【実施例】
【0015】
以下に本発明の一実施例によるガス発生装置について説明する。
図1は本発明の一実施例によるガス発生装置の外観および構成を示す図である。
本実施例によるガス発生装置は、外壁筒1の上面を天面部材2で覆い、内部で可燃物を燃焼することによってガス化する。
外壁筒1は、下部外壁筒1aと上部外壁筒1bとからなり、下部外壁筒1aの上端フランジと上部外壁筒1bの下部フランジとは突き合わせて接合される。
上部外壁筒1bの上面は、傾斜面となっており、天面部材2で覆われている。
天面部材2には、有機物などの可燃物を投入する投入口3と、外壁筒1の内部圧力が異常に高まった場合に開口される圧力抜け口4とを有している。投入口3には投入蓋3aが設けられ、投入口3は一定量の可燃物を投入した後には投入蓋3aによって閉じられる。可燃物は間欠的に投入される。なお、可燃物は連続して投入してもよい。
圧力抜け口4には開閉蓋4aが設けられている。
上部外壁筒1bには、外壁筒1の内部温度を検出するガス温度検出手段5を取り付けている。下部外壁筒1aには、燃焼用空気を供給する空気供給管6と、点検口7、8と、攪拌部材操作口9と、ガス導出管10とが設けられている。
【0016】
本実施例によるガス発生装置は、ブロワー21と、ガスバーナー22と、燃焼温度検出手段23と、制御部24とを備えている。ブロワー21は、空気供給管6に燃焼用空気を供給する。ガスバーナー22は、ガス導出管10から導出されたガスを用いて燃焼する。燃焼温度検出手段23は、ガスバーナー22での燃焼ガス温度を検出する。制御部24は、ブロワー21から供給される燃焼用空気の量を制御する。
制御部24は、ガス温度検出手段5で検出される温度によって、または燃焼温度検出手段23で検出される燃焼ガス温度によって、ブロワー21から供給される燃焼用空気の量を制御する。
制御部24によって、ガス温度検出手段5で検出される温度によってブロワー21から供給される燃焼用空気の量を制御することで、効率的に可燃物をガス化することができる。ガス温度検出手段5で検出される温度が設定値以下となった場合には、ブロワー21から供給される燃焼用空気の量を増加させる。一方、ガス温度検出手段5で検出される温度が設定値を超えた場合には、ブロワー21から供給される燃焼用空気の量を減少させる。
また、制御部24が、燃焼温度検出手段23で検出される燃焼ガス温度によってブロワー21から供給される燃焼用空気の量を制御することで、ガスバーナー22での燃焼ガス温度を一定に保つようにガス発生量を調整することができる。燃焼温度検出手段23で検出される燃焼ガス温度が設定値以下となった場合には、ブロワー21から供給される燃焼用空気の量を増加させる。一方、燃焼温度検出手段23で検出される燃焼ガス温度が設定値を超えた場合には、ブロワー21から供給される燃焼用空気の量を減少させる。
【0017】
図2は同ガス発生装置の内部を示す断面図、
図3は
図2とは耐火キャスターの傾斜角度の異なる同ガス発生装置の内部を示す断面図、
図4は
図2および
図3で示すA−A線断面図、
図5は
図2および
図3で示すB−B線断面図、
図6は
図2および
図3で示すC−C線断面図、
図7は
図2および
図3で示すD−D線断面図、
図8は
図2および
図3で示すE−E線断面図、
図9は
図2および
図3で示すF−F線断面図、
図10は
図2および
図3で示すG−G線断面図、
図11は
図2および
図3で示すH−H線断面図、
図12は
図2および
図3で示すJ−J線断面図である。
【0018】
本実施例によるガス発生装置は、ガス化空間S1と、燃焼空間S2と、ガス滞留空間S3と、炭化物収容空間S4を外壁筒1の内部に有している。ガス化空間S1は、可燃物が収容される。燃焼空間S2は、ガス化空間S1の下部に形成される。ガス滞留空間S3は、ガス化空間S1の上部に形成される。炭化物収容空間S4は、燃焼空間S2の下部に形成される。ガス化空間S1、燃焼空間S2、および炭化物収容空間S4は下部外壁筒1a内に、ガス滞留空間S3は上部外壁筒1b内に位置する。ガス温度検出手段5は、上部外壁筒1bに設けられ、ガス滞留空間S3の温度を検出する。
燃焼空間S2では、600℃以下の未燃状態として燃焼ガスを発生させる。
【0019】
下部外壁筒1aの内部には、上面と下面とを開放したすり鉢状の耐火キャスター31を設けている。耐火キャスター31の傾斜角度は、水平面に対して45度〜65度の範囲としている。傾斜角度を水平面に対して45度〜65度の範囲とすることで、自然落下を利用して可燃物の供給を行うことができるため、可燃物の供給のための動力源を必要としない。耐火キャスター31の傾斜角度が45度未満であると、可燃物が自然落下しにくく、燃焼空間S2での継続燃焼ができない。さらには、ガス化空間S1で可燃物間に隙間が形成されることで燃焼が不安定となる。一方、傾斜角度が65度を越えると、壁面に沿って落下する現象が生じず、ガス化空間S1に過剰に可燃物が蓄積されて燃焼効率が低下する。耐火キャスター31の傾斜角度は、58度〜62度とすることが最も好ましい。そうすることで、継続使用による耐火キャスター31の内壁面への付着物の発生が少なく、内壁面に付着物が発生しても可燃物を自然落下させることができる。
耐火キャスター31は、例えば耐火骨材と粘土を原料として焼結することで形成し、耐火煉瓦や断熱煉瓦と同様に耐火壁として機能する。耐火キャスター31には、複数の貫通孔31aを設け、耐火キャスター31外周から空気をガス化空間S1に導入してもよい。
【0020】
耐火キャスター31の下部に火格子32を配置している。火格子32の下部には、空気供給管6を配置している。空気供給管6は、燃焼空間S2の下方から燃焼用空気を供給する。
炭化物を落下させる炭化物収容空間S4は、火格子32の下部に形成している。
耐火キャスター31内は、ガス化空間S1となり、耐火キャスター31内で、火格子32の上部が燃焼空間S2となる。火格子32の上部には攪拌部材33が配置される。
すり鉢状の耐火キャスター31内をガス化空間S1とすることで、収容されている可燃物が自然落下によって燃焼空間S2に導かれやすく、また新たな可燃物の投入時にガス滞留空間S3に入り込む酸素が燃焼空間S2に入り込むことを制限できるため、可燃物の燃焼温度の上昇を防止して効率よくガス化させることができる。
【0021】
ガス導出管10は、ガス滞留空間S3のガスを外壁筒1の外部に導く。ガス導出管10は、天面部材2に対向させたガス導入口11と、鉛直方向に垂下させた直管部12と、直管部12の下部に接続される曲管部13とで構成される。
ガス導入口11はガス滞留空間S3に配置する。直管部12はガス化空間S1に配置する。曲管部13の一端は直管部12と接続し、曲管部13の他端は下部外壁筒1aの外部に配置する。
耐火キャスター31には、直管部12および曲管部13が貫通するガス導出管用孔31bを形成している。
直管部12をガス化空間S1に配置することで、ガス導出管10が加熱された状態となり、ガス導出管10内へのカーボンやタールなどの炭化物の付着を少なくすることができる。
圧力抜け口4は、ガス導入口11の鉛直上方に配置することで、圧力抜け口4をガス導出管10の点検や整備に利用することができる。