(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6471307
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】宅配ボックスの捺印施錠装置
(51)【国際特許分類】
E05B 65/00 20060101AFI20190207BHJP
A47G 29/122 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
E05B65/00 D
A47G29/122 Z
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2018-57143(P2018-57143)
(22)【出願日】2018年3月5日
【審査請求日】2018年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】515136915
【氏名又は名称】大松金属工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】平木 利一
【審査官】
小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】
特開平8−291660(JP,A)
【文献】
特開2003−120098(JP,A)
【文献】
特開平7−327810(JP,A)
【文献】
特開2008−289741(JP,A)
【文献】
特開平6−46946(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
A47G 29/12−29/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅配ボックスの扉1に設置した錠2の施錠レバー3に、支軸4を設けたカム5を取付け、印鑑6を把持し、支軸7を設けた保持具8を案内9に摺動可能に差込み、扉1に取付け、カム5の支軸4と保持具8の支軸7をリンク板10で軸架した宅配ボックスの捺印施錠装置。
【請求項2】
保持具8につまみ11を設け、保持具8の支軸7を軸支するリンク板10の穴12を長穴にし、リンク板10に鉤13を設け、保持具8の支軸7と鉤13とをバネ14で張架し、支持具9の下に台座15を設けた請求項1の宅配ボックスの捺印施錠装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅配ボックスの捺印と施錠を連動させた捺印施錠装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、簡易的な宅配ボックスは、捺印と施錠は別々の行為で実施している。宅配業者が宅配物を宅配ボックスに収め、扉の裏に設置してある受領印を受取伝票に押し、錠の施錠レバーを作動させ、扉を閉じれば錠が掛かる方法がある。
また下記に示す先行技術文献にあるように、施錠して扉を閉め、扉の表から伝票を差込み、ボタンを押す手順の物もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−252896号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の簡易的な宅配ボックスの受け取りシステムでは、宅配者が捺印だけ行って施錠を忘れる場合が想定され、盗難の危険性がある。
先行技術文献で紹介した特許文献は施錠して初めて捺印できる完ぺきな受け取りシステムになっているが、機構が複雑で宅配ボックスが高価な製品になり普及しにくい。
本発明は受取りの捺印と同時に錠の施錠を作動させて、必ず扉に鍵の掛かる安全性が確保されたシステムとコストを抑えた機構で普及しやすい宅配ボックスの捺印施錠装置を提供するものとする。
【0005】
宅配ボックスの扉1に設置した錠2の施錠レバー3に、支軸4を設けたカム5を取付け、印鑑6を把持し、支軸7を設けた保持具8を案内9に摺動可能に差込み、扉1に取付け、カム5の支軸4と保持具8の支軸7をリンク板10で軸架し、更に保持具8につまみ11を設け、保持具8の支軸7を軸支するリンク板10の穴12を長穴にし、リンク板10に鉤13を設け、保持具8の支軸7と鉤13とをバネ14で張架し、支持具9の下に台座15を設ける。
本発明は、以上の機構からなる宅配ボックスの捺印施錠装置である。
【0006】
宅配者が宅配物を宅配ボックスに収納した後に、受け取りの捺印をする動作で施錠状態になるので必ず錠の施錠が行える。
また、簡単な構造であるため製造がしやすく製造費用を安く抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施す為の形態について説明する。
扉1に取付けられた錠2の裏面にある施錠レバー3に支軸4を設けたカム5を固定する。カム5の支軸4の直下に位置するところの中心縦方向にC形に成形された案内9を設置する。印鑑6を抜き差しする為に保持具8は、印鑑6を軽く押える抱き込む形状で構成し、案内9に保持され軽く摺動するように案内9より一回り小さい形状にし、下部につまみ11と上部に支軸7を設け、案内9に差し入れる。カム5の支軸4に軸着する為の穴と保持具8の支軸7と縦方向に摺動するように長穴した穴12を有したリンク板10をカム5と保持具8に軸支し、止め輪16で抜けないように固定する。
リンク板10に鉤13を設けバネ14を取付けるが、少なくともバネ14が少し伸びた状態で張架する位置に鉤13を取付ける。印鑑6を取付けた保持具8を押し下げバネ14が伸びた様態で印鑑6の先端が密着し、印鑑6と直角を成す平面部17を有する台座15を設ける。
本発明は、以上のような構造である。
本発明を使用するときは、宅配者が受取りの捺印の為、伝票を台座15に置き、つまみを下に押し下げ捺印する。捺印が終わりつまみ11をはなすと、伸びたバネ14は印鑑6を上に押し上げ、台座15と印鑑6の先端とに隙間が空き、伝票は印鑑6の先端が擦れずに取ることが出来る。同時に錠レバー3は回転し施錠状態となり、扉を閉めれば施錠され、施錠忘れが起こらない。
【符号の説明】
【0009】
1 扉
2 錠
3 施錠レバー
4 支軸
5 カム
6 印鑑
7 支軸
8 保持具
9 案内
10 リンク板
11 つまみ
12 穴
13 鉤
14 バネ
15 台座
16 止め輪
17 平面部
【要約】
【課題】 宅配ボックスの荷受けシステムに於いて、施錠忘れが起こらず、簡単な機構で構成した捺印施錠装置の提供を課題とする。
【解決手段】 宅配ボックスの扉1に設置した錠2の施錠レバー3に、支軸4を設けたカム5を取付け、印鑑6を把持し、支軸7を設けた保持具8を案内9に摺動可能に差込み、扉1に取付け、カム5の支軸4と保持具8の支軸7をリンク板10で軸架し、更に保持具8につまみ11を設け、保持具8の支軸7を軸支するリンク板10の穴12を長穴にし、リンク板10に鉤13を設け、保持具8の支軸7と鉤13とをバネ14で張架し、支持具9の下に台座15を設けたことを特徴とする。
【選択図】
図1