特許第6471214号(P6471214)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6471214ゲームサーバ、方法、プログラム、プログラム記録媒体、及び端末装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6471214
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】ゲームサーバ、方法、プログラム、プログラム記録媒体、及び端末装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/45 20140101AFI20190204BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20190204BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20190204BHJP
【FI】
   A63F13/45
   A63F13/35
   A63F13/79
【請求項の数】19
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2017-245047(P2017-245047)
(22)【出願日】2017年12月21日
【審査請求日】2018年1月15日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511202425
【氏名又は名称】株式会社gloops
(74)【代理人】
【識別番号】100141519
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 邦之
(72)【発明者】
【氏名】森川 晃次
【審査官】 大山 栄成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−296266(JP,A)
【文献】 特開2014−106803(JP,A)
【文献】 特開平8−280933(JP,A)
【文献】 特開2012−143409(JP,A)
【文献】 特開平09−234285(JP,A)
【文献】 特開平08−196744(JP,A)
【文献】 特開平06−105959(JP,A)
【文献】 電撃ゲームアプリ Vol.14,株式会社KADOKAWA,2014年 2月14日,マックピープル2014年3月号増刊,p.12,p.14,,「ソードアート・オンライン エンドワールド」に関する記事
【文献】 週刊ファミ通 2015 7/2,株式会社KADOKAWA・DWANGO,2015年 6月18日,第30巻/第27号,p.124,p.127,,「PoPoLoCRoIS牧場物語」に関する記事
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して接続された各端末からの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦を実現するゲームサーバであって、
前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、
前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付ける個別指示要求受付部と、
一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中に含まれる1以上のプレイヤキャラクタを、前記仮想ユーザの付随状態を維持しながら前記個別指示要求によらず前記1以上の敵オブジェクトと対戦可能な1以上のノンプレイヤキャラクタに設定するノンプレイヤキャラクタ設定部と、
前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択する対戦能力選択部と、
前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する対戦内容決定部と、を備え、
前記対戦能力選択部は、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、他の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測された過去の対戦で最も優位な対戦能力を最高頻度で選択し、
前記対戦内容決定部は、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタについて選択された対戦能力に設定されている待機時間が周期的に経過するタイミングごとに、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定するゲームサーバ。
【請求項2】
通信ネットワークを介して接続された各端末からの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦を実現するゲームサーバであって、
前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、
前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付ける個別指示要求受付部と、
一の仮想ユーザのための操作データに応じて、前記一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中から、前記一の仮想ユーザの付随状態を維持しながら前記個別指示要求によらず前記1以上の敵オブジェクトと対戦可能な1以上のノンプレイヤキャラクタの設定を行うためのノンプレイヤキャラクタ設定要求を受け付けるノンプレイヤキャラクタ設定要求受付部と、
前記一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中に含まれる1以上のプレイヤキャラクタを、前記ノンプレイヤキャラクタ設定要求に基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタに設定するノンプレイヤキャラクタ設定部と、
前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択する対戦能力選択部と、
前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する対戦内容決定部と、を備え、
前記対戦能力選択部は、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記一の仮想ユーザにより過去の対戦中に指示された対戦能力を当該過去の対戦中に指示されたタイミングで選択し、
前記対戦内容決定部は、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタについて選択された対戦能力に設定されている待機時間が周期的に経過するタイミングごとに、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する、ゲームサーバ。
【請求項3】
通信ネットワークを介して接続された各端末からの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦を実現するゲームサーバであって、
前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、
前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付ける個別指示要求受付部と、
前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択することであって、2以上の個別指示要求を受け付けたタイミングが所定時間内であれば個別操作対象となる2以上のプレイヤキャラクタにそれぞれ発揮させるための2以上の対戦能力を同時選択することを行う対戦能力選択部と、
前記2以上のプレイヤキャラクタに発揮させるための2つ以上の対戦能力の同時選択が維持されている場合には、当該2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を互いに等しい待機時間に変更する待機時間設定変更部と、
前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する対戦内容決定部と、を備え、
前記対戦内容決定部は、前記同時選択された2つ以上の対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を同時に経過するタイミングで、当該2つ以上の対戦能力と前記同時選択が維持されている2以上の対戦能力の数に応じて対戦内容を決定する、ゲームサーバ。
【請求項4】
各々の候補の対戦能力には、互いに異なる複数候補の待機時間のうちの一以上の候補の待機時間が設定されている、請求項1乃至のうち何れか1項記載のゲームサーバ。
【請求項5】
前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタの使用履歴から得られる情報に基づき、各々のプレイヤキャラクタが発揮可能な対戦能力の候補数を設定する候補数設定部を、更に備える請求項1乃至のうち何れか1項記載のゲームサーバ。
【請求項6】
前記ノンプレイヤキャラクタ設定部は、前記一の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測されたゲームに対する習熟度が低いほど多数のプレイヤキャラクタを、前記ノンプレイヤキャラクタとして設定する、請求項記載のゲームサーバ。
【請求項7】
前記対戦能力選択部は、前記設定された各々のノンプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記一の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測された過去の対戦で最も優位な対戦能力を最高頻度で選択する、請求項記載のゲームサーバ。
【請求項8】
前記ノンプレイヤキャラクタ設定部は、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦の進行中に受信した前記一の仮想ユーザの操作データに応じて、前記ノンプレイヤキャラクタの設定を解除する、請求項2又は7記載のゲームサーバ。
【請求項9】
前記待機時間設定変更部は、前記2以上のプレイヤキャラクタに発揮させるための2つ以上の対戦能力の同時選択が維持されている場合には、当該2つ以上の対戦能力の中から最長の待機時間が設定されている対戦能力を特定し、当該2つ以上の対戦能力の全てに対して前記最長の待機時間を設定する、請求項記載のゲームサーバ。
【請求項10】
通信ネットワークを介して接続された各端末からの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦をコンピュータにより実現する方法であって、
一の仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、
前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付けることと、
前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中に含まれる1以上のプレイヤキャラクタを、前記仮想ユーザの付随状態を維持しながら前記個別指示要求によらず前記1以上の敵オブジェクトと対戦可能な1以上のノンプレイヤキャラクタに設定することと、
前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択することと、
前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定することと、を含み、
前記対戦能力を選択することは、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、他の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測された過去の対戦で最も優位な対戦能力を最高頻度で選択することを含み、
前記対戦内容を決定することは、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタについて選択された対戦能力に設定されている待機時間が周期的に経過するタイミングごとに、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定することを含む方法。
【請求項11】
通信ネットワークを介して接続された各端末からの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦をコンピュータにより実現する方法であって、
前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、
前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付けることと、
一の仮想ユーザのための操作データに応じて、前記一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中から、前記一の仮想ユーザの付随状態を維持しながら前記個別指示要求によらず前記1以上の敵オブジェクトと対戦可能な1以上のノンプレイヤキャラクタの設定を行うためのノンプレイヤキャラクタ設定要求を受け付けることと、
前記一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中に含まれる1以上のプレイヤキャラクタを、前記ノンプレイヤキャラクタ設定要求に基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタに設定することと、
前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択することと、
前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定することと、を含み、
前記対戦能力を選択することは、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記一の仮想ユーザにより過去の対戦中に指示された対戦能力を当該過去の対戦中に指示されたタイミングで選択することを含み、
前記対戦内容を決定することは、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタについて選択された対戦能力に設定されている待機時間が周期的に経過するタイミングごとに、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定することを含む、方法。
【請求項12】
通信ネットワークを介して接続された各端末からの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦をコンピュータにより実現する方法であって、
前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、
前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付けることと、
前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択することであって、2以上の個別指示要求を受け付けたタイミングが所定時間内であれば個別操作対象となる2以上のプレイヤキャラクタにそれぞれ発揮させるための2以上の対戦能力を同時選択することを行うことと、
前記2以上のプレイヤキャラクタに発揮させるための2つ以上の対戦能力の同時選択が維持されている場合には、当該2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を互いに等しい待機時間に変更することと、
前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定することと、を含み、
前記対戦内容を決定することは、前記同時選択された2つ以上の対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を同時に経過するタイミングで、当該2つ以上の対戦能力と前記同時選択が維持されている2以上の対戦能力の数に応じて対戦内容を決定することを含む、方法。
【請求項13】
通信ネットワークを介して接続された各端末からの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦を実現する処理を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、
前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付けることと、
一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中に含まれる1以上のプレイヤキャラクタを、前記仮想ユーザの付随状態を維持しながら前記個別指示要求によらず前記1以上の敵オブジェクトと対戦可能な1以上のノンプレイヤキャラクタに設定することと、
前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択することと、
前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定することと、を含み、
前記対戦能力を選択することは、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、他の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測された過去の対戦で最も優位な対戦能力を最高頻度で選択することを含み、
前記対戦内容を決定することは、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタについて選択された対戦能力に設定されている待機時間が周期的に経過するタイミングごとに、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定することを含むプログラム。
【請求項14】
通信ネットワークを介して接続された各端末からの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦を実現する処理を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、
前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付けることと、
一の仮想ユーザのための操作データに応じて、前記一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中から、前記一の仮想ユーザの付随状態を維持しながら前記個別指示要求によらず前記1以上の敵オブジェクトと対戦可能な1以上のノンプレイヤキャラクタの設定を行うためのノンプレイヤキャラクタ設定要求を受け付けることと、
前記一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中に含まれる1以上のプレイヤキャラクタを、前記ノンプレイヤキャラクタ設定要求に基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタに設定することと、
前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択することと、
前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定することと、を含み、
前記対戦能力を選択することは、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記一の仮想ユーザにより過去の対戦中に指示された対戦能力を当該過去の対戦中に指示されたタイミングで選択することを含み、
前記対戦内容を決定することは、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタについて選択された対戦能力に設定されている待機時間が周期的に経過するタイミングごとに、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定することを含む、プログラム。
【請求項15】
通信ネットワークを介して接続された各端末からの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦を実現する処理を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、
前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付けることと、
前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択することであって、2以上の個別指示要求を受け付けたタイミングが所定時間内であれば個別操作対象となる2以上のプレイヤキャラクタにそれぞれ発揮させるための2以上の対戦能力を同時選択することを行うことと、
前記2以上のプレイヤキャラクタに発揮させるための2つ以上の対戦能力の同時選択が維持されている場合には、当該2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を互いに等しい待機時間に変更することと、
前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定することと、を含み、
前記対戦内容を決定することは、前記同時選択された2つ以上の対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を同時に経過するタイミングで、当該2つ以上の対戦能力と前記同時選択が維持されている2以上の対戦能力の数に応じて対戦内容を決定することを含む、プログラム。
【請求項16】
請求項13乃至15のうち何れか1項に記載されたプログラムがコンピュータに読み取り可能に記録された非一時的なプログラム記録媒体。
【請求項17】
ユーザからの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦を実現する端末装置であって、
前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、
前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付ける個別指示要求受付部と、
一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中に含まれる1以上のプレイヤキャラクタを、前記仮想ユーザの付随状態を維持しながら前記個別指示要求によらず前記1以上の敵オブジェクトと対戦可能な1以上のノンプレイヤキャラクタに設定するノンプレイヤキャラクタ設定部と、
前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択する対戦能力選択部と、
前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する対戦内容決定部と、を備え、
前記対戦能力選択部は、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、他の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測された過去の対戦で最も優位な対戦能力を最高頻度で選択し、
前記対戦内容決定部は、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタについて選択された対戦能力に設定されている待機時間が周期的に経過するタイミングごとに、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する端末装置。
【請求項18】
ユーザからの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦を実現する端末装置であって、
前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、
前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付ける個別指示要求受付部と、
一の仮想ユーザのための操作データに応じて、前記一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中から、前記一の仮想ユーザの付随状態を維持しながら前記個別指示要求によらず前記1以上の敵オブジェクトと対戦可能な1以上のノンプレイヤキャラクタの設定を行うためのノンプレイヤキャラクタ設定要求を受け付けるノンプレイヤキャラクタ設定要求受付部と、
前記一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中に含まれる1以上のプレイヤキャラクタを、前記ノンプレイヤキャラクタ設定要求に基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタに設定するノンプレイヤキャラクタ設定部と、
前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択する対戦能力選択部と、
前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する対戦内容決定部と、を備え、
前記対戦能力選択部は、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記一の仮想ユーザにより過去の対戦中に指示された対戦能力を当該過去の対戦中に指示されたタイミングで選択し、
前記対戦内容決定部は、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタについて選択された対戦能力に設定されている待機時間が周期的に経過するタイミングごとに、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する端末装置。
【請求項19】
ユーザからの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦を実現する端末装置であって、
前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、
前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付ける個別指示要求受付部と、
前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択することであって、2以上の個別指示要求を受け付けたタイミングが所定時間内であれば個別操作対象となる2以上のプレイヤキャラクタにそれぞれ発揮させるための2以上の対戦能力を同時選択することを行う対戦能力選択部と、
前記2以上のプレイヤキャラクタに発揮させるための2つ以上の対戦能力の同時選択が維持されている場合には、当該2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を互いに等しい待機時間に変更する待機時間設定変更部と、
前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する対戦内容決定部と、を備え、
前記対戦内容決定部は、前記同時選択された2つ以上の対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を同時に経過するタイミングで、当該2つ以上の対戦能力と前記同時選択が維持されている2以上の対戦能力の数に応じて対戦内容を決定する端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームの進行を管理するゲームサーバ、方法、ゲームサーバを動作させるためのプログラム、プログラム記録媒体、及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインゲームの態様の1つとして、多数人数同時参加型オンラインロールプレイイングゲーム(MMORPG:Massively Multiplayer Online Role−Playing−Game)が知られている。例えば、MMORPGでは、ゲームサーバによって提供される仮想空間内において、不特定多数のユーザが操作するプレイヤキャラクタが動作する(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−131818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1などに記載されているMMORPGなどでは、例えば、個々のユーザが単一キャラクタをリアルタイムで操作しながら敵オブジェクトとのバトル(対戦)を行っている。ここで、一人のユーザが複数のプレイヤキャラクタを同時に操作してバトルを進行することを想定した場合には、キャラクタごとの動作を注視しながらコマンドを入力してバトルを行わなければならないため、操作環境が煩雑となり得る。そこで、シンプルな操作環境で個々のユーザが複数のプレイヤキャラクタをリアルタイムでマネージメントしながら敵オブジェクトとの対戦を進行可能なユーザ体験を提供することが望まれる。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、シンプルな操作環境で個々のユーザが複数のプレイヤキャラクタをリアルタイムでマネージメントしながら敵オブジェクトとの対戦を進行可能な、ゲームサーバ、方法、プログラム、プログラム記録媒体、及び端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した従来の課題を解決するため、本発明は、以下の手段を有する。
【0007】
(1)本発明の第1態様は、通信ネットワークを介して接続された各端末からの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦を実現するゲームサーバであって、前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付ける個別指示要求受付部と、前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択する対戦能力選択部と、前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタについて、前記個別指示要求が指示する対戦能力が選択された時を起点として新たな個別指示要求がなく当該対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を周期的に経過するタイミングごとに、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する対戦内容決定部と、を備える。
【0008】
上記態様において、仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタは、例えば、仮想ユーザの味方または手先などとなって、仮想ユーザの指示に従って冒険して経験値を獲得したり、冒険の途中で遭遇した敵オブジェクトの対戦時に敵オブジェクトに攻撃したり敵オブジェクトからの攻撃を受けることがある。なお、仮想ユーザに付随するプレイヤキャラクタの最大数は、例えば4つなどに制限してもよいし、ゲーム上で設定された条件(例えばレベル数、対戦回数、勝利回数など)に応じて段階的増加させるようにしてもよい。
【0009】
また、上記態様において、対戦能力は、例えばゲームの世界観によってスキル、魔法、技などをモチーフとした対戦時に発揮する能力である。例えば一のプレイヤキャラクタに3候補の対戦能力が設定されている場合、ゲーム画面上では、当該一のプレイヤキャラクタに紐付いた3候補の対戦能力が選択可能に表示される。そしてゲーム画面に従って、一の候補の対戦能力がユーザ操作により選択されると、個別指示要求として当該一の候補の対戦能力を対戦で発揮するように指示することになる。
【0010】
さらに、上記態様において、個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されていることは、操作対象のプレイヤキャラクタについて新たな個別指示要求がなく直近の個別指示要求が指示する対戦能力が選択され続けていることをいう。また、対戦能力の選択状態が維持されている時間とは、例えば対戦能力選択部による選択時を起算点として、新たな個別指示要求がなく直近の個別指示要求が指示する対戦能力が選択され続けている時間である。なお、上記起算点は、例えば端末側で個別指示要求の操作が行われた時点または当該個別操作要求をゲームサーバ側で受信した時点であってもよい。
【0011】
さらにまた、上記態様において、対戦能力に設定されている待機時間とは、例えば3秒、6秒、9秒など、敵オブジェクトに対してダメージを与えるまでに要する待機時間、他のプレイヤキャラクタに設定されている体力又は体力値を回復させるまでに要する待機時間をいう。なお、ゲームの世界観によっては、体力値をヒットポイントなど他の名称によって表現してもよい。
【0012】
上記態様によれば、個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、例えば敵オブジェクトにダメージを与えるなどの、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する。例えば、待機時間が3秒の場合には、個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が開始してから3秒後に上記対戦内容が決定される。
【0013】
このように対戦能力に設定されている待機時間に基づいたタイミングで対戦内容を決定することで、例えば、任意のプレイヤキャラクタについて対戦能力が発揮するまでの間に、その他のプレイヤキャラクタについて個別指示要求を変更するなどの操作を行うことができる。言い換えれば、個々のプレイヤキャラクタについて個別指示要求を行った後に対戦能力が発揮するまで待機するという、シンプルな操作環境で、複数のプレイヤキャラクタをリアルタイムでマネージメントしながら敵オブジェクトとの対戦を進行することができる。
【0015】
上記態様によれば、例えば待機時間が3秒である場合、前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、3秒、6秒、9秒を経過するタイミングごとに、例えば敵オブジェクトにダメージを与えるなどの、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する。
【0016】
このように対戦能力に設定されている待機時間を周期的に経過する各々のタイミングにあわせて対戦内容を繰り返して決定することができる。このため、例えば、任意のプレイヤキャラクタに対する個別指示要求を一旦行えば、その後に個別指示要求に関する操作をしなくても周期的に敵オブジェクトに攻撃を行うようにすることができる。このため、その他のプレイヤキャラクタについて個別指示要求を変更するかどうかの選択にユーザが集中できるような操作環境を提供することができる。言い換えれば、個々のプレイヤキャラクタについて個別指示要求を行った後は何ら操作しなくても対戦能力が周期的に発揮するという、シンプルな操作環境で、複数のプレイヤキャラクタをリアルタイムでマネージメントしながら敵オブジェクトとの対戦を進行することができる。
(2)本発明の第2態様は、通信ネットワークを介して接続された各端末からの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦を実現するゲームサーバであって、前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付ける個別指示要求受付部と、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中に含まれる1以上のプレイヤキャラクタを、前記仮想ユーザの付随状態を維持しながら前記個別指示要求によらず前記1以上の敵オブジェクトと対戦可能な1以上のノンプレイヤキャラクタ設定するノンプレイヤキャラクタ設定部と、前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択する対戦能力選択部と、前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する対戦内容決定部と、を備え、前記対戦能力選択部は、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、他の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測された過去の対戦で最も優位な対戦能力を最高頻度で選択し、前記対戦内容決定部は、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタについて選択された対戦能力に設定されている待機時間が周期的に経過するタイミングごとに、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する。
上記態様において、ノンプレイヤキャラクタとは、仮想ユーザの付随状態を維持しながら、言い換えれば仮想ユーザの味方または手先であり続けながら、個別指示要求によらず敵オブジェクトと対戦可能なキャラクタである。
上記態様において、前記仮想ユーザの操作履歴から得られる情報とは、例えば任意の仮想ユーザが経験した過去の対戦での対戦能力の選択頻度などである。
上記態様によれば、例えば仮想ユーザに付随する全てのプレイヤキャラクタを操作することが面倒と思うような場合、若しくは仮想ユーザに付随する全てのプレイヤキャラクタを操作するのに慣れていないような場合に、ノンプレイヤキャラクタが設定され、ユーザ操作によらずに過去の対戦での対戦能力の選択頻度に応じて対戦能力を選択して対戦を進行することができる。
上記態様において、過去の対戦で最も優位な対戦能力とは、例えば他の仮想ユーザの過去の対戦履歴で勝率、勝利回数が最も高い対戦能力である。さらに敵オブジェクトごとに対戦に優位な属性が分類されているような場合には、敵オブジェクトごとに過去の対戦で最も優位な対戦能力を推測することが可能である。
上記態様によれば、他の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測された過去の対戦で最も優位な対戦能力が最高頻度で選択されることで、新たな対戦を優位に進行できることが期待される。このため、例えばプレイヤキャラクタを操作するのに不慣れな初心者に相当しうるユーザでも対戦を優位に進行可能となり、ゲームを楽しめる環境を提供することができる。また、例えばプレイヤキャラクタの操作に慣れている中上級者に相当しうるユーザに対しては、第三者(他の仮想ユーザ)がどのようにして対戦を進めているかを認識できるような機会を提供することができる。
【0017】
(3)本発明の第3態様は、通信ネットワークを介して接続された各端末からの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦を実現するゲームサーバであって、前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付ける個別指示要求受付部と、一の仮想ユーザのための操作データに応じて、前記一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中から、前記一の仮想ユーザの付随状態を維持しながら前記個別指示要求によらず前記1以上の敵オブジェクトと対戦可能な1以上のノンプレイヤキャラクタの設定を行うためのノンプレイヤキャラクタ設定要求を受け付けるノンプレイヤキャラクタ設定要求受付部と、前記一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中に含まれる1以上のプレイヤキャラクタを、前記ノンプレイヤキャラクタ設定要求に基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタ設定するノンプレイヤキャラクタ設定部と、前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択する対戦能力選択部と、前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する対戦内容決定部と、を備え、前記対戦能力選択部は、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記一の仮想ユーザにより過去の対戦中に指示された対戦能力を当該過去の対戦中に指示されたタイミングで選択し、前記対戦内容決定部は、前記ノンプレイヤキャラクタに設定された各々のプレイヤキャラクタについて選択された対戦能力に設定されている待機時間が周期的に経過するタイミングごとに、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する。
上記態様において、ノンプレイヤキャラクタ設定要求とは、例えば一の仮想ユーザに付随する特定のプレイヤキャラクタ、若しくは全てのプレイヤキャラクタについて、ユーザの意思に応じてノンプレイヤキャラクタに設定するための要求である。
上記態様によれば、ノンプレイヤキャラクタ設定要求に応じてノンプレイヤキャラクタを設定することにより、ユーザの意思に応じてノンプレイヤキャラクタを設定することができる。これにより、例えば仮想ユーザに付随する全てのプレイヤキャラクタを操作することが面倒と思うような場合に限って、ユーザの意思に従ってノンプレイヤキャラクタを設定することができる。
上記態様によれば、例えばユーザ自身が過去の対戦中に操作したタイミングで、対戦能力の選択を切り替えることが可能である。例えばユーザ操作によらなくても時々刻々と変化しうる対戦進行において、ユーザの意思が反映しうるようなタイミングでノンプレイヤキャラクタの対戦能力の選択切り替えを行うことができる。
(4)本発明の第4態様は、通信ネットワークを介して接続された各端末からの操作データに応じて、仮想空間に存在する仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタと1以上の敵オブジェクトとの対戦を実現するゲームサーバであって、前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタには、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦で発揮可能な複数候補の対戦能力が設定されており、前記操作データに応じて、前記仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付ける個別指示要求受付部と、前記個別指示要求を受け付けたタイミングで、前記個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記個別指示要求が指示する対戦能力を選択することであって、2以上の個別指示要求を受け付けたタイミングが所定時間内であれば個別操作対象となる2以上のプレイヤキャラクタにそれぞれ発揮させるための2以上の対戦能力を同時選択することを行う対戦能力選択部と、前記2以上のプレイヤキャラクタに発揮させるための2つ以上の対戦能力の同時選択が維持されている場合には、当該2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を互いに等しい待機時間に変更する待機時間設定変更部と、前記個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する対戦内容決定部と、を備え、前記対戦内容決定部は、前記同時選択された2つ以上の対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を同時に経過するタイミングで、当該2つ以上の対戦能力と前記同時選択が維持されている2以上の対戦能力の数に応じて対戦内容を決定する。
上記態様において、2以上の個別指示要求を受け付けたタイミングが所定時間内であるとは、例えば0.1秒以内など、2以上の個別指示要求を受け付けたタイミングがほぼ同時であることをいう。
上記態様において、2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を互いに等しい待機時間に変更するとは、例えば対戦能力ごとに設定されている待機時間を、全て6秒に設定変更するなど、所定の待機時間に揃えることである。このように所定の待機時間に揃えるにより、2つ以上の対戦能力が同時に発揮可能になる。
上記態様において、2以上の対戦能力の数に応じて対戦内容を決定することは、例えば畳み込み攻撃のように、単一の対戦能力に応じたダメージよりもより大きいダメージを敵オブジェクトに与えることをいう。
上記態様によれば、例えばスマートフォンのマルチタッチ機能などを利用して0.1秒以内に複数の個別指示要求が行われると、複数のプレイヤキャラクタについて選択された対戦能力が同じタイミングで発揮することになり、同時に発揮する対戦能力の数に応じて敵オブジェクトに与えるダメージ数を増加させることができる。このようにして、畳み込み攻撃が容易に可能になる一方、待機時間の変動によって攻撃のタイミングが遅くなる可能性があるため、対戦の戦略が多様になり、より一層ゲームを楽しめる環境を提供することができる。
(5)本発明の第5態様は、上記第1乃至第4態様において、各々の候補の対戦能力には、互いに異なる複数候補の待機時間のうちの一以上の候補の待機時間が設定されている。
【0018】
上記態様において、各々の候補の対戦能力に対して様々な待機時間が設定されることにより、例えば次の例のようにゲーム戦略が多様になりうる。
【0019】
例えば1つの対戦能力に対して1つの候補の待機時間が設定される場合、比較的短い(例えば2秒間)待機時間が設定されている対戦能力については比較的低い攻撃能力しか発揮しないようにする一方、例えば比較的長い(例えば4秒間)待機時間が設定されている対戦能力については比較的高い攻撃能力が発揮できるようにする。なお、同一候補の待機時間が、複数の対戦能力に設定されてもよい。
【0020】
また、1つの対戦能力には、2以上の候補の待機時間が設定されてもよい。この場合、当該対戦能力については、任意のタイミングで待機時間が切り替わってもよい。例えば、個別指示要求に応じて当該対戦能力が選択された時点では比較的短い待機時間が経過するタイミングで対戦内容が決定され、その後は比較的長い待機時間に切り替わるようにしてもよい。このようにして待機時間が切り替わることにより、当該対戦能力は、低い攻撃力でありながら即時に発揮し、その後は発揮するまでに長い時間を要することになる。
【0021】
このようにして対戦能力のパラメータなどを調整することで、敵オブジェクトの強さなどに応じて、短い待機時間で攻撃するか若しくは待機時間が長くても1回のダメージ数を優先するかどうかを仮想ユーザに対して選択させるなど、ゲーム戦略が多様になり、より一層ゲームを楽しめる環境を提供することができる。
【0022】
)本発明の第態様は、上記第1乃至第5態様において、前記仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタの使用履歴から得られる情報に基づき、各々のプレイヤキャラクタが発揮可能な対戦能力の候補数を設定する候補数設定部を、更に備える。
【0023】
上記態様において、対戦能力の候補数とは、例えば個別指示要求により指示可能な対戦能力の選択肢の数である。上記態様において、プレイヤキャラクタの使用履歴から得られる情報とは、例えば当該プレイヤキャラクタを付随してから単調増加するレベルなどの成長度、当該プレイヤキャラクタを用いた累積対戦回数又は勝利回数などである。
【0024】
上記態様において、例えば、当該プレイヤキャラクタを用いた累積対戦回数又は勝利回数が所定の条件をみたすことで段階的に対戦能力の候補数が増えるように設定を行う。このような対戦能力の候補数の増加に応じてゲーム戦略がより多様になり、ゲームを継続して楽しめる環境を提供することができる。
【0032】
(7)本発明の第7態様は、上記第2態様において、前記ノンプレイヤキャラクタ設定部は、前記一の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測されたゲームに対する習熟度が低いほど多数のプレイヤキャラクタを、前記ノンプレイヤキャラクタとして設定する。
【0033】
上記態様によれば、一の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測されたゲームに対する習熟度が低いほど、一度の対戦でより多くのプレイヤキャラクタを操作することが難しいであろうと予測して、多数のプレイヤキャラクタをノンプレイヤキャラクタに設定する。このようにして習熟度に応じてノンプレイヤキャラクタに設定するプレイヤキャラクタの数を調整することで、例えばプレイヤキャラクタを操作するのに不慣れな初心者に相当しうるユーザの対戦進行をサポートしながら段階的に中上級者に移行できるようなゲーム環境を提供することができる。
【0037】
)本発明の第態様は、上記第3態様において、前記対戦能力選択部は、前記設定された各々のノンプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、前記一の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測された過去の対戦で最も優位な対戦能力を最高頻度で選択する。
【0038】
上記態様において、過去の対戦で最も優位な対戦能力とは、例えばユーザ自身がプレイした過去の対戦履歴で勝率、勝利回数が最も高い対戦能力である。さらに敵オブジェクトごとに対戦に優位な属性が分類されているような場合には、敵オブジェクトごとに過去の対戦で最も優位な対戦能力を推測することが可能である。
【0039】
上記態様によれば、ユーザ自身の操作履歴に基づいて推測された過去の対戦で最も優位な対戦能力が最高頻度で選択されることで、当該ユーザ自身が行いたいであろう対戦進行をユーザ操作によらず行うことができる。
【0042】
)本発明の第態様は、上記第3又は第8態様において、前記ノンプレイヤキャラクタ設定部は、前記1以上の敵オブジェクトとの対戦の進行中に受信した前記一の仮想ユーザの操作データに応じて、前記ノンプレイヤキャラクタの設定を解除する。
【0043】
上記態様によれば、ユーザの意思に応じてノンプレイヤキャラクタの設定を解除することができる。これにより、例えば優勢に進行している間はノンプレイヤキャラクタに設定し、劣勢になった場合にはノンプレイヤキャラクタの設定を解除してユーザの意思に応じて対戦を進行できるようなゲーム環境を提供することができる。
【0049】
10)本発明の第10態様は、上記第4態様において、前記待機時間設定変更部は、前記2以上のプレイヤキャラクタに発揮させるための2つ以上の対戦能力の同時選択が維持されている場合には、当該2つ以上の対戦能力の中から最長の待機時間が設定されている対戦能力を特定し、当該2つ以上の対戦能力の全てに対して前記最長の待機時間を設定する。
【0050】
上記態様において、2つ以上の対戦能力の中から最長の待機時間が設定されている対戦能力を特定することは、例えば当該2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間が3秒、4秒、5秒の何れかである場合に、待機時間が5秒である対戦能力を特定することをいう。
【0051】
上記態様によれば、同時選択が維持されている2つ以上の対戦能力の全てに対して上記最長の待機時間を設定することにより、同時選択された場合に著しくゲーム進行が優位になるような事態を防止することができる。
【0052】
11)以上のような本発明は、何れの態様においても、上記ゲームサーバの発明を、そのゲームサーバのゲーム実行方法、ゲーム実行プログラム、ゲーム実行プログラム記録媒体、当該ゲームを実行する端末装置として捉えることも可能である。
【発明の効果】
【0053】
本発明によれば、シンプルな操作環境で個々のユーザが複数のプレイヤキャラクタをリアルタイムでマネージメントしながら敵オブジェクトとの対戦を進行することが可能なゲームサーバ、方法、プログラム、プログラム記録媒体、及び端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1図1は、本発明が適用されたゲームシステムのシステム構成を示す図である。
図2図2は、本発明が適用されたゲームサーバが提供する対戦ゲームの構成について説明するための図である。
図3図3は、本発明が適用されたゲームサーバのハードウェア構成を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係るゲームサーバが実行する各処理部の構成を示す図である。
図5図5は、キャラクタ管理テーブルの具体例について説明するための図である。
図6図6は、ユーザ属性管理テーブルの具体例について説明するための図である。
図7図7は、第1実施形態に係るゲーム進行を表現するゲーム画面の具体例を示す図である。
図8図8は、第1実施形態に係る対戦能力決定部の具体的な処理フローを説明するための図である。
図9図9は、第2実施形態に係るゲームサーバが実行する各処理部の構成を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係るゲーム進行を表現するゲーム画面の具体例を示す図である。
図11図11は、第3実施形態に係るゲームサーバが実行する各処理部の構成を示す図である。
図12図12は、第4実施形態に係るゲームサーバが実行する各処理部の構成を示す図である。
図13図13は、第4実施形態に係るゲーム進行を表現するゲーム画面の具体例を示す図である。
図14図14は、第5実施形態に係るゲームサーバが実行する各処理部の構成を示す図である。
図15図15は、第5実施形態に係るゲーム進行を表現するゲーム画面の具体例を示す図である。
図16図16は、第5実施形態に係るゲームサーバにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という。)について具体例を示して説明する。本実施形態は、ゲームサーバと通信ネットワークを介して接続された端末にゲームを提供するゲームシステムに関する。具体的には、図1に示すように、本実施形態のゲームシステムGは、実ユーザにゲームを提供するゲームサーバ1と、ゲームサーバ1と通信ネットワークであるインターネット2を介して接続された端末3a、3b、3c、・・・(以下、総称して端末3ともいう。)と、を備える。
【0056】
以下では、まず、実施形態の説明に先立って、本実施形態において用いる用語の定義を明確にし、さらに本実施形態において扱うソーシャルゲームの概要について説明した後、ゲームシステムGの構成及び処理内容について具体的に説明する。
【0057】
(1)用語の定義
本実施形態において用いる用語の定義は、以下の通りである。
【0058】
「仮想空間」とは、ゲームの内容に基づいてゲーム中に形成される仮想の世界を示し、物理空間とは異なる空間を指す。端末3のディスプレイ(表示部)に表示される「仮想空間」は2次元であるが、他の端末3との繋がりも加わって形成される観念的空間は、2次元空間に限られない。
【0059】
「実ユーザ」とは、端末を操作する実体、すなわち人に当たるものをいう。一方、この実体である「実ユーザ」の端末におけるボタンやタッチ操作によって、仮想空間において、ユーザに成り代わった、またはユーザの趣向や好みに応じて形成された仮想実体を「仮想ユーザ」という。この「仮想ユーザ」は、例えば、旧来の将棋ゲームや麻雀ゲームのプレイヤのように、その仮想実体はゲーム上視認できないが、「実ユーザ」に成り代わった存在として駒や牌を仮想空間内で操作するものである。
【0060】
「プレイヤキャラクタ」とは、ロールプレイングゲームや対戦ゲームにおいてゲーム上で表示され、移動およびアクションなどを起こすゲーム画面上で視認可能なオブジェクトである。
【0061】
(2)対戦ゲーム20の概要
続いて、ゲームサーバ1からインターネット2を介して接続された端末3に提供される対戦ゲーム20について、その概要を、図2を参照して説明する。
【0062】
対戦ゲーム20は、実ユーザによる端末3の操作に応じた動作を行う仮想ユーザを介して、仮想空間内において、例えば、多種類のキャラクタが付された仮想的なプレイヤキャラクタの中から、所定数からなるプレイヤキャラクタを引き連れて冒険を行うゲームである。
【0063】
より具体的には、対戦ゲーム20では、仮想ユーザを操作する実ユーザによって、仮想空間に存在するプレイヤキャラクタの中から、当該仮想ユーザに付随するプレイヤキャラクタが吟味ないし選択される。そして、仮想ユーザに付随するプレイヤキャラクタが、仮想ユーザの味方または手先などとなって、仮想ユーザの指示に従って冒険して経験値を獲得したり、冒険の途中で遭遇した敵オブジェクトの対戦時に敵オブジェクトに攻撃したり敵オブジェクトからの攻撃を受けることで、ゲームが進行する。
【0064】
なお、仮想ユーザに付随するプレイヤキャラクタの最大数は、例えば4つなどに制限してもよいし、ゲーム上で設定された条件(例えばレベル数、対戦回数、勝利回数など)に応じて段階的増加させるようにしてもよい。
【0065】
対戦ゲーム20では、仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタが発揮する対戦能力に応じて、敵オブジェクトに与えるダメージおよび勝敗などがリアルタイムで決する。具体的に、対戦能力は、例えばゲームの世界観によってスキル(例えば、武器物理による攻撃、体術による攻撃、もしくは敵オブジェクトからの攻撃回避など)、魔法、技などをモチーフとした対戦時に発揮する能力である。
【0066】
対戦ゲーム20は、複数のゲームパート(以下、単に「パート」ともいう)が有機的に組み合わさることにより、世界観が完成し、全体として1つのゲームとして成立する。例えば、対戦ゲーム20は、図2に示すように、クエストパート21、バトルパート22、強化パート23を備える。
【0067】
クエストパート21は、「探索、探求、冒険」などの意義を有する「クエスト」という言葉が表す通り、仮想ユーザに付随するプレイヤキャラクタが仮想空間を探索して、探索中に出現する敵と対戦したり、アイテムを獲得したり、仮想ユーザ及び個々のプレイヤキャラクタのレベル向上を行うことにより、進捗するゲームを構成する一部分である。
【0068】
バトルパート22は、仮想ユーザに付随するプレイヤキャラクタを用いて、敵オブジェクトと対戦するパートであり、プレイヤキャラクタが発揮する対戦能力、敵オブジェクトが発揮する対戦能力に基づいて勝敗が決する。具体的に、バトルパート22では、味方(プレイヤキャラクタ)と敵オブジェクトとがリアルタイムで対戦能力を発揮可能である。
【0069】
強化パート23は、例えば仮想ユーザが冒険中に獲得した強化用アイテムを消費することで、仮想ユーザに付随するプレイヤキャラクタの強さを表すレベルなどを上げることで、プレイヤキャラクタが発揮可能な対戦能力の候補数を増やしたり、個々の対戦能力の攻撃力を強化したり、敵からの攻撃を防御する防御力などを強化したりするパートである。
【0070】
以上のような複数のパートから構成される対戦ゲーム20は、各パート単体が他のゲームパートから独立したものではなく、上述したように、各パートが互いに関係し合い、組み合わさることで、ゲーム全体としての意義を有するものとなっている。したがって、対戦ゲーム20では、仮想ユーザが各ゲームパートを有効に進捗させることで、全体として1つのゲームを進行させることができる。
【0071】
(3)基本的なハードウェア構成
(3−1)端末の構成
以上のような対戦ゲーム20の定義に基づき、本実施形態のゲームシステムGを実現するためのハードウェア構成について説明する。
【0072】
図1に示すように、端末3は、例えば、無線通信部31、表示部32、及び操作部33を備える携帯型無線通信端末により構成される。無線通信部31は、携帯電話回線や無線LAN回線を用いてインターネット2に接続し、ウェブブラウザ上でゲームサーバ1とデータ通信を行う。表示部32は、ゲームサーバ1から受信したゲーム進行用データに従って、対戦ゲーム20の進行内容を示すゲーム画面を表示する。操作部33は、例えば、表示部32の画面上の表示に従って実ユーザからの操作入力を受け付けるタッチパネルから構成される。このようにして実ユーザから受け付けられた操作入力は、無線通信部31によりゲームサーバ1に送信される。
【0073】
このようなハードウェア構成を有する端末3では、例えば、予め登録したユーザIDと所定のパスワードとの組合せにより、端末の個体認証処理(ログイン)を行う。そして、端末3は、ゲームサーバ1との間での認証が完了すると、ゲームサーバ1からゲームを進行するのに必要なデータを受信するとともに、操作部33における操作データをゲームサーバ1に送信する。
【0074】
なお、端末3は、通信ネットワークであるインターネット2を介してゲームサーバ1と通信可能な通信装置であれば、携帯電話機、PDA、パーソナルコンピュータなどであってもよい。また、操作部33の例としてタッチパネルを挙げたが、もちろん物理的なキー操作によってカーソルなどを移動させて選択操作を行い、情報の入力を行うような構成を採用してもよい。
【0075】
(3−2)ゲームサーバの概略構成
端末3と通信可能に接続されるゲームサーバ1は、例えば図3に示すような汎用的なハードウェア構成を有するコンピュータにより実現される。すなわち、ゲームサーバ1は、図3に示すように、インターネット2を介して端末3と通信する通信インタフェース部11と、キーボードやマウスなどのユーザからの操作入力を受ける操作入力部12とを備える。また、ゲームサーバ1は、各種演算処理を行うCPUなどの演算処理部13と、演算処理データを一時的に記憶するSRAMやDRAMなどのメインメモリ14と、アプリケーションプログラム及び各種データが記憶されたハードディスクなどの記憶装置15と、演算処理結果を表示する表示部16とを備える。
【0076】
(4)第1実施形態
第1実施形態に係るゲームサーバ1(以下、他実施形態と区別するためゲームサーバ1aという。)は、上述したような対戦ゲーム20をユーザに提供するためのプログラムを記憶装置15にインストールすることで、図4に示すような機能ブロックが実現される。
【0077】
すなわち、第1実施形態に係るゲームサーバ1aでは、例えば図4に示すような、ゲームデータ処理部100(以下、他実施形態と区別とするためゲームデータ処理部100aという。)と、ゲームデータを管理するゲームデータ記憶部200(以下、他実施形態と区別とするためゲームデータ記憶部200aという。)とからなる機能が実現される。以下では、ゲームデータ処理部100aの具体的な処理内容に関する説明に先立ち、ゲームデータ記憶部200の具体的な構成について説明する。
【0078】
(4−1)ゲームデータ記憶部200aの構成
ゲームデータ記憶部200aは、ゲームデータ処理部100aで用いるデータとして、例えば図4に示すように、キャラクタ管理テーブル210、及びユーザ属性管理テーブル220を有する。
【0079】
(キャラクタ管理テーブル210:図5
キャラクタ管理テーブル210は、例えば図5に示すように、キャラクタID501、レアリティ502、対戦能力の候補情報503などを、それぞれ対応付けて記憶することにより管理している。
【0080】
キャラクタID501は、ゲームサーバ1aがプレイヤキャラクタを一意に識別するための識別子である。また、レアリティ502とは、対応するプレイヤキャラクタの希少価値を示すパラメータである。例えばレアリティ502がノーマル、レア、スーパーレア、などの順番で段階的にゲーム上優位な能力が設定される。
【0081】
対戦能力の候補情報503は、対応するプレイヤキャラクタが発揮可能な対戦能力の候補を管理するための情報である。対戦能力の候補情報503は、各々の対戦能力を識別するIDと対戦能力に設定されている待機時間とを一意に管理している。ここで、対戦能力に設定されている待機時間とは、例えば3秒、4秒、5秒など、対象となる対戦能力が選択されてから、敵オブジェクトに対してダメージを与えるまでに要する待機時間、若しくは他のプレイヤキャラクタに設定されている体力又は体力値を回復させるまでに要する待機時間をいう。なお、ゲームの世界観によっては、体力値をヒットポイントなど他の名称によって表現してもよい。また、例えばレアリティ502が示す希少価値が高いほど、例えば攻撃力又は回復力が高いなど優位な対戦能力が設定されている。
【0082】
(ユーザ属性管理テーブル220:図6
ユーザ属性管理テーブル220は、例えば図6に示すように、個々の仮想ユーザに関する情報を管理するテーブルであって、ユーザID601、レベル602、プレイヤキャラクタ管理情報603などを、それぞれ対応付けて記憶することにより管理している。
【0083】
ユーザID601は、ゲームサーバ1aが仮想ユーザを一意に識別するための識別子である。レベル602は、ゲーム内での仮想ユーザの進行度合いを表す数値である。プレイヤキャラクタ管理情報603は、仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタに関する管理情報であって、例えばレベル、対戦で発揮可能な対戦能力に関するパラメータなどから構成される。
【0084】
(4−2)ゲームデータ処理部100aの構成
ゲームデータ処理部100aは、例えば図4に示すように、個別指示要求受付部110、対戦能力選択部120、及び対戦内容決定部130を有する。
【0085】
個別指示要求受付部110は、インターネット2を通じて端末3から送られてくる操作データに応じて、仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付ける。
【0086】
図7(A)は、仮想ユーザに付随する合計4つのプレイヤキャラクタ701〜704と、3つの敵オブジェクト711〜713との対戦の進行中を示すゲーム画面700Aの例である。例えばプレイヤキャラクタに701に3候補の対戦能力が設定されており、ゲーム画面700Aに示すように、プレイヤキャラクタ701に紐付いて3候補の対戦能力が選択可能に表示されている。そして、ゲーム画面700Aに従って、一の候補の対戦能力がユーザ操作により選択されると、個別指示要求受付部110は、当該一の候補の対戦能力を対戦で発揮するように指示するための個別指示要求を受け付けることになる。
【0087】
対戦能力選択部120は、個別指示要求を受け付けたタイミングで、個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、個別指示要求が指示する対戦能力を選択する。
【0088】
対戦内容決定部130は、個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する。
【0089】
具体的に、個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されていることは、操作対象のプレイヤキャラクタについて新たな個別指示要求がなく直近の個別指示要求が指示する対戦能力が選択され続けていることをいう。
【0090】
また、対戦能力の選択状態が維持されている時間とは、例えば対戦能力選択部による選択時を起算点として、新たな個別指示要求がなく直近の個別指示要求が指示する対戦能力が選択され続けている時間である。なお、上記起算点は、例えば端末側で個別指示要求の操作が行われた時点または当該個別操作要求をゲームサーバ側で受信した時点であってもよい。
【0091】
また、対戦内容決定部130は、例えば個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、例えば敵オブジェクトにダメージを与えるなどの、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する。例えば、待機時間が3秒の場合には、個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が開始してから3秒後に上記対戦内容が決定される。
【0092】
例えば、図7(B)は、仮想ユーザに付随する合計4つのプレイヤキャラクタ701〜704の選択状態が維持されているときのゲーム画面700Bの例である。図7(B)のゲーム画面700Bでは、対戦能力が選択状態になると当該対戦能力を表示する枠内が徐々に斜線領域で覆われて、全て斜線領域で覆われるタイミングで対戦内容が決定する。このような画像演出が行われることにより、個々のプレイヤキャラクタについて選択されている対戦能力が発揮するまでの時間が視認可能な演出を行うことができる。
【0093】
つまり、ゲーム画面700Bにおいて、例えばプレイヤキャラクタ701に着目すれば、左側から1番目の列の対戦能力721の選択状態が維持されており、図中の斜線領域で表現されるように、選択状態が維持されている時間が待機時間の1/3に相当し、現時点から待機時間の2/3に相当する時間が経過するタイミングで対戦能力721に応じた対戦内容が決定することを示している。プレイヤキャラクタ702に着目すれば、左側から2番目の列の対戦能力722の選択状態が維持されており、図中の斜線領域で表現されるように、選択状態が維持されている時間が待機時間の3/4に相当し、現時点から待機時間の1/4に相当する時間が経過するタイミングで対戦能力722に応じた対戦内容が決定することを示している。プレイヤキャラクタ703に着目すれば、左側から3番目の列の対戦能力723の選択状態が維持されており、図中の斜線領域で表現されるように、選択状態が維持されている時間が待機時間の2/3に相当し、現時点から待機時間の1/3に相当する時間が経過するタイミングで対戦能力723に応じた対戦内容が決定することを示している。プレイヤキャラクタ704に着目すれば、左側から1番目の列の対戦能力724の選択状態が維持されており、図中の斜線領域で表現されるように、選択状態が維持されている時間が待機時間の1/2に相当し、現時点から待機時間の1/2に相当する時間が経過するタイミングで対戦能力724に応じた対戦内容が決定することを示している。
【0094】
なお、上述したようにバトルパート22はリアルタイムで敵オブジェクトが行動可能であるため、プレイヤキャラクタの行動と関係がない任意のタイミングで敵オブジェクトがプレイヤキャラクタに対して攻撃可能である。つまり、対戦内容決定部130は、プレイヤキャラクタの行動と関係がない任意のタイミングで、敵オブジェクトに設定されている対戦能力に応じた対戦内容を決定する。
【0095】
図8は、対戦内容決定部130の具体的な処理フローを説明するための図である。ここで、図8に示す処理は、1つのプレイヤキャラクタに着目した処理であって、本処理の前提として、対戦能力選択部120により、当該1つのプレイヤキャラクタが発揮可能な対戦能力が予め選択されているものとする。また、対戦内容決定部130は、当該対戦能力の選択状態が維持されている時間を計時しているものとする。
【0096】
ステップS801において、対戦内容決定部130は、個別指示要求に応じた対戦能力の選択変更があったか否かを判断する。対戦内容決定部130は、選択変更があった場合(S801:YES)にはステップS803に進み、選択変更がない場合にはステップS803に進むことなくステップS805に進む。
【0097】
ステップS803において、対戦内容決定部130は、変更後の対戦能力の選択状態が維持されている時間の計時を開始し、ステップS805に進む。
【0098】
ステップS805において、対戦内容決定部130は、対戦能力の選択状態の維持時間が待機時間を経過したか否かを判断し、経過した場合(S805:YES)にはステップS807に進み、経過していない場合(S805:NO)にはステップS801に戻る。
【0099】
ステップS807において、対戦内容決定部130は、例えば、選択状態の対戦能力が示すダメージを敵オブジェクトに与えるなど、当該選択状態の対戦能力に応じた対戦内容を決定して、ステップS809に進む。
【0100】
ステップS809において、対戦内容決定部130は、例えば敵オブジェクトとの対戦の勝負が決するなど、対戦が終了したか否かを判断する。対戦が終了した場合(S809:YES)には図8に示す処理を終了し、対戦が終了していない場合(S809:NO)にはステップS801に戻る。
【0101】
上記図8に示す処理によれば、対戦能力に設定されている待機時間に基づいたタイミングで対戦内容を決定することで、例えば、任意のプレイヤキャラクタについて対戦能力が発揮するまでの間に、その他のプレイヤキャラクタについて個別指示要求を変更するなどの操作を行うことができる。言い換えれば、個々のプレイヤキャラクタについて個別指示要求を行った後に対戦能力が発揮するまで待機するという、シンプルな操作環境で、複数のプレイヤキャラクタをリアルタイムでマネージメントしながら敵オブジェクトとの対戦を進行することができる。
【0102】
とりわけ、対戦内容決定部130は、個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を周期的に経過するタイミングごとに、個別指示要求が指示する対戦能力に応じた対戦内容を決定することが好ましい。具体的には、例えば待機時間が3秒である場合、個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、3秒、6秒、9秒をそれぞれ経過するタイミングごとに、例えば敵オブジェクトにダメージを与えるなどの、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定することが好ましい。
【0103】
このように対戦能力に設定されている待機時間を周期的に経過する各々のタイミングにあわせて対戦内容を繰り返し決定することができる。このため、例えば、任意のプレイヤキャラクタに対する個別指示要求を一旦行えば、その後に個別指示要求に関する操作をしなくても周期的に敵オブジェクトに攻撃を行うようにすることができる。このため、その他のプレイヤキャラクタについて個別指示要求を変更するかどうかの選択にユーザが集中できるような操作環境を提供することができる。言い換えれば、個々のプレイヤキャラクタについて個別指示要求を行った後は何ら操作しなくても対戦能力が周期的に発揮するという、シンプルな操作環境で、複数のプレイヤキャラクタをリアルタイムでマネージメントしながら敵オブジェクトとの対戦を進行することができる。
【0104】
また、各々の候補の対戦能力には、互いに異なる複数候補の待機時間のうちの一以上の候補の待機時間が設定されていることが好ましい。すなわち、各々の候補の対戦能力に対して様々な待機時間が設定されることにより、例えば次の例のようにゲーム戦略が多様になりうる。
【0105】
例えば1つの対戦能力に対して1つの候補の待機時間が設定される場合、比較的短い(例えば2秒間)待機時間が設定されている対戦能力については比較的低い攻撃能力しか発揮しないようにする一方、例えば比較的長い(例えば4秒間)待機時間が設定されている対戦能力については比較的高い攻撃能力が発揮できるようにする。なお、同一候補の待機時間が、複数の対戦能力に設定されてもよい。
【0106】
また、1つの対戦能力には、2以上の候補の待機時間が設定されてもよい。この場合、当該対戦能力については、任意のタイミングで待機時間が切り替わってもよい。例えば、個別指示要求に応じて当該対戦能力が選択された時点では比較的短い待機時間が経過するタイミングで対戦内容が決定され、その後は比較的長い待機時間に切り替わるようにしてもよい。このようにして待機時間が切り替わることにより、当該対戦能力は、低い攻撃力でありながら即時に発揮し、その後は発揮するまでに長い時間を要することになる。
【0107】
このようにして対戦能力のパラメータなどを調整することで、敵オブジェクトの強さなどに応じて、短い待機時間で攻撃するか若しくは待機時間が長くても1回のダメージ数を優先するかどうかを仮想ユーザに対して選択させるなど、ゲーム戦略が多様になり、より一層ゲームを楽しめる環境を提供することができる。
【0108】
また、待機時間の長短は、例えば図7(B)に示すゲーム画面700Bの例において、対戦能力を示す枠内を徐々に覆う斜線領域の変化率を速くしたり短くしたりすることにより表現することができる。すなわち、当該斜線領域の変化率を調整することで、待機時間の長短を実ユーザに視認させることができる。
【0109】
(5)第2実施形態
次に、図9などを参照して、第2実施形態に係るゲームサーバ1(以下、他実施形態と区別するためゲームサーバ1bという。)について説明する。ゲームサーバ1bでは、例えば図9に示すような、ゲームデータ処理部100(以下、他実施形態と区別とするためゲームデータ処理部100bという。)と、ゲームデータを管理するゲームデータ記憶部200(以下、他実施形態と区別とするためゲームデータ記憶部200bという。)とからなる機能が実現される。まず、ゲームデータ記憶部200bの構成については、第1実施形態に係るゲームデータ記憶部200aと同様なので、その構成の説明を省略する。
【0110】
(5−1)ゲームデータ処理部100b
ゲームデータ処理部100bは、第1実施形態に係るゲームデータ処理部100aと同様に、個別指示要求受付部110、対戦能力選択部120、及び対戦内容決定部130を有し、これらに加えて、候補数設定部140を更に有する。ここで、個別指示要求受付部110、対戦能力選択部120、及び対戦内容決定部130については、上述した第1実施形態に係るゲームデータ処理部100aと同様なので、その構成の説明を省略する。
【0111】
候補数設定部140は、仮想ユーザに付随する各々のプレイヤキャラクタの使用履歴から得られる情報に基づき、各々のプレイヤキャラクタが発揮可能な対戦能力の候補数を設定する。
【0112】
ここで、対戦能力の候補数とは、個別指示要求により指示可能な対戦能力の選択肢の数である。例えば、図10(A)のゲーム画面1000Aに示す例では、プレイヤキャラクタ701〜703について設定されている対戦能力の候補数は3であり、プレイヤキャラクタ704について設定されている対戦能力の候補数は2である。例えば、対戦能力の候補数は、対戦能力のレアリティの高さに応じて初期設定されている。
【0113】
具体的に、候補数設定部140は、プレイヤキャラクタを用いた累積対戦回数又は勝利回数が所定の条件をみたすことで段階的に対戦能力の候補数が増えるように設定を行う。例えば、プレイヤキャラクタ701を用いた累積対戦回数又は勝利回数が20回に到達すると、図10(B)のゲーム画面1000Bに示すように、新たな候補の対戦能力1001をプレイヤキャラクタ701に設定する。また、仮想ユーザがプレイヤキャラクタ704を付随してから単調増加するレベルなどの成長度が所定値に到達した場合に、図10(B)のゲーム画面1000Bに示すように、新たな候補の対戦能力1004をプレイヤキャラクタ704に設定してもよい。
【0114】
このような対戦能力の候補数の増加に応じて、ゲーム戦略がより多様になり、ゲームを継続して楽しめる環境を実ユーザに対して提供することができる。
【0115】
(6)第3実施形態
次に、図11などを参照して、第3実施形態に係るゲームサーバ1(以下、他実施形態と区別するためゲームサーバ1cという。)について説明する。ゲームサーバ1cでは、例えば図11に示すような、ゲームデータ処理部100(以下、他実施形態と区別とするためゲームデータ処理部100cという。)と、ゲームデータを管理するゲームデータ記憶部200(以下、他実施形態と区別とするためゲームデータ記憶部200cという。)とからなる機能が実現される。まず、ゲームデータ記憶部200cの構成については、第1実施形態に係るゲームデータ記憶部200aと同様なので、その構成の説明を省略する。
【0116】
(6−1)ゲームデータ処理部100c
ゲームデータ処理部100cは、第1実施形態に係るゲームデータ処理部100aと同様に、個別指示要求受付部110、対戦能力選択部120、及び対戦内容決定部130を有し、これらに加えて、ノンプレイヤキャラクタ設定部150を更に有する。ここで、個別指示要求受付部110については、上述した第1実施形態に係るゲームデータ処理部100aと同様なので、その構成の説明を省略する。
【0117】
ノンプレイヤキャラクタ設定部150は、仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中から、仮想ユーザの付随状態を維持しながら個別指示要求によらず敵オブジェクトと対戦可能な1以上のノンプレイヤキャラクタを設定する。
【0118】
ここで、ノンプレイヤキャラクタとは、仮想ユーザの付随状態を維持しながら、言い換えれば仮想ユーザの味方または手先であり続けながら、個別指示要求によらず敵オブジェクトと対戦可能なキャラクタである。ノンプレイヤキャラクタの動作は、対戦能力選択部120により制御される。
【0119】
対戦能力選択部120は、設定された各々のノンプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、仮想ユーザの操作履歴から得られる情報に基づいて一の対戦能力を選択する。例えば図7に示した例において、プレイヤキャラクタ701がノンプレイヤキャラクタに設定された場合には、対戦能力選択部120は、個別指示要求によらず、プレイヤキャラクタ701が発揮可能な3候補の対戦能力の中から、一の対戦能力を選択する。
【0120】
ここで、仮想ユーザの操作履歴から得られる情報とは、例えば任意の仮想ユーザが経験した過去の対戦での対戦能力の選択頻度などである。具体的に、対戦能力選択部120は、プレイヤキャラクタ701が発揮可能な3候補の対戦能力について、例えば過去1週間にゲーム上で行われた対戦での選択頻度を算出するなどして取得し、最も選択頻度が高い候補の対戦能力を選択する。
【0121】
対戦内容決定部130は、上述したように対戦能力選択部120によりノンプレイヤキャラクタについて選択された対戦能力に設定されている待機時間が周期的に経過するタイミングごとに、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する。
【0122】
一方、ノンプレイヤキャラクタに設定されていないプレイヤキャラクタについて、対戦内容決定部130は、上述した第1の実施形態と同様の処理を行う。すなわち、対戦内容決定部130は、各々プレイヤキャラクタに対応して個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する。
【0123】
本実施形態によれば、例えば仮想ユーザに付随する全てのプレイヤキャラクタを操作することが面倒と思うような場合、若しくは仮想ユーザに付随する全てのプレイヤキャラクタを操作するのに慣れていないような場合などに、ノンプレイヤキャラクタが設定され、ユーザ操作によらずに過去の対戦での対戦能力の選択頻度に応じて対戦能力を選択して対戦を進行することができる。
【0124】
(6−2)具体例
次に、本実施形態に係る具体例について説明する。
【0125】
(ノンプレイヤキャラクタの設定処理)
ノンプレイヤキャラクタ設定部150は、一の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測されたゲームに対する習熟度が低いほど多数のプレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタとして設定する。ここで、習熟度とは、例えば、一の仮想ユーザのレベル、累積対戦回数、および累積勝利回数などに基づいて推測可能な値である。
【0126】
具体的に、ノンプレイヤキャラクタ設定部150は、一の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測されたゲームに対する習熟度が低いほど、一度の対戦でより多くのプレイヤキャラクタを操作することが難しいであろうと予測して、多数のプレイヤキャラクタをノンプレイヤキャラクタに設定する。図7に示す例に当てはめると、習熟度の値が初心者に該当する「1」である場合には、3つのプレイヤキャラクタ701〜703がノンプレイヤキャラクタとして設定され、習熟度の値が初心者より一段階上の初級者に該当する「2」である場合には、2つのプレイヤキャラクタ701〜702がノンプレイヤキャラクタとして設定される。
【0127】
このようにして習熟度に応じてノンプレイヤキャラクタに設定するプレイヤキャラクタの数を調整することで、例えばプレイヤキャラクタを操作するのに不慣れな初心者に相当しうるユーザの対戦進行をサポートしながら段階的に初級者、中級者に移行できるようなゲーム環境を提供することができる。
【0128】
(ノンプレイヤキャラクタについての対戦能力の選択処理)
対戦能力選択部120は、一の仮想ユーザに付随する各々のノンプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、他の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測された過去の対戦で最も優位な対戦能力を最高頻度で選択する。
【0129】
ここで、過去の対戦で最も優位な対戦能力とは、例えば他の仮想ユーザの過去の対戦履歴で勝率が最も高かったり勝利回数が最も多かったりする対戦能力である。さらに敵オブジェクトごとに対戦に優位な属性が分類されているような場合には、敵オブジェクトごとに過去の対戦履歴で、勝率が最高である対戦能力又は勝利回数が最多である対戦能力を、最も優位な対戦能力として推測することが可能である。
【0130】
以上のようにして、他の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測された過去の対戦で最も優位な対戦能力が、他の対戦能力と比べて最も高い頻度で選択されることで、新たな対戦を優位に進行できることが期待される。このため、例えばプレイヤキャラクタを操作するのに不慣れな初心者に相当しうるユーザでも対戦を優位に進行可能となり、ゲームを楽しめる環境を提供することができる。また、例えばプレイヤキャラクタの操作に慣れている中上級者に相当しうるユーザに対しては、第三者(他の仮想ユーザ)がどのようにして対戦を進めているかを認識できるような機会を提供することができる。
【0131】
(7)第4実施形態
次に、図12などを参照して、第4実施形態に係るゲームサーバ1(以下、他実施形態と区別するためゲームサーバ1dという。)について説明する。ゲームサーバ1dでは、例えば図12に示すような、ゲームデータ処理部100(以下、他実施形態と区別とするためゲームデータ処理部100dという。)と、ゲームデータを管理するゲームデータ記憶部200(以下、他実施形態と区別とするためゲームデータ記憶部200dという。)とからなる機能が実現される。まず、ゲームデータ記憶部200dの構成については、第1実施形態に係るゲームデータ記憶部200aと同様なので、その構成の説明を省略する。
【0132】
(7−1)ゲームデータ処理部100d
ゲームデータ処理部100dは、第3実施形態に係るゲームデータ処理部100cと同様に、個別指示要求受付部110、対戦能力選択部120、対戦内容決定部130、及びノンプレイヤキャラクタ設定部150を有し、これらに加えて、ノンプレイヤキャラクタ設定要求受付部160を更に有する。ここで、個別指示要求受付部110については、上述した第1実施形態に係るゲームデータ処理部100aと同様なので、その構成の説明を省略する。また、対戦内容決定部130については、上述した第3実施形態に係るゲームデータ処理部10caと同様なので、その構成の説明を省略する。
【0133】
ノンプレイヤキャラクタ設定要求受付部160は、一の仮想ユーザのための操作データに応じて、当該一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中からノンプレイヤキャラクタの設定を行うためのノンプレイヤキャラクタ設定要求を受け付ける。
【0134】
ここで、ノンプレイヤキャラクタ設定要求とは、例えば一の仮想ユーザに付随する特定のプレイヤキャラクタ、若しくは全てのプレイヤキャラクタについて、実ユーザの意思に応じてノンプレイヤキャラクタに設定するための要求である。
【0135】
つまり、ノンプレイヤキャラクタ設定部150は、一の仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタの中から、ノンプレイヤキャラクタ設定要求に基づいてノンプレイヤキャラクタを設定する。例えば図13に示すゲーム画面1300のように、プレイヤキャラクタに付随する合計4つのプレイヤキャラクタのうち、プレイヤキャラクタ702、704を表示する枠内が実ユーザにより長押し操作されると、プレイヤキャラクタ702、704をノンプレイヤキャラクタに設定する。また、図13に示すように、プレイヤキャラクタ702、704を表示する枠を太枠表示に変更することで、ノンプレイヤキャラクタに設定されたことを実ユーザに対して視認させることができる。
【0136】
以上のように、ノンプレイヤキャラクタ設定要求に応じてノンプレイヤキャラクタが設定されることにより、実ユーザの意思に応じてノンプレイヤキャラクタを設定することができる。これにより、例えば仮想ユーザに付随する全てのプレイヤキャラクタを操作することが面倒と思うような場合に限って、ユーザの意思に従ってノンプレイヤキャラクタを設定することができる。
【0137】
(7−2)具体例
次に、本実施形態に係る具体例について説明する。
【0138】
(ノンプレイヤキャラクタについての対戦能力の選択処理の第1の例)
例えば、対戦能力選択部120は、設定された各々のノンプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、一の仮想ユーザの操作履歴に基づいて推測された過去の対戦で最も優位な対戦能力を最高頻度で選択する。
【0139】
ここで、過去の対戦で最も優位な対戦能力とは、例えばユーザ自身がプレイした過去の対戦履歴で勝率が最高である対戦能力、又は勝利回数が最多である対戦能力である。さらに、敵オブジェクトごとに対戦に優位な属性が分類されているような場合には、敵オブジェクトごとに過去の対戦で最も優位な対戦能力を推測することが可能である。
【0140】
このようにしてユーザ自身の操作履歴に基づいて推測された過去の対戦で最も優位な対戦能力が最高頻度で選択されることで、当該実ユーザ自身が行いたいであろう対戦進行を実ユーザ操作によらず行うことができる。
【0141】
(ノンプレイヤキャラクタについての対戦能力の選択処理の第2の例)
対戦能力選択部120は、設定された各々のノンプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、一の仮想ユーザにより過去の対戦中に指示された対戦能力を当該過去の対戦中に指示されたタイミングで選択してもよい。
【0142】
例えば、対戦能力選択部120は、一の仮想ユーザにより過去の対戦中に指示された対戦能力の種別およびタイミングをリプレイデータとして取得することにより、当該取得したリプレイデータに従って新たな対戦で個別指示要求によらず対戦能力の選択を行うことができる。
【0143】
このようにしてユーザ自身が過去の対戦中に操作したタイミングで、対戦能力の選択を切り替えることが可能である。例えばユーザ操作によらなくても時々刻々と変化しうる対戦進行において、ユーザの意思が反映しうるようなタイミングでノンプレイヤキャラクタの対戦能力の選択切り替えを行うことができる。
【0144】
(ノンプレイヤキャラクタの設定解除)
ノンプレイヤキャラクタ設定部150は、敵オブジェクトとの対戦の進行中に受信した一の仮想ユーザの操作データに応じて、ノンプレイヤキャラクタの設定を解除してもよい。例えば図13に示すゲーム画面1300において、ノンプレイヤキャラクタ(プレイヤキャラクタ702、704に対応するノンプレイヤキャラクタ)を示す枠内が実ユーザにより長押しされると、ノンプレイヤキャラクタ設定部150により太枠表示が解除され、ノンプレイヤキャラクタの設定を解除してもよい。
【0145】
このようにしてユーザの意思に応じてノンプレイヤキャラクタの設定を解除することができる。これにより、例えば優勢に進行している間はノンプレイヤキャラクタに設定し、劣勢になった場合にはノンプレイヤキャラクタの設定を解除して実ユーザの意思に応じて対戦を進行できるようなゲーム環境を提供することができる。
【0146】
(8)第5実施形態
次に、図14などを参照して、第5実施形態に係るゲームサーバ1(以下、他実施形態と区別するためゲームサーバ1eという。)について説明する。ゲームサーバ1eでは、例えば図14に示すような、ゲームデータ処理部100(以下、他実施形態と区別とするためゲームデータ処理部100eという。)と、ゲームデータを管理するゲームデータ記憶部200(以下、他実施形態と区別とするためゲームデータ記憶部200eという。)とからなる機能が実現される。まず、ゲームデータ記憶部200eの構成については、第1実施形態に係るゲームデータ記憶部200aと同様なので、その構成の説明を省略する。
【0147】
(8−1)ゲームデータ処理部100e
ゲームデータ処理部100dは、第1実施形態に係るゲームデータ処理部100aと同様に、個別指示要求受付部110、対戦能力選択部120、及び対戦内容決定部130を有し、これらに加えて、待機時間設定変更部170を更に有する。ここで、個別指示要求受付部110については、上述した第1実施形態に係るゲームデータ処理部100aと同様なので、その構成の説明を省略する。
【0148】
対戦能力選択部120は、2以上の個別指示要求を受け付けたタイミングが所定時間内であれば、個別操作対象となる2以上のプレイヤキャラクタにそれぞれ発揮させるための2以上の対戦能力を同時選択する。
【0149】
ここで、2以上の個別指示要求を受け付けたタイミングが所定時間内であるとは、例えば0.1秒以内など、2以上の個別指示要求を受け付けたタイミングがほぼ同時であることをいう。例えば、図15は、プレイヤキャラクタ701が発揮可能な対戦能力721と、プレイヤキャラクタ702が発揮可能な対戦能力722とが同時選択された場合のゲーム画面1500の例を示している。
【0150】
待機時間設定変更部170は、2以上のプレイヤキャラクタに発揮させるための2つ以上の対戦能力の同時選択が維持されている場合には、当該2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を互いに等しい待機時間に変更する。ここで、2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を互いに等しい待機時間に変更するとは、例えば対戦能力721、722に設定されている待機時間が3秒、4秒である場合には、平均値である3.5秒に設定変更するなど、所定の待機時間に揃えることである。このように所定の待機時間に揃えることにより、2つ以上の対戦能力が同時に発揮可能になる。
【0151】
対戦内容決定部130は、同時選択された2つ以上の対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を同時に経過するタイミングで、当該2つ以上の対戦能力と前記同時選択が維持されている2以上の対戦能力の数に応じて対戦内容を決定する。
【0152】
ここで、2以上の対戦能力の数に応じて対戦内容を決定することは、例えば畳み込み攻撃のように、単一の対戦能力に応じたダメージよりも大きいダメージを敵オブジェクトに与えることをいう。例えば対戦能力721により敵オブジェクトに与えるダメージ数が1000、対戦能力722により敵オブジェクトに与えるダメージ数が2000である場合、例えば畳み込み攻撃によるダメージ数を次のように算出することができる。
(選択状態の個々の対戦能力が発揮するダメージ数)×1.1
【0153】
このようにしてダメージ数を決定することで、例えば単一の対戦能力で発揮するダメージ数である3000(1000+2000)よりも大きいダメージ数3300を敵オブジェクトに与えることができる。また、同時選択された対戦能力の数が2、3、・・・と増えるごとに、ダメージ数の増加率を1.1、1.2、・・・などのように高くしてもよい。
【0154】
(8−2)ゲームサーバ1eにおける処理
図16は、ゲームサーバ1eにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0155】
ステップS1601において、対戦能力選択部120は、所定時間内(例えば0.1秒以内)に、2以上の個別指示要求を受け付けたか否かを判断し、受け付けた場合(S1601:Yes)にはステップS1603に進み、受け付けていない場合(S1601:No)には図16に示す処理を終了する。
【0156】
ステップS1603において、対戦能力選択部120は、個別操作対象となる2以上のプレイヤキャラクタにそれぞれ発揮させるための2以上の対戦能力を同時選択して、ステップS1605に進む。
【0157】
ステップS1605において、待機時間設定変更部170は、同時選択が維持されている2つ以上の対戦能力に設定されている待機時間を互いに等しい待機時間に変更して、ステップS1607に進む。
【0158】
ステップS1607において、対戦内容決定部130は、同時選択された対戦能力の選択状態の維持時間が、当該同時選択された対戦能力について等しく設定されている待機時間を経過(同時経過)したか否かを判断する。同時経過した場合(S1607:Yes)にはステップS1609に進む。一方、例えば新たな個別指示要求があった場合など、同時経過していない場合(S1607:No)には図16に示す処理を終了する。
【0159】
ステップS1609において、対戦内容決定部130は、同時選択された各々の対戦能力および対戦能力の数に応じた対戦内容を決定する。例えば同時選択された対戦能力の数が大きいほど、ダメージ合計数の増加率を高くする。そして、図16に示す処理を終了する。
【0160】
以上のようにして、例えばスマートフォンのマルチタッチ機能などを利用して0.1秒以内に複数の個別指示要求が行われると、複数のプレイヤキャラクタについて選択された対戦能力が同じタイミングで発揮することになり、同時に発揮する対戦能力の数に応じて敵オブジェクトに与えるダメージ数を増加させることができる。このようにして、畳み込み攻撃が容易に可能になる一方、待機時間の変動によって攻撃のタイミングが遅くなる可能性があるため、対戦の戦略が多様になり、より一層ゲームを楽しめる環境を提供することができる。
【0161】
とりわけ、待機時間設定変更部170は、当該2つ以上の対戦能力の中から最長の待機時間が設定されている対戦能力を特定し、当該2つ以上の対戦能力の全てに対して特定した最長の待機時間を設定することが、次の点で好ましい。
【0162】
ここで、2つ以上の対戦能力の中から最長の待機時間が設定されている対戦能力を特定することは、例えば図15に示す例で当てはめれば、対戦能力721、722に設定されている待機時間が3秒、4秒である場合に、待機時間が4秒である対戦能力722を特定することをいう。そして、対戦能力721、722に設定されている待機時間を全て4秒に設定する。
【0163】
このようにして同時選択が維持されている2つ以上の対戦能力の全てに対して上記最長の待機時間を設定することにより、同時選択された場合に著しくゲーム進行が優位になるような事態を防止することができる。
【0164】
(9)その他
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態を組み合わせることが可能である。
【0165】
また、本発明は、上述したゲームサーバ1で行われるゲームデータ処理部100の機能を、端末装置(端末3)側で行うようにしてもよい。具体的には、端末装置は、例えばゲームサーバ1とゲーム進行に関するデータを送受信して、ゲームデータ処理部100a〜100eの何れか一の機能を実現してもよい。
【0166】
また、本発明は、上記の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムが記録された非一時的な記録媒体をシステム又は装置に提供し、当該システム又は装置のコンピュータ、すなわちCPU又はMPUに、当該非一時的な記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行させることによって実現してもよい。
【0167】
この場合、当該非一時的な記録媒体から読み出されたプログラムは、上述実施形態の機能を実現する。したがって、当該プログラム及び当該プログラムが記録された非一時的な記録媒体も、本発明の一態様である。
【0168】
当該プログラムを提供する非一時的な記録媒体は、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWなどの光ディスク、磁気テープ、不揮発性メモリカード、及びROMを含む。或いは、当該プログラムは、通信ネットワークであるインターネットを介してダウンロード可能であってもよい。
【0169】
さらに、上記実施形態の機能は、コンピュータが当該プログラムを読み出して実行するだけではなく、コンピュータ上で動作するOS(operating system)等に、当該プログラムの指示に基づき実際の操作の一部又はすべてを実行させることによって実現してもよい。
【0170】
さらに、上記実施形態の機能は、非一時的な記録媒体から読み出されたプログラムを、コンピュータに挿入された拡張ボードに設けられたメモリ、又は、コンピュータに接続された拡張装置に設けられたメモリに書き込み、拡張ボード又は拡張装置に設けられたCPU等に、プログラムの指示に基づき実際の処理のすべて又は一部を実行させることによって実現されてもよい。
【0171】
典型的な実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、ここに開示する典型的な態様に限定されないことはもちろんである。特許請求の範囲は、このような変更と、同等の構造及び機能とをすべてを含むように最も広く解釈することが可能である。
【符号の説明】
【0172】
1、1a、1b、1c、1d、1e ゲームサーバ
110 個別指示要求受付部
120 対戦能力選択部
130 対戦内容決定部
140 候補数設定部
150 ノンプレイヤキャラクタ設定部
160 ノンプレイヤキャラクタ設定要求受付部
170 待機時間設定変更部

【要約】      (修正有)
【課題】シンプルな操作環境で個々のユーザが複数のプレイヤキャラクタをリアルタイムでマネージメントしながら敵オブジェクトとの対戦を進行可能なゲームサーバを提供する。
【解決手段】操作データに応じて、仮想ユーザに付随する複数のプレイヤキャラクタのうち、個別操作対象のプレイヤキャラクタに発揮させるための対戦能力を指示する個別指示要求を受け付ける個別指示要求受付部110と、個別指示要求を受け付けたタイミングで、個別操作対象のプレイヤキャラクタが発揮可能な複数候補の対戦能力の中から、個別指示要求が指示する対戦能力を選択する対戦能力選択部120と、個別指示要求が指示する対戦能力の選択状態が維持されている時間が、当該対戦能力に設定されている待機時間を経過するタイミングで、当該対戦能力に応じた対戦内容を決定する対戦内容決定部130と、を備える。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16