【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
[006]本出願の主題の第1の態様によれば、インサート基面に隣接してインサートの蟻継ぎ式滑り止め配置構成を備える切削インサートが提供される。
【0007】
[007]本出願の主題のさらなる態様によれば、インサート周囲面によって接続される、互いに対向するインサート上面および基面と、インサート基面に隣接しかつ第1および第2のインサート当接面およびインサートアクチュエータ面を含むインサートの蟻継ぎ式滑り止め配置構成とを含む、切削インサートであって;第1のインサート当接面は、インサート基面と外角で鋭角な第1の蟻角を形成する第1の蟻継ぎ部分を含み;第2のインサート当接面は、インサート基面と外角で鋭角な第2の蟻角を形成する第2の蟻継ぎ部分を含み;インサート基面に対して垂直方向から見た図においては、第1の蟻継ぎ部分は第2の蟻継ぎ部分よりも長く、かつそれに対して非平行であり;および切削インサートは中実構成を有する、切削インサートが提供される。
【0008】
[008]本出願の全ての滑り止め配置構成(インサートまたは工具)は、いわゆる「蟻継ぎ式」滑り止め配置構成である、すなわち、関連の基面と鋭角の蟻角を形成する非平行な蟻継ぎ部分を含むことに留意されたい。簡潔にするために、語「滑り止め配置構成」は、以下、先行する語「蟻継ぎ」無しで現れるかもしれないが、同じ意味を有するとみなす必要がある。同様に、簡潔にするために、語「滑り止め配置構成」は、以下、文脈により明らかに滑り止め配置構成のどれか1つを指す場合、先行する語「インサート」または「工具」無しで現れるかもしれない。
【0009】
[009]基面に対して垂直方向から見た図はまた、断面図とすることができ、あるいは、インサート基面に対して垂直にかつその中心を通って延在するインサート中心軸に沿った図にできることにも留意されたい。
【0010】
[0010]本出願の主題のさらに別の態様によれば、切削インサートが提供され、この切削インサートは、インサート周囲面によって接続されかつ互いに対向するインサート上面および基面と、インサート基面から延在しかつこの基面によって取り囲まれ、およびインサート周囲面から離間した隆起と、隆起に形成された蟻継ぎ式滑り止め配置構成であって、インサート基面に対して垂直方向から見た図において、互いに対して非平行でありかつ各々がインサート基面と外角で鋭角の蟻角形成する第1および第2の蟻継ぎ部分をそれぞれ含む第1および第2のインサート当接面を含む、蟻継ぎ式滑り止め配置構成とを含む。
【0011】
[0011]本出願の主題の別の態様によれば、工具基面に隣接して工具の蟻継ぎ式滑り止め配置構成を備える工具が提供される。
【0012】
[0012]本出願の主題のさらに別の態様によれば、クランプと、クランプを動かすように構成されたネジとをさらに含む、上述の態様のいずれかによる工具が提供される。
【0013】
[0013]本出願の主題の別の態様によれば、上述の態様のいずれか1つによる工具と、上述の態様のいずれか1つによる切削インサートとを含む、工具アセンブリが提供される。
【0014】
[0014]本出願の主題のさらに別の態様によれば、切削インサートおよび工具を含み、それら双方ともがそれらの基面に隣接した蟻継ぎ式滑り止め配置構成を含む、工具アセンブリが提供される。下記でさらに説明するように、切削インサートの蟻継ぎ式滑り止め配置構成は、対応する工具の蟻継ぎ式滑り止め配置構成の面を有する工具と一緒に使用するように構成された面を有し得る。
【0015】
[0015]本出願の主題のさらに別の態様によれば、蟻継ぎ滑り止め配置構成を介して工具に切削インサートをクランプする方法が提供される。
【0016】
[0016]以下の利点の1つ以上が、インサート基面に隣接して形成されたインサートの蟻継ぎ式滑り止め配置構成によって達成され得る:
− インサート側面は、クランプ機能とは無関係とし得る。言い方を変えると、インサート側面は、工具の全ての面から離間するように構成され得る(サイズおよび/または向きにされ得る)。さらに言い方を変えると、インサート側面は、工具と接触しないように構成され得る。従って、工具の蟻継ぎ式滑り止め配置構成(単一サイズの蟻継ぎ式滑り止め配置構成に対応する)を備える単一の工具は、異なる形状および/またはサイズにされた切削インサートを保持するように構成され得る(すなわちインサートの側面は、異なるサイズおよび/または形状を有し得る)。対比すると、米国特許第4,335,983号に開示されている工具は、特定の周囲形状のインサートの使用に、より制限されている(蟻継ぎ側面22、23に接触するように構成された工具の面、およびさらにはその切削インサートの後側面25が、予め決められた位置で切削インサートに接触するように構成されているため)。
− 切削インサートのインサート上面は、クランプ機能とは無関係とし得る(例えば、インサート上面は、突出するネジ頭、ネジ孔に隣接した、外側に突出する部分、または掴み具を受け入れるように設計された構成を持っていないとし得る。その結果、切り屑が、インサート上面に沿って自由に流れることができるか、またはその流れを好都合な方法で制御するように設計され得る。
− 切削インサートは、中実構成を有し得る(すなわち、蟻継ぎ部分は、取り付けられている工具に対する切削インサートの上方移動を制限するように構成される;従って、切削インサートを工具に保持するために必要な下向きの力をもたらすように構成された1つまたは複数のネジを受け入れるための比較的大きなネジ孔、または複数の小さなネジ孔を必要としないため)。その結果、切削インサートは、高速の機械加工用の公知のインサートよりも、相対的に遥かに小さく(および結果として軽量に)でき、これは、高速で回転されるときの切削インサートの重量に関連付けられた大きな力に起因して非常に著しいとし得る。
− インサート基面に隣接する(およびインサート基面自体によっては構成されない)蟻継ぎ部分は、クランプ機能(すなわちインサート基面に対して垂直な方向における)および横方向の滑り止め機能の双方をもたらし得る。
【0017】
[0017]同様に、上述の特徴のいずれかを備える、切削インサートを保持するように構成された工具は、1つ以上の同様の利点を達成し得る:
− 工具ポケット側面は、クランプ機能と無関係とし得る。言い方を変えると、工具ポケット側面は、それによって保持される切削インサートの全ての面から離間するように構成され得る(サイズおよび/または向きにされ得る)。さらに言い方を変えると、工具ポケット側面は、切削インサートと接触しないように構成され得る。
− 工具は、座領域の凹部に配置された1つまたは複数の工具基面によって切削インサートとのみ接触するように構成され得る。工具の残りの部分は、クランプ機能を有する追加的な構造とは無関係とし得る(例えば、工具は、切削インサートにクランプ力を直接加えるように構成されたネジ、または切削インサートにクランプ力を直接加えるように構成された掴み具を持っていない)。
− 工具基面に隣接する(および工具基面自体によっては構成されない)蟻継ぎ部分は、クランプ機能(すなわち、工具基面に対して垂直な方向における)および横方向の滑り止め機能の双方をもたらし得る。
− 工具は、切削方向にクランプ力をもたらすことによって、切削インサートのクランプの安定性をさらに高め得る。
【0018】
[0018]蟻継ぎ部分を備える配置構成を生じることは、幾分複雑であるが(ネジ孔およびネジの比較的単純/安価な構造と比較して)、上述の利点のうちの少なくとも1つ、またはそれらの組み合わせは、そのような欠点を相殺し得ると考えられている。
【0019】
[0019]中実構成を有する切削インサートに関連する上述の利点に関して、そのような利点は、切削インサートにある比較的小さな貫通孔とある程度まで共存し得ることに留意されたい。詳述すると、中実構成を備え、かつ貫通孔をどんな形であれ全く持っていない切削インサートは、理論上、貫通孔が形成された切削インサートよりも構造的に強い。本出願の蟻継ぎ式滑り止め配置構成は、通常の貫通孔/ネジクランプ配置構成とは対照的に、その蟻継ぎ部分を介して切削インサートに下向きのクランプ力をもたらすが、切削インサートは、依然として中実構成を有し、かつ例えばその構造を過度に弱めることなく被覆するために、小さな貫通孔を備え得ることが理解される。それゆえ、中実構成を備えかつ貫通孔を持っていない切削インサートが、その構造強度に関しては好都合であるが、比較的小さな貫通孔を備える中実インサートも、例えば被覆目的のためには、好都合とし得ることが理解される。切削インサートを不必要に弱めないようにするために、そのような貫通孔は、可能な限り小さい必要がある。それゆえ、本明細書および特許請求の範囲のために、「中実構成」を有すると定義された切削インサートは、依然として、直径が3mm未満の貫通孔(または等しい体積を有する非円形の孔)を含み得る。言い方を変えると、中実構成を有する切削インサートは、直径3mm以上の貫通孔(または等しい体積を有する非円形の孔)を持っていない。好ましくは、そのような貫通孔は、2mm以下、または、最も好ましくは、1mm以下(または等しい体積を有する非円形の孔)ともし得る。切削インサートの最も構造的に強い実施形態は、さらに、「貫通孔を持っていない」と定義され得る、つまり、切削インサートは、いずれの直径の貫通孔も持っていないと理解される。ほとんどの切削インサートが貫通孔を含んで、工作物に対する数千回または数百万回もの衝撃に耐えるために必要な下向きのクランプ力をもたらすという事実にもかかわらず(特にフライス適用例では)、上述の利点のうちの少なくとも1つまたはそれらの組み合わせは、そのような欠点を相殺し得ると考えられている。
【0020】
[0020]高速の機械加工に関連する上述の利点に関して、高速の工具とは、摩擦ロックが、回転中に、遠心力に耐えるには不十分である作業用に構成された工具であると定義され得ることに留意されたい。さらなる詳細は、ISO 15641に見出され得る。そのような工具は、軟金属、特にアルミニウムなどの材料の機械加工に特に好都合とし得る。
【0021】
[0021]工具基面に沿った切削インサートの滑りに関連した上述の利点に関して、そのような滑りは、回転運動および/または並進運動を含み得ることに留意されたい。好ましくは防止されたい滑りは、目に見える滑りである、すなわちその目に見える相対運動を可能にするために工具および/または切削インサートの十分な構造上の公差があるとし、それにより、クランプが切削インサートを好適に位置決めできるようにし得る。しかしながら、滑りはまた、目に見えない滑りとし得る、すなわち非常に小さくて、拡大しないと見えないが、切削作業の最中に発生し得るようなものとし得る。
【0022】
[0022]本出願の蟻継ぎ式滑り止め配置構成は、基面に対して垂直方向のクランプ機能だけでなく、横方向の滑り止め機能ももたらすように構成されているため(そのような滑りは、とりわけ、切削インサートの少なくとも1つの切れ刃に対する切削力によって引き起こされている)、滑り止め配置構成は、切削インサートの切れ刃の幾何学的形状に関連する幾何学的特徴を備えて好都合にも構成され得ることが理解される。そのような幾何学的特徴のいくつかの非限定的な例は、蟻継ぎ部分の長さ、向きまたは位置、または、例えば切れ刃の切れ刃部分の数に関連した蟻継ぎ部分の数のうちの1つ以上とし得る。下記の好都合な力の分散への言及は、高速の機械加工作業に特に関連することが理解される。そのような幾何学的特徴はまた、好都合にも非対称的であり、高速の機械加工作業中の切削インサートの安定性を増し得る。
【0023】
[0023]上記は要約であること、および上述の態様のいずれかは、以下説明する特徴のいずれかをさらに含み得ることが理解される。具体的には、以下の特徴は、単独でまたは組み合わせて、上述の態様のいずれかに適用可能とし得る:
i. 切削インサートは、インサート周囲面によって接続される、互いに対向するインサート上面および基面を含み得る。
ii. 切れ刃は、インサート上面とインサート周囲面との間の交差点に沿って形成され得る。切れ刃は、インサート上面とインサート周囲面との間の交差点全体に沿って延在し得る。
iii. 切れ刃は、インサート基面に対して垂直方向から見た図において、直線部分を接続するコーナ刃部分を含み得る。より正確には、コーナ刃部分から延在し得る第1および第2の切れ刃部分は、インサート基面に対して垂直方向から見た図において、直線とし得る。
iv. 切削インサートは片面の切削インサートとし得る。例えば、切削インサートは、インサート上面とインサート周囲面との間の交差点に沿ってのみ延在する切れ刃を含み得る。切れ刃は、インサート上面とインサート周囲面との間の交差点全体に沿って延在し得る。
v. 切れ刃は、直線部分を接続するコーナ刃部分を含み得る。
vi. 切れ刃は、コーナ刃部分の異なる側から延在する第1および第2の切れ刃部分を含み得る。切れ刃の第1の切れ刃部分は、その第2の切れ刃部分よりも長いとし得る。第1の切れ刃部分は、インサート基面に対して垂直方向から見た図において、第1のインサート蟻継ぎ部分と一緒に、30°以下の角度を形成し得る。第1の切れ刃部分および第1の蟻継ぎ部分が平行な構成に近づくにつれて、切削インサートによって、より良好な力の分散がもたらされ得ることが見出されている。従って、第1の切れ刃部分および第1のインサート蟻継ぎ部分は、15°以下の角度を形成することが好ましい。
vii. 切削インサートは、いくつもの割り出し(indexed)位置とは異なるいくつもの切れ刃部分を有し得る。例えば2つの割り出し位置を備えるように構成された平行四辺形の切削インサートは、4つの切れ刃部分を有し得る(第1の副切れ刃部分は、第1の副切れ刃部分よりも長い第1の主切れ刃部分と共通の第1のコーナ刃部分を共有し、および第2の副切れ刃部分は、第2の副切れ刃部分よりも長い第2の主切れ刃部分と共通の第2のコーナ刃を共有している)。そのような例では、切削インサートは、第1の割り出し位置において第1の副および主切れ刃部分を使用して、および第2の位置において第2の副および主切れ刃部分を使用して、機械加工するように構成され得る。非対称的な滑り止め配置構成は、切削インサートに加えられる非対称的な力に適応するように設計され得るときに、切削インサートを割り出すのに好都合とし得る。
viii. 切れ刃は、1つ以上の主切れ刃部分を含み得る。主切れ刃部分は、インサート基面に対して垂直方向から見た図において、インサートの最長の直線の切れ刃である(長さの等しい複数の主切れ刃部分があるとし得る)。切削インサートは、隣接する直線のインサート蟻継ぎ部分と平行する少なくとも1つの主切れ刃部分を含み得る。全ての主切れ刃部分は、隣接する直線のインサート蟻継ぎ部分と平行であるとし得る。具体的には、切削インサートは、全ての他の切れ刃部分よりも長い2つの平行な主切れ刃部分を含み得る。切削インサートは、切削インサートの全ての他の蟻継ぎ部分よりも長くかつ切削インサートの主切れ刃部分と平行する、正確に2つの蟻継ぎ部分を含み得る。
ix. 切れ刃は、1つ以上のらせん形部分を含み得る。好ましくは、切れ刃の主および副切れ刃部分は、全てらせん形である。これは、例えば、アルミニウムの高速の機械加工に好都合とし得る。
x. 切削インサートは、インサート上面に対して垂直方向から見た図において、四角形を有し得る。好ましくは、そのような図では、切削インサートは、長尺形状、特に平行四辺形を有し得る(ランピング加工(ramping)に特に好適とし得る)。
xi. インサート上面は、すくい面として構成され得る。
xii. インサート周囲面は、逃げ面として構成され得る。
xiii. 切削インサートおよび/または工具の基面は、平面的とし得る。
xiv. 滑り止め配置構成は、第1および第2の当接面を含み得る。滑り止め配置構成は、正確に2つの当接面、すなわち第1および第2の当接面を含み得る。滑り止め配置構成は、アクチュエータ面を含み得る。滑り止め配置構成は、正確に1つのアクチュエータ面を含み得る。工具滑り止め配置構成は、正確に2つの当接面を含み得る。
xv. 工具および/または切削インサートの第1および第2の当接面は、それぞれの基面に対して垂直方向から見た図において、互いに非平行とし得る。第1および第2の当接面は、部分的に、または、好ましくはその全長に沿って、互いに向かう方向へ収束する。第1および第2の当接面の各対の点は、アクチュエータ面の平面から離れて配置された第1および第2の当接面の別の対の点よりもアクチュエータ面の平面に近く、後者の対の点よりも大きな、予め決められた距離を有する。第1および第2の当接面の最も近い対の点は、それぞれの共通の当接面の平面内にあるとし、これら平面は、アクチュエータ面の平面に平行であり、予め決められた距離だけ離れているとし得る。予め決められた距離のうちの少なくとも1つは、アクチュエータ面の平面から遠くに離間した1対の点に関連付けられる別の予め決められた距離よりも大きい。工具またはインサート基面に対して垂直方向に見た図においては、第1および第2の当接面は、互いに180°未満のインサートまたは工具当接角度で延在し得る。第1および第2の当接面は、互いに鋭角のインサートまたは工具当接角度で延在し得る。20°〜90°のインサートまたは工具当接角度がより好ましい。40°〜45°の範囲がさらにより好ましい。
xvi. 切削インサートまたは工具の滑り止め配置構成は、その基面に隣接し得る。第1および第2のインサート当接面およびインサートアクチュエータ面は、インサート上面から離れる方向に、インサート基面から延在し得る。
xvii. 切削インサートの当接面は、インサート基面と外角で鋭角の蟻角を形成するインサート蟻継ぎ部分を含み得る。
xviii. 切削インサートの当接面は、そのインサート蟻継ぎ部分をインサート基面に接続する凹状接続部分を含み得る。各凹状接続部分の半径R
Cは、少なくとも0.05mmとし得る。そのような半径は、高速の切削作業の最中に構造強度をもたらすのに有益とし得る。インサート蟻継ぎ部分および凹状接続部分は一緒に、インサート基面から延在する隆起上に、隆起当接凹部を形成し得る。
xix. 工具の当接面は、工具基面と内角で鋭角の工具蟻角を形成する蟻継ぎ部分を含み得る。
xx. 基面に対して垂直方向から見た図においては、第1の蟻継ぎ部分は、第2の蟻継ぎ部分よりも長いとし得る。そのように長さが等しくないことは、その異なる複数の部分に等しくない切削力を受ける切削インサートおよび/または工具に好適とし得ることが理解される。そのような図では、第1の蟻継ぎ部分は、第2の蟻継ぎ部分の長さの少なくとも2倍とし得る。第1の蟻継ぎ部分は、第2の蟻継ぎ部分の長さの4倍未満とし得る。一般的に言えば、蟻継ぎ部分が、特定の力の印加に耐えるように構成されるため、それでもなお共平面である非連続的な蟻継ぎ部分でも、本明細書および特許請求の範囲のために、単一の蟻継ぎ部分であると考えられることが理解される。第1および第2の当接面の蟻継ぎ部分は、上向きの内側方向に延在できる。第1および第2のインサート蟻角は、基面と一緒に、50°〜80°の外角を形成できる。70°〜80°のインサート蟻角が、好都合な力の分散をもたらすことが見出された。
xxi. インサート基面に対して垂直方向から見た図において、切削インサートの1つの蟻継ぎ部分、または全ての蟻継ぎ部分が、切削インサートから外側に向き得る。詳述すると、1つまたは複数の蟻継ぎ部分は、インサート基面に対して垂直方向から見た図において、蟻継ぎ部分上の、インサート基面から離れている点が、周囲基面縁の隣接部分の方へ向かうように傾斜され得る。同様に、切削インサートの1つのインサートアクチュエータ面、または全てのインサートアクチュエータ面は、切削インサートから外側に向き得る。反対に、工具基面に対して垂直に見た断面図においては、第1および第2の工具当接面のそれぞれが内側に向き得る。同様に、工具アクチュエータ面は、内側に向き得る。
xxii. インサート基面に対して垂直方向から見た図においては、第1の基面幅は、第1の蟻継ぎ部分と、インサート基面とインサート周囲面との間の交差点に沿って延在する周囲基面縁の隣接部分との間で測定可能とし得る。蟻継ぎ部分および隣接する周囲基面縁が平行ではない場合、基面幅は、その最も近い点間であると考えられる。そのような図では、全体的な基面幅は、第1の基面幅に平行にかつそれと重なり合って、およびインサート基面の対向する周囲基面縁間に延在して、測定可能とし得る。第1の基面幅の大きさは、それと平行する全体的な基面幅の大きさの23%以上とし得る。インサートの第1の基面幅を拡大することによって、滑り止め配置構成の構造が弱くなるにもかかわらず、工具の蟻継ぎ部分と切削インサートとの間に、好都合なことに、強力な接続配置構成が達成され得ることが見出された。それにもかかわらず、第1の基面幅の大きさが、全体的な基面幅の大きさの33%以下であることが好都合であると考えられている。同様に、第2の基面幅は、第1の蟻継ぎ部分に対して平行である(または第1の切れ刃部分および第1の蟻継ぎ部分と同様の方法で、30°未満の角度以内である)追加的な蟻継ぎ部分と、周囲基面縁の隣接部分との間で測定可能とし得る。第2の基面幅の大きさは、全体的な基面幅の大きさの23%以上とし得る。好ましくは、第2の基面幅の大きさは、全体的な基面幅の大きさの33%以下とし得る。
xxiii. 第1および/または第2の蟻継ぎ部分は長尺とし得る。
xxiv. 第1の蟻継ぎ部分の長さL1は、第1の主切れ刃部分の長さの35%〜50%である。一層好ましくは、長さは、この範囲の大きな端部にある。従って、第1の蟻継ぎ部分の長さL1は、好ましくは、第1の主切れ刃部分の長さの好ましくは42%〜48%とし得る。
xxv. 強度を考慮すると、インサート基面に対して垂直方向から見た図において、インサート基面が滑り止め配置構成を完全に取り囲むことが好ましい。言い方を変えると、インサート基面は、インサート周囲面全体に沿って(すなわち、それに隣接して)延在し得る。第1および第2のインサート当接面は、インサート周囲面とインサート基面との間の交差点から離間され得る。同様に、インサートアクチュエータ面は、インサート周囲面とインサート基面との間の交差点から離間され得る。インサート基面とインサート周囲面との間の交差点に沿って延在する周囲基面縁に沿った任意の点と、滑り止め配置構成の隣接する面との間の最小基面幅は、第1の蟻継ぎ部分と周囲基面縁の隣接部分との間で測定可能である第1の基面幅の少なくとも65%とし得る。さらに一層好ましくは、最小基面幅は、第1の基面幅の少なくとも75%とし得る。最小基面幅は、基面幅以下とし得ることが理解される。
xxvi. 切削インサートは、インサート基面に対して垂直でありかつその中心を通るインサート中心軸の周りで180°の回転対称性を有し得る。切削インサートの回転対称性は、180°にすぎないとし得る。
xxvii. 切削インサートは長尺とし得る。インサート切削平面は、切削インサートの長尺方向に対して垂直に延在し得、かつ理論的に、切削インサートを第1および第2の半体に分割できる。切削インサートは、インサート切削平面に関して鏡面反対称性(mirror anti-symmetric)であるとし得る。滑り止め配置構成は、第1の半体にインサートアクチュエータ面と、第2の半体に第2のインサート当接面と、両半体まで延在する第1のインサート当接面とを有し得る。インサート基面に対して垂直方向から見た図においては、インサート滑り止め配置構成は、インサート縦断面に関して非対称とし得る。
xxviii. 切削インサートは、割り出し可能(indexable)とし得る。切削インサートは、追加的な、すなわち第2のインサート滑り止め配置構成を含み得る。好ましくは、切削インサートは、正確に2つの滑り止め配置構成を有し得る。言い方を変えると、切削インサートは、一度割り出されるように構成され得る。各割り出し位置は、1つの滑り止め配置構成を使用するためである。追加的なインサート滑り止め配置構成は、第1の滑り止め配置構成の特徴のいずれかまたは全てを有し得る。切削インサートは、正確に4つのインサート当接面を有し得る。第1の当接面と第2の当接面との間に、アクチュエータ面があるとし得る。インサート基面に対して垂直方向から見た図においては、第1の滑り止め配置構成および第2の滑り止め配置構成を含む切削インサートは:第2の滑り止め配置構成の第2のインサート当接面とインサートアクチュエータ面とを接続する第1の滑り止め配置構成の第1のインサート当接面を有し得る;および/または第1の滑り止め配置構成の第2のインサート当接面は、第2の滑り止め配置構成の第1のインサート当接面とインサートアクチュエータ面とを接続し得る。第1のインサート当接面と第2のインサート当接面との間には、インサート基面に対して垂直に延在するインサートアクチュエータ面があるとし得る。
xxix. 切削インサートの1つのインサートアクチュエータ面、または全てのインサートアクチュエータ面は、インサート基面に対して垂直に向けられたインサートアクチュエータ面の平面内にあるとし得る。言い方を変えると、インサートアクチュエータ面は、インサート基面に対して垂直に延在し得る。高速の作業に関し、そのような向きが特に好都合であることが理解される。詳述すると、インサートアクチュエータ面および/または工具アクチュエータ面が垂直の向きであることによって、工具アクチュエータ面を含む切削インサートまたはクランプの不安定化を防止するのを支援し得る。
xxx. インサート基面に対して垂直方向から見た図において、第1の蟻継ぎ部分は、インサートアクチュエータ面の長さの少なくとも2倍とし得る。
xxxi. インサート基面に対して垂直方向から見た図において、インサートアクチュエータ面は、2つの蟻継ぎ部分のうちの長い蟻継ぎ部分(例えば、第1の蟻継ぎ部分)にのみ対向する方向に、向き得る。長い蟻継ぎ部分は、大きな切削力に曝され得ることが理解される。従って、第1の蟻継ぎ部分の中心から実際に可能な限り最大限で離れて方向付けられたインサートアクチュエータ面は、切削インサートの安定化を支援し得る。
xxxii. 切削インサートの1つのインサートアクチュエータ面、または全てのインサートアクチュエータ面は、非尖頭的な形状を有し得る。同様に、工具アクチュエータ面は、非尖頭的な形状を有し得る。アクチュエータ面の非尖頭性は、一貫性のあるまたは制御された力の印加方向をもたらすためとし得る。インサートまたは工具アクチュエータ面は、インサートアクチュエータ面に接続される面に接する複数の部分に沿って延在しないまたはそれらの部分を持っていない湾曲を有し得る。インサートまたは工具アクチュエータ面は、凸状に湾曲し得る。インサートまたは工具アクチュエータ面は、拡大図においてのみ明らかとなる湾曲を有し得る(すなわち、裸眼では、インサートアクチュエータ面は平坦であるように見えるが、拡大鏡などの任意の拡大手段を使用すると、ある程度の湾曲が見える)。切削インサートの底面図では、インサートアクチュエータ面は、直線に従い得る。好ましくは、工具およびインサートアクチュエータ面の正確に1つが、平面的とし得る。最も好ましい構成では、インサートアクチュエータ面は平面的である。
xxxiii. 切削インサートは、インサート基面から突出する1つ以上の隆起を含むことができ、およびインサート滑り止め配置構成に属する複数の当接面は、1つ以上の隆起に形成され得る。好ましくは、切削インサートは、単一の隆起を含み得る。インサート滑り止め配置構成の全ての面は、単一の隆起、または1つ以上の隆起に形成され得る。切削インサートの全ての滑り止め配置構成の全ての面は、単一の隆起、または1つ以上の隆起に形成され得る。単一の隆起の周囲は、インサートアクチュエータ面および第1および第2のインサート当接面のみによって取り囲まれ得る。単一の隆起は、滑り止め配置構成を含む複数の隆起よりも構造的に強いとし得ることが理解される。
xxxiv. インサート基面に対して垂直方向から見た図において、滑り止め配置構成、またはそれを含む隆起は、非対称的な形状を有し得る(すなわち円形、正方形、六角形などではない;例えば蟻継ぎ部分の長さが等しくないとき)。そのような形状は、切削インサートに加わる非対称的な力に好都合とし得る。それにもかかわらず、滑り止め配置構成の蟻継ぎ部分は、その垂直図において、それぞれ直線に延在し得る。
xxxv. 工具および/または切削インサートの基面に対して垂直方向から見た図においては、滑り止め配置構成の第1および第2の当接面およびアクチュエータ面は、三角形の構成にあるとし得る。
xxxvi. 切削インサートの重量は、2〜6グラムとし得る。蟻継ぎ部分を設けることによって、切削インサートのサイズおよび従って重量を削減できる(理論上、例えば、比較的大きな貫通孔のない、切削インサートのより強度のある構造に起因して)。これは、関連して大きな力のかかる高速の作業において好都合であるし得る。それにもかかわらず、機械加工作業を成功裏に行うために必要な材料の一定の最小量が必要とされることが理解される。従って、切削インサートの好ましいサイズは、2.5〜4.5グラムの重量を有し、最も好ましい設計重量は、2.7〜3.7グラムとし得ることが見出された。
xxxvii. 切削インサートは、インサート基面に対して垂直に、かつインサート基面とそこから最も遠位のインサート上面の最上点との間で、測定される切削部分高さを含み得る。
xxxviii. 切削インサートの重心は、インサート基面から切削部分高さの12%〜30%に配置され得る。重心が比較的低いことによって、特に高速の作業中の、切削インサートの安定化を支援し得ることが理解される。重心は、本出願の切削インサートに関し、好ましくは、インサート基面からの切削部分高さの21%〜29%に配置され得る。
xxxix. 滑り止め配置構成高さは、切削部分高さと平行に、かつインサート上面から離れて切削インサートの最も遠位の最下点までの方向に、インサート基面から測定され得る。切削部分高さの大きさは、滑り止め配置構成高さの大きさよりも大きい。
xl. 蟻継ぎ高さは、インサート基面に対して垂直に、かつインサート基面から切削インサートの蟻継ぎ部分の最遠位点まで、測定可能である。蟻継ぎ高さの大きさは、切削部分高さの70%未満とし得る。さらに一層好ましくは、蟻継ぎ高さの大きさは、切削部分高さの50%未満である必要がある。しかしながら、蟻継ぎ高さの大きさは、切削部分高さの30%超であることが好ましい。
xli. 切削インサートは中実構成を有し得る。切削インサートは、貫通孔を持っていないとし得る。
xlii. 切削インサートは、インサート基面から離れる方向に、滑り止め配置構成から延在するテーパ部分を含み得る。
xliii. 工具は、前後方向を規定する中心軸を有し得る。中心軸は回転軸とし得る。
xliv. 工具は、工具の前部分に配置された切削端部を含み得る。
xlv. 工具は、工具周囲面を含み得る。工具周囲面は、円周方向に延在し得る。工具周囲面は、工具切削端部から後方に延在する。
xlvi. 工具周囲領域は、切削端部および/または工具周囲面に沿って延在し得る。
xlvii. 工具は、インサート座領域を含み得る。
xlviii. インサート座領域は、工具切削端部に隣接し得る。インサート座領域は、工具基面を含み得る。インサート座領域は、凹部を含み得る。インサート座領域は、第1および第2の工具当接面を含み得る。より正確には、第1および第2の工具当接面は凹部に配置され得る。
xlix. 工具は、インサート座領域の反対側に配置された工具内側領域および周囲領域を含み得る。
l. 工具は、第1の端部において工具内側領域に開口しかつそこへと延在するネジ孔を含み得る。
li. 工具は切削方向を有し得る。切削方向は、工具内側領域から工具周囲領域の方へ延在すると定義され得る。
lii. 第1および第2の工具当接面は、工具基面に対して垂直方向から見た図において、工具周囲領域に次第に近づきながら、互いの方へ収束し得る。
liii. 工具基面に対して垂直方向から見た図において、第1の工具蟻継ぎ部分は、第2の工具蟻継ぎ部分と非平行とし得る。
liv. 工具基面に対して垂直方向から見た図において、第1および第2の工具当接面および工具アクチュエータ面は、三角形の構成にあるとし得る。
lv. 工具は、インサート座領域の反対側に配置された工具内側領域および周囲領域を含み得る。
lvi. 工具はクランプを含み得る。
lvii. クランプは、工具内側領域に配置され得る。クランプは、工具アクチュエータ面を備えて形成され得る。クランプは、工具アクチュエータ面を介して切削方向に力を加えるように構成され得る。工具アクチュエータ面を付勢することは、工具基面に平行な平面内においてクランプを動かすことを含み得る。工具アクチュエータ面を付勢することは、クランプの少なくとも一部分を、切削方向に対して横切る方向である運動方向に動かすことを含み得る。クランプを動かすことは、クランプ全体を、切削方向に対して横切る方向である運動方向に動かすことを含み得る。切削方向と運動方向との間に形成された内角である方向角度は、鋭角とし得る。好ましくは、方向角度は、30°〜80°とし得る。クランプの力は、工具の基面に平行な方向に加えられ得る。
lviii. 工具アセンブリは、インサート基面が工具基面に接触するように構成でき、および工具のクランプは、インサートアクチュエータ面に対して工具アクチュエータ面を付勢するように構成される。結果的に、そのような付勢は、第1および第2の工具当接面に対して第1および第2のインサート当接面を付勢し得る、または、より正確には、第1および第2の工具蟻継ぎ部分に対して第1および第2のインサート蟻継ぎ部分を付勢し得る。この配置構成は、工具基面に沿った切削インサートの滑りを防止するように、かつまた工具基面に対してインサート基面にクランプ力を加えるように、構成される。
lix. 工具アクチュエータ面は、工具基面に対して垂直に延在し得る。
lx. 工具は、単一の工具アクチュエータ面のみを含み得る。
lxi. 工具アクチュエータ面は、長尺のおよびプレート状のクランプ突出部の端部に形成され得る。
lxii. クランプおよび/または工具は、クランプを、工具に対して線形運動させるために構成され得る。クランプの線形運動は、工具基面に平行な平面にあるとし得る。クランプの線形運動は、切削方向に対して横切る方向である。
lxiii. 工具は、軌道を備えて形成され得る。軌道は、線形の軌道とし、その内部でクランプが線形運動を行うことができる。軌道は、工具の内壁によって囲まれ得る。軌道およびクランプは、そのそれぞれの位置で内壁とクランプとが連続的に接触するように構成され得る。
lxiv. クランプが、工具アクチュエータ面と内角で鋭角なクランプ角度αを形成するクランプ壁面を有し得る。クランプ角度αは、条件30°<α<80°を満たし得る。
lxv. クランプされた位置では、クランプは、工具の内壁に接触するクランプ壁面を有し得る。
lxvi. 傾斜クランプ面は、上向きに突出するクランプ突起に形成され得る。
lxvii. クランプは、その上向きに突出するクランプ突起を除いて、プレート状とし得る。
lxviii. 工具基面に対して垂直方向から見た図において、第1の工具当接面は、第2の工具当接面よりも長いとし得る。これは、機械加工作業の最中の力の分散の点で、有益とし得る。
lxix. 第1および第2の工具当接面および工具アクチュエータ面は、インサート座領域内では凹まされ得る。より正確には、第1および第2の工具当接面は、座領域の凹部に形成され得る。第1および第2の工具当接面は、工具周囲面および/または工具切削端部の近位にあるとし得る。好ましくは、第1および第2の工具当接面は、工具周囲面と工具切削端部との交差点の近位にあるとし得る。
lxx. 工具または工具アセンブリは、切削インサートを工具に直接クランプするように構成されたネジ締結配置構成を持っていないとし得る。言い方を変えると、工具または工具アセンブリは、切削インサートに接触するネジを持っていないとし得る。
lxxi. 工具アクチュエータ面および第1および第2の工具当接面は、単一の連続的な形状の複数の部分とし得る。例えば、工具アクチュエータ面がクランプ位置にもたらされるとき、この形状は、卵形とし得る。
lxxii. 工具基面は、クランプによって完成される部分を除いて、インサート座領域の凹部の境界全体に沿って延在し得る。工具基面は、クランプによって完成される部分を除いて、連続的に延在し得る。工具は、第1の当接面および第2の当接面を含む単一の連続的な壁を含み得る。
lxxiii. 第1の工具当接面から垂直に延在する工具基面の第1の工具基面幅は、第2の工具当接面から垂直に延在する第2の工具基面幅よりも大きいとし得る。これは、機械加工作業中、および最も特定的には工具の回転中における、力の分散に関して有益とし得る。
lxxiv. 工具滑り止め配置構成およびインサート滑り止め配置構成は、工具基面に平行な平面内でのかつまたそれに対して垂直な方向での切削インサートの運動を防止するように構成され得る。言い方を変えると、滑り止め配置構成の蟻継ぎ部分は、工具基面に対してインサート基面を付勢するように構成された付勢配置構成を構成し得る。
lxxv. 付勢配置構成は、工具基面に沿った切削インサートの滑りを可能にするように構成され得る。可能にされた滑りは、目に見える滑りとし得る。より正確には、工具基面は、切削インサートを載置しかつそこで切削方向におよびその反対方向に動かすことができるようにする十分なサイズにされ得る。工具への切削インサートのクランプは、工具基面に沿った切削インサートのインサート基面の摺動運動を含み得る。
lxxvi. 工具アセンブリは、その切削インサートの周囲に接触するその工具の唯一の接触面が、工具アクチュエータ面および第1および第2の工具当接面であるように、構成され得る。
lxxvii. 工具アセンブリは、クランプされた位置において、切削インサートおよび工具の唯一の接触面が工具およびインサートアクチュエータ面、第1および第2の当接面および基面であるように、構成され得る。言い方を変えると、切削インサートおよび/または工具は、互いに正確に4つの面で接触するように、構成される。
lxxviii. 第1および第2の工具当接面は、互いに対して非対称的に位置決めされ得る(すなわち、それらは、二等分面(bisection plane)に対して相対的に異なって位置決めされる)。第1および第2の工具当接面は、互いに対して非対称的なサイズにされることにも留意されたい。
lxxix. 第1および第2の工具当接面は、工具と一体的に形成され得る。
lxxx. 第1および第2のインサート当接面は、切削インサートと一体的に形成され得る。
lxxxi. 方法は、インサート基面が工具基面に接触する位置において、工具に切削インサートを取り付けること、およびインサートアクチュエータ面に対してクランプの工具アクチュエータ面を付勢し、それにより、非平行な第1および第2のインサート当接面をそれぞれ非平行な第1および第2の工具当接面に押し付けることを含み得る。
lxxxii. 方法は:工具基面を含むインサート座領域;インサート座領域の対向する両側に配置された工具内側領域および周囲領域;および、工具滑り止め配置構成を含む工具を含み;工具滑り止め配置構成は、工具基面に隣接して形成されかつ互いにおよび工具基面に対して非平行である第1および第2の工具当接面、および工具内側領域に配置されかつ工具基面に対して垂直に向けられた工具アクチュエータ面を含むクランプを含み;切削インサートは、インサート周囲面によって接続される、互いに対向するインサート上面および基面、切れ刃、およびインサート基面に隣接して形成されたインサート滑り止め配置構成を含み;インサート滑り止め配置構成は、互いにおよびインサート基面に対して非平行である第1および第2のインサート当接面、およびインサート基面に対して垂直に向けられたインサートアクチュエータ面を含む、方法であって;この方法は:インサート基面が工具基面に接触する位置において、工具に切削インサートを取り付けること;およびインサートアクチュエータ面に対してクランプの工具アクチュエータ面を付勢し、それにより、工具基面に沿った切削インサートの滑りを防止することおよびそれらの間にクランプ力をもたらすことの双方のために、第1および第2のインサート当接面の蟻継ぎ部分をそれぞれ、第1および第2の工具当接面の蟻継ぎ部分に対して付勢することを含む。
【0024】
図面の簡単な説明
[0024]本出願の主題をより良く理解するため、およびそれを実際にどのように実施し得るかを示すために、ここで、添付図面を参照し得る。