(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、照明装置の形状がドアライニングの形状に対応していないので、ドアライニングに対して照明装置の設置場所を確保することが難しいという問題がある。また、特許文献1のような従来技術では、照明装置をドアライニングに取り付ける際に、ねじ部材による締結作業が必要になるため、照明装置の取付工数が増大する。
【0006】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、取付対象に対する照明装置の設置場所を容易に確保すると共に、ねじ部材を用いることなく照明装置を安定的に取付対象に取り付け、取付工数を低減することができる照明装置の取付構造を提供することを目的とする。
また、本発明は、当該照明装置の取付構造が適用される車両用内装部品、及び、当該照明装置の取付構造が適用されるドアライニングが取り付けられるドアパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明装置の取付構造は、車両用内装部品である取付対象に照明装置を設置するための取付構造に関するものであり、以下の特徴を有する。
【0008】
第1の特徴:前記取付対象の構成要素によって当該取付対象には段差部が形成される。前記取付構造は、前記段差部に設けられており、前記照明装置を前記段差部に設置する取付部
と、平板状のベース部を有する台座とを備える。この場合、前記取付対象には導光体が設置され、前記段差部に設置された前記照明装置
は、前記導光体の端部が挿入される
筒状部を備える。そして、前記照明装置は、発光した光を前記端部に入射する。
前記台座には、前記取付部が前記ベース部に対して前記照明装置を固定する際に、前記筒状部を避ける台座側逃げ部が形成されている。前記取付部は、前記筒状部及び前記導光体を囲繞するように前記段差部から突出形成された筒状の壁部を有する。前記筒状の壁部は、前記筒状部及び前記導光体の外周面に対向する第1壁部と、前記筒状部及び前記導光体を挟んで前記第1壁部に対向する第2壁部とから構成される。前記第1壁部には、前記筒状部及び前記導光体の外周面から径方向に離間する第1壁部側逃げ部が形成されている。前記第2壁部には、前記第1壁部側逃げ部よりも前記筒状部及び前記導光体の外周面から径方向に離間する第2壁部側逃げ部が形成されている。
【0009】
第2の特徴:前記
筒状の壁部と前記段差部又は前記台座とを連結する連結用リブがさらに設けられている。
【0010】
第3の特徴:前記
連結用リブは、前記台座に形成され、前記第2壁部に連結される台座側リブである。
【0011】
第4の特徴:前記
連結用リブは、前記段差部に形成され且つ前記第1壁部に連結される第1壁部側リブと、前記段差部に形成され且つ前記第2壁部に連結される第2壁部側リブとである。
【0012】
第5の特徴:前記
取付対象の構成要素によって当該取付対象には段差部が形成される。前記取付構造は、前記段差部に設けられており、前記照明装置を前記段差部に設置する取付部と、平板状のベース部を有する台座とを備える。この場合、前記取付対象には導光体が設置され、前記段差部に設置された前記照明装置は、前記導光体の端部が挿入される筒状部を備える。そして、前記照明装置は、発光した光を前記端部に入射する。前記台座には、前記取付部が前記ベース部に対して前記照明装置を固定する際に、前記筒状部を避ける台座側逃げ部が形成されている。前記筒状部には、該筒状部に沿って延在するスリットが少なくとも1つ形成されている。この場合、前記取付部が前記スリットを目印として前記ベース部に対して前記照明装置を固定した状態で、前記導光体の端部を前記筒状部に挿入して、前記端部を前記筒状部に固定する。
【0013】
第6の特徴:前記
取付対象の構成要素によって当該取付対象の一面には段差部が形成される。前記取付構造は、前記段差部に設けられており、前記照明装置を前記段差部に設置する取付部と、平板状のベース部を有する台座とを備える。この場合、前記取付対象には導光体が設置され、前記段差部に設置された前記照明装置は、前記導光体の端部が挿入される筒状部を備える。そして、前記照明装置は、発光した光を前記端部に入射する。前記台座には、前記取付部が前記ベース部に対して前記照明装置を固定する際に、前記筒状部を避ける台座側逃げ部が形成されている。また、前記ベース部に固定された前記照明装置の前記筒状部に対向し、前記導光体の端部側が挿通する挿通孔が前記取付対象に形成されている。さらに、前記導光体は、前記筒状部から前記挿通孔を介して前記取付対象の他面側に延出している。前記取付対象の他面側における前記挿通孔の近傍には、前記導光体の一部を覆うことにより、前記導光体に入射した前記光が外部に漏れることを防止する光漏れ防止用壁部が設けられている。この場合、前記取付対象の他面側には、前記導光体を収容する収容溝が形成されている。前記収容溝には、断面視で、前記導光体の上部に形成された凹部に係合する係合爪と、前記導光体の上部に当接する当てリブと、前記導光体の底部に形成された切欠部を支持する支持用リブとが設けられている。前記導光体と前記収容溝との隙間には、不織布が介挿されている。
【0014】
第7の特徴:前記
収容溝は、断面視で、前記取付対象の他面側に開口し、前記取付対象の一面側が底面として形成されている。また、前記切欠部は、前記導光体の底部における前記収容溝の底面側に形成される。そして、前記支持用リブは、前記収容溝の底面から前記切欠部にかけて断面L字状に設けられる。
【0015】
第8の特徴:前記ベース部は、鉛直方向に沿って延在する。そこで、前記取付部は、上方への前記照明装置の移動、及び、前記ベース部から離れる方向への前記照明装置の移動を規制する移動規制部をさらに有する。
【0016】
第9の特徴:前記導光体の端部近傍には、突起部が形成されている。また、前記筒状部には、前記突起部に係合する係合部が形成されている。そのため、前記取付部が前記ベース部に対して前記照明装置を固定した状態で、前記導光体の端部が前記筒状部に挿入されると、前記突起部と前記係合部とが係合して、前記端部が前記筒状部に固定される。
【0018】
第
10の特徴:前記取付部は、前記ベース部から立設した支持壁部と、前記支持壁部の先端に設けられ、前記ベース部から離れる方向への前記照明装置の移動を規制する爪部とをさらに有する。また、前記支持壁部に対向する前記照明装置の一面は、該支持壁部に沿って平面状に形成されている。
【0019】
第
11の特徴:前記照明装置の他面には、段部が形成されている。
【0023】
第
12の特徴:前記段差部は、前記取付対象である前記車両用内装部品における車室内側への膨出部分及び/又は車室外側への膨出部分によって形成される。
【0024】
第
13の特徴:前記導光体は、前記車両用内装部品における前記車室内側への膨出部分の縁に沿って配置される。
【0025】
第
14の特徴:前記車両用内装部品は、ドアライニングであり、前記車室内側への膨出部分は、前記構成要素としてのスイッチ部及びドアアームレストであり、前記車室外側への膨出部分は、前記構成要素としてのポケット部である。
なお、上記の照明装置の取付構造は、車両用内装部品に適用される。この場合、前記車両用内装部品は、ドアライニングである。また、上記の照明装置の取付構造はドアライニングに適用され、前記ドアライニングは、ドアパネルに取り付けられる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の第1の特徴によれば、車両用内装部品である取付対象の構成要素によって当該取付対象に段差部を形成し、段差部に取付構造を設けることにより、取付構造の取付部を用いて、照明装置を段差部に設置する。
【0027】
すなわち、取付対象の構成要素によって突出部分が形成されることで、段差部が形成される。このような段差部を照明装置の設置場所として有効活用することにより、取付対象に対する照明装置の設置場所を容易に確保することができる。
【0028】
また、取付部を用いて、照明装置を段差部に設置するので、ねじ部材を用いることなく、照明装置を安定的に段差部に取り付け、取付工数を低減することができる。
【0029】
しかも、取付対象に設置された導光体の端部を、段差部に設置された照明装置に挿入すれば、照明装置が発光した光を端部に入射して、導光体に導くことができる。
また、筒状部を避ける台座側逃げ部を台座に設けたことにより、ベース部に照明装置を固定する際の台座と筒状部との干渉を回避でき、段差部に対する照明装置の組み付け性を向上することができる。なお、台座側逃げ部は、例えば、台座に形成された孔又は凹部であることが好ましい。さらに、段差部から突出形成された筒状の壁部で筒状部及び導光体を囲繞することにより、照明装置から導光体の端部に光が入射した際に、当該光を外部に漏れにくくすることができる。さらにまた、筒状の壁部を構成する第1壁部及び第2壁部に逃げ部をそれぞれ形成する。また、第2壁部側逃げ部は、第1壁部側逃げ部よりも筒状部及び導光体の外周面から径方向に離間するように形成されている。これにより、ベース部に照明装置を固定する場合、作業者は、親指と人差し指とで照明装置の筒状部側を挟んだ状態で筒状部を筒状の壁部の内方に挿入する。その際、第2壁部側逃げ部と筒状部との空間に親指が入りやすくなると共に、第1壁部側逃げ部と筒状部との空間に人差し指が入りやすくなる。この結果、段差部に対して照明装置を組み付けやすくなる。なお、ベース部が上下方向に形成され、筒状部を上側にした状態で筒状の壁部の内方に筒状部を挿入する場合、第1壁部側逃げ部を高い位置に設けると共に、第2壁部側逃げ部を低い位置に設け、第1壁部側逃げ部と第2壁部側逃げ部との間で高低差をつけてもよい。これにより、照明装置の組み付け性をさらに向上させることができる。
【0030】
本発明の第2の特徴によれば、
筒状の壁部と段差部又は台座とを連結用リブで連結することにより、台座及び筒状の壁部の剛性を向上
させることができる
。
【0031】
本発明の第3の特徴によれば、
第2壁部と台座とを台座側リブで連結することにより、台座及び第2壁部の剛性を向上させることができる。特に、台座側逃げ部の近傍に台座側リブを形成すれば、台座側逃げ部の形成による台座の剛性の低下を当該台座側リブで補強することができる。
【0032】
本発明の第4の特徴によれば、
第1壁部と段差部とを第1壁部側リブで連結すると共に、第2壁部と段差部とを第2壁部側リブで連結することにより、第1壁部、第2壁部及び台座の剛性を一層向上させることができる。
【0035】
本発明の第5の特徴
でも、段差部、取付部及び台座側逃げ部を設けたことによる上述の効果が得られる。また、第5の特徴では、スリットを目印として、ベース部に対して照明装置を固定すれば、照明装置の誤組み付けを防止することができる。さらに、係合部の周囲にスリットを形成すれば、当該係合部は、片持ちの部材となる。これにより、導光体の端部を筒状部に挿入すれば、突起部と係合部とを容易に係合させることができる。この結果、導光体の組み付け性も向上させることができる。
【0036】
本発明の第6の特徴
でも、段差部、取付部及び台座側逃げ部を設けたことによる上述の効果が得られる。また、第6の特徴では、取付対象の他面側における挿通孔の近傍に、導光体の一部を覆う光漏れ防止用壁部を設ける。これにより、照明装置から導光体の端部に入射した光が、挿通孔を介して、導光体における取付対象の他面側に導光された際に、当該光が外部に漏れることを防止することができる。さらに、収容溝に係合爪、当てリブ及び支持用リブを設け、係合爪と導光体の凹部とを係合させ、導光体の上部に当てリブを当接させると共に、導光体の切欠部を支持用リブで支持することにより、導光体を収容溝に位置決め固定することができる。また、導光体と収容溝との隙間に不織布を介挿させることにより、スイッチ部を含む取付対象と導光体との接触に起因したガタツキ音の発生を防止することができる。
【0037】
本発明の第7の特徴によれば、
導光体の底部における収容溝の底面側に切欠部を形成し、収容溝の底面から切欠部にかけて断面L字状に支持用リブを設ける。収容溝の底面側に支持用リブを設けたことにより、導光体の光が収容溝の開口から外部に出力されるときの支持用リブの影響を回避することができる。すなわち、支持用リブが設けられている箇所と、設けられていない箇所との間で、導光体から出力される光が不均一になることを回避して、当該導光体から均一な光を発することが可能となる。
【0038】
本発明の第8の特徴によれば、移動規制部によって上方への照明装置の移動及びベース部から離れる方向への照明装置の移動を規制することにより、ベース部に対する照明装置の位置ずれを抑制することができる。
【0039】
本発明の第9の特徴によれば、ベース部に対して照明装置を固定した状態で、導光体の端部を筒状部に挿入し、突起部と係合部とを係合させることにより、ベース部に対して照明装置及び導光体を確実に固定することができる。
【0040】
また、先に照明装置を固定するため、筒状部に対する導光体の端部の挿入位置が予め決まることになる。これにより、筒状部に向かって導光体の端部を挿入しやすくなり、作業効率が向上する。
【0042】
本発明の第
10の特徴によれば、支持壁部に対向する照明装置の一面を平面状に形成することにより、照明装置の一面側に爪部を係合させやすくなり、当該照明装置をベース部に確実に固定することができる。
【0043】
本発明の第
11の特徴によれば、照明装置の他面に段部を形成することにより、作業者がベース部に照明装置を取り付ける際、照明装置を掴みやすくなる。この結果、作業効率の向上を図ることができる。
【0047】
本発明の第
12の特徴によれば、車両用内装部品における車室内側への膨出部分及び/又は車室外側への膨出部分を利用して、段差部を容易に形成することができる。
【0048】
本発明の第
13の特徴によれば、車室内側への膨出部分の縁に沿って導光体を配置することにより、導光体に導かれた光を車室内側に出力することができる。
【0049】
本発明の第
14の特徴によれば、車両用内装部品がドアライニングであり、車室内側への膨出部分がスイッチ部及びドアアームレストであり、車室外側への膨出部分がポケット部であるため、段差部が形成しやすくなり、この段差部を照明装置の設置場所として利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明に係る照明装置の取付構造について、それが組み込まれる車両用内装部品
及びドアパネルとの関係で好適な実施形態を例示し、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0052】
図1及び
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る取付構造10は、取付対象としての車両用内装部品であるドアライニング12に適用される。ドアライニング12は、例えば、プラスチック等の樹脂材料で構成されており、車両である自動車のドアパネルの内側に取り付けられる。なお、以下の説明では、ドアライニング12の車両前方をX1方向、車両後方をX2方向、車幅方向外側(車室外側)をY1方向、車幅方向内側(車室内側)をY2方向、鉛直下方をZ1方向、鉛直上方をZ2方向と呼ぶことがある。
【0053】
ドアライニング12は、ベーストリム14と、ベーストリム14に接続してドアライニング12の上方部を構成するアッパートリム16と、ドアノブ18とを備える。ベーストリム14の前方下部にはスピーカ20が配設されている。ベーストリム14には、車両前後方向(
図1の左右方向)に延在したドアアームレスト(取付対象の構成要素、車室外側への膨出部分)22と、ドアアームレスト22の前方(X1方向)に位置してベーストリム14の一部を車幅方向外側(Y1方向)に窪ませて形成された凹部(取付対象の構成要素、車室外側への膨出部分)24とが形成されている。すなわち、凹部24は、車幅方向外側に膨出した形状を有しており、物品を収容可能なポケット部として機能する。
【0054】
ドアアームレスト22は、パネル状のベーストリム14の一部を車幅方向内側(Y2方向)に向けて突出させて形成されている。ドアアームレスト22には、スイッチ部(取付対象の構成要素、車室内側への膨出部分)26が配設されている。スイッチ部26は、車幅方向内側に膨出するように配設され、複数のスイッチ28a〜28cを有する。本実施形態において、各スイッチ28aはパワーウインドウスイッチとして、スイッチ28bはドアロックスイッチとして、スイッチ28cはミラースイッチとしてそれぞれ構成されている。但し、これらスイッチ28a〜28cの数量及び機能については任意に設定することが可能である。
【0055】
また、スイッチ部26のうち、各スイッチ28a〜28c以外の箇所は、スイッチパネル30により、ドアアームレスト22を上方から覆っている。さらに、スイッチ部26及びドアアームレスト22には、後述する照明装置200からの光を各スイッチ28a〜28cに導くための導光体34が設置されている。
【0056】
ドアライニング12の表面(他面)側は、以上のように概略構成されている。一方、ドアライニング12の背面(一面)側は、以下のように構成されている。
【0057】
ドアアームレスト22及びスイッチ部26は、車幅方向内側(Y2方向)に膨出している。また、前述のように、凹部24は、ベーストリム14の一部を車幅方向外側に窪ませて形成されているので、当該凹部24は車幅方向外側(Y1方向)に膨出している。この結果、ドアライニング12には、ドアアームレスト22、スイッチ部26及び凹部24が車幅方向に膨出することにより段差部32が形成される。
【0058】
そして、本実施形態では、照明装置200をドアライニング12に固定するための取付構造10を段差部32に設ける。
図2では、凹部24の背面(裏面)に連なり、段差部32の一部を構成する湾曲面36に取付構造10を設けた場合を図示している。
【0059】
なお、
図2に示す取付構造10の設置場所は一例であり、本実施形態では、段差部32における任意の箇所(例えば、ドアアームレスト22又はスイッチ部26側の箇所)に取付構造10を適宜設けることができる。また、本実施形態では、ドアアームレスト22、凹部24及びスイッチ部26に限らず、ドアライニング12に車幅方向内側及び/又は車幅方向外側への膨出部分が形成されていれば、当該膨出部分によって段差部32を形成することができる。以下の説明では、一実施例として、凹部24によって段差部32が形成され、段差部32を構成する湾曲面36に取付構造10を設けた場合について説明する。
【0060】
図2〜
図4及び
図6〜
図9に示すように、照明装置200は、発光素子201が内蔵された筐体202と、筐体202の前面(車幅方向内側であるY2方向の側面)に設けられて導光体34の端部38に接続される接続部(筒状部)204とを備えている。筐体202及び接続部204は、プラスチック等の樹脂材料で構成されている。
【0061】
筐体202は、図示しないワイヤーハーネス(電線)が接続されるコネクタ部206と、コネクタ部206に連なる照明部208とを有している。なお、発光素子201は、照明部208に内蔵され、基板209に搭載されており、光を発光することにより、接続部204に接続された導光体34の端部38に当該光を入射させる。
【0062】
コネクタ部206は、略四角筒状に構成されており、照明部208側の端部には、左右両側に突出したフランジ部210、212が形成されている。また、コネクタ部206におけるフランジ部210が形成される側面(他面)218には、複数の段部220が所定間隔で形成されている。一方、コネクタ部206におけるフランジ部212が形成される側面(一面)222は、平面状に形成されている。
【0063】
照明部208は、コネクタ部206の長手方向に沿って延在しており、その前面(接続部204が設けられる面)がコネクタ部206の前面と面一になっている。照明部208の厚み寸法はコネクタ部206の厚み寸法よりも小さくなっている。すなわち、照明装置200は、コネクタ部206が照明部208よりも背面側に幾らか突出した形状を呈している。照明部208の両側面には、爪部214、216が設けられている。また、照明部208の上側の側面224には、フランジ226、228が左右両側にそれぞれ形成されると共に、前面側にフランジ230が形成されている。
【0064】
接続部204は、照明部208の前面から前方に向けて突出形成された筒状部である。接続部204の軸線は、発光素子201の光軸に近接し且つ略平行である。また、導光体34の端部38は、長円状の断面を有し、該端部38の近傍には、2つの突起部39が上下に形成されている。各突起部39に対応して、接続部204の内側には、内孔232に導光体34の端部38を挿入した際に、各突起部39に係合する爪状の係合部233が上下に設けられている。
【0065】
そして、接続部204には、該接続部204の軸線に沿った方向に複数のスリット234、236が形成されている。この場合、上側の係合部233を挟むように2つのスリット234が形成されると共に、下側の係合部233を挟むように2つのスリット234が形成される。これにより、各係合部233は、接続部204の基端側を支点とした片持ち状態となる。
【0066】
そのため、接続部204の内孔232に導光体34の端部38を挿入すると、各突起部39に各係合部233がそれぞれ係合し、端部38が固定されると共に、端部38と発光素子201とが対向する。これにより、発光素子201から発せられた光は、端部38を介して導光体34に導入されることとなる。
【0067】
また、スリット236は、接続部204における爪部216側に形成される。一方、接続部204の爪部214側にはスリット236が形成されていない。そのため、作業者は、スリット236を目印に、取付構造10に対して、スリット236を右側に向けた状態で照明装置200を固定すれば、照明装置200の誤組み付けを防止することができる。
【0068】
本実施形態における照明装置200は、基本的には以上のように構成されるものであるが、例えば、特開2012−086620号公報に記載されている発光装置(照明装置)のように構成しても構わない。
【0069】
次に、照明装置200の取付構造10について説明する。この取付構造10は、プラスチック等の樹脂材料により、段差部32を含むベーストリム14と一体的に成形されている。但し、取付構造10は、樹脂による一体成形品でなくても構わない。
【0070】
図2〜
図9に示すように、取付構造10は、湾曲面36に略U字状に突出形成された台座40と、台座40に照明装置200を固定するための取付部42とを備えている。
【0071】
台座40は、略鉛直方向に延在した平板状のベース部44と、ベース部44の下端(Z1方向の端部)に設けられた下側壁部46と、ベース部44の上端(Z2方向の端部)に設けられた上側壁部48とを有している。上側壁部48は、導光体34の端部38の鉛直下方に位置している。
【0072】
取付部42は、ベース部44に設けられた取付部本体50と、ベーストリム14の背面に設けられて照明装置200の照明部208に接触する移動規制部52と、上側壁部48及びベース部44と移動規制部52とを連結する連結壁部54とを有している。
【0073】
取付部本体50は、ベース部44の一方(湾曲面36に遠い側)の側部から立設した幅広の側壁部56と、ベース部44の他方(湾曲面36に近い側)の側部から立設して先端に係合爪(爪部)58が設けられた幅狭の支持壁部60とを有している。
【0074】
側壁部56は、略矩形状の板状部材であって、下側壁部46よりもやや上方から上側壁部48まで延在している。側壁部56のうち支持壁部60に対向した部位には、支持壁部60に対応した形状の型抜き孔62が形成されている。側壁部56は、ベース部44に対して略垂直に立設している。
図6から諒解されるように、側壁部56の支持壁部60側の面は、照明装置200を構成するコネクタ部206の一方の側面218に面接触する。側壁部56のうちコネクタ部206の側面218との接触面(側壁部56の支持壁部60側の面)には、側壁部56の先端に向かって所定角度θの抜き勾配が設定されている。
【0075】
支持壁部60は、ベース部44の平面の垂線Pに対して側壁部56の抜き勾配と略同じ角度(所定角度θ)だけ側壁部56側に傾斜するようにベース部44に立設している。支持壁部60には、側壁部56側に突出した凸部64が形成されている。
【0076】
凸部64は、支持壁部60の延出方向に沿って延在すると共に、横断面が円弧状の外面を有している。これにより、凸部64は、コネクタ部206の他方の側面222に線接触する。凸部64は、支持壁部60の長手方向略中央に位置した状態で凸部64の長さ寸法が支持壁部60の長さ寸法よりも短く形成されている。また、凸部64は、支持壁部60の幅方向略中央に位置した状態で凸部64の幅寸法が支持壁部60の幅寸法よりも短く形成されている。これにより、支持壁部60を適度に撓ませることができるので、コネクタ部206に対する係合爪58の着脱を好適に行うことができる。
【0077】
支持壁部60のうち凸部64が形成される面とは反対側の面には、その幅方向略中央において基端から長手方向略中央まで延出したリブ66が設けられている。このリブ66は、湾曲面36に一体的に設けられている。このようなリブ66を設けることによって、支持壁部60の剛性を高めることができる。
【0078】
係合爪58は、支持壁部60の先端に一体的に形成されている。係合爪58は、支持壁部60よりも側壁部56側に突出し、照明装置200を構成するコネクタ部206の背面に接触する(
図7参照)。係合爪58には、側壁部56に向かってベース部44側に傾斜したテーパ面68が形成されている。
【0079】
取付部本体50は、ベース部44に設けられて略水平方向に沿って延在した第1〜第4突出部70〜76をさらに有する(
図5A〜
図6参照)。第1突出部70は、側壁部56の下端からベース部44の他端まで延出し、第1突出部70の他端部には、コネクタ部206の他方の側面222に接触する板状の壁部78が立設する。第2突出部72は、第1突出部70よりもやや上方(Z2方向)において、ベース部44の幅方向略中央からベース部44の他端まで延出している。第3突出部74は、第2突出部72よりも上方において、側壁部56からベース部44の他端まで延出している。第4突出部(連結用リブ、台座側リブ)76は、第3突出部74よりも上方において、側壁部56の上方から後述する連結壁部54を構成する第2壁部54bにまで延出している。
【0080】
第1〜第4突出部70〜76の各々の突出長は、その一端から他端に向かって徐々に大きくなっている。すなわち、第1〜第4突出部70〜76の各々の先端面は、側壁部56側に向かってベース部44の平面に対して所定角度θだけベース部44側に傾斜している。これにより、第1〜第3突出部70〜74の各々の先端面がコネクタ部206の前面(ベース部44に指向する面)に接触し、第4突出部76の先端面が照明部208の前面に接触することとなる。
【0081】
移動規制部52は、ベーストリム14の背面(裏面)のうち導光体34の端部38の上方(Z2方向)に位置する部分から側壁部56の延出方向に沿って略H字状に突出形成されている。移動規制部52は、ベーストリム14の背面に設けられて対向配置された一対の規制板82、84と、これら規制板82、84を連結する中間板86とを有している。
【0082】
各規制板82、84は、先端に向かって徐々に幅狭に形成されている。規制板82の先端側には、その下方部分が切り欠かれることによって、照明部208に形成されたフランジ230の上面側に接触する上方規制面82aと、フランジ230の前面側(を含む照明部208の前面)に接触する前方規制面82bとが形成されている。これと同様に、規制板84の先端側には、その下方部分が切り欠かれることによって、フランジ230の上面側に接触する上方規制面84aと、フランジ230の前面側に接触する前方規制面84bとが形成されている。
【0083】
連結壁部54は、導光体34の端部38及び接続部204を囲繞するように形成された筒状部である。すなわち、連結壁部54は、上側壁部48と一方の規制板82とを連結し、且つ、端部38及び接続部204の外周面を左側方から覆う曲面状の第1壁部54aと、第4突出部76と他方の規制板84とを連結し、且つ、端部38及び接続部204の外周面を右側方から覆う曲面状の第2壁部54bとから構成される。従って、導光体34の端部38及び接続部204を挟んで、第1壁部54aと第2壁部54bとが対向するように設けられている。
【0084】
この場合、第1壁部54aには、端部38及び接続部204の外周面から径方向に離間するように湾曲した第1逃げ部(第1壁部側逃げ部)88aが形成されている。一方、第2壁部54bには、端部38及び接続部204の外周面から径方向に離間するように湾曲した第2逃げ部(第2壁部側逃げ部)88bが形成されている。第1逃げ部88aと第2逃げ部88bとは、端部38及び接続部204を挟んで対向するように形成されている(
図3〜
図6及び
図8参照)。また、第2逃げ部88bは、第1逃げ部88aよりも低い位置に形成されている。さらに、第2逃げ部88bは、第1逃げ部88aよりも、端部38及び接続部204の外周面から径方向に離間している(第1逃げ部88aよりも離間量が大きい)。
【0085】
これにより、導光体34の端部38及び接続部204の外周面と第2逃げ部88bとの間に形成される空間(隙間)は、当該外周面と第1逃げ部88aとの間に形成される空間よりも大きくなる。この結果、照明装置200を取付構造10に装着する際等に、例えば、作業者が、照明部208の爪部216の側面(右側面)を親指で触り、且つ、爪部214の側面(左側面)を人差し指で触って、照明部208を把持した状態で、筒状の連結壁部54に接続部204を出し入れしやすくなる。
【0086】
また、上側壁部48には、孔(台座側逃げ部)90が形成されている。これにより、連結壁部54の内側に接続部204を挿入した際に、接続部204と上側壁部48との干渉を回避することができる。なお、本実施形態では、接続部204と上側壁部48との干渉を回避できればよいので、接続部204に対する逃げ部としては、孔90に代えて、鉛直下方に窪む凹部であってもよい。
【0087】
さらに、湾曲面36には、第1壁部54aの外周面に連結される第1リブ(第1壁部側リブ)92aが立設すると共に、第2壁部54bの外周面に連結される第2リブ(第2壁部側リブ)92bが立設している。第1リブ92aは、湾曲面36と一体的に形成され、第1壁部54aにおける第1逃げ部88aの箇所と湾曲面36とを連結する。第2リブ92bは、湾曲面36と一体的に形成され、第2壁部54bにおける第2逃げ部88bの箇所と湾曲面36とを連結する。
【0088】
また、前述した第4突出部76は、第2壁部54bに連なるように該第2壁部54bに連結されると共に、移動規制部52は、第1壁部54a及び第2壁部54bと連結されている。これにより、導光体34の端部38及び接続部204は、移動規制部52、連結壁部54、第4突出部76、第1リブ92a及び第2リブ92bで構成される筒状のリブによって囲繞された状態となる。
【0089】
取付構造10は、以上のように概略構成される。次に、取付構造10により固定された照明装置200の接続部204に連結される導光体34や、スイッチ部26等の構成について、
図1〜
図6及び
図8〜
図12を参照しながら説明する。
【0090】
ベーストリム14には、取付構造10に固定された照明装置200の接続部204と対向するように、挿通孔100が形成されている。また、
図1及び
図10に示すように、導光体34は、略J字状の導光部材である。従って、導光体34は、前述のように、突起部39が係合部233に係合することにより、端部38が接続部204の内孔232に固定され、挿通孔100を介して、スイッチ部26にまで延出する。
【0091】
具体的に、
図10に示すように、ドアアームレスト22の上端側の縁部には、導光体34を収容する収容溝102がドアアームレスト22及びスイッチ部26の形状に沿って形成されている。すなわち、収容溝102は、挿通孔100から車幅方向内側(Y2方向)に延出し、ドアアームレスト22の前方角部で車両後方に湾曲し、スイッチ部26の車幅方向内側に沿って車両後方に延出している。従って、導光体34の車幅方向内側の部分(挿通孔100よりもY2方向の部分)は、ドアアームレスト22の上端側の縁部に沿って形成された収容溝102に沿って延出し、収容される。
【0092】
なお、
図10は、ドアアームレスト22からスイッチパネル30を取り外した状態を図示している。そのため、
図1のように、ドアアームレスト22の上側がスイッチパネル30で覆われた場合、車両の乗員は、導光体34を直接視認することができない。
【0093】
挿通孔100の周囲には、照明装置200の発光素子201から導光体34の端部38に入射した光を、導光体34の車幅方向内側に導光した際に、当該光がドアアームレスト22及びスイッチパネル30の隙間から漏れることを防止するための壁部が設けられている。
【0094】
具体的に、挿通孔100を取り囲むように、リブ(光漏れ防止用壁部)104がドアアームレスト22及びベーストリム14から立設している。この場合、リブ104のうち、ドアアームレスト22側の部分は、導光体34の車両前方を覆うようにドアアームレスト22から立設し、ベーストリム14側の部分は、導光体34を上方から覆うようにベーストリム14から立設している。
【0095】
前述のように、ドアアームレスト22の上方からスイッチパネル30が覆いかぶさるので、リブ104を設けることにより、車両前方におけるドアアームレスト22とスイッチパネル30との隙間から外部に導光体34の光が漏れることを抑制することができる。
【0096】
図11A〜
図12に示すように、断面視で、導光体34のうち、車両前後方向に延出する部分には、上側に凹部106が形成されると共に、切欠部108が底部に形成されている。従って、導光体34を収容するため、収容溝102には、凹部106に係合する係合爪110及び当てリブ111が形成されると共に、切欠部108を支持する支持用リブ112が形成されている。また、支持用リブ112の周囲における導光体34と収容溝102との隙間には、不織布114が介挿されている。
【0097】
具体的に、
図11A〜
図12Bの断面視で、収容溝102は、車幅方向内側(Y2方向)に開口する一方で、車幅方向外側(Y1方向)の箇所が底面115として形成される。この場合、凹部106の車幅方向外側に係合爪110が係合する。また、当てリブ111は、収容溝102の上側に設けられ、導光体34の上部に当接する。
【0098】
さらに、切欠部108は、導光体34の底部における収容溝102の底面115側に形成される。支持用リブ112は、収容溝102の底面115から切欠部108にかけて断面L字状に設けられる。不織布114は、導光体34の上部と収容溝102の上側との隙間や、導光体34の底面115側と支持用リブ112の底面115側との隙間に介挿されている。
【0099】
なお、
図10に示すように、係合爪110及び当てリブ111と支持用リブ112及び不織布114とは、収容溝102に沿って、所定間隔で複数個設けられていることが好ましい。これにより、導光体34を収容溝102に位置決めして収容することができる。
【0100】
また、
図11A及び
図11Bに示すように、ドアアームレスト22の上方からスイッチパネル30を覆いかぶせると、導光体34よりも車幅方向内側に、ドアアームレスト22とスイッチパネル30との隙間116が形成される。これにより、照明装置200の発光素子201から導光体34に光が導入された場合、導光体34からの当該光が、隙間116を介して車幅方向内側に出力される。この結果、車両の乗員は、出力された光を視認することができる。
【0101】
以上のように構成された取付構造10を用いた、湾曲面36に対する照明装置200の取付手順と、取付後の照明装置200の接続部204に対する導光体34の取付手順とについて説明する。
【0102】
湾曲面36に対して照明装置200を取り付ける場合、先ず、コネクタ部206の前面をベース部44に対向させると共に、接続部204を連結壁部54の位置に合わせる。
【0103】
この場合、コネクタ部206の側面218に段部220が形成されていると共に、側面222が平面状に形成されているので、作業者は、照明装置200の側面218及び段部220側を側壁部56と対向させ、且つ、照明装置200の側面222側を係合爪58と対向させた状態にする。また、作業者は、照明装置200の前面を取付構造10に向けた際に、接続部204のスリット236を目印にして、当該スリット236が右側となるように、照明装置200の位置合わせを行う。
【0104】
これにより、取付構造10に対する照明装置200の位置合わせを確実に行うことができると共に、取付構造10に対する照明装置200の誤組み付けを防止することができる。この状態で照明装置200を台座40に向けて進行させると、コネクタ部206の前面が係合爪58のテーパ面68に接触する。
【0105】
続いて、照明装置200をベース部44に向けて押圧すると、係合爪58が側壁部56から離間する方向に変位するように支持壁部60が弾性変形し、側壁部56と係合爪58との間にコネクタ部206が進入する。そして、照明装置200をベース部44に向けてさらに押し進めると、コネクタ部206を乗り越えた係合爪58が元の位置に復帰してコネクタ部206の背面に接触する。
【0106】
このとき、コネクタ部206の前面が第1〜第3突出部70〜74の各々の先端面に接触する。すなわち、コネクタ部206は、その前面が第1〜第3突出部70〜74の各々の先端面に接触した状態で、その背面が係合爪58に接触するため、ベース部44に対して固定されることとなる。
【0107】
また、上述した照明装置200の取り付けにおいて、作業者は、親指で照明部208の爪部216の右側面を触り、人差し指で爪部214の左側面を触り、照明部208を把持した状態で、連結壁部54の内方に接続部204を挿入する。この場合、接続部204の外周面に対して第2逃げ部88bが大きく離間しているので、筒状の連結壁部54に対して接続部204を挿入しやすくなる。しかも、上側壁部48に孔90が形成されているので、接続部204と上側壁部48との干渉を回避しつつ、連結壁部54の内側に接続部204を挿入することができる。
【0108】
また、取付構造10に照明装置200を取り付けることにより、コネクタ部206の一方の側面218が側壁部56に面接触し、コネクタ部206の他方の側面222が凸部64に線接触すると共に壁部78に接触する。この結果、ベース部44に対するコネクタ部206のガタツキが抑えられる。
【0109】
さらに、照明部208の前面が第4突出部76の先端面に接触すると共に照明部208の他方の側面が第2壁部54bに接触する。これにより、ベース部44に対する照明部208のガタツキが抑えられる。
【0110】
さらにまた、コネクタ部206の一方のフランジ部210が側壁部56の壁面に接触すると共に、他方のフランジ部212が係合爪58に接触する。そのため、照明装置200のベース部44に対する鉛直下方(Z1方向)への移動が規制される。すなわち、側壁部56及び係合爪58が照明装置200の鉛直下方への移動を規制する移動規制手段として機能する。但し、取付構造10に照明装置200を装着した状態で、フランジ部210は側壁部56に対して非接触であってもよく、フランジ部212は係合爪58に対して非接触であってもよい。この場合であっても、照明装置200の鉛直下方への移動を規制することが可能である。
【0111】
また、照明部208のフランジ230が各上方規制面82a、84aに接触するので、ベース部44に対して固定された照明装置200の鉛直上方(Z2方向)に沿った移動が規制される。これにより、接続部204に導光体34の端部38が固定された状態で、照明装置200がベース部44に対して鉛直上方に移動した場合に、導光体34に過度な力が作用することを防止することができる。
【0112】
但し、各上方規制面82a、84aは、取付構造10に照明装置200が装着された状態で照明部208の上面に対して非接触であってもよい。この場合であっても、照明装置200のベース部44に対する鉛直上方への移動量を小さく抑えることができるため、導光体34に過度な力が作用することを防止することが可能である。
【0113】
さらに、照明部208のフランジ230を含む前面が各前方規制面82b、84bに接触するので、照明部208の前方への移動が規制される。そのため、照明部208がベース部44に対して前方に移動し、接続部204に接続された導光体34に過度な力が作用することを防止することができる。
【0114】
但し、各前方規制面82b、84bは、取付構造10に照明装置200が装着された状態で照明部208の前面に対して非接触であってもよい。この場合であっても、照明装置200のベース部44に対する前方への移動量を小さく抑えることができるため、導光体34に過度な力が作用することを防止することが可能である。
【0115】
さらにまた、接続部204が上側壁部48の鉛直上方(Z2方向)に位置すると共に、照明部208に設けられた爪部216が第2壁部54b及び第4突出部76の鉛直上方に位置する。これにより、照明装置200がベース部44に対して鉛直下方(Z1方向)に沿って移動した場合であっても、接続部204が上側壁部48に接触し爪部216が第2壁部54b及び第4突出部76に接触するので、照明装置200の鉛直下方への移動が規制される。すなわち、上側壁部48、第2壁部54b及び第4突出部76は、照明装置200の鉛直下方への移動を規制する移動規制手段として機能する。
【0116】
このようにして取付構造10に対して照明装置200が固定された後に、照明装置200の接続部204に導光体34の端部38を挿入すると共に、導光体34を収容溝102に収容する。
【0117】
この場合、ドアライニング12の車幅方向内側から挿通孔100に向けて導光体34の端部38を挿入する。挿通孔100を通過した端部38は、接続部204と対向する。次に、各突起部39が上下に位置するように端部38を位置決めする。この状態で、端部38を接続部204に向けて進行させる。
【0118】
これにより、端部38の先端部分が接続部204の内孔232に挿入された状態で、端部38側の各突起部39が接続部204の内方に形成された係合部233に接触する。各係合部233は、接続部204の基端側を支点とした片持ち状態である。そのため、端部38をさらに進行させると、係合部233が端部38から離間する方向に変位して接続部204の片持ち部分が弾性変形する。
【0119】
そして、端部38をさらに押し進め、各突起部39が係合部233の位置を通り過ぎると、各係合部233が元の位置に復帰して各突起部39の後方に接触する。これにより、導光体34の端部38は、接続部204の内孔232に挿入された状態で、照明装置200を介して取付構造10に固定されることとなる。
【0120】
一方、導光体34における挿通孔100から車幅方向内側の部分については、ドアアームレスト22に沿って形成された収容溝102に収容される。この場合、収容溝102における車両前後方向に沿った部分には、係合爪110及び当てリブ111と支持用リブ112及び不織布114とが所定間隔で設けられている。そのため、導光体34の凹部106が係合爪110に係合し、導光体34の上部が当てリブ111に当接すると共に、切欠部108が支持用リブ112で支持される。しかも、支持用リブ112周囲の導光体34と収容溝102及び支持用リブ112との隙間に不織布114が介挿されている。これにより、収容溝102に導光体34を確実に収容することができる。
【0121】
このようにして収容溝102に導光体34を収容した後に、ドアアームレスト22の上方からスイッチパネル30を覆いかぶせる。これにより、照明装置200の発光素子201が発光し、発光した光が導光体34の端部38に入射した場合、導光体34に入射された当該光は、挿通孔100を通過して、スイッチ部26に導かれる。この場合、挿通孔100を取り囲むようにリブ104が形成されているので、挿通孔100の周辺(車両前方側)において、導光体34に導かれた光の一部がドアアームレスト22とスイッチパネル30との隙間から漏れることを抑制することができる。
【0122】
一方、ドアアームレスト22とスイッチパネル30との隙間のうち、スイッチ部26に沿った車両前後方向には、隙間116が形成されている。これにより、導光体34によって導かれた光は、隙間116を介して車室内側に出力され、車両の乗員は、出力された光を視認することができる。
【0123】
以上説明したように、本実施形態に係る照明装置200の取付構造10では、ドアアームレスト22、スイッチ部26及び凹部24によって取付対象のドアライニング12に段差部32を形成し、段差部32に取付構造10を設けることにより、取付構造10を構成する取付部42を用いて、照明装置200を段差部32に設置する。
【0124】
すなわち、ドアライニング12にドアアームレスト22、スイッチ部26及び凹部24を設けることにより、当該箇所は突出部分(膨出部分)となり、段差部32が形成される。このような段差部32を照明装置200の設置場所として有効活用することにより、ドアライニング12に対する照明装置200の設置場所を容易に確保することができる。
【0125】
また、取付部42を用いて、照明装置200を段差部32に設置するので、ねじ部材を用いることなく、照明装置200を安定的に段差部32に取り付け、取付工数を低減することができる。
【0126】
しかも、ドアライニング12に設置された導光体34の端部38を、段差部32に設置された照明装置200に挿入すれば、照明装置200が発光した光を端部38に入射して、導光体34に導くことができる。
【0127】
そして、本実施形態では、接続部204を避ける逃げ部としての孔90を台座40の上側壁部48に設けたことにより、ベース部44に照明装置200を固定する際の上側壁部48と接続部204との干渉を回避することができる。これにより、ドアライニング12に対する照明装置200の組み付け性を向上することができる。なお、このように台座40側に設けられる逃げ部としては、孔90以外に、例えば、凹部であってもよい。
【0128】
また、本実施形態では、段差部32から突出形成された筒状の連結壁部54で接続部204及び導光体34の端部38を囲繞することにより、照明装置200から導光体34の端部38に光が入射した際に、当該光を外部に漏れにくくすることができる。
【0129】
さらに、本実施形態では、連結壁部54を構成する第1壁部54a及び第2壁部54bに第1逃げ部88a及び第2逃げ部88bをそれぞれ形成する。この場合、第2逃げ部88bは、第1逃げ部88aよりも接続部204及び導光体34の端部38の外周面から径方向に離間するように形成されている。
【0130】
これにより、ベース部44に照明装置200を固定する場合、作業者は、親指と人差し指とで照明部208(照明装置200の接続部204側)を挟んだ状態で接続部204を連結壁部54の内方に挿入すればよい。その際、第2逃げ部88bと接続部204との空間に親指が入りやすくなると共に、第1逃げ部88aと接続部204との空間に人差し指が入りやすくなる。この結果、段差部32に対して照明装置200を組み付けやすくなる。
【0131】
また、ベース部44が上下方向に形成され、接続部204を上側にした状態で連結壁部54の内方に接続部204を挿入する場合、第1逃げ部88aを高い位置に設けると共に、第2逃げ部88bを低い位置に設け、第1逃げ部88aと第2逃げ部88bとの間で高低差をつければ、照明装置200の組み付け性をさらに向上させることができる。
【0132】
さらに、本実施形態では、連結壁部54と段差部32又は台座40とを各種のリブ(第4突出部76、第1リブ92a、第2リブ92b)で連結することにより、台座40及び連結壁部54の剛性を向上させることができる。
【0133】
具体的に、第2壁部54bと台座40を構成するベース部44とを第4突出部76で連結することにより、台座40及び第2壁部54bの剛性を向上させることができる。特に、孔90の近傍に第4突出部76が形成されているので、孔90の形成による台座40の剛性の低下を当該第4突出部76で補強することができる。
【0134】
また、第1壁部54aと段差部32を構成する湾曲面36とを第1リブ92aで連結すると共に、第2壁部54bと湾曲面36とを第2リブ92bで連結することにより、第1壁部54a、第2壁部54b及び台座40の剛性を一層向上させることができる。
【0135】
さらに、本実施形態では、移動規制部52によって上方への照明装置200の移動及びベース部44から離れる方向への照明装置200の移動を規制することにより、ベース部44に対する照明装置200の位置ずれを抑制することができる。
【0136】
さらにまた、本実施形態では、ベース部44に対して照明装置200を固定した状態で、導光体34の端部38を接続部204の内孔232に挿入し、各突起部39と各係合部233とを係合させることにより、ベース部44に対して照明装置200及び導光体34を確実に固定することができる。
【0137】
また、本実施形態では、先に照明装置200を固定するため、接続部204に対する導光体34の端部38の挿入位置が予め決まることになる。これにより、接続部204の内孔232に向かって導光体34の端部38を挿入しやすくなり、作業効率が向上する。
【0138】
さらに、本実施形態では、スリット236を目印として、ベース部44に対して照明装置200を固定すれば、照明装置200の誤組み付けを防止することができる。また、係合部233の周囲にスリット234を形成すれば、当該係合部233は、片持ちの部材となる。これにより、導光体34の端部38を接続部204の内孔232に挿入すれば、各突起部39と各係合部233とを容易に係合させることができる。この結果、導光体34の組み付け性も向上させることができる。
【0139】
さらにまた、本実施形態では、支持壁部60に対向する照明装置200の側面222を平面状に形成することにより、照明装置200の側面222に係合爪58を係合させやすくなり、当該照明装置200をベース部44に確実に固定することができる。
【0140】
また、本実施形態では、照明装置200の側面218に段部220を形成することにより、作業者がベース部44に照明装置200を取り付ける際、照明装置200を掴みやすくなる。この結果、作業効率の向上を図ることができる。
【0141】
さらに、本実施形態では、挿通孔100の近傍に、導光体34の一部を覆うリブ104を設ける。これにより、照明装置200の発光素子201から導光体34の端部38に入射した光が挿通孔100を介して導光体34の車幅方向内側の部分に導光された際に、当該光がドアアームレスト22及びスイッチパネル30の隙間を介して外部に漏れることを防止することができる。
【0142】
さらにまた、本実施形態では、収容溝102に係合爪110、当てリブ111及び支持用リブ112を設け、係合爪110と導光体34の凹部106とを係合させ、導光体34の上部に当てリブ111を当接させると共に、導光体34の切欠部108を支持用リブ112で支持することにより、導光体34を収容溝102に位置決め固定することができる。また、導光体34と収容溝102及び支持用リブ112との隙間に不織布114を介挿させることにより、スイッチ部26を含むドアライニング12と導光体34との接触に起因したガタツキ音の発生を防止することができる。
【0143】
また、本実施形態では、導光体34の底部における収容溝102の底面115側に切欠部108を形成し、収容溝102の底面115から切欠部108にかけて断面L字状に支持用リブ112を設ける。収容溝102の底面115側に支持用リブ112を設けたことにより、導光体34の光が、収容溝102における車幅方向内側の開口から、隙間116を介して出力されるときの支持用リブ112の影響を回避することができる。すなわち、支持用リブ112が設けられている箇所と、設けられていない箇所との間で、導光体34から出力される光が不均一になることを回避して、当該導光体34から均一な光を発することが可能となる。
【0144】
さらに、本実施形態では、ドアライニング12の車幅方向内側(車室内側)への膨出部分であるドアアームレスト22及びスイッチ部26、並びに、車幅方向外側(車室外側)への膨出部分である凹部24を利用することで、段差部32を容易に形成することができる。なお、ドアライニング12に車幅方向への膨出部分が設けられていれば、段差部32を形成することができるので、車幅方向内側及び車幅方向外側の双方に膨出部分が形成されてもよいし、あるいは、いずれか一方に膨出部分が形成されてもよい。
【0145】
さらにまた、車幅方向内側への膨出部分であるドアアームレスト22及びスイッチ部26の上端側の縁部に沿って導光体34を配置することにより、導光体34に導かれた光を車幅方向内側に出力することができる。
【0146】
また、本実施形態では、前述のように、車両用内装部品がドアライニング12であり、車両方向内側への膨出部分がドアアームレスト22及びスイッチ部26であり、車幅方向外側への膨出部分が凹部24であるため、ドアライニング12に段差部32が形成しやすくなり、この段差部32を照明装置200の設置場所として利用することが可能となる。
【0147】
なお、本実施形態では、側壁部56のうちコネクタ部206との接触面に所定角度θの抜き勾配が設定され、支持壁部60がベース部44の平面の垂線Pに対して抜き勾配と略同じ角度θだけ側壁部56側に傾斜するようにベース部44に立設している。これにより、ベース部44に対する照明装置200のガタツキを抑えることができる。
【0148】
また、第1〜第4突出部70〜76のうち、照明装置200との接触面を、側壁部56側に向かってベース部44の平面に対して側壁部56の抜き勾配と略同じ角度だけベース部44側に傾斜させている。これにより、ベース部44に対する照明装置200のガタツキを一層抑えることができる。
【0149】
さらに、側壁部56のうち支持壁部60と対向する部位に型抜き孔62を形成しているので、図示しない金型と型抜き孔62を通るスライド型とを用いて係合爪58を容易に成形することも可能となる。
【0150】
本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。例えば、本発明に係る照明装置の取付構造は、ドアライニング以外の任意の取付対象に対して適用することができる。