(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6471293
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】ペット用骨壺収容器
(51)【国際特許分類】
A61G 17/08 20060101AFI20190207BHJP
【FI】
A61G17/08 L
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-213937(P2014-213937)
(22)【出願日】2014年10月20日
(65)【公開番号】特開2016-77688(P2016-77688A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】514266471
【氏名又は名称】インプレゼント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】堀下 剛史
【審査官】
小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭46−015347(JP,Y1)
【文献】
実開平06−054866(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3069618(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットのお骨が収納された骨壺を収容する収容器であって、前記骨壺が収容載置される、有底筒状で、かつ、透明若しくは半透明の材料で形成された容器本体を備え、この容器本体と前記骨壺との隙間に、粉体若しくは粒体からなる充填剤を充填して圧密することにより、この充填剤によって前記骨壺を前記容器本体内に固定してなり、前記充填剤が、その粒径若しくは色彩が異なる複数種の充填剤によって構成され、これら複数の充填剤の充填順序を調整して積層することにより、その断面を前記容器本体の内面に露出させて、この容器本体の外部から視認可能な模様を形成してなることを特徴とするペット用骨壺収容器。
【請求項2】
ペットのお骨が収納された骨壺を収容する収容器であって、有底筒状で、かつ、透明若しくは半透明の材料で形成された容器本体と、この容器本体内に配置され、前記骨壺が収容されるとともに、前記容器本体の内面との間に環状の隙間を形成する内容器を備え、前記容器本体と前記内容器との隙間に、粉体若しくは粒体からなる充填剤を充填して圧密してなり、前記充填剤が、その粒径若しくは色彩が異なる複数種の充填剤によって構成され、これら複数の充填剤の充填順序を調整して積層することにより、その断面を前記容器本体の内面に露出させて、この容器本体の外部から視認可能な模様を形成してなることを特徴とするペット用骨壺収容器。
【請求項3】
前記模様が、文字であることを特徴とする請求項2に記載のペット用骨壺収容器。
【請求項4】
前記模様が、前記ペットの似顔絵であることを特徴とする請求項2に記載のペット用骨壺収容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用の骨壺を収容する容器に係わり、特に、前記骨壺に意匠的効果を付与することの可能なペット用骨壺収容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ペットが亡くなった場合、そのペットを火葬にて処理することが行なわれている。
【0003】
そして、火葬後の遺骨を骨壺に入れて持ち帰り、家において供養することが行なわれている。
【0004】
ところで、骨壺をそのまま室内に置くと、室内の他の装飾品との釣り合いがとれず、室内の雰囲気が崩れてしまうことがある。
【0005】
このような不具合に対処すべく、従来においては、たとえば特許文献1に示されるように、前記骨壺を植栽用の鉢に入れ、この骨壺を、前記鉢に充填される土によって覆うとともに、前記鉢に植栽を行なうことが提案されている。
【0006】
これによって、骨壺を通常の植栽用の鉢によって隠し、また、植栽を選択して室内の他の装飾品との調和をとることにより、室内の雰囲気を保つことができるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3069618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前述した従来の技術においても、なお、次のような改善すべき問題点が残されている。
【0009】
すなわち、前記骨壺が植木鉢によって覆われていることから、この骨壺を直接目にすることがなく、亡くなったペットの面影が薄らいでしまう。
【0010】
本発明は、このような従来において残されている問題点に鑑みてなされたもので、ペットの骨壺を室内に置いて供養する際に、この骨壺と他の装飾品との調和を可能にしつつ、思い出を想起させ得るようなペット用骨壺収容器を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係わるペット用骨壺収容器は、ペットのお骨が収納された骨壺を収容する収容器であって、前記骨壺が収容載置される有底筒状で、かつ、透明若しくは半透明の材料で形成された容器本体を備え、この容器本体と前記骨壺との隙間に、粉体若しくは粒体からなる充填剤を充填して圧密することにより、この充填剤によって前記骨壺を前記容器本体内に固定してなることを特徴とする。
【0012】
このような構成とすることにより、前記骨壺は、前記容器本体内に収容されて、この容器本体によって覆われた状態に保持され、前記骨壺が直接目に触れることがない。
したがって、室内において骨壺が置かれていることによる違和感がなくなる。
【0013】
一方、前記容器本体が透明若しくは半透明であることから、その内部に充填される充填剤が前記容器を介して視認されるが、この充填剤を、室内の装飾品に合わせて選択することにより、これらの装飾品との調和をとることができるとともに、亡くなったペットと関連した前記充填剤を選択することにより、ペットの面影を想起させるようにすることができる。
【0014】
また、前記容器本体内に、この容器本体の内面との間に環状の隙間を形成する内容器を配置しておき、この内容器と前記容器本体との隙間に、前記充填剤を充填して圧密するとともに、前記内容器内に前記骨壺を収容するようにしてもよい。
【0015】
このような構成とすることにより、前記容器本体内に、前記内容器により前記骨壺を収納するためのスペースを予め形成しておくことができ、使用者は、前記骨壺を、前記内容器内に入れるだけで納めることができる。
また、前記骨壺を自由に選ぶことができる。
【0016】
そして、前記充填剤を、その粒径若しくは色彩が異なる複数種の充填剤によって構成し、これら複数の充填剤の充填順序を調整して積層することにより、その断面を前記容器本体の内面に露出させて、この容器本体の外部から視認可能な模様を形成することができる。
【0017】
これによって、ペット用骨壺収容器の外観を、前述した室内装飾との調和を図りつつ、ペットの面影を想起させるような模様に容易に調整することができる。
【0018】
そして、前記模様を文字(たとえば、ペットの名前)や前記ペットの似顔絵とすることにより、室内に設置した際の違和感を緩和しつつ、ペットを思い出すきっかけをさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
このように、本発明のペット用骨壺収容器によれば、ペットの骨壺を室内に置いて供養する際に、他の装飾品との調和が崩れるのを抑制しつつ、亡くなったペットを常に意識させて、その面影が薄れてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態を示す、一部を破断した正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態を示すもので、(a)は、骨壺の分解斜視図、(b)は、組み上げた骨壺の斜視図、(C)は、骨壺を容器本体に収容した状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態を示すもので、骨壺を容器本体内に固定する手順を示す斜視図である。
【
図6】本発明のさらに他の変形例を示す一部を破断した斜視図である。
【
図7】本発明のさらに他の変形例を示す一部を破断した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において、符号1は、本実施形態に係わるペット用骨壺収容器を示す。
このペット用骨壺収容器1は、内部に後述する遺骨2が収容された骨壺3を収容するもので、この骨壺3が収容載置される有底筒状で、かつ、透明若しくは半透明の材料で形成された容器本体4を備え、この容器本体5と前記骨壺3との隙間に、粉体若しくは粒体からなる充填剤5を充填して圧密することにより、この充填剤5によって前記骨壺3を前記容器本体5内に固定した構成となっている。
【0022】
前記骨壺3は、
図2(a)および(b)に示すように、上方が開口された壺本体3aと、その開口部を覆って装着される蓋体3bとによって構成されている。
【0023】
そして、前記骨壺3は、
図2(a)に示すように、前記壺本体3a内にその開口部から前記遺骨2を挿入して収納するとともに、前記開口部を覆って前記蓋体3bを装着することにより、前記遺骨2を収納状態に保持するようになっている。
【0024】
前記充填剤5は、前記容器本体4と、その内部に挿入された前記骨壺3との間に形成される隙間に充填されるとともに、その上方から押圧されることにより押し固められる。
【0025】
これによって、前記骨壺3が前記容器本体4の内部に一体に固定されるとともに、前記骨壺3が、前記充填剤5によって覆われて、前記容器本体4の外部から視認できないように保持される。
【0026】
ここで、本実施形態に係るペット用骨壺収容器1の外観は、このペット用骨壺収容器1の外形形状と、前記容器本体4の周壁から透視される前記充填剤5によって決まる。
【0027】
したがって、前記充填剤5を、室内の雰囲気に合わせて、たとえば色合いを選択することにより、設置する室内との調和を図ることができる。
そして、この色合いを、亡くなったペットの体毛、あるいは、目の色等、ペットの記憶に繋がる色合いから選択することにより、室内の雰囲気を壊すことなく、ペットを思い出させる効果を持たせることができる。
【0028】
そして、前記充填剤5として、粒径が異なる、あるいは、色彩が異なる多種類の充填剤を用意しておき、これらの複数を組み合わせることにより、前述した室内との調和やペットとの関連の表現を細かく設定することができる。
【0029】
そして、このような多種類の充填剤5を組み合わせて使用することにより、これらの充填剤5によって、
図1に示すような、模様や似顔絵を作ることができ、前述した室内との調和やペットと関連づけるための表現を、さらに細かく設定することができる。
【0030】
一方、本実施形態においては、前記骨壺3が前記容器本体4と独立していることから、前記骨壺3の形状が前記容器本体4によって制約されることはなく、したがって、前記骨壺3に既成の容器を用いることができるといった利点もある。
【0031】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0032】
たとえば、前記実施形態においては、前記充填剤5によって、前記容器本体4の内側に、模様や似顔絵を作る例について示したが、これを文字にすることも可能である。
【0033】
さらに、前記充填剤5を押し固める際に前記骨壺3が動くと、その充填作業がしづらくなる。
【0034】
そのために、
図4に示すように、前記容器本体4の底部に、環状若しくは独立した複数の突起4aを突設しておき、この突起4a間に、前記骨壺3を位置させて、その動きを拘束するようにしてもよい。
【0035】
また、
図5に示すように、ドーナツ状のスペーサー6を前記容器本体4の底部に挿入し、このスペーサー6の内側に前記骨壺3を嵌合させることにより、この骨壺3の動きを拘束することもできる。
【0036】
また、
図6に示すように、前記容器本体4内に、この容器本体4の内面との間に環状の隙間を形成する内容器7を配置し、前記隙間に前記充填剤5を充填しておき、使用時に、前記内容器7に前記骨壺3を収容するようにすることもできる。
【0037】
このような構成とすることにより、前記充填剤5によって装飾されたペット用骨壺収容器1を予め用意しておき、使用時に前記骨壺3を前記内容器7に収納することによって、この骨壺3を納めることができる。
【0038】
したがって、前記ペット用骨壺収容器1と前記骨壺3との組み合わせの自由度が高められるとともに、その組み合わせの変更を容易なものとすることができ、室内の模様替え等にも簡便に対応することができる。
【0039】
そして、前記内容器として、
図7に示すように、蓋付きの内容器8とすることもできる。
【符号の説明】
【0040】
1 ペット用骨壺収容器
2 遺骨
3 骨壺
3a 壺本体
3b 蓋体
4 容器本体
4a 突起
5 充填剤
6 スペーサー
7 内容器
8 内容器