(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6471208
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】排気ガスターボチャージャの制御構成部
(51)【国際特許分類】
F02B 37/18 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
F02B37/18 B
【請求項の数】6
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-216005(P2017-216005)
(22)【出願日】2017年11月9日
(62)【分割の表示】特願2015-547383(P2015-547383)の分割
【原出願日】2013年11月22日
(65)【公開番号】特開2018-40367(P2018-40367A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2017年12月6日
(31)【優先権主張番号】102012024531.9
(32)【優先日】2012年12月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ケラー
【審査官】
種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−334030(JP,A)
【文献】
特表2008−542607(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/104695(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 37/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 軸受ブッシュ(3)を有し、
− 第1の端部(5)で接続レバー(6)に接続され、かつ前記軸受ブッシュ(3)で案内される制御シャフト(4)を有し、
− 前記接続レバー(6)に配置される接続片(7)を有する、排気ガスターボチャージャ(2)の制御構成部(1)であって、
− 前記接続片(7)が、前記接続レバー(6)の、前記軸受ブッシュ(3)に対面するレバー表面(8)に配置される、制御構成部(1)。
【請求項2】
前記軸受ブッシュ(3)が外側の環状ストッパ(11)を有する請求項1に記載の制御構成部。
【請求項3】
前記軸受ブッシュ(3)の面表面(13)内に敷設することができるスペーサディスク(12)が設けられる請求項1又は2に記載の制御構成部。
【請求項4】
制御装置(14)が、前記制御シャフト(4)の第2の端部(10)に配置される請求項1〜3のいずれか一項に記載の制御構成部。
【請求項5】
前記制御装置(14)が、前記制御シャフト(4)の前記第2の端部(10)に固定されるフラップレバー(16)に取り付けられるウェイストゲートフラップ(15)を有する請求項4に記載の制御構成部。
【請求項6】
− バイパス開口部(18)を有し、
− 制御構成部(1)に動作可能に接続される制御装置(14)を有し、前記制御装置が、次の構成要素、すなわち、
− 軸受ブッシュ(3)と、
− 第1の端部(5)で接続レバー(6)に接続され、かつ前記軸受ブッシュ(3)で案内される制御シャフト(4)と、
−前記接続レバー(6)に配置される接続片とを有する、排気ガスターボチャージャ(2)のタービンハウジング(17)であって、
−前記接続片(7)が、前記軸受ブッシュ(3)に又はハウジング壁(19)に対面する、前記調整レバー(6)の、レバー表面(8)に配置され、前記レバー表面において、前記軸受ブッシュ(3)が配置される、タービンハウジング(17)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の排気ガスターボチャージャの制御構成部に、及び請求項6の前提部に記載の排気ガスターボチャージャのタービンハウジングに関する。
【背景技術】
【0002】
前記タイプの制御構成部及び前記タイプのタービンハウジングが独国実用新案第202007019447U1号明細書から公知である。前記文献は、アクチュエータによってウェイストゲートフラップを作動するための制御シャフトを有する制御構成部を有する排気ガスターボチャージャについて記載しており、前記制御シャフトは、軸受ブッシュで案内されかつその自由端において調整レバーに接続される。制御シャフトの軸受ブッシュの反対側を指すレバー表面に、アクチュエータの調節ロッドが接続される接続片が配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、請求項1の前提部に規定されたタイプの制御構成部、及び制御シャフトの作動を最適化することが可能である請求項6の前提部に規定されたタイプのタービンハウジングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1の特徴によって達成される。
【0005】
接続レバーの、軸受ブッシュに、又は軸受ブッシュが配置されるタービン壁部に対面するレバー表面に接続片が配置されるという事実によって、調整シャフトの作動を軸受ブッシュの中心の方向に再配置することが可能であり、これにより、本発明による制御構成部、したがって本発明によるタービンハウジングの制御特性が改良される。
【0006】
従属請求項は、本発明の有利な発展形態を含む。
【0007】
請求項6は、排気ガスターボチャージャのタービンハウジングを独立して販売できる製品として規定している。
【0008】
本発明のさらなる詳細、利点及び特徴は、図面を参照して例示的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明による制御構成部及び本発明によるタービンハウジングを設けることができる本発明による排気ガスターボチャージャの著しく単純化した概略図である。
【
図2】本発明による制御構成部の分解斜視図である。
【
図3】本発明によるタービンハウジングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、
図3に基づき以下に記載するタービンハウジング17及び
図2に基づき以下に説明する制御構成部を有することが可能である本発明による排気ガスターボチャージャ2の著しく単純化した概略図である。
【0011】
従来のように、ターボチャージャ2は、コンプレッサハウジング22のコンプレッサホイール21を有するコンプレッサ20を有し、タービンホイール25を有しかつバイパス開口部18を有するタービンハウジング17を有し、またコンプレッサハウジング22とタービンハウジング17とを接続する軸受ハウジング23も有する。軸受ハウジング23には、シャフト24が取り付けられ、このシャフトは、その端部においてそれぞれコンプレッサホイール21とタービンホイール25とを支承する。
【0012】
図2は、前記タイプの排気ガスターボチャージャ2に使用することができる本発明による制御構成部1の分解斜視図である。
【0013】
制御構成部1は、軸受ブッシュ3を有し、このブッシュは、実施例では円筒形状であり、その外周面に環状ストッパ11を有する。
【0014】
さらに、制御構成部1は、第1の端部5で接続レバー6に接続される制御シャフト4を有する。
図2に示したように、接続レバー6は、軸受ブッシュ3に対面するレバー表面8と、軸受ブッシュ3の反対側を指すレバー表面9とを有する。軸受ブッシュ3に対面するレバー表面8には、例えば空気圧制御器の調節ロッドに接続し得る接続片7が配置される。
【0015】
図2に示した特に好ましい実施形態では、制御構成部1はまた、取付け状態で軸受ブッシュ3の面表面13に当接するスペーサディスク12を有する。
【0016】
制御構成部1は、
図2に同様に示されている制御装置14に例えば接続することが可能であり、例示した実施例の前記制御装置は、フラップレバー16の第1の端部16Aに配置されるウェイストゲートフラップ15を有する。
【0017】
フラップレバー16の端部16Bは、最終の取付け状態において、スペーサディスク12が端部16Bと軸受ブッシュ3の面表面13との間に配置されるように、制御シャフト4の端部10を受容するように設計される。
【0018】
ウェイストゲート装置の形態の
図2に示した制御装置14は、本発明による制御構成部1によって、図に示していないアクチュエータと相互作用することができる制御装置の一例に過ぎない。制御構成部1の使用は、
図3に示されているようなタービンハウジングのウェイストゲート装置との組み合わせに限定されない。
【0019】
図3に示したタービンハウジング17には、
図2に基づき記載した制御構成部1が設けられる。
図2に基づき記載した前記制御構成部1の構成要素のすべては、
図3に同一の参照番号で示されている。同様に
図3に示されているように、ウェイストゲートフラップ15は、バイパス開口部18を閉鎖するか、又は
図3に示されていないが上述のアクチュエータによって相応して作動されるとき、前記バイパス開口部18を開放し、アクチュエータの制御ロッドは接続片7に係合する。
【0020】
図3は、軸受ブッシュ3が、
タービンハウジング17のハウジング壁19の通路凹部26に配置されて、そのストッパ11によって前記ハウジング壁19の面表面を支承することを示している。ここで、
図3はまた、制御構成部1が、タービンハウジング17で取付け状態にあるとき、接続片7が前記ハウジング壁19を指し、したがって、同様に軸受ブッシュ3に対面し、これに対して、
図3から容易に明らかなように、レバー表面9は前記構成要素の反対側を指すことを示している。
【0021】
図3に同様に示されている距離Aは、ハウジング壁19又は軸受ブッシュ3の方向の接続片
7のこの配向のため、軸受ブッシュ3を従来技術に対して相当長くすることができることを示しており、これにより、第1に制御シャフト4の案内が改良され、かつ第2に制御シャフト4の作動が最適化されるが、この理由は、上に説明したその伸長のため前記作動を軸受ブッシュ3の中心の方向に再配置することができるからである。
【0022】
本発明の上述の説明に加えて、この場合、本発明の追加の開示のために、
図1〜
図3の本発明の概略図が明示的に参照される。
【符号の説明】
【0023】
1 制御構成部
2 排気ガスターボチャージャ
3 軸受ブッシュ
4 制御シャフト
5 制御シャフトの第1の端部
6 接続レバー
6A 接続レバーの第1の端部
6B 接続レバーの第2の端部
7 接続片
8 軸受ブッシュ3に対面するレバー表面
9 それたレバー表面
10 制御シャフト4の第2の端部
11 ストッパ
12 スペーサディスク
13 面表面
14 制御装置
15 ウェイストゲートフラップ
16 フラップレバー
17 タービンハウジング
18 バイパス開口部
19 ハウジング壁
20 コンプレッサ
21 コンプレッサホイール
22 コンプレッサハウジング
23 軸受ハウジング
24 シャフト
25 タービンホイール
L 排気ガスターボチャージャの長手方向軸線
A 距離