特許第6471151号(P6471151)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6471151X線検査システム及びそのようなX線検査システムを用いて試験対象物を回転する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6471151
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】X線検査システム及びそのようなX線検査システムを用いて試験対象物を回転する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/046 20180101AFI20190204BHJP
【FI】
   G01N23/046
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-518765(P2016-518765)
(86)(22)【出願日】2014年10月21日
(65)【公表番号】特表2016-533481(P2016-533481A)
(43)【公表日】2016年10月27日
(86)【国際出願番号】EP2014002841
(87)【国際公開番号】WO2015058855
(87)【国際公開日】20150430
【審査請求日】2017年9月21日
(31)【優先権主張番号】102013017462.7
(32)【優先日】2013年10月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512028965
【氏名又は名称】エクスロン インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】YXLON INTERNATIONAL GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】メッケ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】スポルディング,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】クライン,アクセル
【審査官】 嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−156455(JP,A)
【文献】 特開2013−137287(JP,A)
【文献】 特開2009−174972(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02274964(GB,A)
【文献】 国際公開第2009/078415(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00−23/2276
A61B 6/00− 6/14
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源(1)と、検出器(3)と、それらの間に配され、試験対象物(2)を固定することができる回転テーブル(4)とを備えた、X線を用いた撮像法を使用するX線検査システムであって、前記回転テーブル(4)は、位置決めテーブル(6)上に配されており、前記位置決めテーブル(6)は、前記X線源(1)と前記検出器(3)との間をXY平面と平行に移動可能であり、前記XY平面は、XZ平面と平行に延びている前記検出器(3)の表面に垂直であり、前記回転テーブル(4)は、Z軸回りに回転可能である、X線検査システムにおいて試験対象物(2)を回転させる方法であって、
前記試験対象物(2)は、前記回転テーブル(4)に固定されており、前記回転テーブル(4)が前記Z軸回りに回転させられると同時に、前記位置決めテーブル(6)がXY平面において移動させられ、前記回転テーブル(4)の回転角φは、前記位置決めテーブル(6)のX位置及びY位置に対して以下の関係を有している、方法:

X = R × cos(φ−φ0) + X0
Y = R × sin(φ−φ0) + Y0

ここで、
Xは、X軸の新たな目標値であり、
0は、仮想軸カップリングの開始時におけるX軸の開始値であり、
Yは、Y軸の新たな目標値であり、
0は、仮想軸カップリングの開始時におけるY軸の開始値であり、
Rは、前記回転軸(5)と新たな仮想回転軸との間の距離であり、
φは、前記回転軸(5)の実際の角度であり、
φ0は、仮想軸カップリングの開始時における前記回転軸(5)の開始値である。
【請求項2】
X線源(1)と、検出器(3)と、それらの間に配され、試験対象物(2)を固定することができる回転テーブル(4)とを備えた、X線を用いた撮像法を使用するX線検査システムであって、前記回転テーブル(4)は、位置決めテーブル(6)上に配されており、前記位置決めテーブル(6)は、前記X線源(1)と前記検出器(3)との間をXY平面と平行に移動可能であり、前記XY平面は、XZ平面と平行に延びている前記検出器(3)の表面に垂直であり、前記回転テーブル(4)は、Z軸回りに回転可能である、X線検査システムにおいて試験対象物(2)を回転させる方法であって、
前記試験対象物(2)は、前記回転テーブル(4)に固定されており、前記X線源(1)は、前記検出器(3)と併せて、前記Z軸と平行な回転軸回りに前記試験対象物(2)回りに回転させられると同時に、XY平面と平行に移動させられ、前記回転テーブル(4)の回転角φは、前記位置決めテーブル(6)のX位置及びY位置に対して以下の関係を有している、方法:

X = R × cos(φ−φ0) + X0
Y = R × sin(φ−φ0) + Y0

ここで、
Xは、X軸の新たな目標値であり、
0は、仮想軸カップリングの開始時におけるX軸の開始値であり、
Yは、Y軸の新たな目標値であり、
0は、仮想軸カップリングの開始時におけるY軸の開始値であり、
Rは、前記回転軸(5)と新たな仮想回転軸との間の距離であり、
φは、前記回転軸(5)の実際の角度であり、
φ0は、仮想軸カップリングの開始時における前記回転軸(5)の開始値である。
【請求項3】
前述の移動が行われる前に、前記回転テーブル(4)がZ方向に移動させられると共にX方向と平行に延びている傾斜軸(9)回りに傾斜させられ、その結果、前記試験対象物(2)内に存在する関心領域(11)が、前述の傾斜運動及び並進運動の前後において、座標系内の同じ位置に存在する、請求項又はに記載の方法。
【請求項4】
前記回転テーブル(4)が、Z軸に沿って移動可能である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法
【請求項5】
前記回転テーブル(4)が、XY平面と平行に延びている傾斜軸(9)回りに傾斜させられ得る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法
【請求項6】
前記回転テーブル(4)が、X軸と平行に延びている傾斜軸(9)回りに傾斜させられ得る、請求項5に記載の方法
【請求項7】
前記X線源(1)が、前記検出器(3)と併せて、前記回転テーブル(4)回りに回転可能である、及び/又は、前記回転テーブル(4)に対して、XY平面と平行に移動可能である、及び/又は、Z軸と平行に移動可能である、及び/又は、XY平面と平行に延びている傾斜軸(9)回りに傾斜可能である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法
【請求項8】
前記X線源(1)が、X軸と平行に延びている傾斜軸(9)回りに傾斜可能である、請求項7に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線源と、検出器と、それらの間に配され、試験対象物を固定することができる回転テーブルとを備えたX線検査システム、及び、そのようなX線検査システムにおいて試験対象物を回転させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
X線検査システムでは、試験対象物が、実際の(物理的な)軸を用いて、撮像要素のX線源と検出器との間を移動させられることが知られている。また、所望の画像部分を得るために、X線源及び検出器との両方を移動させることも極めて一般的である。既知の解決アプローチでは、試験対象物の検査対象領域が特定の照射角により観測されることになる場合において、該領域が中央に位置していない、又は、必要な傾斜軸又は回転軸の要求される領域に少なくとも位置していないと、問題が生じる。
【0003】
このために、2つの解決アプローチが存在する。
・試験対象物を掴みなおす、すなわち、関心領域を回転軸の中心へと手動で動かす。
・対応する方向における自由度を高めるために、さらなる軸を追加する。
【0004】
しかしながら、これらの方法には、例えば、時間消費の増加、軸の複雑性の増加、一定に保たれた設置空間を備えている検査容積の減少のような決定的な欠点がある。
【0005】
上述の操作と、角度に依存する操作に付随する問題とは、DXR(デジタルX線撮影)及びCT(コンピュータ断層撮影)の両方のための、並びにラミノグラフィーのための全てのX線システムに関連する。この問題は、解像度要件が増すにつれて深刻になっていく。したがって、例えば、非常に高解像度のCTシステムの場合には、CT品質を決定する回転軸の中心に試験対象物を運び込むため、決定的な回転軸上において追加のXY位置決めテーブルが用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、わずかな設置スペースで、かつ、とりわけ比較的少ないユーザとの相互作用により、最大限の自由度を必要とするX線検査システム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、請求項1の特徴を備えた物品により達成される。本発明に係るX線検査システムを用いて、以下により詳細に説明されるように、本発明に係る回転方法のうち1つを実行することが可能である。請求項1に述べられる部分及び移動可能性により、本発明に係る該方法を簡便に実行することが可能になる。
【0008】
本発明の有利な発展形態は、前記回転テーブルが、Z軸に沿って移動可能であることを提供する。したがって、高さが可変である試験対象物の検査もまた実行することが可能である。
【0009】
本発明のさらなる有利な発展形態は、前記回転テーブルが、XY平面と平行に、特にX軸と平行に延びている傾斜軸回りに傾斜させられ得ることを提供する。したがって、試験対象物を通過するX線の取り得る最も好適な軌道を選択することが可能である。
【0010】
本発明のさらなる有利な発展形態は、前記X線源が、前記検出器と併せて、前記回転テーブル回りに回転可能である、及び/又は、前記回転テーブルに対して、XY平面と平行に移動可能である、及び/又は、Z軸と平行に移動可能である、及び/又は、XY平面と平行に、特にX軸と平行に延びている傾斜軸回りに傾斜可能であることを提供する。したがって、試験対象物の移動の代わりに、又は試験対象物の移動に加えて、撮像システムを移動させることも可能であり、その結果、検査の柔軟性が向上する。
【0011】
上記目的は、請求項5の特徴を備えた方法によっても達成される。回転テーブルがXY位置決めテーブルに固定されているため、X軸とY軸とが複合させられているように振舞うことが可能であり、その結果、回転テーブルが円軌道上を移動する。仮想回転軸を実現するためには、回転テーブルの回転角が、X軸及びY軸と所定の関係にて位置決め又は移動させられることが必要である。このために、回転軸はマスターとして規定され、X軸及びY軸の2つの軸は、2つの該関係に示されるように、回転軸の回転角に対応して位置決めされる。
【0012】
同様に、上記目的は、請求項6の特徴を備えた方法によって達成される。この方法は、直前に記載した請求項5に係る方法とは、試験対象物を移動させる代わりに撮像要素であるX線源及び検出器を移動させるという点においてのみ異なる。それらの関係は、回転テーブル及び位置決めテーブルによる試験対象物の複合移動の場合における関係に相当する。
【0013】
本発明の有利な発展形態は、前述の移動が行われる前に、前記回転テーブルがZ方向に移動させられると共にX方向と平行に延びている傾斜軸回りに傾斜させられ、その結果、前記試験対象物内に存在する関心領域が、前述の傾斜運動及び並進運動の前後において、座標系内の同じ位置に存在することを提供する。これにより、試験対象物の場合には、試験対象物内の任意の所望の地点において、試験対象物の検査を所望の位置合わせがされた軸回りに行うことが可能になる。そのため、ユーザは所望のパラメータを個別に決定して、可能な限り最良の結果を達成することができる。
【0014】
本発明のさらなる利点及び詳細は、以下に示す図面に表される実施形態の例を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】技術水準に係る方法を表す概略図。
図2】本発明に係るX線検査システムを表す簡略図。
図3】仮想回転軸を示す概略図。
図4】可変傾斜角を備えた方法を表す概略図。
図5】固定可能な地点に関する方法を表す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、技術水準により既知である方法を示す。試験対象物2は、X線検査システム内に配置されている。X線検査システムは、X線源1と、検出器3とを備えている。これらの間には、回転テーブル4が配置されており、該回転テーブル4は、そのテーブル面に対して垂直に延びている回転軸5を備えており、該回転軸5はZ軸に相当する。回転テーブル4上には、位置決めテーブル6が取り付けられており、該位置決めテーブル6は、その上に配置された試験対象物が、該テーブル面すなわちXY平面内にて変位することを可能にする。X軸は、検出器3の表面に対して平行であり、図1では、該テーブル面内で縦方向に延びている。その結果、Y軸は、該テーブル面内において横方向に延びている。X線管1はファンビーム7を放射し、該ファンビーム7の中心ビーム8は、検出器3の中心に衝突する。中心ビーム8は、Y軸に相当する。
【0017】
試験対象物2は、回転テーブル4上の中央でない位置に、すなわち回転軸5の外側に配置されている。しかしながら、可能な限り最良の試験対象物2の画像を取得するため、該試験対象物2は回転運動の中心に配置されている必要がある。そのため、位置決めテーブル6上に配置された試験対象物は、位置決めテーブル6を用いて、回転テーブル4の回転軸5上に位置するようになるまでX方向及びY方向に変位させられる(図1の下部を参照)。ここでは、試験対象物2の回転は、その回転軸5回りの回転テーブル4の回転によって行われ、試験対象物2の任意の回転位置において、中心ビーム8が該試験対象物2中を通過する。前述の標準的なCTスキャン方法では、個々の投影画を取得するために試験対象物2がファンビーム7内にて回転させられて、該投影画は適切なソフトウェアを用いて断層写真に変換される。試験対象物2が回転している間に、試験対象物2が全ての投影画内において完全に表されていることは、品質にとって決定的である。特に、非常に高倍率の分野では、回転中心内に、すなわち回転テーブル4の回転軸5上に関心領域を移動させることは、非常に煩雑である。
【0018】
以下に説明する解決アプローチは、DXR及びCTからの例を参照して示されるが、ラミノグラフィーの分野においても同様にして用いることができる。該アプローチは、普遍的な解決手段を表しており、X線検査設備の多くの領域において用いることができる。
【0019】
図2は、本発明に係るX線検査システムを示す。該システムは、図1に関して上述したX線検査システムに広く相当する。これらの違いは、回転テーブル4が位置決めテーブル6上に配置されており、図1に関して説明したように逆になってはいないことである。加えて、本発明に係るX線検査システムはまた、昇降装置10及び傾斜軸9も備えている(図5参照)。
【0020】
本発明に係る解決アプローチは、これらの軸を、互いにそれらの共通の位置決めが新たな「仮想」軸の移動距離を表すような関係にすることにある。より良く理解するために、この方法は、CTのX線機械の「仮想回転軸」を参照して表される。
【0021】
回転テーブル4が位置決めテーブル6に(XY平面における直線運動が可能な状態で)固定されているものと仮定すると、ここでは該回転テーブル4は、X軸とY軸とが複合させられているように振舞うことが可能であり、その結果、回転テーブル4が円軌道上を移動する。
【0022】
仮想回転軸を実現するため、ここでは回転テーブル4の回転角をX軸及びY軸との所定の関係に位置決めする又は移動させることが必要になる。このために、回転軸5はマスターとして定義され、X軸及びY軸の2つは、回転軸5の回転角に対応して位置決めさせられる。本発明によれば、これについての関係は、以下の通りである。

X = R × cos(φ−φ0) + X0
Y = R × sin(φ−φ0) + Y0

ここで、
Xは、X軸の新たな目標値であり、
0は、仮想軸カップリングの開始時におけるX軸の開始値であり、
Yは、Y軸の新たな目標値であり、
0は、仮想軸カップリングの開始時におけるY軸の開始値であり、
Rは、前記回転軸と新たな仮想回転軸との間の距離であり、
φは、前記回転軸の実際の角度であり、
φ0は、仮想軸カップリングの開始時における前記回転軸の開始値である。
【0023】
ここで、この種の結合により、X/Y平面における任意の所望の地点の回りに回転することが可能になる。もっとも、図3に概略的に示されるように、そのX軸及びY軸の絶対移動距離の限界は超えないものとする。
【0024】
以降の検査方法については、上記の結果生じた新たな仮想回転軸は、実際の回転軸のように振舞う。すなわち、例えば測定範囲拡張(DXR)又はCT検査方法(ヘリカルCT等)のようなX線検査において使用される方法を、制限なく使用し続けることができる。
【0025】
前述の装置以外では、回転テーブル4の代わりに、撮像要素である検出器3及びX線源1がまた、試験対象物2回りに回転する又はXY方向に移動させられる。
【0026】
仮想回転軸の方法の変換は、修正形態において、任意の所望の傾斜地点を用いた視野角の方法として容易に実現することができる。利点としては、X軸の操作中に焦点−対象物の距離が固定されることが挙げられる。
【0027】
図4(XY平面を表す)は、その上部に、標準的な場合を示す。すなわち、試験対象物2の関心地点の周囲の領域が、様々な視野角において検査される。このために、該地点は、回転テーブル4の回転軸5内に位置している必要がある。このとき、回転テーブル4により、様々な視野角において関心地点を観察することが可能である。関心地点は、回転テーブル4の回転軸5内に位置していることが重要である。そうでない場合には、著しく拡大した場合に、関心地点の周囲の領域が検出器3の視野外に移動することになる。
【0028】
図4の下図は、X軸の任意の地点の回りに傾斜し得ることを示す。回転軸5がX軸及びY軸と重なることにより、後者が回転テーブル4の回転中心の位置していない時にも関心地点を検査し得る。このために、上述のような同様の方法が用いられる。本図では、関心地点は、中心ビーム8内に位置決めされている。この位置及び回転テーブル4の実際の軸の位置より、値R(上記参照)を決定し得ると共に、仮想回転軸を「有効に」することが可能になる。これにより、関心地点を任意の所望の視野角にて検査し得る。したがって、新たな回転角が設定されるとすぐに、前述の数学的関係に従いX軸及びY軸がそれぞれ自動的に位置決めされる。
【0029】
試験対象物2をZ方向に(検出器3に対して)移動させることがさらに可能であるため、平面状の試験対象物2の場合には、任意の所望の地点にてXY平面に対して垂直な軸回りに傾斜することが可能になる。このことは、図5を参照して説明される。
【0030】
回転テーブル4の追加の傾斜軸9により(あるいは、これは検出器−放射線の幾何学的配置の傾斜運動によっても可能である)、Z軸に沿って回転テーブル4を移動させる昇降装置10と併せて、試験対象物2の場合に、関心領域11として表される任意の所望の地点において、任意の所望の地点における軸回りに傾斜することが可能になる。平面矩形状の試料が試験対象物2として回転テーブル4の中心上に載置されていると仮定すると、上述の方法により、X軸に沿って、Z軸と併せて、試料の任意の地点をZ軸回りに回転させ得る。追加の傾斜軸9と共に、さらなる回転軸が形成されるが、このとき該回転軸はX方向に形成される。すなわち、このとき任意の地点をX軸回りに回転させることがさらに可能である。そのため、ここでは、X及びZ回りの全ての視野角にて、試料内の地点の周囲の関心領域11の検査を実行するための最大限の自由度が存在する。
【0031】
原理的には、該座標系における任意の所望の位置合わせが可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 X線源
2 試験対象物
3 検出器
4 回転テーブル
5 回転軸
6 位置決めテーブル
7 ファンビーム
8 中心ビーム
9 傾斜軸
10 昇降装置
11 関心領域
図1
図2
図3
図4
図5