特許第6471207号(P6471207)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6471207
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】養蜂巣箱用手押し運搬車
(51)【国際特許分類】
   A01K 51/00 20060101AFI20190204BHJP
   B62B 1/22 20060101ALI20190204BHJP
   B62B 1/26 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   A01K51/00
   B62B1/22
   B62B1/26 Z
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-214292(P2017-214292)
(22)【出願日】2017年11月7日
【審査請求日】2017年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078950
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 忠
(72)【発明者】
【氏名】原田 卓摩
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3153561(JP,U)
【文献】 実開平01−156205(JP,U)
【文献】 実開昭62−192972(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0291949(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0100421(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 51/00
B62B 1/22
B62B 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側に車輪を支持し、後側に後方へ左右に並行する一対のハンドルが延び、中間部に養蜂用の巣箱を把持する枠体を具備し、ハンドルを持ち車輪を支点に後部を持ち上げて押し動かし、巣箱を運搬する手押し運搬車において、
前記枠体は、左右方向中間部を前後水平の枢軸により互いに回転自在に枢支され、一端部から前記ハンドルがそれぞれ後方へ延び、ハンドルの上げ下げにより他端部が互いに接近,離反可能な一対の交差枠と、これらの交差枠の相互間に介設され、相互の接近,離反を水平方向にガイドする伸縮可能なガイド部材とを具備し、
前記両交差枠の端部には、前記ハンドルの持ち上げにより互いに接近して巣箱を把持し、ハンドルの下げ降ろしにより互いに離間して巣箱を解放する水平の把持アームをそれぞれ具備することを特徴とする養蜂巣箱用手押し運搬車。
【請求項2】
前記交差枠は、前後に対向する一対のリンク杆と、このリンク杆の一端部間を前後方向に結合する水平杆と、前側の前記リンク杆から下方へ延びる支持杆と、後側の前記リンク杆から下方へ延びる脚杆と、前記脚杆と前記支持杆との間に渡される前記把持アームとを具備することを特徴とする請求項1に記載の養蜂巣箱用手押し運搬車。
【請求項3】
前記把持アームは、相互の接近位置で前記巣箱から側方へ突出した蓋受けの下部に係合する掛け部を具備することを特徴とする請求項1に記載の養蜂巣箱用手押し運搬車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪を支点に後部のハンドルを持ち上げて押し動かすタイプの手押し運搬車に関し、特に養蜂用の巣箱の運搬に利用するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、手押し式の一輪運搬車は、中間部の平行枠部と、平行枠部の前方に前端部が略U字状に閉じる前上がりの連結枠部と、平行枠部の後方に後上がりに延びる左右一対の手押しハンドルと、平行枠部間の横架枠部から連結枠部の下方に設けられ、単一の車輪が支持される車輪支持部部と、平行枠部の後部と手押しハンドルの中間部との間に固着される略三角形状の脚部と、平行枠部、連結枠部、手押しハンドルの前部上に載置される皿状の荷台とを具備する。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-273052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の手押し式の運搬車においては、手持ちが困難な比較的大きな重量物又は大量の荷物の運搬に利用されるが、養蜂用の巣箱は、大きな衝撃や振動を避ける必要上、運搬時の荷台への載せ降ろしに慎重を期す煩わしい作業となり、落下の危険を避けるため荷台上に確実に固定する必要もあり、運搬の作業効率が悪く迅速な運搬が困難である。
そこで本発明は、巣箱の運搬時に巣箱を手持ちすることなく、積み降ろしでき、運搬中に荷台上で確実に固定でき、運搬作業の効率を向上させる蜜蜂巣箱用の手押し運搬車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の養蜂巣箱用手押し運搬車は、前側に車輪3を支持し、後側に後方へ左右に並行する一対のハンドル4が延び、中間部に養蜂用の巣箱を把持する枠体2を具備し、ハンドル4を持って車輪3を支点に後部を持ち上げて押し動かし、巣箱Bを運搬する。枠体2は、左右方向中間部を前後水平の枢軸11により互いに回転自在に枢支され、一端部からハンドル4が後方へ延び、ハンドル4の上げ下げにより他端部が互いに接近,離反可能な一対の交差枠10,10と、これらの交差枠10の相互間に介設され、相互の接近,離反を水平方向にガイドする伸縮可能なスライドガイド12のようなガイド部材とを具備する。交差枠10の端部には、ハンドル4の上げ下げに伴い互いに接近,離間して巣箱Bを把持,解放する把持アーム17を具備する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、養蜂用の巣箱を運搬するときに、作業者が巣箱を手持ちすることなく、揚げ降ろしでき、また運搬中に容易に移動することなく確実に固定でき、養蜂用巣箱の運搬作業を迅速かつ安全に遂行できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の手押し運搬車の斜視図である。
図2図1の手押し運搬車の正面図である。
図3図1の手押し運搬車の側面図である。
図4図1の手押し運搬車の平面図である。
図5】交差枠の動きを示す説明図である。
図6図1の手押し運搬車の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1ないし図4において、本発明の養蜂用の巣箱Bの手押し運搬車1は、前部に車輪3を支持し、その後部に巣箱Bを把持し、後方へハンドル4が延びる枠体2を具備する。
【0009】
枠体2は、車輪支持部5と荷持ち部6とを具備する。車輪支持部5は、車輪3の水平軸を軸受けを介して回動自在に支持する左右に対向する一対のブラケット7a,7aを断面略コ字状に折り返して形成したブラケット板7と、ブラケット板7の上板7bを下面に固着した取付枠8とを具備する。
【0010】
枠体を構成する荷持ち部6は、左右方向中間部を前後水平の枢軸11,11により互いに回転自在に枢着され、一端部からハンドル4がそれぞれ後方へ延び、枢軸11を中心にして左右幅を伸縮可能な一対の交差枠10,10と、交差枠10,10の他端を前後で結合するスライドガイド12とを具備する。
【0011】
交差枠10は、前後に対向する一対のリンク杆13,13と、リンク杆13,13の上端を結合する水平杆14,14と、前側のリンク杆13の下端から下方へ延びる支持杆15、後側のリンク杆13から下方へ延びる脚杆16と、支持杆15と脚杆16の間をわたる把持アーム17と、後側のリンク杆13と支持杆15との結合部から下方に延び下端にハンドル4が結合する接続杆18とを具備する。脚杆16は、接地位置で水平杆14及び把持アーム17が水平になるように車輪3と共に枠体2を支持する。把持アーム17は両端部が幅広に形成された鋼板材で構成され、支持杆15及び脚杆16の側面に沿う主体部17aと、巣箱Bの側方へ突き出た蓋受けB1に掛かるように内側に斜めに拡がる掛け部17bと、巣箱Bの側面に当接するように垂直下方へ向かう押さえ部17cとを具備する。
【0012】
前側のスライドガイド12は、基端が一方の交差枠10のリンク杆13及び支持杆15に固着された取付板19に上下方向に回転可能に枢着された角パイプからなるガイドパイプ12aと、基端が他方の交差枠10の支持杆15に上下方向に回転可能に枢着されて、ガイドパイプ12aに出入り自在に挿入されたスライドバー12bとを具備する。後側のスライドガイド12は、基端が一方の交差枠10のリンク杆13及び脚杆16に固着された取付板20に上下方向に回転可能に枢着された角パイプからなるガイドパイプ12aと、基端が他方の交差枠10の脚杆16に上下方向に回転可能に枢着されて、ガイドパイプ12aに出入り自在に挿入されたスライドバー12bとを具備する。スライドガイド12は、交差枠10,10の枢軸11の下側において把持アーム17,17の移動を水平方向にガイドするために伸縮可能に交差枠10,10を結合する。
【0013】
この手押し運搬車1により巣箱Bを運搬する場合、地面に置いた巣箱Bの近傍で把持アーム17,17間を開いたまま車輪3を支点にハンドル4を内側へ押し込みながら持ち上げて、把持アーム17,17間に巣箱Bを受け入れるように位置合わせしてハンドル4を下げ降ろす。ここで一旦ハンドル4を下ろしてから、再度ハンドル4を持ち上げれば、図5に示すように、交差枠10,10が枢軸11,11を中心に回転して把持アーム17,17間が狭まり、把持アーム17を巣箱Bの蓋受けB1の下部に掛け部17bが掛かると共に押さえ部17cが側面に押し当たり、巣箱Bを把持アーム17,17で挟み持つことができる。図6に示すようにこのままハンドル4を持ち上げた状態で押し動かして移動することができる。移動先でハンドル4を下げ降ろすと、枠体2の交差枠10,10が枢軸11,11を中心に反転して把持アーム17,17間が開き、脚杆16を地面に置いた状態で巣箱Bを解放できる。
【符号の説明】
【0014】
1 手押し運搬車
2 枠体
3 車輪
4 ハンドル
5 車輪支持部
6 荷持ち部
7 ブラケット板
8 取付枠
10 交差枠
11 枢軸
12 スライドガイド
12a ガイドパイプ
12b スライドバー
13 リンク杆
14 水平杆
15 支持杆
16 脚杆
17 把持アーム
18 接続杆
17a 主体部
17b 掛け部
17c 押さえ部
19 取付板
20 取付板
B 巣箱
B1 蓋受け
【要約】
【課題】 養蜂用巣箱を手持ちすることなく、載せ降ろしでき、運搬中に確実に固定できる手押し運搬車を提供する。
【解決手段】前側に車輪3を支持し、後方へ一対のハンドル4が延びる枠体2は、前後を水平の枢軸11で互いに回転自在に枢支し、枢軸11より上方位置にハンドル4を結合し、ハンドル4の上げ下げにより枢軸11より下方部分が互いに接近,離反する一対の交差枠10を具備する。交差枠10は、前後に対向する一対のリンク杆13と、リンク杆13の一端部間を前後方向に結合する水平杆14と、前側のリンク杆13から下方へ延びる支持杆15と、後側のリンク杆13から下方へ延びる脚杆16と、脚杆16と支持杆15との間に渡される水平な把持アーム17とを具備させる。交差枠10,10間に伸縮可能なスライドガイド12を介設する。ハンドル4の上げ下げに伴い互いに接近,離間する把持アーム17で巣箱Bを把持する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6