特許第6471154号(P6471154)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6471154
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】非軸対称表面をモデル化する方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/50 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
   G06F17/50 622D
【請求項の数】16
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-524869(P2016-524869)
(86)(22)【出願日】2014年7月7日
(65)【公表番号】特表2016-524260(P2016-524260A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(86)【国際出願番号】FR2014051744
(87)【国際公開番号】WO2015004377
(87)【国際公開日】20150115
【審査請求日】2017年6月15日
(31)【優先権主張番号】1356732
(32)【優先日】2013年7月9日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516227272
【氏名又は名称】サフラン・エアクラフト・エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セリエ,ダミアン・ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ペロ,バンサン
(72)【発明者】
【氏名】ボルブレグト,マチュー・ジャン・リュック
(72)【発明者】
【氏名】ピニエ,ニコラ・ジャン・フェルナン
【審査官】 川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−513627(JP,A)
【文献】 特開2008−248701(JP,A)
【文献】 特表2006−524398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピース(1)の一部分(2)の非軸対称表面(S)の少なくとも一部のモデル化方法であって、部分(2)は第1の端面および第2の端面(PS、PR)によって制限され、複数のブレード(3)がピース(1)の部分(2)の周囲上に配置され、装置(10)のデータ処理手段(11)によって、
(a)前記表面(S)を構成する少なくとも2つの非軸対称エレメンタリ表面(Sk、SI、SE)をモデル化するステップであって、エレメンタリ表面(Sk、SI、SE)の各々は、部分(2)の2つの端面(PS、PR)の間および2つのブレード(3)の間に延伸し、且つ端面(PS、PR)に対して実質的に平行な面にしたがって延伸する少なくとも1つの構築曲線(PC−k、PC−I、PC−E)によって定義され、第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面(Sk、SI、SE)は、内輪および外輪上のブレード(3)の両側上にそれぞれ配置されるように並置されており、且つ端面(PS、PR)のレベルにおける少なくともCのジャンクションおよび少なくとも1つの不連続性を有する、ステップと、
(b)第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面(Sk、SI、SE)上にそれぞれ配置された第1の端点および第2の端点(PCR、PCR)によって定義されたクラスCの少なくとも1つの接続曲線(CR)であって、第1の端点および第2の端点(PCR、PCR)での第1の表面および第2の表面に対してそれぞれ接する前記接続曲線(CR)を構築するステップと、
(c)前記不連続性の付近における前記接続曲線(CR)を考慮するために第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面(Sk、SI、SE)を局所的に改良するステップと、
(d)結果として生じる表面(S)の少なくとも一部を前記装置(10)のインタフェース(13)上に出力するステップと
を実行することを特徴とする方法
【請求項2】
第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面(SI、SE)間のジャンクションは、第1の端面(PS)からブレード(3)の前縁(BA)まで延伸する第1の不連続性と、ブレード(3)の後縁(BF)から第2の端面(PR)まで延伸する第2の不連続性とを有する請求項1に記載の方法
【請求項3】
接続曲線(CR)は、第1の不連続性および第2の不連続性の各々に対してステップ(b)において構築され、各接続曲線(CR)は、後縁(BF)または前縁(BA)のレベルにおけるブレード(3)に接する請求項2に記載の方法
【請求項4】
接続曲線(CR)は、中間点(PCR)と第1のエレメンタリ表面(SE)との間の距離が、中間点(PCR)と第2のエレメンタリ表面(SI)との間の距離に等しくなるように、ブレード(3)の後縁(BF)または前縁(BA)上に配置された中間点(PCR)を通過する請求項3に記載の方法
【請求項5】
接続曲線(CR)は、端点(PCR、PCR)および中間点(PCR)によって全体的に定義されたスプラインである請求項4に記載の方法
【請求項6】
ステップ(c)は、第1の不連続性および第2の不連続性の各々に対して、そのエッジの任意の点において、第1のエレメンタリ表面または第2のエレメンタリ表面(Sk、SI、SE)との接触の連続性を有する接続表面(SR)の構築を備える請求項2から5のいずれか一項に記載の方法
【請求項7】
各エレメンタリ表面(Sk、SI、SE)は、前縁(BA)とブレード(3)の後縁(BF)との間に配置された少なくとも1つの構築曲線(PC−k、PC−I、PC−E)を有し、2つの接続表面(SR)の各々は、接続曲線(CR)を越えて第1の構築曲線(PC−k、PC−I、PC−E)まで端エッジ(PR、PS)の第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面(Sk、SI、SE)の各々上に延伸する請求項6に記載の方法
【請求項8】
ステップ(a)は、各エレメンタリ表面(Sk、SI、SE)の各構築曲線(PC−k、PC−I、PC−E)に対して、
(a1)エレメンタリ表面(Sk、SI、SE)の幅に沿った位置に応じて前記表面(S)の物理量特徴の値を表現するクラスCの曲線として構築曲線(PC−k、PC−I、PC−E)をパラメータ化するサブステップであって、曲線は、
エレメンタリ表面(Sk、SI、SE)の前記幅の範囲を定義する、前記エレメンタリ表面(Sk、SI、SE)が延伸する2つのブレード(3)の各々上のそれぞれの2つの端制御点(PCU、PCU)と、
少なくとも1つのスプラインと
によって定義され、
パラメータ化は、端制御点(PCU、PCU)の少なくとも1つを定義する1つ以上のパラメータにしたがって行われるサブステップと、
(a2)前記曲線の前記パラメータの最適化された値を決定するサブステップと
含む請求項1から7のいずれか一項に記載の方法
【請求項9】
各エレメンタリ表面(Sk、SI、SE)の各構築曲線(PC−k、PC−I、PC−E)は、端点(PCU、PCU)間に配置された少なくとも1つの中間制御点(PCU)、および前記中間制御点(PCU)のレベルにおいて接続されている少なくとも2つのスプラインによって同様に定義され、パラメータ化は、前記中間制御点(PCU)を定義する1つ以上のパラメータにしたがって同様に処理される請求項8に記載の方法
【請求項10】
構築曲線(PC−k、PC−I、PC−E)を定義する中間点または端制御点(PCU、PCU、PCU)を定義するパラメータは、点の横座標、点の縦座標、点のレベルにおいて曲線に接する方位、および点のレベルにおいて曲線に対する半接線にリンクされた少なくとも1つの張力係数から選択される請求項8または9に記載の方法
【請求項11】
中間点または端点のレベルにおいて曲線に対する半接線にリンクされた張力係数は、点の付近における曲線の2次導関数に応じている請求項10に記載の方法
【請求項12】
構築曲線(PC−k、PC−I、PC−E)の各スプラインは、その端部を定義する制御点(PCU、PCU、PCU)によって全体的に決定されたベジェ曲線である請求項8から11のいずれか一項に記載の方法
【請求項13】
一部分(2)が非軸対称表面(S)を有するピース(1)の製造方法であって、
ピース(1)の部分(2)の前記非軸対称表面(S)の少なくとも一部をモデル化するために、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行するステップと、
結果として生じる表面(S)の少なくとも一部のモデル化により前記ピース(1)を製造するステップと
実行する製造方法
【請求項14】
ピース(1)の一部分(2)の非軸対称表面(S)の少なくとも一部のモデル化装置(10)であって、部分(2)は、第1の端面および第2の端面(PS、PR)によって制限され、複数のブレード(3)がピース(1)の部分(2)の周囲上に配置されており、
前記表面(S)を構成する少なくとも2つの非軸対称エレメンタリ表面(Sk、SI、SE)をモデル化するモジュールであって、エレメンタリ表面(Sk、SI、SE)の各々は、部分(2)の2つの端面(PS、PR)の間および2つのブレード(3)の間に延伸し、且つ端面(PS、PR)に対して実質的に平行な面にしたがって延伸する少なくとも1つの構築曲線(PC−k、PC−I、PC−E)によって定義され、第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面(Sk、SI、SE)は、内輪および外輪上のブレード(3)の両側上にそれぞれ配置されるように並置されており、且つ端面(PS、PR)のレベルにおける少なくともCのジャンクションおよび少なくとも1つの不連続性を有する、モデル化するモジュールと、
第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面(Sk、SI、SE)上にそれぞれ配置された第1の端点および第2の端点(PCR、PCR)によって定義されたクラスCの少なくとも1つの接続曲線(CR)であって、第1の端点および第2の端点(PCR、PCR)での第1の表面および第2の表面に対してそれぞれ接する前記接続曲線(CR)を構築するモジュールと、
前記不連続性の付近における前記接続曲線(CR)を考慮するために第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面(Sk、SI、SE)を局所的に改良するモジュールと、
結果として生じる表面(S)の少なくとも一部を前記装置(10)のインタフェース(13)上に出力するモジュールと
を実装するように構成されたデータ処理手段(11)を備えることを特徴とするモデル化装置(10)。
【請求項15】
コンピュータプログラムであって、ピース(1)の一部分(2)の非軸対称表面(S)の少なくとも一部をモデル化するための請求項1から12のいずれか一項に記載の方法をコンピュータ装置に実行させるコード命令を備えるコンピュータプログラム。
【請求項16】
コンピュータ装置によって読み取り可能なコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータプログラムが、ピース(1)の一部分(2)の非軸対称表面(S)の少なくとも一部をモデル化するための請求項1から12のいずれか一項に記載の方法をコンピュータ装置に実行させるコード命令を備えている、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ支援設計に関する。
【0002】
より正確には、ハブまたはケースなどのピースの非軸対称表面のモデル化プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
特に航空学の例えばターボリアクタのロータ(すなわち、図1aのように、放射状に延伸するブレードが固定されたハブによって形成されたアセンブリ)などの装置性能に対する絶え間ない進歩の必要性は、昨今はコンピュータモデリングツールの使用を強いる。
【0004】
これらのツールは、多くのシミュレーション計算の実行によってそれらの特徴のいくつかを自動化的に最適化することによって、部品を設計するのを支援する。
【0005】
現行の特定の条件に照らして、葉脈(vein)(すなわち流体の流れのためのブレード間のすべてのダクト)のレベルのロータ上の幾何学的な空気力学および/または音響学の最適条件の研究は、局所的に非軸対称壁(すなわち、回転軸に対して垂直な平面による断面(言いかえればブレード間断面)は、円形ではない)を有するハブの製造をもたらす。非軸対称葉脈(non−axisymmetric vein)は、立体の全体的な環状表面(ハブの「トランシュ」)を定義する。
【0006】
概して、ピースの特徴の最適化は、最適化される法則(言いかえれば、所定の環境におけるピースに沿う曲線によって物理量の値を記述する1以上の曲線)のパラメータ化、すなわち、そのN個の入力パラメータの関数の作成、を必要とする。最適化は、所定の基準のためにそれらの最適値を決定するところまで、制約の下でこれらの個別のパラメータを(概してランダムに)変更することから構成される。「平滑化された」曲線は、その後、補間によって決定された通過点から取得される。
【0007】
必要な計算の数は、問題の入力パラメータの数に対して直接的に(線形にまたは指数関数的にも)リンクされる。
【0008】
法則のパラメータ化の多くの方法が存在しており、特に以下の2つの大範疇に分類することができる。
【0009】
離散的モデル:法則は、最適化の間に1つずつシフトされる、複数の点の位置によって定義される。
【0010】
パラメトリックモデル:法則は、文献において既知の数学的な曲線(ベジェ曲線またはNURBS曲線(非均一の有理Bスプライン))を介して定義される。
【0011】
特定のパラメータ化の方法論は、非軸対称葉脈の精密なケースにおいて開発されている。方法の一群は、壁のレベルでのアトラクションの点による改良方法(すなわち、軸対称表面から構成されるくぼみおよび突起の定義およびくぼみおよび突起を明らかにすること)として知られ、分類されることができる。
【0012】
あるいは、「断面」の特徴付けによる改良による方法と呼ばれる方法が提案されている。流体の通過のための各断面は、2つのブレードの間に引かれ、これらの断面による壁の展開である。
【0013】
言いかえれば、法則は、壁の全体の周囲上の葉脈に対応する複数のエレメンタリ表面(elementary surface)を定義するために、(上記に説明された一般的な方法論を繰り返して)ブレード間の複数の液体流路によってパラメータ化される。
【0014】
空気力学の視点から大変興味深いにもかかわらず、断面の特徴付けによる方法は、はるかに複雑であり、めったに用いられない。
【0015】
実際、後述の図1cにて明らかなように、結果として生じる困難さの1つは、特にブレードの上流および下流の、エレメンタリ表面間の連続性に関する。実際、断面は、ブレーディングの上流および下流に問題のある「段」を含むブレードの内輪および外輪にて同じになり得ない。
【0016】
昨今、空気力学的に堅固なジオメトリを維持する(すなわち特異性を伴わない)断面の特徴付けによる方法は、存在しない。
【0017】
製造の制約を尊重して、壁の連続性の要求に対して応える、全体として非軸対称表面をモデル化する新たな方法を見出すことが望ましく、すべてこれはユーザが設計の手段のための相当な余地を残す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】仏国特許出願公開第1353439号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、第1の態様によって、ピースの一部分の非軸対称表面の少なくとも一部のモデル化プロセスであって、部分(2)は第1の端面および第2の端面(PS、PR)によって制限され、装置のデータ処理手段によって、
(a)前記表面を構成する少なくとも2つの非軸対称エレメンタリ表面をモデル化するステップであって、エレメンタリ表面の各々は、部分の2つの端面間に延伸し、且つ端面に対して実質的に平行な平面にしたがって延伸する少なくとも1つの構築曲線によって定義され、第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面は、端面のレベルにおける少なくともCのジャンクションおよび少なくとも1つの不連続性を有するように並置されるステップと、
(b)第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面上にそれぞれ配置された第1の端点および第2の端点によって定義されたクラスCの少なくとも1つの接続曲線であって、第1の端点および第2の端点での第1の表面および第2の表面に対してそれぞれ接する前記接続曲線を構築するステップと、
(c)前記不連続性の付近における前記接続曲線を考慮するために第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面を局所的に改良するステップと、
(d)結果として生じる表面の少なくとも一部を前記装置のインタフェース上に出力するステップと
を実行することを備えることを特徴とするモデル化プロセスを提案する。
【0020】
本プロセスは、その目的が不連続性を回避することではなく正反対である、断面の特徴付けによる方法に対応する。後者は、短所(特異性)を伴わずに、これらの方法の有利性(動作のための相当なマージンおよび空気力学の特質)をすべて保つために非軸対称表面のジオメトリを修正せずに、得られ、その後、事後的(posteriori)に訂正される。
【0021】
また、プロセスは、モデルの品質を最良に向上させ、且つ必要とされる演算パワーを低減するように、特に最適化される。
【0022】
他の有利な非限定的特徴によれば、
複数のブレードは、ピースの部分の周囲上に配置され、各エレメンタリ表面は、第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面がそれぞれブレードの両側上に配置されるように内輪および外輪上の2つのブレード間に延伸し、
第1のエレメンタリ表面と第2のエレメンタリ表面との間のジャンクションは、第1の端面からブレードの前縁(リーディングエッジ)まで延伸する第1の不連続性と、ブレードの後縁(トレーリングエッジ)から第2の端面まで延伸する第2の不連続性とを有し、
接続曲線は、第1の不連続性および第2の不連続性の各々に対してステップ(b)で構築され、各接続曲線は、後縁または前縁のレベルにおいてブレードに接し、
接続曲線は、中間点と第1のエレメンタリ表面との間の距離が中間点と第2のエレメンタリ表面との間の距離に等しくなるように、ブレードの後縁上にまたは前縁に配置された中間点を介して通過し、
接続曲線は、端点および中間点によって全体的に定義されたスプラインであり、
ステップ(c)は、第1の不連続性および第2の不連続性の各々に対して、そのエッジの任意の点において、第1のエレメンタリ表面または第2のエレメンタリ表面との接触の連続性を有する接続表面の構築を備え、
各エレメンタリ表面は、ブレードの前縁と後縁との間に配置された少なくとも1つの構築曲線を有し、
2つの接続表面の各々は、端エッジの第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面の各々上を接続曲線を越えて第1の構築曲線まで延伸し、
ステップ(a)は、各エレメンタリ表面の各構築曲線に対して、
(a1)エレメンタリ表面の幅に沿った位置に応じて前記表面の物理量特徴の値を表現するクラスCの曲線として構築曲線をパラメータ化するサブステップであって、曲線は、
エレメンタリ表面の前記幅の範囲を定義する、前記エレメンタリ表面がその間を延伸する2つのブレードの各々上のそれぞれの2つの端制御点と、
少なくとも1つのスプラインと
によって定義され、
パラメータ化は、端制御点の少なくとも1つを定義する1つ以上のパラメータにしたがって行われるサブステップと、
(a2)前記曲線の前記パラメータの最適化された値を決定するサブステップと
を備え、
各エレメンタリ表面の各構築曲線は、端点の間に配置された少なくとも1つの中間制御点と、前記中間制御点のレベルにおいて接続される少なくとも2つのスプラインとによって、同様に定義され、パラメータ化は、前記中間制御点を定義する1つ以上のパラメータにしたがって同様に処理され、
構築曲線を定義する中間点または端制御点を定義するパラメータは、点の横座標、点の縦座標、点のレベルにおいて曲線に接する方位、および点のレベルにおいて曲線に対する半接線にリンクされた少なくとも1つの張力係数から選択され、
中間点または端点のレベルにおいて曲線に対する半接線にリンクされた各張力係数は、点の付近における曲線の2次導関数に関係し、
構築曲線の各スプラインは、その端部を定義する制御点によって全体的に決定されたベジェ曲線である。
【0023】
第2の態様、そして、第3の態様によれば、本発明は、一部分が非軸対称表面を有するピースの製造プロセスであって、第2の態様によるプロセスを介して一部分が非軸対称の結果として生じる表面を有するピースに加えて、
第1の態様にしたがってピースの部分の前記非軸対称表面の少なくとも一部をモデル化するようにプロセスを実行するステップと、
結果として生じる表面の少なくとも一部のモデル化により前記ピースを製造するステップと
を備えるプロセスに関する。
【0024】
第4の態様によれば、本発明は、ピースの一部分の非軸対称表面の少なくとも一部のモデル化装置であって、部分は、第1の端面および第2の端面によって制限され、
前記表面を構成する少なくとも2つの非軸対称エレメンタリ表面をモデル化するモジュールであって、エレメンタリ表面の各々は、部分の2つの端面間に延伸し、且つ端面に対して実質的に平行な平面にしたがって延伸する少なくとも1つの構築曲線によって定義され、第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面は、端面のレベルにおける少なくともCのジャンクションおよび少なくとも1つの不連続性を有するように並置されるモデル化するモジュールと、
第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面上にそれぞれ配置された第1の端点および第2の端点によって定義されたクラスCの少なくとも1つの接続曲線であって、第1の端点および第2の端点での第1の表面および第2の表面に対してそれぞれ接する前記接続曲線を構築するモジュールと、
前記不連続性の付近における前記接続曲線を考慮するために第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面を局所的に改良するモジュールと、
結果として生じる表面の少なくとも一部を前記装置のインタフェース上に出力するモジュールと
を実装するように構成されたデータ処理手段を備えることを特徴とする装置に関する。
【0025】
第5の態様および第6の態様によれば、本発明は、ピースの一部分の非軸対称表面の少なくとも一部のモデル化のための本発明の第1の態様によるプロセスを実行するためのコード命令を備えるコンピュータプログラム製品と、コンピュータ装置によって読み取り可能な記憶手段であって、記憶手段において、コンピュータプログラム製品がピースの一部分の非軸対称表面の少なくとも一部のモデル化のための本発明の第1の態様によるプロセスを実行するためのコード命令を備えている、記憶手段とにそれぞれ関する。
【0026】
本発明の他の特徴および効果は、好ましい実施形態の以下の記述から明らかになる。この記述は、以下の添付の図面を参照しながら示される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1a】先に記載された、その壁の上で本発明によるプロセスが実施されるリアクタの例を図示する。
図1b】非軸対称葉脈の詳細を図示する。
図1c】非軸対称葉脈の詳細を図示する。
図2】本発明によるプロセスを実行する(perfoming)ためのシステムを図示する。
図3a】本発明によるプロセスによって用いられるエレメンタリ表面の構築曲線の2つの例を図示する。
図3b】本発明によるプロセスによって用いられるエレメンタリ表面の構築曲線の例を図示する。
図4a】前縁のレベルでの接続表面の構築を図示する。
図4b】前縁のレベルでの接続表面の構築を図示する。
図4c】前縁のレベルでの接続表面の構築を図示する。
図4d】前縁のレベルでの接続表面の構築を図示する。
図5】本発明によるプロセスによって用いられる接続曲線を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本プロセスの目的は、ピースの一部分の非軸対称表面の少なくとも一部のモデル化である。このピースは、ハブまたはケースになり得るし、概して、空気が循環する内部/外部壁を有するリアクタのいずれかのピースになり得る。先に紹介された(CFM−56リアクタを図示する)図1aを参照すると、(場所が容易にわかるように囲まれている)以下のエリア:
ファン
OGV(「出口案内翼」、すなわち、二次流れの整流ブレーディング))+二次アーム
ブースタ+一次アーム
高圧圧縮機
高圧タービン
低圧タービン
が挙げられる。
【0029】
本記述の全体を通じて、高圧圧縮機エリア(囲まれた左または右から第3のエリア)のレベルでハブをモデル化する例が用いられることになるが、当業者は、リアクタの他のピースに置き換えることができる。
【0030】
図1bは、このハブ1を示しており、特に、第1の端面、「分離の面(Plane of separation)」PSによって上流で、および第2の端面、「接続の面(Plane of connection)」PRによって下流で制限された非軸対称部分2を示す。ハブが、軸対称エリアによって必要に応じて分離される、(例えばブレードのいくつかの列の場合に)複数の部分2を有することができる、ということに留意するべきである。
【0031】
部分2は、少なくとも一部が本プロセスによってモデル化される、実質的にトロイダル形を定義する表面Sを有する。
【0032】
説明されたように、本プロセスは、「断面」の特徴付けによる改良方法として知られている方法を採用する。このプロセスは、連続性の問題に対する革新的なソリューションを提案する。すなわち、2つの断面間の不連続性を回避することを是が非でも試みる代わりに、プロセスは、比較すると、それらの出現を防ぐために何も行わず、その後、後述するように、接続曲線を用いることによってそれらを事後的に排除することになる。
【0033】
モデル化された表面Sの部分は、少なくとも2つのエレメンタリ表面を備え(図1aでは、
【数1】
で参照された4つのエレメンタリ表面がある)、エレメンタリ表面は、後述される第1のステップ(a)の間に、同様に「構築面(construction plane)」と呼ばれる少なくとも1つの構築曲線の構築を介して独立的にモデル化される(図1aでは、3つの構築曲線PC−kがエレメンタリ表面Skの1番目を定義する)。
【0034】
これらのエレメンタリ表面の各々は、実質的に矩形の形状を有しており、部分2の2つの端面PSとPRとの間に延伸する。表面Sは、複数の並置される帯の形態で再構成される。
【0035】
2つの隣接するエレメンタリ表面SおよびSk+1は、特定の境(frontier)を有する。図において常に明らかなように、第1および第2の隣接するエレメンタリ表面は、端面PS、PRのレベルにて少なくともCのジャンクションを有するように並置される。言いかえれば、ハブ1と面PR、PSの各々との間の交差は、連続曲線および連続導関数(この曲線は、閉じており、ループを形成する)を定義し、曲線は、それらの端部のレベルでのエレメンタリ表面によって考慮され、並置の点のレベルにおいて値および導関数の連続性をもたらす。
【0036】
それらの2つの端部の間で、2つの並置されるエレメンタリ表面に「共通である」エッジは、少なくとも1つの不連続性、すなわちエレメンタリ表面が分離されるような点、を有する。
【0037】
より形式的には、ハブ1の軸上の中央に置かれた円筒状の基準(ハブの表面の任意の点は、三つ組(r、θ、z)により定義され、ここでrは半径、すなわち、壁の点とハブの軸との間の距離であり(θはハブの周囲の角度であり、zはハブの軸にしたがった位置)を定義すると、部分2は、
【数2】
によって定義されることができ、
PSおよびPRは、
【数3】
および
【数4】
によってそれぞれ定義されることができ、
エレメンタリ表面Sは、不連続性の点を定義する、
【数5】
であるような
【数6】
によって定義されることができる。
【0038】
概して、この不連続性は、全体の開区間
【数7】
上で確認される(言いかえれば、唯一の連続性は、PRおよびPS上で見られる)。
【0039】
図1bにおいて特に見てとれるように、ハブ1の壁は、ブレード(言いかえれば翼)によって横切られる。これらのブレード3は、壁2の周囲上に、(この第2のケースにおいて、ベースはスケール調整している)一様にまたは一様でなく配置され、放射状に延伸する。
【0040】
好ましくは、ブレードおよびエレメンタリ表面の交互性がある。言いかえれば、各エレメンタリ表面は、2つのブレード間に延伸し、さらに他の言い回しでは、エレメンタリ表面は、ブレードの各々の側部に配置される。
【0041】
これらの側部の一方は、ブレードの外輪であり、他方は、内輪である。このように、(例えば図1bによって示されるような)所定のブレード3に対して、2つの並置されるエレメンタリ表面である、エレメンタリ内輪表面SIおよびエレメンタリ外輪表面SEが定義され得る。これらの2つのエレメンタリ表面SI、SEの各々の構築の曲線PC−IおよびPC−Eもまた印づけされている。同様に、所定のエレメンタリ表面は、同時に、それに接するブレードのエレメンタリ内輪表面SI、およびそれに接する他のブレードのエレメンタリ外輪表面SEである。
【0042】
また、葉脈の幅の半分上に各々延伸する2つの「半表面」の結合として、任意のエレメンタリ表面Skをモデル化することもできる、ということは明らかである。そのため、「右の」半表面は、それに接するブレードの外輪表面の役割を果たし、「左の」半表面は、他の隣接するブレードの内輪表面の役割を果たす。但し、これは、とりわけ表現の慣習のみであり、プロセスの実行においては何も変化しない。
【0043】
本記述の残りでは、2つの並置するエレメンタリ表面によって包囲されたブレード3の単純なケースが用いられることになる。すなわち、第1はブレードのエレメンタリ外輪表面SEであり、第2はブレードのエレメンタリ内輪表面SIである。
【0044】
ブレード3は、ジャンクションの主要部を占めるが、第1の端面PSからブレード3の前縁BAまで延伸する第1の「リーディング」の不連続性と、ブレード3の後縁BFから第2の端面PRまで延伸する第2の不連続性とを残す。
【0045】
本プロセスは、第1の不連続性および第2の不連続性の各々に対する接続表面SR(後述される図に示されるSR表面)の構築を可能にする。
【0046】
概して、表面Sの部分は、図2に示されるタイプのコンピュータ装置10を介して、その設計の間に本プロセスにおいてモデル化される。それは、データ処理手段11(1つ以上のプロセッサ)と、データ記憶手段12(例えば1つ以上のハードディスク)と、インタフェース手段13(キーパッドおよびマウスまたは触覚インタフェースなどの入力手段と、結果のためのディスプレイモニタなどの出力手段とを備える)とを備える。有利性として、装置10は、スーパコンピュータであるが、様々なプラットフォーム上の実行が実際に可能である、ということが理解される。
【0047】
エレメンタリ表面のモデル化
本プロセスの第1の部分(a)は、互いに独立したエレメンタリ表面Sk、SI、SEのモデル化を認める。ハブの周囲の周期性の有利な(但し非限定的な)ケースにおいて(すなわちブレード3が同一で一様に分布される場合)、エレメンタリ表面は、すべて同一であり、それをモデル化してその後二重化するのに十分である、ということに留意するべきである。
【0048】
ここでの原理は、多くのシミュレーション計算の実行によって、所定の環境において(以前に説明されたように、エレメンタリ表面Sはその構築曲線PC−によって定義され、その各々は、部分2の端面PS、PRに対して実質的に平行な面にしたがって延伸する)エレメンタリ表面の幅に沿って、言いかえれば物理量の値(特に半径、すなわちエレメンタリ表面の点からハブの中心までの距離)を記載する1つ以上の曲線のエレメンタリ表面の原理の、幾何学および/または音響学の空気力学の最適条件を決定することである。
【0049】
多くの基準が、エレメンタリ表面のモデル化の間に最適化する基準として選択されることができる。例として、機械的応力に対する耐性、周波数(frequential)レスポンス、ブレード3の変位などの機械的特性、たわみ(yield)、圧上昇、レート能力、またはポンピングマージンなどの空気力学特性などを最大限にする試みを成すことができる。
【0050】
これに対して、最適化される原理をパラメータ化すること、すなわち、N個の入力パラメータの関数を作ること、が必要である。最適化は、所定の基準のためにそれらの最適値を決定するところまで、ストレスの下でこれらの個別のパラメータを(概してランダムに)変更することから構成される。「平滑化された」曲線は、その後、補間によって決定された通過点から取得される。
【0051】
計算の必要な数は、問題の入力パラメータの数に対して直接的に(線形にまたは指数関数的に)リンクされる。
【0052】
多くの方法が知られているが、高度な計算電力消費を伴わずに優れたモデル化品質を可能にし、ルンゲ現象(表面の過度の「起伏」)を制限する、仏国特許出願公開第1353439号明細書に記述されるものと同様の方法が好ましくは用いられるだろう。
【0053】
さらに概して、プロセスは、各エレメンタリ表面Sk、SI、SEの各構築曲線PC−k、PC−I、PC−Eに対して、
(a1)エレメンタリ表面Sk、SI、SEの幅に少なくとも沿った位置に応じて前記表面Sの物理量特徴の値(典型的には半径)を表現するクラスCの曲線として構築曲線PCをパラメータ化するサブステップであって、曲線は、
エレメンタリ表面Sk、SI、SEの前記幅の内輪および外輪上のそれぞれの(「ユーザ制御点」に対する)2つの端点PCU、PCUと、
少なくとも1つのスプラインと
によって定義され、パラメータ化は、端制御点PCU、PCUの少なくとも1つを定義する1つ以上のパラメータにしたがって行われるサブステップと、
(a2)前記曲線の前記パラメータの最適化された値を決定するサブステップと
を実行することを有利的に備える。
【0054】
第1のサブステップ(a1)は、1人のオペレータの制御下でデータ処理手段11によって実行される。
【0055】
エレメンタリ表面Sk、SI、SEの幅に沿った位置は、(横座標における)コードの長さに応じて表現され、より正確には、「標準化された」コードの長さであり、すなわち、エレメンタリ表面Sk、SI、SEが横切られる場合、言いかえれば1つのブレード3から別のブレードに対して移動する場合に0と1との間で表現される。説明されたように、エレメンタリ表面Sk、SI、SEは、これらの2つのブレード3の一方の内輪および他方の外輪のレベルで配置されており、それは、経路が内輪−外輪の通路に対応する理由である、ということに留意するべきである。
【0056】
但し、本発明が幅に応じて量の値を表現する曲線の式に全く限定されず、他のマーカも可能である、ということは明らかである。
【0057】
物理量の値を表現するこの曲線は、この物理量の原理のモデル化として理解されなければならない(このように、それは、専門用語の点からベジェ曲線と区別化するために「モデル化曲線」の名の下で指定されることになる)。前記物理量は、エレメンタリ表面Sk、SI、SEの設計のための空気力学および/または音響学の意味を有するいずれか量になり得るが、これは典型的には以前に言及された半径である。
【0058】
モデル化曲線は、少なくとも正則性クラスCであり、すなわち、それは、その定義空間(definition space)(エレメンタリ表面の幅)上の連続関数および1次連続導関数に対応する。この条件の重要性は、後に認識されることになる。実際には、ピースにより取得される曲線は、任意の接続の高さ(定義されることになる中間制御点)における曲線および導関数の連続性を有する、C(各間隔において無限に微分可能な関数)である。これらが最小の条件であり、曲線は、その全体の定義空間上で完全に例えばCであり得る、ということは明らかである。
【0059】
曲線は、その制御点によって定義される。第1のモデル化する例を図示する図3aにおいて明らかなように、2つのユーザ端制御点PCUおよびPCU(それぞれ、それらのレベルにおけるブレード3の側部による「内輪」および「外輪」の制御点)が固定され、エレメンタリ表面の範囲(すなわち曲線の定義のフィールド)を定義する。
【0060】
モデル化曲線は、これらの端点を接続する少なくとも1つのスプラインを備える。スプラインは、多項式のパラメトリック曲線であり、多項式のパラメトリック曲線の例は、好ましくは、バーンスタイン多項式として知られるN+1個の初等的多項式の組み合わせとして定義されたベジェ曲線であり、ベジェ曲線は、すべての点により
【数8】
で定義され、
【数9】
は、N次のN+1バーンスタイン多項式である。
【0061】
点{P,P…P}は、曲線の「陰な」制御点と呼ばれ、エレメンタリ表面の原理がベジェ曲線によってモデル化されることができる変数を構成する。
【0062】
各制御点にリンクされたバーンスタイン多項式の値に等しい重みによって重み付けされたN+1個の制御点のすべての共通重心としてベジェ曲線が認識され得るので、これらの点は「陰な」と呼ばれる。言いかえれば、これらの点は、通過することなく概して曲線を引き付ける局所的な重みとして作用する(t=0およびt=1にそれぞれ対応する最初と最後の外側、および点のアラインメントのいくつかのケース)。
【0063】
概して、ベジェ曲線を使用する原理の既知のモデル化技術において、使用される曲線の端制御点PおよびPは、固定される(それらはモデル化が実行される範囲を定義する)が、他の点{P…PN−1}は、最適化アルゴリズムのための入力パラメータを構成する動くことのできる座標を有する。
【0064】
本プロセスにおいて、1つ(またはそれ以上)の中間ユーザ制御点PCU(「中央」に対して)は、これら2つの端点PCUとPCUとの間に有利には配置される。
【0065】
このケースは、図3bによって示される。曲線が通過するので、中間点は「陽な」および陰でない制御点である。実際、後者は、前記中間点のレベルにおいて接続される少なくとも2つのスプラインを備える。
【0066】
実施形態において、モデル化曲線は、端制御点PCU、PCUと中間点PCUとの間、または2つの中間点PCUの間に各々延伸する、ベジェ曲線の1つのシーケンスのみから構成されることができる。
【0067】
言いかえれば、曲線の(端または中間の)すべてのユーザ制御点PCU、PCU、PCUは、ベジェ曲線の端制御点P、Pである。
【0068】
曲線がクラスCであるという事実は、各中間点PCUが導関数(同じ接線)を含み連続性を有することを保証する、ということを意味する。
【0069】
プロセスは、構築面PC−k、PC−I、PC−Eのモデル化曲線を構成するスプラインの端部を定義する、端制御点のパラメータ(および必要に応じて中間)に応じてモデル化曲線をパラメータ化する。
【0070】
特に、これらのスプラインがベジェ曲線である場合、各々は、その端部を定義する点PCUによって全体的に決定されることができる。言いかえれば、(座標および導関数の点から)点PCUのパラメータは、これらの制限条件を満たすために必要とされる最小の次数から選択される様々なベジェ曲線の陰な制御点の座標の、データ処理手段11による計算のための制限に対する条件として、機能する。ステップ(a1)は、それらの端部を構成する点PCUのパラメータに応じてベジェ曲線の陰な点の定義を備える。
【0071】
制御点PCUを定義するパラメータは、点の横座標、点の縦座標、点のレベルにおける曲線に対する接線の方位から選択され、1つの(端制御点PCU、PCUの場合:曲線の定義フィールドにおける半接線のみが考慮されることができ、PCUに対して左に1つおよびPCUに対して右に1つ)または2つの(中間制御点PCUの場合)張力係数は、各々点のレベルにおける曲線に対する半接線にリンクされる。
【0072】
曲線がクラスC(連続導関数)であることを認識して、接線の方位は、中間点PCUの両側上で同じでなければならない。さらに、2つの半接線の「長さ」は、点の両側上で異なることができ、長さは、接線に対して「粘着する」ために点の両側上に各々のベジェ曲線の傾向を表現する。これは先に言及された「張力係数」がモデル化するものである。
【0073】
具体的には、中間点のレベルにおいて曲線に対する半接線にリンクされた各張力係数は、点の付近における曲線の2次導関数に関係している。実際、制御点の付近における2次導関数の値は、曲線が接線から離れて移動する「速度」を表現する。
【0074】
そして、モデル化曲線は、必ずしもクラスCではないという事実は、中間点のレベルにおける2次導関数の不連続性を認可する。
【0075】
先に言及されたすべてのパラメータが当然効率的に用いられる、ということに留意するべきである。実際、大多数のケースにおいて、これらのパラメータ(点の横座標、点の縦座標、点のレベルにおける曲線に対する接線の方位、および点のレベルにおいて各々が曲線に対する半接線に対してリンクされた2つの張力係数)の1つ以上は、ユーザによって定められた所定値を有し、そのため残りのプロセスにおいて「変数」として用いられない。
【0076】
第2のサブステップ(a2)によれば、プロセスは、前記曲線の前記パラメータの最適化された値の(および可能であれば最適の)データ処理手段11による決定ステップを備える。これは最適化ステップである。
【0077】
このステップの実行ための多くの技術が当業者に知られており、制御点PCUのパラメータのこれらの最適化された値(すなわち、選択された基準が最大化される)を決定するためにシミュレーションを行う一方で、選択されたパラメータの変数は、例えば単純に疑似ランダムに変更され得る。但し、本発明はこの実現性に限定されない。
【0078】
一旦パラメータの値が決定されれば、処理手段11は、構築曲線PC−k、PC−I、PC−Eの式を取得して、(端面PS、PRの式を用いて)エレメンタリ表面Sk、SI、SE全体を再構築する。
【0079】
ステップは、多様なエレメンタリ表面Sk、SE、SIをモデル化するために必要に応じて繰り返される(あるいは、エレメンタリ表面がすべて同一であり、結果として生じるモデル化を単純に転換する、ということを考慮することも可能である)。
【0080】
接続曲線
一旦第1のエレメンタリ表面SEおよび第2のエレメンタリ表面SIがモデル化されると(ステップ(a))、図4aによって示される状態がその結果である。第1の「リーディング」の不連続性の存在が注目される。本記述の残りの部分において、この第1の不連続性のプロセスの例のみが見られることになるが、但し、当業者が第2の「トレーリング」の不連続性のレベルにおいて同じステップを実行することもでき得る、ということが明らかになる。
【0081】
リーディングBAエッジおよびトレーリングBFエッジは、ここで「現実の」エッジであり(すなわち、ブレード3の最先および最後の実際にある点)、時として理論的なエッジ(それらはブレードのスケルトンに従う)とは異なる、ということに留意するべきである。例えば、ブレード3の曲率は、概して、前縁BAが内輪に対してオフセットであることを保証する。
【0082】
現実のエッジBA、BFは、本プロセスが実行されるときに構築によって自然に出現する。例えば、エレメンタリ表面SE、SIの各々に対する図4aの通り、不連続性の端部のレベルにおけるブレード3の前部との交差の点が留意される。これらの2点は、図4bで具体化される、前縁リールBAを定義する。適切なエレメンタリ表面SE、SIの曲線は、この図において参照されるPC−BAである。
【0083】
「現実の」エッジBAは、実際は反転線に対応する。すなわち、各点での(ブレード3の)表面に対して垂直な曲線は、決定方向に対して同じ角度、この場合2つのエレメンタリ表面SEとSIとの間のジャンクションと同じ角度、を有する。
【0084】
この現実のエッジBA、BFの考慮は、ブレード3からのスケルトンの外挿によるエラーの自動訂正を可能にし、本プロセスの以下のステップの実行を支援する。
【0085】
このステップ(b)において、クラスCの少なくとも1つの接続曲線CRは、第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面Sk、SI、SE上にそれぞれ配置された第1の端点および第2の端点PCR、PCR(「接続制御点」)によって定義されて構築される。
【0086】
典型的には、各端点は、エレメンタリ表面SE、SIの中心線上にあり、端点の2点は、接続曲線が前縁BA(それぞれに後縁BF)のレベルにおけるブレード3に接するように、面PR、PSに対して平行な面を通過する。
【0087】
また、接続曲線CRは、第1の端点および第2の端点PCR、PCRにおいて、それぞれ、第1の表面および第2の表面SE、SIに対して接する。結果は、図4bに示されるような曲線CRである。
【0088】
特に好ましくは、中間点PCRと第1のエレメンタリ表面SEとの間の距離が、中間点PCRと第2のエレメンタリ表面SIとの間の距離に等しくなるように、接続曲線CRは、ブレード3の前縁BA(それぞれの後縁BF)上に配置された中間点PCRを通過する。
【0089】
図5は、これを簡単に示しており、中間点PCRは、言いかえれば、第1のエレメンタリ表面SEと第2のエレメンタリ表面SIとの間に存在する段の中央にある。接線の関係は同様に注目される。
【0090】
これらの条件を満たす多くの接続曲線CRが可能であるが、但し、好ましくは、構築面PC−I、PC−Eのモデル化に用いられるものと同様に、端点PCR、PCRおよび中間点PCRによって全体的に定義された1つ以上のスプライン(またはベジェ曲線も)である(上記参照)。
【0091】
接続表面
不連続性をカバーする、接続表面SRと呼ばれる、さらに拡張される表面を定義するために、接続曲線CRは、データ処理手段11によって用いられる。そのため、ステップ(c)において、プロセスは、前記不連続性の付近において前記接続曲線を考慮するために、第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面Sk、SI、SEを局所的に改良するステップを備える。
【0092】
第1および第2のリーディングおよびトレーリングの不連続性の場合、このステップは、第1のエレメンタリ表面または第2のエレメンタリ表面Sk、SI、SEとの接触のそのエッジ連続性の任意の点で有する接続表面SRの構築から構成される。接続表面SRは、エレメンタリ表面を局所的に置換する。
【0093】
図4cに示されるように、これは第1に、部分2の端エッジPR、PSから構築曲線CRまで延伸する、接続表面SRの前半の構築を備える。この半表面のエッジの各々の式は、知られている(実質的に矩形状の場合、図4cにおいて見てとれるように、4つの側部は、SIの式、PRの式、SEの式、およびCRの式によってそれぞれ定義される)。この表面の内部に関しては、任意の「堅固な(sound)」ジオメトリ(連続的で、推論可能で、形状において単純な)を用いることもできる。
【0094】
ここで、この点において、接続表面SRと接続曲線のレベルにおけるエレメンタリ表面SE、SIとの間に不連続性がさらにある。
【0095】
図4dにおいて明らかなように、特にエレメンタリ表面SE、SIの各々の構築曲線PC−I、PC−Eを達成するために、接続表面SRは、ブレード3に沿って拡張されるべきである(各エレメンタリ表面SI、SEは、接続曲線CRを越えて第1の構築曲線PC−I、PC−Eまで接続表面SRが延伸するように、ブレード3の前縁BAと後縁BFとの間に配置された少なくとも1つの構築曲線PC−k、PC−I、PC−Eを有しなければならない(言いかえれば不連続性のレベル以外に))。接続表面SRは、そのエッジの点での接触の連続性を考慮し続ける。
【0096】
接続表面SRは、ブレード3のリーディングBA(またはトレーリングBF)エッジに関してU形状をとる。エレメンタリ表面SE、SIおよび接続表面SRによって形成されたアセンブリは、全体的にCであり、ブレード3のスケルトンを考慮する。それは、モデル化された非軸対称表面Sの一部を定義する。
【0097】
最終ステップ(d)において、表面Sのために取得されたモデルは、例えば3次元での表面の表示またはそれらの式によって、開発のための装置10のインタフェース手段13によって、出力される。
【0098】
製造プロセスおよびピース
一旦その表面Sがモデル化されれば、(以前に説明されたように、特にハブまたはリアクタケーシングになり得る)ピース1を作成することができる。一部分が非軸対称表面を有するピースの製造プロセスであって、
第1の態様にしたがってピースの部分の前記非軸対称表面の少なくとも一部をモデル化するようにプロセスを実行するステップと、
結果として生じる表面の少なくとも一部のモデル化により前記ピースを製造するステップと
を備える製造プロセスが提案される。
【0099】
(先に説明されたように、一部分がモデル化された非軸対称表面を有する)結果として生じるピースは、既知のピースより堅固な幾何学的形状と、より適切な品質とを有する。それは、増大された堅牢性、より適切な空気力学の特性、低減された雑音のレベルなどを有することができる。
【0100】
装置
ピース1の部分2の非軸対称表面Sの少なくとも一部のモデル化プロセスを実行するための(図2に示される)装置10は、
前記表面Sを構成する少なくとも2つの非軸対称エレメンタリ表面Sk、SI、SEをモデル化するモジュールであって、エレメンタリ表面Sk、SI、SEの各々は、部分2の2つの端面PS、PRの間に延伸し、且つ端面PS、PRに対して実質的に平行な面にしたがって延伸する少なくとも1つの構築曲線PC−k、PC−I、PC−Eによって定義され、第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面Sk、SI、SEは、端面PS、PRのレベルにおける少なくともCのジャンクションおよび少なくとも1つの不連続性を有するように並置されるモデル化するモジュールと、
第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面Sk、SI、SE上にそれぞれ配置された第1の端点および第2の端点PCR、PCRによって定義されたクラスCの少なくとも1つの接続曲線CRであって、第1の端点および第2の端点PCR、PCRでの第1の表面および第2の表面に対してそれぞれ接する前記接続曲線CRを構築するモジュールと、
前記不連続性の付近における前記接続曲線CRを考慮するために第1のエレメンタリ表面および第2のエレメンタリ表面Sk、SI、SEを局所的に改良するモジュールと、
得られる表面Sの少なくとも一部を前記装置10のインタフェース13上に出力するモジュールと
を実装するように構成されたデータ処理手段11を備える。
【0101】
コンピュータプログラム製品
他の態様によれば、本発明は、ピース1の部分2の非軸対称表面Sの少なくとも一部のモデル化のための本発明の第1の態様によるプロセスを(データ処理手段11(特に装置10のもの)上で)実行するためのコード命令を備えるコンピュータプログラム製品と、このコンピュータプログラム製品を収納するコンピュータ装置(例えばこの装置10のメモリ12)によって読み取り可能な記憶手段に関する。
図1a
図1b
図1c
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図5