(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明は、ウエハー搭載部をチャックトップとチャックトップを押し上げる移動ステージに分離し、前記チャックトップをプローブカード側に押上げ真空吸引が行われた後、前記移動ステージを水平方向に移動して次のプローバーへのウエハーの搭載、或は取出しに備える構成にすることにより、プローバー機構の高さを低くし、ウエハー検査装置の多段構成を実現している。
しかしながら、移動ステージを無くしたことではない為、プローバー機構の高さを低くするには限界があり、本特許文献に示されるように3段或は4段のプローバー構成が最大と思われる。
また、高さ方向における多段構成の限界から、処理能力を増大するには、プローバー機構を横方向に数列設置することになるが、ウエハー検査装置が横方向に大きくなり設置面積がさらに大きくなるという課題があった。
【0008】
従って、本発明の解決しようとする課題は、半導体ウエハーの端子とプローブカードの端子(以降プローブピンと称する)をウエハートレー上で高精度に位置合せし、一度にコンタクトさせ、さらに前記ウエハートレーの高さを低くすることにより多段構成を可能にする、低コストのバーンイン試験を含めた半導体ウエハーの試験ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題を解決するための手段は、下記のとおりである。
なお、下記において「所定の」とは、当業者にとって常識的な事項を示している。
【0010】
第1に、
プローブカードを有したテスターボードと、
半導体ウエハーを搭載するウエハートレーと、
前記ウエハートレーを昇降させる昇降機構とを備え、
前記半導体ウエハーと前記プローブカードとを真空圧により加圧接触させて、試験を実施する半導体ウエハーの試験ユニットであり、
前記ウエハートレーは、
前記プローブカードの下側又は上側に保持され、
トレー位置決めピンで前記プローブカードとの位置合せが行われ、
該プローブカードとの位置合せを行うトレーフレームと、
前記半導体ウエハーを搭載するウエハー搭載ステージと、
該ウエハー搭載ステージの中心を回転中心として円周方向にスライドする円周方向スライド機構を外側又は内側に備えるウエハー搭載ステージ支持体とで構成され、
前記ウエハー搭載ステージをX軸またはY軸の方向に移動させ、
その移動量を制御するX−Y位置制御機構と、
前記ウエハー搭載ステージの中心を回転中心として、
該ウエハー搭載ステージを円周方向に移動させ、
その移動量を制御するシータ制御機構とを備えることを特徴とする、
半導体ウエハーの試験ユニット。
なお、前記ウエハートレーを昇降させる前記昇降機構は、試験空間の形成を担う押圧板と、該押圧板を昇降させるエアーシリンダーと、該エアーシリンダーをボードラックに取付ける取付け金具とで構成されている。
ここで、前記半導体ウエハーと前記プローブカードとの加圧接触に必要な試験空間は、前記昇降機構を構成する前記押圧板の昇降により、前記ウエハートレーを前記プローブカード側に移動させることで形成することができ、試験空間形成後、前記試験空間を減圧することにより、前記半導体ウエハーの端子と前記プローブピンとの加圧接触が行われる。
また、前記ウエハートレーを前記プローブカードの下側又は上側に保持する高さは、該ウエハートレーと前記プローブカードの間に、後述のアライメント用撮影機構が搭載された搬送ロボットのアームを出し入れし、撮影対象を撮影できる高さを示す。
さらに、前記プローブカードと前記トレーフレームとの位置合せは、トレー位置決めピンとスライドブッシュの嵌合により行われる。
前記ウエハートレーが前記プローブカードの下側に保持される場合、
前記トレー位置決めピンは前記昇降機構に設けられ、前記スライドブッシュは前記トレーフレームと前記プローブカードに設けられ位置合せが行われる。
また、前記ウエハートレーが前記プローブカードの上側に保持される場合、
前記トレー位置決めピンは前記プローブカードに設けられ、前記スライドブッシュは前記トレーフレームに設けられ位置合せが行われる。
【0011】
第2に、
前記X−Y位置制御機構は、
前記ウエハートレー上面に直交してX軸とY軸上に取付けられ、
前記ウエハー搭載ステージをX方向またはY方向に移動させる送り機構を有した駆動部と、
前記送り機構と連動する受動部と、
該受動部を前記駆動部の駆動方向にスライドさせる駆動方向スライド機構と、
前記駆動部を該駆動部の駆動方向と直交する方向にスライドさせる直交方向スライド機構と、
前記駆動部と対向する側にX方向とY方向の両方向にスライドするXY方向スライド機構とを備え、
前記駆動方向スライド機構は、
前記駆動部の回転シャフトに加わる重量を下側より支え、前記受動部のスムーズな移動を可能にし、
前記直交方向スライド機構は、
X軸の前記駆動部が制御されると該駆動部の駆動方向の移動を停止させ、前記受動部は駆動方向に移動すると同時に、前記ウエハー搭載ステージとY軸に設けられた前記X−Y位置制御機構を駆動方向に移動させ、
Y軸の前記駆動部が制御されると該駆動部の駆動方向の移動を停止させ、前記受動部は駆動方向に移動すると同時に、前記ウエハー搭載ステージとX軸に設けられた前記X−Y位置制御機構を駆動方向に移動させることができ、
前記XY方向スライド機構は、
前記駆動部の駆動方向にスライドする前後方向スライド機構と、前記駆動部の駆動方向と直交する方向にスライドする左右方向スライド機構を有し、前記駆動部の制御に応じてX方向とY方向に移動することができることを特徴とする、前記第1に記載の半導体ウエハーの試験ユニット。
なお、前記駆動部にはパルスモーターが使用され、前記送り機構にはボールネジが使用され、さらに前記受動部はボールネジ仕様のナットを備えている。
【0012】
第3に、
前記シータ制御機構は、
前記ウエハートレー上面に取付けられ、
前記ウエハー搭載ステージの中心を回転中心として、
該ウエハー搭載ステージを円周方向に移動させる円弧状の歯車と、
前記円弧状の歯車と噛み合い該円弧状の歯車を円周方向に移動させる駆動用の歯車と、
前記駆動用の歯車を有した駆動部とを備え、
前記円弧状の歯車と前記駆動用の歯車の噛み合い機構にウオームギヤ機構を使用することを特徴とする、前記第1又は第2に記載の半導体ウエハーの試験ユニット。
なお、前記駆動部にパルスモーターを使用し、歯車の噛み合い機構にウオームギヤ機構を使用することで、前記円弧状の歯車と前記駆動用の歯車の回転比を、1/10から1/100まで広範囲に適用できる。
また、前記円弧状の歯車は円弧状に限らず、円弧状に分割前の歯車を使用しても良い。
【0013】
第4に、
プローブカードを有したテスターボードと、
半導体ウエハーを搭載するウエハートレーと、
前記ウエハートレーを昇降させる昇降機構とを備え、
前記半導体ウエハーと前記プローブカードとを真空圧により加圧接触させて試験を実施する半導体ウエハーの試験ユニットであり、
前記ウエハートレーは、
前記プローブカードの下側に保持され、
トレー位置決めピンで前記プローブカードとの位置合せが行われ、
該プローブカードとの位置合せを行うトレーフレームと、
前記半導体ウエハーを搭載するウエハー搭載ステージと、
該ウエハー搭載ステージの中心を回転中心として、円周方向にスライドする円周方向スライド機構を有したウエハー搭載ステージ支持体とで構成され、
前記ウエハー搭載ステージを直交するX軸またはY軸の方向に移動させ、その移動量を制御するX−Y位置制御機構と、
前記ウエハー搭載ステージの中心を回転中心として、該ウエハー搭載ステージを円周方向に移動させ、その移動量を制御するシータ制御機構とを備え、
前記X−Y位置制御機構は、
前記ウエハートレーに直交してX軸とY軸上に取付けられ、
前記ウエハー搭載ステージをX方向またはY方向に移動させる送り機構を有した駆動部と、
前記駆動部の送り機構と連動する受動部と、
該受動部を前記駆動部の駆動方向にスライドさせる前記駆動方向スライド機構と、
前記駆動部を該駆動部の駆動方向と直交する方向にスライドさせる前記直交方向スライド機構と、
前記駆動部と対向する側にX方向とY方向の両方向にスライドする前記XY方向スライド機構とを備え、
前記駆動方向スライド機構は、
前記駆動部の回転シャフトに加わる重量を下側より支え、前記受動部のスムーズな移動を可能にし、
前記直交方向スライド機構は、
X軸の前記駆動部が制御されると該駆動部の駆動方向の移動を停止させ、前記受動部は駆動方向に移動すると同時に、前記ウエハー搭載ステージとY軸に設けられた前記X−Y位置制御機構を駆動方向に移動させ、
Y軸の前記駆動部が制御されると該駆動部の駆動方向の移動を停止させ、前記受動部は駆動方向に移動すると同時に、前記ウエハー搭載ステージとX軸に設けられた前記X−Y位置制御機構を駆動方向に移動させることができ、
前記XY方向スライド機構は、
前記駆動部の駆動方向にスライドする前後方向スライド機構と、前記駆動部の駆動方向と直交する方向にスライドする左右方向スライド機構を有し、前記駆動部の制御に応じてX方向とY方向に移動することができ、
前記シータ制御機構は、
前記ウエハートレーに取付けられ、
前記ウエハー搭載ステージの中心を回転中心として、該ウエハー搭載ステージを円周方向に移動させる円弧状の歯車と、
前記円弧状の歯車と噛み合い該円弧状の歯車を円周方向に移動させる駆動用の歯車と、
前記駆動用の歯車を有した駆動部とを備え、
前記円弧状の歯車と前記駆動用の歯車の噛み合い機構にウオームギヤ機構を使用することを特徴とする、半導体ウエハーの試験ユニット。
【0014】
第5に、
前記X−Y位置制御機構と前記シータ制御機構とは、
前記半導体ウエハーを搬送するアームを備えた前記搬送ロボットに搭載される前期アライメント用撮影機構で撮影した位置情報で、
前記ウエハー搭載ステージと該ウエハー搭載ステージに搭載された前記半導体ウエハーのX方向とY方向の移動量と、円周方向の移動量とを制御することを特徴とする、前記第1〜4のいずれか一つに記載の半導体ウエハーの試験ユニット。
さらに、前記半導体ウエハーの端子と前記プローブピンとの位置合せは、前記アライメント用撮影機構で撮影した位置情報でX、Y、θ(シータ)を個々に且つ相互に制御することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0016】
第1の発明によれば、前記ウエハートレーと前記プローブカードとの位置合せは、前記トレー位置決めピンと前記スライドブッシュの嵌合により行われる。
さらに、前記ウエハートレーに搭載される前記半導体ウエハーと前記プローブカードとの位置合せは、前記X−Y位置制御機構と前記シータ制御機構が制御されることにより高精度に行うことができる。
【0017】
第2の発明によれば、前記X−Y位置制御機構はX軸方向とY軸方向に個々に且つ相互に制御することで、前記半導体ウエハーの端子と前記プローブピンのX方向とY方向の位置合せを高精度に行うことができる。
前記X−Y位置制御機構において、前記駆動方向スライド機構と前記直交方向スライド機構と前記XY方向スライド機構を備えることで次のような効果がある。
前記駆動方向スライド機構と前記XY方向スライド機構を構成する前記前後方向スライド機構を設けることにより、前記受動部を小さな推力で駆動方向に移動させることができ、前記駆動部も小型のパルスモーターが使用でき、前記ウエハートレーの高さを低くすることができる。
さらに、前記直交方向スライド機構と前記XY方向スライド機構を構成する前記左右方向スライド機構を設けることにより、XテーブルとYテーブルの二つのテーブルを設けることなく、一つのテーブルでX−Yテーブルと同じ動作を実現することができ、前記ウエハートレーの高さを低くすることができる。
以上のように高さの低いウエハートレーを使用することで、多段構成の半導体ウエハーの試験装置を実現できる。
【0018】
第3の発明によれば、円弧状の歯車と駆動用の歯車の噛み合い機構にウオームギヤ機構を使用することで、1対100までの大きな回転比を持つ歯車を選ぶことができ、前記ウエハー搭載ステージの円周方向の移動量を高精度に制御することができる。
また円弧状の歯車を使用することで歯車の重量を軽減することができ、歯車を安価に製作することができる。
【0019】
第4の発明によれば、前記ウエハートレーは前記プローブカードの下側に保持され、該ウエハートレーと前記プローブカードとの位置合せは、前記トレー位置決めピンと前記スライドブッシュの嵌合により行われるとともに、該ウエハートレーに搭載される前記半導体ウエハートレーと前記プローブカードとの位置合せは、前記X−Y位置制御機構と前記シータ制御機構が個々に且つ相互に制御されることにより高精度に行うことができる。
前記シータ制御機構において、円弧状の歯車と駆動用の歯車に回転比の大きな歯車を使用することで、前記ウエハー搭載ステージの円周方向の移動量をより高精度に制御することができる。
前記X−Y位置制御機構において、前記駆動方向スライド機構と前記直交方向スライド機構と前記XY方向スライド機構を備えることで次のような効果がある。
前記駆動方向スライド機構と前記XY方向スライド機構を構成する前記前後方向スライド機構を設けることにより、前記受動部を小さな推力で駆動方向に移動させることができ、前記駆動部も小型のパルスモーターが使用でき、前記ウエハートレーの高さを低くすることができる。
さらに、前記直交方向スライド機構と前記XY方向スライド機構を構成する前記左右方向スライド機構を設けることにより、XテーブルとYテーブルの二つのテーブルを設けることなく、一つのテーブルでX−Yテーブルと同じ動作を実現することができ、前記ウエハートレーの高さを低くすることができる。
以上のように高さの低いウエハートレーを使用することで、多段構成の半導体ウエハーの試験装置を実現できる。
また、前記ウエハートレーを前記プローブカードの上側に保持する方式のウエハートレーに比較し、次のような効果がある。
半導体ウエハーを搭載後の移動を防止できることで高精度の位置決めができ、搬送ロボットのアームを前記ウエハートレーの下側に挿入する必要がなく、複雑な位置制御が不要になり、前記ウエハートレーの高さを低くすることができる。
さらに、試験温度に加熱冷却される試験空間内にモーターやスライド機構などの部品が無くなるため、高耐熱部品の使用が不要になる。
【0020】
第5の発明によれば、前記X−Y位置制御機構と前記シータ制御機構は、前記アライメント撮影機構から、前記半導体ウエハーの端子と前記プローブピンの位置情報を得て、X、Y、θ(シータ)を個々に且つ相互に制御することで、高精度の位置合せができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態を、半導体ウエハーを引用し、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。
ここで、添付図面において同一の部材には同一符号を付しており、また重複した説明は省略されている。
なお、ここでの説明は本発明が実施される一形態であることから、本発明は該当形態に限定されるものではない。
【0023】
図1に示される本発明に係る半導体ウエハーの試験ユニット10は、ウエハートレー20と、プローブカード60(
図2)を裏面に搭載したテスターボード30と、前記ウエハートレー20を昇降させる昇降機構76とで構成されている。
【0024】
前記昇降機構76は、前記ウエハートレー20と前記プローブカード60との位置合せを行うトレー位置決めピン63を備えた押圧板71と、該押圧板71に連結されたエアーシリンダー73と、該エアーシリンダー73をボードラック70に取付ける取付け金具75で構成されている。
前記テスターボード30は、前記取付け金具75の基板ガイド溝77に装着されるが、分かり易くするため分離した図としている。
【0025】
また、試験空間(図示は省略)は、前記ウエハートレー20を構成するウエハー搭載ステージ29と、該ウエハー搭載ステージ29に設けられた真空シール25と、前記プローブカード60との間で構成される。
【0026】
前記試験空間は、前記ウエハー搭載ステージ29が前記エアーシリンダー73の上昇で前記押圧板71と共に押し上げられ、前記真空シール25と前記プローブカード60が接触することで形成される。
【0027】
次に、真空ポンプ(図示省略)を稼働させ、前記ウエハー搭載ステージ29に設けられる真空吸引口72より前記試験空間の空気を吸引することで、前記ウエハー搭載ステージ29がさらに押し上げられ、前記ウエハー搭載ステージ29に搭載された半導体ウエハー40と前記プローブカード60とが接触し電気的接続が行われる。
【0028】
前記ウエハートレー20と前記プローブカード60には、前記トレー位置決めピン63と嵌合するスライドブッシュ24がそれぞれの対向する位置に設けられ、前記ウエハートレー20と前記プローブカード60との位置合せが行われ、前記ウエハートレー20のスムーズな上下動が行われる。
【0029】
また、図示及び説明は省略するが前記ウエハー搭載ステージ29には、該ウエハー搭載ステージ29に搭載される前記半導体ウエハー40を、試験温度に加熱冷却する機能が設けられる。
【0030】
なお、前記テスターボード30及び前記プローブカード60に搭載される回路部品及び接続コネクター部材等の図示は省略している。
【0031】
さらに、前記ウエハートレー20は、前記ウエハー搭載ステージ29のX方向とY方向及び回転方向の位置制御を行うX−Y位置制御機構50とシータ制御機構52(
図3)、及び前記X−Y位置制御機構50を構成するXY方向スライド機構51を備えている。
【0032】
また、前記X−Y位置制御機構50と前記シータ制御機構52は、
図14及び
図15で説明するアライメント用撮影機構84による前記プローブカード60と前記半導体ウエハー40の端子の位置情報の撮影により、高精度に位置合せがなされる。
【0033】
図2は、
図1で示される半導体ウエハーの試験ユニット10を斜め下方から見た図面であり、テスターボード30の裏面に搭載されたプローブカード60とプローブピン61を可視状態にしている。
【0034】
また、トレー位置決めピン63を上下動させるためのエアーシリンダー78が、押圧板71の下面の4ヵ所に設けられている。
前記エアーシリンダー78は、前記テスターボード30とウエハートレー20を保守時に切り離す時に使用するものである。
図2の構成は全て
図1と同じであるので、説明は省略する。
【0035】
図3に示される本発明に係るウエハートレー20は、プローブカード60の下側に保持され、円周方向スライド機構54が、ウエハー搭載ステージ支持体53の外側に取付けられたウエハートレーである。
【0036】
前記ウエハートレー20は、前記プローブカード60との位置合わせを行うトレーフレーム21と、ウエハー搭載ステージ29と、前記円周方向スライド機構54を外側に備えた前記ウエハー搭載ステージ支持体53とで構成されている。
【0037】
さらに前記ウエハートレー20は、前記ウエハー搭載ステージ29のX方向またはY方向の移動量を制御するX−Y位置制御機構50と前記ウエハー搭載ステージ29の円周方向の移動量を制御するシータ制御機構52とを備えている。
【0038】
前記X−Y位置制御機構50は、前記ウエハー搭載ステージ支持体53上に直交してX軸及びY軸上に設けられ、前記X−Y位置制御機構50を構成する駆動部27(
図4)と対向する側にXY方向スライド機構51(
図5)が設けられている。
其々の詳細は、
図4及び
図5で説明する。
【0039】
また、前記シータ制御機構52は、前記トレーフレーム21と前記ウエハー搭載ステージ支持体53に取付けられている。詳細は、
図6で説明する。
【0040】
前記ウエハー搭載ステージ29は、前記半導体ウエハー40を搭載時、該半導体ウエハー40を吸引保持するチャック部(図示は省略)と、試験空間を形成する真空シール25と、該試験空間の空気を吸引する真空吸引口72とを備えている。
また、前記X−Y位置制御機構50を構成する受動部26と(
図4)と、前記XY方向スライド機構51を取付けるXY方向スライド機構取付け部29a(
図5)は、前記ウエハー搭載ステージ29に取り付けられている。
【0041】
なお、前記ウエハー搭載ステージ29は、前記半導体ウエハー40を試験温度に加熱冷却する機能(図示、詳細は省略)を有するが、前記X−Y位置制御機構50に加わる負荷を小さくするため、軽量化することが望ましい。
【0042】
前記ウエハートレー20を構成する前記トレーフレーム21は、その上方に設置される前記プローブカード60との位置合せを行うスライドブッシュ24を四隅に備えている。
該スライドブッシュ24は、前記トレー位置決めピン63と嵌合して、前記ウエハートレー20のスムーズな上下動を可能にしている。
【0043】
図4は、
図3のA部(X−Y位置制御機構50)の詳細を示している。
該X−Y位置制御機構50は、駆動部27と、受動部26と、ナット26aと、駆動方向スライド機構28と、直交方向スライド機構55と、取付け板27cとXY方向スライド機構51(
図5)とで構成されている。
前記駆動部27には、パルスモーターが使用されている。
【0044】
なお、前記受動部26は、ウエハー搭載ステージ29を構成する一部材であり、その材質には断熱材が使用され、該ウエハー搭載ステージ29と外部を断熱する機能を有している。
【0045】
前記受動部26は、前記駆動部27の回転シャフトに取付けられる送りネジ27aと噛み合わされる前記ナット26aを有し、該受動部26の下面と前記取付け板27cとの間に、前記駆動部27が駆動する方向にスライドする前記駆動方向スライド機構28が取付けられ、前記送りネジ27aに加わる負荷を下側から支え、前記受動部26のスムーズな移動を可能にしている。
【0046】
前記駆動部27が駆動すると、前記送りネジ27aが回転し、前記ナット26aを回転させて移動させるように駆動力が伝わり、前記ナット26aを固定している前記受動部26が、駆動方向に制御された所定の距離を移動することで、前記ウエハー搭載ステージ29が移動する。
【0047】
前記駆動部27は、前記取付け板27cを介して駆動方向と直交してスライドする前記直交方向スライド機構55の上面に取付けられている。
さらに、該直交方向スライド機構55はウエハー搭載ステージ支持体53に取付けられている。
【0048】
ここで、駆動方向と直交して取り付けられる前記直交方向スライド機構55の動きを説明する。
X軸の前記駆動部が制御されると、X軸に設けられた該直交方向スライド機構55は、前記駆動部27のX軸方向の移動を停止させる。
この際、前記受動部26は、X軸方向に移動すると同時に前記ウエハー搭載ステージ29とY軸に設けられた前記X−Y位置制御機構50を、X軸方向に制御された所定の距離を移動させることができる。
【0049】
同じ様にY軸の前記駆動部27が制御されると、Y軸に設けられた該直交方向スライド機構55は前記駆動部27のY軸方向の移動を停止させる。
この際、前記受動部26は、Y軸方向に移動すると同時に前記ウエハー搭載ステージ29とX軸に設けられた前記X−Y位置制御機構50を、Y軸方向に制御された所定の距離を移動させることができる。
【0050】
ここで、前記送りネジ27aにボールネジを使用し、前記ナット26aにボールネジ仕様のナットを使用することで、前記ナット26aを有する前記受動部26はスムーズに駆動方向に移動することができ、小さな推力で且つ高精度に、前記ウエハー搭載ステージ29を移動させることができる。
【0051】
以上のように前記X-Y位置制御機構50を、前記ウエハートレー20上に直交して取付けることにより、簡単な機構でコンパクトなX-Yテーブルを前記ウエハートレー20上に構築することができる。
【0052】
前記X−Y位置制御機構50は、前記シータ制御機構52と共に前記アライメント用撮影機構84(
図14)により、半導体ウエハーの端子41の位置とプローブピン61の位置(
図15)を撮影し、試験装置90の制御装置91(
図26)により位置制御が行なわれる。
【0053】
さらに、
図6で説明する前記シータ制御機構52と前記X−Y位置制御機構50の相互の位置制御により、高精度の位置合せができる。
【0054】
図5は、
図3のB部(XY方向スライド機構51)の詳細を示している。
該XY方向スライド機構51は前記X−Y位置制御機構50を構成し、前記駆動部27と対向する側のウエハー搭載ステージ支持体53と、ウエハー搭載ステージ29に取付けられたXY方向スライド機構取付け部29aとの間に取付けられている。
【0055】
前記ウエハー搭載ステージ29は、X軸及びY軸が駆動されると駆動される方向に移動することができるものである。
なお、前記XY方向スライド機構取付け部29aの材質には断熱材が使用されている。
【0056】
前記XY方向スライド機構51は、駆動部の駆動方向にスライドする前後方向スライド機構51aと、駆動部の駆動方向と直交する方向にスライドする左右方向スライド機構51bと、スペーサー51cとで構成されている。
前記前後方向スライド機構51aの上面は前記XY方向スライド機構取付け部29aに取付けられ、下面は前記スペーサー51cに取付けられ、該スペーサー51cの下面には前記左右方向スライド機構51bが取付けられ、その下面は前記ウエハー搭載ステージ支持体53に取付けられている。
以上のような構成により、前記XY方向スライド機構51は、X方向及びY方向のいずれの方向にもスライドすることができる。
【0057】
図6は、
図3のC部(シータ制御機構52)の詳細を示している。
該シータ制御機構52は、ウエハー搭載ステージ支持体53を円周方向に移動させる円弧状の歯車26gと、駆動用の歯車27dを回転シャフトに有する駆動部27と、取付け板27fとで構成されている。
【0058】
前記駆動部27は、前記取付け板27fを介してトレーフレーム21に取付けられている。
前記円弧状の歯車26gは、スペーサー29dを介して前記ウエハー搭載ステージ支持体53に取付けられている。
【0059】
さらに、前記駆動部27を回転させることで前記駆動用の歯車27dと前記円弧状の歯車26gが噛み合い、前記ウエハー搭載ステージ支持体53を円周方向に制御された所定の距離を移動させることができる。
【0060】
以上の動作により、前記ウエハー搭載ステージ支持体53に直交して取り付けられた前記X−Y位置制御機構50を介して、ウエハー搭載ステージ29を円周方向に移動させることができる。
【0061】
前記円弧状の歯車26gと前記駆動用の歯車27dの噛み合せ機構は、ウオームギヤ機構の一種である。
前記駆動部27にパルスモーターを使用し歯車の回転比を大きくすることで、前記ウエハー搭載ステージ29の円周方向の移動量を高精度に制御することができる。
【0062】
図7は、ウエハートレー20を構成する主要部材を示す断面図である。
前記ウエハートレー20は、トレーフレーム21と、円周方向スライド機構54を有するウエハー搭載ステージ支持体53と、ウエハー搭載ステージ29とから構成され、前記円周方向スライド機構54の内輪が回転する機構になっている。
【0063】
前記トレーフレーム21は、フレーム21aとプレート21bと固定用ネジ21cとで、前記円周方向スライド機構54の外輪を固定している。
前記ウエハー搭載ステージ支持体53は、フレーム53aとプレート53bと前記固定用ネジ21cとで、前記円周方向スライド機構54の内輪を固定している。
【0064】
前記ウエハー搭載ステージ29は、真空シール25と真空吸引口72と、半導体ウエハー40を吸引するチャック部(図示は省略)を備えている。
なお、前記ウエハー搭載ステージ29に取付けられたXY方向スライド機構取付け部29aと、前記ウエハー搭載ステージ支持体53の間には、XY方向スライド機構51が設けられている。
【0065】
図8は、
図9で説明のウエハートレー20が搭載される本発明に係る半導体ウエハーの試験ユニット10の構成を示し、ウエハートレー20は前記プローブカード60を裏面に搭載したテスターボード30の下側に、昇降機構76で保持されている。
図9で説明のウエハートレー20を除いて、すべて
図1で説明の半導体ウエハーの試験ユニット10と同じ構成のため詳細の説明は省略する。
【0066】
図9は、本発明に係るウエハートレー20で、前記プローブカード60の下側に保持され、円周方向スライド機構54をウエハー搭載ステージ支持体53の内側に取付けたウエハートレーである。
【0067】
前記ウエハートレー20の構成は、
図3で説明のウエハートレー20と同じである。
大きな違いは、前記円周方向スライド機構54の取付け位置の違いによる、X−Y位置制御機構50とシータ制御機構52と前記X−Y位置制御機構50を構成するXY方向スライド機構51の取付け位置の違いである。
【0068】
前記円周方向スライド機構54の内輪は、ウエハー搭載ステージ29に取付けられたウエハー搭載ステージ取付け台29c(
図10)に固定され、外輪は前記ウエハー搭載ステージ支持体53に固定されている。
【0069】
前記ウエハートレー20は、前記ウエハー搭載ステージ29の位置を制御する前記X−Y位置制御機構50と、前記シータ制御機構52とを備えている。
該X−Y位置制御機構50と、シータ制御機構52の構成及び機能は、
図4、
図5、
図6の説明と同じため説明は省略する。
【0070】
前記X−Y位置制御機構50は、トレーフレーム21上に直交してX軸及びY軸上に設けられている。
取付け場所の説明は、
図11及び
図12にて行う。
【0071】
また、前記シータ制御機構52は、前記ウエハー搭載ステージ支持体53と前記ウエハー搭載ステージ29を構成するスペーサー29dに取付けられている。
取付け場所の説明は、
図13にて行う。
【0072】
前記ウエハー搭載ステージ29は、前記半導体ウエハー40を搭載時、該半導体ウエハー40を吸引保持するチャック部(図示は省略)と、前記試験空間を形成する真空シール25と、該試験空間の空気を吸引する真空吸引口72(
図10)とを備えている。
【0073】
なお、前記ウエハー搭載ステージ29は、前記半導体ウエハー40を試験温度に加熱冷却する機能(図示、詳細は省略)を有する。
【0074】
前記ウエハートレー20を構成する前記トレーフレーム21は、その上方に設置される前記プローブカード60との位置合せを行うスライドブッシュ24を四隅に備え、前記トレー位置決めピン63と嵌合して、前記ウエハートレー20のスムーズな上下動を可能にしている。
【0075】
図10は、
図9で示されるウエハートレー20の主要な構成を示す側面図である。
X−Y位置制御機構50の駆動部27は取付け板27cに取付けられ、該取付け板は駆動部27の駆動方向と直交する方向に取付けられた直交方向スライド機構55を介して、トレーフレーム21に取付けられている。
また、XY方向スライド機構51を構成する左右方向スライド機構51bも、同じ様に前記トレーフレーム21に取付けられている。
取付けの詳細は
図11で行う。
【0076】
前記駆動部27側に設けられる駆動方向スライド機構28の上面は、ウエハー搭載ステージ支持体53に取付けられている。
また、前記XY方向スライド機構51を構成する前後方向スライド機構51aも、同じ様にウエハー搭載ステージ支持体53に取付けられている。
【0077】
さらに、該ウエハー搭載ステージ支持体53の上面に、前記X−Y位置制御機構50の受動部26と、前記シータ制御機構52と、円周方向スライド機構54とが取り付けられている。
【0078】
ウエハー搭載ステージ29は、ウエハー搭載ステージ取付け台29cを介して、前記円周方向スライド機構54の内輪に取付けられ、前記試験空間を形成する真空シール25と真空吸引口72を備えている。
また、前記シータ制御機構52を構成する円弧状の歯車26gが、前記ウエハー搭載ステージ29の下面にスペーサー29dを介して取り付けられている。
【0079】
以上のような構成により、前記ウエハー搭載ステージ支持体53は、前記X−Y位置制御機構50の駆動する方向に所定の距離を移動するができる。
また、前記ウエハー搭載ステージ29は、前記シータ制御機構52の駆動する円周方向に所定の距離を移動することができる。
【0080】
図11は、X−Y位置制御機構50の取付け場所と、ウエハー搭載ステージ29とウエハー搭載ステージ支持体53の位置関係を示す斜視図である。
前記X−Y位置制御機構50は、駆動部27、取付け板27c、送りネジ27a、受動部26、ナット26a、駆動方向スライド機構28、直交方向スライド機構55、及びXY方向スライド機構51で構成されている。
【0081】
前記駆動部27を取り付ける前記取付け板27cは、前記直交方向スライド機構55を介して、トレーフレーム21に取付けられている。
また、前記受動部26は前記ウエハー搭載ステージ支持体53に取付けられている。
【0082】
さらに前記ウエハー搭載ステージ29は、その中央下面にウエハー搭載ステージ取付け台29cを介して、円周方向スライド機構54の内輪(
図10)に取付けられ、前記ウエハー搭載ステージ29は円周方向に回転可能になっている。
【0083】
図12は、XY方向スライド機構51の取付け場所を示す斜視図である。
該XY方向スライド機構51は、前記X−Y位置制御機構50の駆動部27と対向する側のトレーフレーム21とウエハー搭載ステージ支持体53間に取付けられている。
【0084】
前記XY方向スライド機構51は、前後方向スライド機構51aと左右方向スライド機構51bとスペーサー51cとで構成されている。
前記前後方向スライド機構51aの上面は前記ウエハー搭載ステージ支持体53に取付けられ、下面は前記スペーサー51cに取付けられ、該スペーサー51cの下面には前記左右方向スライド機構51bが取付けられ、その下面は前記トレーフレーム21に取付けられている。
以上のような構成により、前記XY方向スライド機構51はX方向及びY方向のいずれの方向にもスライドすることができる。
【0085】
図13は、シータ制御機構52の取付け場所を示す斜視図である。
該シータ制御機構52は、円弧状の歯車26gと、駆動用の歯車27dを回転シャフトに有する駆動部27と、取付け板27fとで構成されている。
【0086】
前記円弧状の歯車26gは、断熱機能を持つスペーサー29dを介してウエハー搭載ステージ29に取付けられている。
前記駆動部27は、前記取付け板27fを介してウエハー搭載ステージ支持体53に取付けられている。
【0087】
さらに、前記駆動部27を回転させることで前記駆動用の歯車27dと前記円弧状の歯車26gが噛み合い、前記ウエハー搭載ステージ29を円周方向に制御された所定の距離を移動させることができる。
図6で説明したように、前記円弧状の歯車と前記駆動用の歯車の回転比を大きくすることで、前記ウエハー搭載ステージ29を高精度に移動することができる。
【0088】
図14は、
図1又は
図8で示される複数の半導体ウエハーの試験ユニット10が、ボードラック70に搭載された構成を示す斜視図である。
【0089】
ここで、アライメント用撮影機構84を有する搬送ロボット82は、第1のアーム86aと第2のアーム86bと、昇降機構83とを備えている。
また、半導体ウエハー40の位置決めを行うウエハーアライナー89が、ボードラック70の下部に配置されている。
【0090】
前記第1のアーム86aは、前記半導体ウエハー40を吸引保持するチャック部87aを備え、ウエハーカセット81(
図26)から前記半導体ウエハー40を取り出し、前記ウエハーアライナー89に搭載し位置決めした後、ウエハートレー20に搭載するものである。
また、前記第2のアーム86bは、2個のアライメント用カメラ84aと照明85cとを備えている。
【0091】
さらに、前記搬送ロボット82は、前記ボードラック70に搭載された複数の前記半導体ウエハーの試験ユニット10に、前記半導体ウエハー40の搭載と取出しを行うための前記昇降機構83を備えている。
【0092】
図15は、
図14で示される半導体ウエハーの試験ユニット10を側面から見た図である。
半導体ウエハー40が搭載されたウエハートレー20と、第2のアーム86bが挿入された時の位置関係を示している。
【0093】
アライメント用撮影機構84は、第2のアーム86bに2個のアライメント用カメラ84aと2個の照明85cとを備えている。
2個の前記アライメント用カメラ84aは、半導体ウエハーの端子41とプローブピン61を撮影するため、それぞれ上側と下側に向けられて搭載されている。
【0094】
前記第1のアーム86aは、前記半導体ウエハー40を前記ウエハーカセット81から取り出し、前記ウエハーアライナー89でセンタリングとオリフラ・ノッチを位置出し後、ウエハー搭載ステージ29に搭載する。
その後、前期半導体試験ユニット10の外側に移動する。
【0095】
前記第2のアーム86bは、前記第1のアーム86aが外側へ移動した後、前期半導体試験ユニット10の内側に移動しながら、前記アライメント用撮カメラ84aで対抗する2ヵ所の前記半導体ウエハーの端子41と前記プローブピン61の位置を撮影する。
【0096】
図16に示される本発明に係る半導体ウエハーの試験ユニット10は、ウエハートレー20と、プローブカード60を上側に搭載したテスターボード30と、前記ウエハートレー20を昇降させる昇降機構76とで構成されている。
【0097】
前記昇降機構76は、前記ウエハートレー20を昇降させる押圧板71と、該押圧板71に連結されたエアーシリンダー73と、該エアーシリンダー73を前記ボードラック70に取付ける取付け金具75で構成されている。
前記テスターボード30は、前記取付け金具75の基板ガイド溝77に装着される。
【0098】
前記テスターボード30は、前記プローブカード60と、前記押圧板71とで試験空間(図示は省略)を構成する真空チャンバー枠32と、前記テスターボード30を補強するボードフレーム(図示は省略)と、前記テストトレー20を下部より支持するトレー支持具64と、前記ウエハートレー20と前記プローブカード60との位置合せを行うトレー位置決めピン63とから構成されている。
【0099】
なお、前記テスターボード30に搭載される回路部品及びテスターとの接続コネクター部材等の図示は省略している。
【0100】
前記試験空間は、前記押圧板71が前記エアーシリンダー73により前記ウエハートレー20を下方に押下げ、前記押圧板71に設けられた真空シール(図示は省略)と前記真空チャンバー枠32を接触させることで形成される。
【0101】
次に、真空ポンプ(図示省略)を稼働させ、前記押圧板71に設けられる前記真空吸引口72より前記試験空間の空気を吸引することで、前記ウエハートレー20がさらに押し下げられ、半導体ウエハー40と前記プローブカード60とが接触し電気的接続が行われる。
【0102】
なお、前記ウエハートレー20には、前記トレー位置決めピン63と嵌合するスライドブッシュ24が四隅に設けられ、前記ウエハートレー20と前記プローブカード60との位置合せが行われ、前記ウエハートレー20のスムーズな上下動が行われる。
【0103】
また前記押圧板71は、その中央部に円形状の凸部74を有し、図示及び説明は省略するが、ウエハー搭載ステージ29に搭載される前記半導体ウエハー40を試験温度に加熱冷却する機能が設けられる。
【0104】
前記ウエハートレー20は、ウエハー搭載ステージ29を備えている。
前記半導体ウエハー40の外周の端子の外側を支えるガイド穴22(
図18)は、円形状をしている。
【0105】
また、前記真空チャンバー枠32を前記テスターボード30に取付け、前記押圧板71との間で前記試験空間を構成しても良い。
【0106】
前記トレー支持具64は、前記半導体ウエハー40が搭載された重量ではたわまないバネ定数を有した圧縮バネ64b(
図20)と支持ピン64a(
図20)で構成されている。
該トレー支持具64は、前記アライメント撮影機構84を備えた前記搬送ロボット82の第2のアーム86bが出し入れできる高さに保持できる機構を備えている。
【0107】
前記ウエハートレー20は、前記半導体ウエハー40の位置決めを行うX−Y位置制御機構50とシータ制御機構52とを備え、前記X−Y位置制御機構50を構成するXY方向スライド機構51が駆動部(
図18)の対向する側に取付けられている。
【0108】
前記X−Y位置制御機構50は、前記ウエハー搭載ステージ29のX方向またはY方向の移動量を制御するものである。
前記シータ制御機構52は、前記ウエハー搭載ステージ29の円周方向の移動量を制御するものである。
詳細の説明は、
図18にて行う。
【0109】
さらに、X、Y、θ(シータ)が個々に且つ相互に制御されることで、前記半導体ウエハーの端子41を高精度に位置決めすることができる。
【0110】
図17は、
図16に示される半導体ウエハー試験ユニット10を斜め下方より見た図面であり、昇降機構76を構成する押圧板71と円形状の凸部74と真空吸引口72を可視状態にしている。
ウエハートレー20とテスターボード30の構成は全て
図16と同じであるので、説明は省略する。
【0111】
図18に示される本発明に係るウエハートレー20は、前記プローブカード60の上側に保持され、前記プローブカード60との位置合せを行うトレーフレーム21と、前記半導体ウエハー40を搭載するウエハー搭載ステージ29と、円周方向スライド機構54を外側に備えたウエハー搭載ステージ支持体53とで構成されている。
【0112】
さらに前記ウエハートレー20は、前記ウエハー搭載ステージ29のX方向またはY方向の移動量を制御するX−Y位置制御機構50と前記ウエハー搭載ステージ29の円周方向の移動量を制御するシータ制御機構52とを備えている。
【0113】
前記X−Y位置制御機構50は、前記ウエハー搭載ステージ支持体53上に直交して、X軸及びY軸上に設けられ、駆動部27と受動部26と駆動方向スライド機構28(
図4)と直交方向スライド機構55(
図4)と取付け板(
図4)とXY方向スライド機構51(
図5)とで構成されている。
前記受動部26は、前記ウエハー搭載ステージ29に設けられている。
其々の詳細説明は、
図4及び
図5と同じため省略する。
【0114】
前記シータ制御機構52は、回転シャフトに駆動用の歯車27dを有した駆動部27を前記トレーフレーム21に、円弧状の歯車26gを前記ウエハー搭載ステージ支持体53に取付けた構成になっている。
詳細説明は、
図6と同じため省略する。
【0115】
前記ウエハー搭載ステージ29は、前記半導体ウエハー40を搭載時、その外形をガイドして搭載する円形状のウエハーガイド穴23と、前記半導体ウエハーの端子41を穴の内側に収容し、前記半導体ウエハー40の下面を支える円形状のガイド穴22と、前記受動部26と、該受動部26と対向する側にXY方向スライド機構取付け部29aとを備えている。
【0116】
前記ウエハートレー20を構成する前記トレーフレーム21は、その下方に設置される前記プローブカード60との位置決めを行うスライドブッシュ24を四隅に備えている。
【0117】
該スライドブッシュ24は、トレー位置決めピン63と嵌合して、前記プローブカード60との位置合せを行い、前記ウエハートレー20のスムーズな上下動を可能にしている。
【0118】
図19は、
図16で示される半導体ウエハーの試験ユニット10のテスターボート30に、プローブカード60が搭載された構成を示す斜視図である。
【0119】
前記プローブカード60は、プローブピン61を備えたプローブ基板62と、前記ウエハートレー20との位置合せを行うトレー位置決めピン63と、前記ウエハートレー20を下側から支持するトレー支持具64と、前記押圧板71と前記プローブカード60とで試験空間を構成するための、真空チャンバー枠32とで構成されている。
【0120】
図20は、
図19で示されるD部(トレー支持具64)の詳細を示している。
該トレー支持具64は、支持ピン64aと、圧縮バネ64bとストッパー65とEリング66とで構成されている。
【0121】
ウエハートレー20を所定の高さに保持する前記ストッパー65と前記Eリング66が、前記ウエハートレー20の上面に取付けられ、該ウエハートレー20を設定した所定の高さに保持できる機構を構成している。
なお、前記Eリング66をナットに替え、前記支持ピン64aの先端にネジを設ける機構でも良い。
【0122】
図21は、
図18で示される本発明に係るウエハートレー20と同じ構成で、違いはウエハー搭載ステージ29のガイド穴22の形状が多角形をしていることである。
図18で示される円形状のガイド穴22に比較し、半導体ウエハー40との接地面積が大きくなり、前記半導体ウエハー40の中央部のたわみ量を小さくすることができる。
他の説明は、
図18と同じ為省略する。
【0123】
図22は、
図18で示される本発明に係るウエハートレー20と同じ構成で、違いはウエハー搭載ステージ29のガイド穴22の形状が、多数の矩形で構成された格子状をしていることである。
これにより、前記半導体ウエハー40の中央部のたわみを防止することができる。
他の説明は、
図18と同じ為省略する。
【0124】
なお、格子状のガイド穴22は、前記半導体ウエハーの端子41との接触を防ぐため、可能な範囲で格子の幅を小さくし、エッチング加工が可能な板厚0.1ミリメートル前後のステンレス板などで作られることが望ましい。
【0126】
ウエハートレー20は、トレーフレーム21と、円周方向スライド機構54を外側に有するウエハー搭載ステージ支持体53と、ウエハー搭載ステージ29とから構成され、前記円周方向スライド機構54の内輪が回転する機構になっている。
【0127】
前記トレーフレーム21は、フレーム21aとプレート21bと固定用ネジ21cとで、前記円周方向スライド機構54の外輪を固定している。
【0128】
前記ウエハー搭載ステージ支持体53は、フレーム53aとプレート53bと前記固定用ネジ21cとで、前記円周方向スライド機構54の内輪を固定している。
【0129】
図24は、
図16で示される複数の半導体ウエハーの試験ユニット10が、ボードラック70に搭載された構成の斜視図である。
【0130】
ここで、アライメント用撮影機構84を有する搬送ロボット82は、第1のアーム86aと第2のアーム86bと、昇降機構83とを備えている。
また、半導体ウエハー40の位置決めを行うウエハーアライナー89が、前記ボードラック70の下部に配置されている。
【0131】
前記第1のアーム86aは、前記半導体ウエハー40を吸引保持するウエハーチャック87aと反転ユニット88とを備えている。
前記第2のアーム86bは、アライメント用カメラ84aと照明85cとをそれぞれ2個備え、撮影対象を撮影する為それぞれ上面と下面に向けられている。
【0132】
次に、前記半導体ウエハーの試験ユニット10における前記第1のアーム86aと前記第2のアーム86bの動作と、試験工程について簡単に説明する。
【0133】
前記第1のアーム86aは、ウエハーキャリア81(
図26)から前記半導体ウエハー40を取出し、前記反転ユニット88で反転し前記半導体ウエハー40の端子面を下側にし、前記ウエハーアライナー89で位置決めを行った後、前記ウエハートレー20の上側に挿入し、さらに下方に降下させ前記ウエハー搭載ステージ29に搭載する。
【0134】
次に、前記第2のアーム86bは、前記半導体ウエハー40が前記ウエハー搭載ステージ29に搭載される直前、前記ウエハートレー20の下側に挿入しながら、2個の前記アライメント用カメラ84aで対向する2ヵ所の前記半導体ウエハーの端子41と、前記ウエハー搭載ステージ29の前記ガイド穴22とを撮影する。
【0135】
前述の搭載される直前に前記第2のアーム86bを挿入し撮影対象を撮影し、前記半導体ウエハーの端子41と前記プローブピン61との位置合せを行うが、その必要性を次に記述する。
【0136】
前記ウエハー搭載ステージ29に前記半導体ウエハー40を搭載する時、前記半導体ウエハーの端子41が格子状をしたガイド穴22(
図22)に、接触しない空間を保持しているか否かの確認を行う。
【0137】
そして、接触する恐れがある場合は、初めに前記半導体ウエハーの端子41と前記ガイド穴22の位置合せを行い、その次に前記半導体ウエハーの端子41と前記プローブピン61の位置情報を撮影し、位置合せを行う。
【0138】
前記アライメント用カメラ84aの撮影が終了後、前記第2のアーム86bは前記半導体ウエハーの試験ユニット10の外部へ移動する。
そして、前記第1のアーム86aは挿入時の高さに復帰し、前記半導体ウエハーの試験ユニット10の外部へ移動して試験開始が始まる。
【0139】
試験は、前記押圧板71を前記エアーシリンダー73により降下させると共に前記ウエハートレー20を降下させ、前記押圧板71に設けられる真空シール(図示は省略)と前記真空チャンバー枠32が接触することで前記試験空間が形成される。
【0140】
次に、真空ポンプを稼働させ、前記押圧板71に設けられる前記真空吸引口72により、前記試験空間の空気を吸引することで、前記半導体ウエハー40と前記プローブカード60が接触し、電気的接続が行われることにより試験が開始される。
【0141】
試験終了後、前記第1のアーム86aで前記半導体ウエハー40を搬出し、前記反転ユニット88で反転して前記ウエハーキャリア81に搭載する。
【0142】
図25は、
図24で示される半導体ウエハーの試験ユニット10に搭載されたウエハートレー20と、半導体ウエハー40を吸引保持する第1のアーム86aと、第2のアーム86bに搭載されたアライメント撮影機構84と、押圧板71との位置関係を示す側面図である。
【0143】
前記第1のアーム86aは、理解を容易にするため、前記ウエハートレー20の上側に挿入した状態を図示している。
実際には、前記第2のアーム86bを前記ウエハートレー20の下側に挿入する時に、前記第1のアーム86aは下方に降下し、前記半導体ウエハー40を前記ウエハー搭載ステージ29に搭載する直前の状態になっている。
【0144】
前記第2のアーム86bは、前記ウエハートレー20の下側に挿入しながら、対向する2ヵ所の半導体ウエハーの端子41と、プローブピン61と、前記ウエハー搭載ステージ29のガイド穴22の位置とを撮影することができる。
【0145】
これまで説明したように、前記半導体ウエハーの端子41と前記プローブピン61との位置合せは、前記アライメント用撮影機構84で撮影した位置情報を、前記試験装置90に搭載される制御部91(
図26)により、前記X−Y位置制御機構50と前記シータ制御機構52が、個々に且つ相互に制御されることで高精度の位置合せが行われるものである。
【0146】
図26及び
図27は、試験装置90の外観斜視図と平面図を示すものである。
該試験装置90は、装置前面に制御部91と半導体ウエハー40を収容するウエハーカセット81とを備えている。
【0147】
前記試験装置90に設けられている搬送室80には、搬送ロボット82が設置され、前記搬送室80の奥には、ボードラック70に複数の半導体ウエハーの試験ユニット10が搭載され、その下段にはウエハーアライナー89が搭載され、前記半導体ウエハーの試験ユニット10の奥には、テスター部92が設置されている。
【0148】
次に、本発明に係る半導体ウエハーの試験ユニット10の使用例について、
図1及び
図8をベースに説明する。
【0149】
半導体ウエハーの試験ユニット10は、ウエハートレー20に半導体ウエハー40が位置決めして搭載され、試験が開始される前には減圧用真空ポンプ(図示は省略)は停止している。
昇降機構76を構成する押圧板71は、下方で停止している。
【0150】
試験開始時は、エアーシリンダー73が押圧板71を上方へ押上げることで、前記ウエハートレー20が上方へ押上げられ、ウエハー搭載ステージ29に設けられた真空シール25とプローブカード60が接触することで、試験空間が形成される。
【0151】
次に、前記減圧用真空ポンプを稼働させ、真空吸引口72により前記試験空間の空気を吸引することで該試験空間は減圧され、前記ウエハー搭載ステージ29が前記半導体ウエハー40をさらに押し上げ、半導体ウエハーの端子41とプローブピン61が接続し、半導体ウエハー40の試験が行われる。
【0152】
試験終了時は、前記減圧用真空ポンプを停止し、前記エアーシリンダー73で前記押圧板71を下方へ押し下げる。
【0153】
この時前記ウエハートレー20は、前記押圧板71と共に試験開始前の位置に降下し、前記第1のアーム86aにより、前記半導体ウエハー40が前記ウエハー搭載ステージ29から取り出される。
【0154】
本発明は以上のように構成するので、具体的には、次の課題に対応が可能となる。
従来のプローバー装置に比較し、簡単な構造で高さの低いウエハートレー上で高精度のウエハーの位置決めができることで、特許文献1で提案されるウエハー試験装置以上の多段構成のウエハー試験装置が実現できる。
また、ウエハーレベルパッケージにおける機能テスト及びバーンインテスト双方に、少量生産から多量生産まで安価なコストの試験装置を提供できる。
【0155】
また、IOTデバイスが注目されている現在、半導体デバイスのパッケージもBGA,FBGA,CSP、WLCSPと広がり、さらに新しい実装技術であるFOWLPへと進展してきている。
さらに、MEMSデバイスもFOWLP等の半導体ウエハーの開発が進展している。
【0156】
今後の半導体ウエハーのテストは、KGDへの要求に限らず、ウエハーレベルパッケージの生産量も多くなると考えられており、従来の前工程試験だけでなくウエハーレベルでの機能試験とバーンイン試験も避けられなくなる。
【0157】
本発明の半導体ウエハーの試験ユニットは、前工程試験だけでなくウエハーレベルでの機能試験とバーンイン試験への適用が可能であり、安価で信頼性を備えたコンタクトが提供されることで広範囲に普及すると考える。
【課題】半導体ウエハーの端子とプローブカードの端子をウエハートレー上で高精度に位置合せし、ウエハートレーの高さを低くすることにより多段構成の検査装置を可能にし、且つ低コストの製作が可能になる、半導体ウ エハーの試験ユニットを提供する。
【解決手段】ウエハートレー20は、ウエハー搭載ステージ29をX方向及びY方向に移動・制御するX−Y位置制御機構50と、前記ウエハー搭載ステージ29を円周方向に移動・制御するシータ制御機構52を備え、前記X−Y位置制御機構50と前記シータ制御機構52を個々に且つ相互に制御することができ、半導体ウエハーの端子とプローブピンとの位置合せを高精度に行うことができる。