【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0014】
すなわち本発明に係る綴じ機の切込刃は、用紙との間で相対往復運動し用紙を貫通することにより用紙にカット孔を形成するための刃先をその先端部に備えた刃本体と、この刃本体に厚み方向に貫通して設けられ、前記刃本体を前記カット孔内から抜き取る際に用紙を綴じるための帯状をなす綴じ部材を係わり合わせた状態で前記カット孔に該綴じ部材を挿し通すための綴じ部材挿通窓と、前記刃本体から厚み方向に隆起することにより前記綴じ部材挿通窓が前記カット孔を通過するときに当該カット孔の対向する対をなす切断端縁を離間させ隙間を形成する隙間形成用の隆起部とを備えていることを特徴とする。
【0015】
このようなものであれば、綴じ部材がカット孔を挿通するときにはカット孔の対向する切断端縁同士が離間した、換言すればカット孔が拡開した状態とすることで、綴じ部材がカット孔に干渉してしまうことを有効に回避することが可能となる。すなわち本発明によれば、綴じ機を使用するために必要な操作力を有効に削減することができる綴じ機に用いられる切込刃を提供することができる。
【0016】
そしてカット孔を有効に拡開させ得る構成として、隆起部が、綴じ部材挿通窓の幅方向両側に形成されている構成を挙げることができる。
【0017】
また、綴じ部材が用紙を通過するタイミングで有効にカット孔を拡開させ得る構成として、隆起部が、この綴じ部材挿通窓の先端縁よりも基端側に少なくとも一部が設けられている構成を挙げることができる。
【0018】
特にカット孔に綴じ部材が最も干渉し易いタイミングは綴じ部材が綴じ部材挿通窓の先端縁により持ち上げられながらカット孔を通過するタイミングである係るタイミングで有効にカット孔への綴じ部材の干渉を回避するためには、隆起部が、綴じ部材挿通窓よりも先端側に延出している構成とすることが望ましい。
【0019】
カット孔自体を損傷させずに大きく拡開させるために、隆起部が、最も隆起した隆起端から刃本体の幅方向端縁に向けて傾斜させて設けた傾斜面を有している。
【0020】
カット孔を有効に拡開させ得る構成として、隆起部が、刃本体における用紙の綴じ元側に面する裏面側及び用紙の綴じ先側に面する表面側の両方に形成されている。
【0021】
刃本体が、用紙の綴じ先側へ向けて膨出するカット孔を形成し得るように湾曲した断面形状をな
している。カット孔における膨出下側の切断端縁が隆起部により上下にめくられるので、より有効にカット孔を拡開し得る。
【0022】
<刃先の厚み構造>
また、上記本発明と同じ課題を解決するために、別に次のような手段を講じることができる。すなわち当該発明に係る綴じ機の切込刃は、以下の構成を有する。
【0023】
(1)用紙との間で相対往復運動し用紙を貫通することにより用紙にカット孔を形成するための刃先をその先端部に備えた刃本体と、
この刃本体に厚み方向に貫通して設けられ、前記刃本体を前記カット孔内から抜き取る際に用紙を綴じるための綴じ部材を係わり合わせた状態で前記カット孔に該綴じ部材を挿し通すための綴じ部材挿通窓と、
を備えている綴じ機の切込刃であって、
前記刃先が、先端から基端側へ向けて漸次幅寸法及び厚み寸法を大きくなる形状をなし、前記カット孔の幅寸法よりも小さい幅寸法をなす幅狭領域及び漸次厚み寸法が変化する薄肉領域を有し、この薄肉領域が前記幅狭領域を包含していることを特徴とする綴じ機の切込刃。
【0024】
このようなものであれば、刃先が用紙に通過する箇所の断面積の増加を従来よりも緩慢に行わせることができる。その結果小さい操作力でカット孔を穿孔することができる。すなわち本発明によれば、綴じ機を使用するために必要な操作力を有効に削減することができる綴じ機に用いられる切込刃を提供することができる。
【0025】
(2)前記薄肉領域よりも基端側で前記刃本体から厚み方向に隆起することにより前記カット孔の対向する対をなす切断端縁を離間させることにより隙間を形成する隙間形成用の隆起部を有している(1)記載の綴じ機の切込刃。
【0026】
これにより、刃本体とカット孔の切断端縁との間に隙間が形成されるので、切込刃が通過するときに紙に接する箇所を小さくして小さい力で切り込み刃を動作させることができる。
(3)前記隆起部が、当該隆起部の先端縁から基端側へ向かって前記隆起寸法を大きくするテーパ面を有している(1)又は(2)記載の綴じ機の切込刃。
【0027】
これにより、切込刃のスムーズな穿孔動作に寄与することができる。
(4)前記テーパ面の先端縁と前記薄肉領域の基端縁とを連続させている(3)記載の綴じ機の切込刃。
【0028】
これにより、カット孔の穿孔動作全域を通したスムーズな切込刃の動作に寄与することができる。
(5)前記隆起部が、前記刃本体における前記用紙の綴じ元側に面する裏面側及び前記用紙の綴じ先側に面する表面側の両方に形成されている(2)、(3)又は(4)記載の綴じ機の切込刃。
【0029】
これにより、切断端縁と切込刃との接触をさらに少なくして穿孔中の摩擦をさらに減じることができる。
(6)前記刃本体が、湾曲形状の前記カット孔を形成し得るように湾曲した断面形状をなす(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)記載の綴じ機の切込刃。
【0030】
これにより、刃本体の厚みを薄く構成して穿孔に要する操作力を削減しても、刃本体の剛性を有効に確保できる。
(7)前記綴じ部材挿通窓の下端縁が前記刃本体の断面形状に沿って湾曲している(6)記載の綴じ機の切込刃。
【0031】
薄い刃本体とすれば自ずと綴じ部材挿通窓の縁部も薄く構成されてしまい綴じ部材に局所的に作用力が集中してしまい屈曲させてしまうといった不具合の招来も考えられる。しかし上述した構成により、綴じ部材を引き上げる際には厚み方向に寸法を大きく取って引き上げることができる。その結果、綴じ部材への局所的な力の集中による折り癖の発生や綴じ部材の損傷を回避したり綴じ部材の損傷や望まない折れ等を防いだりすることができる。
【0032】
上記の切込刃と有する当該発明に係る綴じ機は、当該切込刃と用紙を保持するステージとを具備してなり、このステージに保持された用紙に前記切込刃を貫通させて抜き取ることにより前記用紙を前記綴じ部材により綴じるように構成された綴じ機である。
【0033】
上記の切込刃を有する当該発明に係る綴じ機は、当該切込刃と、用紙を保持するステージと、このステージに保持された用紙に前記切込刃を貫通させて前記カット孔を形成するための操作力を受け付ける手動操作部と、前記手動操作部に加えられる操作力が消勢した際に前記切込刃を用紙から抜き取るためのスプリングとを備えた綴じ機である。
【0034】
<定寸法送り出し機構>
ところで、上記特許文献1に記載した綴じ機の場合、ステージの下方から綴じ部材としての粘着テープを一回の綴じ動作毎に一定寸法ずつ送り出すテープ送り出し機構が設けられている。
【0035】
このような従来のテープ送り出し機構では、用紙を綴じようとする枚数の上限やカット孔を形成する位置に応じて、綴じ部材としての粘着テープの長さ寸法が予め設定されている。そして粘着テープを所定寸法正確にするために、送り出す綴じ機側の仕様と、送り出される粘着テープやこの粘着テープを剥離可能に保持する離間テープといった動作テープの仕様を合わせなければならない。そうなると、例えば動作テープ側の個体差が大きい場合等では、正確な送り出しに支障を来してしまう場合がある。また、動作テープを送り出す長さ寸法を異ならせたいときは、動作テープの仕様変更のみならず、さらにテープ送り出し機構自体の仕様を変更したり、或いは送り出し寸法を異ならせるための格別の構成を付与したりしなければならない。
【0036】
このような課題は送り出される側の動作テープとして粘着テープ又は離間テープを適用した綴じ機に限られない。すなわち動作テープを所定寸法送り出すための既存の種々のテープ送り出し機構が共通に有する課題である。
【0037】
当該発明は上述した点に着目したものであり、簡素な構成を有しつつ、所望の長さでテープを送り出し得るテープ送り出し機構を提供することを目的としている。
【0038】
当該発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち当該発明に係るテープ送り出し機構は、以下の構成を有する。
【0039】
(1)動作方向に沿って間欠的に設けられた複数の凹部を有する動作テープと、
この動作テープを送り出すための操作力を受ける操作部と、
操作部に付与された操作力により前記動作テープを動作させるテープ動作部と、
前記凹部に係り合い前記動作テープの動作を禁止する係合状態し得る凸部と、
前記操作力がテープ動作部に伝わる前に当該操作力により前記係合状態を解除する始動時解除部と、
係合が解除された前記凸部を動作中の動作テープの表面に弾性付勢させるとともに前記凹部が凸部に相当する位置まで動作したときに前記係合状態とする弾性付勢部と、
前記弾性付勢部により前記係合状態とした後に継続して付与される操作力が前記動作テープの動作に変換されることを禁止する伝達禁止部と
を有していることを特徴とするテープ送り出し機構。
【0040】
このようなものであれば、動作テープを送り出す寸法を決定する要因を動作テープに設けた凹部の配置のみとすることができる。その結果、動作テープの個体差に拘わらず正確な送り出し動作を行う事が出来る。また、動作テープ以外の構成を何ら変更したり、格別の構成を何ら付与したりすることなく動作テープに設けた凹部の配置を変更するのみで動作テープを送り出す寸法を適宜設定することができる。すなわち当該発明によれば、簡素な構成としながらも正確なテープの送り出しを実現することができる。
【0041】
(2)前記動作テープに設けられた複数の凹部が動作方向に沿って所定間隔で設けられた複数の開口であり、前記凸部が前記開口に嵌り得る突起である(1)記載のテープ送り出し機構。
【0042】
これにより、より単純な構成で上述した正確な寸法の送り出しを実現し得る。
【0043】
(3)前記テープ動作部が、前記動作テープを巻き取る巻取リールである(1)又は(2)記載のテープ送り出し機構。
【0044】
これにより、動作テープの安定した動作を実現し得る。
【0045】
(4)前記操作部が、使用者に直接操作される操作レバーと、操作レバーに加えられた操作力により反復動作するラック部材と、前記ラック部材の動作により回転動作するピニオン部材とを有するものであり、
前記伝達禁止部が、前記ピニオン部材に対しすべり部を介して支持されるとともに前記巻取リールを支持するクラッチである(3)記載のテープ送り出し機構。
【0046】
これにより、ラック部材及びピニオン部材の動作中にクラッチが選択的に滑り動作をおこなうことで、所要の寸法以上の動作テープの送り出しを有効に禁止し得る。
【0047】
(5)操作力が付与されていないときに前記ラック部材の動作終端から動作始端へ戻り動作させる戻り部材と、この戻り部材による戻り動作のときに前記ラック部材及び前記ピニオン部材を離間させる離間機構とを有している(4)記載のテープ送り出し機構。
【0048】
これにより、動作部品に過度の負担を掛けることなく安定した動作を維持し得る。
【0049】
(6)前記離間機構が、前記ラック部材に設けられた突起を案内する案内レールに設けられている(5)記載のテープ送り出し機構。
【0050】
これにより、ラック部材の安定した戻り動作を実現することができる。
【0051】
(7)前記ラック部材が動作終端に至るまでの中間位置にあるときに前記動作始端への戻り動作を禁止する戻り防止機構を有している(4)、(5)又は(6)記載のテープ送り出し機構。
【0052】
これにより、操作部に加わる外力によるラック部材の動作寸法にばらつきがあっても動作テープを所要の寸法の送り出しを安定して維持し得る。
【0053】
<使用済み離間テープを収容し得る綴じ機>
ところで、上記特許文献1に記載した綴じ機の場合、ステージの下方から綴じ部材としての粘着テープを一回の綴じ動作毎に一定寸法ずつ送り出すテープ送り出し機構が設けられている。
【0054】
ここで、上記特許文献1記載の綴じ機に限られず従来の綴じ部材として帯状の離間テープに隔離可能に保持された粘着テープを用いた綴じ機では、粘着テープ送り出した後の離間テープは綴じ機の外部に順次排出される構成を適用している。このような構造を適用していると、粘着テープを送り出している作業中に綴じ機から表出する離間テープは漸次長くなっていくので、不要に長くなった離間テープが使用者の作業に支障を来したり、使用者が離間テープを切断、廃棄する手間を作業中に強いたりするものとなっていた。
【0055】
当該発明は、斯かる点に着目したものであり、粘着テープを剥離させた離間テープを好適に収容し、使用者が快適に連続使用し得る綴じ機を提供することを目的としている。
【0056】
当該発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち当該発明に係る綴じ機は、以下の構成を有する。
【0057】
(1)一面に粘着剤が塗工された帯状の粘着テープによって、重層された複数の用紙を綴じることができる綴じ機構と、
所定長さの前記粘着テープを連続配置した状態で剥離可能に支持している離間テープを折り返し支持することにより前記粘着テープの少なくとも一部を前記離間テープから剥離させてケース外部に位置させる離間誘発部、及びこの離間誘発部を経て送り出された前記離間テープをケース内部に収容し得る離間テープ収容部を有するテープ送り出し機構と
を具備することを特徴とする綴じ機。
【0058】
このようなものであれば、離間テープが使用者の作業に支障を来したり、使用者が離間テープを切断、廃棄する作業を作業中に強いたりすることを回避することができる。すなわち当該発明によれば、使用者が快適に連続使用し得る綴じ機を提供することができる。
【0059】
(2)前記離間テープ収容部が、前記離間テープを巻き取る巻取リールと、この巻取リールを支持するリール支持板とを有し、前記離間テープを前記巻取リールに巻回保持された状態で前記ケース外へ排出し得る(1)記載の綴じ機。
【0060】
これにより、使用後の離間テープの排出の手間も簡便なものとすることができる。
【0061】
(3)前記リール支持板が前記粘着テープを支持した離間テープを巻回保持した操出リールを回転可能に支持することによりリフィルを構成している(2)記載の綴じ機。
【0062】
これにより、粘着テープの充填と離間テープの廃棄を同時に行うことができる。
【0063】
(4)前記離間テープが動作方向に沿って間欠的に設けられた複数の凹部を有するものであり、
前記リフィルが、前記凹部に係り合い前記動作テープの動作を禁止する係合状態とし得る凸部と、外力により前記係合状態を解除する始動時解除部と、係合が解除された前記凸部を動作中の離間テープの表面に弾性付勢させるとともに前記凹部が凸部に相当する位置まで動作したときに前記係合状態とする弾性付勢部とを有している(3)記載の綴じ機。
【0064】
これにより、粘着テープ及び離間テープの送り出し動作を正確に行うことができる。
【0065】
(5)前記テープ送り出し機構が、
前記離間テープを送り出すための操作力を受けて前記巻取リールを回転させる操作部と、前記弾性付勢部により前記係合状態とした後に継続して付与される操作力が前記離間テープの動作に変換されることを禁止する伝達禁止部とを有している(4)記載の綴じ機。
【0066】
これにより、操作力如何にかかわらず、離間テープが所定寸法以上に送り出されてしまうという不具合を有効に回避し得る。
【0067】
(6)前記操作部が、使用者に直接操作される操作レバーと、操作レバーに加えられた操作力により反復動作するラック部材と、前記ラック部材の動作により回転動作するピニオン部材とを有するものであり、
前記伝達禁止部が、前記ピニオン部材に対しすべり部を介して支持されるとともに前記巻取リールを支持するクラッチである(5)記載の綴じ機。
【0068】
これにより、巻取リールの正確な動作を実現することができる。
【0069】
(7)前記離間テープに設けられた複数の凹部が動作方向に沿って所定間隔で設けられた複数の開口であり、前記凸部が前記開口に嵌り得る突起である(4)、(5)又は(6)記載の綴じ機。
【0070】
これにより、離間テープを所定寸法送り出したときに停止させる動作を正確に行わせることができる。
【0071】
<定寸法送り出しができるリフィル>
ところで、上記特許文献1に記載した綴じ機の場合、ステージの下方から綴じ部材としての粘着テープを一回の綴じ動作毎に一定寸法ずつ送り出すテープ送り出し機構が設けられている。
【0072】
このような従来のテープ送り出し機構では、用紙を綴じようとする枚数の上限やカット孔を形成する位置に応じて、綴じ部材としての粘着テープの長さ寸法が予め設定されている。そして正確に作動させるべく、送り出す綴じ機側の仕様と、送り出されるテープやテープを剥離可能に保持する離間紙の仕様を合わせなければならない。そうなると、例えば粘着テープの個体差が大きい場合等では、正確な送り出しに支障を来してしまう場合がある。また、粘着テープを送り出す長さ寸法を異ならせたいときは、テープ送り出し機構自体の仕様を変更するか、或いは送り出し寸法を異ならせるための格別の構成を付与しなければならない。
【0073】
このような課題はテープとして粘着テープを適用した綴じ機に限られない。すなわちテープを所定寸法送り出すための既存の種々のテープ送り出し機構が共通に有する課題である。
【0074】
当該発明は上述した点に着目したものであり、簡素な構成を有しつつ、所望の長さでテープを送り出し得るテープ送り出し機構に好適に用いられるリフィルを提供することを目的としている。
【0075】
当該発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち当該発明に係るテープ送り出し機構用リフィルは、以下の構成を有する。
【0076】
(1)動作方向に所定間隔で設けた複数の凹部を有する動作テープと、
外力により前記動作テープを動作させるテープ動作部と、
前記凹部に係り合い前記動作テープの動作を禁止する係合状態とし得る凸部と、外力により前記係合状態を解除する係合解除部と、
係合が解除された前記凸部を動作中の動作テープの表面に弾性付勢させるとともに前記凹部が凸部に相当する位置まで動作したときに前記係合状態とする弾性付勢部と
を備えたテープ送り出し機構用リフィル。
【0077】
このようなものであれば、動作テープに設けた凹部の位置で確実に動作テープの動作を禁止することができる。その結果、簡素な構成を有しつつ、所望の長さでテープを送り出し得るテープ送り出し機構に好適に用いられるリフィルを提供することができる。
【0078】
(2)前記動作テープに設けられた複数の凹部が動作方向に沿って所定間隔で設けられた複数の開口であり、前記凸部が前記開口に嵌り得る突起である(1)記載のテープ送り出し機構用リフィル。
【0079】
これにより、簡素な構成で確実に動作テープの動作を禁止し得る係合状態を実現することができる。
【0080】
(3)前記テープ動作部が、前記動作テープを巻き取る巻取リールである(1)又は(2)記載のテープ送り出し機構用リフィル。
【0081】
これにより、動作テープの安定した動作を実現することができる。
【0082】
(4)前記動作テープが一面に粘着剤が塗工された帯状の粘着テープを連続配置した状態で剥離可能に支持している離間テープであり、
前記粘着テープを支持している離間テープを巻回保持する操出リールと、
この操出リールから送り出された前記粘着テープを前記離間テープから剥離させ得る離間誘発部と、
この離間誘発部を経て送り出された前記離間テープを巻き取る巻取リールとを有している(3)記載のテープ送り出し機構用リフィル。
【0083】
これにより、粘着テープを綴じ部材として複数の用紙を綴じる綴じ機に好適に適用し得る。
【0084】
(5)前記リール支持板と前記巻取リール又は前記操出リールとの間に前記離間テープの送り出し方向とは反対方向の逆回転を禁止する逆回転禁止機構を設けている(4)記載のテープ送り出し機構用リフィル。
【0085】
これにより、粘着テープの送り出しをより正確なものとすることができる。
【0086】
(6)前記凸部、前記係合解除部及び前記弾性付勢部を一体に成形している(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)記載のテープ送り出し機構用リフィル。
【0087】
これにより、リフィルを構成する部品点数を有効に削減し得る。
【0088】
(7)前記係合状態にある前記凸部の先端に係り合い前記凸部を支持する凸部支持部材を有している(1)、(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)記載のテープ送り出し機構用リフィル。
【0089】
これにより、係合状態を安定して維持することができるので、保管時や輸送中において動作テープの不要な動作を有効に禁止し得る。
【0090】
<綴じ部材の幅方向ガイド>
ところで、上記特許文献1に記載した綴じ機の場合、ステージの下方から綴じ部材としての粘着テープを一回の綴じ動作毎に一定寸法ずつ送り出すテープ送り出し機構が設けられている。このテープ送り出し機構により、綴じ機構の動作時には粘着テープが所定の位置に保持されている。
【0091】
しかしながら、綴じ動作中に粘着テープが何らかの要因で幅方向にずれてしまうと、綴じ動作中に綴じ機構における他の機構部品に粘着剤が止着してしまう等の不具合が起こり綴じ動作が正常に行えなかったり、また用紙を綴じることができたとしても十分な綴じ強度が得られなかったりするという不具合を招来してしまう。
【0092】
また上記不具合は特許文献1記載の綴じ機に限定されるのみならず、切込刃が綴じ部材を係わり合わせることの可能な窓を有するとともに、切込刃をカット孔内から抜き取る動作中にこの窓に係わり合わせた綴じ部材をカット孔に挿し通すようにしている構成の綴じ機全般において存在する。
【0093】
当該発明は、このような不具合に着目したものであり、複数の用紙を綴じる動作を円滑且つ正確に行い得る綴じ機を提供することを目的としている。
【0094】
当該発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち当該発明に係る綴じ機は、以下の構成を有する。
【0095】
(1)用紙との間で相対往復運動し用紙を貫通することにより用紙にカット孔を形成するための刃先をその先端部に備えた刃本体、及び、この刃本体に厚み方向に貫通して設けられ、前記刃本体を前記カット孔内から抜き取る際に用紙を綴じるための帯状をなす綴じ部材を係わり合わせた状態で前記カット孔に当該綴じ部材を挿し通すための綴じ部材挿通窓を有する切込刃と、前記用紙を載置するためのステージとを具備してなり、このステージに載置された用紙に前記切込刃を貫通させて抜き取ることにより前記用紙を前記綴じ部材により綴じる綴じ機であって、
用紙を綴じるための綴じ動作中に前記綴じ部材の少なくとも幅方向のずれを防止するための幅方向ガイドを有していることを特徴とする綴じ機。
【0096】
このようなものであれば、綴じ部材が所要の幅方向の位置に位置付けられながら綴じ動作を行うことができるので、綴じ動作を正確に行うことができる。その結果、複数の用紙を綴じる動作を円滑且つ正確に行い得る綴じ機を提供することができる。
【0097】
(2)前記綴じ部材が粘着テープであるとともに、この粘着テープにより前記カット孔及び前記用紙の綴じ元側の端縁を通る閉ループを形成することで重層された複数の前記用紙を綴じるものであり、
前記幅方向ガイドが、前記切込刃よりも綴じ元側で前記粘着テープをガイドする綴じ元側ガイドと、この綴じ元側ガイドよりも前記切込刃を介した綴じ先側で前記粘着テープをガイドする綴じ先側ガイドとを有している(1)記載の綴じ機。
【0098】
これにより、綴じ動作中に粘着テープが幅方向にずれてしまう不具合を有効に回避し得る。
【0099】
(3)前記用紙の前記カット孔よりも綴じ元側を押圧する押圧動作を行う押圧部材を有するものであり、
前記綴じ先側ガイドが、前記紙押さえに設けられている(2)記載の綴じ機。
【0100】
これにより、粘着テープのガイドと確実な綴じ動作とを併せて実現し得る。
【0101】
(4)前記綴じ元側ガイドが、前記紙押さえにおいて前記用紙を押さえる押さえ面から突設されるとともに、この紙押さえ面が用紙を押さえるときに前記紙押さえへ没入する没入動作を行う(3)記載の綴じ機。
【0102】
これにより、綴じ元側ガイドが紙押さえの作用に干渉することを有効に回避することができる。
【0103】
(5)前記綴じ先側ガイドの先端が、綴じ動作前にある前記切込刃の先端よりもさらに先端側にある(2)、(3)又は(4)記載の綴じ機。
【0104】
これにより、綴じる前の用紙が切込刃の下方を通るときに粘着テープが刃先に触れてしまうことを回避することができる。
【0105】
(6)前記綴じ元側ガイドの先端が綴じ動作前にある前記切込刃の先端よりもさらに先端側にあるものであり、
前記用紙を綴じるための所定のセット位置に位置付ける動作中に前記粘着テープが前記綴じ元側ガイド及び前記綴じ先側ガイドの両方に接するようにしている(5)記載の綴じ機。
【0106】
これにより、用紙の挿入動作中に一切刃先が粘着テープに触れることを回避することができる。
【0107】
(7)前記綴じ先側ガイドよりもさらに綴じ先側に前記カット孔を挿通した前記粘着テープを圧縮する圧縮ローラを具備するものであり、
前記綴じ先側ガイドが前記圧縮ローラに圧縮される前の前記カット孔を挿通した前記粘着テープを幅方向にガイドし得る(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)記載の綴じ機。
【0108】
これにより、一連の綴じ動作を通して粘着テープの幅方向のガイドを確実に行い得る。
【0109】
<拡開する用紙ガイド>
ところで、上記特許文献1に記載した綴じ機の場合、ステージの下方から綴じ部材としての粘着テープを一回の綴じ動作毎に一定寸法ずつ送り出すテープ送り出し機構が設けられている。このテープ送り機構により、綴じ機構動作時には粘着テープが所定の位置に保持されている。
【0110】
しかしながら、綴じ動作時に重層された複数の用紙を所定位置よりも傾斜した状態で綴じてしまったり、用紙同士がずれて重ねられた状態で綴じ動作を行うと、綴じた後の綴じテープがゆるんだり、閉ループが形成されなかったり、用紙同士がずれた状態で綴じられた場合、綴じた後に用紙同士を揃えた場合等に粘着テープ及びカット孔の両側端に不要な力が掛かってしまい、カット孔が裂けてしまうという不具合を招来してしまう。
【0111】
当該発明は、このような不具合に着目したものであり、複数の用紙を綴じる動作を円滑且つ正確に行い得る綴じ機を提供することを目的としている。
【0112】
当該発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち当該発明に係る綴じ機は、以下の構成を有する。
【0113】
(1)用紙との間で相対往復運動し用紙を貫通することにより用紙にカット孔を形成するための刃先をその先端部に備えた刃本体、及び、この刃本体に厚み方向に貫通して設けられ、前記刃本体を前記カット孔内から抜き取る際に用紙を綴じるための綴じ部材を係わり合わせた状態で前記カット孔に該綴じ部材を挿し通すための綴じ部材挿通窓を有する切込刃と、前記用紙を載置するためのステージとを具備してなり、このステージに載置された用紙に前記切込刃を貫通させて抜き取ることにより前記用紙を前記綴じ部材により綴じる綴じ機であって、
前記ステージ上に設けられ前記用紙に接していない待機姿勢から前記用紙を綴じるための所定のセット位置で位置決めするガイド姿勢まで動作し得るものであり、前記セット位置まで移動する前記用紙に当接しながら幅方向に拡開する拡開動作を促す拡開動作誘導面と、この拡開動作の動作終端で前記用紙の端部を前記セット位置に位置決めする位置決め面とを有する用紙ガイドを具備していることを特徴とする綴じ機。
【0114】
このようなものであれば、用紙ガイドの位置決め面が複数の用紙を正確にセット位置に位置決めすることができるので、重層した複数の用紙の正確な綴じ動作に寄与し得る。その結果、数の用紙を綴じる動作を円滑且つ正確に行い得る綴じ機を提供することができる。
【0115】
(2)前記用紙ガイドが、前記拡開動作誘導面の前記用紙への当接位置を変更しながら回転動作するものである(1)記載の綴じ機。
【0116】
これにより、用紙ガイドの正確な動作が実現される。
【0117】
(3)前記セット位置にある用紙を押圧する押圧動作を行う押圧部材を有するものであり、
前記用紙ガイドが、待機姿勢にあるときに前記押圧部材に当接し前記押圧動作を禁止し得るものである(1)又は(2)記載の綴じ機。
【0118】
これにより、押圧部材が用紙をセット位置まで動作し得ていないときに用紙を押圧し用紙の位置決めに干渉してしまうことを回避することができる。
【0119】
(4)前記用紙ガイドが、前記ガイド姿勢で前記ステージの平面視外縁よりも突出するとともに前記待機姿勢で前記ステージの平面視外縁よりも内側に位置付けられる(1)、(2)又は(3)記載の綴じ機。
【0120】
これにより、使用時以外ではコンパクトに構成し取り扱いを行い易い綴じ機を実現することができる。
【0121】
(5)前記用紙ガイドが、前記ガイド姿勢で外方に露出する請求項(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)記載の綴じ機。
【0122】
これにより、用紙がセット位置に有るか否かを外方から目視により容易に判別することができる。
【0123】
(6)前記用紙ガイドが、前記切込刃の両側方に対をなして設けられた対照形状をなすガイド部材を有している(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)記載の綴じ機。
【0124】
これにより、ガイド部材の位置からカット孔が穿孔される位置を把握し易くなり、所望の位置で用紙を綴じることができる。
【0125】
(7)前記用紙ガイドを前記待機姿勢へ向けて弾性付勢する付勢部材を有している(1)、(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)記載の綴じ機。
【0126】
これにより、セット位置近傍に用紙があるときは常に用紙に用紙ガイドを接しているため、セット位置への位置調整は用紙ガイドを目視しながら容易に行うことができる。