【実施例】
【0025】
<ウォーターサーバーの外観形態>
【0026】
図2は、一実施例に係るウォーターサーバーの外観形態を示している。
図2に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
【0027】
このウォーターサーバー2では角筒状の筐体4が備えられる。この筐体4の上部には天井部材18が取り付けられている。天井部材18は、支持筐体部6の第1の支持部材12−1の一例である。これら筐体4および天井部材18はたとえば、強化合成樹脂などで形成された成形体である。
【0028】
筐体4の前面側には操作パネル部20が備えられている。この操作パネル部20は、筐体4から前面方向に張り出させた傾斜面部である。この操作パネル部20には表示部22、冷水ボタン24、温水ボタン26、ロック・解除ボタン28などが備えられる。表示部22には点滅や点灯によってロック状態などの設定や動作の状態が表示される。冷水ボタン24は冷水CWの給水時に押下し、温水ボタン26は温水HWの給水時に押下する。ロック・解除ボタン28は冷水や温水の給水ロック時やその解除時に押下する。
【0029】
この操作パネル部20の下側には冷水口30、温水口32および排水口34が備えられる。冷水口30は冷水ボタン24の押下により冷水CWを吐出する。温水口32は温水ボタン26の押下により温水HWを吐出する。排水口34は排水時に使用する。これら冷水口30、温水口32および排水口34の下側にはトレー部36が備えられている。このトレー部36は給水を受けるカップなどの容器が載置可能である。
【0030】
天井部材18の上側にはポット38が着脱可能に支持される。このポット38には原水Wとしてたとえば、水道水を供給すればよいが、市販のペットボトルなどのボトル単位で提供される飲料水を給水してもよい。
【0031】
このポット38には上側に開閉可能な蓋部40、正面にレベル表示部42が備えられ、左右の側面部には把手部44が備えられている。レベル表示部42はたとえば、透明樹脂などの透明部材で形成され、原水Wの水面レベルが確認可能である。このレベル表示部42は透明部材をレンズ面に形成し、拡大表示としてもよい。把手部44は、天井部材18の一部からポット38の側壁に跨がって形成された凹部である。この把手部44によりポット38の移動操作が可能である。
【0032】
<ウォーターサーバー2の冷温水系統>
【0033】
図3は、ウォーターサーバー2の冷温水系統の一例を示している。このウォーターサーバー2では、最上部から下方に向かってポット38、このポット38を支持する天井部材18の下側にカートリッジ収納部46、このカートリッジ収納部46を含む下側に筐体4が備えられる。筐体4には上方から冷水タンク14、温水タンク16および冷却装置48が配置される。
【0034】
カートリッジ収納部46には浄水カートリッジ50が着脱可能に備えられる。この浄水カートリッジ50は浄水手段10の一例である。
【0035】
冷水タンク14にはフロート52、分離板54および給水筒56が備えられる。フロート52は冷水CWのレベルによって昇降する。分離板54はカートリッジ収納部46側から給水される浄水Wfを受け、給水筒56を通して浄水Wfを温水タンク16に導く。したがって、給水筒56は分離板54から冷水タンク14を貫通して温水タンク16に至る給水経路を構成している。
【0036】
冷水タンク14の外壁には蒸発器58が備えられ、この蒸発器58は冷却装置48に接続されている。冷水タンク14内の冷水CWの温度は温度センサ60により検出され、この検出温度は操作パネル部20の背面側にある冷温水制御部62に取り込まれ、冷水CWの温度がたとえば、6〔℃〕などの一定温度に制御される。
【0037】
冷水タンク14の底部には冷水供給路64が接続され、この冷水供給路64に冷水口30が形成されている。この冷水供給路64には冷水ボタン24によって開閉される開閉弁66が備えられる。この冷水供給路64の中途部には排水口34やブロックヒーター68が備えられる。このブロックヒーター68は冷温水制御部62によって制御される。
【0038】
冷水タンク14と温水タンク16の間にはバイパス路70が形成され、このバイパス路70が開閉弁72によって開閉される。この開閉弁72の開閉制御は冷温水制御部62によって行われる。
【0039】
温水タンク16には温水ヒーター74が備えられ、温水HWが生成される。この温水温度は温度センサ76により検出され、その検出温度が冷温水制御部62に取り込まれる。これにより、温水温度がたとえば、80〔℃〕などの設定温度に制御される。
【0040】
この温水タンク16の底部には温水HWを排出させる排水路78が形成され、この排水路78は排水栓80によって開閉可能である。
【0041】
冷却装置48はたとえば、コンプレッサー82、コンデンサ84、ドライヤー86および蒸発器58などが冷媒管88によって連結され、浄水Wfと蒸発器58で発生する熱との熱交換により、循環する冷媒によって浄水Wfを冷水CWに冷却することができる。
【0042】
<ポット38(原水タンク8)、天井部材18およびアダプタ90>
【0043】
図4は、ポット38、天井部材18およびアダプタ90の断面を示している。
図5は、アダプタ90が外された天井部材18および筐体4の上部を示している。
図6は、蓋部40を外したポット38の平面、正面および
図6のAのVIC−VIC線断面を示している。
【0044】
ポット38の蓋部40には開閉部40−1および開閉支持部40−2が備えられ、開閉部40−1は開閉支持部40−2にヒンジ部40−3で回動可能に支持されている。
【0045】
ポット38には原水Wを溜めるポット本体92が備えられ、このポット本体92の底部には給水筒部94が形成されている。この給水筒部94にはポット38の内部側に小径の給水口96−1、底部の外側に大径の給水口96−2が形成されている。
【0046】
給水筒部94には開閉弁の一例として弁機構98が備えられる。この弁機構98には、弁体98−1が摺動可能に設置され、弁体98−1が弁座部98−2と接離可能に設置されている。弁座部98−2は、給水筒部94内に取り付けられ、止水リングなどで止水状態に維持されている。止水リングはゴムなどの止水材で成形された弾性止水手段である。弁体98−1を支持する軸部98−3は給水口96−1側に摺動可能である。この軸部98−3にはコイルバネ98−4が圧縮状態で装着され、ポット38がウォーターサーバー2から離脱した場合、弁体98−1が弁座部98−2側に圧接されて閉止状態に維持される。このとき、原水Wがポット本体92に維持される。
【0047】
ポット38の底面部100には給水筒部94を包囲して止水連結筒部102が形成されている。この例では、底面部100からの給水筒部94および止水連結筒部102は同一の突出長である。止水連結筒部102は止水連結部の一例であり、アダプタ90に装着される。止水連結部102には止水リング104が装着されており、この止水リング104をアダプタ90によって支持される浄水カートリッジ50の周壁部216(
図10参照)に密着させて浄水カートリッジ50との止水状態が図られる。
【0048】
この止水連結筒部102の周囲には、天井部材18との係合させる係合手段の一例である係合凸部106がポット本体92と一体に形成されている。この例では、係合凸部106は、止水連結筒部102を周回する環状突部であり、止水連結筒部102を超える突出長を備えている。この止水連結筒部102を周回して係合凸部106がポット本体92と一体に形成されている。
【0049】
このポット38を支持する天井部材18には
図5に示すように、筐体4に連結される連結筒部108が備えられ、この連結筒部108の上側にポット本体92を載置する載置部110とともに、ポット38の係合凸部106を係合させる係合手段の一例である係合凹部112が備えられる。係合凹部112の内壁側には載置部110の載置面に平行に複数のフランジ部114および切欠き115が形成されている。このフランジ部114にはアダプタ90の最外径より小径のアダプタ装着孔116が形成され、このアダプタ装着孔116にはアダプタ90に係止させる複数の係止部118が形成されている。アダプタ装着孔116は貫通孔部12−3(
図1)の一例である。アダプタ90は第3の支持部材の一例である。フランジ部114と係止部118との間にはアダプタ90を収納する収納部120が形成されている。
【0050】
フランジ部114の下面側には、カートリッジ収納枠122(
図7)を係止させる係止部124が形成されている。カートリッジ収納枠122は、第2の支持部材12−2の一例である。
【0051】
アダプタ90には止水連結筒部102に被せられる連結筒部126が形成され、この連結筒部126には傾斜部128を媒介させてフランジ部130が形成されている。このフランジ部130が天井部材18のアダプタ装着孔116側の収納部120に装着される。フランジ部126には天井部材18側の係止部118を係止させる複数の係止部132が天井部材18側の係止部118に対応する位置に形成されている。
【0052】
このアダプタ90は、係止部132を天井部材18のアダプタ装着孔116を潜らせて天井部材18の内側に挿入した後、回転させて係止部118と係止部132とを係合させることにより、アダプタ装着孔116に装着される。
【0053】
そして、ポット38の係合凸部106は
図6のAに示すように、長方形の環状部であり、天井部材18の係合凹部112との係合形態を前後方向に規制している。把手部44によってポット38の内壁面には突出部134が形成されている。
【0054】
ポット38のレベル表示部42には
図6のBに示すように、冷水CWのレベル段階を示す複数のスケール部136が一定の間隔で形成されている。このスケール部136によって冷水CWの給水レベルが確認可能である。
【0055】
ポット38の各把手部44には
図6のCに示すように、内側に立ち上がる傾斜部138が形成されている。
【0056】
<カートリッジ収納部46(第2の支持部材12−2)>
【0057】
図7のAは、カートリッジ収納枠122の平面を示している。カートリッジ収納枠122には、円筒部140、冷水タンク支持部142および底部144を備える。底部144には給水筒部146、浄水カートリッジ支持部148および通気部150が備えられる。浄水カートリッジ支持部148は、底部144の中央に形成された給水筒部146の周囲に形成された複数の支柱部148−1を備え、各支柱部148−1の頂部には浄水カートリッジ50の底面形状に合致する傾斜面を備えた載置部148−2が形成されている。通気部150は浄水カートリッジ支持部148から離れた位置に形成されている。
【0058】
図7のBは、カートリッジ収納部46の筐体構造を示している。冷水タンク支持部142は冷水タンク14の開口縁部に支持される。円筒部140は、天井部材18の係止部124に支持されて天井部材18を介して筐体4に固定される。天井部材18は、筐体4に複数の固定ねじ151によって固定され、筐体4と一体化されている。
【0059】
図8は、天井部材18、カートリッジ収納枠122および冷水タンク14を示している。天井部材18の係止部124に対し、カートリッジ収納枠122の円筒部140の開口縁部が係合可能であり、天井部材18とカートリッジ収納枠122は着脱可能である。
【0060】
冷水タンク支持部142は、円筒部140の下端側の中途部より形成されており、円筒部140の内側に突出させた平坦部である。この冷水タンク支持部142から冷水タンク14に向かって傾斜部152が形成され、この傾斜部152から平坦な突出面部154が形成されている。つまり、底部144は、円筒部140の中途部から冷水タンク14に向かって突出する湾曲面部である。
【0061】
冷水タンク支持部142は円筒部140の下端側の一部と、傾斜面部152で挟まれた狭隘空間部を構成している。
【0062】
底部144の突出面部154には、給水ノズル部156が形成され、この給水ノズル部156を冷水レベルに応じて開閉する弁機構158が備えられる。給水ノズル部156は、カートリッジ収納枠122の内側の給水筒部146に連通しており、冷水タンク14側に浄水Wfを流し込むノズル部の一例である。
【0063】
弁機構158には弁体160が備えられ、この弁体160の一端が底部144側のヒンジ部162に回動可能に取り付けられ、その他端がフロート52側のヒンジ部164に取り付けられている。弁体160には給水ノズル部156に密着可能な止水部材166が設置されている。冷水レベルによってフロート52が昇降し、弁体160が回動し、給水ノズル部156の先端に弁体160の止水部材166が当接可能である。
【0064】
冷水タンク14には、冷水タンク支持部142に装着されるカーリング処理された開口縁部168が備えられ、この開口縁部168には止水リング170が取り付けられている。この止水リング170には冷水タンク14の内方に突出する止水片172が形成されている。この止水片172は、冷水タンク支持部142に止水リング170とともに挿入され、冷水タンク支持部142の内側にある傾斜部152に密着する。
【0065】
<通気部150>
【0066】
図9は、通気部150を分解して示している。この通気部150には、通気筒174、通気キャップ部175および通気筒支持部176が備えられる。
【0067】
通気筒支持部176は、カートリッジ収納枠122の底部144に形成され、通気筒174が挿入されて支持される。この通気筒支持部176には冷水タンク14側に突出する湾曲底部178が形成され、この湾曲底部178の先端側に通気孔180が開口されている。
【0068】
通気筒支持部176には通気筒174に係合させる複数の鉤部182が形成されている。この鉤部182に固定される複数の突出部184が通気筒174に形成されている。この通気筒174には、通気筒支持部176に挿入される挿入部186が形成され、この挿入部186には止水リング188が取り付けられている。挿入部186が通気筒支持部176に挿入されると、通気筒支持部176の内壁面に止水リング188が圧縮状態で密着可能である。このとき、突出部184が鉤部182に鉤止され、通気筒支持部176に通気筒174が固定される。
【0069】
通気キャップ部175に挿入される挿入部190には同様に止水リング192が取り付けられている。挿入部190が通気キャップ部175に挿入されると、通気キャップ部175の内壁面に止水リング192が圧縮状態で密着可能である。このとき、突出部184は通気キャップ部175の一対の鉤部194に鉤止され、通気キャップ部175が通気筒174に固定される。
【0070】
通気キャップ部175の円筒状の本体部196には通気可能なエアフィルタ200が取り付けられ、本体部196がエアフィルタ200で閉塞されている。このエアフィルタ200にはたとえば、メンブレンフィルタを用いればよい。
【0071】
通気筒支持部176に支持された通気筒174に通気キャップ部175が装着されると、通気孔180を通過する空気は通気キャップ部175のエアフィルタ200を介して外気に通ずる。
【0072】
<浄水カートリッジ50>
【0073】
図10は、アダプタ90、浄水カートリッジ50およびカートリッジ収納枠122の一部を示している。
【0074】
浄水カートリッジ50は、カートリッジ収納枠122の浄水カートリッジ支持部148に支持されて給水筒部146に装着されるとともに、アダプタ90によって支持される。これにより、転倒が防止され、ポット38と冷水タンク14との間に導水路202を形成する。
【0075】
浄水カートリッジ50にはカートリッジノズル部204が備えられ、このカートリッジノズル部204には止水リング206が取り付けられている。カートリッジノズル部204は給水筒部146に挿入され、止水リング206で止水状態が維持される。
【0076】
浄水カートリッジ50には弁操作ロッド208が設置される。この弁操作ロッド208は、ポット38の弁機構98の開閉操作をする弁操作手段の一例である。
【0077】
図11は、浄水カートリッジ50を分解して示している。浄水カートリッジ50には下側カートリッジ部50−1と上側カートリッジ部50−2が備えられる。下側カートリッジ部50−1の内側に上側カートリッジ部50−2が装着されて超音波溶着などにより一体化されて止水状態に維持される。下側カートリッジ部50−1にはフランジ部210が形成され、上側カートリッジ部50−2の段部212によって係止される。下側カートリッジ部50−1と上側カートリッジ部50−2の間に浄化剤が装填され、上側カートリッジ部50−2の内空間にはたとえば、軟化剤が装填される。
【0078】
上側カートリッジ部50−2の内側には弁操作ロッド支持部214が形成されている。この弁操作ロッド支持部214の周囲部には支持される弁操作ロッド208を包囲する周壁部216が形成されている。
【0079】
<弁操作ロッド208>
【0080】
図12のAは、弁操作ロッド208の平面を示している。弁操作ロッド208には、直立するロッド部218を中心にし、このロッド部218の下端側にロッド支持部220を備える。ロッド部218は柱体であり、受水口の一例であるロッド支持部220は一例として円盤状であり、複数の通水部222を備えている。
【0081】
図12のBは、弁機構98、
図12のAのXIIB−XIIB線断面を示している。弁機構98に対し、弁操作ロッド208の直立するロッド部218が対応し、弁機構98の弁体98−1に当接して押し上げる。
【0082】
<ウォーターサーバー2の給水機能>
【0083】
図13は、ウォーターサーバー2の給水可能状態を示している。冷水CWが提供されて冷水タンク14の冷水CWのレベルが低下すると、フロート52が下降し、弁体160が給水ノズル部156より離れ、給水ノズル部156が開状態となる。
【0084】
この開状態では、ポット38の原水Wが浄水カートリッジ50を通過して浄水化され、この浄水カートリッジ50から浄水Wfとして給水筒部146および給水ノズル部156を経て冷水タンク14に給水される。常温の浄水Wfは、冷水タンク14の冷水CWに混ざり、冷水CWの温度を上昇させる。この冷水CWの温度上昇は温度センサ60(
図3)により検出され、その検出温度に応じて冷却装置48を駆動させる。冷水タンク14の周囲に巻回されている蒸発器58に冷媒が流れ、この冷媒の熱と冷水CWとの熱交換により、冷水CWが設定温度に冷却される。
【0085】
図14は、冷水CWのレベル上昇状態、弁機構158の閉止状態を示している。冷水CWのレベルが上昇すると、フロート52が上昇して弁体160が給水ノズル部156に当たり、給水ノズル部156が閉止状態となる。これにより、冷水タンク14に対する浄水Wfの給水が停止される。
【0086】
<冷水タンク14の通気機能>
【0087】
冷水タンク14の冷水CWのレベルが低下する場合、冷水タンク14の負圧化を回避するため冷水タンク14の給気が必要である。
図13に示すように、冷水タンク14の冷水レベルが低下すると、カートリッジ収納枠122にある通気部150により、カートリッジ収納部46内の空気が冷水タンク14に流れる。この通気により、冷水タンク14内の空間内に空気が供給される。この通気の際、通気部150のエアフィルタ200により冷水タンク14内に流れる空気が浄化されて供給される。
【0088】
浄水Wfの供給により、冷水タンク14の冷水CWのレベルが上昇する場合、加圧化を回避するため、冷水タンク14の排気が必要である。冷水タンク14の冷水レベルが上昇した場合、通気部150により、冷水タンク14側の空気がカートリッジ収納部46内に排気される。
【0089】
<ポット38の給水>
【0090】
図15は、ポット38への給水を示している。この場合、ウォーターサーバー2の筐体4からポット38を外し、このポット38を移動した後、蓋部40の開閉部40−1を上方に回動させて静止させ、水道栓から給水を行えばよい。
【0091】
ポット38を外すことなく、筐体4上にポット38を維持した状態で開閉部40−1を開き、水道栓から給水ホースで水道水を給水してもよく、または市販のボトルから給水してもよい。
【0092】
<浄水カートリッジ50の排水>
【0093】
図16は、浄水カートリッジ50の排水状態を示している。ウォーターサーバー2からポット38が外されると、浄水カートリッジ50は通気状態となる。この状態で、冷水タンク14の冷水CWを排水すると、フロート52が低下して給水ノズル部156から弁体160が外れ、給水ノズル部156を開放状態となる。これにより、浄水カートリッジ50から浄水Wfが冷水タンク14側に降下し、浄水カートリッジ50から浄水Wfが排水される。
【0094】
<浄水カートリッジ50の着脱>
【0095】
図17は、浄水Wfの排水後の浄水カートリッジ50の着脱を示している。浄水カートリッジ50を着脱するには、筐体4からポット38を外した後、天井部材18からアダプタ90を外せばよい。このアダプタ90は、係止状態から反対方向に回動させることにより、係合状態を解除でき、天井部材18から取り除くことができる。
【0096】
アダプタ90を外すと、天井部材18のアダプタ装着孔116内で浄水カートリッジ50が自立状態となり、この浄水カートリッジ50と天井部材18のアダプタ装着孔116の内壁との間の空間に指を入れ、浄水カートリッジ50に上方に引き抜く力を加えると、カートリッジノズル部204が給水筒部146から外れ、浄水カートリッジ50を取り出すことができる。
【0097】
このような操作と逆の操作で浄水カートリッジ50を装着すれば、新旧の浄水カートリッジ50を交換することができる。この場合、天井部材18のアダプタ装着孔116内に自立状態にある浄水カートリッジ50と摺接状態にあるアダプタ90を天井部材18のアダプタ装着孔116の縁部に係合させ、回転させて係止状態とする。
【0098】
<一実施例の特徴事項および効果>
【0099】
(カートリッジ収納部46の形態)
(1) 浄水カートリッジ50を収納するカートリッジ収納部46が、天井部材18と、冷水タンク14の蓋部を兼ねるカートリッジ収納枠122とを備えて構成されており、少ない部材で強化された収納空間を形成している。部材数の削減によるウォーターサーバー2の上部側の軽量化を図ることができ、ウォーターサーバー2の設置安定化機能を増強できる。
【0100】
(2) 天井部材18のアダプタ装着孔116にはアダプタ90が着脱されるので、天井部材18をアダプタ90によって補強できる。
【0101】
(3) 天井部材18およびカートリッジ収納枠122のそれぞれはたとえば、強化合成樹脂の成形体であり、ある程度の弾性を備えている。天井部材18では原水Wを収容するポット38からの重量を受け、この重量による応力が天井部材18のフランジ部114からカートリッジ収納枠122に伝達され、これらフランジ部114とカートリッジ収納枠122とが密着状態となる。また、カートリッジ収納枠122からその応力が冷水タンク14の縁部に伝達される。これにより、冷水タンク14と天井部材18との間にカートリッジ収納枠122の冷血筒部108が挟み込まれて圧縮状態で保持され、強固な筐体構造が維持される。つまり、ポット38の原水Wに応じてカートリッジ収納部46の補強状態が得られる。
【0102】
(カートリッジ収納枠122の形態)
(4) カートリッジ収納枠122は、突出面部154を有する底部144と、円筒部140とを備え、立体形状である。この立体形状により、単一の部品でカートリッジ収納部46におけるカートリッジ収納空間を形成することができる。
【0103】
(5) 円筒部140はたとえば、天井部材18のフランジ部114と冷水タンク14の縁部との間に直立状態で維持される。このため、天井部材18が受ける重量や応力を分散させることなく、冷水タンク14に伝達し、冷水タンク14から支持筐体部6を含む筐体4を介して設置面に伝達できる。ポット38からの重力を回転モーメントに変換させることなく設置面側に伝達でき、ウォーターサーバー2の設置の安定化を図ることができる。
【0104】
(カートリッジ収納枠122と天井部材18の係合関係)
(6) カートリッジ収納枠122の円筒部140の上縁は天井部材18に係合して支持され、天井部材18とカートリッジ収納枠122は着脱可能で強固な係合状態が維持されている。天井部材18を設置すると、カートリッジ収納枠122との係合が図られ、カートリッジ収納枠122と天井部材18とが一体化される。
【0105】
(天井部材18とアダプタ90の関係)
(7) 天井部材18の透孔・・にはアダプタ90が着脱可能に装着され、天井部材18のフランジ部114がアダプタ90によって補強され、アダプタ90を介してフランジ部114の端部間が橋絡状態となっている。天井部材18のフランジ部114がアダプタ90によって強化され、浄水カートリッジ50の支持強度を高めている。
【0106】
(カートリッジ収納枠122と冷水タンク14の関係)
(8) カートリッジ収納枠122の膨出部が冷水タンク14の内部に突出しており、冷水タンク14の上部側を利用してカートリッジ収納枠122によるカートリッジ収納空間を拡大している。これにより、冷水タンク14の口径を大きくして冷水CWの収容容積を拡大すれば、カートリッジ収納枠122の膨出部を冷水タンク14に侵入させても冷水CWの収容容積を犠牲にすることなく、カートリッジ収納部46のコンパクト化を図ることができる。
【0107】
〔他の実施の形態〕
【0108】
ア)天井部材18とポット38の係合関係について、上記実施例では、天井部材18側に係合凹部112、ポット38側に係合凸部106を備えたが、天井部材18側に係合凸部106、ポット38側に係合凹部112を備えてもよい。
【0109】
イ)浄水カートリッジ50とカートリッジ収納枠122を一体化し、浄水カートリッジ50に装填される浄化剤や軟化剤を着脱可能としてもよい。
【0110】
ウ)ポット38に浄水カートリッジ50を一体化した構成としてもよい。
【0111】
エ)筐体4の底面部に該底面部より形状ないし面積の大きい台座を備えてもよい。これにより、筐体4の設置安定性をより高めることができる。
【0112】
以上説明したように、本発明のウォーターサーバーの最も好ましい実施の形態や実施例について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。