(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
歪み検出センサを支持するセンサ装備面が設けられた検出部と、前記検出部と一体に形成されて前記センサ装備面と交差する方向へ突出する操作突部と、前記操作突部に装着される弾性キャップとが設けられた入力装置において、
前記操作突部と前記検出部との間に、前記センサ装備面と平行な面で切断した断面の外輪郭で囲まれた面積が局部的に小さくなる首部が設けられており、
前記弾性キャップに、前記操作突部の頂部に向けて開放されたキャップ空洞部が形成されて、前記キャップ空洞部の内部に凸部が形成され、
前記操作突部の外輪郭が四角形で、四角形のそれぞれの角部に凹部が形成されており、
前記凹部と前記凸部とが突き当てられていることを特徴とする入力装置。
前記操作突部の外輪郭は四角形で、四角形のそれぞれの角部に凹部が形成され、前記弾性キャップには、前記キャップ空洞部の内部に凸部が形成されており、前記凹部と前記凸部とが突き当てられている請求項2または5記載の入力装置。
前記首部の前記外輪郭で囲まれた面積は、前記操作突部のうちの前記首部に隣接している部分を前記センサ装備面と平行な面で切断した断面の外輪郭で囲まれた面積よりも小さい請求項1ないし9のいずれかに記載の入力装置。
前記操作突部の中心から前記操作突部の外輪郭までの距離の最小値よりも前記弾性キャップの側方被覆部の厚さ寸法の最大値の方が小さい請求項1ないし10のいずれかに記載の入力装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された座標入力装置は、角柱状の操作部が小さく、これに嵌合されているゴムキャップが大きくなっている。よって、ゴムキャップが軟質であると、ゴムキャップを押したときにゴムキャップが必要以上に変形し、その内部の小さな操作部に押圧力を効果的に作用させることが難しく、ゴムキャップを押して操作したときの、座標入力の感度が悪くなる。
【0007】
逆に、ゴムキャップを硬質にすると、ゴムキャップが変形し難いため、指で押したときに指がゴムキャップの表面で滑りやすく、指に適度な操作反力を感じさせることができない。また、指でゴムキャップを強く押したときに、検知出力が急激に立ち上がることがあり、適度な力で押圧操作を行うことが難しくなる。
【0008】
このように、操作部を小さくしゴムキャップを大きくした構造では、ゴムキャップの弾性力をどのように設定しても、良好な操作反力を得ることが難しい。
【0009】
また、特許文献1に記載された構造において、ゴムキャップを薄くするためには操作部を大きくすることが必要になる。しかし、操作部を大きくすると、歪み検出センサを備えた基部と操作部との連結部の断面が大きくなり、操作部に力を与えたときに前記断面に作用する曲げ応力(断面の単位面積に作用する曲げ力)が小さくなって、操作力に与える力で基部に発生させる歪量が小さくなる。その結果、歪み検出センサの検知出力を大きくできなくなる。
【0010】
さらに、前記基部と操作部との連結部の断面を大きくすると、基部が所定の面積で形成される必要があるため、入力装置を小型化するのが困難になる。
【0011】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、操作感触が良好で、しかも最適な感度で入力を行うことができる入力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、歪み検出センサを支持するセンサ装備面が設けられた検出部と、前記検出部と一体に形成されて前記センサ装備面と交差する方向へ突出する操作突部と、前記操作突部に装着される弾性キャップとが設けられた入力装置において、
前記操作突部と前記検出部との間に、前記センサ装備面と平行な面で切断した断面の外輪郭で囲まれた面積が局部的に小さくなる首部が設けられ
、
以下の(A)〜(C)のいずれかの特徴が備わっているものである。
(A)前記弾性キャップに、前記操作突部の頂部に向けて開放されたキャップ空洞部が形成されて、前記キャップ空洞部の内部に凸部が形成され、
前記操作突部の外輪郭が四角形で、四角形のそれぞれの角部に凹部が形成されており、
前記凹部と前記凸部とが突き当てられている。
(B)前記弾性キャップに、前記操作突部の頂部に向けて開放されたキャップ空洞部が形成され、
前記キャップ空洞部の前記操作突部の前記頂部からの深さ寸法が、前記弾性キャップの上方被覆部の厚さ寸法の0.7倍以上で1.3倍以下である。
(C)前記操作突部に、前記弾性キャップの上方被覆部に向けて解放された突部空洞部が形成され、
前記操作突部の頂部での前記突部空洞部の開口面積が、前記首部の外輪郭で囲まれた断面積の最小値以上である。
【0013】
本発明の入力装置は、前記首部の前記外輪郭で囲まれた面積は、前記操作突部のうちの前記首部に隣接している部分を前記センサ装備面と平行な面で切断した断面の外輪郭で囲まれた面積よりも小さいものである。
【0020】
また、前記弾性キャップの前記上方被覆部の厚さ寸法が、前記操作突部の頂部からの前記突部空洞部の深さ寸法よりも小さいことが好ましい。
【0021】
さらに、前記前記操作突部の頂部からの前記突部空洞部の深さ寸法は、前記操作突部の高さ寸法の1/2以上であることが好ましい。
【0022】
本発明の入力装置は、前記操作突部の中心から前記操作突部の外輪郭までの距離の最小値よりも前記弾性キャップの側方被覆部の厚さ寸法の最大値の方が小さいことが好ましい。
【0023】
さらには、前記弾性キャップの側方被覆部の厚さ寸法が、前記
弾性キャップの上方被覆部の厚さ寸法以下であることが好ましい。
【0024】
また、本発明の入力装置は、前記首部の内部に空間が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の入力装置は、操作突部と検出部との連結部分に首部を形成したことで、操作突部の断面に比較して、検出部と操作突部との連結部分の断面を小さくできる。これにより、操作突部に与えた力で前記断面に大きな応力を作用させることができるようになり、前記検出部に歪みを与えやすくなって、操作突部に力を与えたときの歪み検出センサの出力を大きくすることが可能になる。
【0026】
また首部を設けることで、検出部において歪みを発生する領域を広く確保できるので、歪み検出センサによる検出感度を高める効果もある。
【0027】
また、首部を形成して検出部を広く確保することで、首部よりも上方部分で操作突部の断面を比較的大きくすることができる。弾性キャップは指の操作に適した大きさに形成することが必要であるが、操作突部の断面を大きくすることで弾性キャップを比較的薄く構成することができるようになる。その結果、弾性キャップが押圧操作方向へ弾性変形しやすくなって、操作する指に操作突部が押圧方向へ動いているような操作感触を感じさせやすくなる。弾性キャップを押したときに、弾性キャップが弾性変形することで、押圧操作の際に検知出力が急激に立ち上がってしまうのを防止しやすくなる。また、弾性キャップが弾性変形しやすくなることで、弾性キャップを押している指が滑ることを防止しやすくなる。
【0028】
本発明では、弾性キャップにキャップ空洞部を形成することができる。首部を形成することで操作突部を比較的大きくできるため、前記キャップ空洞部の断面積を広くできる。そのため、弾性キャップを指で押したときに弾性キャップの上方被覆部がキャップ空洞部の内部に変形できるようになり、指で押したときに操作突部が動いているような操作反力を得ることができる。また、弾性キャップが変形しやすくなることで、指と弾性キャップとの間の滑りが生じにくくなる。
【0029】
また、操作突部に突部空洞部を設けた場合にも、操作突部を大きくできるので、操作突部の頂部でのキャップ空洞部の開口面積を広くできる。突部空洞部を設けると、弾性キャップを押したときにその上方被覆部が突部空洞部の内部に向けて変形できるため、操作部全体が沈み込みながら操作方向へ動くような操作感触を得ることできる。また、指と弾性キャップとの滑りも生じにくくなる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1ないし
図5に本発明の第1の実施の形態の入力装置1が示されている。入力装置1は、パーソナルコンピュータのキーボード装置に搭載され、指による押圧操作により二次元的な入力信号を生成でき、例えば座標入力を行うことができる。ただし、本発明の実施の形態の入力装置1は、キーボード装置以外の機器に搭載することも可能である。
【0032】
図1と
図2に示すように、入力装置1は金属基板2に、樹脂成形体10が固定されている。金属基板2は板金製であり、中央部に円形の開口部2bが形成され、開口部2bの周囲の4箇所に雌ねじ穴2cが開口している。また、金属基板2の左右両側部に取付け穴2eが形成されている。
入力装置1は、例えばキーボード装置に装備されるが、このとき、金属基板2は取付け穴2eに挿入される取付けねじによってキーボード装置の装置基板に固定される。
【0033】
樹脂成形体10は合成樹脂材料で形成されている。樹脂成形体10には円形の検出部11が設けられている。検出部11は厚さが均一な円形の板部であり、弾性変形部として機能する。検出部11から4方向へ取付け部12が一体に突出している。取付け部12は、X方向とY方向の両方向に対して45度の角度を有する中間方向へ突出している。それぞれの取付け部12には取付け穴12aが形成されている。
【0034】
図1に示すように、樹脂成形体10の検出部11は、金属基板2の開口部2bに下側から挿入され、検出部11においてX方向の両側に突出する掛止部11b,11bが開口部2bに形成された位置決め凹部2f,2fに挿入されて位置決めされる。このとき、取付け部12が、金属基板2の支持板部2aの下面に密着するように設置され、取付けねじ3の雄ねじ部3aが、それぞれの取付け穴12aに挿入されて、支持板部2aに形成された雌ねじ穴2cに螺着される。
【0035】
これにより、4方向に突出している取付け部12のそれぞれが、支持板部2aの下面に密着して固定され、円形の検出部11が、金属基板2の開口部2b内で歪みを生じることができるように配置される。
【0036】
樹脂成形体10は、円形の検出部11の下面が、平面形状のセンサ装備面11aとなっている。
図2と
図3に示すように、センサ装備面11aにフレキシブル配線基板4の十字形状部4aが貼着されている。
【0037】
フレキシブル配線基板4の前記十字形状部4aの下面の4箇所に、歪み検出センサ6が装備されている。歪み検出センサ6は、X方向に間隔を空けて配置されたセンサ6(X+)とセンサ6(X−)、およびY方向に間隔を空けて配置されたセンサ6(Y+)とセンサ6(Y−)とを有している。それぞれの歪み検出センサ6は、カーボンなどの矩形状の抵抗膜で形成されている。センサ6(X+)とセンサ6(X−)は、X方向の両端部に電極部が設けられ、センサ6(Y+)とセンサ6(Y−)は、Y方向の両端部に電極部が設けられている。それぞれの電極部は、フレキシブル配線基板4に形成された配線パターンに接続されている。
【0038】
樹脂成形体10には、角柱構造の操作突部13が検出部11から一体に延び出ている。操作突部13は、その軸中心Oがセンサ装備面11aと垂直に延びるように形成されている。
図2と
図3に示すように、樹脂成形体10には、検出部11と操作突部13との間に首部14が形成されている。
【0039】
首部14は、検出部11と操作突部13との境界部に位置する根元部であり、その断面形状は、操作突部13のうちの首部14に隣接する部分での断面形状よりも小さくなっている。
【0040】
図4(A)は、
図3に示す首部14をセンサ装備面11aと平行なA−A断面で切断した断面図であり、
図4(B)は、操作突部13をセンサ装備面11aと平行な面B−B面で切断した断面図である。
図4(A)に示す首部14の断面において外輪郭14aで囲まれた四角形(正方形)の面積が、
図4(B)に示す操作突部13の断面において外輪郭13aで囲まれた四角形(正方形)の面積よりも小さくなっている。
【0041】
図2と
図3に示すように、操作突部13は、首部14に隣接する部分(首部14との境界部)から一定の高さHの範囲において、外輪郭13aで囲まれた四角形(正方形)の面積が一定である。
【0042】
また、
図3と
図4(A)に示すように、首部14の内部の中央部に、断面が円形の空間15が形成されている。
【0043】
操作突部13は、上面が頂部16であり、頂部16は軸中心Oと垂直な平面である。操作突部13では、頂部16から検出部11に向けて窪む凹部17が4箇所に形成されている。それぞれの凹部17は四角柱形状の操作突部13のそれぞれの角部に形成されている。
【0044】
図2と
図3に示すように、操作突部13の側面の上部には、凹部17と凹部17との間に突起18が一体に形成されている。
【0045】
図1ないし
図3に示すように、操作突部13には弾性キャップ20が装着されている。弾性キャップ20は合成ゴム材料やエラストマーで形成されている。弾性キャップ20は外形状が円筒形であり、上面の操作面20aは円形であり凸曲面形状または平面形状である。
【0046】
図3に示すように、弾性キャップ20には、下向きに解放された装着穴21が形成されている。装着穴21は断面が四角形であり、四角柱状の操作突部21の外側に装着される。操作突部13に弾性キャップ20が被せられると、操作突部13の側面に設けられた突起18が装着穴21の内面に食い込むことで、弾性キャップ20が容易に抜け出ないように固定される。なお、前記装着穴21の内面に突起18と嵌合する嵌合凹部が形成されていてもよい。
【0047】
図3に示すように、弾性キャップ20の内部には、操作突部13の頂部16に向けて開放されているキャップ空洞部23が形成されている。キャップ空洞部23は装着穴21と連続して形成されているが、操作突部13に弾性キャップ20が被せられると、操作突部13の頂部16よりも上にキャップ空洞部23が空間として残される。
【0048】
図5に示すように、弾性キャップ20のキャップ空洞部23の内部には、4角形のそれぞれの角部に、凸部24が形成されている。
図3に示すように、凸部24は、キャップ空洞部23の内部の各角部において上下方向(Z方向)に延びるリブである。弾性キャップ20が操作突部13に装着されると、それぞれの凸部24が、操作突部13の頂部16の角部に形成された凹部17に突き当てられる。凸部24が凹部17の側部に突き当てられることで、弾性キャップ20がX−Y方向へ位置決められ、凸部24の下面が凹部17の底面に突き当てられることで、操作突部13の頂部16の上方にキャップ空洞部23の空間を確保できる。
【0049】
図3に示すように、弾性キャップ20は、キャップ空洞部23の上を覆う上方被覆部25を有し、上方被覆部25の上面が前記操作面20aとなっている。弾性キャップ20には、操作突部13の側面を覆う側方被覆部27が形成されている。また、上方被覆部25の周囲には、側方被覆部27よりも側方へ隆起した側方隆起部26が形成されている。
【0050】
図1ないし
図3に示す入力装置1は、操作突部13の根元部に細い首部14を形成したため、操作突部13と検出部11の連結部の断面を小さくでき、操作突部13に力を与えたときに検出部11に大きな応力を与えることができるようになる。また検出部11の面積を比較的広く確保できるので、センサ装備面11aに歪みを生じさせやすい効果も期待できる。しかも、操作突部13の外形を大きくしているため、手で操作しやすい大きさに設定される弾性キャップ20を従来よりも薄く形成することが可能になる。
【0051】
また、弾性キャップ20の内部にキャップ空洞部23を設けることで、弾性キャップ20の上方被覆部25をさらに薄く構成することができる。キャップ空洞部23の頂部16からの深さ寸法D2は、弾性キャップ20の上方被覆部25の厚さ寸法D1の0.5倍以上で1.5倍以下が好ましく、さらに好ましくは、0.7倍以上で1.3倍以下である。
【0052】
また、側方被覆部27の厚さ寸法Tも薄くできる。前記厚さ寸法Tは、上方被覆部25の厚さ寸法D1以下であることが好ましい。
図4(B)に示すように、操作突部13の軸中心Oから外輪郭13aまでの距離の最小値をWとしたときに、このWよりも、側方被覆部27の厚さ寸法Tの最大値の方が小さくなっている。
【0053】
図10に示すように、歪み検出センサ6(X+),6(X−),6(Y+),6(Y−)でフルブリッジ回路が形成されており、歪み検出センサ6(X−),6(Y−)のそれぞれの端部に電源電圧が印加され、歪み検出センサ6(X+),6(Y+)の端部が接地されている。また、直列に接続されている歪み検出センサ6(X−),6(X+)の中点からX出力が得られ、直列に接続されている歪み検出センサ6(Y−),6(Y+)の中点からY出力が得られる。
【0054】
制御部30では、Y出力が比較器31に与えられ、比較器31において、D/A変換器32でアナログ値に変換された基準値と比較され、その比較結果がA/D変換器33でディジタル値に変換される。
図10では省略されているが、X出力についても、同様に、比較器において、D/A変換器でアナログ値に変換された基準値と比較され、その比較結果がA/D変換器でディジタル値に変換される。
【0055】
次に、入力装置1の動作を説明する。
入力装置1は金属基板2がキーボード装置の装置基板などに固定された状態で使用される。弾性キャップ20を介して操作突部13が押されると、その根元部に連続する検出部11に歪みが発生する。
図11に示すように、操作突部13にY方向の押圧力Fyが与えられると、検出部11の下面のセンサ装備面11aに歪みが発生し、歪み検出センサ6(Y−)に引張り歪みが与えられ、歪み検出センサ6(Y+)に圧縮歪みが与えられる。その結果、
図10に示すA/D変換器33からのディジタル出力が変動し、Y方向への操作力の大きさを検知することができる。同様にしてX出力も検知することで、操作突部13に作用する力で二次元的な入力を行うことができる。
【0056】
図3に示すように、入力装置1では検出部11と操作突部13との間に首部14が設けられているため、操作突部13と検出部11の連結部の断面を小さくでき、操作突部13に力を与えたときに検出部11に大きな応力を与えることができるようになる。また検出部11の面積を比較的広く確保できるので、センサ装備面11aに歪みを生じさせやすい効果も期待できる。
【0057】
図3と
図4(A)に示すように、樹脂成形体10に形成されている首部14の内部に、円形の空間15が形成されているため、操作突部13に力が与えられたときに首部14にわずかな変形を与えやすくなり、その結果、検出部11に歪みを発生させやすくなる。
【0058】
また、首部14よりも上に位置する操作突部13の外形を大きくできるため、弾性キャップ20を入力操作に適した大きさとしたときに、
図3に示す上方被覆部25の厚さ寸法D2と側方被覆部27の厚さ寸法Tを薄くすることが可能である。前述のように、前記厚さ寸法Tの最大値を
図4(B)に示すWの最小値よりも小さくすることが可能である。
【0059】
また、操作突部13の断面での外輪郭13aで囲まれた面積が大きいために、操作突部13の頂部16も広くでき、その結果、弾性キャップ20のキャップ空洞部23の面積を広く形成することができる。上方被覆部25の下に広い面積のキャップ空洞部23が形成されていると、弾性キャップ20の上面である操作面20aを押して操作突部13に倒れる方向の力を与えようとしたときに、上方被覆部25がキャップ空洞部23の内部に向けて変形しやすくなり、指が操作面20aで滑ることがなく、指に対して、あたかも操作突部13が動いているかのような操作反力を感じさせることが可能になる。
【0060】
また、
図2に示すように、操作突部13の頂部に凹部17が形成され、弾性キャップ20のキャップ空洞部23の内部に形成された凸部24が前記凹部17に突き当てられている。そのため、弾性キャップ20のキャップ空洞部23の空間の広さを確保でき、上方被覆部25が弾性変形しやすくなる。
【0061】
さらに、
図3に示すように、弾性キャップ20の上部には、側方被覆部27よりも側方へ隆起する側方隆起部26が形成され、その内方に広いキャップ空洞部23が形成されている。そのため、側方隆起部26を指で押したときにも、側方隆起部26が変形することで、弾性キャップ20の全体が変形しやすくなる。
【0062】
このように、前記弾性キャップ20は、上方被覆部25と側方被覆部27を比較的薄くでき、弾性キャップ20を押したときに弾性キャップ20が変形しやすくなるため、弾性キャップ20を押したときに、操作突部13に伝達される押圧力を緩和でき、検知出力が急激に立ち上がるのを抑制しやすくなる。
【0063】
以下本発明の他の実施の形態を説明する。
以下の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同じ機能を発揮する部分には、形状の相違が有ったとしても第1の実施の形態と同じ符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0064】
図6と
図7に示す本発明の第2の実施の形態の入力装置101は、樹脂成形体10に、検出部11と操作突部13と首部14とが形成されており、首部14の断面の外輪郭14aで囲まれた面積が、操作突部13の断面の外輪郭13aで囲まれた面積よりも小さくなっている。
【0065】
この入力装置101は、弾性キャップ20にキャップ空洞部23が形成されておらず、操作突部13に頂部16から下側に広がって、弾性キャップ20の上方被覆部25に向けて開放された突部空洞部19が形成されている。
【0066】
突部空洞部19の頂部16からの深さ寸法D3は、操作突部13の高さ寸法H0の1/2以上である。また、弾性キャップ20の上方被覆部25の厚さ寸法D1は、突部空洞部19の深さ寸法D3よりも小さくなっている。
【0067】
この入力装置101も、首部14が細くその上の操作突部13の断面の外輪郭13aで囲まれた面積が大きくなっているため、検出部11に与える応力を大きくでき、しかも操作突部13を大きくできる。
【0068】
また、操作突部13を大きくすることで、弾性キャップ20を操作に必要な大きさに形成したときに、上方被覆部25と側方被覆部27を薄くすることができる。ここでも、側方被覆部27の厚さ寸法Tは、上方被覆部25の厚さ寸法D1以下であることが好ましい。また、側方被覆部27の厚さ寸法Tは,
図4(B)に示すWの最小値よりも小さい。
【0069】
弾性キャップ20を薄く形成することで、弾性キャップ20を指で押したときに、弾性変形しやすくなり、また指の滑りも生じにくくなる。
【0070】
また、操作突部13を大きくできるため、突部空洞部19の開口面積を大きくできる。
図7に示すように、操作突部13の頂部16における突部空洞部19の開口面積を、首部14において外輪郭14aで囲まれた断面積の最小値と同じがそれよりも広くすることができる。
【0071】
弾性キャップ20の上方被覆部25の厚さ寸法D1が、突部空洞部19の深さ寸法D3よりも小さく、頂部16での突部空洞部19の開口面積も広いため、操作面20aや側方隆起部26を指で押したときに上方被覆部25が突部空洞部19の内方へ向けて変形しやすくなり、操作している指が弾性キャップ20の表面で滑りにくく、また上方被覆部25が弾性変形することで、あたかも指で操作突部13を動かしているような操作感触をさらに得やすくなる。
【0072】
図8と
図9に示す本発明の第3の実施の形態の入力装置201は、操作突部13に頂部16から凹状に形成された突部空洞部19が形成され、弾性キャップ20に、前記突部空洞部19と連通するキャップ空洞部23が形成されている。また、操作突部13の頂部16の角部に形成された凹部17が、弾性キャップ20のキャップ空洞部23の内部に形成された凸部24に突き当てられている。
【0073】
弾性キャップ20の上方被覆部25の厚さ寸法D1は、突部空洞部19とキャップ空洞部23の内部空間の高さの合計値D4よりも小さく形成されている。また、側方被覆部27の厚さ寸法は、上方被覆部25の厚さ寸法以下である。
【0074】
この入力装置201も、首部14が細くその上の操作突部13の断面の外輪郭14aで囲まれた面積が大きくなっているため、検出部11に与える応力を大きくでき、しかも操作突部13を大きくできる。
【0075】
この入力装置201も、弾性キャップ20を薄く形成することで、弾性キャップ20を指で押したときに、その力を操作突部13に伝達させやすくなる。また、操作突部13を大きくできるため、突部空洞部19とキャップ空洞部23の開口面積を大きくでき、頂部16での突部空洞部19の開口面積を、首部14において外輪郭14aで囲まれた断面積の最小値と同じがそれよりも広くすることができる。
【0076】
よって、弾性キャップ20の操作面20aや側方隆起部26を指で押したときに上方被覆部25がキャップ空洞部23と突部空洞部19の内方へ向けて変形することで、操作している指が弾性キャップ20の表面で滑りにくく、また上方被覆部25が弾性変形することで、あたかも指で操作突部13を動かしているような操作感触を得やすくなる。