナルティが生じることはない。したがって、典型的動作中において、DC電流消費のような性能を相対的に高いレベルに維持しながらも断続放射仕様及び/又は共存仕様を満たすことができる。
【0025】
ここに説明される原理及び利点は、セルラー電話機のような携帯型デバイスにおける様々なアプリケーションに適用可能である。ここに説明される原理及び利点は一般に、著しく厳しい放射性能が、常にというわけではないが断続的に望まれる場合に適用可能である。
【0026】
ここに説明される原理及び利点の一つのアプリケーションは、一つの携帯型デバイス(例えば一つのハンドセット)内の複数ラジオの中に断続放射が存在する場合である。これは、自己デセンス共存とも称される。例えば、携帯電話機は、バンド41(2496MHz〜2690MHzの周波数範囲)でのロングタームエボリューション(LTE)通話を容易にする一方、2.4GHzのWi−Fi(登録商標)接続(2403MHz〜2483MHzの周波数範囲)も開始することができる。この例において、バンド41送信からの放射を2.4GHzのWi−Fi上側周波数チャネルまで低減することが望ましい。かかる放射低減が不在であれば、携帯型デバイスは、自身のWi−Fi受信をデセンスし得る。他例では、バンド12の動作が、バンド4における二次受信チャネルとのキャリアアグリゲーションとなり得る。バンド12の第3高調波は、自身で動作しているときは問題とはならないのが典型的であるが、バンド12の送信/受信一次チャネルが二次バンド4の受信チャネルに加わると、バンド12の第3高調波を、電力増幅器出力(例えばバイポーラ電力増幅器トランジスタのコレクタ)において、その振幅から約100dBまで減衰させてバンド4の受信経路と干渉させないようにすることが望ましい。さらなる一例では、バンド13で動作する携帯型デバイスは、グローバルポジションシステム(GPS)周波数帯域に近い第2高調波を有し得る。GPSが動作していない場合、バンド13の第2高調波の抑制はそれほど問題とはならない。しかしながら、GPSがアクティブになると、バンド13の第2高調波をフィルタリングにより除外することが、性能向上に対して著しい影響を与え得る。
【0027】
ここに説明される原理及び利点の他のアプリケーションは、携帯型デバイスまわりの環境からの干渉が存在する場合である。例えば、携帯型デバイスが群衆の中で使用されている場合、他の近隣ユーザの携帯型デバイスが干渉を引き起こし得る。代替的又は追加的に、ネットワーク干渉環境が変わり得るので、携帯型デバイスがセル内で突然、干渉状況に没入する可能性がある。基地局(例えばエボルブドノードB[eNodeB])は、携帯型デバイスに対し、一時的な共存問題に良好に対処するべく、より厳格な仕様内で動作するように指示することができる。
【0028】
ここに説明される原理及び利点の他のアプリケーションは、ネットワークシグナリングケースにおいてである。例えば、LTE規格は、一定数のネットワークシグナリングケースを与える。以下の表1は、LTEセルラー通信規格のユーザ機器(UE)における固有のRF経路及び帯域サポートに厳格な放射が課されるネットワークシグナリングケースに関する情報を含む。かかるケースは、以下のネットワークシグナリング(NS)ケースを含む。これらは、地理的領域がローカル無線サービスを保護するための、公共安全のための、地理的にデジタルテレビジョン共存仕様等に占められるエリアをカバーするためのものであり得る。表1の周波数帯域は、LTEのE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)動作帯域に対応する。これらのNSケースのいくつかは、被害者帯域を保護するためのものである。以下のNSケースの他のいくつかは、スペクトルマスクに関連する。ここに説明される原理及び利点は、以下の表1のNSケースのいずれかに適用可能である。ここに説明される原理及び利点は、公称ケースよりも厳しい放射規格を規定する他のNSケースにも適用可能である。
【表1】
【0029】
図1Aは、一実施形態に係るフロントエンドアーキテクチャの模式図である。
図1Aのフロントエンドアーキテクチャは、RF信号を送信及び受信することができる。RF信号は、LTEシステムにおける無線周波数信号に対する約450MHz〜約4GHzの範囲のような、約30kHz〜300GHzの範囲の周波数を有してよい。
図1Aにおいて、断続放射及び/又は相対的に稀に発生する放射のような固有の放射仕様に対処するべく専用送信経路が与えられ、典型的動作には別個の経路を与えることができる。典型的動作に対する送信経路は、固有の放射仕様に対する専用送信経路よりも良好なDC性能を有し得る。固有の放射仕様に対処するべく専用経路に切り替えられる一方、典型的動作に対しては他の経路に切り替えられる。これにより、固有の放射仕様を満たすべく典型的動作中に性能を著しく損なうことが回避される。
図1Aに例示されるフロントエンドアーキテクチャにおいて、固有の放射仕様はNS_07仕様であり、典型的動作はバンド13の送信である。
【0030】
図1Aに例示のフロントエンドアーキテクチャは、送信選択スイッチ110、電力増幅器120、第1デュプレクサ121、第2デュプレクサ122、第3デュプレクサ124、アンテナスイッチモジュール130、アンテナ140及び受信選択スイッチ150を含む。いくつかの他実施形態において、
図1Aのフロントエンドアーキテクチャ及び/又は他の例示の実施形態のいずれかは、例示よりも多い又は少ない要素を含んでよい。
【0031】
送信選択スイッチ110は、電力増幅器120の出力を、選択されたデュプレクサに結合することができる。送信選択スイッチ110は、RFスイッチとしてよい。送信選択スイッチ110は、例示される単極多投スイッチのような多投スイッチとしてよい。送信選択スイッチ110は、電力増幅器120の出力を、多投の選択された一つに結合することができる。多投は、典型的動作用に構成された第1デュプレクサ121に電気的に結合された第1投、及び固有の放射仕様を満たすように構成された第2デュプレクサ122に電気的に結合された第2投を含んでよい。送信選択スイッチ110は、断続放射仕様を示す信号に少なくとも部分的に基づいて、電力増幅器120の出力を、多投の一つを選択して電気的に結合してよい。断続放射仕様を示す信号は、アンテナ140を介して受信することができる。送信選択スイッチ110は、異なる周波数帯域及び/又は異なる動作モードに関連づけられた一以上の他の投を含んでよい。例えば、送信選択スイッチ110は例示のとおり、第3デュプレクサ124に電気的に結合された第3投を含む。
図1Aにおいて、第3デュプレクサ124は、バンド12の送信及び受信のために配列される。
【0032】
第2デュプレクサ122は、第1デュプレクサ121とは異なる一以上の特性を有してよい。例えば、第2デュプレクサ122は、送信経路において第1デュプレクサ121よりも高い帯域外減衰を与えてよい。第2デュプレクサ122が与える高い帯域外減衰は、通過帯域の外側で対称又は非対称でよい。いくつかの例において、通過帯域の一側で増加した減衰は、断続放射仕様に準拠するのに十分となり得る。例えば、NS_07仕様に関連づけられた公共安全帯域は、バンド13の送信帯域よりも約2MHzだけ下回る。したがって、第2デュプレクサ122の通過帯域を下回る周波数での高い帯域外減衰は、通過帯域を上回る周波数で高い帯域外減衰を有することがないアプリケーションにおいて十分となり得る。いくつかの他のアプリケーションにおいて、かかるデュプレクサは、通過帯域を上回る周波数において高い帯域外減衰を与え、又は通過帯域を上回る周波数及び下回る周波数において高い帯域外減衰を与えることができる。他例では、第2デュプレクサ122は、第1デュプレクサ121の送信フィルタよりも高い帯域内減衰を与えてよい。例示されるように、第1デュプレクサ121が典型的なバンド13送信用の送信フィルタを与え、第2デュプレクサ122が、NS_07仕様に準拠するバンド13送信用の送信フィルタを与える。第1デュプレクサ121の送信フィルタ、及び第2デュプレクサ122の送信フィルタは、同じ通過帯域を有する帯域通過フィルタとしてよい。ここで、第2デュプレクサ122の送信フィルタは、第1デュプレクサ121の送信フィルタよりも高い帯域外減衰を有する。第1デュプレクサ121の送信フィルタは、上述のとおり、第2デュプレクサ122の送信フィルタとは異なる特性を有し得る。
【0033】
図1Cは、一実施形態に係る
図1Aの送信経路の2つにおけるフィルタの周波数応答のグラフである。
図1Cにおいて、第1曲線180は、
図1Aの第2デュプレクサ122における送信フィルタの周波数応答を例示し、第2曲線185は、
図1Aの第1デュプレクサ121における送信フィルタの周波数応答を例示する。これらの送信フィルタは双方とも、近似的に同じ通過帯域を有する帯域通過フィルタである。曲線180及び185が例示するのは、第2デュプレクサ122の送信フィルタが、第1デュプレクサ121の送信フィルタよりも高い帯域内減衰を有することである。したがって、第2デュプレクサ122は、第1デュプレクサ121よりも多くの挿入損失(insertion loss(IL))を加える必要がある。加えて、曲線180及び185が例示するのは、第2デュプレクサ122の送信フィルタが、通過帯域を下回るところで第1デュプレクサ121の送信フィルタよりも高い帯域外(out of band(OOB))減衰を有することである。
【0034】
図1Aに戻ると、アンテナスイッチモジュール130は、第1デュプレクサ121又は第2デュプレクサ122の一方を選択してアンテナ140に電気的に結合することができる。所定のアプリケーションにおいて、アンテナスイッチモジュール130とアンテナ140との間に一以上の付加素子を配置してよい。例示のアンテナスイッチモジュール130は、選択されたデュプレクサとアンテナ140との双方向通信のために構成される。送信モードにおいて、アンテナスイッチモジュール130はRF信号を、選択されたデュプレクサからアンテナ140へと与えるように構成される。アンテナスイッチモジュール130の出力は送信モードにおいて、選択されたRF信号を、
図1Aの実施形態におけるアンテナ140へと与える。受信モードにおいて、アンテナスイッチモジュール130は、アンテナ140から、選択されたデュプレクサへとRF信号を与えるように構成される。アンテナスイッチモジュール130の出力は受信モードにおいて、選択されたRF信号を、
図1Aの実施形態における選択されたデュプレクサに与える。
【0035】
アンテナスイッチモジュール130は、送信モードにおいて、選択された送信経路からのRF信号を、スイッチ素子の出力として選択的に与えるように構成されたスイッチ素子を含む。例示されるように、スイッチ素子は単極多投スイッチである。他実施形態において、スイッチ素子は、2以上のスイッチを含んでよい。2以上のスイッチは、信号を送信するように構成してよい。2以上のスイッチは、信号送信のための、及びアンテナ140からの信号受信のための別個のスイッチを含んでよい。スイッチ素子は、送信モードにおいて、一以上のアンテナに出力を与えてよい。例えば、スイッチ素子は、
図1Aに例示されるように、出力を一つのアンテナ140に与えてよい。他例において、スイッチ素子は、出力を、多重アンテナ素子を含むアンテナに与えてよい。いくつかの実装によれば、スイッチ素子は、送信モードにおいて、
図1Aに例示されるバンド13経路及びNS_07バンド13経路のような異なる経路からのRF信号を、異なるそれぞれのアンテナに与えることができる。
【0036】
アンテナスイッチモジュール130は、送信モードにおいて、任意数の送信経路の選択された一つを選択してアンテナに電気的に結合することができる。例示されるように、アンテナスイッチモジュール130は、送信モードにおいて、第1デュプレクサ121、第2デュプレクサ122又は第3デュプレクサ124の一つからのRF信号を選択してアンテナ140に与えることができる。第1状態において、スイッチ素子は、第1デュプレクサ121からの第1RF信号を送信モード出力として与えてよい。第2状態において、スイッチ素子は、第2デュプレクサ122からの第2RF信号を送信モード出力として与えてよい。第3状態において、スイッチ素子は、第3デュプレクサ124からの第3RF信号を送信モード出力として与えてよい。
【0037】
アンテナスイッチモジュール130は、少なくとも、スイッチを含んでよい。第1デュプレクサ121に電気的に結合された第1投、及び第2デュプレクサ122に電気的に結合された第2投を含んでよい。アンテナスイッチモジュール130は、少なくとも第1投及び第2投を含む多投のうち、選択された投をアンテナ140に電気的に結合してよい。したがって、アンテナスイッチモジュール130は、典型的なバンド13動作用の経路、又はNS_07準拠バンド13動作用の経路のいずれかを選択してアンテナ140に電気的に結合してよい。アンテナスイッチモジュール130はまた、
図1Aに示されるバンド12経路のような他の経路を選択してアンテナに電気的に結合してよい。アンテナスイッチモジュール130のスイッチは、例示の単極多投スイッチのような多投スイッチとしてよい。アンテナスイッチモジュール130のスイッチは、例示の双方向スイッチとしてよい。
【0038】
他実施形態において、単極双投スイッチのようなスイッチが、第1デュプレクサ121又は第2デュプレクサ122のいずれかを選択してアンテナスイッチモジュールに電気的に結合してよい。
【0039】
図1Aに例示のフロントエンドモジュールは、第1デュプレクサ121の受信フィルタに電気的に結合された第1投、及び第2デュプレクサ122の受信フィルタに電気的に結合された第2投を有する受信選択スイッチ150を含む。受信選択スイッチ150は、第3デュプレクサ124のような、他の動作帯域に関連づけられた他のデュプレクサに電気的に結合された付加投を含んでよい。代替的に、受信選択スイッチは、第1デュプレクサ121又は第2デュプレクサ122を選択して当該受信選択スイッチに結合できる他のスイッチを介して受信経路に結合してよい。
【0040】
パッケージ状モジュールは、
図1Aの電力増幅器120、送信選択スイッチ110、デュプレクサ121及び122、並びに受信選択スイッチ150、又はここに説明される他実施形態のいずれかの、機能が同様の素子のいずれかを含んでよい。パッケージ状モジュールは、電力増幅器120、送信選択スイッチ110、デュプレクサ121及び122、並びに受信選択スイッチ150を封入するパッケージを含んでよい。かかるパッケージ状モジュールは、携帯電話機(例えばスマートフォン)のような携帯型デバイスにおいて使用されるように構成してよい。所定の実施形態において、パッケージ状モジュールは、電力増幅器120、送信選択スイッチ110、デュプレクサ121及び122、受信選択スイッチ150、並びにアンテナスイッチモジュール130を含んでよい。
【0041】
図1Bは、一実施形態に係るフロントエンドアーキテクチャの模式図である。
図1Bが示すのは、アンテナスイッチモジュール130’が多極多投スイッチ素子を含み得ることである。例示されるように、アンテナスイッチモジュール130’は、第1アンテナポートアンテナポート1に対応する第1極、及びアンテナポートアンテナポート2に対応する第2極を含む。したがって、アンテナスイッチモジュール130’は、RF信号を多重アンテナに与えることができる。アンテナスイッチモジュール130’はまた、受信RF信号を多重アンテナから受信することもできる。一実施形態において、アンテナスイッチモジュール130’は、RF信号を選択して一次アンテナ及びダイバーシティアンテナに与えることができる。所定の実施形態によれば、アンテナスイッチモジュール130’は、選択された送信経路からのRF信号を、選択されたアンテナに与える一方、他のアンテナから受信したRF信号を、選択された受信経路に与えてよい。例示されるのは2極を含むアンテナスイッチモジュール130’であるが、ここに説明される原理及び利点は、3以上の極を有するスイッチ素子にも適用してよい。同様に、ここに説明される当該アンテナスイッチ素子は、任意の適切な数の投を有してよい。
【0042】
図2Aは、他実施形態に係るフロントエンドアーキテクチャの模式図である。
図2Aの実施形態において、
図1Aの第1及び第2デュプレクサ121及び122はそれぞれ、共通パッケージ状デュプレクサ210として結合可能である。共通パッケージ状デュプレクサ210は、
図1Aの別個の第1及び第2デュプレクサ121及び122それぞれに対してコスト及びサイズを低減し得る。相対的なコスト及びサイズの低減は、共通パッケージング及び/又は受信フィルタ排除によりもたらされる。共通パッケージ状デュプレクサ210は、3つの入力ポートTXIN1、TXIN2及びRXINと、3つの出力ポートTXOUT1、TXOUT2及びRXOUTとを有してよい。例示の共通パッケージ状デュプレクサ210は、2つの送信フィルタ及び一つの受信フィルタを含む。
図2Aに示されるように、共通パッケージ状デュプレクサ210は、典型的なバンド13送信用に構成された第1送信フィルタ、NS_07モード用に構成された第2送信フィルタ、及び受信フィルタを含んでよい。これらの送信フィルタは、同じ通過帯域を有する帯域通過フィルタとしてよい。第1送信フィルタは、通過帯域において相対的に低い挿入損失を有するように構成されるので、相対的に高い電力付加効率(PAE)をもたらし得る。第2送信フィルタは、NS_07放射仕様を満たすように構成してよい。第2送信フィルタは、第1送信フィルタよりも高い挿入損失及び低い効率を与えてよいが、NS_07公共安全帯域において良好な周波数減衰を与える。第2送信フィルタは、第1送信フィルタよりも高い帯域外減衰及び/又は高い帯域内減衰を与えてよい。
図2Aに示されるように、共通パッケージ状デュプレクサの受信フィルタは、アンテナ140から受信された信号を、典型的なバンド13受信モード及びNS_07受信モードの双方に対し、同じフィルタを使用して処理することができる。したがって、受信選択スイッチ250は、
図1Aの受信選択スイッチ150よりも投が一つ少ない。
【0043】
図2Aに例示されるアンテナスイッチモジュール130は、
図1Aに例示のアンテナスイッチモジュールよりも投が一つ多い。3つの別個のトレース又は他の電気接続部は、アンテナスイッチモジュール130の3つの投を、共通パッケージ状デュプレクサ210の各ポートに電気的に接続することができる。アンテナスイッチモジュール130は、アンテナポートを選択して受信フィルタと複数の送信フィルタの一つとに電気的に接続するスイッチ結合機能を実装してよい。
図2Aに示されるように、アンテナスイッチモジュール130の2つの投は、同時にアクティブになることにより、共通パッケージ状デュプレクサ210の受信フィルタと、共通パッケージ状デュプレクサ210の複数の送信フィルタの一つとを一度にアンテナ140に結合することができる。一状態において、
図2Aのアンテナスイッチモジュール130は、共通パッケージ状デュプレクサ210の第1送信フィルタ、及び共通パッケージ状デュプレクサ210の受信フィルタをアンテナポートに電気的に結合することができる。他状態において、
図2Aのアンテナスイッチモジュール130は、共通パッケージ状デュプレクサ210の第2送信フィルタ、及び共通パッケージ状デュプレクサ210の受信フィルタを、アンテナポートに電気的に結合することができる。
【0044】
図2Bは、一実施形態に係るフロントエンドアーキテクチャの模式図である。
図2Bが示すのは、アンテナスイッチモジュール130’が多極多投スイッチ素子を含み、RF信号を選択して様々なアンテナポートに与えてよいことである。
図2Bの特徴は、ここに説明される原理及び利点のいずれかに関連して実装可能である。
【0045】
図3Aは、他実施形態に係るフロントエンドアーキテクチャの模式図である。
図3Aに例示されるフロントエンドアーキテクチャは、第1電力増幅器310、第2電力増幅器315、第1デュプレクサ121、2デュプレクサ122、第3デュプレクサ124、選択スイッチ320、アンテナスイッチモジュール130、アンテナ140及び受信選択スイッチ150を含む。
【0046】
図3Aの実施形態において、2つの異なる電力増幅器が実装される。第1電力増幅器310を典型的動作用に構成し、第2電力増幅器315を、固有の放射仕様を満たすように構成してよい。これら2つの電力増幅器の一方がディセーブルにされ、これらの電力増幅器の他方がイネーブルにされる。これら電力増幅器は、同じ送信周波数帯域(例えばバンド13)のRF信号を増幅するように構成可能である。第1電力増幅器310は、RFスイッチによる挿入損失を加えることなく、出力を第1デュプレクサ121に与えることができる。第1デュプレクサ121は、規格放射仕様を満たすべく配列された相対的に低損失のデュプレクサとしてよい。ネットワークから受信した信号が、NS_07放射仕様のような固有の放射仕様を無線送信器が満たすべきことを示すと、第2電力増幅器315に結合された送信経路が選択可能となる。第2電力増幅器315は、固有の放射仕様を順守するように構成してよい。第2電力増幅器315の出力は、選択スイッチ320を介して第2デュプレクサ122へと与えることができる。第1デュプレクサ121の送信フィルタに対して通過帯域での高い挿入損失及び/又は高い帯域外減衰を有する送信フィルタを含む第2デュプレクサ122に切り替えて、固有の放射仕様を満たすことができる。これにより、断続的信号送信仕様(例えばNS_07)に関連するあまり望ましくないDC電流消費がもたらされるが、このペナルティは、断続的信号送信モード(例えばNS_07モード)においてのみ生じ得る。
【0047】
電力増幅器は、変調電源による包絡線追跡(ET)モード、又は固定電源による平均電力追跡(APT)モードで動作させることができる。ETモード及びAPTモードの双方で最適に動作するように電力増幅器を構成することは困難となり得る。一実施形態において、2つの別個の電力増幅器が実装可能である。これらの電力増幅器の一つ目を、NS_07動作用の所望の線形性を目的としてAPTモードの最大電力を達成するように構成してよい。これらの電力増幅器の2つ目を、典型的動作用のETモードで所望の効率を達成するように構成してよい。送信モジュールは、ETモード又はAPTモードのいずれで動作すべきかを示すプログラミングビットを受信することができる。プログラミングビットは、第1電力増幅器を含む第1経路、又は第2電力増幅器を含む第2経路のいずれかを選択するように使用することができる。このプログラミングビットは、なんらかの方法で所定のアプリケーションに含めることができるので、付加データの必要性なしに典型的動作用の第1経路とNS_07動作条件用の第2経路とを選択することができる。これにより、別個の経路の実装を、送信モジュールの外側にとって透過的にすることができる。
【0048】
所定の実施形態によれば、第1電力増幅器310をETモードで動作するように構成し、第2電力増幅器315をAPTモードで動作するように構成してよい。一般に、第1電力増幅器310を、相対的に高い効率を目的として構成し、第2電力増幅器315を、相対的に高い線形性を目的として構成してよい。
【0049】
図3Bは、一実施形態に係るフロントエンドアーキテクチャの模式図である。
図3Bが示すのは、アンテナスイッチモジュール130’が多極多投スイッチ素子を含み、RF信号を様々なアンテナポートに選択的に与えてよいことである。
図3Bの特徴は、ここに説明される原理及び利点のいずれかに関連して実装可能である。
【0050】
図4Aは、他実施形態に係るフロントエンドアーキテクチャの模式図である。
図4Aの実施形態において、
図3の第1及び第2デュプレクサ121及び122はそれぞれ、共通パッケージ状デュプレクサ210として結合することができる。共通パッケージ状デュプレクサ210は、
図2A及び/又は2Bを参照して説明された特徴の任意の組み合わせを含んでよい。
図4Aの実施形態の受信経路は、受信選択スイッチ250のような、
図2A及び/又は2Bの受信経路の特徴の任意の組み合わせを実装することができる。
【0051】
他実施形態において(例示せず)、
図2Aの共通パッケージ状デュプレクサ210の第1送信フィルタの出力、及び共通パッケージ状デュプレクサ210の第2送信フィルタの出力は、アンテナスイッチモジュール130の同じ送信入力に与えられてよい。いくつかのかかる実施形態によれば、
図4Aの電力増幅器310及び315が共通パッケージ状デュプレクサ210の異なる送信フィルタに電気的に接続され、電力増幅器310及び315の一方がアクティブ解除される一方で当該電力増幅器の他方がアクティブにされてよい。したがって、共通パッケージ状デュプレクサ210の送信フィルタのうち、アクティブな電力増幅器の出力を受信する方が、RF出力を、アンテナスイッチモジュール130の送信入力に与えることができる。これにより、アンテナスイッチモジュール130のスイッチにおける投の数を、
図2Aの実施形態又は
図4Aの実施形態に対して一投だけ低減することができる。
【0052】
図4Bは、一実施形態に係るフロントエンドアーキテクチャの模式図である。
図4Bのフロントエンドアーキテクチャは、アンテナスイッチモジュール130’が、RF信号を様々なアンテナポートに選択的に与える多極多投スイッチ素子を含む点を除き、
図4Aのフロントエンドアーキテクチャと同様である。
図4Bの特徴は、ここに説明される原理及び利点のいずれかに関連して実装可能である。
【0053】
図5A〜5Cは、様々な実施形態に係るフロントエンドアーキテクチャの模式図である。ここで、固有の送信経路はノッチフィルタを含む。これらの実施形態において、断続放射及び/又は相対的に稀に発生する放射に対処するべくノッチフィルタを含む専用送信経路が与えられ、典型的動作に対しては別個の経路が与えられる。
図5A〜5Cに例示のフロントエンドアーキテクチャが送信経路を例示するが、これらのアーキテクチャはいずれも受信経路を含んでよい。例えば、例示のフィルタのいずれも、デュプレクサ及び/又は共通パッケージ状デュプレクサに実装可能である。
図5A〜5Cを参照して説明された原理及び利点のいずれも、他の実施形態のいずれかを参照して説明された原理及び利点のいずれかに関連して実装可能である。
図5A〜5Cの特徴の任意の適切な組み合わせが、相互に組み合わせて実装可能である。
【0054】
図5Aに例示のフロントエンドアーキテクチャは、送信選択スイッチ110、電力増幅器120、ノッチフィルタ510、選択スイッチ520、帯域通過フィルタ530及び540、アンテナスイッチモジュール130、アンテナ140を含む。送信選択スイッチ110及び選択スイッチ520は、電力増幅器120と帯域通過フィルタ530との間の経路においてノッチフィルタ510に選択的に切り替えられる。
【0055】
ノッチフィルタ510は、選択された断続放射及び/又は相対的に稀に発生する放射に対して電力増幅器120が与えるRF信号の高調波をフィルタリングして除去することができる。例えば、ノッチフィルタ510は、アンテナがバンド4受信信号を受信経路(例示せず)に与えている間に電力増幅器120が与えるバンド12RF信号の第3高調波をフィルタリングして除去するように、電力増幅器120の出力と帯域通過フィルタ530との間に切り替わることができる。他例において、ノッチフィルタは、GPS周波数帯域がアクティブになるとバンド13信号の第2高調波をフィルタリングして除外する。ノッチフィルタ510は、特定のアプリケーションのための固有周波数範囲を、例えば、キャパシタンス値、インダクタンス値、抵抗値、又はノッチフィルタ510における回路素子のこれらの任意の組み合わせを選択することによってフィルタリングするように構成してよい。ノッチフィルタ510は、帯域消去フィルタと称してよい。
【0056】
帯域通過フィルタ540は、所定の実施形態において、帯域通過フィルタ530とは異なる通過帯域を有してよい。代替的に、帯域通過フィルタ540は、帯域通過フィルタ530と近似的に同じ通過帯域を有してよく、これらの帯域通過フィルタは異なるフィルタ特性を有してもよい。例えば、かかる実装において、帯域通過フィルタ530は、帯域通過フィルタ540よりも高い帯域内減衰及び/又は高い帯域外減衰を有してよい。
【0057】
図5Bに例示されるフロントエンドアーキテクチャは、送信選択スイッチ110、電力増幅器120、ノッチフィルタ510、帯域通過フィルタ530、530’及び540、アンテナスイッチモジュール130、並びにアンテナ140を含む。送信選択スイッチ110は、断続放射及び/又は相対的に稀に発生する放射のために電力増幅器120の出力を選択して、帯域通過フィルタ530’及びノッチフィルタ510を含む送信経路に電気的に接続することができる。アンテナスイッチモジュール130は、断続放射及び/又は相対的に稀に発生する放射のために、帯域通過フィルタ530’及びノッチフィルタ510を含む送信経路をアンテナ140に電気的に結合することができる。
図5Bに示されるように、ノッチフィルタ510は、帯域通過フィルタ530’とアンテナスイッチモジュール130との間の信号経路に配置してよい。代替的に、帯域通過フィルタ530’は、ノッチフィルタ510とアンテナスイッチモジュール130との間の信号経路に配置してもよい。帯域通過フィルタ530及び530’は、同じ通過帯域又は類似のフィルタ特性(例えば帯域内減衰及び/又は帯域外減衰)を有してよい。いくつかの実施形態において、帯域通過フィルタ530及び530’は、異なるフィルタ特性を有してよい。
【0058】
図5Cに例示されるフロントエンドアーキテクチャは、第1電力増幅器 310、第2電力増幅器315、選択スイッチ320、ノッチフィルタ510、帯域通過フィルタ530及び530’、アンテナスイッチモジュール130並びにアンテナ140を含む。このフロントエンドアーキテクチャでは、2つの異なる電力増幅器が実装される。これら2つの電力増幅器の一方がディセーブルにされ、これらの電力増幅器の他方がイネーブルにされる。これらの電力増幅器は、同じ送信周波数帯域のRF信号を増幅するように構成してよい。第1電力増幅器310は、RFスイッチによる挿入損失を加えることなく、出力を帯域選択フィルタ530に与えることができる。選択スイッチ320は、第2電力増幅器315を、ノッチフィルタ510及び帯域通過フィルタ530’を含む信号経路、又は帯域通過フィルタ540を含む信号経路を選択して電気的に接続することができる。ノッチフィルタ510及び帯域通過フィルタ530’を備える信号経路は、断続的信号送信モード中に第2電力増幅器315が与えるRF信号の高調波周波数をフィルタリングして除去することができる。一実施形態において、第1電力増幅器310を典型的動作用にETモードで動作するように構成し、第2電力増幅器315を断続的信号送信モード用にAPTモードで動作するように構成してよい。典型的動作用の及び断続的信号送信モード用の別個の経路を、送信モジュールの外側にとって透過的にすることができる。
【0059】
図6は、一実施形態に係るプロセス600の一例のフロー図である。プロセス600は、例示されるよりも多い又は少ない動作を含んでよい。プロセス600は、例えば
図1A〜5Cのフロントエンドアーキテクチャのいずれかのような、ここに説明されるフロントエンドアーキテクチャのいずれかによって実装可能である。ブロック610において、RF信号をアンテナに与えることができる。RF信号は、特定の周波数帯域内にある。一例では、特定の周波数帯域は、777MHz〜787MHzとなるバンド13用送信帯域でよい。断続放射仕様に関連づけられた信号が、ブロック620において受信され得る。断続的信号送信仕様は、例えば、上述の表1によるNS仕様としてよい。一実施形態において、断続的信号送信仕様はNS_07仕様であり得る。ブロック620における信号の受信に応答してスイッチの状態は、ブロック630において、異なるRF信号が断続的信号送信仕様に従ってアンテナに与えられるように変更され得る。ブロック630において、ここに説明されるスイッチの一以上(送信選択スイッチ110、アンテナスイッチモジュール130又はアンテナスイッチモジュール130’の一以上のスイッチ、並びに受信選択スイッチ150及び/又は250)が状態を変更し得る。したがって、複数のスイッチがブロック630において状態を変更し得る。異なるRF信号は、ブロック610において与えられるRF信号と同じ特定の周波数帯域内にあってよい。プロセスは、異なるRF信号を、当該異なるRF信号がRF信号よりも高い線形性を有するように生成することを含んでよい。代替的又は追加的に、プロセスは、異なるRF信号を、特定の周波数帯域の外側において当該異なるRF信号がRF信号よりも高い減衰を有するように生成することを含んでよい。
【0060】
図7A及び7Bはそれぞれ、所定の実施形態に係るパッケージ状モジュール700及び700’の模式図である。これらのモジュールは、パッケージ内に集積される一以上のダイ及び/又は他のコンポーネントを含んでよい。これらのモジュールは、複数のコンポーネントを受容するように構成された積層基板のようなパッケージング基板を含んでよい。モジュールは、他の電子コンポーネントに電気的に接続するためのピンのような接触部を含んでよい。
【0061】
図7Aに例示されるように、パッケージ状モジュール700は、一以上の電力増幅器ダイ710、一以上のフィルタダイ720、及び一以上のスイッチダイ730を含んでよい。電力増幅器ダイ710は、ここに説明される電力増幅器のいずれかを含んでよい。一実施形態において、一つの電力増幅器ダイ710は、ここに説明されるフロントエンドアーキテクチャのいずれかに例示される電力増幅器を含んでよい。フィルタダイ720は、ここに説明されるフィルタ及び/又はデュプレクサのいずれかを含んでよい。フィルタダイ720は、例えば、弾性表面波フィルタ及び/又はバルク弾性波フィルタを含んでよい。所定の実施形態によれば、別個のフィルタダイが別個のデュプレクサを実装してよい。一実施形態において、一のフィルタダイが共通パッケージ状デュプレクサ210を実装し、他のフィルタダイが他のデュプレクサを実装してよい。スイッチダイ730は、ここに説明されるスイッチのいずれを実装してよい。
【0062】
図7Bに例示されるように、パッケージ状モジュール700’は、一以上のフィルタダイ720、及び一以上のスイッチダイ730を含んでよい。かかる実施形態において、パッケージ状モジュール700’は、一以上の電力増幅器との電気的接続を与える一以上の接続部を含んでよい。
【0063】
図8は、一以上の電力増幅器及び一以上のアンテナスイッチモジュールを含み得る無線又は携帯型デバイス 811の一例の模式的なブロック図である。無線デバイス811は、本開示の一以上の特徴を実装する送信及び/又は受信経路となり得る。例えば、
図8の電力増幅器817は、
図1A〜7を参照して説明されたいずれかの電力増幅器に対応してよい。同様に、
図8アンテナスイッチモジュール130及びアンテナ140はそれぞれ、ここに説明されるアンテナスイッチモジュール及び/又はアンテナに対応してよい。ここに説明されるデュプレクサのいずれかのような付加素子を、
図8の電力増幅器817のいずれかの出力とアンテナスイッチモジュール130との間に配置してよい。
【0064】
図8に描かれる無線デバイス811の例は、多重帯域/多重モード携帯電話機のような多重帯域及び/又は多重モードのデバイスを代表し得る。例えば、無線デバイス811は、ロングタームエボリューション(LTE)に従う通信が可能である。この例では、無線デバイスは、LTE規格によって画定される一以上の周波数帯域で動作するように構成してよい。無線デバイス811は、代替的又は付加的に、Wi−Fi規格、3G規格、4G規格又はアドバンストLTE規格の一以上を含むがこれらに限られない一以上の他の通信規格に従って通信するように構成してよい。本開示の送信及び/又は受信経路を、例えば上記通信規格の例の任意の組み合わせを実装する携帯型デバイス内に、実装することができる。
【0065】
例示されるように、無線デバイス811は、アンテナスイッチモジュール130、送受信器813、アンテナ140、電力増幅器817、制御コンポーネント818、コンピュータ可読記憶媒体819、プロセッサ820及び電池821を含んでよい。
【0066】
送受信器813は、アンテナ140を介して送信されるRF信号を生成してよい。さらに、送受信器813は、アンテナ140から入来するRF信号を受信してよい。無線デバイス811は、所定の実装において、一次アンテナ及びダイバーシティアンテナのような複数のアンテナを含んでよい。理解されることだが、RF信号の送信及び受信に関連する様々な機能は、
図8において集合的に送受信器813として代表される一以上のコンポーネントによって達成することができる。例えば、一つのコンポーネントを、送信及び受信双方の機能を与えるように構成してよい。他例において、送信及び受信の機能は、別個のコンポーネントによって与えられてよい。
【0067】
図8において、送受信器813からの一以上の出力信号は、一以上の送信経路815を介してアンテナ140へと与えられるように描かれる。図示の例では、異なる送信経路815が、異なる帯域及び/又は異なる電力出力に関連づけられた出力経路を表し得る。例えば、図示の2つの異なる経路は、
図3A〜4B又は5Cを参照して説明されたフロントエンドアーキテクチャのいずれかの異なる送信経路の2つを表し得る。他例では、別個の送信経路を、
図1A〜2B、5A又は5Bを参照して説明されたフロントエンドアーキテクチャのいずれかに従う電力増幅器817の出力から与えてよい。送信経路815を、異なる送信モード(例えば公称モード及び断続的信号送信モード)に関連づけてよい。他の送信経路815を、異なる送信周波数帯域に関連づけられた異なる電力モード(例えば高電力モード及び低電力モード)及び/又は経路に関連づけてよい。送信経路815は、相対的に低電力のRF信号を、送信に適した高電力までブーストするのを補助するべく、一以上の電力増幅器817を含んでよい。電力増幅器817は、例えば、上述の電力増幅器120又は電力増幅器310及び315を含んでよい。
図8が2つの送信経路815を使用する構成を例示するにもかかわらず、無線デバイス811は、これよりも多い又は少ない送信経路815を含むように適合されてよい。
【0068】
図8において、アンテナ140からの一以上の検出された信号が、一以上の受信経路816を介して送受信器813へと与えられるように描かれる。図示の例において、異なる受信経路816は、異なるシグナリングモード及び/又は異なる受信周波数帯域に関連づけられた経路を表し得る。
図8が4つの受信経路816を使用する構成を例示するにもかかわらず、無線デバイス811は、これよりも多い又は少ない受信経路816を含むように適合してよい。
【0069】
受信経路及び/又は送信経路間の切り替えを容易にするべく、アンテナスイッチモジュール130を、選択された送信又は受信経路にアンテナ140を選択的かつ電気的に接続するように含め又は使用してよい。すなわち、アンテナスイッチモジュール130は、無線デバイス811の動作に関連づけられた一定数の切り替え機能を与えてよい。アンテナスイッチモジュール130は、例えば、異なる帯域間の切り替え、異なるモード間の切り替え、送信モード及び受信モード間の切り替え、又はこれらの任意の組み合わせに関連する機能を与えるように構成された多投スイッチを含み得る。
【0070】
図8は、所定の実施形態において、制御コンポーネント818が、アンテナスイッチモジュール130及び/又は他の動作コンポーネントの動作に関連づけられた様々な制御機能を制御するように設けられてよいことを例示する。例えば、制御コンポーネント818は、固有の送信又は受信経路を選択するべく、制御信号をアンテナスイッチモジュール130に与えることを補助してよい。例えば、制御コンポーネントは、アンテナスイッチモジュール130のための選択信号を、無線デバイス811が受信した断続的信号送信仕様に関連づけられた信号に少なくとも部分的に基づいて生成することができる。
【0071】
所定の実施形態において、プロセッサ820は、無線デバイス811における様々なプロセスの実装を容易にするように構成することができる。プロセッサ820は、例えば、汎用プロセッサ又は専用プロセッサでよい。所定の実装において、無線デバイス811は、プロセッサ820に与えられて実行されるコンピュータプログラム命令を記憶可能なコンピュータ可読メモリ819を含んでよい。
【0072】
電池821は、無線デバイス811に使用される任意の適切な電池であってよく、例えばリチウムイオン電池を含む。
【0073】
所定の実施形態が、NS_07モード及び典型的なバンド13モードを参照しつつ例示を目的としてここに説明されるにもかかわらず、ここに説明される原理及び利点は、異なる設計上の制約を有する断続仕様及び典型的仕様を備えた任意の適切な実装に適用可能であることを理解されたい。例えば、ここに説明される原理及び利点のいずれかは、任意の他のNS_xyシナリオ、同時Wi−Fi動作がハンドセットにおいて生じた場合の放射共存要件等に適用することができる。
【0074】
上述の実施形態のいくつかは、電力増幅器及び/又は携帯型デバイスに関連する例を与えてきた。しかしながら、当該実施形態の原理及び利点は、ここに記載される回路のいずれかから利益が得られる任意のアップリンクセルラーデバイスのような任意の他のシステム又は装置に使用してもよい。ここの教示は、例えば多重帯域及び/又は多重モード電力増幅器システムを含む多重電力増幅器付きのシステムを含む様々な電力増幅器システムに適用可能である。ここに記載の教示は、様々なトランジスタ構造を用いる多段電力増幅器及び電力増幅器のような様々な電力増幅器構造に適用可能である。ここに説明される電力増幅器トランジスタは、例えば、ガリウムヒ素(GaAs)トランジスタ、シリコンゲルマニウム(SiGe)トランジスタ又はシリコントランジスタでよい。ここに説明される電力増幅器は、電界効果トランジスタ、及び/又はヘテロ接合バイポーラトランジスタのようなバイポーラトランジスタによって実装可能である。
【0075】
本開示の複数の側面は、様々な電子デバイスに実装可能である。電子デバイスの例は、家庭用電子製品、家庭用電子製品の部品、電子試験装置等を含んでよいが、これらに限られない。電子デバイスの例は、スマートフォンのような携帯電話機、電話機、テレビジョン、コンピュータモニタ、コンピュータ、モデム、ハンドヘルドコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、電子レンジ、冷蔵庫、自動車エレクトロニクスシステムのような車両電子システム、ステレオシステム、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、MP3プレーヤのようなデジタル音楽プレーヤ、カメラ、デジタルカメラ、携帯型メモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯/乾燥機、複写機、ファクシミリ機、スキャナ、多機能周辺機器、腕時計、置き時計等を含んでよいが、これらに限られない。さらに、電子デバイスは、未完成の製品を含んでよい。
【0076】
本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、文脈上そうでないことが明らかでない限り、「含む」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは反対の包括的意味に、すなわち「〜を含むがこれらに限られない」との意味に解釈すべきである。ここで一般に使用される用語「結合」は、直接接続されるか又は一以上の中間要素を介して接続されるかのいずれかとなり得る2以上の要素を言及する。同様に、ここで一般に使用される用語「接続」は、直接接続されるか又は一以上の中間要素を介して接続されるかのいずれかとなり得る2以上の要素を言及する。加えて、用語「ここ」、「上」、「下」及び同様の趣旨の用語は、本願において使用される場合、本願全体を言及し、本願の任意の固有部分を言及するわけではない。文脈が許容する場合、単数又は複数を使用する上述の詳細な説明における用語はそれぞれ、複数又は単数をも含み得る。適切な場合には、2以上の項目のリストを参照する用語「又は」及び「若しくは」は、当該用語の以下の解釈のすべてをカバーする。すなわち、当該リストの任意の項目、当該リストのすべての項目、及び当該リストの項目の任意の組み合わせである。
【0077】
さらに、とりわけ「できる」、「かもしれない」、「してよい」、「し得る」、「例えば」等のような、ここで使用される条件的言語は、特にそうでないことが表明されない限り、又は使用の文脈においてそうでないことが理解されない限り、一般に、所定の特徴、要素及び/又は状態を所定の実施形態が含む一方、他の実施形態が含まないことを伝えるものと解釈される。すなわち、かかる条件的言語は、特徴、要素及び/若しくは状態が任意の態様で一以上の実施形態にとって必要であること、又は一以上の実施形態が必ず、作者の入力若しくは促しあり若しくはなしで、これらの特徴、要素及び/若しくは状態が任意の固有実施形態に含まれ若しくは当該実施形態で行われるか否かを決定するロジックを含むこと、を示唆するものとは一般に意図しない。
【0078】
本発明の所定の実施形態が記載されたが、これらの実施形態は、例のみとして提示されており、本開示の範囲を制限することを意図しない。実際のところ、ここに記載される新規な方法、装置及びシステムは、様々な他の形態で具体化することができる。さらに、ここに記載される方法及びシステムの形態における様々な省略、置換及び変更が、本開示の要旨から逸脱することなくなし得る。例えば、ブロックが所与の配列で提示されるが、代替実施形態は、異なるコンポーネント及び/又は回路トポロジで同様の機能を果たすことができ、いくつかのブロックは削除、移動、追加、細分化、結合、及び/又は修正することができる。これらのブロックはそれぞれが、様々な異なる態様で実装することができる。上述した様々な実施形態の要素及び工程の任意の適切な組み合わせを、さらなる実施形態を与えるように組み合わせることができる。添付の特許請求の範囲及びその均等物が、本開示の範囲及び要旨に収まるかかる形態又は修正をカバーすることが意図される。