【実施例】
【0141】
(実施例1)
成熟miR−34aのガイド鎖およびパッセンジャー鎖の配列情報(miRBase Accession No. MI0000268)に基づいて、付加配列(スペーサー)の塩基長の異なる種々の本発明の天然型miRNAを合成し、培養細胞に導入して、標的遺伝子であるAXL mRNAの発現抑制効果を調べた。
【0142】
(1)miRNAの合成
ポジティブコントロールのmiRNAとして、以下に示すガイド鎖(配列番号1)およびパッセンジャー鎖(配列番号2)からなる、二本鎖のヒト成熟miR−34a(NI−0208)、並びに、前記ガイド鎖と前記パッセンジャー鎖とを、pre−miR−34aのループ領域の配列を介して連結した一本鎖の天然型miR−34a(NM−0004)を合成した。
また、ネガティブコントロールとして、核酸データベース上で登録されているすべての配列に相補性を有さない配列とそれに相補的な配列とからなる二本鎖RNA(NI−0000)を合成した。
【0143】
【化16】
【0144】
前記配列中、アスタリスクは対応するガイド鎖塩基と非相補的である塩基を示す。
【0145】
下記配列において、下線部は前記ガイド鎖配列であり、小文字は前記パッセンジャー鎖配列である。
NM−0004(配列番号11)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUGUGAGCAAUAGUAAGGAAGcaaucagcaaguauacugcccu-3’
NI−0208(配列番号1/配列番号2)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU-3’/5’-caaucagcaaguauacugcccu-3’
NI−0000(配列番号12/配列番号13)
5’-UACUAUUCGACACGCGAAGTT-3’/5’-CUUCGCGUGUCGAAUAGUATT-3’
【0146】
実施例の天然型miRNAとして、前記ガイド鎖(配列番号1)と付加配列(0、3、5または7塩基長)とからなるX領域と、前記パッセンジャー鎖の5’末端に、前記ガイド鎖のオーバーハング部分および前記付加配列に完全相補的な配列を有するY領域とが、下記式のプロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を介して連結している天然型miR−34aを合成した。前記天然型miRNAの合成において、下記式のプロリン誘導体の非ヌクレオチド構造は、L−プロリンジアミドアミダイト(WO2012/017919参照)を使用することにより導入した。
【0147】
【化17】
【0148】
【化18】
【0149】
前記配列中、アスタリスクは対応するガイド鎖塩基と非相補的である塩基を示す。また、「spacer」の後の数字は、前記X領域の付加配列の塩基長を示す。
【0150】
下記配列において、下線部は前記ガイド鎖配列であり、小文字は前記パッセンジャー鎖配列である。また、[P]は前記プロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を示す。
PH−0036(配列番号14)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU-[P]-Acaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0038(配列番号15)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCC-[P]-GGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0066(配列番号16)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCCGG-[P]-CCGGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0068(配列番号17)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCCGGCC-[P]-GGCCGGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
【0151】
(2)AXL遺伝子の発現量の測定
前記各RNAを、2μmol/Lとなるように、注射用蒸留水(大塚製薬)に溶解し、RNA溶液を調製した。
【0152】
細胞は、H1299細胞(ATCC)を使用した。培地は、10%FBSを含むRPMI Medium 1640(Life Technologies)を使用した。培養条件は、37℃、5%CO
2下とした。
【0153】
まず、細胞を、前記培地中で培養し、その培養液を、24穴プレートに、400μLずつ、4×10
4細胞/ウェルとなるように分注した。さらに、前記RNAを(A)トランスフェクション試薬Lipofectamine RNAiMAX(Life Technologies)を用い、前記トランスフェクション試薬の添付プロトコールに従って、トランスフェクションした。具体的には、前記ウェルあたりの組成を以下のように設定し、トランスフェクションを行った。下記組成において、(B)は、Opti−MEM(Life Technologies)、(C)は、2μmol/L 前記RNA溶液であり、両者をあわせて98.5μL添加した。なお、前記ウェルにおいて、前記RNAの最終濃度は、1nmol/Lとした。
【0154】
【表1】
【0155】
トランスフェクション後、前記ウェル中の細胞を24時間培養した後、RNeasy Mini Kit(Qiagen、オランダ)を用い、添付のプロトコールに従って、RNAを回収した。次に、トランスクリプターファーストストランドcDNA合成キット(Roche)を用い、添付のプロトコールに従って、前記RNAからcDNAを合成した。そして、以下に示すように、合成した前記cDNAを鋳型としてPCRを行い、AXL遺伝子の発現量および内部標準であるGAPDH遺伝子の発現量を測定した。前記AXL遺伝子の発現量は、前記GAPDH遺伝子の発現量により補正した。
【0156】
前記PCRは、試薬としてLightCycler 480 SYBR Green I Master(商品名、Roche)、機器としてLightCycler 480 Instrument II(商品名、Roche)を用いた(以下、同様)。前記AXL遺伝子およびGAPDH遺伝子の増幅には、それぞれ、以下のプライマーセットを使用した。
AXL遺伝子用PCRプライマーセット
(配列番号18) 5’-CTCAACCAGGACGACTCCAT-3’
(配列番号19) 5’-AGACCGCTTCACTCAGGAAA-3’
GAPDH遺伝子用プライマーセット
(配列番号20) 5’-ATGGGGAAGGTGAAGGTCG-3’
(配列番号21) 5’-GGGTCATTGATGGCAACAATATC-3’
【0157】
なお、コントロール1として、前記培養液に前記(B)液100μLのみを添加した細胞についても、遺伝子発現量を測定した(−)。また、コントロール2として、トランスフェクションにおいて、前記RNA溶液を未添加とし、前記(A)1.5μLと前記(B)とを合計100μL添加した以外は、同様にして処理した細胞についても、遺伝子発現量を測定した(mock)。
【0158】
補正後のAXL遺伝子の発現量について、コントロール(−)の細胞における発現量を1として、各RNAを導入した細胞での発現量の相対値を求めた。
【0159】
(3)結果
図2に示すように、実施例の天然型miR−34aは、ポジティブコントロールの成熟miR−34aやpre−miR−34a改変体と同程度に、AXL mRNAの発現を抑制した。また、X領域の付加配列の塩基長を変化させても、AXL mRNAの発現抑制効果は維持された。
【0160】
(実施例2)
次に、実施例1の天然型miR−34a(PH−0036)において、リンカー領域の非ヌクレオチド構造を改変して、同様にAXL mRNAの発現抑制効果を調べた。
【0161】
(1)miRNAの合成
以下に示すように、PH−0036のリンカー領域を、
下記式のリシン誘導体の非ヌクレオチド構造に置換した分子(KH−0006)、
【0162】
【化19】
【0163】
下記式のグリシン誘導体の非ヌクレオチド構造に置換した分子(XH−0011)、
【0164】
【化20】
【0165】
下記式のグリシルグリシン誘導体の非ヌクレオチド構造に置換した分子(XH−0013)、
【0166】
【化21】
【0167】
前記化学式(G2)中のGlyGlyは、下記化学式(GlyGly)で表される原子団であり、ただし、下記化学式(GlyGly)中の末端のカルボニル炭素は、上記化学式(G2)中のN原子に結合しており、下記化学式(GlyGly)中の末端の窒素原子は、上記化学式(G2)のカルボニル炭素に結合している。
【0168】
【化22】
【0169】
並びに、下記式のテレフタル酸誘導体の非ヌクレオチド構造に置換した分子(XH−0015)、
【0170】
【化23】
【0171】
をそれぞれ合成した。前記リシン誘導体の非ヌクレオチド構造は、L−リシンアミドアミダイト(WO2013/103146参照)を、前記グリシン誘導体の非ヌクレオチド構造は、グリシンアミドアミダイト(WO2013/103146参照)を、前記グリシルグリシン誘導体の非ヌクレオチド構造は、グリシルグリシンアミドアミダイト(WO2013/133221参照)を、前記テレフタル酸誘導体の非ヌクレオチド構造は、テレフタル酸アミダイト(WO2013/133221参照)を、それぞれ使用することにより導入した。
【0172】
【化24】
【0173】
下記配列において、[K]は前記リシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[Gly]は前記グリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[GlyGly]は前記グリシルグリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[TP]は前記テレフタル酸誘導体の非ヌクレオチド構造を、それぞれ示す。また、下記配列において、各リンカーの5’側領域がX領域であり、前記X領域において、下線部は前記ガイド鎖配列であり、その他が前記付加配列であり、各リンカーの3’側領域がY領域であり、前記Y領域において、小文字は前記パッセンジャー鎖配列である。
KH−0006(配列番号14)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU-[K]-Acaaucagcaaguauacugcccu-3’
XH−0011(配列番号14)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU-[Gly]-Acaaucagcaaguauacugcccu-3’
XH−0013(配列番号14)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU-[GlyGly]-Acaaucagcaaguauacugcccu-3’
XH−0015(配列番号14)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU-[TP]-Acaaucagcaaguauacugcccu-3’
実施例1と同様に、ポジティブコントロールとして、NM−0004およびNI−0208を、ネガティブコントロールとして、NI−0000を用いた。
【0174】
(2)AXL遺伝子の発現量の測定
実施例1と同様の方法により、前記各RNAでH1299細胞(ATCC)をトランスフェクトし、AXL mRNAの発現量を求めた。
【0175】
(3)結果
図3に示すように、リンカー領域の非ヌクレオチド構造を改変しても、AXL mRNAの発現抑制効果は維持された。
【0176】
(実施例3)
次に、実施例2で用いた、テレフタル酸誘導体の非ヌクレオチド構造のリンカー領域を有するXH−0015について、X領域に付加配列を導入した場合の効果について調べた。使用した天然型miR−34aの構造および配列を以下に示す。
【0177】
【化25】
【0178】
前記配列中、アスタリスクは対応するガイド鎖塩基と非相補的である塩基を示す。また、「spacer」は、前記X領域が付加配列を含むことを示す。
【0179】
下記配列において、下線部は前記ガイド鎖配列であり、小文字は前記パッセンジャー鎖配列である。また、[TP]は前記テレフタル酸誘導体の非ヌクレオチド構造を示す。
XH−0015(配列番号14)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU-[TP]-Acaaucagcaaguauacugcccu-3’
XH−0024(配列番号15)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCC-[TP]-GGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
【0180】
実施例1と同様の方法により、前記各RNAでH1299細胞(ATCC)をトランスフェクトし、AXL mRNAの発現量を求めた。
その結果、
図4に示すように、X領域に付加配列を加えても、AXL mRNAの発現抑制効果は維持された。
【0181】
(実施例4)
成熟let−7aのガイド鎖およびパッセンジャー鎖の配列情報(miRBase Accession No. MI0000060)に基づいて、リンカー領域の非ヌクレオチド構造の異なる種々の本発明の天然型miRNAを合成し、培養細胞に導入して、標的遺伝子であるHMGA2 mRNAの発現抑制効果を調べた。プロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を有するリンカーを用いたものについては、X領域に付加配列を導入したものも合成した。
【0182】
(1)miRNAの合成
ポジティブコントロールのmiRNAとして、以下に示すガイド鎖(配列番号3)およびパッセンジャー鎖(配列番号4)からなる、二本鎖のヒト成熟let−7a(NI−0205)、並びに、前記ガイド鎖と前記パッセンジャー鎖とを、pre−let−7aのループ領域の配列を介して連結した一本鎖の天然型let−7a(NM−0003)を合成した。
また、ネガティブコントロールとして、前記NI−0000を使用した。
【0183】
【化26】
【0184】
前記配列中、アスタリスクは対応するガイド鎖塩基と非相補的である塩基を示す。
【0185】
下記配列において、下線部は前記ガイド鎖配列であり、小文字は前記パッセンジャー鎖配列である。
NM−0003(配列番号22)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUUUUAGGGUCACACCCACCACUGGGAGAUAAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
NI−0205(配列番号3/配列番号4)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUU-3’/5’-cuauacaaucuacugucuuuc-3’
【0186】
以下に示すように、前記ガイド鎖(配列番号3)と付加配列(0、3塩基長)とからなるX領域と、前記パッセンジャー鎖の5’末端に、前記ガイド鎖のオーバーハング部分および前記付加配列に完全相補的な配列を有するY領域とが、前記プロリン誘導体([P])、リシン誘導体([K])、グリシン誘導体([Gly])、グリシルグリシン誘導体([GlyGly])またはテレフタル酸誘導体([TP])のリンカーを介して連結している種々の天然型let−7aを合成した。前記天然型miRNAの合成において、各非ヌクレオチド構造は、実施例1および2と同様にして導入した。
【0187】
【化27】
【0188】
前記配列において、「spacer」は、前記X領域が付加配列を含むことを示す。
【0189】
下記配列において、[P]は前記プロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[K]は前記リシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[Gly]は前記グリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[GlyGly]は前記グリシルグリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[TP]は前記テレフタル酸誘導体の非ヌクレオチド構造を、それぞれ示す。また、下記配列において、各リンカーの5’側領域がX領域であり、前記X領域において、下線部は前記ガイド鎖配列であり、その他が前記付加配列であり、各リンカーの3’側領域がY領域であり、前記Y領域において、小文字は前記パッセンジャー鎖配列である。
PH−0011(配列番号23)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUU-[P]-AAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
KH−0003(配列番号23)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUU-[K]-AAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
XH−0002(配列番号23)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUU-[Gly]-AAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
XH−0004(配列番号23)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUU-[GlyGly]-AAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
XH−0006(配列番号23)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUU-[TP]-AAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
PH−0014(配列番号24)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUUUCC-[P]-GGAAAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
【0190】
(2)HMGA2遺伝子の発現量の測定
前記各RNAを、0.2μmol/Lとなるように、注射用蒸留水(大塚製薬)に溶解し、RNA溶液を調製した。
【0191】
細胞は、A549細胞(DSファーマバイオメディカル)を使用した。培地は、10%FBSを含むDMEM(Life Technologies)を使用した。培養条件は、37℃、5%CO
2下とした。
【0192】
まず、細胞を、前記培地中で培養し、その培養液を、24穴プレートに、400μLずつ、4×10
4細胞/ウェルとなるように分注した。さらに、前記RNAを(A)トランスフェクション試薬Lipofectamine RNAiMAX(Life Technologies)を用い、前記トランスフェクション試薬の添付プロトコールに従って、トランスフェクションした。具体的には、前記ウェルあたりの組成を以下のように設定し、トランスフェクションを行った。下記組成において、(B)は、Opti−MEM(Life Technologies)、(C)は、0.2μmol/L 前記RNA溶液であり、両者をあわせて98.5μL添加した。なお、前記ウェルにおいて、前記RNAの最終濃度は、0.1nmol/Lとした。
【0193】
【表2】
【0194】
トランスフェクション後、前記ウェル中の細胞を24時間培養した後、RNeasy Mini Kit(Qiagen、オランダ)を用い、添付のプロトコールに従って、RNAを回収した。次に、トランスクリプターファーストストランドcDNA合成キット(Roche)を用い、添付のプロトコールに従って、前記RNAからcDNAを合成した。そして、以下に示すように、合成した前記cDNAを鋳型としてPCRを行い、HMGA2遺伝子の発現量および内部標準であるGAPDH遺伝子の発現量を測定した。前記HMGA2遺伝子の発現量は、前記GAPDH遺伝子の発現量により補正した。
【0195】
前記PCRは、試薬としてLightCycler 480 SYBR Green I Master(商品名、Roche)、機器としてLightCycler 480 Instrument II(商品名、Roche)を用いた(以下、同様)。前記HMGA2遺伝子およびGAPDH遺伝子の増幅には、それぞれ、以下のプライマーセットを使用した。
HMGA2遺伝子用PCRプライマーセット
(配列番号25) 5’-GAAGCCACTGGAGAAAAACG-3’
(配列番号26) 5’-CTTCGGCAGACTCTTGTGAG-3’
GAPDH遺伝子用プライマーセット
(配列番号20) 5’-ATGGGGAAGGTGAAGGTCG-3’
(配列番号21) 5’-GGGTCATTGATGGCAACAATATC-3’
【0196】
なお、コントロール1として、前記培養液に前記(B)液100μLのみを添加した細胞についても、遺伝子発現量を測定した(−)。また、コントロール2として、トランスフェクションにおいて、前記RNA溶液を未添加とし、前記(A)1.5μLと前記(B)とを合計100μL添加した以外は、同様にして処理した細胞についても、遺伝子発現量を測定した(mock)。
【0197】
補正後のHMGA2遺伝子の発現量について、コントロール(−)の細胞における発現量を1として、各RNAを導入した細胞での発現量の相対値を求めた。
【0198】
(3)結果
図5に示すように、実施例の天然型let−7aは、ポジティブコントロールの成熟let−7aやpre−let−7a改変体と同程度に、HMGA2 mRNAの発現を抑制した。また、リンカーの非ヌクレオチド構造を改変したり、X領域に付加配列を導入したりしても、HMGA2 mRNAの発現抑制効果は維持された。
【0199】
(実施例5)
成熟miR−29bのガイド鎖およびパッセンジャー鎖の配列情報(miRBase Accession No. MI0000105)に基づいて、リンカー領域の非ヌクレオチド構造の異なる種々の本発明の天然型miRNAを合成し、培養細胞に導入して、標的遺伝子であるCOL1A1 mRNAの発現抑制効果を調べた。プロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を有するリンカーを用いたものについては、X領域に付加配列を導入したものも合成した。
【0200】
(1)miRNAの合成
ポジティブコントロールのmiRNAとして、以下に示すガイド鎖(配列番号9)およびパッセンジャー鎖(配列番号10)からなる、二本鎖のヒト成熟miR−29b(NI−0210)、並びに、前記ガイド鎖と前記パッセンジャー鎖とを、pre−miR−29bのループ領域の配列を介して連結した一本鎖の天然型miR−29b(NM−0005)を合成した。
また、ネガティブコントロールとして、前記NI−0000を使用した。
【0201】
【化28】
【0202】
前記配列中、アスタリスクは対応するガイド鎖塩基と非相補的である塩基を示す。
【0203】
下記配列において、下線部は前記ガイド鎖配列であり、小文字は前記パッセンジャー鎖配列である。
NM−0005(配列番号27)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUUAAAUAGUGAUUGUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
NI−0210(配列番号10/配列番号9)
5’-gcugguuucauauggugguuuaga-3’/5’-
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
【0204】
以下に示すように、前記パッセンジャー鎖(配列番号10)と付加配列(0、3塩基長)とからなるX領域と、前記ガイド鎖の5’末端に、前記パッセンジャー鎖のオーバーハング部分および前記付加配列に完全相補的な配列を有するY領域とが、前記プロリン誘導体([P])、リシン誘導体([K])、グリシン誘導体([Gly])、グリシルグリシン誘導体([GlyGly])またはテレフタル酸誘導体([TP])のリンカーを介して連結している種々の天然型miR−29bを合成した。前記天然型miRNAの合成において、各非ヌクレオチド構造は、実施例1および2と同様にして導入した。
【0205】
【化29】
【0206】
前記配列中、アスタリスクは対応するガイド鎖塩基と非相補的である塩基を示す。また、「spacer」は、前記X領域が付加配列を含むことを示す。
【0207】
下記配列において、[P]は前記プロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[K]は前記リシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[Gly]は前記グリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[GlyGly]は前記グリシルグリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[TP]は前記テレフタル酸誘導体の非ヌクレオチド構造を、それぞれ示す。また、下記配列において、各リンカーの5’側領域がX領域であり、前記X領域において、小文字は前記パッセンジャー鎖配列であり、その他が前記付加配列であり、各リンカーの3’側領域がY領域であり、前記Y領域において、下線部は前記ガイド鎖配列である。
PH−0040(配列番号28)
5’-gcugguuucauauggugguuuaga-[P]-UC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
KH−0008(配列番号28)
5’-gcugguuucauauggugguuuaga-[K]-UC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
XH−0017(配列番号28)
5’-gcugguuucauauggugguuuaga-[Gly]-UC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
XH−0019(配列番号28)
5’-gcugguuucauauggugguuuaga-[GlyGly]-UC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
XH−0021(配列番号28)
5’-gcugguuucauauggugguuuaga-[TP]-UC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0042(配列番号29)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCC-[P]-GGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
また、ネガティブコントロールとして、実施例1で合成したNI−0000を使用した。
【0208】
(2)COL1A1遺伝子の発現量の測定
前記各RNAを、2μmol/Lとなるように、注射用蒸留水(大塚製薬)に溶解し、RNA溶液を調製した。
【0209】
細胞は、A549細胞(DSファーマバイオメディカル)を使用した。培地は、10%FBSを含むDMEM(Life Technologies)を使用した。培養条件は、37℃、5%CO
2下とした。
【0210】
まず、細胞を、前記培地中で培養し、その培養液を、24穴プレートに、400μLずつ、4×10
4細胞/ウェルとなるように分注した。さらに、前記RNAを(A)トランスフェクション試薬Lipofectamine RNAiMAX(Life Technologies)を用い、前記トランスフェクション試薬の添付プロトコールに従って、トランスフェクションした。具体的には、前記ウェルあたりの組成を以下のように設定し、トランスフェクションを行った。下記組成において、(B)は、Opti−MEM(Life Technologies)、(C)は、2μmol/L 前記RNA溶液であり、両者をあわせて98.5μL添加した。なお、前記ウェルにおいて、前記RNAの最終濃度は、1nmol/Lとした。
【0211】
【表3】
【0212】
トランスフェクション後、前記ウェル中の細胞を24時間培養した後、RNeasy Mini Kit(Qiagen、オランダ)を用い、添付のプロトコールに従って、RNAを回収した。次に、トランスクリプターファーストストランドcDNA合成キット(Roche)を用い、添付のプロトコールに従って、前記RNAからcDNAを合成した。そして、以下に示すように、合成した前記cDNAを鋳型としてPCRを行い、COL1A1遺伝子の発現量および内部標準であるGAPDH遺伝子の発現量を測定した。前記COL1A1遺伝子の発現量は、前記GAPDH遺伝子の発現量により補正した。
【0213】
前記PCRは、試薬としてLightCycler 480 SYBR Green I Master(商品名、Roche)、機器としてLightCycler 480 Instrument II(商品名、Roche)を用いた(以下、同様)。前記COL1A1遺伝子およびGAPDH遺伝子の増幅には、それぞれ、以下のプライマーセットを使用した。
COL1A1遺伝子用PCRプライマーセット
(配列番号30) 5’-CCCAAGGACAAGAGGCATGT-3’
(配列番号31) 5’-CCGCCATACTCGAACTGGAA-3’
GAPDH遺伝子用プライマーセット
(配列番号20) 5’-ATGGGGAAGGTGAAGGTCG-3’
(配列番号21) 5’-GGGTCATTGATGGCAACAATATC-3’
【0214】
なお、コントロール1として、前記培養液に前記(B)液100μLのみを添加した細胞についても、遺伝子発現量を測定した(−)。また、コントロール2として、トランスフェクションにおいて、前記RNA溶液を未添加とし、前記(A)1.5μLと前記(B)とを合計100μL添加した以外は、同様にして処理した細胞についても、遺伝子発現量を測定した(mock)。
【0215】
補正後のCOL1A1遺伝子の発現量について、コントロール(−)の細胞における発現量を1として、各RNAを導入した細胞での発現量の相対値を求めた。
【0216】
(3)結果
図6に示すように、実施例の天然型miR−29bは、ポジティブコントロールの成熟miR−29bやpre−miR−29b改変体と同程度に、COL1A1 mRNAの発現を抑制した。また、リンカーの非ヌクレオチド構造を改変したり、X領域に付加配列を導入したりしても、COL1A1 mRNAの発現抑制効果は維持された。
【0217】
(実施例6)
成熟miR−34aのガイド鎖およびパッセンジャー鎖の配列情報(miRBase Accession No. MI0000268)に基づいて、リンカー領域の非ヌクレオチド構造およびX領域の付加配列の塩基長が異なる、種々の本発明の天然型miRNAを合成し、培養細胞に導入して、標的遺伝子であるAXL mRNAの発現抑制効果を調べた。
【0218】
(1)miRNAの合成
実施例1と同様の方法により、ガイド鎖(配列番号1)と付加配列(0、3、5または7塩基長)とからなるX領域と、パッセンジャー鎖の5’末端に、前記ガイド鎖のオーバーハング部分および前記付加配列に完全相補的な配列を有するY領域とが、プロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を介して連結している天然型miR−34a(PH−0036、PH−0038、PH−0066およびPH−0068)を合成した。
【0219】
また、上記天然型miR−34aのうち、付加配列が0、3または5塩基長である天然型miR−34a(PH−0036、PH−0038およびPH−0066)において、実施例2と同様の方法により、リンカー領域の非ヌクレオチド構造を改変した天然型miR−34aを合成した。
【0220】
【化30】
【0221】
下記配列において、[K]はリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[TP]はテレフタル酸誘導体の非ヌクレオチド構造を、[Gly]はグリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[GlyGly]はグリシルグリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、それぞれ示す。また、下記配列において、各リンカーの5’側領域がX領域であり、前記X領域において、下線部はガイド鎖配列であり、その他が前記付加配列であり、各リンカーの3’側領域がY領域であり、前記Y領域において、小文字はパッセンジャー鎖配列である。
KH−0006(配列番号14)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU-[K]-Acaaucagcaaguauacugcccu-3’
KH−0018(配列番号15)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCC-[K]-GGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
KH−0019(配列番号16)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCCGG-[K]-CCGGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
XH−0015(配列番号14)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU-[TP]-Acaaucagcaaguauacugcccu-3’
XH−0024(配列番号15)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCC-[TP]-GGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
XH−0042(配列番号16)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCCGG-[TP]-CCGGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
XH−0011(配列番号14)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU-[Gly]-Acaaucagcaaguauacugcccu-3’
XH−0043(配列番号15)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCC-[Gly]-GGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
XH−0044(配列番号16)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCCGG-[Gly]-CCGGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
XH−0013(配列番号14)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU-[GlyGly]-Acaaucagcaaguauacugcccu-3’
XH−0045(配列番号15)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCC-[GlyGly]-GGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
XH−0046(配列番号16)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCCGG-[GlyGly]-CCGGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
また、ポジティブコントロールとして、実施例1のNI−0208を用いた。
(2)AXL遺伝子の発現量の測定
前記各RNAの最終濃度が2nmol/Lである点以外は、実施例1と同様の方法により、AXL遺伝子の発現量を求めた。
(3)結果
図7に示すように、実施例の天然型miR−34aは、ポジティブコントロールのpre−miR−34a改変体と同程度に、AXL mRNAの発現を抑制した。また、リンカーの非ヌクレオチド構造を改変したり、X領域に付加配列を導入したりしても、AXL mRNAの発現抑制効果は維持された。
【0222】
(実施例7)
成熟let−7aのガイド鎖およびパッセンジャー鎖の配列情報(miRBase Accession No. MI0000060)に基づいて、リンカー領域の非ヌクレオチド構造およびX領域の付加配列の塩基長が異なる、種々の本発明の天然型miRNAを合成し、培養細胞に導入して、標的遺伝子であるHMGA2 mRNAの発現抑制効果を調べた。
【0223】
(1)miRNAの合成
実施例4と同様の方法により、ガイド鎖(配列番号3)と付加配列(0、3または5塩基長)とからなるX領域と、パッセンジャー鎖の5’末端に、前記ガイド鎖のオーバーハング部分および前記付加配列に完全相補的な配列を有するY領域とが、プロリン誘導体([P])、リシン誘導体([K])、テレフタル酸誘導体([TP])、グリシン誘導体([Gly])またはグリシルグリシン誘導体([GlyGly])のリンカーを介して連結している種々の天然型let−7aを合成した。前記天然型miRNAの合成において、各非ヌクレオチド構造は、実施例1および2と同様にして導入した。
【0224】
【化31】
【0225】
下記配列において、[P]はプロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[K]はリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[TP]はテレフタル酸誘導体の非ヌクレオチド構造を、[Gly]はグリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[GlyGly]はグリシルグリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、それぞれ示す。また、下記配列において、各リンカーの5’側領域がX領域であり、前記X領域において、下線部は前記ガイド鎖配列であり、その他が前記付加配列であり、各リンカーの3’側領域がY領域であり、前記Y領域において、小文字は前記パッセンジャー鎖配列である。
PH−0011(配列番号23)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUU-[P]-AAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
PH−0014(配列番号24)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUUUCC-[P]-GGAAAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
PH−0107(配列番号32)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUUUCCGG-[P]-CCGGAAAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
KH−0003(配列番号23)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUU-[K]-AAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
KH−0020(配列番号24)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUUUCC-[K]-GGAAAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
KH−0021(配列番号32)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUUUCCGG-[K]-CCGGAAAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
XH−0006(配列番号23)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUU-[TP]-AAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
XH−0047(配列番号24)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUUUCC-[TP]-GGAAAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
XH−0048(配列番号32)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUUUCCGG-[TP]-CCGGAAAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
XH−0002(配列番号23)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUU-[Gly]-AAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
XH−0049(配列番号24)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUUUCC-[Gly]-GGAAAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
XH−0050(配列番号32)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUUUCCGG-[Gly]-CCGGAAAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
XH−0004(配列番号23)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUU-[GlyGly]-AAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
XH−0051(配列番号24)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUUUCC-[GlyGly]-GGAAAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
XH−0052(配列番号32)
5’-
UGAGGUAGUAGGUUGUAUAGUUUCCGG-[GlyGly]-CCGGAAAcuauacaaucuacugucuuuc-3’
また、ポジティブコントロールとして、実施例4のNI−0205を用いた。
【0226】
(2)HMGA2遺伝子の発現量の測定
前記各RNAを導入する細胞がHepG2(ATCC)である点、および前記各RNAの最終濃度が0.2nmol/Lである点以外は、実施例4と同様の方法により、HMGA2遺伝子の発現量を求めた。
【0227】
(3)結果
図8に示すように、実施例の天然型let−7aは、ポジティブコントロールのpre−let−7a改変体と同程度に、HMGA2 mRNAの発現を抑制した。また、リンカーの非ヌクレオチド構造を改変したり、X領域に付加配列を導入したりしても、HMGA2 mRNAの発現抑制効果は維持された。
【0228】
(実施例8)
成熟miR−29bのガイド鎖およびパッセンジャー鎖の配列情報(miRBase Accession No. MI0000105)に基づいて、リンカー領域の非ヌクレオチド構造およびX領域の付加配列の塩基長が異なる、種々の本発明の天然型miRNAを合成し、培養細胞に導入して、標的遺伝子であるCOL1A1 mRNAの発現抑制効果を調べた。
【0229】
(1)miRNAの合成
実施例5と同様の方法により、パッセンジャー鎖(配列番号10)と付加配列(0、3または5塩基長)とからなるX領域と、ガイド鎖の5’末端に、前記パッセンジャー鎖のオーバーハング部分および前記付加配列に完全相補的な配列を有するY領域とが、プロリン誘導体([P])、リシン誘導体([K])、テレフタル酸誘導体([TP])、グリシン誘導体([Gly])またはグリシルグリシン誘導体([GlyGly])のリンカーを介して連結している種々の天然型miR−29bを合成した。前記天然型miRNAの合成において、各非ヌクレオチド構造は、実施例1および2と同様にして導入した。
【0230】
【化32】
【0231】
下記配列において、[P]はプロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[K]はリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[TP]はテレフタル酸誘導体の非ヌクレオチド構造を、[Gly]はグリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[GlyGly]はグリシルグリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、それぞれ示す。また、下記配列において、各リンカーの5’側領域がX領域であり、前記X領域において、小文字は前記パッセンジャー鎖配列であり、その他が前記付加配列であり、各リンカーの3’側領域がY領域であり、前記Y領域において、下線部は前記ガイド鎖配列である。
PH−0040(配列番号28)
5’-gcugguuucauauggugguuuaga-[P]-UC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0042(配列番号29)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCC-[P]-GGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0108(配列番号33)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCCGG-[P]-CCGGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
KH−0008(配列番号28)
5’-gcugguuucauauggugguuuaga-[K]-UC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
KH−0022(配列番号29)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCC-[K]-GGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
KH−0023(配列番号33)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCCGG-[K]-CCGGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
XH−0021(配列番号28)
5’-gcugguuucauauggugguuuaga-[TP]-UC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
XH−0053(配列番号29)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCC-[TP]-GGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
XH−0054(配列番号33)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCCGG-[TP]-CCGGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
XH−0017(配列番号28)
5’-gcugguuucauauggugguuuaga-[Gly]-UC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
XH−0055(配列番号29)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCC-[Gly]-GGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
XH−0056(配列番号33)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCCGG-[Gly]-CCGGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
XH−0019(配列番号28)
5’-gcugguuucauauggugguuuaga-[GlyGly]-UC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
XH−0057(配列番号29)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCC-[GlyGly]-GGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
XH−0058(配列番号33)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCCGG-[GlyGly]-CCGGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
また、ポジティブコントロールとして、実施例5のNI−0210を用いた。
【0232】
(2)COL1A1遺伝子の発現量の測定
前記各RNAの最終濃度が0.5nmol/Lである点以外は、実施例5と同様の方法により、COL1A1遺伝子の発現量を求めた。
【0233】
(3)結果
図9に示すように、実施例の天然型miR−29bは、ポジティブコントロールのpre−miR−29b改変体と同程度に、COL1A1 mRNAの発現を抑制した。また、リンカーの非ヌクレオチド構造を改変したり、X領域に付加配列を導入したりしても、COL1A1 mRNAの発現抑制効果は維持された。
【0234】
(実施例9)
成熟miR−34aのガイド鎖およびパッセンジャー鎖の配列情報(miRBase Accession No. MI0000268)に基づいて、X領域の付加配列(0、3、5または7塩基長)の塩基配列が異なる種々の本発明の天然型miRNAを合成し、培養細胞に導入して、標的遺伝子であるAXL mRNAの発現抑制効果を調べた。
【0235】
(1)miRNAの合成
実施例1と同様の方法により、ガイド鎖(配列番号1)と付加配列(0、3、5または7塩基長)とからなるX領域と、パッセンジャー鎖の5’末端に、前記ガイド鎖のオーバーハング部分および前記付加配列に相補的な配列(完全相補的または部分相補的な配列)を有するY領域とが、プロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を介して連結している天然型miR−34aを合成した。
【0236】
【化33】
【0237】
前記配列中、アスタリスクは対応するガイド鎖塩基と非相補的である塩基を示す。また、「spacer」の後の数字は、前記X領域の付加配列の塩基長を示す。
【0238】
下記配列において、下線部は前記ガイド鎖配列であり、小文字は前記パッセンジャー鎖配列である。また、[P]は前記プロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を示す。
PH−0036(配列番号14)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU-[P]-Acaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0038(配列番号15)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCC-[P]-GGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0058(配列番号34)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUAA-[P]-UUAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0059(配列番号35)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUGG-[P]-UUAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0060(配列番号36)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUCGG-[P]-CCGAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0061(配列番号37)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUCAA-[P]-UUGAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0062(配列番号38)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUCGG-[P]-UUGAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0063(配列番号39)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUGG-[P]-CCGAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0064(配列番号40)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUAA-[P]-UUGAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0065(配列番号41)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUGG-[P]-UUGAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0066(配列番号16)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCCGG-[P]-CCGGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0067(配列番号42)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUAAUU-[P]-AAUUAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0068(配列番号17)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCCGGCC-[P]-GGCCGGAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
PH−0069(配列番号43)
5’-
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUAAUUAA-[P]-UUAAUUAAcaaucagcaaguauacugcccu-3’
また、ポジティブコントロールとして、実施例1のNI−0208を用いた。
【0239】
(2)AXL遺伝子の発現量の測定
実施例1と同様の方法により、AXL遺伝子の発現量を求めた。
【0240】
(3)結果
図10に示すように、実施例の天然型miR−34aは、ポジティブコントロールのpre−miR−34a改変体と同程度に、AXL mRNAの発現を抑制した。また、X領域の付加配列(3、5または7塩基長)の塩基配列が異なる場合も、AXL mRNAの発現抑制効果は維持された。
【0241】
(実施例10)
成熟miR−29bのガイド鎖およびパッセンジャー鎖の配列情報(miRBase Accession No. MI0000105)に基づいて、X領域の付加配列(0、3、5または7塩基長)の塩基配列が異なる種々の本発明の天然型miRNAを合成し、培養細胞に導入して、標的遺伝子であるCOL1A1 mRNAの発現抑制効果を調べた。
【0242】
(1)miRNAの合成
実施例5と同様の方法により、パッセンジャー鎖(配列番号10)と付加配列(0、3、5または7塩基長)とからなるX領域と、前記ガイド鎖の5’末端に、前記パッセンジャー鎖のオーバーハング部分および前記付加配列に相補的な配列(完全相補的または部分相補的な配列)を有するY領域とが、プロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を介して連結している種々の天然型miR−29bを合成した。
【0243】
【化34】
【0244】
前記配列中、「spacer」の後の数字は、前記X領域の付加配列の塩基長を示す。
【0245】
下記配列において、リンカーの5’側領域がX領域であり、前記X領域において、小文字は前記パッセンジャー鎖配列であり、その他が前記付加配列であり、リンカーの3’側領域がY領域であり、前記Y領域において、下線部は前記ガイド鎖配列である。また、[P]は前記プロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を示す。
PH−0040(配列番号28)
5’-gcugguuucauauggugguuuaga-[P]-UC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0042(配列番号29)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCC-[P]-GGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0109(配列番号44)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUAA-[P]-UUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0110(配列番号45)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUGG-[P]-UUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0111(配列番号46)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaCGG-[P]-CCGUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0112(配列番号47)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaCAA-[P]-UUGUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0113(配列番号48)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaCGG-[P]-UUGUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0114(配列番号49)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUGG-[P]-CCGUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0115(配列番号50)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUAA-[P]-UUGUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0116(配列番号51)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUGG-[P]-UUGUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0108(配列番号33)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCCGG-[P]-CCGGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0117(配列番号52)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUAAUU-[P]-AAUUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0118(配列番号53)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUCCGGCC-[P]-GGCCGGAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0119(配列番号54)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUAAUUAA-[P]-UUAAUUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
また、ポジティブコントロールとして、実施例5のNI−0210を用いた。
【0246】
(2)COL1A1遺伝子の発現量の測定
前記各RNAの最終濃度が0.5nmol/Lである点以外は、実施例5と同様の方法により、COL1A1遺伝子の発現量を求めた。
【0247】
(3)結果
図11に示すように、実施例の天然型miR−29bは、ポジティブコントロールのpre−miR−29b改変体と同程度に、COL1A1 mRNAの発現を抑制した。また、X領域の付加配列(3、5または7塩基長)の塩基配列が異なる場合も、COL1A1 mRNAの発現抑制効果は維持された。
【0248】
(実施例11)
成熟miR−29bのガイド鎖およびパッセンジャー鎖の配列情報(miRBase Accession No. MI0000105)に基づいて、リンカー領域の非ヌクレオチド構造およびX領域の付加配列(0、4または5塩基長)の塩基配列が異なる、種々の本発明の天然型miRNAを合成し、培養細胞に導入して、標的遺伝子であるCOL1A1 mRNAの発現抑制効果を調べた。
【0249】
(1)miRNAの合成
実施例5と同様の方法により、パッセンジャー鎖(配列番号10)と付加配列(0、4または5塩基長)とからなるX領域と、前記ガイド鎖の5’末端に、前記パッセンジャー鎖のオーバーハング部分および前記付加配列に相補的な配列(完全相補的または部分相補的な配列)を有するY領域とが、プロリン誘導体([P])またはグリシルグリシン誘導体([GlyGly])のリンカーを介して連結している種々の天然型miR−29bを合成した。前記天然型miRNAの合成において、各非ヌクレオチド構造は、実施例1および2と同様にして導入した。
【0250】
【化35】
【0251】
【化36】
【0252】
下記配列において、[P]はプロリン誘導体の非ヌクレオチド構造を、[GlyGly]はグリシルグリシン誘導体の非ヌクレオチド構造を、それぞれ示す。また、下記配列において、各リンカーの5’側領域がX領域であり、前記X領域において、小文字は前記パッセンジャー鎖配列であり、その他が前記付加配列であり、各リンカーの3’側領域がY領域であり、前記Y領域において、下線部は前記ガイド鎖配列である。
PH−0040(配列番号28)
5’-gcugguuucauauggugguuuaga-[P]-UC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0117(配列番号52)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUAAUU-[P]-AAUUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0120(配列番号55)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUUUU-[P]-AAAAAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0121(配列番号56)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUUUA-[P]-UAAAAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0122(配列番号57)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUUAU-[P]-AUAAAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0123(配列番号58)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUAUU-[P]-AAUAAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0124(配列番号59)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUAUUU-[P]-AAAUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0125(配列番号60)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUUAA-[P]-UUAAAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0126(配列番号61)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUAUA-[P]-UAUAAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0127(配列番号62)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUAUUA-[P]-UAAUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0128(配列番号63)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUAAU-[P]-AUUAAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0129(配列番号64)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUAUAU-[P]-AUAUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0130(配列番号65)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUAAA-[P]-UUUAAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0131(配列番号66)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUAUAA-[P]-UUAUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0132(配列番号67)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUAAUA-[P]-UAUUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0133(配列番号68)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUAAAU-[P]-AUUUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0134(配列番号69)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUAAAA-[P]-UUUUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0135(配列番号70)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUUGG-[P]-UUAAAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0136(配列番号71)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUUUU-[P]-UUAAAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0137(配列番号72)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaAUUAA-[P]-UUAAUUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0138(配列番号73)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaAUUUU-[P]-AAAAUUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0139(配列番号74)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaCUUAA-[P]-UUAAGUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0140(配列番号75)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaCUUUU-[P]-AAAAGUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0141(配列番号76)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaGUUAA-[P]-UUAACUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0142(配列番号77)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaGUUUU-[P]-AAAACUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0143(配列番号78)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUAAU-[P]-AUUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0144(配列番号79)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUAA-[P]-UUAAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0145(配列番号80)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUGG-[P]-UUAAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
PH−0146(配列番号81)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUUU-[P]-UUUAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
XH−0059(配列番号60)
5’-gcugguuucauauggugguuuagaUUUAA-[GlyGly]-UUAAAUC
UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU-3’
また、ポジティブコントロールとして、実施例5のNI−0210を用いた。
【0253】
(2)COL1A1遺伝子の発現量の測定
前記各RNAの最終濃度が0.5nmol/Lである点以外は、実施例5と同様の方法により、COL1A1遺伝子の発現量を求めた。
【0254】
(3)結果
図12及び
図13に示すように、実施例の天然型miR−29bは、ポジティブコントロールと同程度に、COL1A1 mRNAの発現を抑制した。また、X領域の付加配列(4または5塩基長)の塩基配列が異なる場合も、COL1A1 mRNAの発現抑制効果は維持された。
【0255】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
ここで述べられた特許および特許出願明細書を含む全ての刊行物に記載された内容は、ここに引用されたことによって、その全てが明示されたと同程度に本明細書に組み込まれるものである。