【実施例】
【0047】
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
【0048】
[試験例A]
<実施例1A>
活性炭の準備
粒状石炭ピッチを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。得られた活性炭前駆体を、H
2O濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度875℃で70分間熱処理することにより賦活をおこない、繊維状活性炭を得た。得られた繊維状活性炭の0.65nm以上2.0nm以下の細孔径の細孔容積は0.781cc/gであった。また、全細孔容積は1.058cc/g、2nm以下の細孔径の細孔容積は0.877cc/g、比表面積は2069m
2/g、0.65nm以下の細孔径の細孔容積は0.096cc/g、2nm以上3nm以下の細孔径の細孔容積は0.174cc/g、3nm以上の細孔径の細孔容積は0.007cc/gであった。なお、実施例において、2nm以上3nm以下の細孔径の細孔容積は、3nm以下の細孔径の細孔容積を求め、当該細孔容積から、上記2nm以下の細孔径の細孔容積を減ずることにより求めた。また、3nm以上の細孔径の細孔容積は、上記全細孔容積から、上記3nm以下の細孔径の細孔容積を減ずることにより求めた。
【0049】
本発明の脱臭材に含まれる薬剤溶液Aの調製
まず、75質量%の濃度で硫酸を含有した硫酸水溶液を調製した。この硫酸水溶液を65℃以上の温度で撹拌して、芳香族アミンとしてp−アミノ安息香酸を水溶液に加え、完全に溶解させたのち、活性炭の質量と処理液の体積との比が20g/Lとなるように水を加え、処理液を得た。なお、芳香族アミン及び硫酸の仕込み量は、活性炭100質量部に対して15.0質量部となるようにした。なお、硫酸の当該仕込み量(質量部)は、75質量%硫酸水溶液中の、純水を除いた硫酸のみの量(質量部)を示す。
【0050】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、薬剤溶液Aに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、実施例1Aの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、以下のようにして測定した。
【0051】
活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)の測定
活性炭に担持された芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量については、薬剤溶液の、活性炭を浸漬する前の液と活性炭を浸漬した後の液の有機物濃度を、それぞれ全有機物濃度(TOC)計を用いて測定し、浸漬操作前後の有機物濃度の差から、合計担持量を測定した。具体的には、まず全有機物濃度(TOC)計(株式会社島津製作所製TOC−5000)を用いて、浸漬操作前後の薬剤溶液について、炭素(C)に換算された有機物濃度(mgC/L)を測定し、操作前後の濃度の差を求めた。別途、秤量して調製した既知濃度の芳香族アミン水溶液について同様に全有機物濃度を測定し、有機物濃度(mgC/L)と芳香族アミン濃度(mg芳香族アミン/L)の対応を表す検量線を作成した。作成した検量線を用いて、添着操作前後の有機物濃度の差(mgC/L)を芳香族アミン濃度の差(mg芳香族アミン/L)に換算した。求めた濃度の差に処理液量(L)を乗じて芳香族アミン質量の差を算出した。算出された値を、薬剤溶液に浸漬する前の活性炭100質量部あたりの質量部に換算し、得られた質量部を、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)とした。
【0052】
活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)の測定
活性炭に担持された芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計物質量についても同様に、活性炭を浸漬する前の薬剤溶液と、活性炭を浸漬した後の薬剤溶液について、JIS K 0101:1998 42.4に規定のイオンクロマトグラフ法に準じ硫酸イオンの濃度(mg/L)を測定することで、これらの合計担持量を計算した。具体的には浸漬操作前後の薬剤溶液の硫酸イオンの濃度(mg/L)を、検量線を用いてそれぞれ測定し、操作前後の硫酸イオン濃度の差(mg/L)を求めた。求めた操作前後の硫酸イオン濃度の差(mg/L)に、硫酸の分子量(98.08g/mol)と硫酸イオンの分子量(96.06g/mol)の比を乗じて硫酸濃度の差に換算した。硫酸濃度の差に処理液量(L)を乗じて操作前後の硫酸の差を算出した。算出した操作前後の硫酸の差を、薬剤溶液に浸漬する前の活性炭100質量部あたりの質量部に換算し、得られた質量部を、活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)とした。
【0053】
<比較例1A>
活性炭の準備
粒状石炭ピッチを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。得られた活性炭前駆体を、H
2O濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度875℃で30分間熱処理することにより賦活をおこない、繊維状活性炭を得た。得られた繊維状活性炭の0.65nm以上2.0nm以下の細孔径の細孔容積は0.116cc/gであった。また、全細孔容積は0.315cc/g、2nm以下の細孔径の細孔容積は0.315cc/g、比表面積は825m
2/g、0.65nm以下の細孔径の細孔容積は0.199cc/g、2nm以上3nm以下の細孔径の細孔容積は0.000cc/g、3nm以上の細孔径の細孔容積は0.000cc/gであった。
【0054】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、実施例1Aで準備した薬剤溶液Aに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、比較例1Aの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0055】
<比較例2A>
活性炭の準備
粒状石炭ピッチを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。得られた活性炭前駆体を、H
2O濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度875℃で40分間熱処理することにより賦活をおこない、繊維状活性炭を得た。得られた繊維状活性炭の0.65nm以上2.0nm以下の細孔径の細孔容積は0.255cc/gであった。また、全細孔容積は0.476cc/g、2nm以下の細孔径の細孔容積は0.476cc/g、比表面積は1232m
2/g、0.65nm以下の細孔径の細孔容積は0.211cc/g、2nm以上3nm以下の細孔径の細孔容積は0.000cc/g、3nm以上の細孔径の細孔容積は0.000cc/gであった。
【0056】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、実施例1Aで準備した薬剤溶液Aに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、比較例2Aの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0057】
<比較例3A>
活性炭の準備
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対してトリスアセチルアセトナトイットリウム1.3質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。得られた活性炭前駆体を、H
2O濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度900℃で20分間熱処理することにより賦活をおこない、繊維状活性炭を得た。得られた繊維状活性炭の0.65nm以上2.0nm以下の細孔径の細孔容積は0.335cc/gであった。また、全細孔容積は0.572cc/g、2nm以下の細孔径の細孔容積は0.395cc/g、比表面積は1078m
2/g、0.65nm以下の細孔径の細孔容積は0.075cc/g、2nm以上3nm以下の細孔径の細孔容積は0.113cc/g、3nm以上の細孔径の細孔容積は0.050cc/gであった。
【0058】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、実施例1Aで準備した薬剤溶液Aに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、比較例3Aの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0059】
実施例1A、比較例1A〜3Aで得た脱臭材を用い、比表面積、アセトアルデヒド平衡吸着量を前述の方法に従い、測定した。また、得られた脱臭材の比表面積から活性炭の比表面積を減じ、芳香族アミン及び硫酸の担持により減少した比表面積を算出した。また、上記アセトアルデヒド平衡吸着量は、比較例2Aの平衡吸着量を1としたときの比で評価した。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
<試験例Aの小括>
実施例1Aは、活性炭と、前記活性炭に担持された、(A)芳香族アミン及び該芳香族アミンの硫酸塩、又は、(B)芳香族アミン、該芳香族アミンの硫酸塩、及び硫酸とを含む、脱臭材であって、前記活性炭が、0.65nm以上2.0nm以下の細孔径の細孔容積が0.6cc/g以上であることから、同じ浸漬条件で芳香族アミノ酸と硫酸を、上記活性炭以外の活性炭、すなわち、0.65nm以上2.0nm以下の細孔径の細孔容積が0.6cc/g未満の比較例1A〜3Aの活性炭、に担持させた場合に比して、優れたアセトアルデヒド吸着性能を発揮するものであった。
【0062】
[試験例B]
<実施例1B>
活性炭の準備
実施例1Aで得た活性炭を準備した。
【0063】
本発明の脱臭材に含まれる薬剤溶液Bの調製
まず、75質量%の濃度で硫酸を含有した硫酸水溶液を調製した。この硫酸水溶液を65℃以上の温度で撹拌して、芳香族アミンとしてp−アミノ安息香酸を水溶液に加え、完全に溶解させたのち、活性炭の質量と処理液の体積との比が20g/Lとなるように水を加え、処理液を得た。なお、芳香族アミン及び硫酸の仕込み量は、活性炭100質量部に対して22.5質量部となるようにした。なお、硫酸の当該仕込み量(質量部)は、75硫酸水溶液中の、純水を除いた硫酸のみの量(質量部)を示す。
【0064】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、薬剤溶液Bに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、実施例1Bの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0065】
<実施例2B>
活性炭の準備
粒状石炭ピッチを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。得られた活性炭前駆体を、H
2O濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度875℃で50分間熱処理することにより賦活をおこない、繊維状活性炭を得た。得られた繊維状活性炭の0.65nm以上2.0nm以下の細孔径の細孔容積は0.622cc/gであった。また、全細孔容積は0.753cc/g、2nm以下の細孔径の細孔容積は0.728cc/g、比表面積は1731m
2/g、0.65nm以下の細孔径の細孔容積は0.106cc/g、2nm以上3nm以下の細孔径の細孔容積は0.025cc/g、3nm以上の細孔径の細孔容積は0.000cc/gであった。
【0066】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、実施例1Bで準備した薬剤溶液Bに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、実施例2Bの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0067】
<比較例1B>
活性炭の準備
比較例1Aで得た活性炭を準備した。
【0068】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、実施例1Bで準備した薬剤溶液Bに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、比較例1Bの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0069】
<比較例2B>
活性炭の準備
比較例2Aで得た活性炭を準備した。
【0070】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、実施例1Bで準備した薬剤溶液Bに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、比較例2Bの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0071】
<比較例3B>
活性炭の準備
比較例3Aで得た活性炭を準備した。
【0072】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、実施例1Bで準備した薬剤溶液Bに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、比較例3Bの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0073】
<比較例4B>
活性炭の準備
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対してトリスアセチルアセトナトイットリウム1.3質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。得られた活性炭前駆体を、H
2O濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度900℃で25分間熱処理することにより賦活をおこない、繊維状活性炭を得た。得られた繊維状活性炭の0.65nm以上2.0nm以下の細孔径の細孔容積は0.337cc/gであった。また、全細孔容積は1.039cc/g、2nm以下の細孔径の細孔容積は0.395cc/g、比表面積は1248m
2/g、0.65nm以下の細孔径の細孔容積は0.059cc/g、2nm以上3nm以下の細孔径の細孔容積は0.194cc/g、3nm以上の細孔径の細孔容積は0.450cc/gであった。
【0074】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、実施例1Bで準備した薬剤溶液Bに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、比較例4Bの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0075】
実施例1B、実施例2B、比較例1B〜4Bで得た脱臭材を用い、比表面積、アセトアルデヒド平衡吸着量を前述の方法に従い、測定した。また、得られた脱臭材の比表面積から活性炭の比表面積を減じ、芳香族アミン及び硫酸の担持により減少した比表面積を算出した。また、上記アセトアルデヒド平衡吸着量は、比較例2Aの平衡吸着量を1としたときの比で評価した。結果を表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
<試験例Bの小括>
実施例1B及び2Bは、活性炭と、前記活性炭に担持された、(A)芳香族アミン及び該芳香族アミンの硫酸塩、又は、(B)芳香族アミン、該芳香族アミンの硫酸塩、及び硫酸とを含む、脱臭材であって、前記活性炭が、0.65nm以上2.0nm以下の細孔径の細孔容積が0.6cc/g以上であることから、同じ浸漬条件で芳香族アミノ酸と硫酸を、上記活性炭以外の活性炭、すなわち、0.65nm以上2.0nm以下の細孔径の細孔容積が0.6cc/g未満の比較例1B〜4Bの活性炭、に担持させた場合に比して、優れたアセトアルデヒド吸着性能を発揮するものであった。
【0078】
[試験例C]
<実施例1C>
活性炭の準備
実施例1Aで得た活性炭を準備した。
【0079】
本発明の脱臭材に含まれる薬剤溶液Cの調製
まず、75質量%の濃度で硫酸を含有した硫酸水溶液を調製した。この硫酸水溶液を65℃以上の温度で撹拌して、芳香族アミンとしてp−アミノ安息香酸を水溶液に加え、完全に溶解させたのち、活性炭の質量と処理液の体積との比が20g/Lとなるように水を加え、処理液を得た。なお、芳香族アミン及び硫酸の仕込み量は、活性炭100質量部に対して30.0質量部となるようにした。なお、硫酸の当該仕込み量(質量部)は、75硫酸水溶液中の、純水を除いた硫酸のみの量(質量部)を示す。
【0080】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、薬剤溶液Cに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、実施例1Cの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0081】
<実施例2C>
活性炭の準備
実施例2Bで得た活性炭を準備した。
【0082】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、実施例1Cで準備した薬剤溶液Cに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、実施例2Cの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0083】
<比較例1C>
活性炭の準備
比較例1Aで得た活性炭を準備した。
【0084】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、実施例1Cで準備した薬剤溶液Cに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、比較例1Bの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0085】
<比較例2C>
活性炭の準備
比較例2Aで得た活性炭を準備した。
【0086】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、実施例1Cで準備した薬剤溶液Cに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、比較例2Cの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0087】
<比較例3C>
活性炭の準備
比較例3Aで得た活性炭を準備した。
【0088】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、実施例1Cで準備した薬剤溶液Cに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、比較例3Cの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0089】
<比較例4C>
活性炭の準備
比較例4Bで得た活性炭を準備した。
【0090】
活性炭への本発明の脱臭材に含まれる薬剤の担持
次に、実施例1Cで準備した薬剤溶液Cに、上記得られた活性炭100質量部を浸漬した。続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。8時間以上静置した後、活性炭を溶液から引き上げ、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させ、比較例4Cの脱臭材を得た。なお、脱臭材における、活性炭100質量部に対する芳香族アミンと該芳香族アミンの硫酸塩の合計担持量(質量部)、及び活性炭100質量部に対する芳香族アミンの硫酸塩と硫酸の合計担持量(質量部)は、実施例1Aと同様に測定した。
【0091】
実施例1C、実施例2C、比較例1C〜4Cで得た脱臭材を用い、比表面積、アセトアルデヒド平衡吸着量を前述の方法に従い、測定した。また、得られた脱臭材の比表面積から活性炭の比表面積を減じ、芳香族アミン及び硫酸の担持により減少した比表面積を算出した。また、上記アセトアルデヒド平衡吸着量は、比較例2Aの平衡吸着量を1としたときの比で評価した。結果を表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】
<試験例Cの小括>
実施例1C及び2Cは、活性炭と、前記活性炭に担持された、(A)芳香族アミン及び該芳香族アミンの硫酸塩、又は、(B)芳香族アミン、該芳香族アミンの硫酸塩、及び硫酸とを含む、脱臭材であって、前記活性炭が、0.65nm以上2.0nm以下の細孔径の細孔容積が0.6cc/g以上であることから、同じ浸漬条件で芳香族アミノ酸と硫酸を、上記活性炭以外の活性炭、すなわち、0.65nm以上2.0nm以下の細孔径の細孔容積が0.6cc/g未満の比較例1C〜4Cの活性炭、に担持させた場合に比して、優れたアセトアルデヒド吸着性能を発揮するものであった。
【0094】
また、試験例Cにおける実施例1C及び2Cについて、薬剤担持前の活性炭と担持後の脱臭材の、細孔分布を測定した。測定した細孔分布について、表4及び表5に示す。
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】
表4及び表5から、0.65〜2.0nmの範囲の細孔容積の減少率が高かったことが明らかとなった。このことは、あらゆる細孔径の中でも、当該範囲の細孔径の細孔内に上記薬剤がより多く担持されることを示すと考えられる。
【0098】
[試験例D]
(実施例1D(脱臭シートの製造))
実施例2Bで得た脱臭材と、バインダー繊維(ユニチカ株式会社製商品名メルティ4080)とを、質量比(バインダー/脱臭材)が25/75となるように混綿し、カーディング法により不織布ウエブを形成した。得られた不織布ウエブを所定枚数積層し、ニードルパンチングにより繊維を交絡させたのち、温度110℃で加熱してバインダー繊維を溶融させ、バインダー繊維と脱臭材とを融着させて、厚さ0.65mm、密度0.12g/cm
3の脱臭シートを得た。なお、該脱臭シート中の脱臭材の目付は、56g/m
2であった。
【0099】
(実施例2D)
実施例2Cで得た脱臭材と、バインダー繊維(ユニチカ株式会社製商品名メルティ4080)とを、質量比(バインダー/脱臭材)が25/75となるように混綿し、カーディング法により不織布ウエブを形成した。得られた不織布ウエブを所定枚数積層し、ニードルパンチングにより繊維を交絡させたのち、温度110℃で加熱してバインダー繊維を溶融させ、バインダー繊維と脱臭材とを融着させて、厚さ0.65mm、密度0.12g/cm
3の脱臭シートを得た。なお、該脱臭シート中の脱臭材の目付は、56g/m
2であった。
【0100】
(実施例3D)
実施例2Cで得た脱臭材と、バインダー繊維(ユニチカ株式会社製商品名メルティ4080)とを、質量比(バインダー/脱臭材)が72/28となるように混綿し、カーディング法により不織布ウエブを形成した。得られた不織布ウエブを所定枚数積層し、ニードルパンチングにより繊維を交絡させたのち、温度110℃で加熱してバインダー繊維を溶融させ、バインダー繊維と脱臭材とを融着させて、厚さ0.35mm、密度0.14g/cm
3の脱臭シートを得た。なお、該脱臭シート中の脱臭材の目付は、14g/m
2であった。
【0101】
(脱臭シートの性能評価)
得られた脱臭シートの任意重量の試料片と100ppmアセトアルデヒドガス3Lを密閉容器に封入し、40℃の環境下において静置した。24時間経過後、容器内のガス濃度を測定し、吸着量を計算した。複数の試料重量について測定を行い、それぞれの計算結果より、濃度と吸着量の相関をグラフにプロットし、得られた関係式より、任意の平衡濃度におけるアセトアルデヒドの平衡吸着量(mg/gACF)を導いた。アセトアルデヒドの濃度測定は、ガスクロマトグラフィーによりおこなった。
【0102】
実施例1D〜3Dの結果を表6に示す。
【0103】
【表6】
【0104】
表6に示されるように、実施例1D〜3Dの脱臭シートは、本発明の脱臭材を含むものであることから、アセトアルデヒド吸着性能を効率良く発揮させるものであった。