特許第6471386号(P6471386)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6471386-高強度マイクロカプセル 図000060
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6471386
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】高強度マイクロカプセル
(51)【国際特許分類】
   B01J 13/16 20060101AFI20190207BHJP
   C08F 2/18 20060101ALI20190207BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20190207BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20190207BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20190207BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20190207BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   B01J13/16
   C08F2/18
   C08F2/44 Z
   A61K8/46
   A61Q19/10
   A61Q5/02
   A61Q15/00
【請求項の数】4
【全頁数】117
(21)【出願番号】特願2017-539518(P2017-539518)
(86)(22)【出願日】2015年10月16日
(65)【公表番号】特表2017-534453(P2017-534453A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】US2015055905
(87)【国際公開番号】WO2016061440
(87)【国際公開日】20160421
【審査請求日】2017年6月15日
(31)【優先権主張番号】62/199,340
(32)【優先日】2015年7月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/884,671
(32)【優先日】2015年10月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/064,906
(32)【優先日】2014年10月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/117,604
(32)【優先日】2015年2月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ニアンシ
(72)【発明者】
【氏名】デューン、ビアオ
(72)【発明者】
【氏名】フェン、リンシェン
【審査官】 古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−113840(JP,A)
【文献】 特表2013−531694(JP,A)
【文献】 特表2013−525565(JP,A)
【文献】 特表2013−538882(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/007438(WO,A1)
【文献】 特開昭48−084086(JP,A)
【文献】 特表2007−534855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 13/16
A61K 8/46
A61Q 5/02
A61Q 15/00
A61Q 19/10
C08F 2/18
C08F 2/44
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高強度壁材料およびカプセル化疎水性コア材料を含んでなるマイクロカプセルの製造方法であって、前記方法が、(a)疎水性コア材料およびコアモノマーを含んでなる油相組成物の分散液を形成することであって、コアモノマーはエチレングリコールジメタクリレートを含んでなり、水または水系溶液中の前記疎水性コア材料中に完全または部分的に可溶であり、水相組成物とも呼ばれる連続相は水を含んでなり、水相モノマーはエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのモノマーを含んでなる、前記油相組成物の分散液を形成することと、(b)前記分散液を、前記水相モノマーおよび前記コアモノマーの重合を開始または達成する1つ以上の条件に付することと、(c)完全なカプセル壁を形成する時間まで前記モノマーの重合を継続するような条件下に前記分散液を維持することと、および必要に応じて、その後、(d)形成されたマイクロカプセルを前記連続相から単離することと、を含み、
前記油相組成物および前記水相組成物の各々が、各相の前記モノマーの重合を達成または開始する少なくとも2つの開始剤を含有し、前記油相組成物の開始剤が、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)と1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)とを含んでなり、前記水相組成物の開始剤が、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩と2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]とを含んでなる、前記方法。
【請求項2】
工程(a)の前または同時に、前記油相組成物、前記水相組成物、または両方のいずれかを、1つ以上の前記組成物の前記モノマーの全部または一部においてオリゴマー化/プレポリマー化を誘導するような条件に付し、オリゴマー化/プレポリマー化に付される各相が、前記オリゴマー化/プレポリマー化を開始する前記少なくとも2つの開始剤を含有し、そのうちの少なくとも1つが他方と異なる条件で活性化される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記疎水性コア材料が、香油およびワックスを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記連続相が、ポリビニルアルコールをさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願
【0002】
本開示は、疎水性コア材料、特に、疎水性ワックスまたは疎水性液体、最も特に、疎水性相転移材料、および該コア材料および水性または水相組成物中に完全もしくは部分的に可溶または分散可能な1つ以上のエチレン性不飽和モノマーを、水および完全もしくは部分的に水溶性または水分散可能な1つ以上のエチレン性不飽和モノマーを含んでなる連続相として含んでなる油相組成物を用いた水中油型マイクロカプセル化プロセスにより形成された高強度マイクロカプセルに関し、油相組成物および水相組成物の各々の壁形成モノマーが特定の親水性/疎水性特性を有する。好ましくは、マイクロカプセルのシェルをその少なくとも1つが概して疎水性であり、油相組成物中に含有され、かつ、その少なくとも1つが中程度に親水性であり、水相組成物中に含有される複数のモノマーから形成する。最も好ましくは、全部または一部において、各相組成物の特定モノマーのオリゴマー/プレポリマーからシェルを形成する。
【0003】
本開示は、特定の親水性/疎水性特性の複数のエチレン性不飽和モノマーから高強度マイクロカプセルを製造する方法であって、該方法は、(i)コア材料と、該コア材料ならびに水および少なくとも1つの親水性が低いまたは親水性が中程度であるモノマーを含んでなり完全もしくは部分的に水溶性または水分散可能な水相組成物中に完全もしくは部分的に可溶または分散可能な少なくとも1つの疎水性モノマーとを含んでなるコア相組成物を含んでなる水中油型エマルジョンを生成すること、ならびに(ii)油相および水相の界面において油相および水相の各々のモノマーの重合によりシェル壁を形成することを含む、高強度マイクロカプセルの製造方法にも関する。好ましくは、開示方法は少なくとも2つの開始剤の使用を含み、油相中に1つ、水相中に1つを使用し、これらの各々を異なる温度および/または異なる条件で活性化し、このそれぞれの相のモノマーを重合可能である。より好ましくは、開示方法は3つの開始剤、最も好ましくは4つの開始剤の使用を含み、これらの少なくとも2つを異なる温度/条件により活性化し、および/または同活性化条件下で異なる分解速度を有する。最も好ましくは、方法は4つの開始剤、好ましくは、各相中に2つを使用し、それにより、逐次または順序付けてシェル形成を可能とし、それによって、各相の壁形成モノマーの各々の全部または少なくとも一部を実際の重合およびシェル壁形成を達成する前にオリゴマー化/重合する。
【背景技術】
【0004】
マイクロカプセルおよびマイクロカプセル化技術は古く周知のものであり、その商業的応用は様々である。インク含有もしくはインク形成性または印刷機またはスタイラスによるなどの圧により破砕する際にマイクロカプセルが成分を放出して画像を生成する該成分を含むマイクロカプセルで、紙または基板のような他のものを塗布する様々な印刷技術において、マイクロカプセルは重要な役割をしてきた。溶媒膨潤性/粘着力を高めるプレ応用接着剤用溶媒のカプセル化により、マイクロカプセルの破砕が接着剤を軟化または粘着力を高める溶媒を放出して結合を可能とし、該溶媒の蒸発で再硬化することを含む様々な接着剤およびシーラント技術においても重要な役割をしてきた。他の接着剤およびシーラントでは、マイクロカプセルは、放出したときに接着剤またはシーラントの硬化または重合をもたらす硬化可能または重合可能な接着剤またはシーラントの1つ以上の成分を含有する。これらの初期応用の全てにおいて、機能性および有効性は、特に長期貯蔵および有用性のため、必要とされている完全性は、早期破砕を回避するような強度、ならびに、マイクロカプセル壁を通ってマイクロカプセル内容物が漏洩および/または通過するのを防止するような不透過性の両方に関連するマイクロカプセル壁の完全性に依存しており、一方、例えば、マイクロカプセルを含有するコーティングで塗布された部分を単にねじって意図した場合にその機能を実施することを可能とするように容易に達成される限界点も有する。
【0005】
マイクロカプセル化技術の発展は、少ない圧力だが早期ではなく、より容易に破砕するマイクロカプセルを要する応用を含むカプセル化された材料のための多くの新規商業的応用をもたらした。他の応用では、実際にこれを破砕する必要なくマイクロカプセルの中から内容物が制御されて緩徐な放出または透過することを特異的に可能するマイクロカプセルを必要とする。例えば、マイクロカプセルを含有する香料は、雑誌中の折り込み広告にしばしば応用されている。ここで、雑誌の重さおよび取り扱いのせいでマイクロカプセルが早期に破砕することを避けるために強度を要し;さらに、マイクロカプセルは、読者が処理領域を単に引っ掻いてマイクロカプセルの内容物を放出できるように破砕の容易さを必要とする。同時に、破砕しなくても、読者がサンプルを引っ掻きたくなり香りのより正確な感覚を得ることを誘導するように、内容物がいくらか放出することを可能とすることが望ましい。
【0006】
マイクロカプセルは、選択および布処理の:強度および規定の放出または限界点の両方を必要とする応用でも有用性が増している。例えば、いくつかの製品があり、香料を含む様々な成分のマイクロカプセルを布材料のストリップに適用して乾燥器に入れると、回転動作および/または乾燥器の熱がマイクロカプセルを破砕させたり、および/またはより透過性となって揮発状態で乾燥器内の物に浸透および沈着する成分を放出する。この方法は、匂いを「乾燥器の外でフレッシュニングする」が、処理した布から揮発し続けるので長続きしないことを利用する。他の製品があり、これにより、香料、匂い制御または遮断材料、および他の成分を含有するマイクロカプセルを布、特に、衣服に直接的または間接的に適用してこれにより長続きする新鮮さを提供する。ここで、マイクロカプセルの完全性は、マイクロカプセルが洗浄および取り扱い中に容易に破壊しないが、通常使用およびマイクロカプセル内容物の継続放出を可能とする衣料品の着用中に破壊するようになっている。
【0007】
マイクロカプセルの破壊または破砕の歴史的な必要性にもかかわらず、新規な可能性のある応用が開発されており、カプセル強度、特に高強度が益々重要になってきた。これらの応用および意図した応用では、マイクロカプセルは、破砕なく、かつ、シェル壁の透過性増大なく、少なくとも、そのような破砕または透過性増大を可能とする特定のトリガーに達する直前に、100psiまでの圧、さらに200psi以上の圧を含む高圧条件、ならびに、150℃超、さらに200℃超の高温の条件に耐えることができなければならない。さらに他の応用は、破壊またはその内容物を放出することを全く意図しないマイクロカプセルを必要とする。これらの要望は、相転移材料を含有するマイクロカプセルに特に必要である。例えば、布が身体から熱を奪うことを可能とするために、相転移材料を含有するマイクロカプセルが該布中に組み込まれている。ほとんどの場合、これらの布はスポーツ衣料品に組み込まれており、着用者による身体運動のための激しい摩耗、強力洗浄材を用いた繰り返し行われる洗浄、その他に対して、相転移材料含有マイクロカプセルの破砕なく全て耐えなければならない。相転移材料含有マイクロカプセルの他の用途としては、医療機器、建築材料、床敷き、冷蔵輸送、エネルギー貯蔵、冷却液剤、回路部品用などの吸収冷水機、ソーラー機器、および温度緩和が望まれている応用が挙げられる。マイクロカプセルコアが相転移材料である場合、マットレス、枕、床敷き、織物、スポーツ装置、医療機器、建材、建造物、HVAC、再生可能エネルギー、衣類、運動面、電子機器、自動車、航空、靴、ビューティケア、洗濯、および太陽エネルギーにおけるそのようなカプセル化された材料で使用できる。
【0008】
全ての進歩および改良にもかかわらず、今日要望される応用のため、包含の適切な混合または放出/透過特性および物理的特性、特に高強度特性を提供する改良された特殊マイクロカプセルに対するニーズが今だ存在する。これは、特に、香料および匂い成分、特に、布、織物および衣料品処理に関連する領域で言えることであり、放出および寿命の制御ならびにカプセル強度および完全性を必要とする。
【0009】
様々な方法およびシェル壁形成組成物が当技術分野において努力して、特定の厳しい条件、特に、高温に耐えることができるマイクロカプセルを製造することが提案されてきた。例えば、Sinclair(米国特許第4396670号)はメラニンホルムアルデヒドプレ縮合物から製造したアミノプラスト樹脂カプセルを用いて疎水性液体をカプセル化したが;しかしながら、これらは、高温においてより透過性となり、ホルムアルデヒドを放出する可能性がある。Jahnsら(米国特許第6,200,681号)は、30〜100%の1つ以上の(メタ)アクリル酸C〜C24アルキルエステル、0〜80%の水不溶性または難溶性二官能性または多官能性モノマーおよび0〜40%の他のモノマーを含んでなるモノマー混合物のフリーラジカル重合により形成したシェル内に潜熱貯蔵材料をカプセル化したが;しかしながら、記載の特定のマイクロカプセルは充分な強度を有さず、高温においてコア材料の損失が大きすぎる。Westonら(米国特許第6,716,526号)は、30〜90%のメタクリル酸、10〜70%のそのホモ重合体が60℃超のTgを有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、および0〜40%の他のエチレン性不飽和モノマーのモノマー混合物から形成した共重合体を含んでなるシェルを有するマイクロカプセルを製造している。高温においてさえ透過性が改良されているという改良であるが、これらは所望の強度特性があまりに十分でない。Westonらに基づいて事を進めて、Grey(米国特許第8,784,984号)は、1〜95%の少なくとも1つの疎水性単官能性エチレン性不飽和モノマー、5〜99%の少なくとも1つの多官能性エチレン性不飽和モノマー、および0〜60%の他の単官能性モノマーを含むモノマー混合物の反応生成物を含んでなるポリマーシェル内に疎水性コア材料をマイクロカプセル化し、疎水性ポリマーはその重合前にモノマー混合物中に組み入れられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この進展にもかかわらず、疎水性材料のためのマイクロカプセルの改良および、たぶんもっと重要なのには、より簡便でより簡単なその製造方法に対するニーズが今だ存在する。最も詳細には、特に、マイクロカプセル壁の完全性の破裂も損傷もなく、相転移材料のカプセル化において、使用目的に関連する力および環境に耐える高い完全性のマイクロカプセルに対するニーズが今だ存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示に従えば、疎水性コア材料、特に、相転移材料のカプセル化に適切な高強度マイクロカプセルを、コア材料(「コアモノマー」)中に完全または部分的に可溶な1つ以上のエチレン性不飽和モノマーの反応生成物、および水性または水連続相中に完全または部分的に可溶であり特定の親水性/疎水性特性(「水相モノマー」)を有する1つ以上のエチレン性不飽和モノマーの反応生成物を含んでなるポリマーシェル内に疎水性材料をカプセル化する水中油型マイクロカプセル化プロセスにより形成し:前記反応生成物の各々は、それらが共重合可能である程度まで、コアモノマーおよび水相モノマーおよび/またはそのオリゴマーおよび/またはプレポリマー由来の共重合材料も含んでなる。詳細には、コアモノマーは、そのモノマー状態でコア材料中に完全または部分的に可溶であるが、それらがオリゴマー化/プレポリマー化するとき、該コアモノマーは次第にコア材料中に可溶性が減少し、それらが親油性である程度までより親油性でなくなるおよび/またはより疎水性でなくなり、それにより、油相と水または連続相との界面の方向に油相組成物内で移動を始める/する傾向がある。コア材料は単独モノマーであってもよく、簡便さとコストの問題があるが、モノマー混合物であってもよく、単独モノマーが好ましい。加えて、コアモノマーは二官能性モノマーであるかまたは過半量、すなわち、50モル%以上の二官能性モノマーを含んでなることが好ましいが、単官能性、二官能性または多官能性モノマーであってよい。一方、水相モノマーは、せいぜい弱から中程度までの親水性特性を示す1つ以上のモノマーおよび/またはそのオリゴマー/プレポリマーが水相中への弱から限定的な溶解性(特にモノマーと比較して)を示し、それにより、水相モノマーのオリゴマー/プレポリマーはより親水性でないおよび/または水相組成物中により可溶でなく、コアモノマーのプレポリマーと同様に、油相と水または連続相との界面の方向に水または連続相内で移動を始める/する傾向がある。概して、水相モノマーは、1〜100重量%、好ましくは30〜100重量%の少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、最も特に、弱から中程度の親水性特性を示す二官能性モノマー;0〜99重量%、好ましくは0〜70重量%の少なくとも1つの多官能性エチレン性不飽和モノマー、および0〜60重量%、好ましくは0〜30重量%の他の単官能性モノマーを含んでなる。好ましくは、弱から中程度の親水性特性を示す少なくとも1つの水相モノマーは二官能性モノマーであるかまたは過半量、すなわち、50モル%以上の二官能性モノマーを含んでなる。
【0012】
本開示に従えば、そのコア材料が疎水性材料、最も好ましくは疎水性相転移材料である高強度マイクロカプセルの製造方法も提供し、該方法は、(i)疎水性コア材料および該コア材料中に完全または部分的に可溶である1つ以上のエチレン性不飽和モノマー、好ましくは1つ以上の疎水性モノマーを含んでなる油相組成物を製造すること、(ii)水およびその全部または一部が弱から中程度までの親水性である1つ以上のエチレン性不飽和モノマーを含んでなる水または水系連続相組成物中の油相組成物の分散液を製造すること、および(iii)コア相モノマーおよび水相モノマーの一方または両方のオリゴマー化/プレポリマー化を先ず行っても行わなくてもよく、順次または同時に、各相のモノマーの重合を行いマイクロカプセルが形成するまで重合を続けさせることを含む。好ましくは、重合および、それ故、カプセルまたはシェル壁の形成は、コア相モノマーおよび水相モノマーの少なくとも1つ、好ましくは両方で逐次的方法で起こり、二段階重合が起こり、それにより、異なるコア相モノマーおよび/または異なる水相モノマーのいくつかまたは全部および/または前記コア相モノマーおよび/または前記水相モノマーの各々の全部または一部のオリゴマー化/プレポリマー化が開始し、そのそれぞれの相中、期間、維持してそのそれぞれのオリゴマー/プレポリマーを形成し、その後、オリゴマー/プレポリマーおよび残りのモノマーの完全な重合がプロセスの壁形成段階中油と連続相との界面において起こる。一旦、種カプセルが形成しカプセル壁が成長し続くと、該カプセル壁は、油相および水相が該カプセル壁によって互いに孤立する状態に達する。その後、油相組成物および水相組成物の各々のオリゴマー/プレポリマーおよび残りのモノマーは、形成する壁上で成長し続け、コア相モノマーはシェルの内側で成長し、水相モノマーはシェルの外側で成長する。特に、フリーラジカル重合における反応条件およびモノマー選択ならびにその相対的反応性にいくらか依存するが、特に、各相のモノマー/オリゴマー/プレポリマーが油相/水相界面において互いに容易に接触可能である点におけるシェル壁形成の早期段階中、壁形成は、少なくともある程度、コアモノマーおよび/またはそのオリゴマー/プレポリマーと、水相モノマーおよび/またはそのオリゴマー/プレポリマーとの共重合を含むと考えられる。
【0013】
少なくとも2つの開始剤、コア相および水相の各々における少なくとも1つの開始剤の使用によりシェル形成を行う。好ましくは、プロセスは少なくとも2つの開始剤、および両相の壁形成材料の完全重合を行う前に、その相のモノマーの少なくとも一部のオリゴマー化/プレポリマー化を行うために、少なくとも1つの相における二段階重合プロセスを使用する。最も好ましくは、プロセスは、4つの開始剤、各相中2つの開始剤を使用し、各相の開始剤を、異なる条件により開始または活性化し、および/または同条件下で異なる活性化速度を有する。この方法では、各シェル形成モノマー組成物のオリゴマー化/プレポリマー化を、各相において行ってもよく、各相中第二開始剤の活性化前に時間を経過させてからオリゴマー/プレポリマーおよび残りのモノマーの完全な重合ならびに迅速なシェル壁形成を起こす。1つの相中の開始剤を他の相中の開始剤と同じまたは同様な条件により開始または活性化し、それにより、各相中のオリゴマー化/プレポリマー化および/または完全な重合を同じまたは同様な条件により同時に、またはほとんど同時に行ってもよいことも理解すべきである。各相中の第二開始剤を同時に有効化することが好ましいが、オリゴマー化/プレポリマー化を行う第一開始剤を、異なる条件および/または第二開始剤と同条件、好ましくは異なる条件により有効化してもよい。加えて、コアモノマーのオリゴマー化/プレポリマー化を水相組成物中の油相組成物の乳化前、乳化と同時に、または乳化後に開始してもよい。同様に、水相組成物または油相組成物および水相組成物の両方が第一開始剤および第二開始剤を含んでなる連続相中の油相組成物の乳化前、乳化と同時に、または乳化後に水相モノマーのオリゴマー化/プレポリマー化を起こってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】所与のマイクロカプセルから抽出可能なフリーワックス量と本明細書の実施例2のマイクロカプセルの製造で使用する水相モノマーの水溶性との相関プロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この開示の目的のため、本明細書で言及する全特許、特許出願および他の出版物は参照することによりその全文を本明細書に組み入れられるものとすることを理解すべきである。加えて、本開示の目的および付属の請求の範囲のため、「コアモノマー」という語は、油相組成物中に完全または部分的に可溶または分散可能であり、連続相または水相中、その乳化または分散前に油相組成物中に組み込まれる壁形成モノマーまたはモノマー混合物を表す。「水相モノマー」という語は、水相組成物中に完全または部分的に可溶または分散可能であり、水相または連続相中に含まれる壁形成モノマーまたはモノマー混合物を表す。「弱から中程度親水性」という言い回しは、モノマーまたは他の参照成分が、許容される範囲で、水相中でオリゴマー化/プレポリマー化すると、ゲルを形成しないほど不充分に親水性であり、好ましくは、充分に疎水性であるが、そのオリゴマー/プレポリマーが水相中重合ポリマーの別々の粒子またはビーズを形成するよりむしろ水/油相界面の方向に移動する傾向があるほど疎水性でないことを意味する。概して、弱から中程度親水性のモノマーは、20℃において脱イオン水で測定したとき、約50グラム/リットル(g/L)未満、またはさらに30g/L未満、または好ましくは0.01g/L〜約50g/L、またはさらに0.01g/L〜25g/L、またはさらに0.2g/L〜30g/L、またはさらに0.05〜25g/Lの溶解性を有するものである。以下では、モノマー、または別の材料が所与の材料または組成物中に可溶または分散可能であることの言及は、名前が呼ばれたモノマーがそのままでその中に完全もしくは部分的に可溶もしくは分散可能であるかまたはそのような溶解性もしくは分散性が適切な乳化剤および/もしくは溶解化剤の添加の結果ならびに/または混合物の温度の上昇および/もしくは溶解性および/もしくは分散性を増大するようにpH調整の結果であり得ることを意味すると理解すべきである。さらに、本明細書および請求の範囲で使用するとき、必須の水相モノマーおよびコアモノマーと関連して使用する場合、「二官能性」という語は、所与のモノマー内に2個のエチレン性不飽和重合可能基が存在することを表す。最終的に、本明細書および請求の範囲で使用するとき、「(メタ)アクリル酸エステル」という語は、アクリル酸エステルならびにメタクリル酸エステルを表し、ちょうどアクリル酸エステルを例示する意図がある場合、そのように、例えば、アクリル酸イソボルニルと表し、ちょうどメタクリル酸エステルを例示する意図がある場合、そのように、例えば、メタクリル酸イソボルニルと表す。従って、(メタ)アクリル酸イソボルニルは、アクリル酸イソボルニルおよびメタクリル酸イソボルニルの両方を表す。同様に、ジ(メタ)アクリル酸エステルは、2つのアクリレート基、2つのメタクリレート基または1つのアクリレート基および1つのメタクリレート基を有する可能性がある。
【0016】
より大きな特異性において以下に記載しているが、本教示の重要な要素は壁形成モノマーの選択およびシェル壁自体の逐次および/または段階的形成に関連する。概して言えば、適切な弱から中程度の親水性水相モノマーは、1つ以上のアクリレート基もしくはメタクリレート基またはアミノ基、ウレタン基、アルコール基および/またはエーテル基などの他の親水性基および、モノマーが重合すると、そのように形成されたオリゴマー/プレポリマーが、水相中より溶けにくくなり、および/またはより親水性を示さない傾向であり、および/またはモノマーより疎水性もしくは親油性を増大する傾向があり、それにより、典型的に、水相に対する誘引性減少もしくは反発性増大および/または油相に対するオリゴマー/プレポリマーの誘引性もしくは引きの増大の結果として、そのオリゴマーおよびプレポリマーが油相と水相の界面の方向に移動する傾向があるのに炭化水素部分が概して充分大きい非親水性炭化水素もしくはヘテロ炭化水素部分を有するとして特徴付けられる。水相モノマーの炭化水素またはヘテロ炭化水素は、アルキル、アルケニル、アルキレンもしくはアルケニレン基またはヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキレンもしくはヘテロアルケニレン基などの飽和もしくは不飽和炭化水素部分:炭素原子および水素原子から本質的に成る部分と表す炭化水素および水素および炭素加えてだが、これ以外の原子(ヘテロ原子)、最も典型的には、酸素、窒素、硫黄および/またはハロゲンの存在を表すヘテロである。このようなヘテロ原子が存在する場合、それらは典型的にそれらがその一部を形成する所与の炭化水素部分の60重量%未満、好ましくは40重量%未満、より好ましくは20重量%未満、最も好ましくは10重量%未満を含んでなり、主鎖中またはその置換基、例えば、それぞれ、エーテル基もしくはヒドロキシ基として存在してもよい。これらの炭化水素および/またはヘテロ炭化水素部分のいずれかは環構造および/または分岐構造を含んでなり得るまたは含み得るが、但し、モノマーは本明細書に記載の必須の弱から中程度の親水性特性を示し、かつ、モノマーから得られたオリゴマー/プレポリマーは本明細書中上記のように不充分に疎水性でないことも理解すべきである。モノマーの好ましい炭化水素およびヘテロ炭化水素部分は、概して1〜8個の炭素原子、最も好ましくは1〜3個の炭素原子を有し、特に望ましくは、1つ以上のメチル、エチル、およびプロピル基を有するモノマーである。
【0017】
好ましくは、モノマーの疎水性部分は以下のような飽和炭化水素部分であり得る。
【化1】
またはさらに以下のような不飽和炭化水素部分:
【化2】
式中、nは1以上の整数、好ましくは1〜20である。もちろん、前述の構造は当業者により考えられるように、様々なヘテロ原子で修飾されることもできる。さらに、前述のモノマーの組合せ、類似のヘテロ炭化水素モノマーの組合せならびに炭化水素とヘテロ炭化水素との組合せも有利に使用できることを理解すべきである。
【0018】
適切なコアモノマーは、水相モノマーとして同じ全体的構成を含んでなり、実際に、どちらの相中でも使用し得るいくつかの(確かに全部でも多くもないが)モノマーがあるが;しかしながら、コアモノマーは、それらがオリゴマー化およびプレポリマー化すると、コア相組成物中で重合したモノマーのゲルもしくは別々の粒子を形成するよりむしろ、コア材料中に溶けにくくなり、および/またはより疎水性でなくなり、および/または油相に対する親和性が減少し、それにより、油相組成物と水相との界面の方向に移動する傾向になるようなものである。従って、上記の水相モノマーの構造および制限を考えるならば、さらに適切なコアモノマーを確認する目的のため、コアモノマーに必要な特性は、前述の考察における水相モノマーの特徴の記述と単に置き換え得る。さらに、特定のモノマーを水相またはコア相のどちらかで使用し得、かつ同じモノマーが両相中に存在し得るが、重要でなければ、両相中に同じモノマーが存在する場合、水相およびコア相の少なくとも一方が第二モノマーを有するかまたは多段階プロセスを使用する、すなわち、オリゴマー化し、次いで、重合することが特に好ましい。最も好ましくは、水相およびコア相の各々は異なるモノマーを有する。しかしながら、共通のモノマーが両相中に存在する場合、上記のように、少なくとも1つの他のモノマーは少なくとも1つの相中に存在し、最も好ましくは、共通のモノマーはこれらの相のうち少なくとも一方のモノマー50モル%未満である。
【0019】
本教示の第一実施形態に従えば、カプセル化された疎水性コア材料、特に、油相組成物中に完全または部分的に可溶である1つ以上のエチレン性不飽和モノマーの反応生成物、および水相組成物中に完全または部分的に可溶である1つ以上のエチレン性不飽和モノマーの反応生成物を含んでなり、特定の親水性/疎水性特性を有するポリマーシェル内に親水性コア材料をカプセル化した水中油型マイクロカプセル化プロセスにより形成する相転移材料を有する高強度マイクロカプセルであって、前記反応生成物は、前記モノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーが共重合可能である程度まで、コアモノマーおよび水相モノマーならびに/またはそのオリゴマーならびに/またはプレポリマーの共重合体も含む高強度マイクロカプセルを提供する。本明細書中上記および下記のように、コアモノマーは、そのモノマー状態において油相組成物完全または部分的に可溶であるが、それらがオリゴマー化/プレポリマー化すると、油相組成物中に次第に溶けにくくなり、親油性でなくなり(それらが親油性である程度まで)、および/または疎水性でなくなり、それにより、油相と水または連続相との界面の方向に油相組成物内で移動を始める/する傾向になる。一方、水相モノマーは、せいぜい弱から中程度までの親水性特性を示す1つ以上のモノマーおよび/またはそのオリゴマー/プレポリマーが水相中への弱から限定的な溶解性(特にモノマーと比較して)を示し、それにより、水相モノマーのオリゴマー/プレポリマーはより親水性でないおよび/または水相中により可溶でなく、コアモノマーのプレポリマーと同様に、油相と水または連続相との界面の方向に水または連続相内で移動を始める/する傾向がある。
【0020】
少なくとも特定の実施形態において、共重合が考えられるが、コアモノマーおよび水相モノマーの選択ならびに/または各々の交互配列重合もしくは厳密な逐次重合は各相のモノマーおよび/もしくはオリゴマー/プレポリマー間の共重合を可能も阻止も緩和もしないことを理解すべきである。1つの相のモノマーおよび/またはオリゴマー/プレポリマーの重合開始が、他相のモノマーおよび/またはオリゴマー/プレポリマーの重合開始と比較して交互配列するか、または遅延するが、第一材料がコア相から水相を分離する前に、および各相のモノマーが実質的に共重合可能でないおよび/または条件が共重合に好ましくない場合に、界面におけるシェル壁は概して1つの相のポリマーと他相のポリマーとの相互貫入ネットワークを含んでなるだろう。相互貫入ネットワークを含んでなるシェル壁の横断面領域の相互貫入ネットワークの形成の度合いまたは程度および/または厚さは、部分的に、交互配列または遅延の程度に依存するだろう。第二相の壁形成材料の重合が第一相の壁形成材料の重合開始後直ぐである場合、相互貫入ネットワークの度合いは高く、第二壁形成材料の重合開始がかなり遅れる同じ系と比較して相互貫入ネットワークの領域は厚い。さらに、相互貫入ネットワーク形成の度合いおよび程度は、部分的に、モノマーが油相と水相との界面を通過および/または突き出る能力にも依存するだろう。対照的に、第二壁形成材料の開始が種カプセルの形成後であるおよび/またはカプセル壁による2相の分離が第一壁形成材料から生じる後である場合、カプセル壁は、2つの層のマイクロカプセル壁またはシェルの形態であり、コアモノマーはシェルの内側の層を形成し、水相モノマーはシェルの外側の層を形成するだろう。この場合、各相のモノマーが互いと共重合可能である場合、第二壁形成材料のモノマー/オリゴマー/プレポリマーは第二壁形成のモノマー/オリゴマー/プレポリマーに利用可能なシェル壁表面上で第一壁形成材料の官能基と共重合し得る。さもなければ、これらの場合、2つのシェル層間の界面は、相互貫入のあるなしで、第一壁形成材料のシェル上で第二壁形成材料が重合するとき、第二壁形成材料の開始ポリマー層中に組み込まれた第一壁形成材料のポリマー鎖を含んでなるだろう。全体または部分的に、シェルは1つのポリマーの個別のドメインを他のポリマー中に含んでなり得ることも考えられる。
【0021】
最も好ましくは、コアモノマーおよび水相モノマーおよび/またはそのそれぞれのオリゴマー/プレポリマーはすくなくともある程度の共重合可能であり共重合するだろう。共重合の程度ならびに形成してシェル壁中に組み込まれるおよび/またはシェル壁を形成する得られた共重合体は、その相対的反応性、各々がそのそれぞれの相中に存在する量および相対量ならびにそれらが界面に存在するおよび/または水相と油相の界面の方向への移動を引き起こされる程度、あるとしたら、2相の壁形成材料の重合開始の遅延もしくは交互配列、その他に依存するだろう。ここで、マイクロカプセル壁の中央の領域は、コアおよび水相モノマーの共重合鎖の織り合わされたおよび/または相互貫入したネットワークならびに各相のモノマーの全体的に形成されたポリマー鎖を含んでなるだろう。しかしながら、一旦、初期の壁またはシェルが形成し、1つの相のモノマーがもはや他の相のモノマーと接触できず、および/または1つの相のモノマーの他相への横断的移動がもはやできなくなれば、マイクロカプセルの内面のシェルもしくはマイクロカプセル壁のそれぞれの成長が全体的にコア相モノマーに基づき、かつ、由来であり、一方、シェルの外側面は全体的に水相モノマーに基づき、かつ、由来である。それ故、シェルまたはマイクロカプセル壁の化学的構造または構成は、その横断面で見るとする場合、もしあれば、モノマー構成と比較して、モノマー構成の最も相違点を有する最初の界面点および最も少ない相違点を有する各表面と共に内側面から外側面まで著しく変化し:外面は全体的または実質的に水相モノマーから構成され、内面は全体的または実質的にコア相モノマーから構成されている。これに関して、相違点は、各相中の異なるモノマー数に関係なく両相からのモノマー量を表す。それ故、シェル壁の組成物は、界面点から内側コアに移動するにつれてコア相モノマーからより全体的に構成され、界面点から外側シェル面に移動するにつれて水相モノマーからより全体的に構成される。もちろん、マイクロカプセルまたはシェルは、その中に組み込まれた別々のドメインの乳化剤、および封入され、それ故、重合するときポリマー内に組み込まれるマイクロカプセルの製造で使用する他の目的も有してもよいことは理解されるべきである。
【0022】
本教示のマイクロカプセルの疎水性コアを疎水性コア材料、少なくとも1つのコアモノマーおよび該コアモノマーの重合を開始および/または実行させるための少なくとも1つの開始剤を含んでなる油相組成物から誘導する。
【0023】
疎水性コア材料
【0024】
疎水性コア材料はマイクロカプセルの用途に依存するいくつかの異なる材料のいずれかであり得る。典型的なコア材料としては、UV吸収材、UV反射材、顔料、染料、着色剤、スケール防止剤、腐食防止剤、抗酸化剤、流動点降下剤、ワックス類、付着防止剤、分散剤、難燃剤、殺生物剤、活性染料トレーサー材料、悪臭防止剤、天然油、香味油および香油、作物保護剤、相転移材料等が挙げられる。適切な疎水性コア材料の具体例としては:
【0025】
分岐鎖または好ましくは直鎖、例えば、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−ノナデカン、n−エイコサン、n−ヘンエイコサン、n−ドコサン、n−トリコサン、n−テトラコサン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、n−ヘプタコサン、n−オクタコサンである飽和または不飽和C10〜C40炭化水素などの脂肪族炭化水素化合物が挙げられ、環式炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカンも挙げられる。
【0026】
ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、o−またはn−テルフェニルなどの芳香族炭化水素、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ヘキサデシルベンゼン、ヘキシルナフタレンまたはデシルナフタレンなどのC〜Cアルキル置換芳香族炭化水素。
【0027】
ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸またはベヘン酸などの飽和または不飽和C〜C30脂肪酸、好ましくは、デカン酸と、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸またはラウリン酸との共融混合物。
【0028】
ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ヤシ脂肪アルコールなどの混合物が挙げられ、αオレフィン類のヒドロホルミル化により得られるオキソアルコール類およびさらなる反応物も挙げられる。
【0029】
デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミンまたはヘキサデシルアミンなどのC〜C30脂肪アミン。
【0030】
脂肪酸のC〜C10アルキルエステルなどのエステル類、例えば、パルミチン酸プロピル、ステアリン酸メチルまたはパルミチン酸メチル、好ましくはそれらの共融混合物、またはケイ皮酸メチル。
【0031】
モンタンワックス、モンタンエステルワックス、カルナウバロウ、ポリエチレンワックス、酸化ワックス、ポリビニルエーテルワックス、エチレン−酢酸ビニルワックスまたはフィッシャー・トロプシュプロセスから得られる硬蝋。
【0032】
クロロパラフィン、ブロモオクタデカン、ブロモペンタデカン、ブロモノナデカン、ブロモエイコサン、およびブロモドコサンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられる。
【0033】
最も特に、本教示に従ったマイクロカプセルはコア材料として相転移材料を有する。適切な相転移材料は、通常、30℃〜150℃の温度で溶融する公知の炭化水素である。概して、この物質はワックスまたは油であり、好ましくは20℃〜80℃の融点を有し、しばしば40℃周辺である。望ましくは、相転移物質はC〜C40アルカンまたはシクロアルカンであり得る。適切な相転移材料としてはアルカンまたはシクロアルカンの全異性体が挙げられる。加えて、これらのアルカンおよび/またはシクロアルカンの混合物も望ましく使用し得る。相転移材料は、例えば、n−オクタデカン、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−ノナデカン、n−ドコサン、n−トリコサン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカンおよびその異性体および/または混合物から選択される化合物のいずれかであり得る。他の相転移材料としては、ベンゼン、ナフタレン、他などの芳香族炭化水素;およびラウリン酸、ステアリン酸、他などの脂肪酸;ラウリルアルコール、ステアリルアルコールなどのアルコール類;および詳細には、ステアリン酸メチル、ケイ皮酸メチル、他を含むミリスチン酸アルキル、パルミチン酸アルキル、ステアリン酸アルキル、他などのエステル化合物が挙げられる。
【0034】
別の好ましいコア材料は、疎水性液体、好ましくは、油、または非ポリマー材料である疎水性ワックス、最も好ましくは、相転移材料から本質的に成る。 好ましい疎水性油およびワックスは本質的に非ポリマーであるが、これらの材料はより少量、概して、ポリマー添加剤のコアの総重量に対して、10%未満、好ましくは5%未満(例えば、0.5〜2%)を含有してもよいと考えられる。特に望ましいポリマー添加剤は相転移材料の特性を修飾するものである。例えば、相転移材料が吸収熱で溶融する温度が熱を失うときに固化する温度と有意に異なり得ることは公知である。あるいは、またはこれに加えて、特に、疎水性液体またはワックスが熱貯蔵に使用される相転移材料である場合、コア相組成物は、それらが組み入れられる疎水性液体またはワックスの過冷却を避けることが分かっている、ポリマー添加剤でもあり得る選択核剤(select nucleating agents)をさらに含み得る。特に、望ましいポリマー添加剤および核剤は相転移材料の融点と凝固温度を近づける物質または化合物である。このようなポリマー添加剤および/または核剤の使用は、カプセル化された相転移材料が様々な家庭での応用または衣料品に使用されるのに特に望ましい。
【0035】
適切な核剤は周知であり、金属粉末およびクラムパウダー(claim powders)が挙げられる。特に好ましい核剤は、Isiguro(米国特許第5,456,852号)に記載のものであり、これは参照により本明細書に組み入れられるものとする。概して言えば、これらの核剤は、通常、それが組み入れられる相転移材料より高く、20℃〜110℃、好ましくは30℃〜100℃である融点を有する。適切な例示の核剤としては、脂肪族炭化水素化合物、芳香族化合物、エステル類(脂肪および油を含む)、脂肪酸、アルコール類およびアミド類が挙げられ、詳細には、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、ステアリン酸アミド、エチレンビズオレイン酸アミド、メチロールベヘン酸アミドおよびN−フェニル−N’−ステアリル尿素、ならびにその2つ以上の組合せが挙げられるが、これに限定されない。相転移化合物が脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素などの非極性化合物である場合、核剤の好ましい例は、非極性化合物より高極性な脂肪酸、アルコールおよびアミドである。概して言えば、相転移材料の量または重量に対して、0.5〜40重量%、好ましくは1〜35重量%の量で核剤を使用する。
【0036】
あるいは、相転移材料は炭化水素以外の物質であってもよい。例えば、相転移材料は、液化および固化相転移中および/または溶解/結晶転移中、潜熱を吸収および放出する無機物質であり得る。このような無機化合物としては、例えば、硫酸ナトリウム十水和物または塩化カルシウム六水和物ならびに大量の結晶水を含有する他の無機化合物、例えば、リン酸水素ナトリウム十二水和物、チオ硫酸ナトリウム五水和物、および硝酸ニッケル六水和物が挙げられる。従って、無機相転移材料は特定の温度において転移中に熱エネルギーを吸収または放出できるいずれもの無機物質であり得る。
【0037】
以下では、無機相転移材料は疎水性液体またはワックスを含んでなるコアマトリックス全体にわたって分散している微細分散結晶の形態であり得る。1つ形態では、無機相転移材料は、ワックスなどの固形疎水性物質全体にわたって分散している。別の形態では、無機相転移材料の結晶は、実質的に液体のままである疎水性液体またはワックス、好ましくは炭化水素液体またはワックス中に分散し得る。相転移中、これらの結晶は液体全体にわたって分散した液滴になる。これらの液滴の凝集を避けるために、疎水性液体中に油中水型乳化剤などの適切な界面活性剤を含有することが有利である。本実施形態のさらに別の反復では、コア材料が疎水性液体またはワックスのマトリックス全体にわたって分散した無機相転移材料を含んでなる場合、該疎水性液体またはワックスはそれ自体相転移材料である。この好ましい実施形態では、炭化水素および無機材料は熱を吸収または放出の両方をし得る。さらに、炭化水素は相転移材料でなくてもよく、担体および/または加工助剤としての役割のみをし得る。
【0038】
特定の炭化水素油およびワックスに関連して、相転移材料と一緒に核剤を使用することに関して上記に考察しているが、過冷却等に取り組むために前述の無機材料を含むいずれもの相転移材料と一緒に、言及したレベルで、このような核剤を適切に使用することも考えられるものとする。
【0039】
コアモノマー
【0040】
油相組成物の第二成分はコアモノマーである。上記開示の通り、コアモノマーは、1つ以上のエチレン性不飽和モノマー、好ましくは、油相組成物中に完全または部分的に可溶または分散可能なフリーラジカル重合可能なエチレン性不飽和モノマーを含んでなり、特に、該コア材料、およびそのオリゴマー/プレポリマーが、それらがオリゴマー化/プレポリマー化すると、溶けにくくなり、および/または親油性が減少し、および/または疎水性が減少し(好ましくはより親水性)、それにより、オリゴマーおよび/またはプレポリマーは油相と水または連続相との界面の方向に油相組成物を通って移動する傾向になる。好ましくは、コア材料は疎水性モノマーであり、これは、20℃において脱イオン水中で測定したとき、約25g/L以下、好ましくは10g/L以下、より好ましくは5g/L以下の水溶性を有するモノマーであることを意味する。特定の実施形態では、疎水性モノマーは、20℃において脱イオン水中で測定したとき、1g/水L以下、好ましくは0.1g/L以下の水溶性を有するだろう。
【0041】
好ましいコアモノマーは、単独または他のコアモノマーとの組合せで、上記定義の必須の特性を有する二官能性モノマーであるが、但し、該コアモノマーの少なくとも50モル%が二官能性である。該コアモノマーの要件を満足しないモノマーも存在してもよく、オリゴマー/プレポリマーの全体的特性が保持されている限り、必須のコアモノマーと共重合してもよい。概して言えば、もしあるならば、このような他のモノマーは、コア相中のモノマーのうち、少なくとも50モル%未満、好ましくは25モル%未満で存在するだろう。適切な二官能性コアモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート;1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート;1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート;プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート;アジピン酸ジビニル;ジビニルベンゼン;メタクリル酸ビニル;(メタ)アクリル酸アリル;リンゴ酸ジアリル;フタル酸ジアリル;フマル酸ジアリル;トリアリルシアヌレート;多価ヒドロキシル化化合物の(メタ)アクリルポリエステル類;多価カルボン酸のジビニルエステル類;多価カルボン酸のジアリルエステル類;テレフタル酸ジアリル;N,N’−メチレンジアクリルアミド;ヘキサメチレンビスマレイミド;コハク酸ジアリル;ジビニルエーテル;エチレングリコールまたはジエチレングリコールのジビニルエーテル類;n−メチロールアクリルアミド;n−イソブトキシメチルアクリルアミド;ヘキサンジオールジアクリレート;ネオペンチルグリコールジアクリレート;ジビニルベンゼン;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート類;テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジアクリレート;トリプロピレングリコールジアクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートアクリレート;ジプロピレングリコールジアクリレート;アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート;アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート;プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート;メタクリル酸アリル;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート;等が挙げられるが、これに限定されない。
【0042】
二官能性コアモノマーが好ましいが、単官能性および多官能性モノマーならびにその組合せおよびこのようなモノマーと二官能性モノマーとの組合せも適切である。例示の単官能性モノマーとしては、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ステアリルビニルエーテルなどの(C〜C30)アルキル基を有するビニルアルキルまたはアリールエーテル;(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸パルミチル、および(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸の(C〜C30)アルキルエステル;脂肪酸と脂肪アルコールから誘導されるものなどの(メタ)アクリル酸の不飽和ビニルエステル;コレステロールから誘導されるモノマー;1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−オクテン、イソブチレンおよびイソプレンなどのオレフィン系モノマー;等が挙げられるが、これに限定されない。例示の多官能性モノマーとしては、六官能性芳香族ウレタン(メタ)アクリレートなどの脂肪族または芳香族ウレタンアクリレート;エトキシル化脂肪族二官能性ウレタン(メタ)アクリレート;四官能性芳香族(メタ)アクリレートなどの脂肪族または芳香族ウレタン(メタ)アクリレート;エポキシアクリレート;エポキシメタクリレート;トリ(メタ)アクリル酸グリセリル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;プロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;プロポキシル化トリ(メタ)アクリル酸グリセリル;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリルレート;ジペンタエリスリトールペンタアクリレート;エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート;等が挙げられるが、これに限定されない。
【0043】
油相組成物中に存在するコアモノマー量は変わり得るが、概して、油相組成物の総重量に対して、約5〜25重量%、好ましくは約10〜20重量%の範囲内である。より低濃度で仕様され得るが、低すぎる量のコアモノマーでは得られる物理的特性の低下をもたらす。より高い量でも使用し得るが必要なく、いずれにしても、壁材料がより多いほど、コア材料は少なくなる。従って、以下に示すように、シェル壁材料の量を最小にしながら、コア材料の量を最適化することが望ましい。
【0044】
コア開始剤
【0045】
油相組成物の最後の重要な成分は、コアモノマーのオリゴマー化/プレポリマー化および/または重合を行うのに適切な1つ以上のコア開始剤である。好ましくは、コア開始剤は、2つのフリーラジカル開始剤を含んでなり、この各々を異なる条件により、同条件の場合ではその条件の異なる強度により開始または活性化する。例えば、コア開始剤を両方熱により活性化する場合、各々は他方とは異なる一次活性化温度を有し、好ましくは、活性化温度は少なくとも5℃、より好ましくは少なくとも10℃、最も好ましくは少なくとも15℃異なるだろう。ここで、一次活性化温度または一次活性化条件の概念は、所与の開始剤が10時間の半減期に達する条件を表す。開始剤の選択は活性化および重合するモノマーに依存するだろう。この点に関して、少なくとも、オリゴマー化/プレポリマー化段階において化学線活性化開始剤を使用することが可能であり得るが、コア開始剤は熱活性化開始剤であることが最も望ましい。同様に、油相組成物中に組み入れられる活性化剤の量は、部分的に、存在するコアモノマー量および/または期待される反応条件における分解速度に依存するだろう。これらの因子の全ては周知であり、概して、供給元のガイドラインおよび製品仕様に記載されており、いずれにしても、簡単な直接的実験により決定できる。
【0046】
水/連続相
【0047】
本教示のマイクロカプセル形成に重要な第二の組成物は、マイクロカプセルが形成し、該マイクロカプセルにシェル壁の第二成分を提供する反応混合物の連続相として役割を果たす水または水性相組成物である。該水または水性相組成物は、水、1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和モノマー、好ましくは、フリーラジカル重合可能なエチレン性不飽和モノマーを含んでなる壁形成組成物、およびエチレン性不飽和モノマーのオリゴマー化/プレポリマー化および/または重合のための少なくとも1つの開始剤、特に、フリーラジカル開始剤を含んでなる。
【0048】
水相モノマー
【0049】
水相組成物の主要成分は、1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和モノマー、好ましくは、せいぜい弱〜中程度の親水性特性を示すフリーラジカル重合可能なエチレン性不飽和モノマーを含んでなる水相モノマーである。概して、水相モノマーは、1〜100重量%、好ましくは30〜100重量%の少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー;0〜99重量%、好ましくは0〜70重量%の少なくとも1つの多官能性エチレン性不飽和モノマー、および0〜60重量%、好ましくは0〜30重量%の他の単官能性モノマーを含んでなる。好ましくは、弱から中程度の親水性特性を示す少なくとも1つのモノマーは二官能性モノマーであるかまたは過半量、すなわち、50モル%以上の二官能性モノマーを含んでなる。
【0050】
上記のように、第二水相組成物を使用する場合、第二水相組成物は、好ましくは、1つ以上の水溶性または分散可能な(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー/プレポリマーを含んでなり;さもなければ、それらは通常単一の水相組成物になるだろう。特定のコアモノマーが、特に、適切な乳化剤および/または可溶化剤の存在下、および/または高温および/または調整したpHにおいていくらか水溶性または水分散性を有するだろうし、水相モノマーとして、またはその一部として使用してもよいことは当業者は容易に認識して考えるだろうが;しかしながら、水相モノマーはコア相モノマーと異なることが好ましい。コアモノマーおよび水相モノマーの両方として使用し得るモノマーは、概して、両親媒性であり、親水性および疎水性の両方になる構成要素または基を有し:親水性および/または疎水性(または親油性)の程度は、1つの相または他で相中でのその使用程度を決定するだろう。
【0051】
概して、水相モノマーは、1〜100重量%、好ましくは30〜100重量%の少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー;0〜99重量%、好ましくは0〜70重量%の少なくとも1つの多官能性エチレン性不飽和モノマー、および0〜60重量%、好ましくは0〜30重量%の他の単官能性モノマーを含んでなる。好ましくは、弱から中程度の親水性特性を示す少なくとも1つのモノマーは二官能性モノマーであるかまたは過半量、すなわち、50モル%以上の二官能性モノマーを含んでなる。述べたように、他のモノマーが存在してもよく、特に、必須水相モノマーと共重合し得るもの、但し、このような他のモノマーは水相モノマーの必須特性を示しも有しもせず、その選択および/またはその存在量は、オリゴマー化/プレポリマー化で生成したオリゴマー/プレポリマーが前記オリゴマー/プレポリマーの必要な特性、すなわち、溶解性および/または親水性の低下を保持するようなものである。
【0052】
弱〜中程度の親水性特性を示す例示のエチレン性不飽和モノマーとしては、アミン修飾ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、六官能性芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メチル、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステル、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、およびエトキシル化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、二官能性脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化単官能性または多官能性(メタ)アクリレートエステル、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、アミン修飾ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられるが、これに限定されない。特に好ましい水溶性または水分散可能な(メタ)アクリレートは、数個の親水性基、すなわち、数個のアミノ基、ウレタン基、アルコール基および/またはエーテル基を有するものである。
【0053】
他のモノマー、例えば、前述の弱〜中程度の親水性モノマーと共重合する単官能性モノマーおよび多官能性モノマーは周知であり、フリーラジカルカプセル化プロセスで広く使用されている。さらなる例示は必要ないと思われる。
【0054】
水相組成物中で使用される水相モノマー量は、少なくとも部分的に、コア相組成物中に存在するコア相モノマー量に依存する。概して言えば、油またはコア相モノマーに対する水相モノマーの重量比は、好ましくは約1:3〜約1:50以上、好ましくは約1:6〜1:50の範囲である。概して、このような重量比は水相組成物に対して、20重量%未満、好ましくは10重量%未満の水相モノマーの存在に関連するだろう。より低いレベルにはならないが、良好な壁の形成およびいくらか迅速なセル壁形成を可能とするために充分なモノマーが存在しなければならないことを考えるべきである。この点に関して、水相モノマー濃度が低すぎる場合、充分なモノマーまたはオリゴマー/プレポリマーが油相組成物と水相戸の界面に到達するのに長すぎる時間がかかるのでカプセル化プロセスは長引かされる。それ故、おそらく、水相モノマー濃度は少なくとも0.5重量%、よりふさわしくは少なくとも1%以上であるだろう。にもかかわらず、より高濃度、特に、20重量%に近いまたはそれを超えるものはゲル形成または、少なくともゲル形成する大きなリスクを有する傾向があるので、許容されるがより低い水相モノマー濃度は望ましい。
【0055】
水相組成物中に組み入れられる水相モノマー量を制御する別因子は、エマルジョン中に存在するコア相組成物量およびシェル壁の所望の厚さである。この点に関して、水相モノマーに対する油相組成物の重量比は、それぞれ、50:50〜98:2である。特に好ましいマイクロカプセルは70〜90%のコアおよび30〜10%のシェル、より好ましくは75〜85%のコアを有し、特に好ましいマイクロカプセルは約82%のコアおよび約18%のシェルを含んでなる。
【0056】
水相開始剤
【0057】
水相組成物の最後の重要な成分は、水相モノマーのオリゴマー化/プレポリマー化および/または重合を行うのに適切な1つ以上の水相開始剤である。好ましくは、コア開始剤のように、水相開始剤は、2つのフリーラジカル開始剤を含んでなり、この各々を異なる条件により、同条件の場合ではその条件の異なる強度により開始または活性化する。また、例えば、コア開始剤を両方熱により活性化する場合、各々は他方とは異なる一次活性化温度を有し、好ましくは、活性化温度は少なくとも5℃、より好ましくは少なくとも10℃、最も好ましくは少なくとも15℃異なり;該活性化温度または一次活性化条件は、所与の開始剤が10時間の半減期に達する条件を表す。水相開始剤の選択は活性化および重合するモノマーに依存するだろう。この点に関して、水相開始剤を化学線(例えば、UV光)活性してもよいが、コア開始剤と同様に、水相開始剤を熱活性化するのが好ましい。同様に、水相組成物中に組み入れられる水相活性化剤の量は、部分的に、存在する水相モノマー量および/または所与の反応条件下での水相活性化剤の分解速度に依存するだろう。これらの因子の全ては周知であり、概して、供給元のガイドラインおよび製品仕様に記載されており、いずれにしても、簡単な直接的実験により決定できる。
【0058】
概して、コア相開始剤は概して水溶性でないので、水相開始剤はコア相開始剤と異なる。にもかかわらず、開始剤の選択では、コアモノマーおよび水相モノマーの各々の初期開始剤は同じまたは類似の一次活性化条件を有することは、必ずしも必要ないが、多くの場合、望ましい。4つの開始剤を使用して、カプセル化プロセスの同じまたは全体的に同じ点において各モノマー組成物のオリゴマー/プレポリマーを形成し、それにより、油相組成物と水相との界面においてオリゴマー/プレポリマーが凝集する場合に、このことは特に言える。同様に、必ずしも必要ないが、各相に含有される第二開始剤が同じまたは類似の一次活性化条件を有するかまたはシェル壁形成を最適化するために同時に活性化することは望ましい。
【0059】
加工助剤
【0060】
乳化剤
【0061】
必要に応じて、好ましいが、水相組成物または、2つ以上の水相組成物から製造するマイクロカプセルの場合に前記水相組成物の片方もしくは両方は、連続水相中の油相組成物の分散液またはエマルジョンを生成するのを助ける乳化剤を含有するだろう。同様に、二重水相壁形成材料を使用する場合、乳化剤を使用して水相中に油相組成物を分散する。重要ではないが、また好ましくは、乳化剤、好ましくは非イオン性乳化剤を1つまたは両方の水相組成物に添加してその水相組成物中の弱〜中程度の親水性水相モノマーの分散性および/または溶解性を補助する。
【0062】
全タイプの乳化剤は、評価すべきであるが、本プロセスの実践で使用するのに適切であり、異なる系、例えば、異なるコアモノマーおよび/またはコア材料は他のものより1つ以上の種類の乳化剤を用いてより良好に適合するだろうと当業者は容易に認識するだろう。詳細には、本教示を概してアニオン性、カチオン性、非イオン性および両性乳化剤に適用できるが、好ましい乳化剤はカチオン性および非イオン性乳化剤、特に、ポリアルキルエーテル単位、特に、約6より大きいアルキレンエーテル単位の重合度を有するポリエチレンオキシド単位を有するものである。好ましい乳化剤は、連続水相と分散した油相組成物との界面張力を有意に低減することにより、液滴合体の傾向を減少するものである。この点に関して、概して、水中油型エマルジョンまたは分散液を補助するための第一首相の使用のための乳化剤は、11〜17のHLB値を有するだろう。同じHLB値の乳化剤を第二水相で使用してもよいが、第二水相中の水相モノマーの溶解性および/または分散性を促進するのに使用する乳化剤は、概して、16〜20のHLB値を有するだろう。もちろん、上述の通り、同じ目的を達成するより低いおよびより高いHLB値の乳化剤/界面活性剤も挙げられる。
【0063】
例示の乳化剤としては、ポリビニルアルコール、特に、部分的に加水分解したもの;エチルヒドロキシエチルセルロース、2−ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他などのセルロース誘導体;アカシアゴムおよびキサンタンゴムなどのゴム類;ポリ(メタ)アクリル酸および誘導体;ならびにスチレンマレイン酸共重合体および誘導体等が挙げられるが、これに限定されない。最も好ましくは、乳化剤/エマルジョン安定剤はポリビニルアルコール、特に、酢酸ビニル基の85〜95%、好ましくは88〜90%がビニルアルコール単位に加水分解された、ポリ酢酸ビニルから誘導されたポリビニルアルコールである。
【0064】
さらに例示のアニオン性界面活性剤および本発明の実践に使用するのに適切なアニオン性界面活性剤の種類としては:スルホン酸塩;硫酸塩;スルホコハク酸塩;サルコシン酸塩;アルコール硫酸塩;アルコールエーテル硫酸塩;アルキルアリールエーテル硫酸塩;アルキルベンゼンスルホン酸およびアルキルナフタレンスルホン酸およびその塩などのアルキルアリールスルホン酸塩;アルキルスルホン酸塩;ポリアルコキシル化アルキルアルコールもしくはアルキルフェノールの一リン酸エステルまたは二リン酸エステル;C12〜C15アルカノールまたはポリアルコキシル化C12〜C15アルカノールの一スルホコハク酸エステルもしくは二スルホコハク酸エステル;エーテルカルボン酸塩、特に、アルコールエーテルカルボン酸塩;フェノールエーテルカルボン酸塩;オキシブチレンまたはテトラヒドロフラン残渣から成るエトキシル化ポリオキシアルキレングリコールの多塩基酸エステル;N−メチル−N−オレオイルタウリン酸Na塩などのスルホアルキルアミドおよびその塩;ポリオキシアルキレンアルキルフェノールカルボン酸塩;ポリオキシアルキレンアルコールカルボン酸アルキルポリグリコシド/アルケニル無水コハク酸縮合生成物;アルキルエステル硫酸塩;ナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンホルムアルデヒド縮合物;アルキルスルホンアミド;スルホン化脂肪族ポリエステル;スチリルフェニルアルコキシレートの硫酸エステル;およびスチリルフェニルアルコキシレートのスルホン酸エステルおよびその対応するナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ジエタノールアンモニウム塩、またはトリエタノールアンモニウム塩;ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩またはアンモニウム塩などのリグニンスルホン酸の塩;ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテル硫酸塩およびポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルリン酸塩;ならびに硫酸化アルキルフェノールエトキシレートおよびリン酸化アルキルフェノールエトキシレート;ラウリル硫酸ナトリウム;ラウレス硫酸ナトリウム;ラウリル硫酸アンモニウム;ラウレス硫酸アンモニウム;メチルココイルタウリン酸ナトリウム;ラウロイルサルコシン酸ナトリウム;ココイルサルコシン酸ナトリウム;ココ加水分解コラーゲンカリウム;TEA(トリエタノールアミン)ラウリル硫酸塩;TEA(トリエタノールアミン)ラウレス硫酸塩;ラウリルまたはココイルサルコシン;オレアミドスルホコハク酸二ナトリウム;ラウレススルホコハク酸二ナトリウム;ジオクチルスルホコハク酸二ナトリウム;N−メチル−N−オレオイルタウリン酸Na塩;トリスチリルフェノール硫酸塩;エトキシル化リグニンスルホン酸塩;エトキシル化ノニルフェノールリン酸エステル;アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム;エトキシル化トリデシルアルコールリン酸エステル;ジアルキルスルホコハク酸エステル塩;ペルフルオロ(C〜C18)アルキルホスホン酸;ペルフルオロ(C〜C18)アルキルホスフィン酸;カルボン酸のペルフルオロ(C3〜C20)アルキルエステル;アルケニルコハク酸ジグルカミド(diglucamides);アルケニルコハク酸アルコキシレート;ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩;ならびにアルケニルスルホン酸アルキルポリグリコシドが挙げられる。適切なアニオン性乳化剤のさらなる例示としては、アルキル硫酸の水溶性塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルイソチオネート、カルボン酸アルキル、アルキルスルホコハク酸塩、スクシンアミド酸アルキル、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、サルコシン酸アルキル、タンパク質水解物のアルキル誘導体、アシルアスパラギン酸塩、アルキルもしくはアルキルエーテルもしくはアルキルアリールエーテルリン酸エステル、ドデシル硫酸ナトリウム、リン脂質もしくはレシチン、または石ケン、ステアリン酸、オレイン酸もしくはパルミチン酸ナトリウム、カリウムもしくはアンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸エステル塩、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩、イソブチレン無水マレイン酸共重合体もしくはエチレン無水マレイン酸共重合体などのアルキレン無水マレイン酸共重合体、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースなどの半合成ポリマー、硫酸セルロースおよびペクチン、ポリスチレン硫酸塩、ペクチン酸、トラガカントゴム、アーモンドガムおよび寒天;カルボキシメチルセルロース、硫酸化セルロース、硫酸化メチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、リン酸化デンプン、リグニンスルホン酸;無水マレイン酸共重合体(その水解物を含む)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体などのアクリル酸−アクリル酸アルキル共重合体またはクロトン酸ホモ重合体および共重合体、ビニルベンゼンスルホン酸または2−アシルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ホモ重合体および共重合体、ならびにこのような重合体および共重合体の部分アミドまたは部分エステル、カルボン酸修飾ポリビニルアルコール、スルホン酸修飾ポリビニルアルコールおよびリン酸修飾ポリビニルアルコール、リン酸化または硫酸化トリスチリルフェノールエトキシレートが挙げられるが、これに限定されない。
【0065】
例示の両性およびカチオン性乳化剤としては、アルキルポリグリコシド;ベタイン;スルホベタイン;グリシン酸塩;C〜C18脂肪酸のアルカノールアミドおよび;C〜C18脂肪アミンポリアルコキシレート;C10〜C18アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩化物;ココナッツアルキルジメチルアミノ酢酸;C〜C18脂肪アミンポリアルコキシレートのリン酸エステル;デンプンまたはグルコースシロップと脂肪アルコール、特に、C〜C18アルコール、特に、1.3〜1.6、特に1.4もしくは1.5の重合度を有するC〜C10およびC12〜C14アルキルポリグリコシドとを酸触媒フィッシャー反応して得られたアルキルポリグリコシド(APG)が挙げられる。さらなるカチオン性乳化剤としては、長鎖脂肪族ラジカルを有する第四級アンモニウム化合物、例えば、ジステアリルジアンモニウムクロリド、および脂肪アミンが挙げられる。言及し得るカチオン性乳化剤の中で、アルキルジメチルベンジルアンモニウムハロゲン化物、アルキルジメチルエチルアンモニウムハロゲン化物、他があり、具体的カチオン性乳化剤としては、パルミトアミドプロピルトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、およびポリエチレンイミンが挙げられる。さらなる両性乳化剤としては、アルキルアミノアルカンカルボン酸ベタイン、スルホベタイン、イミダゾリン誘導体、ラウロアンホグリシネート、ココアミノプロピオン酸ナトリウム、および両性イオン性乳化剤ココアミドプロピルベタインが挙げられる。
【0066】
適切な非イオン性乳化剤は少なくとも1つの非イオン性親水性官能基を有すると特徴付けられる。木の間石非イオン性親水性官能基はアルコールおよびアミドならびにその組合せである。非イオン性乳化剤の例としては:モノおよびジグリセリド;ポリアリールフェノールポリエトキシエーテル;ポリアルキルフェノールポリエトキシエーテル;飽和脂肪酸のポリグリコールエーテル誘導体;不飽和脂肪酸のポリグリコールエーテル誘導体;脂肪族アルコールのポリグリコールエーテル誘導体;脂環式アルコールのポリグリコールエーテル誘導体;ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル;アルコキシル化植物油;アルコキシル化アセチレン系ジオール;ポリアルコキシル化アルキルフェノール;脂肪酸アルコキシレート;ソルビタンアルコキシレート;ソルビトールエステル;C〜C22アルキルまたはアルケニルポリグリコシド;ポリアルコキシスチリルアリールエーテル;アミンオキシド、特に、アルキルアミンオキシド;ブロック共重合体エーテル;ポリアルコキシル化脂肪グリセリド;ポリアルキレングリコールエーテル;直鎖脂肪族または芳香族ポリエステル;有機シリコーン;ポリアリールフェノール;ソルビトールエステルアルコキシレート;ならびにエチレングリコールのモノおよびジエステルおよびその混合物;エトキシル化トリスチリルフェノール;エトキシル化脂肪アルコール;エトキシル化ラウリルアルコール;エトキシル化ヒマシ油;ならびにエトキシル化ノニルフェノール;アルコキシル化アルコール、アミンまたは酸;ステアラミド、ラウラミドジエタノールアミド、およびラウラミドモノエタノールアミドなどの脂肪酸のアミド;セチルアルコールおよびステアリルアルコールなどの長鎖脂肪アルコール;ラウリン酸グリセリルなどのグリセロールエステル;ポリオキシアルキレングリコールならびにポリオキシエチレングリコールノニルフェニルエーテルおよびポリプロピレングリコールステアリルエーテルなどのポリオキシアルキレングリコールのアルキルおよびアリールエーテルが挙げられる。ポリエチレングリコールオリゴマーおよびオリゴマー性ポリエチレングリコールのアルキルもしくはアリールエーテルまたはエステルが好ましい。ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニルとの共重合体、カルボン酸化または部分的加水分解ポリビニルアルコール、メチルセルロース、様々なラテックス材料、ステアリン酸エステル、レシチン、および様々な界面活性剤も非イオン性乳化剤として好ましい。ポリビニルアルコールは通常ポリ酢酸ビニルの部分的または完全加水分解により製造されることは公知である。従って、ポリビニルアルコールと言うことにより、完全および部分的両方の加水分解ポリ酢酸ビニルを含むことを意図している。後者に関して、ポリ酢酸ビニルは少なくとも50モル%加水分解しているのが好ましく、より好ましくは、少なくとも75モル%加水分解している。
【0067】
乳化剤がポリマー性乳化剤、特に、アクリル酸エステルを有するかまたは誘導されたもの、例えば、ポリアクリル酸エステルである場合、分子量は、概して、少なくとも10,000、好ましくは、少なくとも20,000、最も好ましくは30,000以上である。加えて、乳化剤量は、通常、処方物の総重量に対して、約0.1〜約40重量%、より好ましくは約0.2〜約15重量%、最も好ましくは約0.5〜約10重量%である。特定のアクリル重合体および共重合体は、乳化剤としてだけでなく、マイクロカプセル壁形成時の重合可能および/または非重合可能成分の両方として機能してもよいと考えるべきである。後者に関して、ポリマー性乳化剤、特に、高分子量重合体の性質のものを形成されるポリマー壁に捕捉および/または組み入れる。これはおそらく、特に、水相の性質が変化し溶解したポリマーが溶液から出てくる場合であろう。
【0068】
単独または前述の材料と組み合わせて使用し得る他の安定化物質としてはイオン性モノマーが挙げられる。典型的カチオン性モノマーとしては、第四級アンモニウムまたは酸付加塩を含むジアルキルアミノアルキルアクリレートまたはメタクリレートおよび第四級アンモニウムまたは酸付加塩を含むジアルキルアミノアルキルアクリルアミドまたはメタクリルアミドが挙げられる。典型的なアニオン性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、特にアルカリ金属またはアンモニウム塩などのエチレン性不飽和カルボン酸またはスルホン酸モノマーが挙げられる。特に好ましいアニオン性モノマーは、エチレン性不飽和スルホン酸およびその塩、特に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩である。
【0069】
水相組成物およびコア相組成物は、例えば、連鎖移動剤および/または壁形成モノマーの分子量/重合度の制御を助けることにより、それぞれの油相および水相組成物を通ってオリゴマー/プレポリマーの移動を助ける試剤を含む当技術分野で慣習的な他の成分をさらに含有してもよい。この点に関して、必要に応じて、好ましいが、水相、特に、第二水相組成物は、少なくとも1つの連鎖移動剤および/またはオリゴマー/プレポリマーの移動を助ける試剤をさらに含む。適切な連鎖移動剤としては、1〜5個の炭素原子を有する低級アルキルアルコール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、チオグリコール酸、イソオクチルメルカプトプロピオネート、tert−ノニルメルカプタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ドデシルメルカプタン、ギ酸、ブロモエタン、ブロモトリクロロメタン、または四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素、ならびにナトリウムおよびカリウムの硫酸塩、重硫酸塩(bisulfate)、重硫酸塩(hydrosulfate)、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、トルエンスルホン酸塩および安息香酸塩が挙げられるが、これに限定されない。存在する場合、連鎖移動剤を、使用するモノマーおよび/またはオリゴマーに対して、好ましくは0.01〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%の範囲の量で使用する。
【0070】
本教示に従ったマイクロカプセルを以下に記載するように多段階プロセスで製造する。便宜のため、該プロセスは、2つの水相成分および1つのコア相組成物を含む好ましい様式で表される。にもかかわらず、当業者は、水相組成物をコア相組成物を添加する1つの組成物または、水相活性化剤の過度のもしくは望ましくない活性化および/または水相モノマーのオリゴマー化/プレポリマー化/重合を所望通り回避するまで様々な成分を好ましくは互いに単離する3つ以上の成分組成物として製造してもよいことを容易に理解するだろう。
【0071】
第一工程では、水および好ましくは乳化剤および/または界面活性剤を含んでなる第一水相組成物(WP1)を反応槽内で2つの成分を混合することにより製造する。乳化剤および/または安定化剤はコア相組成物の乳化だけでなく液滴の凝集を回避するようにコア相組成物を安定化するのを補助するものが望ましい。第一水相成分(WP1)の体積は、コア相組成物の乳化形成を簡単にするようなものである。WP1の使用が少なすぎる場合、液滴が凝集する傾向があるので、コア相組成物の所望の液滴サイズの安定したエマルジョンが得られ難い。一方、WP1の使用が多すぎる場合または1つの水相組成物を使用する場合、ずっとより大きな体積中で不必要に乳化しなければならないので所望の液滴サイズを形成するのが難しい。この点に関して、不可能でない場合、混合物中で充分なせん断が生成して所望のサイズの液滴を得ることは、おそらく難しい。
【0072】
加えて、水、水相モノマー、および水相開始剤(複数可)を含んでなる第二水相組成物(WP2)を製造する。また、必要ないが、WP2中乳化剤および/または界面活性剤を含有することが望ましい。存在する場合、水および乳化剤/界面活性剤の溶液中に水相モノマーを先ず混合することが好ましい。温度を上げて、水相中のモノマーの溶解性および/または分散性を補助することも望ましい。その後、水相開始剤を混合物に添加する;しかしながら、混合物の温度を上げて水相モノマーを溶液/懸濁液中に至るように補助する場合、該混合物を冷却または1つ以上の水相開始剤の最低活性化温度より低く安全である温度まで冷却させるべきである。
【0073】
前述した通り、WP1かWP2かまたは両方のいずれかは、水相組成物の他の成分を含有してもよい;しかしながら、これらの他成分がWP1の水相モノマーもしくは別成分に悪影響を与える、または水相開始剤に悪影響を与える、例えば、早期活性化を引き起こす、またはWP2中の他成分に悪影響を与えると懸念される場合、これらの成分を他の水相成分もしくはさらに第三水相成分(WP3)中混合するだろう。概して、必要ならば可能性として挙げられるが、WP3を使用する必要性はない。
【0074】
油相組成物をコア相モノマーおよびコア材料を混合することにより形成する。最も好ましくは、モノマーおよびに核剤を含むコア材料中存在し得る他成分の溶解または懸濁を促進するように中程度まで温度を上昇してこれを実施する:これは特にコア材料が固体またはワックスまたは高粘性材料である場合にそうである。界面活性剤等の他成分も添加してコア材料中のコア相モノマーの溶解/懸濁を補助してもよい。一旦、コア材料中のコアモノマーの安定な溶液または懸濁液を製造したら、コア相開始剤を組合せおよび混合組成物に添加してコア相開始剤の良好な分散を保証する。また、一旦、混合物の温度を上げてコア相モノマーを溶液/懸濁液中に至るように補助する場合、該混合物を冷却または1つ以上のコア相開始剤の最低主要活性化温度より低く安全である温度まで冷却させるべきである。特定の開始剤がより多くの釣鐘曲線型開始応答を有してもよく、これらの場合、その釣鐘曲線のより下端より低く温度を下げることは出来ないか必要ないと理解すべきであり;むしろ、活性の低レベル、それ故、油相組成物中のコアモノマーのオリゴマー化/プレポリマー化は本教示のマイクロカプセルの性能に悪影響なく乳化前に可能であり許容できると理解すべきである。実際、乳化工程前にコアモノマーを完全にまたは少なくとも部分的にオリゴマー化/プレポリマー化することは望ましくあり得る。ここで、前記オリゴマー化/プレポリマー化のための開始剤に影響する条件は、好ましくは、乳化前に取り除くまたは戻して、水相中のモノマーの早期活性化を防止する。例えば、油相組成物の温度を上昇させてオリゴマー化/プレポリマー化を開始する場合、水相組成物に添加する前に得られた油相組成物を冷却するのが最良である。
【0075】
一旦、安定な油相組成物を得たならば、反応槽内のWP1組成物に添加および混合する。所望の油相組成物の液滴サイズが得られるまで混合物を粉砕する。その後、第二水相組成物(WP2)を反応器に添加する。それから、混合物を混合し、温度を第一水相およびコア相開始剤の初期活性化温度まで上昇させる。これに関して、その初期活性化温度が同じかまたは互いにかなり近い、概して互いに5℃以内、より好ましくは互いに2℃以内である第一開始剤を選択するのが望ましい。他方では、2つの第一開始剤の活性化温度はより大きく離れていてもよく、モノマーおよび/またはコア材料の選択のせいで、水相モノマーまたはコア相モノマーの1つのオリゴマー化もしくはプレポリマー化を他方の前に開始することが望ましい場合、差を有利に利用してもよいと理解すべきである。例えば、油相組成物の粘度がコア相モノマーのオリゴマー/プレポリマーの移動がゆっくりであるような場合、水相モノマーのオリゴマー化/プレポリマー化を開始する前にコア相モノマーのオリゴマー化/プレポリマー化を開始するするとよい。逆に、コア材料の液滴が非常に小さく、水相の体積が水相モノマーの比較的低濃度で高い場合、コア相モノマーのオリゴマー化/プレポリマー化を開始する前に水相モノマーのオリゴマー化/プレポリマー化を開始することが望ましい可能性がある。理論に束縛されることを望まないが、本明細書における目的は完全重合および/または壁形成、または少なくとも実質的な壁形成の開始前に油相組成物と水相組成物との界面におけるコア相モノマーと水相モノマーとの両方のオリゴマー/プレポリマーの充分なレベルを保証することである。
【0076】
にもかかわらず、一旦、コア相モノマーおよび水相モノマーのオリゴマー化/プレポリマー化を開始すれば、全てまたは実質的に全てのモノマーを、概して3〜5時間でオリゴマー化/プレポリマー化を継続することを可能とする。一旦、完了すれば、反応槽温度を再度第二コア相および水相開始剤の活性化温度まで上げる。再度、その初期活性化温度が同じかまたは互いにかなり近い、概して互いに5℃以内、より好ましくは互いに2℃以内である第二開始剤を選択するのが望ましい。再度、活性化温度をよりより大きく違わせてもよいが、コア相および水相から同時にシェル壁を成長させることが望ましいので、そのようなことは必要ない(モノマーそれ自体の要件のせいでない限り)。第二コア相および水相開始剤のより高い温度はモノマー/オリゴマー/プレポリマーの架橋を誘導して強いポリマー組成物を形成する。ここで、カプセルが完全に形成するまで、概して、薬5〜8時間、より高温を維持する。
【0077】
本教示の基本的実施形態に極めて重要というわけではないが、開始剤の活性化の温度上昇速度は、得られるマイクロカプセルの究極性能および特徴にも影響し得る。この点に関して、温度上昇を長時間にわたって、好ましくは25〜40分の時間にわたって、より好ましくは約30分で行うことが好ましい。その時間中の上昇速度は約20℃/時〜約40℃/時で変わり得る。もちろん、これらは概して範囲があり、選択した材料および開始剤の活性化温度に依存していくらか低いかまたはいくらか高くなり得る。
【0078】
特に指定しない限り、本明細書における全ての比、パーセント、および割合は重量基準であり、全ての測度はメートル系である。一般項および特定項における本プロセスを説明したが、本プロセスおよびそれから得られるマイクロカプセルの際立った利点を示す以下の具体例にここで着目する。
【実施例】
【0079】
複数のマイクロカプセル化プロセスを下記のように実施した。使用した主要成分を表1に一覧に示す。形成したマイクロカプセルの特性を試験するために、これらを以下の複数の試験に付した。
【表1】
【0080】
フリーワックス
【0081】
マイクロカプセル粉末飼料をBuchi Mini Spray Dryer B−290内でスラリーを乾燥することにより得た。粉末中のフリーワックス量をヘキサン洗浄液を用いてGC分析により決定した。約0.2グラムの乾燥カプセルを20mlシンチレーションバイアル内のヘキサン10mlと混合し、密閉してボルテックスミキサーに5秒間入れてから、オートサンプラーバイアル中にピペットで入れ、Chem Station Softwareを備えたAgilent 7890N GCにより分析した。カラム:PhenomenexのZB−1HT Infernoカラム@10M、0.32mm、0.25μm、100%ジメチルポリシロキサン相または均等物。温度:50℃、1分、それから270℃まで10℃/分で加熱。インジェクター:スプリット比10:1、270℃。検出器:320℃、2μl注入。フリーワックス%を試料重量により測定したフリーワックスmgを割って100を掛けることにより算出した。フリーワックスはカプセルの透過性および/または強度の指標である:透過性および/または弱い壁はフリーワックスのより高い値を示すだろう。
【0082】
TGA分析
【0083】
TAインスツルメンツのTGA Q500熱重量分析計において、10℃/分の温度上昇測度でTGA分析を行った。10%および20%重量ロスにおける温度を記録した。
【0084】
DSC(示差走査熱量測定)分析
【0085】
カプセル化相転移材料の熱特性をTAインスツルメンツのDSC Q2000を用いて1℃/分の温度上昇測度で分析する。融点、潜熱、過冷却%、およびΔT(融解ピークと冷却ピーク間の温度差)を記録する。
【0086】
モノマーの水溶性
【0087】
モノマーの水溶性を20ml密閉バイアル内でモノマー5gと脱イオン水5gを30分間混合して、その後に、試料を24時間室温に放置して平衡とし水からのモノマーの相分離を確立することにより決定する。それから、水相を除去し分析して、GC/MS(5977A MSD 質量分析計を備えた7890B GC)(両方ともAgilent)によりモノマー濃度を決定した。注入温度270℃。100℃から上昇開始して10℃/分で320℃まで。質量スペクトルを30〜500の分子量でスキャンした。GCカラムはAgilent DB−5MS 30M×0.250mm。
【0088】
実施例1
【0089】
本教示に従ったマイクロカプセルを2相の水相および1相のコア相を用いて製造した。各相の組成/構成は表2に示す通りであった。
【表2】
【0090】
実施例1のマイクロカプセルの製造における第一工程として、5%PVA523原液を85℃で30分間脱イオン水中ポリビニルアルコールを溶解することにより製造した。その後、第一水相成分(WP1)を、主反応器内で水をPVA原液と合わせ、それを混合し、55℃の温度に保持することにより製造した。次に、第二水相成分(WP2)を、周囲温度において混合タンク内でPVA原液を水と合わせて混合することにより製造した。その後、SR247を添加し激しく混合してPVA原液/水溶液中のその懸濁液を形成し、その後、水相開始剤を添加した。コア相組成物を、70℃で10分間混合しながらPolywax(商標)M90ワックスをオクタデカン中に先ず溶解し、その後、SR206モノマーを添加した。混合物を55℃まで冷却し、油溶性開始剤を添加し、温度を55℃に30分間維持した。
【0091】
カプセル化プロセスの製造では、主反応器を純窒素でパージし、その後、コア相組成物を添加し、合わせた混合物を所望の液滴サイズが得られるまで粉砕した。その後、第二水相成分(WP2)を主反応器に添加し、混合物温度を30分かけて75℃まで上昇させて、その温度でさらに4時間保持した。その後、温度を30分かけて85℃までさらに上昇させて、その温度でさらに6時間保持した。この処理後、反応器混合物を周囲温度まで放冷して、所望のマイクロカプセルスラリーを得た。
【0092】
実施例2
【0093】
最も近い技術を示す本教示と比較例との両方の一連のマイクロカプセルを実施例1に示したのと同じ全般的手法に従って製造した。水相成分およびコア相組成物の処方物は表3に示す通りであった。表3は、フリーワックスおよびTGAならびに混合物および得られた製品の全般的観察に関して得られた結果も示している。試料A〜Dは比較例であり、そのシェル壁が共重合体であるマイクロカプセルを示しているが、該共重合体をコア相中の複数のモノマーから単独に形成する。これは、コア相と水相両方により提供されたモノマーを必要とする本教示に従って製造されたマイクロカプセルと対照をなす。これらの比較マイクロカプセルは本教示のものにより見られる得られた強度および完全性を示さなかった。比較例EおよびFは、必須のコアモノマーから形成されるが、これも水相モノマーなしで製造されたマイクロカプセルを示す。また、形成されたマイクロカプセルは必要な物理的特性を実現しなかった。比較例EE〜HHは、必須の弱〜中程度の親水性モノマーよりむしろ容易に溶解する水相モノマーを使用することを除けば、本特許請求の方法の全般的プロセスに従ったマイクロカプセルの製造を示している。示したように、これらの試料は全て、結果として水相がゲル化した。残りの実施例は全て、本教示に従った方法の様々な反復および得られたマイクロカプセルを示している。この通り、水相モノマー、開始剤、一段階と二段階形成、他の変化形は全て、そのように形成されたマイクロカプセルの得られた特性を達成したが;しかしながら、そのように形成されたマイクロカプセルの全ては強度および完全性の一貫した特性を示した。最終的に、比較例Eと実施例Zとの比較は、マイクロカプセル壁を、実施例Zにおいて、モノマーがその外面上だけでなく内側の両方からシェル壁の成長を可能とする両相から提供されることを除けば、同じモノマーから形成するとき、両相から来るモノマーの重要性を示す。これらの結果に基づいて、マイクロカプセルの完全性、特に、フリーワックスにより証明される完全性は、図1に示す通り、水相モノマーの溶解性と直接相関を示したことも注目すべきである。
【表3】
【0094】
実施例3
【0095】
本発明に従った相転移材料を含有するマイクロカプセルを2相の水相および1相のコア相のプロセスを用いて製造した。
【0096】
実施例3のマイクロカプセルの製造における第一工程として、5%PVA523原液を85℃で30分間脱イオン水中ポリビニルアルコールを溶解することにより製造する。その後、第一水相成分(WP1)を、主反応器内で脱イオン水186gをPVA原液124gと合わせ、それを混合し、55℃の温度に保持することにより製造する。次に、第二水相成分(WP2)を、周囲温度において250mlビーカー内でPVA原液33.3gを脱イオン水50gと合わせて混合することにより製造する。その後、SR247を7g添加し激しく混合してPVA原液/水溶液中のその懸濁液を形成し、その後、水相開始剤V−50およびVA−086を添加する。
【0097】
コア相組成物を、反応器内で、70℃で10分間混合しながら1.66gのPolywax(商標)M90ワックスをオクタデカン166g中に先ず溶解し、その後、SR206モノマー29.3gを添加する。混合物を55℃まで冷却し、油溶性開始剤、V−50を0.5gおよびVA−086を0.2g添加する。反応器温度を、さらに30分間、55℃に維持する。
【0098】
カプセル化プロセスの製造では、主反応器を純窒素でパージし、その後、コア相組成物を添加し、合わせた混合物を所望の液滴サイズが得られるまで粉砕した。その後、第二水相成分(WP2)を主反応器に添加し、混合物温度を30分かけて75℃まで上昇させて、その温度でさらに4時間保持した。その後、温度を30分かけて85℃までさらに上昇させて、その温度でさらに6時間保持した。この処理後、反応器混合物を周囲温度まで放冷して、所望のマイクロカプセルスラリーを得た。
【0099】
得られたマイクロカプセルを単離し、いくつかの物理的試験に付し、その物理特性および特徴を評価した。その結果を表4に示す。
【0100】
商業的応用
【0101】
本教示に従って形成したマイクロカプセルはいくつかの商業的応用を有する。便宜上、特定の応用に取り組む前に、それらは商業的応用についての考察に関連するので以下の定義を示す。
【表4】
【0102】
本明細書中、「消費者製品」は乳児養護、ビューティケア、衣類とホームケア、家事、女性用ケア、ヘルスケア、スナックおよび/または飲料製品または販売される形態で使用もしくは消費される目的で、かつ、後続営業生産もしくは改良を目的としないデバイスを意味する。このような製品は、高級香料(例えば、香水、コロン、オードトワレ、アフターシェーブローション、プレシェイブローション、フェースウォーター、トニック、および肌に直接適用する組成物を含有する他の香料)、おむつ、よされ掛け、ティッシュ;脱色、カラーリング、髪染め、コンディショニング、シャンプー、スタイリングを含むヘアートリートメント(ヒト、イヌ、および/またはネコ)に関する製品および/または方法;脱臭剤および制汗剤;パーソナルクレンジング;化粧品;クリーム、ローション、および民生用の他の典型的応用品を含むスキンケア;ならびにシェービング製品、布、硬表面および以下を含む衣類および家事の領域の他の面の処理に関する製品および/または方法が挙げられるが、これに限定されない:エアケア、カーケア、食器洗い、衣類の仕上げ(柔軟仕上げを含む)、洗濯洗浄力、洗濯およびリンス添加剤および/またはケア、硬表面クリーニングおよび/または処理、ならびに民生用または業務用の他のクリーニング;トイレットペーパー、化粧紙、紙製ハンカチおよび/またはペーパータオルに関する製品および/または方法;タンポン、歯磨きジェル、デンタルリンス(tooth rinses)、義歯接着剤、歯のホワイトニングを含む歯の手入に関する製品および/または方法;咳および風邪薬、鎮静薬、処方医薬品、ペットヘルスおよび栄養、ならびに浄水を含む一般用医薬品;習慣的食事間に主に消費する目的または食事の付随物(非限定的例としては、ポテトチップス、トルティージャチップス、ポップコーン、プレッツェル、コーンチップス、シリアルバー、野菜チップスもしくはクリスピー、スナックミックス、パーティミックス、マルチグレイチップス、スナッククラッカー、チーズスナック、ポークラインズ、コーンスナック、スナックペレット、押出スナックおよびベーグルチップス)を目的とした加工食品;ならびにコーヒー。
【0103】
本明細書で使用するとき、「クリーニングおよび/または処理組成物」は、液体洗濯洗剤、ファブリックエンハンサー、洗濯および/またはリンス添加剤、液体食器洗い洗剤、液体硬表面クリーニングおよび/または処理組成物、民生用、農業用、工業用もしくは業務用全てのユニットドーズデリバリー製品中に含有してもしなくてもよい液体便器用洗剤を含む製品を意味する。
【0104】
本明細書で使用するとき、「吸収性物品」という語は、液体および/または滲出液、特に体液/排泄物を受けるおよび/または吸収するおよび/または含有するおよび/または保持することができる物品を含む非常に広い意味で使用される。本発明に関連して例示の吸収性物品は使い捨ての吸収性物品である。本明細書で使用するとき、「使い捨ての」という語は、洗浄する目的がなく、さもなくば貯蔵または物品として再利用する物品を説明するために使用される(すなわち、それらは、1回の使用後に廃棄する意図があり、好ましくは、再利用さもなければ環境に優しい方法で処分する)。本発明に従った典型的な使い捨ての吸収性物品は、おむつ、縫合剤および創傷被覆材、胸当ておよび汗パッド、尿漏れ防止パッドおよびパンツ、ベッドパッドならびにサニタリーナプキン、パンツライナー、タンポン、唇間デバイス等である。本発明の使用に適切な吸収性物品としては、単一の吸収層からより複雑な多層構造のいずれのタイプの構造も含む。特定の吸収性物品は、液浸透性トップシート、液不浸透性であってもよく、および/または水蒸気および/またはガス浸透性であってもよいバックシート、ならびにその間に備わり、「吸収性コア」もしくは単に「コア」ともしばしば呼ばれる吸収性要素を備える。
【0105】
本明細書で使用するとき、「サニタリーティッシュ製品」または「ティッシュ製品」という語は、排尿後および/または便通後のクリーニング用(トイレットペーパー製品)、耳鼻咽喉科学的な排泄物用(化粧紙製品)および/または多機能吸収性およびクリーニング用途(ペーパータオル製品および/またはワイプ製品などの吸収性タオル)の拭き取り手段を意味する。本発明のサニタリーティッシュ製品は、1つ以上の繊維構造および/または伝統的には、必要ないが、セルロース繊維を含む仕上げ繊維構造を備えてもよい。
【0106】
「ティッシュ・タオル紙製品」という語は、一般的に、ペーパーティッシュまたはペーパータオル技術を含む製品を表し、従来法のフェルトプレスまたは従来型の湿式プレスされたティッシュペーパー、パターン高密度化されたティッシュペーパー、デンプン基材、および嵩高い無圧縮ティッシュペーパーが挙げられるが、これに限定されない。ティッシュ・タオル紙製品の非限定的例としてはタオル、化粧紙、トイレットペーパー、テーブルナプキン等が挙げられる。
【0107】
「パーソナルケア組成物」は、肌または髪に局所適用する目的の組成物を表し、例えば、液体、半液体クリーム、ローション、ジェル、または固形物の形態であり得る。パーソナルケア組成物の例としては、バーソープ、シャンプー、コンディショニングシャンプー、ボディソープ、保湿ボディソープ、シャワージェル、スキンクリーナー、クレンジングミルク、シャワー用ボディ保湿剤、ペットシャンプー、シェービング剤、その他を挙げることができるが、これに限定されない。
【0108】
「バーソープ」は、肌または髪などの表面に局所適用して、例えば、汚れ、油等を取り除くことを目的とした組成物を表す。バーソープは、製品を局所的に肌または髪に適用してから、引き続き、数分以内に水で肌または髪から洗い流すリンスオフ処方物であり得る。製品を基材を用いて拭き取ることもできる。固形石鹸は、肌に局所適用する目的の固体(例えば、流れない)バーソープの形態であり得る。バーソープは、身体に適合した軟らかい固体の形態でもあり得る。加えて、バーソープを使用中にバー上に残る基材内に包むことができる。
【0109】
「リンスオフ」は、この製品用途が肌および/または髪に適用してから適用ステップ数秒〜数分以内に肌および/または髪から製品を洗い流すおよび/または拭き取ることを含むことを意味する。
【0110】
「周囲」は、約1気圧の圧、相対湿度50%および約25℃の周囲の条件を表す。
【0111】
「無水の」は、実質的に添加水も自由水も含有しない組成物および/または成分を表す。
【0112】
「制汗剤組成物」は制汗剤組成物、脱臭剤組成物等を表す。例えば、制汗クリーム、ジェル、軟固形スティック、ボディスプレー、およびエアロゾル。
【0113】
「柔らかい固体」は約200Pa〜約1,300Paの静的降伏応力を有する組成物を表す。「固体」という語は、顆粒、粉末、バーおよび錠剤製品形態を含む。
【0114】
「液体」という語は、液体、ジェル状、ペースト状およびガス状の製品形態を含む。
【0115】
「部位(situs)」という語は、紙製製品、織物、衣料品、硬表面、髪および肌を含む。
【0116】
「実質的に含有しない」という語は、約2%以下、約1%以下、または約0.1%以下の言及した成分を表す。「含有しない」は検出可能な量の言及した成分または物がないことを表す。
【0117】
本明細書で使用するとき、「a」および「an」という語は「少なくとも1つ」を意味する。
【0118】
本明細書で使用するとき、「含む(includes)」および「含んでいる(including)」という語は限定的でないことを意味する。
【0119】
具体的に言及されない限り、本願の試験方法セクション中に開示した試験方法を使用して本願発明者らのパラメーターの各値を決定すべきである。
【0120】
別段の記載がない限り、以下の商業的応用の考察において、全成分または組成物の値は、その成分または組成物の有効成分に関してであり、不純物、例えば、このような成分または組成物の市販供給源中に存在し得る残留溶媒または副生成物を除外している。
【0121】
同様に、全てのパーセントおよび比を特に指定しない限り重量基準で算出し、特に指定しない限り全組成物に対して算出する。
【0122】
本明細書全体にわたって与えられる全ての最大数値限定は、あたかもこのようなより低い数値限定が本明細書中に明示的に記載されているように、全てのより低い数値限定を含むと理解すべきである。本明細書全体にわたって与えられる全ての最小数値限定は、あたかもこのようなより高い数値限定が本明細書中に明示的に記載されているように、全てのより高い数値限定を含む。本明細書全体にわたって与えられる全ての数値範囲は、あたかもこのようなより狭い数値範囲が本明細書中に明示的に記載されているように、このようなより広い数値範囲以内である全てのより狭い数値限定を含む。
【0123】
消費者製品
【0124】
(a)疎水性材料および1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和モノマーを含んでなる疎水性油相組成物の分散液を形成することであって、コアモノマーは水または水系溶液中の該疎水性材料中に完全または部分的に可溶であり、連続相は水および少なくとも1つ以上のエチレン性不飽和重合性モノマーを含んでなり、水相モノマーはその全部または一部が弱〜中程度の親水性である該疎水性油相組成物の分散液を形成することと;
(b)該分散液を該水相および該コアモノマーの重合を開始または達成する1つ以上の条件に付することと;
(c)完全なカプセル壁を形成する時間まで該モノマーの重合を達成するような条件下に該分散液を維持することと;および必要に応じて、その後、
(d)形成されたマイクロカプセルを該連続相から単離することと、
を含む方法によって製造された消費者製品成分およびマイクロカプセルを組合せることを含む消費者製品の製造方法を開示する。
【0125】
前記方法の1つ態様では、工程(a)の前または同時に、油相組成物を、該油相組成物中のモノマーのオリゴマー化/プレポリマー化を誘導するような条件に付する。
【0126】
前記方法の1つ態様では、エマルジョンを、前記コアモノマーおよび/または水相モノマーの重合性モノマーおよび/またはオリゴマー/プレポリマーを、その重合と同時に、それぞれ、コア材料内および連続相内で油相組成物と水相の界面方向に移動することを誘導または促進する条件に付する。
【0127】
前記方法の1つ態様では、前記移動の前記条件をモノマーのオリゴマー化、またはプレポリマー化により達成する。
【0128】
前記方法の1つ態様では、工程(b)は、2工程以上の重合プロセスを含み、第一工程において、それぞれ、油相組成物もしくは水相組成物中のコアモノマーおよび水相モノマーのうち少なくとも1つ、または両方を、前記モノマーのオリゴマー化またはプレポリマー化を開始または達成する条件に付し、第二または後続工程において、分散液を、該オリゴマー化/プレポリマー化工程のオリゴマー/プレポリマー、およびいずれの残留モノマーを含む重合性モノマーの完全重合を開始または達成する1つ以上の条件に付する。
【0129】
前記方法の1つ態様では、油相組成物及び水相組成物の両方のモノマーを、前記相の各々におけるモノマーのオリゴマー化またはプレポリマー化を達成する条件に付する。
【0130】
前記方法の1つ態様では、各相のモノマーのオリゴマー化および/またはプレポリマー化を達成する条件が同じであり、かつ前記オリゴマー化またはプレポリマー化が各相において同時に起こる。
【0131】
前記方法の1つ態様では、オリゴマー化および/またはプレポリマー化を達成する条件が異なり、かつ順々に起こる。
【0132】
前記方法の1つ態様では、オリゴマー化/プレポリマー化工程の完了後、分散液を、既に形成したオリゴマーおよびプレポリマー、並びに油相組成物と連続相との界面においてマイクロカプセル壁またはシェルの成長を含むモノマーの完全重合を開始または達成する条件に付する。
【0133】
前記方法の1つ態様では、マイクロカプセルを、前記コア相モノマーおよび前記水相モノマーの少なくとも1つ、好ましくは両方を用いて逐次的方法で形成し、二段階重合を行ってこれにより各モノマー材料のオリゴマー化/プレポリマー化を開始してそのそれぞれの相において期間を維持し、かつ、各々の完全重合は、オリゴマー/プレポリマーが形成するとき、壁上に成長し続けながら油相組成物と連続相との界面において順次起こり、コア相モノマーはシェル内面で成長し、水相モノマーはシェル外面で成長する。
【0134】
前記方法の1つ態様では、油相組成物および水相組成物の各々が各相のモノマーの重合を達成または開始するための少なくとも1つの開始剤を含有する。
【0135】
前記方法の1つ態様では、前記油相組成物、前記水相組成物または両方のモノマーを、それぞれ、オリゴマー化/プレポリマー化に付すべきである場合、少なくとも2つの開始剤が油相組成物もしくは水相組成物または両方中に存在する。
【0136】
前記方法の1つ態様では、二段階シェル形成を各相に2つである4つの開始剤の使用により行い、各相中の各開始剤を異なる条件で開始または活性化し、および/または同条件下で異なる活性化速度を有し、これにより、各開始剤対の第一のものを開始または活性化して、各シェル形成モノマーのオリゴマー/プレポリマー形成を達成し、各相の第二開始剤の活性化前に時間を経過させてから、オリゴマー/プレポリマーの完全重合および迅速なシェル壁形成をもたらす。
【0137】
前記方法の1つ態様では、各相の第一の開始剤の各対を同じまたは類似の条件により活性化し、第二の各相の開始剤の各対の各々を同じまたは類似の条件により活性化する。
【0138】
前記方法の1つ態様では、油相組成物および水相組成物の各々のモノマーは共重合可能である。
【0139】
前記方法の1つ態様では、マイクロカプセルの充分な量を少なくとも1つの消費者製品成分と組み合わせて、総消費者製品重量に対して、約0.001%〜約25%、好ましくは約0.01%〜約10%、より好ましくは約0.05%〜約5%、最も好ましくは約0.1%〜約0.5%のマイクロカプセルを含む消費者製品を提供する。
【0140】
前記いずれかの方法により製造した消費者製品を開示する。
【0141】
マイクロカプセル用コア材料として役割を果たし得る有益剤
【0142】
有用なコア材料としては、香料原材料、五感で知覚されるもの、シリコーンオイル、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、エッセンシャルオイル、脂質、スキンクーラント、ビタミン類、日焼け止め、抗酸化剤、グリセリン、触媒、ブリーチ粒子、二酸化ケイ素粒子、悪臭抑制剤、悪臭防止材、キレート剤、静電防止剤、柔軟剤、虫除け剤および蛾除け剤、着色剤、抗酸化剤、キレート剤(chelants)、増粘剤、ドレープおよびフォーム抑制剤、平滑剤、皺抑制剤、浄化剤、殺菌剤、微生物抑制剤、防カビ剤(mold control agents)、防黴剤(mildew control agents)、抗ウイルス剤、乾燥剤、汚染抵抗剤、防汚剤、ファブリックリフレッシュ剤および鮮度保持剤、塩素系漂白臭気防止剤、染料固着剤、染料移動防止剤、色落ち防止剤(color maintenance agents)、蛍光増白剤、色修復/回復剤、フェージング防止剤、増白剤、耐研磨剤、耐摩耗剤、布帛団結剤(fabric integrity agents)、摩耗防止剤、ピリング防止剤、消泡剤および泡止め剤、衣料品および肌用UV防護剤、日光抑制剤、抗アレルゲン剤、酵素、防水剤、ファブリックコンフォート剤(fabric comfort agents)、収縮防止剤、伸び防止剤、伸び回復剤、スキンケア剤、グリセリン、ならびにアロエベラ、ビタミンE、シェーバター、カカオバター等の天然活性剤、光沢剤、抗細菌活性剤、制汗活性剤、カチオン性ポリマー、染料ならびにその混合物が挙げられる。1つの態様では、前記香料原料をアルコール類、ケトン類、アルデヒド類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、アルケン類から成る群から選択する。1つの態様では、コア材料は香料を含んでなる。1つの態様では、前記香料は、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、アルケン類およびその混合物から成る群から選択される香料原料を含んでなる。1つの態様では、前記香料は、約250℃より低い沸点(B.P.)および約3より低いClogPを有する香料原料、約250℃より高いB.P.および約3より大きいClogPを有する香料原料、、約250℃より高いB.P.および約3より低いClogPを有する香料原料、約250℃より低いB.P.および約3より大きいClogPを有する香料原料およびその混合物から成る群から選択される香料原料を含んでもよい。約250℃より低い沸点(B.P.)および約3より低いClogPを有する香料原材料はQuadrant I香料原料として公知であり、約250℃より高いB.P.および約3より大きいClogPを有する香料原料はQuadrant IV香料原料として公知であり、約250℃より高いB.P.および約3より低いClogPを有する香料原料はQuadrant II香料原料として公知であり、約250℃より低いB.P.および約3より大きいClogPを有する香料原料はQuadrant III香料原料として公知である。1つの態様では、前記香料は、約250℃より低いB.P.を有する香料原料を含んでなる。1つの態様では、前記香料は、Quadrant I、II、III香料原材料およびその混合物から成る群から選択される香料原材料を含んでなる。1つの態様では、前記香料はQuadrant III香料原料を含んでなる。適切なQuadrant I、II、IIIおよびIV香料原材料は、米国特許第6,869,923(B1)号に開示されている。
【0143】
1つの態様では、前記香料はQuadrant IV香料原料を含んでなる。理論に束縛されることを望まないが、このようなQuadrant IV香料原材料は香料の匂い「バランス」を改善できると考えられる。前記香料は、総香料重量に対して、約30%未満、約20%未満、またはさらに約15%未満の前記Quadrant IV香料原料を含んでもよい。
【0144】
さらなる消費者製品明細
【0145】
さらなる消費者製品明細を以下に示す。このような開示は、前記プロセスが開示されたように材料を組合せて記載の消費者製品を形成する開示された消費者製品の製造プロセスも対象にすることを意図している。
【0146】
クリーニングおよび/または処理組成物および使用方法
【0147】
好ましくは、前記消費者製品は、約10mPa・s〜約50,000mPa・s、好ましくは、約50mPa・s〜約2000mPa・s、最も好ましくは約75mPa・s〜約400mPa・sの粘度、約3〜約10、好ましくは約4〜約8、最も好ましくは約5〜約8のpHを有するクリーニングおよび/または処理組成物であり、前記組成物は、クリーニングおよび/または処理組成物総重量に対して、約0.001%〜約25%、好ましくは約0.01%〜約10%、より好ましくは約0.05%〜約5%、最も好ましくは約0.1%〜約0.5%の本明細書に開示のマイクロカプセルを含んでなる。
【0148】
クリーニングおよび/または処理組成物の粘度範囲が厳しいとき、重合体およびワックスなどの特定の材料を懸濁するのはより容易である。
【0149】
好ましくは、前記クリーニングおよび/または処理組成物は以下を含んでなる。
【0150】
(a)非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤およびその混合物から成る群から選択された界面活性剤。
【0151】
(b)水素化ヒマシ油、グリコール類、アルコール類、およびその混合物から成る群から好適に選択される溶媒。
【0152】
(c)第四級アンモニウム化合物、アミンおよびその混合物から成る群から好適に選択され、好ましくは、前記第四級アンモニウム化合物は、メチル硫酸脂肪酸ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムエステル、1,2−ジ(アシルオキシ)−3−トリメチルアンモニオプロパンクロリド、N、N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タロウオイル(tallowoyl)−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、メチル硫酸N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N−(2−ヒドロキシエチル)N−メチルアンモニウム、1、2−ジ−(ステアロイル−オキシ)−3−トリメチルアンモニウムプロパンクロリド、ジカノーラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロウジメチルアンモニウムクロリド、メチル硫酸ジカノーラジメチルアンモニウム、メチル硫酸1−メチル−1−ステアロイルアミドエチル−2−ステアロイルイミダゾリニウム、1−タロウイル(tallowyl)アミドエチル−2−タロウイル(tallowyl)イミダゾリン、ジパルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェートおよびその混合物から成る群から選択される、ファブリック柔軟仕上げ剤活性物質。
【0153】
(d)(a)〜(c)の混合物。
【0154】
好ましくは、前記クリーニングおよび/または処理組成物は、ビルダー、キレート剤、染料移動防止剤、分散剤、酵素、および酵素安定剤、触媒物質、漂白活性剤、過酸化水素、過酸化水素源、予め生成した過酸、ポリマー性分散剤、粘土土壌除去/再付着防止剤、光沢剤、石ケン泡抑制剤、染料、色相染料、香料、香料送達系、構造弾性剤、担体、ストラクチュラント(structurants)、ヒドロトロープ、加工助剤、前記可溶化剤に加えて溶媒、シリコーンポリマー、多糖類、粘土、脂肪エステル、分散性ポリオレフィン、ポリマーラテックスおよびその混合物から成る群から選択されるファブリック柔軟仕上げ剤活性物質、顔料、ならびにその混合物から成る群から選択される補助剤を含んでなり、好ましくは、前記組成物は、有機酸、好ましくは、クエン酸および/または乳酸、水素化ヒマシ油、エトキシル化ポリエチレンイミン、好ましくは、PEI600 EO20および/またはPEI600、酵素、好ましくは、冷水アミラーゼ、冷水プロテアーゼおよび/またはキシログルカナーゼ(xylogluconase)を含んでなる。
【0155】
本出願者のクリーニングおよび/または処理組成物の1つの態様では、前記クリーニングおよび/または処理組成物は、第四級アンモニウム化合物、シリコーンポリマー、多糖、粘土、アミン、脂肪エステル、分散性ポリオレフィン、ポリマーラテックスおよびその混合物から成る群から選択されるファブリック柔軟仕上げ剤活性物質を含んでる。
【0156】
(a)前記第四級アンモニウム化合物は、アルキル第四級アンモニウム化合物を含んでなり、好ましくは、前記アルキル第四級アンモニウム化合物は、モノアルキル第四級アンモニウム化合物、ジアルキル第四級アンモニウム化合物、トリアルキル第四級アンモニウム化合物およびその混合物から成る群から選択される。
【0157】
(b)前記シリコーンポリマーは、環状シリコーン、ポリジメチルシロキサン、アミノシリコーン、カチオン性シリコーン、シリコーンポリエーテル、シリコーン樹脂、シリコーンウレタン、およびその混合物から成る群から選択される。
【0158】
(c)前記多糖は、カチオン性デンプンを含んでなる。
【0159】
(d)前記粘土は、スメクタイト粘土を含んでなる。
【0160】
(e)前記分散性ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびその混合物から成る群から選択される。
【0161】
(f)前記脂肪エステルは、ポリグリセロールエステル、ショ糖エステル、グリセロールエステルおよびその混合物から成る群から選択される。
【0162】
本出願者のクリーニングおよび/または処理組成物の1つの態様では、前記クリーニングおよび/または処理組成物は、モノエステルクァット、ジエステルクァット、トリエステルクァットおよびその混合物から成る群から選択される材料を含んでなるファブリック柔軟仕上げ剤活性物質を含んでなり、好ましくは、前記モノエステルクァットおよびジエステルクァットは、ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムメチル硫酸脂肪酸エステルおよびビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムメチル硫酸脂肪酸エステルの異性体および/またはその混合物、1,2−ジ(アシルオキシ)−3−トリメチルアンモニオプロパンクロリド、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タロウオイル(tallowoyl)−オキシ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、メチル硫酸N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル アンモニウム、メチル硫酸N,N−ビス−(ステアロイル−2−ヒドロキシプロピル)−N,N−ジメチルアンモニウム、メチル硫酸N,N−ビス−(タロウオイル(tallowoyl)−2−ヒドロキシプロピル)−N,N−ジメチルアンモニウム、メチル硫酸N,N−ビス−(パルミトイル−2−ヒドロキシプロピル)−N,N−ジメチル−アンモニウム、N,N−ビス−(ステアロイル−2−ヒドロキシプロピル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、1,2−ジ−(ステアロイル−オキシ)−3−トリメチルアンモニウムプロパンクロリド、ジカノーラジメチル−アンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロウジメチルアンモニウムクロリド、メチル硫酸ジカノーラジメチル−アンモニウム、メチル硫酸1−メチル−1−ステアロイルアミドエチル−2−ステアロイルイミダゾリニウム、1−タロウオイル(tallowoyl)アミドエチル−2−タロウイル(tallowyl)イミダゾリン、メチル硫酸ジパルメチルヒドロキシエチルアンモニウムおよびその混合物から成る群から選択される。
【0163】
本出願者のクリーニングおよび/または処理組成物の1つの態様では、前記組成物は、第四級アンモニウム化合物およびシリコーンポリマーを含んでなり、好ましくは、前記組成物は、0.001%〜10%、0.1%〜8%、より好ましくは0.5%〜5%の前記シリコーンポリマーを含んでなる。
【0164】
本出願者のクリーニングおよび/または処理組成物の1つの態様では、前記ファブリック柔軟仕上げ剤活性物質は、0〜140、好ましくは5〜100、より好ましくは10〜80、さらにより好ましくは15〜70、最も好ましくは18〜25のヨウ素価を有するか、または前記ファブリック柔軟仕上げ剤活性物質が部分的に水素化脂肪酸第四級アンモニウム化合物を含んでなる場合、前記ファブリック柔軟仕上げ剤活性物質は最も好ましくは25〜60のヨウ素価を有する。
【0165】
本出願者のクリーニングおよび/または処理組成物の1つの態様では、前記クリーニングおよび/または処理組成物は可溶単位用量製品であり、前記可溶単位用量製品は1つ以上の膜から形成されている1つ以上のチャンバー内に含有された1つ以上のクリーニングおよび/または処理組成物を含んでなり、好ましくは前記1つ以上の膜がPVA膜を含んでなる。
【0166】
本発明の組成物をいずれもの従来方法で使用してもよい。要するに、これらは、従来の方法およびプロセスにより設計および製造した製品と同様に使用してもよい。例えば、本発明の組成物を、部位とりわけ、表面または布を処理するために使用できる。典型的には、部位の少なくとも一部を、そのままの形態または洗浄液に希釈して、本出願者の組成物の態様と接触させてから、部位を必要に応じて洗浄および/またはリンスする。本発明の目的のため、洗浄としては、手洗いおよび機械的撹拌が挙げられるが、これに限定されない。布は、通常の民生用の条件で洗濯されることが可能であるいずれもの布を含み得る。洗浄溶媒が水である場合、水温は通常約5℃〜約90℃の範囲であり、部位が布を含む場合、布に対する水の質量比は通常約1:1〜100:1である。
【0167】
本発明のクリーニングおよび/または処理組成物を液体ファブリックエンハンサーとして使用してもよく、これを布に適用してから布をライン乾燥および/または自動乾燥器により乾燥する。
【0168】
1つの態様では、悪臭を含む部位および/または本出願者のクリーニングおよび/または処理組成物およびその混合物から成る群から選択されるクリーニングおよび/または処理組成物で悪臭になる部位を接触させることを含む悪臭の防止方法を開示する。
【0169】
本出願者の方法の1つの態様では、前記部位は布を含んでなり、前記接触工程は、前記布を充分な量の本出願者のクリーニングおよび/または処理組成物と接触させて、布kg当たり少なくとも0.0025mgの香料などの有益剤、好ましくは約0.0025mgの有益剤/布kg〜約50mgの悪臭減少材料/布kg、より好ましくは約0.25mgの有益剤/布kg〜約25mgの有益剤/布kg、最も好ましくは約0.5の有益剤/布kg〜約10mgの有益剤/布kgの前記悪臭減少材料の合計を有する前記布を得る。
【0170】
固体消費者製品および使用方法
【0171】
好ましくは、前記消費者製品は粉末、顆粒、フレーク、バーまたはビーズであり、前記消費者製品は、製品総重量に対して、以下を含んでなる。
【0172】
(a)約0.001%〜約25%、好ましくは約0.01%〜約10%、より好ましくは約0.05%〜約5%、最も好ましくは約0.1%〜約0.5%の本明細書に開示のマイクロカプセル。
【0173】
(b)25℃で固体である担体、好ましくは、前記固体担体は、粘土、糖、塩、ケイ酸塩、ゼオライト、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、安息香酸、尿素およびポリエチレンオキシドならびにその混合物から成る群から選択され;好ましくは前記担体は以下のレベルで存在する。
【0174】
(i)約20%〜約95%、より好ましくは約30%〜約90%、さらにより好ましくは約45%〜約90%、最も好ましくは約60%〜約88%。
【0175】
(ii)約1%〜約60%、より好ましくは約2%〜約50%、さらにより好ましくは約3%〜約45%、最も好ましくは約4%〜約40%。
【0176】
(c)必要に応じて、0.5%〜約50%の酵素安定ポリマー、好ましくは前記酵素安定ポリマーは、ポリアクリレートポリマー、ポリアミンポリマー、アクリル酸/マレイン酸共重合体、多糖、およびその混合物から成る群から選択され;好ましくは前記多糖は、カルボキシメチルセルロース、カチオン性ヒドロキシエチルセルロースおよびその混合物から成る群から選択される。
【0177】
前記製品の1つ態様では、前記製品は香料を含んでなる。
【0178】
前記製品の1つの態様では、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料移動防止剤、分散剤、酵素、および酵素安定剤、触媒物質、漂白活性剤、過酸化水素、過酸化水素源、予め生成した過酸、ポリマー性分散剤、粘土土壌除去/再付着防止剤、光沢剤、石ケン泡抑制剤、染料、色相染料、香料、香料送達系、構造弾性剤、担体、ストラクチュラント(structurants)、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、顔料、ならびにその混合物から成る群から選択される補助剤である追加の材料を含む前記製品。
【0179】
本発明の組成物をいずれもの従来方法で使用してもよい。要するに、これらは、従来の方法およびプロセスにより設計および製造した製品と同様に使用してもよい。例えば、本発明の組成物を、部位とりわけ、表面または布を処理するために使用できる。典型的には、部位の少なくとも一部を、そのままの形態または洗浄液に希釈して、本出願者の組成物の態様と接触させてから、部位を必要に応じて洗浄および/またはリンスする。本発明の目的のため、洗浄としては、手洗いおよび機械的撹拌が挙げられるが、これに限定されない。布は、通常の民生用の条件で洗濯されることが可能であるいずれもの布を含み得る。洗浄溶媒が水である場合、水温は通常約5℃〜約90℃の範囲であり、部位が布を含む場合、布に対する水の質量比は通常約1:1〜100:1である。
【0180】
本発明の組成物をファブリックエンハンサーとして使用してもよく、これを布に適用してから布をライン乾燥および/または自動乾燥器により乾燥する。
【0181】
本明細書に記載の製品およびその混合物から成る群から選択される製品と部位とを接触することを含むフレッシュニング方法を開示する。
【0182】
フレッシュニング組成物、使用方法および送達系
【0183】
好ましくは、前記消費者製品は、約1mPa・s〜50,000mPa・s、好ましくは約1mPa・s〜2000mPa・s、最も好ましくは約1mPa・s〜400mPa・sの粘度、約3〜約10、好ましくは約4〜約8、最も好ましくは約5〜約8のpHを有するフレッシュニング組成物であり、前記フレッシュニング組成物は、フレッシュニング組成物総重量に対して以下を含んでなる。
【0184】
(a)約0.001%〜約25%、好ましくは約0.01%〜約10%、より好ましくは約0.05%〜約5%、最も好ましくは約0.1%〜約0.5%の本明細書に開示のマイクロカプセル。
【0185】
(b)約0.01%〜約3%、好ましくは約0.4%〜約1%、より好ましくは約0.1%〜約0.5%、最も好ましくは約0.1%〜約0.3%の可溶化剤、好ましくは前記可溶化剤は、界面活性剤、溶媒およびその混合物から成る群から選択される。
【0186】
(i)好ましくは、前記界面活性剤は非イオン性界面活性剤を含んでなる。
【0187】
(ii)好ましくは、前記溶媒はアルコール、ポリオールおよびその混合物を含んでなる。
【0188】
(c)必要に応じて、補助剤。
【0189】
粘度が低いとき、改良された噴霧適性および改良された布への浸透性を得る。
【0190】
前記フレッシュニング組成物の1つの態様では、前記組成物は、少なくとも12個の炭素原子を含むイソアルカン、第四級アミン部分を含む化合物、潤滑剤、追加溶媒、グリコール、アルコール、シリコーン、防腐剤、抗微生物剤、pH調整剤、担体、虫除け剤、金属塩、シクロデキストリン、機能性ポリマー、消泡剤、抗酸化剤、酸化剤、キレート剤およびその混合物から成る群から選択される補助剤を含んでなり;好ましくは潤滑剤は、好ましくは炭化水素、より好ましくは2つ以上の分岐鎖を有する炭化水素または少なくとも10個の炭素原子を含む第四級アミン部分を含む化合物を含んでなる。
【0191】
本出願者のフレッシュニング組成物を含むデバイスは、トリガー噴霧器、手動エアロゾル噴霧器、デバイス、ファンデバイス、および熱ドロップ・オン・デマンドデバイスを含むウイックから成る群から好適に選択される。
【0192】
本明細書に記載のフレッシュニング組成物およびその混合物から成る群から選択される組成物と部位とを接触することを含むフレッシュニング方法を開示する。
【0193】
前記方法の1つの態様では、前記接触工程は、前記部位を充分な量の本明細書に開示の組成物と接触させて、約0.1ミリグラム(mg)〜約10,000mg、好ましくは約1mg〜約5,000mg、最も好ましくは約5mg〜約1000mgの有益剤、好ましくは、前記部位の投影表面積の平方メートル当たりの香料を得ることを含む。
【0194】
本発明の組成物を、カウンター甲板、テーブルおよび床の洗浄に共通して使用するとき、硬表面クリーナーを用いて使用してもよい。適切な床クリーニング液は、名称WEtJetの交換可能なリザーバー中で本譲受人により販売されている。クリーニング液を、特に、同一出願人による米国特許第6,814,088号の教示に従って製造してもよい。リザーバーを使い捨て床シートと共に床クリーニング用具と、かつそれから小出しして使用してもよい。適切なスプレー用具も名称WetJetで販売されている。従って、適切なリザーバーおよび付属品を同一出願人による米国特許第6,386,392号および/または同第7,172,099号の教示に従って製造してもよい。必要なら、床クリーニング用具は、共同出願の米国特許公開第2013/0319463号の教示に従って蒸気を分配してもよい。あるいは、再充填可能なリザーバーを利用してもよい。
【0195】
必要なら、本発明の組成物を、予め湿らせたシートで使用してもよい。クリーニングシートを予め湿らせる場合、床などの対象の表面をクリーニングできる液体で予め湿らせるが、クリーニング後のリンス作業を必要としないことが好ましい。クリーニングシートを、乾燥基材グラム当たり少なくとも1、1.5または2グラムのクリーニング溶液を含み装填してもよいが、通常、グラム当たり5グラム以下である。クリーニング溶液は、米国特許第6,716,805号の教示に従って、通常リンス作業がないので、ストリーキングを最小化するAPG界面活性剤などの界面活性剤を含んでもよい。
【0196】
本発明の組成物を、名称Mr.CleanおよびMr.Properとして販売されているように、起毛硬表面用に使用してもよい。組成物を、当技術分野で公知のようにトリガー噴霧器またはエアロゾル噴霧器から分配してもよい。エアロゾル噴霧器は、噴霧剤圧を用いて組成物を分配するが、一方、トリガー噴霧器は、手動操作下組成物をポンプで送ることにより組成物を分配する。適切なエアロゾル噴霧器は、米国特許公開第2015/0108163号および/または米国特許公開第2011/0303766号に従って、ディップチューブまたはバルブ上のバッグを有してもよい。適切なトリガー噴霧器は、米国特許第8,322,631号に見られる。
【0197】
本フレッシュニング組成物を、揮発性物質を大気に、または無生物表面(例えば、ファブリックリフレッシャーとして布面)上に送達するためのデバイスで使用してもよい。このようなデバイスを様々な方法で構成してもよい。例えば、エネルギー印加した空気清浄機(すなわち、電気を印加;または触媒燃料システムなどの化学反応;または太陽エネルギーによる等)としての用途で構成してもよい。例示のエネルギー印加した空気清浄デバイスとしては、加熱部品、ファンアセンブリ等を備え得る動力送達支援手段が挙げられる。より詳細には、デバイスは米国特許第7,223,361号に記載の電気壁コンセント式空気清浄機;加熱および/またはファン部品を備える電池(リチャージャブルバッテリーを含む)式空気清浄機であり得る。エネルギー印加したデバイスでは、揮発性香料材を拡散する動力式送達支援手段の隣に揮発性物質送達エンジンを設置してもよい。揮発性香料材を、送達支援手段を用いて最適に拡散するように処方してもよい。
【0198】
あるいは、デバイスを、エネルギー印加しない空気清浄機としての用途で構成してもよい。例示のエネルギー印加しない空気清浄機は、揮発性物質を受動的に空気中に拡散するのを助けるための(すなわち、エネルギー印加手段なしで)リザーバーおよび、必要により、キャピラリーもしくはウィッキング手段または発散する面を備える。より具体的な例としては、米国特許第8,709,337号および米国特許第8,931,711号に開示されたように、揮発性物質を含有するための液体リザーバーおよび液体リザーバーを封入する多孔性膜を備える送達エンジンが挙げられる。
【0199】
デバイスをエアロゾル噴霧器または従来のトリガー噴霧器ならびに予圧および/またはその中の液体用緩衝系を有するトリガー噴霧器を含む非エアロゾルエアー噴霧器としての用途で構成してもよい。この実施形態では、送達エンジンは使用者の要求あり次第揮発性物質を送達または大気に揮発性物質を自動的に送達するようにプログラム化できる。
【0200】
装置を、浄化空気および揮発性物質の両方を大気に送達するための空気浄化システムを用いた用途で構成してもよい。非限定的例としては、狭い空間(例えば、寝室、浴室、自動車、他)で使用するためのイオン化および/またはろ過技術、および全ホームセントラルエアーコンディショニング/ヒーティングシステム(例えば、HVAC)が挙げられる。
【0201】
物品および使用方法
【0202】
好ましくは、前記消費者製品は、以下を含んでなる物品である。
【0203】
(a)基材、好ましくはフレキシブルな基材、より好ましくはシート状のフレキシブルな基材;好ましくは前記基材はファブリック柔軟仕上げ活性物質、好ましくは前記ファブリック柔軟仕上げ活性物質が前記基材の全部または一部の表面を覆っている。
【0204】
(b)物品の総重量に対して、約0.001%〜約25%、好ましくは約0.01%〜約10%、より好ましくは約0.05%〜約5%、最も好ましくは約0.1%〜約0.5%の本明細書に開示のマイクロカプセル。
【0205】
好ましくは、前記物品は、約10:1〜約0.5:1、好ましくは約5:1〜1:1の範囲で、乾燥基材に対するファブリック柔軟仕上げ活性物質の重量比を有し、好ましくは、前記ファブリック柔軟仕上げ活性物質は、第四級アンモニウム化合物;、シリコーンポリマー、多糖、粘土、アミン、脂肪エステル、分散性ポリオレフィン、ポリマーラテックスおよびその混合物から成る群から選択される。
【0206】
1つの態様では、前記物品は、約10:1〜約0.5:1、好ましくは約5:1〜1:1の範囲で、乾燥基材に対するファブリック柔軟仕上げ活性物質の重量比を有し、好ましくは、前記ファブリック柔軟仕上げ活性物質は、以下から成る群から選択される。
【0207】
(a)カチオン性ファブリック柔軟仕上げ活性物質、好ましくは第四級アンモニウムファブリック柔軟仕上げ活性物、より好ましくはジ(長鎖アルキル鎖)ジメチルアンモニウム(C〜Cアルキル)硫酸塩またはクロリド、好ましくはメチル硫酸塩;エステル第四級アンモニウム化合物、エステル第四級アンモニウム化合物のエステルアミン前駆体、およびその混合物、好ましくはジエステル第四級アンモニウム塩;
【0208】
(b)第三級アミンおよび/またはエステルアミンのカルボン酸塩;
【0209】
(c)非イオン性ファブリック柔軟仕上げ材、好ましくは多価アルコールまたはその無水物の脂肪酸部分エステル、該アルコールまたは無水物は約2個〜約18個、好ましくは約2個〜約8個の炭素原子を含有し、各脂肪酸部分は約8個〜約30個、好ましくは約12個〜約20個の炭素原子を含有する。
【0210】
(d)アルカノールアミド。
【0211】
(e)脂肪酸。
【0212】
(f)前述の混合物。
【0213】
好ましくは、前記物品は、物品総重量に対して、1重量%〜99重量%、好ましくは約1重量%〜約80重量%、より好ましくは約20重量%〜約70重量%、最も好ましくは約25重量%〜約60重量%のファブリック柔軟仕上げ活性物質を含んでなる。
【0214】
好ましくは前記物品は、メチル硫酸脂肪酸ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムエステル、1,2−ジ(アシルオキシ)−3−トリメチルアンモニオプロパンクロリド、N、N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タロウオイル(tallowoyl)−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、メチル硫酸N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N−(2−ヒドロキシエチル)N−メチルアンモニウム、1、2−ジ−(ステアロイル−オキシ)−3−トリメチルアンモニウムプロパンクロリド、ジカノーラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロウジメチルアンモニウムクロリド、メチル硫酸ジカノーラジメチルアンモニウム、メチル硫酸1−メチル−1−ステアロイルアミドエチル−2−ステアロイルイミダゾリニウム、1−タロウイル(tallowyl)アミドエチル−2−タロウイル(tallowyl)イミダゾリン、ジパルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェートおよびその混合物から成る群から選択される第四級アンモニウム化合物を含んでなる。
【0215】
前記物品の1つの態様では、前記物品は、0〜140、好ましくは5〜100、より好ましくは10〜80、さらにより好ましくは15〜70、最も好ましくは18〜25のヨウ素価を有するファブリック柔軟仕上げ活性物質を含んでなる。
【0216】
前記物品の1つの態様では、前記物品は、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料移動防止剤、分散剤、酵素、および酵素安定剤、触媒物質、漂白活性剤、過酸化水素、過酸化水素源、予め生成した過酸、ポリマー性分散剤、粘土土壌除去/再付着防止剤、光沢剤、石ケン泡抑制剤、染料、色相染料、香料、香料送達系、構造弾性剤、担体、ストラクチュラント(structurants)、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、顔料、抗酸化剤、着色剤、防腐剤、蛍光増白剤、乳白剤、グアーガムおよびポリエチレングリコールなどの安定剤、収縮防止剤、皺防止剤、防汚剤、洗濯糊(fabric crisping agents)、還元剤、染み抜き剤、殺菌剤、殺真菌剤、腐食防止剤、消泡剤、塩素捕捉剤(Chlorine Scavangers)を含むカラーケア剤(Color Care Agents)、染料移動防止剤(Dye Transfer Inhibitors)、染料固定キレート剤(Dye Fixatives Chelants)および耐研磨剤香料(Anti-Abrasion Agents Perfume)、PMCシクロデキストリン香料錯体(Cyclodextrin Perfume Complexes)、遊離シクロデキストリン(Free Cyclodextrin)、プロパヒューム(Pro-Perfumes);抗酸化剤(Antioxidants)およびその混合物から成る群から選択される補助剤を含んでなる。
【0217】
本明細書で本出願者の開示の1つ以上の物品を含む部位を接触させることを含む柔軟化および/またはフレッシュニングを制御する方法を開示する。
【0218】
前記方法の1つ態様では、前記部位は布を含み、前記接触工程は、前記布を充分な量の本出願者の物品と接触させて、消臭材の前記合計の布のうち、布kg当たり少なくとも0.0025mgの香料、好ましくは布kg当たり約0.00025mgの香料〜布kg当たり約25mgの香料、より好ましくは布kg当たり約0.025mgの香料〜布kg当たり約20mgの香料、最も好ましくは布kg当たり約0.25の香料〜布kg当たり約10mgの前記消臭材を含む前記布を得ることを含む。
【0219】
本発明の1つの態様は、自動洗濯(衣類)乾燥器において組成物を効率的に放出する乾燥器添加基材により布に送達されるファブリックコンディショニング組成物に関する。このような分配手段を1つの使用または複数の使用用に設計できる。該分配手段はファブリックコンディショニング組成物を放出する「担体材料」でもあり得るが、乾燥器から分散および/または排出する。分配手段がフレキシブルな基材、例えば、シート構造である場合、ファブリックコンディショニング組成物を基材上に放出可能に固定し、約10:1〜約0.5:1、好ましくは約5:1〜約1:1の範囲の乾燥基材に対するコンディショニング組成物の重量比を得る。放出を保証するため、好ましいフレキシブルなシートは、分解または形状変化、例えば、燃焼、悪臭発生、または熱もしくは湿気による収縮なしに乾燥器の環境に耐える。本明細書で特に有用な基材はレーヨンおよび/またはポリエステル不織布である。
【0220】
本明細書で有用な基材の非限定的な例は、約0.4oz./yd(オンス/平方ヤード)〜約1oz./yd、好ましくは約0.5oz./yd〜約0.8oz./yd、より好ましくは約0.5oz./yd〜約0.6oz./ydの目付重量(basis weights)を有するセルロース系レーヨンおよび/またはポリエステル不織布である。これらの基材を、例えば、約1〜約8、好ましくは約3〜約6、より好ましくは約4〜約6のデニールを有するレーヨンおよび/またはポリエステル繊維または異なるデニールの混合物を用いて通常製造する。典型的には、繊維は、多重層およびフィラメントもしくは繊維のオーバーレイ部分間の交差をもたらすパターンで、好ましくは小孔のある、ベルト上に横にした連続フィラメントまたは3/16インチ〜2インチの繊維セグメントであり、繊維交差を、接着バインダーおよび/または熱および/または圧の組合せにより接着および/または融合して繊維と繊維を結合する。非限定的な例として、基材はスパンボンデッドでも、メルトボンデッドでも、またはポイントボンデッドであってもよく、結合プロセスの組合せを選択してもよい。縦方向および横方向の基材破断強度および弾性は、該基材を塗布プロセスを通して運搬することを可能とするのに充分である。基材物品の多孔性は、基材を通るエアフローがコンディショニング活性物質の放出の促進および乾燥器ベント目詰まり防止することを可能とするのに充分である。基材は、該基材の1方向に沿って伸びる複数の直線的スリットを有してもよい。
【0221】
分配手段は、正常に、ファブリックコンディショニング組成物の効果量を運搬するだろう。このような効果量は通常自動洗濯乾燥機内の最小の投入の少なくとも1つの処理に対して充分な柔軟性、静電防止効果および/または香料付着を提供する。1つの物品に対する投入サイズに関係なくファブリックコンディショニング組成物量は、約0.1g〜約100g、好ましくは約0.1g〜約20g、最も好ましくは約0.1g〜約10gで変わり得る。複数の使用、例えば、約30回までに対するファブリック処理組成物量を使用できる。
【0222】
吸収性物品、ポリ袋または紙器および使用方法
【0223】
好ましくは、前記消費者製品は、吸収性物品、ポリ袋または紙器から選択される物品であり、前記物品は、物品総重量に対して、約0.001%〜約25%、好ましくは約0.01%〜約10%、より好ましくは約0.05%〜約5%、最も好ましくは約0.1%〜約0.5%の本発明のマイクロカプセルを含んでなる。
【0224】
好ましくは、前記物品は、吸収性物品でらい、好ましくは、前記吸収性物品は、従来のフェルトプレスしたティッシュペーパーの1つ以上の層を含む衛生紙製品、従来の湿式プレスされたティッシュペーパー、パターン高密度化されたティッシュペーパー、デンプン基材、嵩高い無圧縮ティッシュペーパーおよびその混合物である。
【0225】
好ましくは、前記吸収性物品は、吸収性コア、および必要に応じてバックシート、トップシート、捕捉層または外側包装材料を備え、前記マイクロカプセルを吸収性コア上または1つ以上のオプション層間に配置する。
【0226】
前記物品の1つの態様では、前記吸収性物品をポリ袋または紙器中に含有する。
【0227】
前記物品の1つの態様では、前記マイクロカプセルを前記ポリ袋または紙器、および/または前記吸収性物品上に配置する。
【0228】
好ましくは、前記物品は、ローションを含んでなる吸収性物品である。
【0229】
好ましくは、前記吸収性物品は、界面活性剤、インク、染料、鉱油、ペトロラタム、ポリシロキサン、シクロデキストリン、粘土、ケイ酸塩、アルミン酸塩、ビタミン、イソフラボン、フラボン、金属酸化物、短鎖有機酸(C〜C)、トリグリセリド(C〜C22)、および抗酸化剤から成る群から選択される1つ以上の補助剤を含んでなる。
【0230】
1つの態様では、前記マイクロカプセルを物品、好ましくは吸収性物品、ポリ袋および/または紙器中またはその上に組み入れることを含む有益剤、好ましくは香料の提供方法を開示する。
【0231】
本出願者の物品の製造で使用できる適切な吸収性物品、ポリ袋および紙器の供給者の非限定的リストは以下である:米国オハイオ州シンシナティのプロクター・アンド・ギャンブル社;米国テネシー州メンフィスのインターナショナルペーパープロダクツ社;および米国テキサス州アービングのキンバリークラーク社。吸収性物品製造の適切な装置およびプロセスを、イタリア、ペスカーラのファメカニカ(Fameccanica)グループから得ることができる。消臭材を前記物品に添加する適切な装置およびプロセスを、米国、ジョージア州ダルースのノードソン社から得ることができる。
【0232】
パーソナルケア組成物および使用方法
【0233】
好ましくは、前記消費者製品は、組成物総重量に対して、以下を含んでなるパーソナルケア組成物である。
【0234】
(a)約0.001%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約5%、より好ましくは約0.5%〜約4%、最も好ましくは約1%〜約3%の本明細書に開示のマイクロカプセル。
【0235】
(b)約0.1%〜約99%、好ましくは約1%〜約80%、より好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは約10%〜約50%の溶媒、好ましくは前記溶媒は、水、グリセリン、およびその混合物から成る群から選択される。
【0236】
(c)約0%〜約50%、好ましくは約0%〜約40%、より好ましくは約0.1%〜約30%、最も好ましくは約0.1%〜約15%の、ストラクチュラント、湿潤剤、界面活性剤、抗菌剤、およびその混合物から成る群から選択される材料。
【0237】
好ましくは、前記パーソナルケア組成物は、1つ以上のニート香料原料を含んでなる−前記ニート香料原料の全ては、各ニート香料原料の重量に対してこのようなニート香料原料の合計である。
【0238】
好ましくは、前記ニート香料原料の合計は、前記ニート香料原料の合計中の各香料原料の重量パーセントに対して、約2.5〜約8、好ましくは約3〜約8、より好ましくは約3.5〜約7、最も好ましくは、前記ニート香料原料の合計中の前記ニート香料原料の各々の平均LogPを有する。LogPのこの範囲は、香料が肌上に付着し、使用中、水相中に洗い落とされないことを可能とするだろう。
【0239】
好ましくは、前記パーソナルケア組成物は、前記1つ以上の香料原料の合わせた総重量に対して、10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満の前記1つ以上の香料原料を含んでなり、イオノン部分を含む。
【0240】
好ましくは、前記パーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物総重量に対して、約3%〜30%の界面活性剤、および必要によりミセル相および/またはラメラ相の全部を含んでなる。
【0241】
好ましくは、前記パーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物総重量に対して、約0.1%〜約50%の、ストラクチュラント、湿潤剤、脂肪酸、無機塩、抗菌剤、抗菌剤活性物質およびその混合物から成る群から選択される材料を含んでなる。
【0242】
好ましくは、前記パーソナルケア組成物は、粘土鉱物粉末、パール顔料、有機粉末、乳化剤、散布剤(distributing agents)、医薬有効成分、局所活性成分、防腐剤、界面活性剤およびその混合物から成る群から選択される補助剤を含んでなる。
【0243】
本明細書に開示のパーソナルケア組成物から成る群から選択されるパーソナルケア組成物を含む部位を接触させることを含むフレッシュニング方法を開示する。
【0244】
前記方法の1つの態様では、前記部位は、身体または頭髪を含み、前記接触工程は、悪臭を含む前記身体または頭髪を充分な量の本出願者のパーソナルケア組成物と接触させて、身体または頭髪当たり少なくとも0.0001mgのカプセル化有益剤、好ましくは身体または頭髪当たり約0.0001mgのカプセル化有益剤〜身体または頭髪当たり約1mgのカプセル化有益剤、より好ましくは身体または頭髪当たり約0.001mgのカプセル化有益剤〜身体または頭髪当たり約0.5mgのカプセル化有益剤、最も好ましくは身体または頭髪当たり約0.01のカプセル化有益剤〜身体または頭髪当たり約0.2mgのカプセル化有益剤のカプセル化された有益剤、好ましくは香料のレベルを有する前記身体または頭髪を得ることを含む。
【0245】
制汗剤および/または脱臭剤組成物および使用方法
【0246】
好ましくは、前記消費者製品は、組成物総重量に対して、以下を含んでなる制汗剤および/または脱臭剤組成物である。
【0247】
(a)約0.001%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約5%、より好ましくは約0.5%〜約4%、最も好ましくは約1%〜約3%の本明細書に開示のマイクロカプセル。
【0248】
(b)約0.1%〜約99%、好ましくは約1%〜約80%、より好ましくは約5%〜約55%、最も好ましくは約10%〜約50%の溶媒、好ましくは前記溶媒は、シクロペンタシロキサン、エタノール、水、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、およびその混合物から成る群から選択される。
【0249】
(c)約0%〜約30%、好ましくは約0%〜約20%、より好ましくは約0.1%〜約4%、最も好ましくは約0.1%〜約4%の、ストラクチュラント、残渣マスク剤(residue masker)、抗菌剤、およびその混合物から成る群から選択される材料。
【0250】
前述の溶媒レベルはAPDOベース中に香料を分散するのを助けて、使用する場合でも被覆している。
【0251】
好ましくは、前記制汗剤および/または脱臭剤組成物は、1つ以上の香料原料を含んでなる。
【0252】
好ましくは、前記1つ以上の香料原料の各々は、約160℃〜約400℃、好ましくは約180℃〜約400℃の沸点を有する。
【0253】
好ましくは、前記1つ以上の香料原料の合わせた総重量に対して、10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満の前記1つ以上の香料原料はイオノン部分を含む。
【0254】
好ましくは、前記制汗剤および/または脱臭剤組成物は、制汗剤組成物総重量に対して、約1%〜約25%のアルミニウム塩制汗活性物質の全部を含んでなる制汗剤組成物である。
【0255】
好ましくは、前記制汗剤および/または脱臭剤組成物は、無水制汗剤組成物であり、前記無水制汗剤組成物は、無水制汗剤組成物総重量に対して、約1%〜約25%の、収斂性金属酸化物、好ましくはアルミニウム、ジルコニウムおよび亜鉛の無機および有機塩、ならびにその混合物、より好ましくはアルミニウムハロゲン化物、クロルヒドロキシアルミニウム、アルミニウムヒドロキシハロゲン化物、ジルコニルオキシハロゲン化物、ジルコニルヒドロキシハロゲン化物、およびその混合物から成る群から選択される制汗活性物質を含んでなる。
【0256】
好ましくは、前記制汗剤および/または脱臭剤組成物は、粘土鉱物粉末、パール顔料、有機粉末、乳化剤、散布剤(distributing agents)、医薬有効成分、局所活性成分、防腐剤、界面活性剤およびその混合物から成る群から選択される補助剤を含んでなる。
【0257】
悪臭を含む部位および/または本明細書に開示の制汗剤および/または脱臭剤組成物から成る群から選択される制汗剤または脱臭剤組成物で悪臭になり得る部位を接触させることを含む悪臭の防止方法を開示する。
【0258】
前記方法の1つ態様では、前記部位は脇の下であり、前記接触工程は、前記脇の下を充分な量の前記消臭材の合計を含有する本出願者の制汗剤および/または脱臭剤組成物と接触させて、脇の下当たり少なくとも0.0001mgの消臭材、好ましくは脇の下当たり約0.0001mgの消臭剤〜脇の下当たり約10mgの消臭剤、より好ましくは脇の下当たり約0.001mgの消臭剤〜脇の下当たり約5mgの消臭剤、最も好ましくは脇の下当たり約0.01の消臭剤〜脇の下当たり約0.2mgの消臭剤の消臭材レベルを有する前記脇の下を得ることを含む。
【0259】
制汗剤組成物
【0260】
制汗剤組成物を多くの形態で処方できる。例えば、制汗剤組成物は、制限なく、ロールオン製品、ボディスプレー、ソフトソリッド(soft solid)スティックおよびインビジブルソリッド(invisible solids)を含むスティック、またはエアロゾルであり得る。下記の制汗剤組成物の各々は、本明細書に記載の香料材料を含むことができる。
【0261】
A.ロールオンおよびクリアジェル
【0262】
ロールオン制汗剤組成物は、例えば、水、皮膚軟化剤、可溶化剤、脱臭活性物質、抗酸化剤、防腐剤、またはその組合せを含むことができる。クリアジェル制汗剤組成物は、例えば、水、皮膚軟化剤、可溶化剤、脱臭活性物質、抗酸化剤、防腐剤、エタノールまたはその組合せを含むことができる。
【0263】
水−ロールオン組成物は水を含むことができる。水は、脱臭剤組成物の重量に対して、約1%〜約99.5%、約25%〜約99.5%、約50%〜約99.5%、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約15%〜約45%、またはこの範囲内に包含される端点および点のいずれかの組合せの量で存在し得る。
【0264】
皮膚軟化剤−ロールオン組成物は少なくとも1つの皮膚軟化剤を含む皮膚軟化剤系を含むことができる。適切な皮膚軟化剤は、しばしば、周囲条件下液体である。所望の製品形態のタイプに依存して、脱臭剤組成物中の皮膚軟化剤濃度は、脱臭剤組成物の重量に対して、約1%〜約95%、約5%〜約95%、約15%〜約75%、約1%〜約10%、約15%〜約45%、または約1%〜約30%の範囲であり得る。
【0265】
ロールオン組成物の使用に適切な皮膚軟化剤としては、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、他など)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、PEG−4、PEG−8、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、へキシレングリコール、グリセリン、C2〜C20一価アルコール、C2〜C40二価または多価アルコール、多価および一価アルコールのアルキルエーテル、シクロペンタンシロキサンなどの揮発性シリコーン皮膚軟化剤、ジメチコンなどの不揮発性シリコーン皮膚軟化剤、鉱油、ポリデセン、ペトロラタム、およびその混合物が挙げられるが、これに限定されない。適切な皮膚軟化剤の一例は、PPG−15ステアリルエーテルである。適切な皮膚軟化剤の他の例としては、ジプロピレングリコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。
【0266】
脱臭活性物質−適切な脱臭活性物質としては、公知の、さもなければ発汗に関連する悪臭の防止または除去に有効ないずれもの局所的物質を挙げることができる。適切な脱臭活性物質を、抗菌剤(例えば、殺細菌剤、殺真菌剤)、悪臭吸収剤、およびその組合せから成る群から選択してもよい。例えば、抗菌剤は、セチル−トリメチルアンモニウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、ジイソブチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N−ラウリルサルコシンナトリウム、N−パルメチルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルグリシン、N−ラウリルサルコシンカリウム、塩化トリメチルアンモニウム、アルミニウムクロロヒドロキシ乳酸ナトリウム、クエン酸トリエチル、塩化トリセチルメチルアンモニウム、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロカルバン)、L−リシンヘキサデシルアミドなどのジアミノアルキルアミド、クエン酸の重金属塩、およびピロクトース(piroctose)、特に、亜鉛塩、およびその酸、ピリチオンの重金属塩、特にジンクピリチオン、フェノール硫酸亜鉛、ならびにその組合せを含む得る。必要により使用する脱臭活性物質の濃度は、組成物の重量に対して、約0.001%以上、約0.01%以上、約0.1%以上で、組成物の重量に対して、約20%以下、約10%以下、約5%以下または約1%以下の範囲であり得る。
【0267】
臭気捕捉剤−組成物は臭気捕捉剤を含むことができる。本明細書で使用するための適切な臭気捕捉剤としては、例えば、溶解した水溶性非錯化シクロデキストリンが挙げられる。本明細書で使用するとき、「シクロデキストリン」という語は、6〜12のフルコースを含有する非置換シクロデキストリンなどの公知のシクロデキストリンのいずれも、特に、αシクロデキストリン、βシクロデキストリン、γシクロデキストリンおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を包含する。αシクロデキストリンは、ドーナツ型の環に配置された6つのグルコース単位から成り、βシクロデキストリンは7つのグルコース単位から成り、γシクロデキストリンは、8つのグルコース単位から成る。グルコース単位の特定の結合および立体配置は、シクロデキストリンを、特定の体積の中空の内部を有する強固な円錐状の分子構造を与える。内部空洞の「ライニング」は、水素原子およびグリコシド架橋酸素原子により形成され、それ故、この面はかなり疎水性である。該空洞のユニークな形状および物理化学的特性は、シクロデキストリン分子が該空洞中に嵌合できる有機分子または有機分子の一部を吸収する(と包接錯体を形成する)。多くの香料分子は、該空洞に嵌合する。
【0268】
シクロデキストリン分子は、米国特許第5,714,137号および米国特許第5,942,217号に記載されている。シクロデキストリンの適切なレベルは、組成物の重量に対して、約0.1%〜約5%、あるいは約0.2%〜約4%、あるいは約0.3%〜約3%、あるいは約0.4%〜約2%である。
【0269】
緩衝剤−組成物はアルカリ性、酸性または中性であってよい緩衝剤を含むことができる。緩衝剤は所望のPHを維持するために組成物中に使用できる。組成物は、約3〜約10、約4〜約9、約5〜約8、約6〜約7のpHであってもよく、約6.5のpHであってもよい。ポリビニルアミン悪臭防止ポリマーの1つのユニークな特徴は、窒素部位から少なくとも部分的に来る抗菌効果の促進を助けることができる高pHレベルにおける活性窒素部位を維持するその能力である。適切な緩衝剤としては、例えば、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、およびその組合せが挙げられる。
【0270】
組成物は、組成物の重量に対して、少なくとも約0%、あるいは少なくとも約0.001%、あるいは少なくとも約0.01%の緩衝剤を含有できる。組成物は、組成物の重量に対して、約1%以下、あるいは約0.75%以下、あるいは約0.5%以下の緩衝剤も含有してもよい。
【0271】
可溶化剤−組成物は可溶化剤を含有できる。適切な可溶化剤は、例えば、泡のでない、または泡の少ない界面活性剤などの界面活性剤であり得る。適切な界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、およびその混合物である。
【0272】
適切な可溶化剤としては、例えば、水素化ヒマシ油、ポリオキシエチレン2ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン20ステアリルエーテル、およびその混合物が挙げられる。本組成物で使用し得る1つの適切な水素化ヒマシ油は、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油である。
【0273】
可溶化剤が存在する場合、組成物の重量に対して、約0.01%〜約5%、あるいは約0.01%〜約3%、あるいは約0.05%〜約1%、あるいは約0.01%〜約0.05%のレベルで通常存在する。
【0274】
防腐剤−組成物は防腐剤を含有できる。防腐剤を、特定の期間、損傷を防止または不注意に加わった微生物の成長を防止するのに充分だが、組成物の臭気中和性能に寄与するのに充分でない量で含有する。言い換えれば、防腐剤は、微生物により産生された臭気を除去するために組成物を付着する面上の微生物を殺すための抗菌化合物として使用されるものではない。代わりに、シェルフライフを増長するために組成物の損傷を防止するために使用されるものである。
【0275】
防腐剤は、布の外観、例えば、変色、着色、脱色の損傷原因にならないいずれもの有機防腐材料であり得る。適切な水溶性防腐剤としては、有機硫黄化合物、ハロゲン化化合物、環式有機窒素化合物、低分子量アルデヒド、パラベン、プロパンジオール材料、イソチアゾリノン、第四級化合物、安息香酸塩(エステル)(benzoates)、低分子量アルコール、デヒドロ酢酸、フェニルおよびフェノキシ化合物、またはその混合物が挙げられる。
【0276】
市販水溶性防腐剤の非限定的な例としては、約77%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび23%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物、ローム・アンド・ハース社の商品名Kathon(登録商標)CGで1.5%水溶液として入手可能な広域抗菌スペクトル防腐剤;ヘンケル社の商品名Bronidox L(登録商標)で入手可能な5−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジオキサン;イノレックス社の商品名Bronopol(登録商標)で入手可能な2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール;通称クロルヘキシジンとして公知の1,1’−ヘキサメチレンビス(5−(p−クロロフェニル)ビグアニド)、およびその塩、例えば、酢酸塩およびジグルコン酸塩;ロンザ社の商品名Glydant Plus(登録商標)で入手可能な1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチル−2,4−イミダゾリジンジオンおよび3−ブチル−2−ヨードプロピニルカルバメートの95:5混合物;サットン(Sutton)ラボラトリーズ社の商品名Germall(登録商標)IIで入手可能で、通称ジアゾリジニル尿素として公知である、N−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシメチル)尿素;例えば、3Vシグマ社の商品名Abiol(登録商標)、インデュケム社のUnicide U−13(登録商標)、サットンラボラトリーズ社のGermall 115(登録商標)で入手可能な通称イミダゾリジニル尿素として公知のN,N’’−メチレンビス{N’−[1−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素;ヒュルスアメリカ社の商品名Nuosept(登録商標)Cで入手可能な、ポリメトキシ二環式オキサゾリジン;グルタルアルデヒド;ICIアメリカ社の商品名Cosmocil CQ(登録商標)、またはブルックス社の商品名Mikrokill(登録商標)で入手可能な、ポリアミノプロピルビグアニド;デヒドロ酢酸;およびロームアンドハース社の商品名Koralone(商標)B−119で入手可能な、ベンズイソチアゾリノン(benzsiothiazolinone)が挙げられる。
【0277】
防腐剤の適切なレベルは、組成物の重量に対して、約0.0001%〜約0.5%、あるいは約0.0002%〜約0.2%、あるいは約0.0003%〜約0.1%の範囲であり得る。
【0278】
B.ボディスプレー
【0279】
ボディスプレーは、例えば、担体、香料、脱臭活性物質、臭気捕捉剤、噴霧剤、またはその組合せを含有することができる。ボディスプレー組成物を液体として適用できる。
【0280】
担体−ボディスプレーの使用に適切な担体としては、水、アルコール、またはその組合せを挙げることができる。担体は、組成物の重量に対して、約1%〜約99.5%、約25%〜約99.5%、約50%〜約99.5%、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約15%〜約45%、またはこの範囲内に包含される端点および点のいずれかの組合せの量で存在し得る。アルコールの好適例としてはエタノールを挙げることができる。
【0281】
噴霧剤−本明細書に記載の組成物は噴霧剤を含有できる。噴霧剤のいくつかの例としては、圧縮空気、窒素、不活性ガス、二酸化炭素、およびその混合物が挙げられる。噴霧剤は、プロパン、n−ブタン、イソブテン、シクロプロパン、およびその混合物などのガス状炭化水素も挙げ得る。1,1−ジフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素も噴霧剤として使用してもよい。噴霧剤のいくつかの非限定的な例としては、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン、ジメチルエーテル、ジクロロジフルオロメタン(プロペラント12)、1,1−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(プロペラント114)、1−クロロ−1,1−ジフルオロ−2,2−トリフルオロエタン(プロペラント115)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエチレン(プロペラント142B)、1,1−ジフルオロエタン(プロペラント152A)、モノクロロジフルオロメタン、およびその混合物が挙げられる。使用に適切ないくつかの他の噴霧剤としては、A−46(イソブタン、ブタンおよびプロパンの混合物)、A−31(イソブタン)、A−17(n−ブタン)、A−108(プロパン)、AP70(プロパン、イソブタンおよびn−ブタンの混合物)、AP40(プロパン、イソブタンおよびn−ブタンの混合物)、AP30(プロパン、イソブタンおよびn−ブタンの混合物)、および152A(1,1−ジフルオロエタン)が挙げられるが、これに限定されない。噴霧剤は、容器内に貯蔵された材料の全充填物の重量に対して、約15%、25%、30%、32%、34%、35%、36%、38%、40%、または42%〜約70%、65%、60%、54%、52%、50%、48%、46%、44%、または42%、またはそのいずれもの組合せの濃度であり得る。
【0282】
C.インビジブルソリッド
【0283】
本明細書に記載のインビジブルソリッド制汗剤組成物は、主ストラクチュラント、制汗活性物質、香料、および付加的シャーシ(chassis)成分(複数可)を含有できる。制汗剤組成物は、必要に応じて他の成分(複数可)をさらに含むことができる。組成物は固体スティックの形態であり得る。組成物は、約600重量グラム以上の製品硬度を有することができる。組成物はジプロピレングリコールも、添加水も、キャスターワックスも、そのどの組合せも含有しなくてもよい。制汗剤組成物は無水であってもよい。制汗剤組成物は、添加水を含有しなくてよい。
【0284】
硬度−インビジブルソリッドは、最小約600重量グラム、より詳細には約600重量グラム〜約5,000重量グラム、さらにより詳細には約750重量グラム〜約2,000重量グラム、さらにより詳細には約800重量グラム〜約1,400重量グラムの製品硬度を有することができる。
【0285】
本明細書で使用するとき、「製品硬度」または「硬度」という語は、本明細書中、以下に記載する試験条件下、貫入コーンを特定の距離、かつ制汗剤組成物中に制御した速度において移動するのに、どれだけの重量が必要かを反映するものである。より高い値はより硬い製品を表し、より低い値はより柔らかい製品を表す。これらの値を、米国ニューヨーク州スカーズデールにあるテクスチャーテクノロジー社から入手可能なTA−XT2テクスチャーアナライザーを用いて、27℃、相対湿度15%において測定する。本明細書で使用するとき、製品高度値は、標準45°角貫入コーンを、組成物を通って、2mm/秒の測度で10mmの距離を移動するのに必要なピーク重量を表す。標準コーンは、パーツ番号TA−15としてテクスチャーテクノロジー社から入手でき、約24.7mmの全コーン長、約18.3mmのコーン母線長さ、および約15.5mmのコーンの円錐面の最大径を有する。コーンは平滑でステンレス鋼製構築物であり、約17.8グラムの重量である。
【0286】
主ストラクチュラント−インビジブルソリッドは、所望の粘度、レオロジー、質感および/または製品硬度を有する制汗剤を提供する助けとなる、さもなければ、組成物内の分散固体または液体を懸濁させる助けとなる適切な濃度の主ストラクチュラントを含むことができる。
【0287】
本明細書で使用するとき、「固体ストラクチュラント」という語は、公知のいずれもの材料かさもなければ組成物に懸濁化、ジェル化、粘性化(viscosifying)、固体化、および/または増粘化特性を提供するのに効果的かさもなければ最終製品形態に構造を提供する材料を意味する。これらの固体ストラクチュラントとしては、ジェル化剤、およびポリマー性もしくは非ポリマー性または無機増粘剤もしくは粘性化剤が挙げられる。このような材料は周囲条件下通常固体であり、有機固体、結晶または他のゲル化剤、粘度またはシリカなどの無機粒子、またはその組合せが挙げられる。
【0288】
制汗剤組成物の用途で選択される固体ストラクチュラントの濃度および種類は、所望の製品硬度、レオロジー、および/または他の関連製品特性により異なるだろう。本明細書での使用に適切な大部分のストラクチュラントのため、全ストラクチュラント濃度は、組成物の重量に対して、約5%〜約35%、より典型的には約10%〜約30%または約7%〜約20%の範囲である。
【0289】
適切な主ストラクチュラントの非限定的な例としては、ステアリルアルコールおよび他の脂肪アルコール;水素化キャスターワックス(例えば、Castorwax MP80、Castor Wax、他);パラフィンワックス、蜜蝋、カルナウバ、カンデリラ、鯨蝋、オゾケライト、セレシン、月桂樹の実(baysberry)、フィッシャー・トロプシュワックス、および微結晶性ワックスなどの合成ワックス;200〜1000ダルトンの分子量を有するポリエチレン;固体トリグリセリド;ベへニルアルコール、またはその組合せが挙げられる。
【0290】
本明細書での使用に適切な主ストラクチュラントの他の非限定的な例は、米国特許第5,976,514号および米国特許第5,891,424号に記載されており、この記載は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0291】
制汗活性物質−制汗剤スティック組成物は、ヒト肌に適用するのに適切な粒子状制汗活性物質を含むことができる。組成物中の制汗活性物質濃度は、選択した制汗剤スティック処方物から所望の発汗湿潤性および臭気防止を提供するのに充分であるべきである。
【0292】
制汗剤スティック組成物は、組成物の重量に対して、約0.5%〜約60%、より詳細には約5%〜約35%の濃度の制汗活性物質を含むことができる。これらの重量パーセントを、水および例えば、グリシン、およびグリシン塩などのいずれもの錯化剤を除く無水金属塩ベースに対して算出する。組成物中に処方されるとき、制汗活性物質は、約100ミクロン未満、より詳細には約20ミクロン未満、さらにより詳細には約10ミクロン未満の平均粒径または相当粒径を有する分散粒子状固体の形態であり得る。
【0293】
本発明の無水制汗剤組成物の用途の制汗活性物質としては、制汗活性を有するいずれもの化合物、組成物または他の材料を挙げることができる。より詳細には、制汗活性物質としては、収斂性金属塩、特に、アルミニウム、ジルコニウムおよび亜鉛の無機塩および有機塩、ならびにその混合物を挙げられ得る。さらにより詳細には、制汗活性物質としては、例えば、アルミニウムハロゲン化物、クロルヒドロキシアルミニウム、アルミニウムヒドロキシハロゲン化物、ジルコニルオキシハロゲン化物、ジルコニルヒドロキシハロゲン化物、およびその混合物などのアルミニウム含有および/またはジルコニウム含有塩または材料を挙げられ得る。
【0294】
無水制汗剤スティック組成物の用途のアルミニウム塩としては、次式に従うものが挙げられる。
Al(OH)Cl・xH
式中、aは約2〜約5であり;aとbとの合計は約6であり;xは約1〜約6であり;a、b、およびxは整数の値でなくてもよい。より詳細には、「5/6塩基性クロロヒドロキシド」と呼ばれるクロルヒドロキシアルミニウムを使用でき、式中、a=5であり、a=4の場合「2/3塩基性クロロヒドロキシド」である。アルミニウム塩の製造プロセスは、米国特許第3,887,692号;米国特許第3,904,741号;米国特許第4,359,456号;および英国特許明細書第2,048,229号に開示されており、これらの開示はアルミニウム塩製造プロセス説明の目的のため参照により本明細書に組み入れられるものとする。アルミニウム塩の混合物は、英国特許明細書第1,347,950号に記載されており、この明細書も参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0295】
無水制汗剤スティック組成物の用途のジルコニウム塩としては、次式に従うものが挙げられる。
ZrO(OH)2−aCl・xH
式中、aは約1.5〜約1.87であり;xは約1〜約7であり;aおよびxは両方とも整数の値でなくてもよい。これらのジルコニウム塩はベルギー特許第825,146号(Schmitz、1975年8月4日)に記載されており、この明細書は参照により本明細書に組み入れられるものとする。通称「ZAG錯体」として公知であり、アルミニウムおよびグリシンを付加的に含有するジルコニウム塩は、特に有益であると考えられる。これらのZAG錯体は、上式に従うクロルヒドロキシアルミニウムおよびジルコニウムヒドロキシクロリドを含有する。このようなZAG錯体は、米国特許第3,792,068号;英国特許出願第2,144,992号;および米国特許第4,120,948号に記載されており、これらの開示はZAG錯体を説明する限定的目的のため参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0296】
典型的に以下の実験式を有する増加した効果のアルミニウム−ジルコニウムクロロハイドレックス−アミノ酸も本明細書での使用に適切である。
AlZr(OH)[3n+4−m(n+1)](Cl)[m(n+1)]−AA
式中、nは2.0〜10.0、好ましくは3.0〜8.0であり;mは約0.48〜約1.11(約2.1〜0.9に等しいM:Clに相当)、好ましくは約0.56〜約0.83(約1.8〜1.2に等しいM:Clに相当)であり;qは約0.8〜約4.0、好ましくは約1.0〜2.0であり;およびAAはグリシン、アラニン、バリン、セリン、ロイシン、イソロイシン、βアラニン、システイン、βアミノ−n−酪酸、またはγ−アミノ−n−酪酸などのアミノ酸であり、好ましくはグリシンである。これらの塩は、概して、通常、塩1モル当たりおよそ1〜5モル程度(典型的には約1重量%〜約16重量%、より典型的には約4重量%〜約13重量%)で該塩と会合するいくつかの水和水を有する。これらの塩は、概して、Al:Zr比が2〜6である場合、アルミニウム−ジルコニウムトリクロロハイドレックスまたはテトラクロロハイドレックスと呼ばれ、Al:Zr比が6〜10である場合、アルミニウム−ジルコニウムペンタクロロハイドレックスまたはオクタクロロハイドレックスと呼ばれる。「アルミニウム−ジルコニウムクロロハイドレックス」という語は、これらの形態全てを包含する意図がある。好ましいアルミニウム−ジルコニウム塩は、アルミニウム−ジルコニウムクロロハイドレックス−グリシンである。適切な高効果制汗活性物質のさらなる例としては、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレックスグリシン、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレックスグリシン、またはその組合せを挙げることができる。これらの高効果活性物質は、2005年6月30日に出願されたShenらによる米国特許出願公開第2007/0003499号により完全に記載されている。
【0297】
追加のシャーシ成分
【0298】
追加のストラクチュラント−制汗剤組成物は追加のストラクチュラントをさらに含むことができる。追加のストラクチュラントは、組成物の重量に対して、1%〜約10%の量で存在し得る。追加のストラクチュラント(複数可)は、主ストラクチュラントより少ない量で存在するのが好ましいだろう。適切な追加のストラクチュラントの非限定的な例としては、ステアリルアルコールおよび他の脂肪アルコール;水素化キャスターワックス(例えば、Castorwax MP80、Castor Wax、他);パラフィンワックス、蜜蝋、カルナウバ、カンデリラ、鯨蝋、オゾケライト、セレシン、月桂樹の実(baysberry)、フィッシャー・トロプシュワックス、および微結晶性ワックスなどの合成ワックス;200〜1000ダルトンの分子量を有するポリエチレン;固体トリグリセリド;ベへニルアルコール、またはその組合せが挙げられる。本明細書での使用に適切な追加のストラクチュラントの他の非限定的な例は、米国特許第5,976,514号および米国特許第5,891,424号に記載されている。
【0299】
溶媒−制汗剤組成物は、組成物の重量に対して、約20%〜約80%、より詳細には約30%〜約70%の範囲である濃度で溶媒を含むことができる。溶媒は、環状でも直鎖状でもよい揮発性シリコーンであり得る。
【0300】
本明細書で使用するとき、「揮発性シリコーン」は、周囲条件で測定可能な蒸気圧を有するシリコーン材料を表す。適切な揮発性シリコーンの非限定的な例は、Todd et al., "Volatile Silicone Fluids for Cosmetics", Cosmetics and Toiletries, 91:27-32 (1976)に記載されており、この記載は参照により本明細書に組み入れられるものとする。 揮発性シリコーンは、3個〜7個、より詳細には5個〜6個のケイ素原子、さらにより詳細にはシクロペンタシロキサンなどの5個のケイ素原子を有する環状シリコーンであり得る。これらの環状シリコーン材料は、概して、25℃において約10センチストークス未満の揮発性を有するだろう。揮発性シリコーンは直鎖でもあり得るが、制汗剤組成物用途に適切な揮発性直鎖シリコーン材料としては、下式により表されるものが挙げられる。
【化3】
式中、nは1〜7であり、より詳細には2〜3である。これらの直鎖シリコーン材料は、概して、25℃において約5センチストークス未満の揮発性を有するだろう。制汗剤組成物用途に適切な揮発性シリコーン溶媒の具体例としては、シクロメチコンD−5;GE7207およびGE7158(ゼネラルエレクトリック社から市販);Dow Corning344;Dow Corning345;Dow Corning200;およびDC1184(ダウコーニング社から市販);およびSWS−03314(SWSシリコーンズ社から市販)。
【0301】
不揮発性有機液体−不揮発性有機液体は、例えば、組成物の重量に対して、約15%以下の量で存在し得る。不揮発性有機液体の非限定的な例としては、鉱油、PPG−14 ブチルエーテル、ミリスチン酸イソプロピル、ペトロラタム、ステアリン酸ブチル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、C12〜15アルキル安息香酸エステル(例えば、Finsolv(商標))、オクチルドデカノール、イソステアリン酸イソステアリル、安息香酸オクトドデシル、乳酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、およびステアリン酸イソブチルが挙げられる。
【0302】
補助成分−無水制汗剤組成物は、制汗剤および脱臭剤組成物または他のパーソナルケア製品用途で公知、さもなくばヒト肌への局所適用に適切ないずれもの必要により使用する材料をさらに含むことができる。必要により使用する材料の1つの例は、タルク、雲母、絹雲母、シリカ、ケイ酸マグネシウム、合成フッ素金雲母、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ベントナイトおよびモンモリロナイトなどの粘粘土鉱物粉末;アルミナ、硫酸バリウム、第二リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、超微粒子状酸化チタン 、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、ヒドロキシアパタイト、酸化鉄、クエン酸鉄(iron titrate)、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト、酸化チタン被覆雲母などのパール顔料;ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、メタクリル酸メチル樹脂、セルロース、12−ナイロン、6−ナイロン、スチレンアクリル酸共重合体、ポリプロピレン、塩化ビニルポリマー、テトラフルオロエチレンポリマー、窒化ホウ素、魚鱗箔、レーキ化されたタール有色染料、レーキ化天然有色染料などの有機粉末;およびその組合せである。高レベルで使用する場合、タルクは、製品受入にネガティブな消費者であることが分かった白色残渣が有意な量生じ得る。従って、組成物の重量に対して、10%未満、約8%未満、約6%未満、または約3%未満まで組成物を限定するのが最善である。他の必要により使用する材料の非限定的な例としては、乳化剤、散布剤、抗菌剤、医薬品または他の局所的有効成分、防腐剤、界面活性剤等が挙げられる。このような必要により使用する材料の例は、米国特許第4,049,792号;米国特許第5,019,375号;および米国特許第5,429,816号に記載されており、この記載は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0303】
D.ソフトソリッド
【0304】
ソフトソリッド組成物は、揮発性シリコーン、制汗活性物質、ジェル化剤、残渣マスキング材、またはその組合せを含むことができる。加えて、ソフトソリッドは、概して、約500重量グラム以下の分配後の硬度値を有する。
【0305】
揮発性シリコーン溶媒−ソフトソリッドは、組成物の重量に対して、約20%〜約80%、好ましくは約30%〜約70%、より好ましくは約45%〜約70%の範囲の濃度で揮発性シリコーン溶媒を含むことができる。溶媒の揮発性シリコーンは環状でも直鎖でもよい。
【0306】
本明細書で使用するとき、「揮発性シリコーン」は、周囲条件で測定可能な蒸気圧を有するシリコーン材料を表す。適切な揮発性シリコーンの非限定的な例は、Todd et al., "Volatile Silicone Fluids for Cosmetics", Cosmetics and Toiletries, 91:27-32 (1976)に記載されており、この記載は参照により本明細書に組み入れられるものとする。好ましい揮発性シリコーン材料は、約3個〜約7個、好ましくは約4個〜約5個のケイ素原子を有するものである。環状揮発性シリコーンは、本明細書の制汗剤組成物用途に適切であり、下式により表されるものが挙げられる。
【化4】
式中、nは、約3〜約7、好ましくは約4〜約5、最も好ましくは5である。これらの環状シリコーン材料は、概して、25℃において約10センチストークス未満の揮発性を有するだろう。制汗剤組成物中での使用に好適である直鎖揮発性シリコーン材料としては、下式により表されるものが挙げられる。
【化5】
式中、nは、約1〜約7、好ましくは約2〜約3である。これらの直鎖シリコーン材料は、概して、25℃において約5センチストークス未満の揮発性を有するだろう。制汗剤組成物用途に適切な揮発性シリコーン溶媒の具体例としては、Cyclomethicone D−5(G.E.シリコーンズ社から市販)、Dow Corning 344、Dow Corning 345およびDow Corning 200(ダウコーニング社から市販)、GE7207および7158(ゼネラルエレクトリック社から市販)ならびにSWS−03314(SWSシリコーンズ社から市販)が挙げられるが、これに限定されない。
【0307】
ジェル化材−ソフトソリッドとしては、組成物の重量に対して、約0.1%〜約8%の範囲の濃度で、約20個〜約60個の炭素原子を有する脂肪アルコール、またはその組合せを含んでなるジェル化材を挙げることができる。本明細書中前述した揮発性シリコーン溶媒と組み合わせて、ゲル化材は、粒子状制汗剤材料を分散し、長期間にわたってそれ自体維持する物理的に安定な構造を有する組成物を提供する。詳細には、ゲル化材は、約20個〜約60個の炭素原子、好ましくは約20個〜約40個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和、置換もしくは非置換脂肪アルコールまたは脂肪アルコールの混合物を含むことができる。脂肪アルコールの組合せが好ましい。脂肪アルコールジェル化剤は、好ましくは、約110℃未満、より好ましくは約60℃〜約110℃、さらにより好ましくは約100℃〜約110℃の融点を有する飽和非置換一価アルコールまたはその組合せである。
【0308】
揮発性シリコーン溶媒と組み合わせた場合、この脂肪アルコール系ジェル化材は、従来の粒子状増粘剤を使用することなく、局所用処方物中の粒子状制汗剤材料の分散を維持するための安定な構造を提供することが分かった。このジェル化材は、特に、より高濃度の揮発性シリコーン溶媒を含有する粒子状分散物の物理的安定性を維持するのに有用である。
【0309】
制汗剤組成物の貫入力を、全脂肪アルコール濃度の調整により制御できることが分かった。このように貫入力値の制御において、もはや、貫入力値を制御するための有機溶媒または増粘剤を使用する必要がなく、この溶媒または増粘剤はしばしば処方物のコストを増大させ、さらに相溶性の問題を誘発そ、しばしば持続的粘着性、散布容易性の困難さ、乾燥時間増加および適用後の乾燥感の低下など望まれない化粧品の原因となる。
【0310】
ジェル化剤の特定濃度を所望の貫入力値に応じて選択できる。約20重量グラム〜約100重量グラムの貫入力値を有するロールオン処方物のため、ジェル化材濃度は、好ましくは、制汗剤組成物の重量に対して、約0.1%〜約3%、好ましくは約1.5%〜約3%の範囲である。約100重量グラム〜約500重量グラムの貫入力値を有するクリームアプリケーターデバイス用途に適切な処方物を含む他のクリーム処方物のため、ジェル化材濃度は、好ましくは、制汗剤組成物の重量に対して、約3%〜約8%、好ましくは約3%〜約6%の範囲である。
【0311】
市販されている制汗剤組成物で使用するための脂肪アルコールジェル化剤の具体例としては、Unilin(登録商標)425、Unilin(登録商標)350、Unilin(登録商標)550およびUnilin(登録商標)700(ペトロライト社により供給)が挙げられるが、これに限定されない。
【0312】
残渣マスキング材料−ソフトソリッド組成物は、残渣マスキング材料として非揮発性皮膚軟化剤をさらに含むことができる。このような材料および制汗剤製品での使用は、制汗剤の技術分野では周知であり、いずれのこのような材料も本発明の組成物中に組み入れてもよいが、但し、このような必要により使用する材料は、組成物の必須要素と相溶性であるか、または製品性能または化粧品を不当に損なってはならない。必要により使用する残渣マスキング材料濃度は、制汗剤組成物の重量に対して、約0.1%〜約40%、好ましくは約1%〜約10%の範囲であり得る。これらの必要により使用する材料は、周囲温度において液体であり得、不揮発性であり得る。これに関連して使用される「不揮発」という語は、少なくとも約200℃の大気圧下の沸点を有する材料を表す。制汗剤製品用途に適切なる残渣マスキング材料の非限定的な例としては、ステアリン酸ブチル、アジピン酸ジイソプロピル、ペトロラタム、不揮発性シリコーン、オクチルドデカノール、フェニルトリメチコン、ミリスチン酸イソプロピル、C12〜15エタノール安息香酸エステルおよびPPG−14ブチルエーテルが挙げられる。残渣マスキング材料は、例えば、米国特許第4,985,238号に記載されており、この記載は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0313】
他の材料−ソフトソリッドは、組成物の物理的特性を修飾または肌に付着した場合にさらなる「活性」成分としての役割をする1つ以上の他の材料をさらに含むことができる。多くのこのような材料は制汗剤の技術分野では公知であり、本明細書の制汗剤組成物で使用できるが、但し、このような必要により使用する材料は本明細書に記載の必須材料と相溶性であるか、または製品性能を不当に損なってはならない。材料の非限定的な例としては、静菌剤および静真菌剤などの活性成分、ならびに着色剤、香料、化粧粉末、乳化剤、キレート剤、散布剤、防腐剤、およびウォッシュオフ助剤などの「非活性」成分を挙げることができる。このような必要により使用する材料の例は、米国特許第4,049,792号;カナダ特許第1,164,347号;米国特許第5,019,375号;および米国特許第5,429,816号に記載されており、この記載は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0314】
E.エアロゾル
【0315】
エアロゾル組成物は、濃縮物、噴霧剤、またはその組合せを含むことができる。アルコールは本明細書で提供される濃縮物の重要な成分である。有用なアルコールとしてはC〜Cアルコールであり、好ましいアルコールはエタノールである。特定の例では、アルコールを、濃縮物の重量に対して、少なくとも約40%、50%または55%〜約80%の濃度レベルで使用する。
【0316】
制汗活性物質を、濃縮物の重量に対して、約1%〜約15%のレベルでアルコール中に溶解する。様々な制汗活性物質を使用できるが、例えば、塩化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、アルミニウムクロロハイドレックス、アルミニウムクロロハイドレックスPG、アルミニウムクロロハイドレックスPEG、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレックスPG、アルミニウムジクロロハイドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPG、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPEG、硫酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレックスGLY、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレックスGLY、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレートGLY、およびアルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレートGLYが挙げられる。1つの例では、アルミニウムクロロハイドレックスPGは、選択された制汗活性物質である。
【0317】
制汗剤濃縮物は、油または2つ以上の油の混合物も含むことができる。有用な油としては、例えば、揮発性シリコーンオイルおよび不揮発性有機油が挙げられる。本明細書で使用するとき、「揮発性シリコーン」は、周囲条件で測定可能な蒸気圧を有するシリコーン材料を表す。適切な揮発性シリコーンの非限定的な例は、Todd et al., "Volatile Silicone Fluids for Cosmetics", Cosmetics and Toiletries, 91:27-32 (1976)に記載されている。揮発性シリコーンは少なくとも約3個のケイ素原子または少なくとも約5個のケイ素原子だが約7個以下のケイ素原子または約6個以下のケイ素原子を有する環状シリコーンであり得る。例えば、下式に従う揮発性シリコーンを使用できる。
【化6】
式中、nは、約3以上または約5以上だが約7以下または約6以下である。これらの揮発性環状シリコーンは、概して、25℃において約10センチストークス未満の粘度を有する。本明細書の使用のために適切な揮発性シリコーンとしては、Cyclomethicone D5(G.E.シリコーンズ社から市販)、Dow Corning 344およびDow Corning 345(ダウコーニング社から市販);まらびにGE7207、GE7158およびSilicone Fluids SF−1202およびSF−1173(ゼネラルエレクトリック社から入手可能)、SWS−03314、SWS−03400、F−222、F−223、F−250、F−251(SWSシリコーンズ社から入手可能);Volatile Silicones 7158、7207、7349(ユニオンカーバイド社から入手可能);MASIL SF−V(メイザー社から入手可能)およびその組合せが挙げられるが、これに限定されない。適切な揮発性シリコーンオイルとしては、例えば、DC200(1cSt)、DC200(0.65cSt)、およびDC2−1184(この全部はダウコーニング社から入手可能)などの直鎖シリコーンオイルも挙げることができる。特定の例としては、揮発性シリコーンオイルは、25℃において10センチストークス未満の粘度を有し得る。
【0318】
不揮発性有機皮膚軟化剤オイルも使用できる。皮膚軟化剤オイルの代表的な非限定的リストは、CETIOL CC(炭酸ジカプリリル)、CETIOL OE(ジカプリリルエーテル)、CETIOL S(ジエチルヘキシルシクロヘキサン)、およびCETIOL B(アジピン酸ジブチル)、この全部はコグニス社から入手可能であり、ならびにイノレックス社のLEXFEEL7(ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール)を含む。特定の例では、有機皮膚軟化剤オイルは、25℃において50センチストークス未満の粘度を有する。本明細書で使用するとき、「有機皮膚軟化剤オイル」という語は、25℃において液体であり、安全で肌に軽く、揮発性シリコーンオイル(上記)および下記濃度範囲の制汗活性物質−アルコール溶液と相溶性であり得るシリコンフリー皮膚軟化剤オイルを意味する。
【0319】
オイルまたはオイル混合物を、概して、濃縮物の重量にお対して、約5%〜約45%のレベルで濃縮物処方物中に含有する。オイルの種々の分類に関連して上記のこの粘度範囲は、所望のスプレー測度およびパターンを促進できる。所望の肌感、最初のノズルの詰まり、および良好な濃度安定性を得るため、揮発性シリコーンオイルに対するアルコールの比は、1.0、1.35または1.5より大きいのが好ましい。揮発性シリコーンオイルおよび有機皮膚軟化剤オイルの両方を含む例では、全オイルに対するアルコールの比は、0.90以上が好ましい。特定の例におけるオイルはアルコールおよび制汗活性物質溶液と混和性である。様々なレベルの混和性のが許容できるが、オイルは、アルコールおよび制汗活性物質溶液と充分に混和性があり、透明な外観を有する濃縮物を得ることが好ましい。
【0320】
制汗剤組成物は、上記残渣マスキング剤および噴霧剤も含むことができる。
【0321】
追加の消費者製品成分/補助材
【0322】
本発明の目的には必須ではないが、以後例示する消費者製品成分/補助剤の非限定的リストは本組成物用途に好適であり、例えば、クリーニング性能を支援もしくは促進するため、クリーニングされる基材の処理のため、または香料、着色料、染料等を含む場合に組成物の美しさを修飾するために、本発明の特定の態様に望ましく組み入れられ得る。これらの付加的成分の正確な性質、およびその混合レベルは、組成物の物理的形態および使用するべきファブリック処理の性質に依存するだろう。
【0323】
適切な補助材としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料移動防止剤、分散剤、酵素、および酵素安定剤、触媒物質、漂白活性剤、過酸化水素、過酸化水素源、予め生成した過酸、ポリマー性分散剤、粘土土壌除去/再付着防止剤、光沢剤、石ケン泡抑制剤、染料、色相染料、香料、香料送達系、構造弾性剤、担体、ストラクチュラント、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、顔料および/またはファブリック柔軟仕上げ剤活性物質および洗剤と相溶性のある衣料柔軟仕上げ剤、抗菌剤、抗微生物剤、および抗真菌剤が挙げられるが、これに限定されない。
【0324】
上記のように、補助成分は本出願者の組成物に必須ではない。従って、本出願者の組成物の特定の態様は、1つ以上の以下の補助材を含有しない:界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料移動防止剤、分散剤、酵素、および酵素安定剤、触媒物質、漂白活性剤、過酸化水素、過酸化水素源、予め生成した過酸、ポリマー性分散剤、粘土土壌除去/再付着防止剤、光沢剤、石ケン泡抑制剤、染料、色相染料、香料、香料送達系、構造弾性剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、顔料および/またはファブリック柔軟仕上げ剤活性物質、抗菌/微生物剤。しかしながら、1つ以上の補助剤が存在する場合、このような1つ以上の補助剤は以下に詳しく述べるように存在し得る。
【0325】
レオロジー改質剤−本発明の液体組成物は、レオロジー改質剤を含んでもよい。レオロジー改質剤を、非ポリマー性結晶、ヒドロキシ官能性材料、組成物の水性液体マトリックスに対するせん断減粘特性を付与するポリマー性レオロジー改質剤から成る群から選択してもよい。1つの態様では、このようなレオロジー改質剤は、水性液体組成物に、1〜7000cpsの20sec−1(1/秒)のせん断速度および21℃における高せん断粘性、、1000cpsより大きい、またはさらに1000cps〜200,000cpsの低せん断(21℃において0.5sec−1のせん断速度)における粘性を付与する。1つの態様では、クリーニングおよび処理組成物のため、このようなレオロジー改質剤は、水性液体組成物に、50〜3000cpsの20sec−1(1/秒)および21℃における高せん断粘性、1000cpsより大きい、またはさらに1000cps〜200,000cpsの低せん断(21℃において0.5sec−1のせん断速度)における粘性を付与する。本発明に記載の粘性を、40mmのプレート径および500μmのギャップサイズを有するプレートスチールスピンドルを備えたTAインスツルメンツ社のAR2000レオメータを用いて測定する。20sec−1における高せん断粘性および0.5sec−1における低せん断粘性を、21℃において3分の時間で0.1sec−1〜25sec−1の対数せん断速度掃引から得ることができる。結晶ヒドロキシ官能性材料は、マトリックス中のインサイツ結晶化の際に組成物マトリックスの全体にわたって糸状構造化系を形成するレオロジー改質剤である。ポリマー性レオロジー改質剤は、ポリアクリレート、ポリマー性ゴム、他の非ゴム多糖、およびこれらのポリマー材料の組合せから好適に選択される。概して、レオロジー改質剤は、本明細書の組成物の、0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.05重量%〜0.75重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.5重量%であるだろう。
【0326】
本発明の組成物に特に有用な構造化剤は、インサイツでマトリックス内で結晶化する場合に液体マトリックス全体にわたって糸状構造化系を形成できる非ポリマー性(従来のアルコキシル化を除く)結晶ヒドロキシ官能性材料を含み得る。このような材料は、概して、結晶性ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪エステルまたは脂肪ワックスとして特徴付けられる。1つの態様では、レオロジー改質剤は、結晶性ヒドロキシル含有レオロジー改質剤を含み、ヒマシ油およびその誘導体を含む。1つの態様では、レオロジー改質剤は、水素化ヒマシ油および水素化キャスターワックスなどの水素化ヒマシ油誘導体を含む。市販のヒマシ油系結晶性ヒドロキシル含有レオロジー改質剤としては、レオックス社(現エレメンティス社)のTHIXCIN(商標)が挙げられる。
【0327】
前述の非ポリマー性結晶性ヒドロキシル含有レオロジー改質剤に加えて、他のタイプのレオロジー改質剤を、本明細書の液体洗剤組成物に利用してもよい。水性液体マトリックスにせん断減粘特性を付与するポリマー性材料を使用してもよい。適切なポリマー性レオロジー改質剤としては、ポリアクリレート、多糖または多糖誘導体タイプのものが挙げられる。レオロジー改質剤として通常使用される多糖誘導体はポリマーゴム材料を含んでなる。このようなゴム類としては、ペクチン、アルギン酸塩、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラゲナン、ジェランガム、キサンタンガムおよびグアーガムが挙げられる。本明細書でポリマー性レオロジー改質剤を使用する場合、このタイプの好ましい材料はジェランガムである。ジェランガムは、グラム陰性細菌ATCC31461の発酵により製造されるヘテロ多糖である。ジェランガムは、商品名KELCOGELとして、シーピー・ケルコ・ユーエス社により市販されている。
【0328】
さらなる代替品および適切なレオロジー改質剤としては、溶媒およびポリカルボキシレートポリマーの組合せが挙げられる。より詳細には、溶媒はアルキレングリコールであってよい。1つの態様では、溶媒はジプロピレングリコールを含み得る。1つの態様では、ポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレートまたはその混合物を含み得る。1つの態様では、溶媒は、組成物総重量に対して、組成物の0.5%〜15%、または2%〜9%のレベルで存在し得る。1つの態様では、ポリカルボキシレートポリマーは、組成物総重量に対して、0.1%〜10%、または2%〜5%のレベルで存在し得る。1つの態様では、溶媒成分は、ジプロピレングリコールおよび1,2−プロパンジオールの混合物を含み得る。1つの態様では、1,2−プロパンジオールに対するジプロピレングリコールの比は、3:1〜1:3またはさらに1:1であり得る。1つの態様では、ポリアクリレートは、不飽和一炭酸または二炭酸と(メタ)アクリル酸のC〜C30アルキルエステルとの共重合体を含み得る。別の態様では、レオロジー改質剤は、不飽和一炭酸または二炭酸のポリアクリレートおよび(メタ)アクリル酸のC〜C30アルキルエステルを含み得る。このような共重合体は、商品名Carbopol Aqua 30(登録商標)として、ノベオン社から入手可能である。
【0329】
レオロジー改質剤の非存在下および液体組成物に所望のせん断減粘特性を付与するため、液体組成物を、界面活性剤相化学またはゲル相により内部的に構造化できる。
【0330】
色相染料−液体洗濯洗剤組成物は色相染料を含んでもよい。本洗濯ケア組成物に使用する色相染料は、ポリマー性もしくは非ポリマー性、有機もしくは無機顔料、またはその混合物を含んでもよい。好ましくは、色相染料は、発色団構成要素およびポリマー構成要素を含んでなるポリマー染料を含んでなる。発色団構成要素は、光に暴露した際に青、赤、青紫、紫、またはその組合せの波長範囲の光を吸収することにより特徴付けられる。1つの態様では、発色団構成要素は、水および/またはメタノール中、約520ナノメートル〜約640ナノメートル、別の態様では、水および/またはメタノール中、約560ナノメートル〜約610ナノメートルの最大吸収スペクトルを示す。
【0331】
いずれもの適切な発色団を使用してもようが、染料発色団は、ベンゾジフラン、メチン、トリフェニルメタン、ナフタルイミド、ピラゾール、ナフトキノン、アントラキノン、アゾ、オキサジン、アジン、キサンテン、トリフェノジオキサジンおよびフタロシアニン染料発色団から好適に選択される。モノおよびジアゾ染料発色団が好ましい。
【0332】
色相染料は、1つ以上の少なくとも3つの連続反復単位と共有結合した発色団を含んでなる染料ポリマーを含んでもよい。反復単位自体は発色団を含む必要はないことを理解すべきである。染料ポリマーは、少なくとも5、または少なくとも10、またはさらに少なくとも20の連続反復単位を含んでもよい。反復単位を、オキシアルキレンオキシおよびポリオキシアルキレンオキシと組み合わせてフェニルジカルボキシレートなどの有機エステルから誘導できる。反復単位を、アルケン、エポキシド、アジリジン、ヒドロキシアルキルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;ヒドロキシブチルセルロース;およびヒドロキシブチルメチルセルロースまたはその混合物などの修飾セルロースを含んでなる単位を含む炭水化物から誘導できる。反復単位は、アルケン、もしくはエポキシドまたはその混合物から誘導してもよい。反復単位は、時々、アルコキシ基と呼ばれるC〜Cアルキレンオキシ基であってもよく、好ましくはC〜Cアルキレンオキシドから誘導してもよい。反復単位は、C〜Cアルコキシ基、好ましくはエトキシ基であってもよい。本発明の目的のため、少なくとも3つの連続反復単位がポリマー構成要素を形成する。ポリマー構成要素は、直接的でも連結基により間接的でも、発色基と共有結合してもよい。適切なポリマー構成要素の例としては、複数の反復単位を有するポリオキシアルキレン鎖が挙げられる。1つの態様では、ポリマー構成要素は、2〜約30の反復単位、2〜約20の反復単位、2〜約10の反復単位、または約3もしくは4〜約6の反復単位を有するポリオキシアルキレン鎖を含む。ポリオキシアルキレン鎖の非限定的な例としては、酸化エチレン、酸化プロピレン、グリシドールオキシド、酸化ブチレンおよびその混合物が挙げられる。
【0333】
界面活性剤−本発明に記載の組成物は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤およびその混合物から選択できる界面活性剤または界面活性剤系を含んでもよい。界面活性剤は、通常、対象の組成物の重量に対して、約0.1%〜約60%、約1%〜約50%またはさらに約5%〜約40%のレベルで存在する。
【0334】
キレート剤−本明細書の組成物は、キレート剤を含んでもよい。適切なキレート剤はとしては、銅および/またはマンガンキレート剤およびその混合物が挙げられる。キレート剤を使用する場合、組成物は、対象の組成物の重量に対して、約0.1%〜約15%またはさらに約3.0%〜約10%のキレート剤を含んでもよい。
【0335】
染料移動防止剤−本発明の組成物は、1つ以上の染料移動防止剤を含んでもよい。適切なポリマー性染料移動防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとの共重合体、ポリビニルオキサゾリドンおよびポリビニルイミダゾールまたはその混合物が挙げられるが、これに限定されない。対象の組成物中に存在する場合、染料移動防止剤は、組成物の重量に対して、約0.0001%〜約10%、約0.01%〜約5%またはさらに約0.1%〜約3%のレベルで存在してもよい。
【0336】
分散剤−本発明の組成物は、分散剤も含むことができる。適切な水溶性有機材料としては、ポリカルボン酸が2個以下の炭素原子により互いに分離した少なくとも2つのカルボキシルラジカルを含んでなるホモポリマーもしくは共重合体の酸またはその塩が挙げられる。
【0337】
香料−消費者製品は、整った形態または送達系のどちらかで、3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチル プロパナール、3−(4−t−ブチルフェニル)−プロパナール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−メチルプロパナール、および2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、α−ダマスコン、β−ダマスコン、Δ−ダマスコン、γ−ダマセノン、6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン、メチル−7,3−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセニル−1−イル)プロピル]シクロペンタン−2−オン、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、およびβ−ジヒドロイオノン、リナロオール、エチルリナロオール、テトラヒドロリナロオール、およびジヒドロジヒドロミルセノールなどの香料から成る群から選択される香料原料を含んでもよい。
【0338】
付加的香料送達技術−本発明の組成物は、処理基材から香料成分の付着および放出を安定化および促進する1つ以上の香料送達技術を含んでもよい。このような香料送達技術を、処理基材からの香料放出の期間を増長するためにも使用できる。香料送達技術、特定の香料送達技術の性オズ方法およびこのような香料送達技術の使用は、米国特許公開第2007/0275866(A1)号に開示されている。
【0339】
1つの態様では、本発明の組成物は、香料送達技術の重量に対して、約0.001%〜約20%、好ましくは約0.01%〜約10%、より好ましくは約0.05%〜約5%、最も好ましくは約0.1%〜約0.5%を含み得る。1つの態様では、前記香料送達技術を、副香料(pro-perfumes)、ポリマー粒子、機能化シリコーン、ポリマー支援送達、分子支援送達、繊維支援送達、アミン支援送達、シクロデキストリン、デンプンカプセル化アコード(starch encapsulated accord)、ゼオライトおよび無機担体、付加的香料マイクロカプセル、ならびにその混合物から成る群から選択してもよい。
【0340】
1つの態様では、前記香料送達技術は、有益剤を壁材料で少なくとも部分的に囲むことにより形成される付加的香料マイクロカプセルなどの付加的カプセル化香料を含んでもよい。前記有益剤としては、3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチル プロパナール、3−(4−t−ブチルフェニル)−プロパナール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−メチルプロパナール、および2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、α−ダマスコン、β−ダマスコン、Δ−ダマスコン、γ−ダマセノン、6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン、メチル−7,3−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセニル−1−イル)プロピル]シクロペンタン−2−オン、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、およびβ−ジヒドロイオノン、リナロオール、エチルリナロオール、テトラヒドロリナロオール、およびジヒドロジヒドロミルセノールなどの香料から成る群から選択される材料が挙げられ得る。適切な香料材料を、米国ニュージャージー州マウントオリブのジボダン社、米国ニュージャージー州サウス・ブランズウィックのインターナショナル・フレーバーズ・アンド・フレグランシーズ社、またはオランダ、ナールデンのクエスト社から得ることができる。1つの態様では、マイクロカプセル壁材料は、メラミン、ポリアクリルアミド、シリコーン、シリカ、ポリスチレン、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ゼラチン、スチレンリンゴ酸無水物、ポリアミド、およびその混合物を含み得る。1つの態様では、前記メラミン壁材料は、ホルムアルデヒド架橋メラミン、ホルムアルデヒド架橋メラミン−ジメトキシエタノール、およびその混合物を含み得る。1つの態様では、前記ポリスチレン壁材料は、ジビニルベンゼン架橋ポリスチレン(polyestyrene)を含み得る。1つの態様では、前記ポリウレア壁材料は、ホルムアルデヒド架橋尿素、グルタルアルデヒド(gluteraldehyde)架橋尿素、およびその混合物を含み得る。1つの態様では、前記ポリアクリレート系材料は、メタクリル酸メチル/メタクリル酸ジメチルアミノメチルから形成されるポリアクリレート、アミンアクリレートおよび/またはメタクリレートおよび強酸から形成されるポリアクリレート、カルボン酸アクリレートおよび/またはメタクリレートモノマーおよび強塩基から形成されるポリアクリレート、アミンアクリレートおよび/またはメタクリレートモノマーおよびカルボン酸アクリレートおよび/またはカルボン酸メタクリレートモノマーから形成されるポリアクリレートを含み得る。1つの態様では、香料マイクロカプセルを、付着助剤(deposition aid)、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、またはその混合物でコーティングし得る。適切なポリマーを、ポリビニルホルムアルデヒド、部分的水素化ポリビニルホルムアルデヒド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、およびその組合せから成る群から選択してもよい。1つの態様では、マイクロカプセルは、香料マイクロカプセルであり得る。1つの態様では、1つ以上のタイプのマイクロカプセル、例えば、異なる有益剤を含む2つのマイクロカプセルタイプを使用し得る。
【0341】
1つの態様では、前記香料送達技術は、アミン反応生成物(ARP)またはチオ反応生成物を含み得る。アミンおよび/またはチオール官能性が1つ以上のPRMと前反応して反応生成物を形成する「反応性」ポリマーアミンおよび/またはポリマーチオールも使用し得る。通常、反応性アミンは、第一級および/または第二級アミンであり、ポリマーまたはモノマー(非ポリマー)の部分であり得る。このようなARPを、追加のPRMと混合して、ポリマー支援送達および/またはアミン支援送達の利益を得てもよい。ポリマーアミンの非限定的な例としては、ポリエチレンイミン(PEI)、またはポリビニルアミン(PVAm)などのポリアルキルイミンベースのポリマーが挙げられる。モノマー(非ポリマー)アミンの非限定的な例としては、2−アミノエタノールおよびそのアルキル置換誘導体、およびアントラニル酸塩などの芳香アミンが挙げられる。ARPを香料とプレミックスしてもよく、またはリーブオンまたはリンスオフ応用で別々に添加してもよい。別の態様では、窒素および/または硫黄以外のヘテロ原子、例えば、酸素、リンもしくはセレンを含有する材料を、アミン化合物に代替物として使用し得る。さらに別の態様では、前述の代替化合物をアミン化合物と組み合わせて使用できる。さらに別の態様では、1つの分子は、アミン部分および1つ以上の代替ヘテロ原子部分、例えば、チオールおよびセレノールを含み得る。利益は香料送達の改良ならびに香料放出制御を含み得る。適切なARPならびにその製造方法は、米国特許公開第2005/0003980(A1)号および米国特許第6,413,920(B1)号に見ることができる。
【0342】
適切なファブリック柔軟仕上げ活性物質
【0343】
本明細書に開示の液体ファブリックエンハンサー組成物は、ファブリック柔軟仕上げ活性物質(「FSA])を含んでなる。適切なファブリック柔軟仕上げ活性物質としては、第四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、粘土、多糖、脂肪酸、ソフニングオイル、ポリマーラテックスおよびその混合物から成る群から選択される材料が挙げられるがこれに限定されない。
【0344】
水溶性ファブリックケア有益剤の非限定的な例としては、分散性ポリエチレンおよびポリマーラテックスが挙げられる。これらの薬剤は、エマルジョン、ラテックス、分散液、懸濁液等の形態であり得る。1つの態様では、これらは、エマルジョンまたはラテックスの形態である。分散性ポリエチレンおよびポリマーラテックスは、これに限定されないが、約1nm(ナノメートル)〜約100μm;あるいは約10nm〜約10μmを含む広い範囲の粒径(X50)を有することができる。それ自体として、分散性ポリエチレンおよびポリマーラテックスの粒径は、概して、シリコーンまたは他の脂肪オイルより小さいが、これに限定されない。
【0345】
概して、ポリマーラテックスのポリマーエマルジョンの製造または乳化重合に適切ないずれもの界面活性剤を使用して、本発明の水不溶性ファブリックケア有益剤を製造できる。適切な界面活性剤は、ポリマーエマルジョンおよびラテックス用乳化剤、ポリマー分散用分散剤およびポリマー懸濁用懸濁剤から成る。適切な界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、および非イオン性界面活性剤、またはその組合せが挙げられる。1つの態様だ、このような界面活性剤は非イオン性および/またはアニオン性界面活性剤である。1つの態様では、水不溶性ファブリックケア有益剤中、ポリマーに対する界面活性剤の比は、それぞれ、約1:100〜1:2、あるいは約1:50〜約1:5である。適切な水不溶性ファブリックケア有益剤としては、下記の例が挙げられるが、これに限定されない。
【0346】
クウォット−適切なクウォットとしては、エステルクウォット、アミドクウォット、イミダゾリンクウォット、アルキルクウォット、アミドエステルクウォットおよびその混合物から成る群から選択される材料が挙げられるが、これに限定されない。適切なエステルクウォットとしては、モノエステルクウォット、ジエステルクウォット、トリエステルクウォットおよびその混合物から成る群から選択される材料が挙げられるが、これに限定されない。1つの態様では、適切なエステルクウォットは、1.85〜1.99のアミン部分に対する脂肪酸部分のモル比、16〜18個の炭素原子の脂肪酸部分の平均鎖長および0〜140、好ましくは5〜100、より好ましくは10〜80、さらにより好ましくは15〜70、さらにより好ましくは18〜55、最も好ましくは18〜25のヨウ素価を有するビス(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアンモニウムメチルサルフェート脂肪酸エステルである。軟質タロウ第四級アンモニウム化合物軟化剤を使用する場合、最も好ましい範囲は25〜60である。1つの態様では、ビス(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアンモニウムメチルサルフェート脂肪酸エステルの不飽和脂肪酸部分の二重結合のシス−トランス比は、それぞれ、55:45〜75:25である。適切なアミドクウォットとしては、モノアミドクウォット、ジアミドクウォットおよびその混合物から成る群から選択される材料が挙げられるが、これに限定されない。適切なアルキルクウォットとしては、モノアルキルクウォット、ジアルキルクウォット、トリアルキルクウォット、テトラアルキルクウォットおよびその混合物から成る群から選択される材料が挙げられるが、これに限定されない。
【0347】
アミン−適切なアミンとしては、アミドエステルアミン、アミドアミン、イミダゾリンアミン、アルキルアミン、アミドエステルアミンおよびその混合物から成る群から選択される材料が挙げられるが、これに限定されない。適切なエステルアミンとしては、モノエステルアミン、ジエステルアミン、トリエステルアミンおよびその混合物から成る群から選択される材料が挙げられるが、これに限定されない。適切なアミドクウォットとしては、モノアミドアミン、ジアミドアミンおよびその混合物から成る群から選択される材料が挙げられるが、これに限定されない。適切なアルキルアミンとしては、モノアルキルアミン、ジアルキルアミンクウォット、トリアルキルアミン、およびその混合物から成る群から選択される材料が挙げられるが、これに限定されない。
【0348】
シリコーン−1つの実施形態では、ファブリック柔軟仕上げ組成物はシリコーンを含んでなる。シリコーンの適切なレベルは、組成物の重量に対して、約0.1%〜約70、あるいは約0.3〜約40、あるいは約0.5%〜約30%、あるいは約1%〜約20%であり得る。有用なシリコーンは、いずれものシリコーンを含む化合物であり得る。1つの実施形態では、シリコーンポリマーは、環状シリコーン、ポリジメチルシロキサン、アミノシリコーン、カチオン性シリコーン、シリコーンポリエーテル、シリコーン樹脂、シリコーンウレタン、およびその混合物から成る群から選択される。1つの実施形態では、シリコーンは、ポリジアルキルシリコーン、あるいは、ポリジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサンまたは「PDMS」)、またはその誘導体である。別の実施形態では、シリコーンは、アミノ官能性シリコーン、アミノポリエーテルシリコーン、アルコキシル化シリコーン、カチオン性シリコーン、エトキシル化シリコーン、プロポキシル化シリコーン、エトキシル化/ピロポキシル化シリコーン、第四級シリコーン、またはその組合せから選択される。
【0349】
別の実施形態では、シリコーンを次式のランダムまたはブロック有機シリコーンポリマーから選択してもよい。
[RSiO1/2(j+2)[(RSi(X−Z)O2/2[RSiO2/2[RSiO3/2
式中:
【0350】
jは、0〜約98の整数であり;1つの態様では、jは0〜約48の整数であり;1つの態様では、jは0である。
【0351】
kは、0〜約200の背数であり;1つの態様では、kは0〜約50の整数であり;k=0の場合、R、RまたはRの少なくとも1つは−X−Zである。
【0352】
mは、4〜約5,000の整数であり;1つの態様では、mは10〜約4,000の整数であり;別の態様では、mは約50〜約2,000である。
【0353】
、RおよびRは各々、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32またはC〜C32アリール、C〜C32またはC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシおよびX−Zから成る群から独立して選択される。
【0354】
各Rは、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32またはC〜C32アリール、C〜C32またはC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシおよびC〜C32置換アルコキシから成る群から独立して選択さる。
【0355】
前記アルキルシロキサンポリマーの各Xは、2個〜12個の炭素原子を含む置換または非置換二価アルキレンラジカルを含んでなり、1つの態様では、各二価アルキレンラジカルは、−(CH−から成る群から独立して選択され、式中、sは約2〜約8、約2〜約4の整数であり;1つの態様では、前記アルキルシロキサンポリマーの各Xは下式のものから成る群から選択される置換二価アルキレンラジカルを含んでなり:−CH−CH(OH)−CH−;−CH−CH−CH(OH)−;
【化7】
【0356】
各Zは、
【化8】
から成る群から独立して選択され、但し、Zがクウォットである場合、Qはアミドもイミンも尿素部分にもなれず、Qがアミド、イミン、または尿素部分である場合、前記アミド、イミン、または尿素部分と同じ窒素と結合したいずれもの追加のQはHまたはC〜Cアルキルでなければならない。
【0357】
1つの態様では、前記追加のQはHである。Zについて、An−は適切な荷電平衡アニオンである。1つの態様では、An−は、Cl、Br、I、メチル硫酸イオン、トルエン硫酸イオン、カルボン酸イオンおよびリン酸イオンから成る群から選択され;前記有機シリコーンの少なくとも1つのQは、
−CH−CH(OH)−CH−R
【化9】

から独立して選択され、前記有機シリコーンの各追加のQは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32またはC〜C32アリール、C〜C32またはC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、CH−CH(OH)−CH−R
【化10】
から成る群から独立して選択される。
【0358】
式中、各Rは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32またはC〜C32アリール、C〜C32またはC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、−(CHR−CHR−O−)−Lおよびシロキシル残基から成る群から独立して選択される。
【0359】
各Rは、H、C〜C18アルキルから独立して選択される。
【0360】
各Lは、−C(O)−RまたはRから独立して選択される。
【0361】
wは、0〜約500の整数であり;1つの態様では、wは約1〜約200の整数であり;1つの態様では、wは約1〜約50である。
【0362】
各Rは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32またはC〜C32アリール、C〜C32またはC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリールおよびシロキシル残基から成る群から独立して選択される。
【0363】
各Tは、H、および
【化11】
から独立して選択される。
【0364】
式中、前記有機シリコーンの各vは、1〜10の整数であり、1つの態様では、vは1〜約5の整数であり、かつ、前記有機シリコーンの各Qの全v指数の合計は1〜約30または1〜約20またはさらに1〜約10の整数である。
【0365】
別の実施形態では、シリコーンを次式のランダムまたはブロック有機シリコーンポリマーから選択してもよい。
[RSiO1/2(j+2)[(RSi(X−Z)O2/2[RSiO2/2[RSiO3/2
【0366】
式中、
【0367】
jは、0〜約98の整数であり;1つの態様では、jは0〜約48の整数であり;1つの態様では、jは0である。
【0368】
kは、0〜約200の背数であり;k=0の場合、R、RまたはRの少なくとも1つは−X−Zであり;1つの態様では、kは0〜約50の整数である。
【0369】
mは、4〜約5,000の整数であり;1つの態様では、mは10〜約4,000の整数であり;別の態様では、mは約50〜約2,000である。
【0370】
、RおよびRは各々、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32またはC〜C32アリール、C〜C32またはC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシおよびX−Zから成る群から独立して選択される。
【0371】
各Rは、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32またはC〜C32アリール、C〜C32またはC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシおよびC〜C32置換アルコキシから成る群から独立して選択される。
【0372】
各Xは、2個〜12個の炭素原子を含む置換または非置換二価アルキレンラジカルから成り;1つの態様では、各Xは、−(CH−O−;−CH−CH(OH)−CH−O−;
【化12】
から独立して選択され、
式中各sは、独立して約2〜約8の整数であり;1つの態様では、sは約2〜約4の整数である。
【0373】
前記有機シロキサンの少なくとも1つのZは、R
【化13】
から成る群から選択され、但し、Xが、
【化14】
である場合、Z=−ORまたは
【化15】
【0374】
式中、Aは適切な電荷平衡アニオンである。1つの態様では、AはCl、Br、I、メチル硫酸イオン、トルエン硫酸イオン、カルボン酸イオンおよびリン酸イオンから成る群から選択され、前記有機シリコーンの各追加のZは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32またはC〜C32アリール、C〜C32またはC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、R
【化16】
から成る群から独立して選択され、但し、Xが、
【化17】
である場合、Z=−ORまたは
【化18】
【0375】
各Rは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32またはC〜C32アリール、C〜C32またはC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、またはC〜C32置換アルキルアリール、−(CHR−CHR−O−)−CHR−CHR−Lおよびシロキシル残基から成る群から独立して選択され、式中、各Lは−O−C(O)−Rまたは−O−R
【化19】
から独立して選択される。
【0376】
wは、0〜約500の整数であり;1つの態様では、wは0〜約200の整数であり;1つの態様では、wは0〜約50である。
【0377】
各Rは、H、C〜C18アルキルから独立して選択される。
【0378】
各Rは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32またはC〜C32アリール、C〜C32またはC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、およびC〜C32置換アリール、およびシロキシル残基から成る群から独立して選択される。
【0379】
各Tは、H;
【化20】
から独立して選択される。
【0380】
式中、前記有機シリコーンの各vは、1〜10の整数であり、1つの態様では、vは1〜約5の整数であり、かつ、前記有機シリコーンの各Zの全v指数の合計は1〜約30または1〜約20またはさらに1〜約10の整数である。
【0381】
1つの実施形態では、シリコーンは、比較的高分子量のものである。シリコーンの分子量を記載する適切な方法としては、その粘度を記載することが挙げられる。高分子量シリコーンは、約10cSt(センチストークス)〜約3,000,000cSt、または約100cSt〜約1,000,000cSt、または約1,000cSt〜約600,000cSt、またはさらに約6,000〜約300,000cStの粘度を有するものである。
【0382】
1つの実施形態では、シリコーンは、次式のブロックカチオン性有機ポリシロキサンを含む:

式中:
【0383】
M=[SiR1/2]、[SiR1/2]、[SiR1/2]、[SiG1/2]、またはその組合せ。
【0384】
D=[SiR2/2]、[SiR2/2]、[SiG2/2]、またはその組合せ。
【0385】
T=[SiR3/2]、[SiG3/2]、またはその組合せ。
【0386】
Q=[SiO4/2];
【0387】
wは、1〜(2+y;2z)の整数である。
【0388】
xは、5〜15,000の整数である。
【0389】
yは、0〜98の整数である。
【0390】
zは、0〜98の整数である。
【0391】
、RおよびRは各々、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32またはC〜C32アリール、C〜C32またはC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシ、C〜C32アルキルアミノ、およびC〜C32置換アルキルアミノから成る群から独立して選択され;
【0392】
M、D、またはTの少なくとも1つは、少なくとも1つの部分G、GまたはGを含み;G、G、およびGは各々、次式:
【化21】
から独立して選択される。
式中:
【0393】
Xは、C〜C32アルキレン、C〜C32置換アルキレン、C〜C32またはC〜C32アリーレン、C〜C32またはC〜C32置換アリーレン、C〜C32アリールアルキレン、C〜C32置換アリールアルキレン、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシ、C〜C32アルキレンアミノ、C〜C32置換アルキレンアミノ、開環エポキシド、および開環グリシジルから成る群から選択される二価ラジカルを含むが、但し、Xが反復アルキレンオキシド部分を含まない場合、XはP、NおよびOから成る群から選択されるヘテロ原子をさらに含む。
【0394】
各Rは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32またはC〜C32アリール、C〜C32またはC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、およびC〜C32置換アルキルアリールから成る群から選択される同じまたは異なる一価ラジカルを含む。
【0395】
Eは、C〜C32アルキレン、C〜C32置換アルキレン、C〜C32またはC〜C32アリーレン、C〜C32またはC〜C32置換アリーレン、C〜C32アリールアルキレン、C〜C32置換アリールアルキレン、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシ、C〜C32アルキレンアミノ、C〜C32置換アルキレンアミノ、開環エポキシド、および開環グリシジルから成る群から選択される二価ラジカルを含むが、但し、Eが反復アルキレンオキシド部分を含まない場合、EはP、NおよびOから成る群から選択されるヘテロ原子をさらに含む。
【0396】
E’は、C〜C32アルキレン、C〜C32置換アルキレン、C〜C32またはC〜C32アリーレン、C〜C32またはC〜C32置換アリーレン、C〜C32アリールアルキレン、C〜C32置換アリールアルキレン、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシ、C〜C32アルキレンアミノ、C〜C32置換アルキレンアミノ、開環エポキシド、および開環グリシジルから成る群から選択される二価ラジカルを含むが、但し、E’が反復アルキレンオキシド部分を含まない場合、E’はP、NおよびOから成る群から選択されるヘテロ原子をさらに含む。
【0397】
pは、1〜50から独立して選択される整数である。
【0398】
nは、1または2から独立して選択される整数である。
【0399】
、G、またはGの少なくとも1つが正電荷である場合、A−tは、電荷平衡アニオンまたはアニオンの全電荷kが部分G、G、またはGの正味荷電に等しくかつ反対であるような適切な電荷平衡アニオンまたはアニオンであり;tは1、2、または3から独立して選択される整数であり;k≦(p*2/t)+1:カチオン電荷の全数は有機ポリシロキサン分子のアニオン電荷の全数とバランスが取れている。
【0400】
および少なくとも1つのEは、エチレン部分を含まない。
【0401】
フレッシュニング組成物のための特に好ましい補助剤
【0402】
緩衝剤−本発明のフレッシュニング組成物としては、カルボン酸、またはマレイン酸などのジカルボン酸またはクエン酸もしくはポリアクリル酸などの多塩基酸であってもよい緩衝剤を挙げられ得る。酸は立体的に安定であり、所望のpHを維持するためにこの組成物中で使用し得る。緩衝剤はトリエタノールアミンなどの塩基、またはクエン酸ナトリウムなどの有機酸塩も含んでもよい。
【0403】
フレッシュニング組成物は、約3〜約8、あるいは約4〜約7、あるいは約5〜約8、あるいは約6〜約8、あるいは約6〜約7、あるいは約7、あるいは約6.5のpHを有し得る。クエン酸などのカルボン酸は、金属イオンキレート剤として作用し得るが、難水溶性である金属塩を形成し得る。それとして、いくつかの実施形態では、フレッシュニング組成物は、クエン酸を本質的に含有しない。 緩衝剤はアルカリ性、酸性または中性であり得る。
【0404】
本発明のフレッシュニング組成物のための他の適切な緩衝剤としては、生理的緩衝剤が挙げられる。いくつかの例は、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)またはN−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)などの窒素含有材料のスルホン酸緩衝剤であり、これはほぼ中性6.2〜7.5pKaを有し、中性pHにおいて充分な緩衝能力を得る。他の例は、リシンなどのアミノ酸またはモノ、ジ、およびトリエタノールアミンなどの低級アルコールアミンである。他の窒素含有緩衝剤は、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン(HOCH2)3CNH3(トリス)、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパノール、グルタミン酸二ナトリウム、N−メチルジエタノールアミド、2−ジメチルアミノ−2−メチルプロパノール(DMAMP)、1,3−ビス(メチルアミン)シクロヘキサン、1,3−ジアミノプロパノール、N,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(ビシン)およびN−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(トリシン)である。上記のいずれかの混合物も許容できる。
【0405】
フレッシュニング組成物は、組成物の重量に対して、少なくとも約0%、あるいは少なくとも約0.001%、あるいは少なくとも約0.01%の緩衝剤を含有し得る。組成物は、組成物の重量に対して、約1%以下、あるいは約0.75%以下、あるいは約0.5%以下の緩衝剤も含有してもよい。
【0406】
可溶化剤−本発明のフレッシュニング組成物は、組成物中に容易に溶解しない、いずれもの過剰に疎水性の有機材料、特に、本発明のいくつかの消臭材、香料材料、および組成物に添加できる必要により使用する成分(例えば、虫除け材、抗酸化剤、他)を可溶化して、クリアで半透明溶液を形成するための可溶化助剤を含有してもよい。適切な可溶化助剤は、泡のでない、または泡の少ない界面活性剤などの界面活性剤である。適切な界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、およびその混合物である。
【0407】
いくつかの実施形態では、フレッシュニング組成物は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、およびその混合物を含有する。1つの実施形態では、フレッシュニング組成物は、エトキシル化水素化ヒマシ油を含有する。本組成物で使用し得る1つのタイプの適切な水素化ヒマシ油は、BASF社から入手可能なBasophor(商標)として固体である。
【0408】
アニオン性界面活性剤および/または洗剤界面活性剤を含有するフレッシュニング組成物は、布を、汚すこと(soiling)および/または布から溶液の蒸発堆積物として布上に残った許容できない見える汚れの影響を受けやすくし得る。 いくつかの実施形態では、フレッシュニング組成物は、アニオン性界面活性剤および/または洗剤界面活性剤を含有しない。
【0409】
可溶化剤が存在する場合、フレッシュニング組成物の重量に対して、約0.01%〜約3%、あるいは約0.05%〜約1%、あるいは約0.01%〜約0.05%のレベルで通常存在する。
【0410】
抗菌化合物−本発明のフレッシュニング組成物は、空気中または無生物表面上の微生物を減少させる有効量を含有してもよい。このような抗菌化合物は、グラム陰性菌およびグラム陽性菌ならびにソファー、枕、ペットのベッド、およびカーペットなどのヒト肌またはペットと接触した室内の表面上で通常見つかる真菌に有効である。このような微生物種としては、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、サルモネラ・コレレスイス(Salmonella choleraesuis)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、トリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、およびシュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)が挙げられる。いくつかの実施形態では、抗菌化合物は、H1−N1、ライノウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ポリオウイルス1型、ロタウイルス、A型インフルエンザウイルス、単純ヘルペスウイルス1型および2型、A型肝炎ウイルスおよびヒトコロナウイルスなどのウイルスにも有効である。
【0411】
本発明のフレッシュニング組成物に適切な抗菌化合物は、布の外観に損傷(例えば、変色、黄化などの着色、脱色)を与える原因とならないいずれもの有機材料であり得る。水溶性高金化合物としては、有機硫黄化合物、ハロゲン化化合物、環式有機窒素化合物、低分子量アルデヒド、第四級化合物、デヒドロ酢酸、フェニルおよびフェノキシ化合物、またはその混合物が挙げられる。
【0412】
1つの実施形態では、第四級化合物を使用する。フレッシュニング組成物で使用するのに適切な市販第四級化合物の例は、ロンザ社から入手可能なBarquat;およびロンザ社の商品名Bardac(登録商標)2250であるジデシルジメチルアンモニウムクロリドクウォットである。
【0413】
抗菌化合物は、フレッシュニング組成物の重量に対して、約500ppm〜約7000ppm、あるいは約1000ppm〜約5000ppm、あるいは約1000ppm〜約3000ppm、あるいは約1400ppm〜約2500ppmの量で存在し得る。
【0414】
防腐剤−本発明のフレッシュニング組成物は、防腐剤を含んでもよい。本発明において、防腐剤を、特定の期間、損傷を防止または不注意に加わった微生物の成長を防止するのに充分だが、フレッシュニング組成物の臭気中和性能に寄与するのに充分でない量で含有する。言い換えれば、防腐剤は、微生物により産生された臭気を除去するために組成物を付着する面上の微生物を殺すための抗菌化合物として使用されるものではない。代わりに、組成物のシェルフライフを増長するためにフレッシュニング組成物の損傷を防止するために使用されるものである。
【0415】
防腐剤は、布の外観、例えば、変色、着色、脱色の損傷原因にならないいずれもの有機防腐材料であり得る。適切な水溶性防腐剤としては、有機硫黄化合物、ハロゲン化化合物、環式有機窒素化合物、低分子量アルデヒド、パラベン、プロパンジオール材料、イソチアゾリノン、第四級化合物、安息香酸塩(エステル)、低分子量アルコール、デヒドロ酢酸、フェニルおよびフェノキシ化合物、またはその混合物が挙げられる。本発明で使用するための市販水溶性防腐剤の非限定的な例としては、約77%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび23%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物、ローム・アンド・ハース社の商品名Kathon(登録商標)CGで1.5%水溶液として入手可能な広域抗菌スペクトル防腐剤;ヘンケル社の商品名Bronidox L(登録商標)で入手可能な5−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジオキサン;イノレックス社の商品名Bronopol(登録商標)で入手可能な2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール;通称クロルヘキシジンとして公知の1,1’−ヘキサメチレンビス(5−(p−クロロフェニル)ビグアニド)、およびその塩、例えば、酢酸塩およびジグルコン酸塩;ロンザ社の商品名Glydant Plus(登録商標)で入手可能な1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチル−2,4−イミダゾリジンジオンおよび3−ブチル−2−ヨードプロピニルカルバメートの95:5混合物;サットン(Sutton)ラボラトリーズ社の商品名Germall(登録商標)IIで入手可能で、通称ジアゾリジニル尿素として公知である、[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシメチル)尿素;例えば、3Vシグマ社の商品名Abiol(登録商標)、インデュケム社のUnicide U−13(登録商標)、サットンラボラトリーズ社のGermall 115(登録商標)で入手可能な通称イミダゾリジニル尿素として公知のN,N’’−メチレンビス{N’−[1−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素;ヒュルスアメリカ社の商品名Nuosept(登録商標)Cで入手可能な、ポリメトキシ二環式オキサゾリジン;グルタルアルデヒド;ICIアメリカ社の商品名Cosmocil CQ(登録商標)、またはブルックス社の商品名Mikrokill(登録商標)で入手可能な、ポリアミノプロピルビグアニド;デヒドロ酢酸;およびロームアンドハース社の商品名Koralone(商標)B−119で入手可能な、ベンズイソチアゾリノン(benzsiothiazolinone)が挙げられる。
【0416】
防腐剤の適切なレベルは、フレッシュニング組成物の重量に対して、約0.0001%〜約0.5%、あるいは約0.0002%〜約0.2%、あるいは約0.0003%〜約0.1%である。
【0417】
湿潤剤−フレッシュニング組成物は、組成物をポリエステルおよびナイロンなどの疎水性表面上に容易にかつより均一に拡がるのを可能とする低表面張力を得る湿潤剤を含んでもよい。このような湿潤剤なしでは水溶液は満足に拡がらないことが分かっている。組成物の拡がりは、より早い乾燥も可能とし、処理材料は容易により直ぐ使用できるようになる。さらに、湿潤剤を含有する組成物は、改良された悪臭中和に対してより良好に疎水性油性土壌に浸透し得る。湿潤剤を含有する組成物は、改良された「摩擦」静電気防止も提供し得る。濃縮組成物のため、湿潤剤は、濃縮水性組成物中の抗菌活性物質および香料などの多くの活性物質の分散を促進する。
【0418】
湿潤剤の非限定的な例としては、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合体が挙げられる。適切なブロックポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリマー界面活性剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパンおよび初期反応性水素化合物としてエチレンジアミンをベースとするものが挙げられる。初期化合物をC12〜18脂肪族アルコールなどの1つの反応性水素で連続的にエトキシル化およびプロポキシル化して製造したポリマー化合物は、概して、シクロデキストリンと相溶性がない。ミシガン州ワイアンドットにあるBASF−ワイアンドット社のPluronic(登録商標)およびTetronic(登録商標)という名称の特定のブロックポリマー界面活性剤化合物は容易に入手可能である。このタイプの湿潤剤の非限定的な例は、米国特許第5,714,137号に記載されており、ニューヨーク州オールバニにあるモメンティブ・パフォーマンス・ケミカル社から入手可能なSilwet界面活性剤が挙げられる。例示のSilwet界面活性剤は、表5に示された通りであり、単独またはもう1つと併用して使用してもよい。
【表5】
【0419】
本発明の別の態様では、フレッシュニング布は、その表面外観(しわの減少、着色外観の改良、布形状の改良および回復)などの布の回復である。布の外観を回復する助けとなる補助剤成分は、水溶性または混和性第四級アンモニウム界面活性剤および安定で分離しない組成物を形成するのに必要な界面活性剤、乳化剤、および溶媒と一緒になった水不溶性油性成分から選択される。いくつかの非限定的な好ましい乳化剤は、ソルビタンエステルおよびツイーン(登録商標)20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、Guerbetアルコールなどの分岐界面活性剤またはLutensol(登録商標)XL70(オキシラン、2−メチル−、オキシランとのポリマー、モノ(2−プロピルヘプチル)エーテル、BASF社)などの酸化アルキレン修飾Guergetアルコール)などの酸化アルキレンで修飾したソルビタンエステルである。本発明のこの態様における湿潤剤を有するのは必要に応じて使用すればよいが好ましい。湿潤剤は、スプレー中、成分の拡散および成分の起泡の減少に役立つ。いくつかの好ましい湿潤剤としては、スーパーウェッター として当技術分野で公知の湿潤剤の分類が挙げられる。理論に束縛されるわけではないが、スーパーウェッター は表面を非常に効率的に包み、極度に低い平衡表面張力を得る。このような界面活性剤の非限定的な例としては、Surfynol(登録商標)465およびSurfynols(登録商標)104PG50などのSurfynols(登録商標)(ダウコーニング社)が挙げられる。
【0420】
水溶性または混和性第四級アンモニウム界面活性剤:
【0421】
本発明の組成物中に含まれる水溶性クウォットの最小レベルは、通常、組成物の総重量に対して、少なくとも約0.01重量%、好ましくは少なくとも約0.05重量%、より好ましくは少なくとも約0.1重量%、さらにより好ましくは少なくとも約0.2重量%である。組成物中に含まれる水溶性第四級薬剤の最大レベルは、通常、組成物の総重量に対して、約20%まで、好ましくは約10%未満、より好ましくは約3%未満である。通常、該薬剤は、約0.2%〜約1.0%の量で組成物中に存在する。
【0422】
詳細には、好ましい水溶性第四級化合物は、ジアルキル第四級界面活性剤化合物である。適切な第四級界面活性剤としては、次式の第四級アンモニウム界面活性剤が挙げられるが、これに限定されない:
【化22】
式中、RおよびRは、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ベンジル、および−(CO)Hから成る群から個別に選択され、式中、xは約2〜約5の値であり;Xはアニオンであり;(1)RおよびRは各々C〜C14アルキルまたは(2)RはC〜C18アルキルであり、RはC〜C10アルキル、C〜C10ヒドロキシアルキル、ベンジル、および−(CO)H(式中、xは2〜5の値である)である。本発明のための好ましい不斉第四級化合物は、RおよびRが同じでなく、好ましくは、1つが分岐鎖で他方が直鎖である化合物である。
【0423】
好ましい不斉第四級化合物の例は、ARQUAD HTL8−MSであり、Xは硫酸メチルイオンであり、RおよびRはメチル基であり、Rは<5%モノ不飽和を有する水素化タロウ基であり、Rは2−エチルヘキシル基である。ARQUAD HTL8−MSは、オランダ、アルンヘムのアクゾ・ノーベル・ケミカル社から入手可能である。
【0424】
適切な不斉第四級化合物の例は、UNIQUAT 22c50であり、Xは炭酸イオンおよび重炭酸イオンであり、R1およびR2はメチル基であり、R3およびR4はC10アルキル基である。UNIQUAT 22c50は、ロンザ社の登録商標であり、北米では、ニュージャージー州アレンデールのロンザ社により入手可能である。
【0425】
適切な水溶性第四級化合物の別の例は、BARQUAT CME−35であり、ロンザ社から入手可能なN−セチルエチルモルホリニウムエトサルフェートであり、次の構造を有する:
【化23】
【0426】
オイル成分−本発明のオイル成分は、マイクロエマルジョン法により組成物に組み入れた実質的に水不溶性材料を表す。前記オイル成分は、非香料原料であり、非消臭材である。典型的には、組成物中に含まれるオイル成分の最小レベルは、少なくとも約0.001%、好ましくは少なくとも約0.005%、より好ましくは少なくとも約0.01%であり、典型的には、オイル成分の最大レベルは、約5%まで、好ましくは約3%未満、より好ましくは1.5未満であり、典型的なレベルは約0.05%〜約1%の範囲である。オイル成分は、単一成分または混合物であり得るが、通常、非限定的例として有益な柔軟性またはしわ防止/しわ伸ばしなどの組成物中に有益剤を組み込むことを表す。典型的には、オイル成分は、置換または非置換炭化水素等を含んでなる。スプレー製品のため、オイル成分またはミックスは、組成物への組込みの容易さおよび乾燥時のノズル詰まりの低減のため、室温において液体であることが好ましい。
【0427】
本発明のオイル成分は、実質的に水不溶性であり、マイクロエマルジョンを形成する。実質的に水不溶性は、成分のlogPが約1より大きいことを意味する。約1のlogPは、成分が水より約10倍多くオクタノール中に分配する傾向があることを示す。オイル混合物中のいくつかの好ましいが非限定的な成分は、分岐鎖炭化水素および、香料を使用する場合、香料である。
【0428】
水性担体−本発明のフレッシュニング組成物は、水性担体を含んでもよい。使用する水性担体を蒸留、脱イオン化してもよく、水道水でもよい。水は、組成物を水溶液とするため、いかなる量で存在してもよい。いくつかの実施形態では、水は、前記フレッシュニング組成物の重量に対して、約85%〜99.5%、あるいは約90%〜約99.5%、あるいは約92%〜約99.5%、あるいは約95%の量で存在し得る。少量の低分子量一価アルコール、例えば、エタノール、メタノール、およびイソプロパノール、またはエチレングリコールおよびプロピレングリコールなどのポリオールを含有する水も有用であり得る。しかしながら、エタノールおよび/またはイソプロパノールなどの揮発性低分子量一価アルコールは、これらの揮発性有機化合物が可燃性および環境汚染問題の両方の一因となるので、限定的にするべきである。これらのアルコールを香料およびいくつかの防腐剤の安定化剤のようなものに添加したことにより、少量の低分子量一価アルコールが本発明の組成物中に存在する場合、一価アルコールのレベルは、フレッシュニング組成物の重量に対して、約1%〜約5%、あるいは約6%未満、あるいは約3%未満、あるいは約1%未満であり得る。
【0429】
他の成分−フレッシュニング組成物は、快楽の利益(すなわち、悪臭を中和しないが心地よい芳香を提供する)を単独で提供する香料原料を含んでもよい。適切な香料は、米国特許第6,248,135号に開示されており、これは参照によりその全文を組み入れられる。例えば、フレッシュニング組成物は、悪臭および快楽的香料アルデヒドを中和するために揮発性アルデヒドの混合物を含んでもよい。消臭成分中の揮発性アルデヒド以外の香料を本発明のフレッシュニング組成物に処方する場合、消臭成分中の香料および揮発性アルデヒドの全量は、フレッシュニング組成物の重量に対して、約0.015%〜約1%、あるいは約0.01%〜約0.5%、あるいは約0.015%〜約0.3%であり得る。
【0430】
フレッシュニング組成物は希釈剤も含んでよい。例示の希釈剤としては、ジプロピレングリコールメチルエーテル、および3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、およびその組合せが挙げられる。
【0431】
必要に応じて、アジュバントを、その公知の目的のため、本明細書のフレッシュニング組成物に添加できる。このようなアジュバントとしては、亜鉛塩、銅塩、およびその混合物を含む水溶性金属塩;静電防止剤;虫除けおよび蛾除け剤;着色剤、抗酸化剤;アロマテラピー剤ならびにその混合物が挙げられるが、これに限定されない。
【0432】
フレッシュニング組成物は、本発明の消臭組成物に加えて、他の消臭技術を含んでもよい。これは、アミン官能性ポリマー、金属イオン、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、ポリオール、酸化剤、活性炭、およびその組合せを含み得るが、これに限定されない。
【0433】
パーソナルケア組成物のための特に好ましい補助剤
【0434】
本発明の目的のために必須ではないが、以後に例示するアジュバントの非限定的リストは、本組成物で使用するのに適切であり、例えば、性能を支援または増強するための本発明の特定の態様において望ましく組み入れてもよい。
【0435】
様々な必要により使用する成分もパーソナルケア組成物に添加できる。必要により使用する成分としては、ストラクチュラント、湿潤剤、脂肪酸、無機塩、および他の抗菌剤もしくは活性物質を挙げることができるが、これに限定されない。
【0436】
パーソナルケア組成物は、炭水化物ストラクチュラントおよびゴムなどの親水性ストラクチュラントも含むことができる。いくつかの適切な炭水化物ストラクチュラントとしては、生デンプン(トウモロコシ、コメ、ジャガイモ、コムギ等)およびアルファ化デンプンが挙げられる。いくつかの適切なゴムとしては、カラギナン(carregeenan)およびキサンタンガムが挙げられる。パーソナルケア組成物は、該パーソナルケア組成物の重量に対して約0.1%〜約30%、約2%〜約25%または約4%〜約20%の炭水化物ストラクチュラントを含むことができる。
【0437】
パーソナルケア組成物は1つ以上の湿潤剤も含むことができる。このような湿潤剤の例としては、多価アルコールを挙げることができる。さらに、グリセリンなどの湿潤剤を、製造の結果としてまたは追加成分としてパーソナルケア組成物に含有できる。例えば、グリセリンは、パーソナルケア組成物のけん化反応後の副生成物であり得る。追加の湿潤剤の含有は、パーソナルケア組成物の硬さの改良、パーソナルケア組成物の水活性の低減、および水蒸発による経時のパーソナルケア組成物の重量損失速度の低下などのいくつかの利益をもたらし得る。
【0438】
パーソナルケア組成物は、無機塩を含むことができる。無機塩は、パーソナルケア組成物の特定の含水率またはレベルの維持およびパーソナルケア組成物の硬さ改良の助けとなり得る。無機塩は、パーソナルケア組成物中の水と結合して蒸発または他の手段で水減少を防止する助けもできる。パーソナルケア組成物は、該パーソナルケア組成物の重量に対して、約0.01%〜約15%、約1%〜約12%または約2.5%〜約10.5%の無機塩を必要に応じて含むことができる。適切な無機塩の例としては、硝酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム、塩化カルシウム、炭酸ナトリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、リン酸二ナトリウム、ポリメタリン酸ナトリウム、コハク酸マグネシウムナトリウム、三リン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、アルミニウム−ジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウム−ジルコニウムトリクロロハイドレートグリシン錯体、硫酸亜鉛、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸第二鉄、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、およびピロリン酸四ナトリウムを挙げることができる。
【0439】
パーソナルケア組成物は、該パーソナルケア組成物の抗菌効果をさらに増強する役割をし得る1つ以上の追加の抗菌剤を含むことができる。パーソナルケア組成物は、例えば、該パーソナルケア組成物の重量に対して、約0.001%〜約2%、約0.01%〜約1.5%または約0.1%〜約1%の追加の抗菌剤を含むことができる。適切な抗菌剤の例としては、カルバニリド、トリクロカルバン(トリクロロカルバニリドとしても公知)、トリクロサン、チバガイギー社からDP−300として入手可能なハロゲン化ジフェニルエーテル、ヘキサクロロフェン、3,4,5−トリブロモサリチルアニリド、ならびに2−ピリジンチオール−1−オキシド、サリチル酸、および他の有機酸の塩を挙げることができる。他の適切な抗菌剤は、米国特許第6,488,943号に記載されている。
【0440】
頭皮活性材料−本発明の実施形態では、パーソナルケア組成物は、フケ防止活性物質であり得る頭皮活性材料を含んでもよい。実施形態では、フケ防止活性物質は、ピリジンチオン塩;炭酸亜鉛;ケトコナゾール、エコナゾール、およびエルビオールなどのアゾール;硫化セレン;粒子状硫黄;サリチル酸などの角質溶解薬;ならびにその混合物から成る群から選択される。さらなる実施形態では、フケ防止活性物質は、フケ防止粒子であってもよい。実施形態では、フケ防止粒子は、ピリジンチオン塩である。このようなフケ防止粒子は、組成物の成分と物理的および化学的に適合性があるべきであり、さもなければ、製品安定性、美しさまたは性能を過度に付与すべきでない。
【0441】
ピリジンチオン粒子は、本発明の組成物中で使用するのに適切な粒子状フケ防止活性物質である。実施形態では、フケ防止活性物質は、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩であり、微粒子型である。実施形態では、ピリジンチオンフケ防止粒子濃度は、組成物の重量に対して、約0.01%〜約5%、または約0.1%〜約3%、または約0.1%〜約2%の範囲である。実施形態では、ピリジンチオン塩は、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウムおよびジルコニウム、概して、亜鉛などの重金属から生成したものであり、典型的には、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「ピリジンチオン亜鉛」または「ZPT」として公知;ジンクピリチオン)、通常、血小板粒子形状の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩である。実施形態では、血小板粒子形状の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩は、約20ミクロン以下、または約5ミクロン以下、または約2.5ミクロン以下の平均粒径を有する。ナトリウムなどの他のカチオンから生成した塩も好適であり得る。
【0442】
実施形態では、ピリチオンの多価金属塩から選択されたフケ防止活性物質に加えて、組成物は、1つ以上の抗真菌および/または抗菌活性物質をさらに含んでなる。実施形態では、抗菌活性物質は、コールタール、硫黄、木炭(harcoal)、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸およびその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジ油、尿素製剤、グリセオフルビン、8−ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(例えば、テルビナフィン)、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、シナモン油、シンナミックアルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール(hinokitol)、イヒチオールペール、Sensiva SC−50、Elestab HP−100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン、およびアゾール、ならびにその混合物から成る群から選択される。実施形態では、抗菌剤は、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン、コールタール、およびその混合物から成る群から選択される。
【0443】
実施形態では、アゾール抗菌剤は、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビホナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリンバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール(eberconazole)、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール(flutimazole)、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸スルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、およびその混合物から成る群から選択されるイミダゾールであり、またはアゾール抗菌剤は、テルコナゾール、イトラコナゾール、およびその混合物から成る群から選択されるトリアゾールである。組成物中に存在する場合、アゾール抗菌活性物質を、組成物の総重量に対して、約0.01%〜約5%、または約0.1%〜約3%、または約0.3%〜約2%の量で含有する。実施形態では、アゾール抗菌活性物質はケトコナゾールである。実施形態では、単独の抗菌活性物質はケトコナゾールである。
【0444】
本発明は、抗菌活性物質の組合せも含んでもよい。実施形態では、抗菌活性物質の組合せは、オクトピロックスとジンクピリチオン、松ヤニと硫黄、サリチル酸とジンクピリチオン、サリチル酸とエルビオール、ジンクピリチオンとエルビオール、ジンクピリチオンとクリンバゾール、サリチル酸とオクトピロックス、およびその混合物から成る組合せの群から選択される。
【0445】
実施形態では、組成物は、亜鉛含有層状材料の効果量を含んでなる。実施形態では、組成物は、該組成物の総重量に対して、約0.001%〜約10%、または約0.01%〜約7%、または約0.1%〜約5%の亜鉛含有層状材料を含んでなる。亜鉛含有層状材料は、主に二次元で起こる結晶成長するものであり得る。従来、全原子が構造が分かった層中に組み入れられるものだけでなく、ギャラリーイオン(gallery ion)と呼ばれる層間にイオンまたは分子があるものとして層構造について記載されている(A.F. Wells “Structural Inorganic Chemistry” Clarendon Press, 1975)。亜鉛含有層状材料(ZLM)は、層中に組み入れられた亜鉛を有し、および/またはギャラリーイオンの構成成分となり得る。ZLMの次の分類は、一般的分類の比較的共通例を表し、この定義に合う材料のより広い範囲として限定する意図はない。
【0446】
多くのZLMは鉱物として天然に発生する。実施形態では、ZLMは、ハイドロジンカイト(炭酸水酸化亜鉛)、塩基性炭酸亜鉛、緑亜鉛鉱(炭酸水酸化亜鉛銅)、ローザサイト(炭酸水酸化銅亜鉛)、およびその混合物から成る群から選択される。亜鉛含有する関連する鉱物も、組成物に含有してもよい。粘土タイプ鉱物(例えば、層状珪酸塩)などのアニオン層状化学種がイオン交換亜鉛ギャラリーイオンを含有する場合、天然ZLMも産出できる。これらの天然材料の全てを合成によっても得ることができ、または組成物中もしくは製造プロセス中でその場で形成できる。
【0447】
いつもではないが、しばしば合成されるZLMの別の共通分類は、層状複水酸化物である。実施形態では、ZLMは、式[M2+1−x3+(OH)x+m−x/m・nHO(式中、二価イオン(M2+)のいくつかまたは全部は亜鉛イオンである)に従う層状複水酸化物である。ZLMのさらに別の分類を、いわゆるヒドロキシ複塩として製造できる。
【0448】
実施形態では、ZLMは、式[M2+1−x2+1+x(OH)3(1−y)n−(1=3y)/n・nHO(式中、2つの金属イオン(M2+)は同じでも異なっていてもよい)に従うヒドロキシ複塩である。それらが同じで亜鉛である場合、式は、[Zn1+x(OH)2x+ 2x A・nHOと簡単になる。この後者の式は、(x=0.4である場合)ヒドロキシ塩化亜鉛およびヒドロキシ硝酸亜鉛などの材料を表す。実施形態では、ZLMは、ヒドロキシ塩化亜鉛および/またはヒドロキシ硝酸亜鉛である。これらは、二価アニオンが一価アニオンを置換する場合と同様にハイドロジンカイトに関連する。これらの材料を、組成物中または製造プロセス内もしくはプロセス中にその場で形成できる。
【0449】
実施形態では、組成物は塩基性炭酸亜鉛を含んでなる。塩基性炭酸亜鉛の市販源としては、Zinc Carbonate Basic(キャスターケミカルズ社:米国イリノイ州ベンセンビル)、Zinc Carbonate(シェファードケミカルズ社:米国オハイオ州ノーウッド)、Zinc Carbonate(エレメンティスピグメンツ社:英国ダラム)、およびZinc Carbonate AC(ブリュッグマン・ケミカル社:米国ペンシルベニア州ニュータウン・スクエア)が挙げられる。「Zinc Carbonate」または「Zinc Carbonate Basic」または「Zinc Hydroxy Carbonate」としても市場で呼んでもよい塩基性炭酸亜鉛は、天然ハイドロジンカイトと同様な材料から成る合成バージョンである。理想化した化学量論は、Zn(OH)(COで表されるが、実際の化学量論比はわずかにに異なり得、他の不純物が結晶格子中に組み込まれ得る。
【0450】
亜鉛含有層状材料およびピリチオンまたはピリチオンの多価金属塩を有する実施形態では、ピリチオンまたはピリチオンの多価金属塩に対する亜鉛含有層状材料の比は、約5:100〜約10:1または約2:10〜約5:1または約1:2〜約3:1である。
【0451】
液体パーソナルケア組成物
【0452】
例示の液体リンスオフパーソナルケア組成物は、約5%〜約95%または約60%〜約85%のレベルで存在し得る水性担体を含むことができる。水性担体は、水、または水と有機溶媒との混和混合物を含んでもよい。非水性担体材料も使用できる。
【0453】
このようなリンスオフパーソナルケア組成物は、1つ以上の洗浄性界面活性剤を含むことができる。洗浄性界面活性剤成分を含有して、製品にクリーニング性能を付与できる。次に、洗浄性界面活性剤成分はアニオン性洗浄性界面活性剤、双極性もしくは両性洗浄性界面活性剤、またはその組合せを含んでなる。アニオン性界面活性剤の代表的な非限定的なリストとしては、組成物で使用するためのアニオン性洗浄性界面活性剤が挙げられ、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミ、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリン酸モノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウムおよびその組合せを挙げることができる。1つの実施例では、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムまたはラウレス硫酸ナトリウムであり得る。製品中のアニオン性界面活性剤成分濃度は、所望のクリーニングおよび/または泡立て性能を得るのに充分であり、概して、約2%〜約50%の範囲であり得る。
【0454】
リンスオフパーソナルケア組成物で使用するために適切な両性洗浄性界面活性剤は当技術分野で周知であり、脂肪族ラジカルが直鎖または分岐鎖であり得る脂肪族第二級および第三級アミンの誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられ、脂肪族置換基は、約8個〜約18個の炭素原子を含有し、1つの炭素原子は、アニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、またはホスホネートを含有し得る。この定義内の化合物例としては、3−ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ったドデシルアミンとイセチオン酸ナトリウムとの反応により製造されるものなどのN−アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号の教示に従って製造したもの、および米国特許第2,528,378号に記載の生成物などのN−高級アルキルアスパラギン酸であり得る。両性界面活性剤の他の例としては、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸二ナトリウム、ココジアンホ酢酸二ナトリウム、およびその混合物を挙げることができる。アンホ酢酸塩およびジアンホ酢酸も使用できる。
【0455】
リンスオフパーソナルケア組成物で使用するために適切な双極性洗浄性界面活性剤は当技術分野で周知であり、脂肪族ラジカルが直鎖または分岐鎖であり得る脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、およびスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられ、脂肪族ラジカルは、約8個〜約18個の炭素原子を含有し、1つの炭素原子は、アニオン性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、またはホスホネートを含有し得る。他の双極性界面活性剤としては、ココアミドプロピルベタインを含むベタインを挙げることができる。
【0456】
液体リンスオフパーソナルケア組成物は、1つ以上の相を含むことができる。このようなパーソナルケア組成物は、クリーニング相および/または有益相(すなわち、単相または多相組成物)を含むことができる。クレンジング相または有益相の各々は、様々な成分を含むことができる。クレンジング相および有益相を混合、分離でき、またはその組合せにできる。クレンジング相および有益相は、パターン化もできる(例えば、縞状)。
【0457】
パーソナルケア組成物のクレンジング相は、少なくとも1つの界面活性剤を含むことができる。クレンジング相は、水性構造化界面活性剤相であり得るが、パーソナルケア組成物の重量に対して、約5%〜約20%を構成し得る。このような構造化界面活性剤相は、トリデセス(n)硫酸ナトリウム、以後、STnSを含むことができ、nはエトキシル化の平均モル数と定義できる。nは、例えば、約0〜約3、約0.5〜約2.7、約1.1〜約2.5、約1.8〜約2.2の範囲であり得るか、またはnは約2であり得る。nが3未満であり得る場合、STnSは、パーソナルケア組成物内の利益剤の安定性の改良、適合性の改良、および米国特許付与前公開第2010/009285(A1)号に開示のパーソナルケア組成物のマイルドさ増大を提供できる。
【0458】
クレンジング相は、少なくとも1つの両性界面活性剤および双極性界面活性剤も含むことができる。適切な両性または双極性界面活性剤(本明細書で述べたものに加えて)としては、例えば、米国特許第5,104,646号および米国特許第5,106,609号に記載のものを挙げることができる。
【0459】
クレンジング相は構造化系を含むことができる。構造化系は、必要に応じて非イオン乳化剤、必要に応じてパーソナルケア組成物の重量に対して約0.05%〜約5%の会合性ポリマー;および電解質を含むことができる。
【0460】
パーソナルケア組成物は、必要に応じて、ラウリル硫酸ナトリウム、以後SLSを含有せず、少なくとも70%ラメラ構造を含むことができる。しかしながら、クレンジング相は、少なくとも1つの界面活性剤を含み得るが、少なくとも1つの界面活性剤はSLSを含む。SLSの適切な例は、米国特許付与前公開第2010/0322878(A1)号に記載されている。
【0461】
リンスオフパーソナルケア組成物は、利益相も含むことができる。利益相は疎水性および/または無水であり得る。利益相は実質的に界面活性剤も含有なしであり得る。利益相は利益剤も含むことができる。特に、利益相は、パーソナルケア組成物の重量に対して、約0.1%〜約50%の利益剤を含むことができる。あるいは、利益相は、より少ない利益剤、例えば、パーソナルケア組成物の重量に対して、約0.5%〜約20%の利益剤を含むことができる。適切な利益剤の例としては、ペトロラタム、モノオレイン酸グリセリル、鉱油、天然オイル、およびその混合物を挙げることができる。利益剤のさらなる例としては、水不溶性または疎水性利益剤を挙げることができる。他の適切な利益剤は、米国特許付与前公開第2012/0009285(A1)号に記載されている。
【0462】
本明細書の疎水性肌有益剤として使用するのに適切なグリセリドの非限定的な例としては、ヒマシ油、紅花油、トウモロコシ油、クルミ油、ピーナッツ油、オリーブ油、肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、ゴマ油、植物油、ヒマワリ種油、ダイズ油、植物油誘導体、ココナッツ油および誘導体化ココナッツ油、綿実油および誘導体化綿実油、ホホバ油、カカオバター、およびその組合せを挙げることができる。
【0463】
本明細書の疎水性肌有益剤として使用するのに適切なアルキルエステルの非限定的な例としては、脂肪酸のイソプロピルエステルおよび長鎖(すなわち、C10〜C24)脂肪酸の長鎖エステル、例えば、リシノール酸セチルを挙げることができ、、この非限定的な例としては、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、リシノール酸セチル(cetyl riconoleate)、およびリシノール酸ステアリル(stearyl riconoleate)を挙げることができる。他の例としては、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソヘキシル、アジピン酸ジヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、イソノナン酸アシル 乳酸ラウリル(acyl isononanoate lauryl lactate)、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、およびその組合せを挙げることができる。
【0464】
本明細書の疎水性肌有益剤として使用するのに適切なポリグリセリン脂肪酸エステルの非限定的な例としては、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、デカグリセリルモノミリエート(decaglyceryl monomyriate)、モノラウリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、およびその組合せを挙げることができる。
【0465】
リンスオフパーソナルケア組成物を、擦る、拭くもしくは手もしくは指で軽くたたくことを含む様々な手段、または道具および/または送達増進デバイスの手段により適用できる。道具の非限定的な例としては、スポンジまたはスポンジチップアプリケーター、メッシュシャワーパフ、スワブ、ブラシ、ワイプ(例えば、タオル)、ヘチマ、およびその組合せが挙げられる。送達増進デバイスの非限定的な例としては、機械的、電気的、超音波的および/または他のエネルギーデバイスが挙げられる。道具またはデバイスの使用は、粒子状抗菌剤を、例えば、毛嚢および脇の下に存在し得る起伏などの目標領域に送達するのを助けることができる。リンスオフケア製品を、このような道具またはデバイスと一緒に販売できる。あるいは、道具またはデバイスを別々に販売するが、リンスオフケア製品と使用することの必要を示すものを含めることができる。道具およびデバイスは、別々に販売またはキットでリンスオフケア製品と一緒に販売され得る交換可能な部分(例えば、肌と相互作用する部分)を利用できる。
【0466】
固体パーソナルケア組成物
【0467】
本明細書で述べたように、パーソナルケア組成物は、多数の形態を呈することができる。1つの適切な形態は、固体パーソナルケア組成物のものである。固体組成物は、粉末、ペレット、バー、他などの多くの形態を呈することができる。これらの形態は、概して、本明細書では、バーソープと記載するが、固体組成物は別の形態または形状であり得ると理解するべきである。バーソープパーソナルケア組成物の1つの例は、パーソナルケア組成物の重量に対して約0.1%〜約35%の水、パーソナルケア組成物の重量に対して約45%〜約99%のソープ、およびパーソナルケア組成物の重量に対して約0.01%〜約5%の粒子状抗菌剤を含むことができる。別の適切な抗菌バーソープは、例えば、パーソナルケア組成物の重量に対して約0.1%〜約30%の水、パーソナルケア組成物の重量に対して約40%〜約99%のソープ、およびパーソナルケア組成物の重量に対して約0.25%〜約3%の粒子状抗菌剤を含むことができる。
【0468】
バーソープ組成物を、従来の固体(すなわち、流動性のない)バーソープ組成物と呼ぶことができる。いくつかのバーソープ組成物は、従来の石ケンを含むことができるが、他のものは、合成界面活性剤を含有でき、さらに他のものは、石ケンおよび合成界面活性剤の混合物を含有できる。バー組成物は、例えば、約0%〜約45%の合成アニオン性界面活性剤を含むことができる。適切な従来の石ケンの例としては、壊された練ったトイレバー(すなわち、約5%以下の水溶性界面活性剤ビルダーを含む)を含むことができる。
【0469】
パーソナルケア組成物は、石ケンを含むことができる。重量基準で、石ケンは、例えば、パーソナルケア組成物の重量に対して、約45%〜約99%、または約50%〜約75%であり得る。このような石ケンとしては、通常の石ケン、すなわち、アルカンまたはアルケンモノカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカノールアンモニウム塩を挙げることができる。ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、モノ、ジおよびトリエタノールアンモニウムカチオン、またはその組合せは、パーソナルケア組成物に好適であり得る。パーソナルケア組成物中に含まれる石ケンとしては、ナトリウム石ケンまたはナトリウム石ケンと約1%〜約25%のアンモニウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、あるいはこれらの石ケンの混合物との組合せを挙げることができる。加えて、石ケンは、周知の、約12個〜約22個の炭素原子または約12個〜約18個の炭素原子を有するアルカン酸またはアルケン酸のアルカリ金属塩であり得る。別の適切な石ケンは、約12個〜約22個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケン炭化水素のアルカリ金属カルボン酸塩であり得る。さらなる適切な石ケン組成物は、米国特許付与前公開第2012/0219610(A1)号に記載されている。
【0470】
パーソナルケア組成物は、脂肪酸を含む石ケンも含むことができる。例えば、1つのバーソープ組成物は、約40%〜約95%のC〜C24またはC10〜C20脂肪酸の可溶性アルカリ金属石ケンを含有できる。脂肪酸は、例えば、広い分子量範囲の低い方の端を提供できるココナッツ油の分布を有することができるか、または広い分子量範囲の高い方の端を提供できるピーナッツもしくはナタネ油、もしくはその水素化誘導体の脂肪酸分布を有することができる。他のこのような組成物は、タロウおよび/または植物油の脂肪酸分布を含むことができる。タロウは、2.5%のC14、29%のC16、23%のC18、2%のパルミトレイン酸、41.5%のオレイン酸、および3%のリノール酸のおおよその炭素鎖長分布を通常有し得る脂肪酸混合物を含み得る。タロウは、様々な動物性獣脂および/またはラードから誘導される脂肪酸など、同様な分布を有する他の混合物も含むことができる。1つの例では、タロウを、いくつかまたは全部の不飽和脂肪酸部分を飽和脂肪酸部分に転換できるように硬化(すなわち、水素化)することもできる。
【0471】
植物油の適切な例としては、パーム油、ココナッツ油、パーム核油、パーム油ステアリン、ダイズ油、および水素化米ぬか油、またはその混合物が挙げられ、このような油はより容易に入手可能な脂肪であり得る。適切なココナッツ油の1つの例は、少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪酸が約85%の割合で含むことができる。このような割合は、ココナッツ油およびタロウ、パーム油、または非熱帯性ナッツ油もしくは脂肪などの主鎖長がC16以上であり得る脂肪の混合物を使用できる場合により大きい。パーソナルケア組成物中に含まれる石ケンは、例えば、約67〜68%のタロウ、約16〜17%のココナッツ油、約2%のグリセリン、および約14%の水の混合物を含むナトリウム石ケンであり得る。
【0472】
パーソナルケア組成物中に含まれる石ケンは、商業的に許容できる標準に従って不飽和でもあり得る。例えば、パーソナルケア組成物中に含まれる石ケンは、約37%〜約45%の不飽和けん化材料を含むことができる。
【0473】
パーソナルケア組成物中に含まれる石ケンを、例えば、伝統的なケトル沸騰プロセスまたは、タロウもしくはココナッツ油もしくはその均等物などの天然脂肪および油を当業者に周知の方法を用いてアルカリ金属水酸化物でケン化し得る現代の連続石ケン製造プロセスにより製造できる。石ケンを、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、またはステアリン酸(C18)などの脂肪酸を、アルカリ金属水酸化物もしくは炭酸塩で中和することによっても製造できる。
【0474】
パーソナルケア組成物中に含まれる石ケンを、連続石ケン製造プロセスによっても製造できる。石ケンを、真空フラッシュ乾燥法により石ケンヌードルに加工できる。適切な石ケンヌードルの1つの例は、該石ケンヌードルの重量に対して、約67.2%のタロウ石ケン、約16.8%のココナッツ石ケン、約2%のグリセリン、および約14%の水を含むことができる。それから、石ケンヌードルを、製粉プロセスで使用してパーソナルケア組成物に仕上げることができる。
【0475】
市販製品/処方物の試験方法
【0476】
粘度試験方法
【0477】
40mm径のパラレルスチールプレートおよび500μmのギャップサイズを用いたTAインスツルメンツ(米国、デラウエア州ニューキャッスル)のAR550レオメータ−/粘度計を用いて、粘度を測定する。20s−1における高せん断粘度を、21℃で3分間0.1s−1〜25s−1のせん断速度掃引の対数から得る。
【0478】
オクタノール/水分配係数の対数(logP)を決定するための試験方法
【0479】
オクタノール/水分配係数のlog値(logP)を、試験する香料混合物の各PRMについてコンピュータで算出する。個々のPRMのlogPを、アドバンストケミストリーデベロップメント社(ACD/ラボ)(カナダ、トロント)から入手可能なConsensus logP Computational Model、バージョン14.02(リナックス)を用いて算出する。ACD/ラボのConsensus logP Computational Modelは、ACD/ラボモデル一式の一部である。
【0480】
クリーニングおよび/または処理組成物実施例
【0481】
一連のクリーニングおよび/または処理組成物を製造し、次のように評価する:実施例を文字CLと名付け、上記マイクロカプセルの実施例と区別するために順番付けする。各実施例および下表では、各成分量を重量%(wt%)で表す。
【0482】
実施例CL1−軽いクリーニング/添加剤組成物
【0483】
洗濯プロセスへの非常に軽いクリーニングまたは添加剤のための液体組成物を、マイクロカプセルと表6に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。
【表6】
【0484】
実施例CL2−液体洗剤組成物
【0485】
HDL−ヘビーデューティリキッド組成物を、マイクロカプセルと表7に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。例示のスペースは、濃縮洗剤製品に対する希釈を表すことを意味する。衣料品の洗浄に使用する場合、得られた洗剤液体製品は洗浄された衣料をフレッシュニングするのに有効である。
【表7】
【0486】
実施例CL3−液体ファブリックエンハンサー組成物
【0487】
液体ファブリックエンハンサー組成物の実施例を、本発明のマイクロカプセルと表8に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。
【表8】
【0488】
実施例CL3における液体ファブリックエンハンサー組成物を、溶かしたファブリック柔軟仕上げ活性物質とフロントエンド安定化剤とを合わせて第一混合物を形成することにより製造する。この第一混合物を、高せん断混合機器を用いて水と塩酸と混合して第二混合物を形成する。補助成分を、低せん断混合で、第二混合物と混合してファブリックエンハンサー処方物を生成する。
【0489】
実施例CL3における液体ファブリックエンハンサー組成物を、例えば、衣料洗浄機中に分注することにより、リンス液中に処方物の10〜60gを投与することにより使用する。衣料をラインで乾燥するかまたは自動衣料乾燥器で乾燥する。これらの処方物で処理した布は改良された感触と匂いを有する。
【0490】
実施例CL4−液体ファブリックエンハンサー組成物
【0491】
液体ファブリックエンハンサー組成物の実施例を、マイクロカプセルと表9に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。
【表9】
【0492】
実施例CL5−可溶性単用量ヘビーデューティリキッド組成物
【0493】
可溶性単用量ヘビーデューティリキッド組成物の実施例を、マイクロカプセルと表10に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。衣料品の洗浄に使用する場合、得られた単用量小袋製品は洗浄された衣料品をフレッシュニングするのに有効である。
【表10】
【0494】
実施例CL6−食器洗い組成物
【0495】
食器洗い組成物の実施例を、マイクロカプセルと表11に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。
【表11】
【0496】
実施例CL7−自動食器洗い機のクリーニング用途の組成物。
【0497】
自動食器洗い組成物を、マイクロカプセルと表12に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。本発明のいくつかの態様は、少なくとも1つの水溶性コンパートメントを有し、好ましくはモノソル660mm M8630K 水溶性フィルムから成る。本発明の他の態様では、単用量組成物は、1つより多いコンパートメントを有し、少なくとも1つのコンパートメントは実施例CL7Aの粉末を含んでなる。
【表12】
【0498】
実施例CL8−硬表面洗浄用スプレー。
【0499】
硬表面洗浄用スプレーを、マイクロカプセルと表13に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。
【表13】
【0500】
固体消費者製品実施例
【0501】
実施例CL9−易流動性粒子
【0502】
易流動性粒子を、マイクロカプセルと表14に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。
【表14】
【0503】
実施例CL10−スプレー乾燥洗濯洗剤粉末組成物
【0504】
スプレー乾燥洗濯洗剤粉末組成物を、マイクロカプセルと表15に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。
【表15】
【0505】
第一スプレー乾燥洗濯洗剤粉末を、水性スラリー、34.0%の含水率を有して調製される表15のスラリーAから形成する。水性スラリーが決して70℃より低い温度にならないように、液体の上記添加したいずれもの成分を70℃まで加熱する。調製後、水性スラリーを80℃まで加熱し、圧下(5×10Nm−2)、290℃からの温度の空気取入口を有する向流スプレー乾燥塔中にポンプで送る。水性スラリーを微粒化し、該微粒化スラリーを乾燥して固体混合物を得て、次いで、これを冷却し、ふるいにかけて大き過ぎる材料(>1.8mm)を除去してスプレー乾燥粉末を形成し、これは易流動性である。微細材料(<0.15mm)をスプレー乾燥塔の排気で浄化し、塔後の封じ込めシステムで集める。スプレー乾燥粉末は、2.0重量%の含水率を有し、310g/lのかさ密度およびスプレー乾燥粉末の90重量%より多くが150〜710マイクロメートルの粒径を有するように粒径分布を有する。スプレー乾燥粉末Aの組成物を、表15に示す。香料およびマイクロカプセルをスプレー乾燥方法後に組成物上に散布する。
【0506】
第二スプレー乾燥洗濯洗剤粉末を、水性スラリー、42.0%の含水率を有する表15の水性スラリー、スラリーBから形成する。水性スラリーが決して70℃より低い温度にならないように、液体の上記添加したいずれもの成分を70℃まで加熱する。調製後、水性スラリーを85℃まで加熱し、圧下(6.5×10Nm−2)、275℃からの温度の空気取入口を有する向流スプレー乾燥塔中にポンプで送る。水性スラリーを微粒化し、該微粒化スラリーを乾燥して固体混合物を得て、次いで、これを冷却し、ふるいにかけて大き過ぎる材料(>1.8mm)を除去してスプレー乾燥粉末Bを形成し、これは易流動性である。微細材料(<0.15mm)をスプレー乾燥塔の排気で浄化し、塔後の封じ込めシステムで集める。スプレー乾燥粉末は、3.0重量%の含水率を有し、250g/lのかさ密度およびスプレー乾燥粉末の90重量%より多くが150〜710マイクロメートルの粒径を有するように粒径分布を有する。スプレー乾燥粉末の組成物を、表15に示す。香料およびマイクロカプセルをスプレー乾燥プロセス後に組成物上に散布する。
【0507】
実施例CL11−フレッシュニング組成物
【0508】
液体ファブリックスプレーファブリックフレッシュニング組成物を、マイクロカプセルと表16に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。得られたファブリックリフレッシュスプレー製品は、布表面を処理するために使用する場合、処理した布のフレッシュニングに有効である。
【表16】
【0509】
実施例CL12−乾燥器添加ファブリック柔軟仕上げ剤シート組成物
【0510】
一連の乾燥器添加ファブリック柔軟仕上げ剤シート組成物を、マイクロカプセルと表17に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。本実施例の組成物A〜Dを均一に混合し、約6%インチ×12インチ(約17.1cm×30.5cm)の寸法および約1グラムの重量を有する不織ポリエステルシート上に含浸させる。得られた乾燥器添加ファブリック柔軟仕上げ剤シート製品は、自動乾燥器に添加する場合、シートと接触する衣料に対して、柔軟仕上げ、フレッシュニングおよび静電防止に有効である。
【表17】
【0511】
実施例CL13〜CL15−吸収性物品
【0512】
実施例CL13−月経臭い防止用パッド
【0513】
本発明のマイクロカプセルを、Always Ultra Thin Unscented月経用パッドのコア中に添加する。必要に応じて、ニート芳香を物品コアの下に好適に添加する。
【0514】
実施例CL14−尿臭防止用ヘビーAIパンツ
【0515】
本発明のマイクロカプセルを、Always Discreet Adult Incontinence Underwear、中程度吸収能のコア中に添加する。必要に応じて、ニート芳香を物品コアの下に好適に添加する。
【0516】
実施例CL15−臭い防止用おむつ
【0517】
本発明のマイクロカプセルを、Pampers Cruisers Baby Diaperのコア中に添加する。必要に応じて、ニート芳香を物品コアの下に好適に添加する。
【0518】
実施例CL16〜CL17−パーソナルケア組成物
【0519】
実施例CL16−ボディソープ
【0520】
ボディソープを、マイクロカプセルと表18に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。
【表18】
【0521】
実施例CL17−シャンプー
【0522】
シャンプーを、マイクロカプセルと表19に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。
【表19】
【0523】
実施例CL18〜CL20−制汗剤および/または脱臭剤組成物
【0524】
実施例CL18−脱臭剤
【0525】
脱臭剤を、マイクロカプセルと表20に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。
【表20】
【0526】
実施例CL19−制汗剤
【0527】
制汗剤を、マイクロカプセルと表21に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。
【表21】
【0528】
実施例CL20−透明ジェル制汗剤
【0529】
透明ジェル制汗剤を、マイクロカプセルと表22に示す追加成分とを混合することにより本発明のマイクロカプセルを用いて製造する。
【表22】
【0530】
疑念の回避および実施形態のいずれもの意図していない省略のため、本教示はまたこれに関連し、これにより参照はいずれかおよび全部の消費者製品ならびに付属の請求範囲に包含されたマイクロカプセルはもちろん少なくとも1つの消費者製品成分と組み合わせた付属の請求範囲の方法から得られたマイクロカプセルを、それぞれ、含有するまたは使用して製造された消費者製品の製造方法を組み込むと見なすべきである。概して、これらの組成物および方法は、必要に応じて、充分な量の前記マイクロカプセルを含有または使用して、消費者製品総重量に対して、約0.001%〜約25%、好ましくは約0.01%〜約10%、より好ましくは約0.05%〜約5%、最も好ましくは約0.1%〜約0.5%の前記マイクロカプセルを提供するだろう。
【0531】
本明細書に開示した寸法および値は、記載された正確な数値に厳密に限定されると理解すべきでない。代わりに、特に指定がない限り、各このような寸法は、記載された値およびその値周囲の機能的に均等な範囲の両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」と開示した寸法は、「約40mm」を意味すると意図される。
【0532】
いずれもの相互参照または関連特許もしくは出願を含む本明細書に引用した全文献は、明示的に除外さもなくば限定されない限り、その全文を参照することにより本明細書に組み入れられるものとする。いかなる文献の引用も、それが本明細書に開示されたもしくは請求範囲のいずれかの発明に関連する先行技術であると、またはそれが単独もしくは他の参照文献もしくは参照文献(複数)との組合せで、いずれかのこのような発明を教示、示唆、または開示していると認めるものと解釈するべきでない。さらに、本文献中の用語の意味または定義が参照文献により組み入れられた同じ用語の意味または定義と矛盾する範囲においては、本文献中の用語に割り当てた意味または定義を優先するものとする。
【0533】
本明細書のプロセスおよび製造されたマイクロカプセルならびにこれを含有する/含んでなる様々な市販品および消費者製品が特定の実施形態および実施例と関連して記載されているが、本教示はこれに限定されず、本明細書に示された概念を利用する他の実施形態は本教示の範囲から逸脱することなく本発明の真の趣旨および範囲内に意図されていると見なすべきである。従って、根底にある原理の趣旨および範囲内であるいずれものおよび全ての修飾、変化形、または均等物は、本発明の範囲内であり、付属の請求の範囲により包含されるものとする。
図1