(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記導電性膜が透明導電性膜であり、前記上カバーの下面に形成され、前記上カバーと前記透明導電性膜との組合せが70%以上の透過率を有し、前記透明導電性膜におけるすべての導電ユニットを合わせた電気信号変化が、前記上カバー又は前記上カバーの上の接触又は接近動作を執行することにより生成される請求項5に記載のウェアラブル装置。
前記コントローラーが前記タッチ検出ユニットにより生成した前記検出信号を受信した後、前記コントローラーにより前記短距離通信モジュールの前記コイルで形成した電気回路をオン・オフする操作をさらに含む請求項17に記載の方法。
前記コントローラーが前記少なくとも1つの検出器により生成した前記検出信号を受信した後、前記コントローラーにより、前記短距離通信モジュールの前記コイルで形成した電気回路をオン・オフする操作をさらに含む請求項19に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、ウェアラブル装置である。該ウェアラブル装置は、その中に設けられた短距離通信モジュールを備える。該ウェアラブル装置は、腕時計、ブレスレット、キーリング等の短距離通信方式により他の電子装置と通信できる装置であってもよいが、これらに限定されない。
【0013】
以下、腕時計を例に挙げてウェアラブル装置を説明する。
図1は、本発明の一実施例の腕時計の上面図であり、
図2は、
図1の腕時計の分解図である。
【0014】
該腕時計は、上カバー10、アンテナ12、ハウジング14、時間表示素子18、短距離通信(short distance communication)モジュール20、ムーブメント24、機能モジュール26、クラウン28、電池30、及び下カバー34を備える。
【0015】
該上カバー10、該ハウジング14、及び該下カバー34は、上から下へ順次配置され、収納空間36を形成する。該上カバー10、該ハウジング14、及び該下カバー34は、該腕時計の内部の機械部品及び/又は電子部品を保護する。
【0016】
該時間表示素子18は、該収納空間36に設けられ、本体の時間スケール180(例えば、1時〜12時)、及び該時間スケール180の上に設けられた少なくとも1つのインジケータ38(例えば、本体の時針、分針及び秒針)を含み、該インジケータ38は、該ムーブメント24に駆動され、該時間表示素子18での時間スケール180に合わせて時間を表示する。ユーザーは、透明の該上カバー10及び該アンテナ12を介して該時間スケール180が指示する支持する位置情報(即ち、時間情報)を見ることができる。
【0017】
なお、該腕時計は、クォーツ腕時計であり、該時間表示素子18は、文字盤である。別の実施例において、該腕時計は、デジタル時計であり、該時間表示素子18は、数字で時間を表示する表示器である。
【0018】
該機能モジュール26は、ブルートゥースモジュールであってもよく、該アンテナ12及び電子装置(例えば、モバイル端末)により通信することができる。該アンテナ12は、ブルートゥースアンテナとして、その動作周波数が2.4KMHz〜2.485KMHzであるため、該腕時計は、該電子装置とブルートゥース通信を行うことができる。別の実施例において、該機能モジュール26は、該腕時計のバンドに設けられてもよい。
【0019】
好ましくは、該上カバー10は、透明材料(例えば、ガラス)であり得る。該アンテナ12は、該上カバー10の下面に形成される。なお、該アンテナ(ブルートゥースアンテナ)12は、光透過性構造であり得る。該アンテナ12を該上カバー10の下面に形成することにより、ユーザーは、該上カバー10を介して時間を見る時に該アンテナ12の影響を受けることはない。
【0020】
該短距離通信モジュール20は、該時間表示素子18の下に設けられ固定されることができる。該短距離通信モジュール20は、RFIDモジュール又はNFCモジュールであり得る。該短距離通信モジュール20の動作周波数は1.32MHz〜18MHz(標準は13.56MHz)である。該短距離通信モジュール20は、10cm以下の通信距離を有し、つまり、該短距離通信モジュール20は、一定の通信距離内で外部装置(例えば、タグ又はタグ読み取り装置)と通信することができる。
【0021】
なお、該短距離通信モジュール20と該機能モジュール(例えば、ブルートゥースモジュール)26は、動作周波数が異なっているため、それらの信号が互いに干渉することがない。
【0022】
図3は、本発明の一実施例の短距離通信モジュール20と機能モジュール26とのインタラクションの模式図である。
図3に示すように、該短距離通信モジュール20は、アクチュエーター202、コイル204、及びスイッチ206を含み、該機能モジュール26は、プロセッサー(又はコントローラー)260を含む。該短距離通信モジュール20は、アクティブ又はパッシブRFID/NFCモジュールであり得る。アクティブの場合、アクチュエーター202は、コイル204に経時変化の電流を加えてコイル204に電磁波信号を生成させることで該外部装置と通信することができる。パッシブの場合、該外部装置からの電磁波がコイル204で誘導電流を生成し、アクチュエーター202にエネルギーを提供することで、アクチュエーター202は、それに記載のすべての資料をコイル204により電磁波信号の方式で送信する。
【0023】
本発明において、ユーザーの操作に応じて短距離通信モジュール20のコイル204が送信した電磁波信号を制御することができる。さらに、ユーザーは、該腕時計にある操作を執行することにより、短距離通信モジュール20のコイル204が送信した電磁波信号をオフにしたり、該アクチュエーター202をオンすることでコイル204が該電磁波信号を送信したり、該電磁波信号の強さを調整したりすることができる。例えば、該操作により、機能モジュール26におけるプロセッサー(又はコントローラー)260が、該電磁波信号をオン・オフ又は調整するように該短距離通信モジュール20を制御することができる。
【0024】
なお、一実施例において、プロセッサー260(又はコントローラー)は、該腕時計内に設けられればよく、ブルートゥース通信機能と結合するために機能モジュール26に配置する必要はない。つまり、プロセッサー(又はコントローラー)260は、ユーザー操作を受信、処理できるコントローラーであり得、該短距離通信モジュール20に接続され、該コイル204の電磁波信号の生成を制御することができる。
【0025】
なお、本発明の短距離通信モジュール20は、RFIDモジュール、又はNFCモジュールにより実現され得る。さらに、本発明は、アクティブ短距離通信モジュールに適用され、パッシブ短距離通信モジュールにも適用される。
【0026】
例えば、
図3に示す実施例において、スイッチ206は、コイル204で形成した電気回路に設けられる。機能モジュール26のプロセッサー(又はコントローラー)260或いは該腕時計におけるいずれのコントローラーがユーザーの操作を受信した後、該短距離通信モジュール20のスイッチ206にスイッチ信号を送信し、コイル204の回路をオン・オフにすることで、電流がコイル204を流通し、又はコイル204での電流流通を切断し、コイル204が送信した電磁波信号をオン・オフにする。なお、
図3に示すコイル204は、例示に過ぎず、コイル204は実際に電気回路を構成する。
【0027】
図4は、本発明の別の実施例の短距離通信モジュール20と機能モジュール26とのインタラクションとの模式図である。
図4に示すように、該短距離通信モジュール20は、アクチュエーター202、コイル204、及び増幅器208を含む。増幅器208は、アクチュエーター202に接続され、アクチュエーター202により生成した電流の大小を調整する。機能モジュール26のプロセッサー(又はコントローラー)260又は該腕時計における任意のコントローラーは、アクチュエーター202に接続される。この実施例において、機能モジュール26のプロセッサー(又はコントローラー)260又は該腕時計における任意のコントローラーがユーザーの操作を受信した後、該短距離通信モジュール20のアクチュエーター202に調整信号を送信することにより、該アクチュエーター202は、電流の大小を調整するように該増幅器208を通知することで、コイル204が送信した電磁波信号の強さを調整する。
【0028】
なお、ユーザーの操作を受信した後、プロセッサー260又は任意のコントローラーは、増幅器208が出力した電流を0又は所定の電流大小に調整し、或いは所定手順に従って電流の大小をスイッチするようにアクチュエーター202を制御することができる。
【0029】
例えば、プロセッサー260又は任意のコントローラーが初めてユーザー操作を受信したとき、増幅器208が出力した電流を所定の電流大小に調整し、つまり、電磁波信号の伝送をオンし;ユーザー操作を2回目に受信したとき,増幅器208が出力した電流を所定量増加(又は減少)させ;ユーザー操作を3回目に受信したとき、増幅器208が出力した電流をさらに所定量増加(又は減少)させ;ユーザー操作を4回目に受信したとき、増幅器208が出力した電流を0に調整し、つまり、電磁波信号の伝送をオフにする。或いは、ユーザーの第1操作に応じて、増幅器208が出力した電流をオンし;ユーザーの第2操作に応じて、増幅器208が出力した電流をオフにする。或いは、ユーザーの異なる操作に応じて、増幅器208が大小の異なる電流を出力する。
【0030】
本発明において、ユーザーの操作により、ユーザーはウェアラブル装置(例えば、腕時計)における短距離通信モジュール(RFID/NFCモジュール)20のコイル204が送信した電磁波信号を容易に制御することできることで、該電磁波信号を容易にオン・オフ、又は調整することができるため、短距離通信モジュール20の不要な電力消費を減少させ、ウェアラブル装置の使用時間を延長し、ウェアラブル装置の電池の使用寿命を延長できる。また、ユーザーは、短距離通信モジュール20を容易にオフにすることができることにより、スキミングされるリスクを低減させ、安全性を向上できる。
【0031】
本発明の一実施例において、ユーザーが短距離通信モジュールを有するウェアラブル装置を用いてモバイル決済する過程において、例えば、ユーザーは、該ウェアラブル装置に一回のクリック操作(ウェアラブル装置がこのクリック操作を検出できる)を行うことにより、短距離通信モジュールの電磁波信号伝送がオンし、決済完了後、クリック操作をさらに行うことにより、該電磁波信号伝送をオフにすることができる。それにより、消費電力を減少させ、スキミングされるリスクを低減できる。ユーザーは、クリック操作により該電磁波信号の強さを調整できる。例えば、ウェアラブル装置の短距離通信モジュールが送信した電磁波信号が弱すぎてRFタグ/読み取り装置に感知されることができないため、決済が完了できないときに、クリック操作により電磁波信号の強度を次第に増加することで、様々なタイプのRFタグ/読み取り装置に適応する目的を達成することができる。
【0032】
ユーザー操作の検出について、本発明は、以下の2つの迅速且つ効果的なユーザー操作検出メカニズムを提案する。即ち、(1)ユーザーがウェアラブル装置の導電性膜に行う操作に対する検出;及び(2)ウェアラブル装置の検出器(例えば、加速度検出器、重力検出器、角速度検出器、及びジャイロスコープ等)がユーザーに対して行った動作(例えば、ジェスチャー又は姿態)検出により得られた操作の検出である。
【0033】
同様に、ウェアラブル装置が腕時計である場合に、導電性膜によりユーザー操作の検出を行うことについて、
図5を参照されたい。
図5は、本発明の別の実施例の腕時計の分解模式図である。本実施例において、該腕時計は、透明導電性膜12'を含み、該透明導電性膜12'が該上カバー10が貼り付けされた下面(又は壁101)に形成されるという点で、
図1及び
図2に示す実施例と異なっている。該上カバー10及び該透明導電性膜12'は、いずれも光透過率が高い構造であり、例えば、該上カバーと該透明導電性膜との組合せは70%以上の透過率を有するため、ユーザーが該上カバー10を介して時間を見るときに該透明導電性膜12'の影響を受けることがない。該透明導電性膜12'は、ユーザーの接近又は接触操作を検出する。詳細は、以下に説明する。
【0034】
図6は、本発明の一実施例の機能モジュール26と透明導電性膜12'とのインタラクションの模式図である。
図6に示すように、本実施例の機能モジュール26は、プロセッサー(又はコントローラー)260'、無線通信ユニット264、及びタッチ検出ユニット266を含む。
【0035】
該無線通信ユニット264は、ブルートゥース(Bluetooth)トランシーバーであることができ、該プロセッサー(又はコントローラー)260' に電気的に接続される。該透明導電性膜12'に、例えば、ブルートゥースアンテナが形成され得る。該無線通信ユニット264は、該透明導電性膜12'でのブルートゥースアンテナを介して外部通信装置と無線通信を行う。該機能モジュール26は、メモリユニット268をさらに含む。該メモリユニット268は、該プロセッサー(又はコントローラー)260'に必要な資料を記憶する。該メモリユニット268は、該プロセッサー(又はコントローラー)260'と一体にされてもよい。
【0036】
本実施例は、該タッチ検出ユニット266が該透明導電性膜12'及び該プロセッサー(又はコントローラー)260' に電気的に接続されることを特徴とする。ユーザーが
図6の該上カバー10又はその上で動作を執行する(例えば、該上カバー10をクリックし、又は該上カバー10を上スライドする)ときに、該タッチ検出ユニット266は、該透明導電性膜12'を介して信号変化(例えば、電流変化)を検出する。該信号変化は、該上カバー10又は該上カバーの上の該動作を執行することにより発生したものである。該プロセッサー(又はコントローラー)260'は該信号変化を受信し、該信号変化に基づいて対応する指令を出力する。
【0037】
例えば、ユーザーが
図6の該上カバー10を1回クリックしたとき、該タッチ検出ユニット266は、該透明導電性膜12'の信号変化(例えば電流変化)を検出し、該信号変化を該プロセッサー(又はコントローラー)260'に伝送し、該プロセッサー(又はコントローラー)260'は、該信号変化に基づいて該短距離通信モジュール20を制御することでそのコイル204(
図3又は
図4を参照)が送信した電磁波信号をオン・オフすることにより、該短距離通信モジュール20と外部装置との電磁波信号伝送をオン・オフする。又は、ユーザーは、上カバー10(又は透明導電性膜12')をクリックすること、又は異なる操作を行うことにより、該短距離通信モジュール20が送信した電磁波信号の強度を切り替えることもできる。
【0038】
図7は、本発明の一実施例の透明導電性膜12'が上カバー10に貼り付けられた模式図であり、
図8は、
図7のAの拡大図である。
【0039】
図7に示すように、該透明導電性膜12'は、格子状の導電性膜で示されているが、実際に、極めて細い金属線で形成した格子状であるため、ユーザーが格子状の透明導電性膜12'を見ることができない。ユーザーが見る透明導電性膜はほぼ透明である。
【0040】
具体的には、該透明導電性膜12'は、複数本の導線1211を含み、これらの導線1211が絡み合って複数の導電ユニット1212を構成する。該透明導電性膜12'におけるすべての導電ユニット1212を合わせた電気信号(例えば、電圧信号或電流信号)変化は、該上カバー又は該上カバーの上の接触又は接近動作を執行することにより発生したものである。タッチ検出ユニット266は、該透明導電性膜12'におけるすべての導電ユニット1212を合わせた電気信号変化を検出し、該検出信号を生成し、該プロセッサー(又はコントローラー)260'は、該タッチ検出ユニット1212が生成した該検出信号に基づいて、該短距離通信モジュール20のコイル204が生成した電磁波信号を制御又は調整する。
【0041】
ここで、透明導電性膜12'におけるすべての導電ユニット1212を合わせた電気信号とは、タッチ検出ユニット266がタッチ検出ユニット266と透明導電性膜12'との間に接続された信号線により検出した電気信号であり、該等導電ユニット1212の全て又はいずれかの有効的な部分により寄与されたものである。
【0042】
上記透明導電性膜12'によるユーザー操作の検出技術は、従来のタッチパネルのタッチ操作の検出技術、及び従来の表示パネルに画素電極を配置することで映像を表示する技術と異なっていることが、当業者であれば理解できるべきである。
【0043】
該透明導電性膜12'は、通信部120及び感知部122を含み得る。該通信部120は、該上カバー10の下面の一部に貼り付けて形成され、該感知部122は、該上カバー10の下面の他の部分に貼り付けて形成される。該通信部120は、該感知部122に電気的に切断される。該通信部120は、ブルートゥースアンテナであり得、機能モジュール26の無線通信ユニット264(ブルートゥーストランシーバー)に電気的に接続され、且つ該無線通信ユニット264と外部通信装置との間の信号を受送信する。該感知部122は、該タッチ検出ユニット266に電気的に接続され、該信号変化(例えば、電流変化)を信号伝送部42により該タッチ検出ユニット266に伝送する。
【0044】
該通信部120及び該感知部122は、まず、該上カバー10の下面に導電性膜を形成した後、レーザーパターニング(laser patterning)により該完全な導電性膜を該通信部120と該感知部122に分割することにより作製されることができる。該感知部122は、微細の間隙により該通信部120と区分され、該感知部122と該通信部120とは、互いに影響を与えない。
【0045】
さらに、
図5に示す実施例において、該感知部122は、第1領域1220及び第2領域1222に分けられ、該第1領域1220と該第2領域1222とが電気的に切断される。ユーザーが該第1領域1220から該第2領域1222にスライドしたときに、該第1領域1220の該感知部122が送信号変化を該タッチ検出ユニット266に伝送し、該第2領域1222の該感知部122が送信号変化を該タッチ検出ユニット266に伝送し、該プロセッサー(又はコントローラー)260'がこの2つの信号変化を解読し、該信号変化に基づいて対応する操作指令を出力することができる。
【0046】
例えば、ユーザーが該第1領域1220をクリックすると、該プロセッサー260'は、対応する操作指令を該短距離通信モジュール20に出力することにより、該電磁波信号をオンする。ユーザーが該第2領域1222をクリックすると、該處理260'は、該電磁波信号をオフにするように該短距離通信モジュール20を制御する。ユーザーが該第1領域1220から該第2領域1222へスライドすると、該處理260'は、該電磁波信号の強度を低減させるように該短距離通信モジュール20を制御する。ユーザーが該第2領域1222から該第1領域1220へスライドすると、該處理260'は、該電磁波信号の強度を増大するように該短距離通信モジュール20を制御する。
【0047】
別の実施例において、該感知部122は、2つの領域に分けられず、1つの領域であってもよい。さらなる実施例において、該感知部122は、複数の互いに電気的に切断された領域に分けられてもよく、これらの領域の面積が同一でも異なってもよい。
【0048】
なお、一実施例において、該短距離通信モジュール20におけるコイル204を該透明導電性膜12'に設けてもよい。つまり、該透明導電性膜12'に互いに電気的に切断された該感知部122、該通信部120、及び該コイル204が設けられている。或いは、別の実施例において、該透明導電性膜12'に該感知部122と、該通信部120及び該コイル204の一つとが設けられている。
【0049】
本実施例のウェアラブル装置(腕時計)において、透明導電性膜が収納空間又はハウジングの内部に設けられず、上カバーの下面に貼り付けられ、且つアンテナの構造を形成できるため、透明導電性膜が信号を受送信するときに、信号は、ハウジングにシールド又は影響されることがない。さらに、本実施例の透明導電性膜の構造は、該装置と外部装置との間の信号を受送信できるだけでなく、上カバーで執行された動作を検出でき、つまり、本実施例の装置は、透明導電性膜により上カバー又はその上の動作を検出することができるため、該装置の操作がより容易になる。
【0050】
検出器によりユーザー操作に検出を行うことについて、
図9を参照されたい。
図9は、本発明の一実施例の機能モジュール26'の模式図である。この実施例において、機能モジュール26'は、プロセッサー(又はコントローラー)260''、少なくとも1つの検出器262、無線通信ユニット264、及びメモリユニット268を備える。該無線通信ユニット264及び該メモリユニット268は、上記の通りであるため、ここで説明を省略する。該検出器262は、その三次元空間における変位、角度変位、及び/又は、周期的変位若しくは角度変位の変化を検出し、検出信号を生成する。つまり、該検出器262は、ユーザーがウェアラブル装置に対して行った動作(例えば、ジェスチャー又は姿態等)を検出できる。例えば、クリック、回転、揺動、及びユーザーの手の姿勢等があり得る。該検出器262は、加速度検出器、重力検出器、角速度検出器、及びジャイロスコープであり得るが、これらに限定されない。該プロセッサー(又はコントローラー)260''は、該検出器262及び該短距離通信モジュール20に電気的に接続され、該検出器262により生成した該検出信号に基づいて、該短距離通信モジュール20のコイル204により生成した電磁波信号を制御又は調整する。
【0051】
本実施例のウェアラブル装置(腕時計)は、検出器によりユーザーが該装置に対して行った動作(例えば、ジェスチャー又は姿態)を検出することにより、該短距離通信モジュール20のコイル204により生成した電磁波信号の制御又は調整することができるため、該装置の操作がより容易になる。
【0052】
さらに、金属又は導電性ハウジングがウェアラブル装置におけるRFID/NFCモジュールに影響を与え、RFID/NFCモジュールとRFタグ/読み取り装置との間を伝送した電磁波信号の強度を弱くすることがある。そのため、本発明は、その問題の解決法を提案する。
図10は、本発明の別の実施例の腕時計の分解模式図である。本実施例において、該ハウジング14は、金属材質又は導電性材質で作製されるため、該短距離通信モジュール20の電磁波(資料)の受送信に影響を与えることがあり、該ハウジング14の該短距離通信モジュール20に対する影響を低減させるために、本実施例の腕時計に第1磁気分離層16、第2磁気分離層22、及び第3磁気分離層32が設けられるという点で、
図1、
図2に示される実施例と異なっている。これらの磁気分離層16、22、32は、電磁波を吸収し、電磁波干渉の抑制効果を達成する。
【0053】
第1磁気分離層16は、該導電ハウジング14の該収納空間36に向かっている表面(即ち、内面)140に形成される。第2磁気分離層22は、該短距離通信モジュール20の下に設けられる。好ましくは、該第2磁気分離層22は、該短距離通信モジュール20の下に貼り付けられる。該第3磁気分離層32は、該下カバー34に形成される。
【0054】
本実施例の腕時計において、該短距離通信モジュール20が外部装置(例えば、RFタグ又は読み取り装置)と通信するときに、該外部装置の電磁波は該短距離通信モジュール20に送信され、該第1磁気分離層16及び該第2磁気分離層22が電磁波を吸収することで、電磁波が該ハウジング14及び該収納空間36内の他の金属元件による影響により該短距離通信モジュール20に受信されることができないことを回避できる。また、該第2磁気分離層22は、該短距離通信モジュール20が該機能モジュール26及びその下の他の金属部品に影響されることを回避でき、電磁波干渉の抑制効果を達成する。
【0055】
なお、該第3磁気分離層32は、選択できる部品であり、該第1磁気分離層16及び該第2磁気分離層22に吸収されない電磁波をさらに吸収することができる。
【0056】
なお、該第1磁気分離層16、該第2磁気分離層22、及び該第3磁気分離層32のいずれかの一者又は二者を選択して電磁波の吸収目的を実現することができる。任意の数の磁気分離層を使用することもできる。
【0057】
従来技術において、短距離通信モジュールを金属材質又は導電性材質のハウジングを有する通信装置に設けることができない一方、本実施例のウェアラブル装置(例えば、腕時計)に電磁波を吸収できる少なくとも1つの磁気分離層が設けられているため、電磁波が金属材質又は導電性材質のハウジングの影響により短距離通信モジュールに受信されることができないことを回避できることにより、短距離通信モジュール(例えば、RFIDモジュール又はNFCモジュール)は、金属材質又は導電性材質のハウジングを有する通信装置に設けることができる。
【0058】
図11は、本発明の一実施例のウェアラブル装置の操作方法のフロー図である。
【0059】
該ウェアラブル装置は、収納空間を画する少なくとも1つの壁を有するハウジングを備える。該ウェアラブル装置は、該ハウジングの壁の表面に設けられた導電性膜、及び該収納空間に設けられた短距離通信モジュール、タッチ検出ユニット、及びコントローラーをさらに備える。該導電性膜は、複数本の導線を含み、これらの導線が絡み合って複数の導電ユニットを構成する。該短距離通信モジュールは、コイル及びアクチュエーターを含む。該アクチュエーターは、該コイルに電気的に接続され、該タッチ検出ユニットは、該導電性膜に電気的に接続され、該コントローラーは、該タッチ検出ユニット及び該短距離通信モジュールに電気的に接続されている。該ウェアラブル装置の操作方法は、以下の操作を含む。
【0060】
操作S10において、該短距離通信モジュールの該アクチュエーターにより、該コイルに経時変化の電流を加え、該コイルに電磁波信号を生成させることで外部装置に通信する。
【0061】
操作S12において、該タッチ検出ユニットにより、該導電性膜におけるすべての導電ユニットを合わせた電気信号変化を検出し、検出信号を生成する。
【0062】
操作S14において、該コントローラーにより、該タッチ検出ユニットにより生成した該検出信号に基づいて、該短距離通信モジュールのコイルにより生成した電磁波信号を制御又は調整する。
【0063】
該ウェアラブル装置の操作方法は、該コントローラーが該タッチ検出ユニットにより生成した該検出信号を受信した後、該コントローラーにより該短距離通信モジュールの該コイルで形成した電気回路をオン・オフする操作をさらに含み得る。
【0064】
該ウェアラブル装置の操作方法は、該コントローラーが該タッチ検出ユニットにより生成した該検出信号を受信した後、該コントローラーにより該短距離通信モジュールに調整信号を送信することにより、該短距離通信モジュールが該コイルにより生成した電磁波信号の強度を調整する操作をさらに含み得る。
【0065】
図12は、本発明の一実施例のウェアラブル装置の操作方法のフロー図である。
【0066】
該ウェアラブル装置は、収納空間を画する少なくとも1つの壁を有するハウジングを備える。該ウェアラブル装置は、該収納空間に設けられた短距離通信モジュール、少なくとも1つの検出器、及びコントローラーをさらに備える。該短距離通信モジュールは、コイル及びアクチュエーターを含む。該アクチュエーターは、該コイルに電気的に接続され、該コントローラーは、該少なくとも1つの検出器及び該短距離通信モジュールに電気的に接続されている。該ウェアラブル装置の操作方法は、以下の操作を含む。
【0067】
操作S20において、該短距離通信モジュールの該アクチュエーターにより、該コイルに経時変化の電流を加え、該コイルに電磁波信号を生成させることで外部装置に通信する。
【0068】
操作S22において、該少なくとも1つの検出器により、その三次元空間における変位、角度変位、及び/又は、周期的変位若しくは角度変位の変化を検出することにより、検出信号を生成する。
【0069】
操作S24において、該コントローラーにより、該少なくとも1つの検出器により生成した該検出信号に基づいて、該短距離通信モジュールのコイルにより生成した電磁波信号を制御又は調整する。
【0070】
該ウェアラブル装置の操作方法は、該コントローラーが該少なくとも1つの検出器により生成した該検出信号を受信した後、該コントローラーにより該短距離通信モジュールの該コイルで形成した電気回路をオン・オフする操作をさらに含み得る。
【0071】
該ウェアラブル装置の操作方法は、該コントローラーが該少なくとも1つの検出器により生成した該検出信号を受信した後、該コントローラーにより該短距離通信モジュールに調整信号を送信することにより、該短距離通信モジュールが該コイルにより生成した電磁波信号の強度を調整する操作をさらに含み得る。
【0072】
本発明のウェアラブル装置の操作方法において、ユーザーの操作を介して、即ち、導電性膜によりユーザー操作を検出し、又は検出器によりユーザーのジェスチャー又は姿態を検出することにより、ユーザーは、ウェアラブル装置(例えば、腕時計)における短距離通信モジュール(RFID/NFCモジュール)のコイルが送信した電磁波信号を容易に制御することができ、それにより、スキミングされるリスクが低減され、安全性が向上される。
【0073】
前記のように、好ましい実施形態を用いて本発明を説明したが、これらの実施形態は、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の置換や修正をすることができる。よって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められる。