【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成25年度〜平成27年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「太陽光発電多用途化実証プロジェクト/太陽光発電多用途化実証事業/低コスト太陽光追尾システムの農地での有効性実証」に関する共同研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような太陽光パネルユニットでは、太陽光パネルの揺動(例えば、強風による太陽光パネルの揺動など)によって太陽光パネルが支持架台(支持機構)に衝突してしまうおそれがある。そのため、太陽光パネルと支持架台との間に生じる衝撃に対する耐性を強化するための対策を講じることになるので、太陽光パネルユニットの設計自由度を向上させることが困難となっている。
【0005】
そこで、この発明は、太陽光パネルと支持機構との間に生じる衝撃を緩和することが可能な太陽光パネルユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第
1の発明は、
太陽光パネル(20)と、上記太陽光パネル(20)を揺動可能に支持する支持機構(30)と、上記太陽光パネル(20)に設けられる第1規制部材(61)と、上記支持機構(30)に設けられる第2規制部材(62)とを有し、該第1規制部材(61)が該第2規制部材(62)に当接して該太陽光パネル(20)の揺動可能範囲を規制する揺動規制機構(60)とを備え、上記第1規制部材(61)および上記第2規制部材(62)のうち少なくとも一方は、該第1規制部材(61)が該第2規制部材(62)に当接した際に生じる衝撃を吸収可能な弾性部材によって構成されており、上記弾性部材は、弾性ゴムによって構成されていることを特徴とする太陽光パネルユニットである。
【0007】
上記第1の発明では、太陽光パネル(20)に設けられた第1規制部材(61)が支持機構(30)に設けられた第2規制部材(62)に当接した際に生じる衝撃を、弾性部材によって吸収することができるので、太陽光パネル(20)の揺動を規制する際に生じる衝撃を緩和することができる。
【0008】
なお、上記第
1の発明では、第1規制部材(61)および第2規制部材(62)のうち少なくとも一方は、
弾性部材である弾性ゴムによって構成されている。
【0009】
第
2の発明は、上記第
1の発明において、上記太陽光パネル(20)は、パネル本体(21)と、該パネル本体(21)の裏面に設けられて該太陽光パネル(20)の幅方向に延びる固定部材(22)とを有し、上記支持機構(30)は、上記太陽光パネル(20)の幅方向の中央部に沿う方向に延びる支持台部(31a)と、該支持台部(31a)の長手方向の端部の上面に立設された支持片部(31b)と有する支持部材(31)を備え、上記固定部材(22)は、上記支持台部(31a)の長手方向において上記支持片部(31b)の外側に配置された状態で、上記太陽光パネル(20)の幅方向の中央部に沿う方向に延びる揺動軸線(C)を中心として該支持片部(31b)の先端部と揺動可能に連結され、上記固定部材(22)には、該固定部材(22)の上記支持片部(31b)と対向する側面から突出する突起部(71)が設けられ、上記突起部(71)は、円筒状に形成された弾性ゴムによって構成され、上記太陽光パネル(20)の揺動角が上記揺動可能範囲の限界角(θmax,θmin)に到達したときに上記支持台部(31a)の長手方向の端部に当接するように配置され、上記第1規制部材(61)は、上記突起部(71)によって構成され、上記第2規制部材(62)は、上記支持台部(31a)の長手方向の端部によって構成されていることを特徴とする太陽光パネルユニットである。
【0010】
上記第
2の発明では、第1規制部材(61)を突起部(71)によって構成するとともに、第2規制部材(62)を支持台部(31a)の長手方向の端部によって構成することにより、支持部材(31)の一部を揺動規制機構(60)の一部として兼用することができる。
【0011】
第
3の発明は、
太陽光パネル(20)と、上記太陽光パネル(20)を揺動可能に支持する支持機構(30)と、上記太陽光パネル(20)に設けられる第1規制部材(61)と、上記支持機構(30)に設けられる第2規制部材(62)とを有し、該第1規制部材(61)が該第2規制部材(62)に当接して該太陽光パネル(20)の揺動可能範囲を規制する揺動規制機構(60)とを備え、上記第1規制部材(61)および上記第2規制部材(62)のうち少なくとも一方は、該第1規制部材(61)が該第2規制部材(62)に当接した際に生じる衝撃を吸収可能な弾性部材によって構成されており、上記弾性部材は、板バネによって構成されていることを特徴とする太陽光パネルユニットである。
【0012】
上記第3の発明では、太陽光パネル(20)に設けられた第1規制部材(61)が支持機構(30)に設けられた第2規制部材(62)に当接した際に生じる衝撃を、弾性部材によって吸収することができるので、太陽光パネル(20)の揺動を規制する際に生じる衝撃を緩和することができる。
【0013】
なお、上記第
3の発明では、第1規制部材(61)および第2規制部材(62)のうち少なくとも一方は、
弾性部材である板バネによって構成されている。
【0014】
第
4の発明は、上記第
3の発明において、上記太陽光パネル(20)は、パネル本体(21)と、該パネル本体(21)の裏面に設けられて該太陽光パネル(20)の幅方向に延びる固定部材(22)とを有し、上記支持機構(30)は、上記太陽光パネル(20)の幅方向の中央部に沿う方向に延びる支持台部(31a)と、該支持台部(31a)の長手方向の端部の上面に立設された支持片部(31b)と有する支持部材(31)を備え、上記固定部材(22)は、上記支持台部(31a)の長手方向において上記支持片部(31b)の外側に配置された状態で、上記太陽光パネル(20)の幅方向の中央部に沿う方向に延びる揺動軸線(C)を中心として該支持片部(31b)の先端部と揺動可能に連結され、上記支持台部(31a)の長手方向の端部には、延出片部(72)が設けられ、上記延出片部(72)は、上記支持台部(31a)の長手方向に延出する板状に形成され、その延出方向と直交する幅方向の端部が屈曲して板バネを形成し、その屈曲した端部が上記太陽光パネル(20)の揺動角が上記揺動可能範囲の限界角(θmax,θmin)に到達したときに上記固定部材(22)と当接するように構成され、上記第1規制部材(61)は、上記固定部材(22)によって構成され、上記第2規制部材(62)は、上記延出片部(72)によって構成されていることを特徴とする太陽光パネルユニットである。
【0015】
上記第
4の発明では、第1規制部材(61)を固定部材(22)によって構成するとともに、第2規制部材(62)を延出片部(72)によって構成することにより、太陽光パネル(20)の一部を揺動規制機構(60)の一部として兼用することができる。
【0016】
第
5の発明は、
太陽光パネル(20)と、上記太陽光パネル(20)を揺動可能に支持する支持機構(30)と、上記太陽光パネル(20)に設けられる第1規制部材(61)と、上記支持機構(30)に設けられる第2規制部材(62)とを有し、該第1規制部材(61)が該第2規制部材(62)に当接して該太陽光パネル(20)の揺動可能範囲を規制する揺動規制機構(60)とを備え、上記第1規制部材(61)および上記第2規制部材(62)のうち少なくとも一方は、該第1規制部材(61)が該第2規制部材(62)に当接した際に生じる衝撃を吸収可能な弾性部材によって構成されており、上記弾性部材は、空気袋によって構成されていることを特徴とする太陽光パネルユニットである。
【0017】
上記第5の発明では、太陽光パネル(20)に設けられた第1規制部材(61)が支持機構(30)に設けられた第2規制部材(62)に当接した際に生じる衝撃を、弾性部材によって吸収することができるので、太陽光パネル(20)の揺動を規制する際に生じる衝撃を緩和することができる。
【0018】
なお、上記第
5の発明では、第1規制部材(61)および第2規制部材(62)のうち少なくとも一方は、
弾性部材である空気袋によって構成されている。
【0019】
第
6の発明は、上記第
5の発明において、加えられる空気圧の増加および減少に応じて出力軸(73a)を回転させる空気圧アクチュエータ(73)と、上記空気圧アクチュエータ(73)の出力軸(73a)の回転に応じて上記太陽光パネル(20)を揺動させる伝達機構(74)と、上記空気圧アクチュエータ(73)に空気を供給するための空気経路(75,76)と、上記空気経路(75,76)の中途部に接続されて該空気経路(75,76)における空気圧の増加および減少に応じて伸縮する空気袋(81,82)とをさらに備え、上記太陽光パネル(20)は、パネル本体(21)と、該パネル本体(21)の裏面に設けられて該太陽光パネル(20)の幅方向に延びる固定部材(22)とを有し、上記支持機構(30)は、上記太陽光パネル(20)の幅方向の中央部に沿う方向に延びる支持台部(31a)と、該支持台部(31a)の長手方向の端部の上面に立設された支持片部(31b)と有する支持部材(31)とを備え、上記固定部材(22)は、上記支持台部(31a)の長手方向において上記支持片部(31b)の外側に配置された状態で、上記太陽光パネル(20)の幅方向の中央部に沿う方向に延びる揺動軸線(C)を中心として該支持片部(31b)の先端部と揺動可能に連結され、上記空気袋(81,82)は、上記空気経路(75,76)を経由して上記空気圧アクチュエータ(73)に加えられる空気圧が増加した場合に上記太陽光パネル(20)が揺動する方向において、上記太陽光パネル(20)の揺動角が上記揺動可能範囲の限界角(θmax,θmin)に到達したときに上記固定部材(22)に当接するように、上記支持機構(30)に設けられ、上記第1規制部材(61)は、上記固定部材(22)によって構成され、上記第2規制部材(62)は、上記空気袋(81,82)によって構成されていることを特徴とする太陽光パネルユニットである。
【0020】
上記第
6の発明では、第1規制部材(61)を固定部材(22)によって構成するとともに、第2規制部材(62)を空気袋(81,82)によって構成することにより、太陽光パネル(20)の一部を揺動規制機構(60)として兼用することができる。
【0021】
第
7の発明は、上記第
6の発明において、上記空気経路(75,76)に接続されて該空気経路(75,76)における空気圧の増加および減少に応じて伸縮する補助袋(83,84)をさらに備え、上記補助袋(83,84)は、上記空気経路(75,76)を経由して上記空気圧アクチュエータ(73)に加えられる空気圧が増加した場合に上記太陽光パネル(20)が揺動する方向とは逆の方向において、上記太陽光パネル(20)の揺動角が上記揺動可能範囲の限界角(θmax,θmin)に到達したときに上記固定部材(22)に当接するように、上記支持機構(30)に設けられ、上記第2規制部材(62)は、上記空気袋(81,82)と上記補助袋(83,84)とによって構成されていることを特徴とする太陽光パネルユニットである。
【0022】
上記第
7の発明では、補助袋(83,84)を設けることにより、空気経路(75,76)を経由して空気圧アクチュエータ(73)に加えられる空気圧が増加したときに太陽光パネル(20)が揺動する方向とは逆の方向に太陽光パネル(20)が揺動した場合であっても、太陽光パネル(20)の揺動を規制する際に生じる衝撃を緩和することができる。
【0023】
第
8の発明は、上記第
6または第
7の発明において、大気から上記空気経路(75,76)への空気の流れを許容する逆止弁(85,86)をさらに備えていることを特徴とする太陽光パネルユニットである。
【0024】
上記第
8の発明では、空気経路(75,76)において空気圧が大気圧よりも低くなることを防止することができ、空気袋(81,82)における空気圧が大気圧よりも低くなることを防止することができる。
【発明の効果】
【0025】
第1
,第3,第
5の発明によれば、太陽光パネル(20)の揺動を規制する際に生じる衝撃を緩和することができるので、太陽光パネル(20)と支持機構(30)との間に生じる衝撃を緩和することができる。
【0026】
第
2の発明によれば、支持部材(31)の一部を揺動規制機構(60)の一部として兼用することができるので、太陽光パネルユニット(10)の部品点数を削減することができる。
【0027】
第
4の発明によれば、太陽光パネル(20)の一部を揺動規制機構(60)の一部として兼用することができるので、太陽光パネルユニット(10)の部品点数を削減することができる。
【0028】
第
6の発明によれば、太陽光パネルユニット(10)の部品点数を削減することができるので、太陽光パネルユニット(10)の部品点数を削減することができる。
【0029】
第
7の発明によれば、空気経路(75,76)を経由して空気圧アクチュエータ(73)に加えられる空気圧が増加したときに太陽光パネル(20)が揺動する方向とは逆の方向に太陽光パネル(20)が揺動した場合であっても、太陽光パネル(20)の揺動を規制する際に生じる衝撃を緩和することができ、太陽光パネル(20)と支持機構(30)との間に生じる衝撃を緩和することができる。
【0030】
第
8の発明によれば、空気袋(81,82)における空気圧が大気圧よりも低くなることを防止することができるので、空気袋(81,82)における空気圧が低下して空気袋(81,82)による衝撃緩和効果が低下することを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0033】
(実施形態1)
図1および
図2は、実施形態1による太陽光発電システム(1)の構成例を示している。この太陽光発電システム(1)は、1つまたは複数の太陽光パネルユニット(10)と、1つまたは複数の駆動機構(40)と、コントローラ(50)とを備えている。この例では、太陽光発電システム(1)は、南北方向に延設された農業用ハウス(90)内に設けられている。具体的には、それぞれが南北方向に配列された6つの太陽光パネルユニット(10)からなる2つのユニット列(すなわち、12台の太陽光パネルユニット(10))が農業用ハウス(90)の横桟(91)の上に載置され、2つのユニット列にそれぞれ対応する2つの駆動機構(40)が設けられている。
【0034】
〔太陽光パネルユニット〕
図3〜
図5は、実施形態1の太陽光パネルユニット(10)の構成例を示している。太陽光パネルユニット(10)は、太陽光パネル(20)と支持機構(30)と揺動規制機構(60)とを備えている。
【0035】
〈太陽光パネル〉
太陽光パネル(20)は、受光面(20a)に照射された光を電力に変換する。この例では、太陽光パネル(20)は、パネル本体(21)と固定部材(22)とを有している。
【0036】
パネル本体(21)は、板状に形成され、一方の面が太陽光パネル(20)の受光面(20a)を構成している。固定部材(22)は、パネル本体(21)に固定されてパネル本体(21)と一体となって揺動する部材である。この例では、固定部材(22)は、2つの桟部材(22a)と、2つの固定片(22b)と、1つの連結片(22c)とを含んでいる。なお、
図5では、連結片(22c)の図示を省略している。
【0037】
2つの桟部材(22a)は、パネル本体(21)の裏面(すなわち、受光面(20a)の裏側に位置する面)に固定され、互いに間隔をおいて太陽光パネル(20)の幅方向(具体的には、パネル本体(21)の幅方向)に延びている。2つの固定片(22b)は、それぞれが太陽光パネル(20)の幅方向に延びる板状に形成され、2つの桟部材(22a)の長手方向(太陽光パネル(20)の幅方向)の中央部の内側面にそれぞれ固定されている。連結片(22c)は、太陽光パネル(20)の幅方向に延びる板状に形成され、2つの桟部材(22a)のうち一方の桟部材(この例では、太陽光パネル(20)の前縁側に位置する桟部材(22a))の外側面の中央部に固定されている。
【0038】
〈支持機構〉
支持機構(30)は、揺動軸線(C)を中心として太陽光パネル(20)を揺動可能に支持する。この例では、支持機構(30)は、太陽光パネル(20)を揺動可能に支持する支持部材(31)と、支持部材(31)を支持する支柱部材(32)と、農業用ハウス(90)の横桟(91)の上に載置されて支柱部材(32)を支持する台座部材(33)とを備えている。なお、
図5では、台座部材(33)の図示を省略している。
【0039】
《支持部材》
支持部材(31)は、支持台部(31a)と、2つの支持片部(31b)とを有している。支持台部(31a)は、太陽光パネル(20)の幅方向の中央部(具体的には、パネル本体(21)の幅方向の中央部)に沿う方向に延びている。2つの支持片部(31b)は、支持台部(31a)の長手方向の両端部の上面に立設されている。この例では、支持台部(31a)は、四角柱状に形成されている。具体的には、支持台部(31a)は、リップ溝型鋼(断面C字状の鋼材)によって構成されている。支持片部(31b)は、支持台部(31a)の長手方向の端部の上面に対して垂直に起立している。
【0040】
そして、2つの支持片部(31b)は、太陽光パネル(20)の2つの固定片(22b)と揺動可能に連結されている。具体的には、固定片(22b)は、支持台部(31a)の長手方向において支持片部(31b)と並んだ状態(この例では、支持台部(31a)の長手方向において支持片部(31b)の外側に配置された状態)で、太陽光パネル(20)の幅方向の中央部に沿う方向に延びる揺動軸線(C)を中心として支持片部(31b)の先端部と揺動可能に連結されている。すなわち、揺動軸線(C)は、太陽光パネル(20)の裏面(具体的には、パネル本体(21)の裏面)および支持台部(31a)の上面と間隔をおいて太陽光パネル(20)の幅方向の中央部に沿う方向に延びて、固定片(22b)と支持片部(31b)を貫通している。
【0041】
この例では、揺動軸となる軸部が固定片(22b)に設けられ、軸部を挿通可能な軸孔が支持片部(31b)に設けられている。そして、固定片(22b)の軸部が支持片部(31b)の軸孔に挿通されて、固定片(22b)と支持片部(31b)とが揺動可能に連結されている。揺動軸線(C)は、軸部の軸心によって構成されている。なお、この例では、固定片(22b)に設けられた軸部は、固定片(22b)の支持片部(31b)と対向する側面(内側面)から支持台部(31a)の長手方向に突出している。すなわち、揺動軸線(C)は、支持台部(31a)と平行に延びている。
【0042】
また、この例では、太陽光パネル(20)は、その前縁側が南側となり後縁側が北側となるように配置されている。そして、太陽光パネル(20)は、その前縁側から後縁側へ向かうに連れて(すなわち、南側から北側へ向かうに連れて)次第に高くなるように水平面に対して傾斜した状態で、支持機構(30)に揺動可能に支持されている。また、揺動軸線(C)は、太陽光パネル(20)の前縁側から後縁側へ向けて(すなわち、南側から北側へ向けて)上方に傾斜している。
【0043】
《支柱部材,台座部材》
支柱部材(32)は、上下に延びる柱状に形成され、その上端部に支持部材(31)の支持台部(31a)が固定されている。台座部材(33)は、板状に形成され、その上面に支柱部材(32)が垂直に固定されている。
【0044】
〈突起部〉
また、2つの固定片(22b)のうち一方の固定片(この例では、太陽光パネル(20)の後縁側に位置する固定片(22b))には、2つの突起部(71)が設けられている。突起部(71)は、固定片(22b)の支持片部(31b)と対向する側面(内側面)から内側へ向けて突出している。突起部(71)は、円筒状に形成された弾性ゴムによって構成され、ボルト(または、ピン)によって固定片(22b)に固定されている。
【0045】
また、突起部(71)は、太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の限界角(θmax,θmin)に到達したときに支持台部(31a)の長手方向の端部(この例では、太陽光パネル(20)の後縁側に位置する端部)に当接するように配置されている。具体的には、
図6に示すように、2つの突起部(71)のうち一方の突起部(71)は、固定片(22b)の長手方向において揺動軸線(C)よりも一端側に位置し、他方の突起部(71)は、固定片(22b)の長手方向において揺動軸線(C)よりも他端側に位置している。そして、一方の突起部(71)は、太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の最大角(θmax)に到達したときに支持台部(31a)の端部の両側面(水平方向において互いに対向する2つの側面)のうち一方の側面と当接するように配置され、他方の突起部(71)は、太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の最小角(θmin)に到達したときに支持台部(31a)の端部の両側面のうち他方の側面と当接するように配置されている。
【0046】
なお、この例では、
図5に示すように、固定片(22b)は、桟部材(22a)よりも太陽光パネル(20)の裏面の法線方向(太陽光パネル(20)の裏面に対して垂直な方向)に延出している。また、
図3に示すように、支持台部(31a)の長手方向の両端部は、太陽光パネル(20)が揺動した際に固定片(22b)との接触を回避するために、支持台部(31a)の長手方向において固定片(22b)よりも内側に位置している。
【0047】
〈揺動規制機構〉
揺動規制機構(60)は、第1規制部材(61)と第2規制部材(62)とを有している。第1規制部材(61)は、太陽光パネル(20)に設けられる。第2規制部材(62)は、支持機構(30)に設けられる。そして、揺動規制機構(60)は、第1規制部材(61)が第2規制部材(62)に当接して太陽光パネル(20)の揺動可能範囲を規制するように構成されている。また、第1規制部材(61)および第2規制部材(62)のうち少なくとも一方は、第1規制部材(61)が第2規制部材(62)に当接した際に生じる衝撃を吸収可能な弾性部材によって構成されている。
【0048】
この例では、第1規制部材(61)は、突起部(71)によって構成され、第2規制部材(62)は、支持台部(31a)の長手方向の端部によって構成されている。
【0049】
〔駆動機構〕
駆動機構(40)は、太陽光パネルユニット(10)の太陽光パネル(20)を揺動させるように構成されている。この例では、駆動機構(40)は、アクチュエータ(41)とリンク機構(42)とを備えている。
【0050】
〈アクチュエータ〉
アクチュエータ(41)は、その出力軸(図示を省略)を回転駆動させるように構成されている。例えば、アクチュエータ(41)は、空気圧によって出力軸を回転させる回転式の空気圧アクチュエータによって構成されている。
【0051】
〈リンク機構〉
リンク機構(42)は、アクチュエータ(41)の回転運動に応じて太陽光パネルユニット(10)の太陽光パネル(20)を揺動させるように構成されている。この例では、リンク機構(42)は、一直線上に配列された複数の太陽光パネルユニット(10)の太陽光パネル(20)の揺動を同期させる(連動させる)ように構成されている。具体的には、リンク機構(42)は、駆動軸(42a)と、複数の太陽光パネルユニット(10)に対応する複数の揺動アーム(42b)と複数の自在継手(42c)と複数の軸受部材(42d)とを備えている。
【0052】
《駆動軸》
駆動軸(42a)は、太陽光パネルユニット(10)の配列方向(この例では、南北方向)に延びている。また、駆動軸(42a)は、その一端部がアクチュエータ(41)の出力軸(図示を省略)と同軸状に連結され、アクチュエータ(41)によって回転駆動される。
【0053】
《揺動アーム,自在継手》
揺動アーム(42b)は、駆動軸(42a)の径方向に延びる板状に形成され、その一端部が駆動軸(42a)に固定されて駆動軸(42a)と一体となって揺動する。自在継手(42c)は、その一端部が揺動アーム(42b)の他端部に連結され、その他端部が太陽光パネルユニット(10)の太陽光パネル(20)の連結片(22c)の長手方向の端部に連結されている。軸受部材(42d)は、太陽光パネルユニット(10)の支持機構(30)の台座部材(33)の上面に固定され、駆動軸(42a)を回転可能に支持する。
【0054】
《リンク機構による動作》
図4に示した太陽光パネルユニット(10)において、駆動軸(42a)を時計回りに回転させると、揺動アーム(42b)によって連結片(22c)の長手方向の端部(自在継手(42c)との連結点)が引き下げられて、太陽光パネル(20)が揺動軸線(C)を中心として時計回りに揺動する。一方、駆動軸(42a)を反時計回りに回転させると、揺動アーム(42b)によって連結片(22c)の長手方向の端部(自在継手(42c)との連結点)が押し上げられて、太陽光パネル(20)が揺動軸線(C)を中心として反時計回りに揺動する。
【0055】
なお、この例では、駆動軸(42a)を回転させると、駆動軸(42a)に接続された複数の揺動アーム(42b)が同期して揺動する。これにより、一直線上に配列された複数の太陽光パネルユニット(10)の太陽光パネル(20)が互いに同期して揺動する。
【0056】
〔コントローラ(制御部)〕
コントローラ(50)は、駆動機構(40)を制御して太陽光パネルユニット(10)の太陽光パネル(20)の揺動角を調節するように構成されている。具体的には、コントローラ(50)は、太陽光パネル(20)の揺動角を検知する角度センサ(図示を省略)の検知信号に基づいて現時点における太陽光パネル(20)の揺動角を求め、太陽光パネル(20)の揺動角が予め設定された指令角となるように、駆動機構(40)を制御して太陽光パネル(20)の揺動角を調節する。例えば、コントローラ(50)は、マイクロコンピュータや、マイクロコンピュータを動作させるためのプログラムを格納するメモリなどによって構成されている。この例では、コントローラ(50)は、太陽光パネル(20)が太陽の日周運動に追従して太陽を向くように、駆動機構(40)を制御して太陽光パネル(20)の揺動角を調節するように構成されている。
【0057】
〔揺動規制機構による動作〕
次に、
図6を参照して、揺動規制機構(60)による動作について説明する。ここでは、太陽光パネル(20)の揺動角は、太陽光パネル(20)の幅方向が水平方向となっている場合をゼロとし、
図6における時計回りを正とし反時計回りを負としている。
【0058】
太陽光パネル(20)が時計回りに揺動して太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の最大角(θmax)に到達すると、固定片(22b)に設けられた2つの突起部(71)のうち一方の突起部(71)が支持台部(31a)の長手方向の端部(具体的には、端部の両側面のうち一方の側面)に当接する。これにより、太陽光パネル(20)の時計回りの揺動が規制される。
【0059】
太陽光パネル(20)が反時計回りに揺動して太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の最小角(θmin)に到達すると、固定片(22b)に設けられた2つの突起部(71)のうち他方の突起部(71)が支持台部(31a)の長手方向の端部(具体的には、端部の両側面のうち他方の側面)に当接する。これにより、太陽光パネル(20)の反時計回りの揺動が規制される。
【0060】
〔実施形態1による効果〕
以上のように、太陽光パネル(20)に設けられた第1規制部材(61)が支持機構(30)に設けられた第2規制部材(62)に当接した際に生じる衝撃を、弾性部材(この例では、弾性ゴム)によって吸収することができるので、太陽光パネル(20)の揺動を規制する際に生じる衝撃を緩和することができる。これにより、太陽光パネル(20)と支持機構(30)との間に生じる衝撃を緩和することができるので、太陽光パネルユニット(10)の設計自由度を向上させることができる。
【0061】
また、第1規制部材(61)を突起部(71)によって構成するとともに、第2規制部材(62)を支持台部(31a)の長手方向の端部によって構成することにより、支持部材(31)の一部を揺動規制機構(60)の一部として兼用することができる。これにより、太陽光パネルユニット(10)の部品点数を削減することができる。
【0062】
(実施形態2)
実施形態2による太陽光発電システム(1)では、太陽光パネルユニット(10)の構成が実施形態1と異なっている。その他の構成は、
図1および
図2に示した構成と同様となっている。
【0063】
〔太陽光パネルユニット〕
図7および
図8は、実施形態2における太陽光パネルユニット(10)の構成例を示している。実施形態2の太陽光パネルユニット(10)では、固定片(22b)には突起部(71)が設けられておらず、支持台部(31a)の長手方向の端部(この例では、太陽光パネル(20)の後縁側に位置する端部)に延出片部(72)が設けられている。その他の構成は、
図3〜
図5に示した構成と同様となっている。
【0064】
〈延出片部〉
延出片部(72)は、支持台部(31a)の長手方向に延出する板状に形成され、その延出方向と直交する幅方向の端部がL字状に屈曲して板バネを形成している。また、延出片部(72)は、その屈曲した端部が太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の限界角(θmax,θmin)に到達したときに固定片(22b)と当接するように構成されている。
【0065】
この例では、延出片部(72)は、支持台部(31a)と一体に形成されている。また、
図8および
図9に示すように、延出片部(72)は、その幅方向の両端部が上方へ向けて屈曲してU字状(上方に開口するU字状)となっている。そして、延出片部(72)の幅方向の一端部(屈曲した一端部)は、太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の最大角(θmax)に到達したときに固定片(22b)の長手方向の一端部と当接し、延出片部(72)の幅方向の他端部(屈曲した他端部)は、太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の最小角(θmin)に到達したときに固定片(22b)の長手方向の他端部と当接する。
【0066】
なお、この例では、
図8および
図9に示すように、固定片(22b)の長手方向の両端部のうち延出部分(桟部材(22a)よりも太陽光パネル(20)の法線方向に延出している部分)は、延出片部(72)の延出方向へ向けてL字状に屈曲している。また、延出片部(72)の幅方向の両端部(屈曲した両端部)は、延出片部(72)の内側へ向けて傾斜している。なお、固定片(22b)の長手方向の両端部のうち延出部分は、延出片部(72)の延出方向へ向けてL字状に屈曲していなくてもよい。
【0067】
〈揺動規制機構〉
この例では、第1規制部材(61)は、固定片(22b)によって構成され、第2規制部材(62)は、延出片部(72)によって構成されている。
【0068】
〔揺動規制機構による動作〕
次に、
図9を参照して、揺動規制機構(60)による動作について説明する。ここでは、太陽光パネル(20)の揺動角は、太陽光パネル(20)の幅方向が水平方向となっている場合をゼロとし、
図9における時計回りを正とし反時計回りを負としている。
【0069】
太陽光パネル(20)が時計回りに揺動して太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の最大角(θmax)に到達すると、固定片(22b)の長手方向の一端部が延出片部(72)の屈曲した一端部に当接する。これにより、太陽光パネル(20)の時計回りの揺動が規制される。
【0070】
太陽光パネル(20)が反時計回りに揺動して太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の最小角(θmin)に到達すると、固定片(22b)の長手方向の他端部が延出片部(72)の屈曲した他端部に当接する。これにより、太陽光パネル(20)の反時計回りの揺動が規制される。
【0071】
〔実施形態2による効果〕
以上のように、太陽光パネル(20)に設けられた第1規制部材(61)が支持機構(30)に設けられた第2規制部材(62)に当接した際に生じる衝撃を、弾性部材(この例では、板バネ)によって吸収することができるので、太陽光パネル(20)の揺動を規制する際に生じる衝撃を緩和することができる。これにより、太陽光パネル(20)と支持機構(30)との間に生じる衝撃を緩和することができる。
【0072】
また、第1規制部材(61)を固定片(22b)によって構成するとともに、第2規制部材(62)を延出片部(72)によって構成することにより、太陽光パネル(20)の一部を揺動規制機構(60)の一部として兼用することができる。これにより、太陽光パネルユニット(10)の部品点数を削減することができる。
【0073】
(実施形態3)
図10は、実施形態3による太陽光発電システム(1)の構成例を示している。この太陽光発電システム(1)は、複数の太陽光パネルユニット(10)と駆動機構(40)と空気圧機構(80)とコントローラ(50)とを備えている。
【0074】
この例では、3つの太陽光パネルユニット(10)は、それぞれの太陽光パネル(20)の揺動軸線(C)が互いに平行となるように、東西方向に一直線上に配列されている。また、駆動機構(40)は、空気圧アクチュエータ(73)と伝達機構(74)とリンク機構(77)とを備えている。空気圧アクチュエータ(73)と伝達機構(74)は、3つの太陽光パネルユニット(10)のうち中央の太陽光パネルユニット(10)に設けられている。リンク機構(77)は、3つの太陽光パネルユニット(10)にそれぞれ対応する3つのリンク部材(78)と、複数の連結ロッド(79)とを有している。
【0075】
なお、以下の説明では、一直線上に配列された複数の太陽光パネルユニット(10)のうち、空気圧アクチュエータ(73)および伝達機構(74)が設けられている太陽光パネルユニット(10)を「主動ユニット(10)」と表記し、主動ユニット(10)を除く他の太陽光パネルユニット(10)を「従動ユニット(10)」と表記する。
【0076】
〔太陽光パネルユニット〕
図11および
図12は、実施形態3の太陽光パネルユニット(10)の構成例(具体的には、主動ユニット(10)の構成例)を示している。この太陽光パネルユニット(10)は、
図3〜
図5に示した構成の他に、空気圧アクチュエータ(73)と伝達機構(74)と第1および第2空気配管(75,76)と第1および第2空気袋(81,82)とを備えている。なお、この太陽光パネルユニット(10)では、固定片(22b)に突起部(71)が設けられていない。また、2つの桟部材(22a)のうち一方の桟部材(この例では、太陽光パネル(20)の前縁側に位置する桟部材(22a))には、連結片(22c)が固定されておらず、リンク部材(78)が固定されている。さらに、支持部材(31)は、支持台部(31a)と支持片部(31b)に加えて、2つの取付台部(31c)を有している。2つの取付台部(31c)は、支持台部(31a)の端部(この例では、太陽光パネル(20)の後縁側に位置する端部)の両側面(支持台部(31a)の幅方向において互いに対向する2つの側面)にそれぞれ固定されて斜め下方に傾斜している。その他の構成は、
図3〜
図5に示した構成と同様となっている。
【0077】
なお、従動ユニット(10)の構成は、主動ユニット(10)の構成から空気圧アクチュエータ(73)と伝達機構(74)と第1および第2空気配管(75,76)と第1および第2空気袋(81,82)と取付台部(31c)とを除いた構成となっている。また、
図11および
図12では、第1および第2空気配管(75,76)の図示を省略している。
【0078】
〈空気圧アクチュエータ〉
空気圧アクチュエータ(73)は、第1および第2空気ポート(101,102)と出力軸(73a)とを有し、第1および第2空気ポート(101,102)に加えられる空気圧の増加および減少に応じて出力軸(73a)を回転させるように構成されている。この例では、空気圧アクチュエータ(73)は、支持台部(31a)の長手方向の端部(この例では、太陽光パネル(20)の後縁側に位置する端部)の下面に固定されている。なお、
図11および
図12では、空気圧アクチュエータ(73)の第1および第2空気ポート(101,102)の図示を省略している。空気圧アクチュエータ(73)の構成については、後で詳しく説明する。
【0079】
〈伝達機構〉
伝達機構(74)は、空気圧アクチュエータ(73)の出力軸(73a)の回転に応じて太陽光パネル(20)を揺動させるように構成されている。具体的には、伝達機構(74)は、空気圧アクチュエータ(73)の出力軸(73a)と太陽光パネル(20)の2つの桟部材(22a)のうち一方の桟部材(この例では、太陽光パネル(20)の後縁側に位置する桟部材(22a))とを連結するクランク機構によって構成されている。
【0080】
〈空気配管(空気経路)〉
第1空気配管(75)は、空気圧アクチュエータ(73)の第1空気ポート(101)に空気を供給するための配管(空気経路)であり、第2空気配管(76)は、空気圧アクチュエータ(73)の第2空気ポート(102)に空気を供給するための配管(空気経路)である。なお、第1および第2空気配管(75,76)の接続については、後で詳しく説明する。
【0081】
〈空気袋〉
第1空気袋(81)は、第1空気配管(75)の中途部に接続されて第1空気配管(75)における空気圧の増加および減少に応じて伸縮するように構成されている。第2空気袋(82)は、第2空気配管(76)の中途部に接続されて第2空気配管(76)における空気圧の増加および減少に応じて伸縮するように構成されている。例えば、第1および第2空気袋(81,82)は、伸縮性を有する材料(例えば、弾性ゴム)で構成されている。なお、第1および第2空気袋(81,82)の接続については、後で詳しく説明する。
【0082】
また、
図12に示すように、第1および第2空気袋(81,82)は、太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の限界角(θmax,θmin)に到達したときに固定部材(22)に当接するように、支持機構(30)に設けられている。なお、
図12では、太陽光パネル(20)の揺動角は、太陽光パネル(20)の幅方向が水平方向となっている場合をゼロとし、
図12における時計回りを正とし反時計回りを負としている。
【0083】
具体的には、第1空気袋(81)は、第1空気配管(75)を経由して空気圧アクチュエータ(73)の第1空気ポート(101)に加えられる空気圧が増加した場合に太陽光パネル(20)が揺動する方向(
図12では、反時計回りの方向)において、太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の限界角(この例では、最小角(θmin))に到達したときに固定部材(22)である桟部材(22a)に当接するように、支持部材(31)の一方の取付台部(31c)に取り付けられている。
【0084】
第2空気袋(82)は、第2空気配管(76)を経由して空気圧アクチュエータ(73)の第2空気ポート(102)に加えられる空気圧が増加した場合に太陽光パネル(20)が揺動する方向(
図12では、時計回りの方向)において、太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の限界角(この例では、最大角(θmax))に到達したときに固定部材(22)である桟部材(22a)に当接するように、支持部材(31)の他方の取付台部(31c)に取り付けられている。
【0085】
〈リンク機構〉
リンク機構(77)は、一直線上に配列された複数の太陽光パネルユニット(10)の太陽光パネル(20)の揺動を同期させる(連動させる)ように構成されている。上述のように、リンク機構(77)は、複数の太陽光パネルユニット(10)にそれぞれ対応する複数(この例では、3つ)のリンク部材(78)と、複数の連結ロッド(79)とを有している。
【0086】
図11に示すように、リンク部材(78)は、2つの桟部材(22a)のうち一方の桟部材(この例では、太陽光パネル(20)の前縁側に位置する桟部材(22a))に固定され、太陽光パネル(20)と一体となって揺動するように構成されている。具体的には、リンク部材(78)は、揺動軸線(C)に沿う方向において桟部材(22a)から太陽光パネル(20)の外側へ向けて延出する第1板部材と、第1板部材の先端部から揺動軸線(C)を通過して延出する第2部材と、一端が第2板部材の先端部に固定され他端が桟部材(22a)に固定される第3板部材とを有している。
【0087】
図10に示すように、複数の連結ロッド(79)は、一直線上に配列された複数の太陽光パネルユニット(10)のリンク部材(60)の間にそれぞれ配置されている。そして、隣接する2つの太陽光パネルユニット(10)のリンク部材(78)の間に配置された連結ロッド(79)は、その一端部が一方の太陽光パネルユニット(10)のリンク部材(78)と揺動可能に連結され、その他端部が他方の太陽光パネルユニット(10)のリンク部材(78)と揺動可能に連結されている。
【0088】
〈リンク機構による動作〉
主動ユニット(10)において、空気圧アクチュエータ(73)が太陽光パネル(20)を揺動させると、この太陽光パネル(20)と一体となってリンク部材(78)が揺動し、このリンク部材(78)の揺動と連動してリンク部材(78)に連結された連結ロッド(79)が太陽光パネルユニット(10)の配列方向(
図10では、東西方向)に変位する。これにより、従動ユニット(10)において、この連結ロッド(79)の変位と連動してリンク部材(78)が揺動し、このリンク部材(78)と一体となって太陽光パネル(20)が揺動する。
【0089】
〔空気圧アクチュエータの構成〕
次に、
図13を参照して、空気圧アクチュエータ(73)について説明する。空気圧アクチュエータ(73)は、ケーシング(100)と第1および第2可動仕切板(200,300)と運動変換機構(400)と出力軸(73a)とを備えている。
【0090】
ケーシング(100)は、横長の密閉型の箱状に形成されている。また、ケーシング(100)には、第1および第2空気ポート(101,102)が形成されている。この例では、第1および第2空気ポート(101,102)は、ケーシング(100)の幅方向の一方の側壁の中央部に形成されている。第1および第2可動仕切板(200,300)は、板状に形成されてケーシング(100)内に配置され、ケーシング(100)の内部空間を長手方向に3つの空間に区画している。すなわち、第1および第2可動仕切板(200,300)に挟まれた空間が中央空気室(S1)を構成し、第1可動仕切板(200)とケーシング(100)の長手方向の一方の側壁とに挟まれた空間が第1側方空気室(S2)を構成し、第2可動仕切板(300)とケーシング(100)の長手方向の他方の側壁とに挟まれた空間が第2側方空気室(S3)を構成している。また、第1および第2可動仕切板(200,300)は、ケーシング(100)の内部空間を3つの空間に区画しながらケーシング(100)の長手方向に摺動可能となるように構成されている。なお、ケーシング(100)には、第1空気ポート(101)と中央空気室(S1)とを連通させる連通路と、第2空気ポート(102)と第1および第2側方空気室(S2,S3)とを連通させる連通路とが形成されている。
【0091】
運動変換機構(400)は、第1および第2可動仕切板(200,300)の直線運動(ケーシング(100)の長手方向に沿う直線移動)を回転運動に変換するように構成されている。この例では、運動変換機構(400)は、第1直動部材(401)と第2直動部材(402)と回転部材(403)とを有している。第1直動部材(401)は、中央空気室(S1)においてケーシング(100)の幅方向の一方側に配置され、第1可動仕切板(200)からケーシング(100)の長手方向に延びている。第2直動部材(402)は、中央空気室(S1)においてケーシング(100)の幅方向の他方側に配置され、第2可動仕切板(300)からケーシング(100)の長手方向に延びている。回転部材(403)は、第1直動部材(401)の先端部と第2直動部材(402)の先端部とを連結する部材であり、その一端部が第1直動部材(401)の先端部と揺動可能に係合し、その他端部が第2直動部材(402)の先端部と揺動可能に係合し、その中央部に出力軸(73a)が固定されている。具体的には、第1および第2直動部材(401,402)の先端部には係合ピンが設けられ、回転部材(403)の両端部には係合ピンと係合する凹部が形成されている。
【0092】
〔空気配管および空気袋の接続〕
次に、
図13を参照して、第1および第2空気配管(75,76)と第1および第2空気袋(81,82)について説明する。第1および第2空気配管(75,76)は、その一端が空気圧アクチュエータ(73)の第1および第2空気ポート(101,102)にそれぞれ接続されている。また、第1空気配管(75)の中途部および第2空気配管(76)の中途部には、第1および第2空気袋(81,82)がそれぞれ接続されている。この例では、第1空気袋(81)は、第1分岐配管(81a)を介して第1空気配管(75)の中途部に接続され、第2空気袋(82)は、第2分岐配管(82a)を介して第2空気配管(76)の中途部に接続されている。
【0093】
〔空気圧機構〕
次に、
図13を参照して、空気圧機構(80)について説明する。空気圧機構(80)は、空気圧縮機(80a)と空気タンク(80b)と三方向切換弁(80c)とを備えている。空気圧縮機(80a)は、所定圧力の圧力空気(圧縮空気)を吐出するように構成されている。空気タンク(80b)は、空気圧縮機(80a)から吐出された圧力空気を貯留し、圧力空気を三方向切換弁(80c)へ供給するように構成されている。三方向切換弁(80c)は、コントローラ(50)による制御に応答して、第1および第2空気配管(75,76)の他端と空気タンク(80b)と大気との間の空気経路を切換可能に構成されている。具体的には、三方向切換弁(80c)は、第1空気配管(75)の他端と空気タンク(80b)とを連通させるとともに第2空気配管(76)の他端と大気とを連通させる第1状態(
図14に示された状態)と、第1空気配管(75)の他端と大気とを連通させるとともに第2空気配管(76)の他端と空気タンク(80b)とを連通させる第2状態(
図15に示された状態)と、第1および第2空気配管(75,76)の両方の他端を閉塞する第3状態(
図13に示された状態)とを切換可能に構成されている。
【0094】
〔揺動規制機構〕
この例では、第1規制部材(61)は、固定部材(22)である桟部材(22a)によって構成され、第2規制部材(62)は、第1および第2空気袋(81,82)によって構成されている。
【0095】
〔太陽光パネルユニットの運転動作〕
次に、
図14および
図15を参照して、太陽光パネルユニット(10)の運転動作(太陽光パネル(20)を揺動させるための動作)について説明する。
【0096】
〈動作例1〉
図14に示すように、コントローラ(50)による制御に応答して三方向切換弁(80c)が第1状態となると、第1空気配管(75)と空気タンク(80b)とが連通する。これにより、空気タンク(80b)から第1空気配管(75)と第1空気ポート(101)とを順に通過して第1および第2側方空気室(S2,S3)に圧力空気が供給される。すなわち、第1空気配管(75)に加えられる空気圧が増加して第1空気ポート(101)と第1および第2側方空気室(S2,S3)とに加えられる空気圧が増加する。一方、第2空気配管(76)と大気とが連通する。これにより、中央空気室(S1)から第2空気ポート(102)と第2空気配管(76)とを順に通過して大気に圧力空気が排出される。すなわち、第2空気配管(76)に加えられる空気圧が減少して第2空気ポート(102)と中央空気室(S1)とに加えられる空気圧が減少する。このように、中央空気室(S1)における空気圧が減少して第1および第2側方空気室(S2,S3)における空気圧が増加することにより、第1および第2可動仕切板(200,300)が互いに近づく方向に移動する。そして、この第1および第2可動仕切板(200,300)の直線運動が運動変換機構(400)に伝達されて出力軸(73a)が反時計回りに回転し、この出力軸(73a)の回転が伝達機構(74)により太陽光パネル(20)に伝達されて太陽光パネル(20)が反時計回りに揺動する。
【0097】
また、第1空気配管(75)に加えられる空気圧が増加することにより、第1分岐配管(81a)に加えられる空気圧が増加して第1空気袋(81)における空気圧(すなわち、内圧)が増加し、その結果、第1空気袋(81)が膨張する。一方、第2空気配管(76)に加えられる空気圧が減少することにより、第2分岐配管(82a)に加えられる空気圧が減少して第2空気袋(82)における空気圧(すなわち、内圧)が減少し、その結果、第2空気袋(82)が収縮する。
【0098】
また、太陽光パネル(20)が反時計回りに揺動して太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の最小角(θmin)に到達すると、第1空気袋(81)が桟部材(22a)に当接する。これにより、太陽光パネル(20)の反時計回りの揺動が規制される。
【0099】
〈動作例2〉
図15に示すように、コントローラ(50)による制御に応答して三方向切換弁(80c)が第2状態となると、第2空気配管(76)と空気タンク(80b)とが連通する。これにより、空気タンク(80b)から第2空気配管(76)と第2空気ポート(102)とを順に通過して中央空気室(S1)に圧力空気が供給される。すなわち、第2空気配管(76)に加えられる空気圧が増加して第2空気ポート(102)と中央空気室(S1)とに加えられる空気圧が増加する。一方、第1空気配管(75)と大気とが連通する。これにより、第1および第2側方空気室(S2,S3)から第1空気ポート(101)と第1空気配管(75)とを順に通過して大気に圧力空気が排出される。すなわち、第1空気配管(75)に加えられる空気圧が減少して第1空気ポート(101)と第1および第2側方空気室(S2,S3)とに加えられる空気圧が減少する。このように、第1および第2側方空気室(S2,S3)における空気圧が減少して中央空気室(S1)における空気圧が増加することにより、第1および第2可動仕切板(200,300)が互いに遠ざかる方向に移動する。そして、この第1および第2可動仕切板(200,300)の直線運動が運動変換機構(400)に伝達されて出力軸(73a)が時計回りに回転し、この出力軸(73a)の回転が伝達機構(74)により太陽光パネル(20)に伝達されて太陽光パネル(20)が時計回りに揺動する。
【0100】
また、第2空気配管(76)に加えられる空気圧が増加することにより、第2分岐配管(82a)に加えられる空気圧が増加して第2空気袋(82)における空気圧(すなわち、内圧)が増加し、その結果、第2空気袋(82)が膨張する。一方、第1空気配管(75)に加えられる空気圧が減少することにより、第1分岐配管(81a)に加えられる空気圧が減少して第1空気袋(81)における空気圧(すなわち、内圧)が減少し、その結果、第1空気袋(81)が収縮する。
【0101】
また、太陽光パネル(20)が時計回りに揺動して太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の最大角(θmax)に到達すると、第2空気袋(82)が桟部材(22a)に当接する。これにより、太陽光パネル(20)の時計回りの揺動が規制される。
【0102】
〔実施形態3による効果〕
以上のように、太陽光パネル(20)に設けられた第1規制部材(61)が支持機構(30)に設けられた第2規制部材(62)に当接した際に生じる衝撃を、弾性部材(この例では、空気袋)によって吸収することができるので、太陽光パネル(20)の揺動を規制する際に生じる衝撃を緩和することができる。これにより、太陽光パネル(20)と支持機構(30)との間に生じる衝撃を緩和することができる。
【0103】
また、第1規制部材(61)を固定部材(22)である桟部材(22a)によって構成するとともに、第2規制部材(62)を第1および第2空気袋(81,82)によって構成することにより、太陽光パネル(20)の一部を揺動規制機構(60)として兼用することができる。これにより、太陽光パネルユニット(10)の部品点数を削減することができる。
【0104】
また、第1空気袋(81)を第1空気配管(75)の中途部に接続することにより、第1空気配管(75)における空気圧の増加に伴って第1空気袋(81)における空気圧(すなわち、内圧)を増加させることができる。これにより、第1空気配管(75)を経由して空気圧アクチュエータ(73)の第1空気ポート(101)に加えられる空気圧の増加したときに太陽光パネル(20)が揺動する方向において、太陽光パネル(20)が揺動して固定部材(22)である桟部材(22a)が第1空気袋(81)に当接する場合に、第1空気袋(81)における空気圧を確保することができ、第1空気袋(81)による衝撃緩和効果を確保することができる。
【0105】
また、第2空気袋(82)を第2空気配管(76)の中途部に接続することにより、第2空気配管(76)における空気圧の増加に伴って第2空気袋(82)における空気圧(すなわち、内圧)を増加させることができる。これにより、第2空気配管(76)を経由して空気圧アクチュエータ(73)の第2空気ポート(102)に加えられる空気圧の増加したときに太陽光パネル(20)が揺動する方向において、太陽光パネル(20)が揺動して固定部材(22)である桟部材(22a)が第2空気袋(82)に当接する場合に、第2空気袋(82)における空気圧を確保することができ、第2空気袋(82)による衝撃緩和効果を確保することができる。
【0106】
(実施形態3の変形例1)
図16〜
図18に示すように、実施形態3による太陽光パネルユニット(10)は、
図10〜
図13に示した構成に加えて、第1および第2補助袋(83,84)を備えていてもよい。
【0107】
〔補助袋〕
第1補助袋(83)は、第1空気配管(75)に接続されて第1空気配管(75)における空気圧の増加および減少に応じて伸縮するように構成されている。第2補助袋(84)は、第2空気配管(76)に接続されて第2空気配管(76)における空気圧の増加および減少に応じて伸縮するように構成されている。例えば、第1および第2補助袋(83,84)は、伸縮性を有する材料(例えば、弾性ゴム)で構成されている。
【0108】
また、
図17に示すように、第1および第2補助袋(83,84)は、太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の限界角(θmax,θmin)に到達したときに固定部材(22)に当接するように、支持機構(30)に設けられている。なお、
図17では、太陽光パネル(20)の揺動角は、太陽光パネル(20)の幅方向が水平方向となっている場合をゼロとし、
図17における時計回りを正とし反時計回りを負としている。
【0109】
具体的には、第1補助袋(83)は、第1空気配管(75)を経由して空気圧アクチュエータ(73)の第1空気ポート(101)に加えられる空気圧が増加した場合に太陽光パネル(20)が揺動する方向とは逆の方向(
図12では、時計回りの方向)において、太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の限界角(この例では、最大角(θmax))に到達したときに固定部材(22)である桟部材(22a)に当接するように、支持部材(31)の2つの取付台部(31c)のうち第1空気袋(81)が取り付けられていない取付台部(31c)に取り付けられている。
【0110】
第2補助袋(84)は、第2空気配管(76)を経由して空気圧アクチュエータ(73)の第2空気ポート(102)に加えられる空気圧が増加した場合に太陽光パネル(20)が揺動する方向とは逆の方向(
図12では、反時計回りの方向)において、太陽光パネル(20)の揺動角が揺動可能範囲の限界角(この例では、最小角(θmin))に到達したときに固定部材(22)である桟部材(22a)に当接するように、支持部材(31)の2つの取付台部(31c)のうち第2空気袋(82)が取り付けられていない取付台部(31c)に取り付けられている。
【0111】
この例では、
図18に示すように、第1補助袋(83)は、第1補助配管(83a)と第1分岐配管(81a)とを介して第1空気配管(75)の中途部に接続され、第2補助袋(84)は、第2補助配管(84a)と第2分岐配管(82a)とを介して第2空気配管(76)の中途部に接続されている。なお、第1補助配管(83a)は、その一端が第1分岐配管(81a)の中途部に接続され、その他端が第1補助袋(83)に接続されている。第2補助配管(84a)は、その一端が第2分岐配管(82a)の中途部に接続され、その他端が第2補助袋(84)に接続されている。
【0112】
〔揺動規制機構〕
この例では、第1規制部材(61)は、固定部材(22)である桟部材(22a)によって構成され、第2規制部材(62)は、第1および第2空気袋(81,82)と第1および第2補助袋(83,84)とによって構成されている。
【0113】
〔太陽光パネルユニットの運転動作〕
図18に示すように、コントローラ(50)による制御に応答して三方向切換弁(80c)が第1状態となると、第1空気配管(75)に加えられる空気圧が増加する。これにより、第1分岐配管(81a)および第1補助配管(83a)に加えられる空気圧が増加して第1空気袋(81)および第1補助袋(83)における空気圧(すなわち、内圧)が増加し、その結果、第1空気袋(81)および第1補助袋(83)が膨張する。一方、第2空気配管(76)に加えられる空気圧が減少する。これにより、第2分岐配管(82a)および第2補助配管(84a)に加えられる空気圧が減少して第2空気袋(82)および第2補助袋(84)における空気圧(すなわち、内圧)が減少し、その結果、第2空気袋(82)および第2補助袋(84)が収縮する。
【0114】
また、コントローラ(50)による制御に応答して三方向切換弁(80c)が第2状態(
図15に示した状態)となると、第2空気配管(76)に加えられる空気圧が増加する。これにより、第2分岐配管(82a)および第2補助配管(84a)に加えられる空気圧が増加して第2空気袋(82)および第2補助袋(84)における空気圧(すなわち、内圧)が増加し、その結果、第2空気袋(82)および第2補助袋(84)が膨張する。一方、第1空気配管(75)に加えられる空気圧が減少する。これにより、第1分岐配管(81a)および第1補助配管(83a)に加えられる空気圧が減少して第1空気袋(81)および第1補助袋(83)における空気圧(すなわち、内圧)が減少し、その結果、第1空気袋(81)および第1補助袋(83)が収縮する。
【0115】
〔実施形態3の変形例1による効果〕
以上のように、第1補助袋(83)を設けることにより、第1空気経路(75)を経由して空気圧アクチュエータ(73)の第1空気ポート(101)に加えられる空気圧が増加したときに太陽光パネル(20)が揺動する方向とは逆の方向に太陽光パネル(20)が揺動した場合(例えば、強風などにより太陽光パネル(20)が意図しない方向に揺動した場合)であっても、太陽光パネル(20)の揺動を規制する際に生じる衝撃を緩和することができ、太陽光パネル(20)と支持機構(30)との間に生じる衝撃を緩和することができる。
【0116】
また、第2補助袋(84)を設けることにより、第2空気経路(76)を経由して空気圧アクチュエータ(73)の第2空気ポート(102)に加えられる空気圧が増加したときに太陽光パネル(20)が揺動する方向とは逆の方向太陽光パネル(20)が揺動した場合(例えば、強風などにより太陽光パネル(20)が意図しない方向に揺動した場合)であっても、太陽光パネル(20)の揺動を規制する際に生じる衝撃を緩和することができ、太陽光パネル(20)と支持機構(30)との間に生じる衝撃を緩和することができる。
【0117】
また、第1補助袋(83)を第1空気配管(75)の中途部に接続することにより、第1空気配管(75)における空気圧の増加に伴って第1補助袋(83)における空気圧(すなわち、内圧)を増加させることができる。これにより、第1空気配管(75)を経由して空気圧アクチュエータ(73)の第1空気ポート(101)に加えられる空気圧の増加したときに太陽光パネル(20)が揺動する方向とは逆の方向において、太陽光パネル(20)が揺動して固定部材(22)である桟部材(22a)が第1補助袋(83)に当接する場合に、第1補助袋(83)における空気圧を確保することができ、第1補助袋(83)による衝撃緩和効果を確保することができる。
【0118】
また、第2補助袋(84)を第2空気配管(76)の中途部に接続することにより、第2空気配管(76)における空気圧の増加に伴って第2補助袋(84)における空気圧(すなわち、内圧)を増加させることができる。これにより、第2空気配管(76)を経由して空気圧アクチュエータ(73)の第2空気ポート(102)に加えられる空気圧の増加したときに太陽光パネル(20)が揺動する方向とは逆の方向において、太陽光パネル(20)が揺動して固定部材(22)である桟部材(22a)が第2補助袋(84)に当接する場合に、第2補助袋(84)における空気圧を確保することができ、第2補助袋(84)による衝撃緩和効果を確保することができる。
【0119】
(実施形態3の変形例2)
図19に示すように、実施形態3による太陽光パネルユニット(10)は、
図10〜
図13に示した構成に加えて、第1および第2逆止弁(85,86)を備えていてもよい。
【0120】
〔逆止弁〕
第1逆止弁(85)は、大気から第1空気配管(75)への空気の流れを許容する一方で第1空気配管(75)から大気への空気の流れを禁止するように構成されている。第2逆止弁(86)は、大気から第2空気配管(76)への空気の流れを許容する一方で第2空気配管(76)から大気への空気の流れを禁止するように構成されている。この例では、第1逆止弁(85)は、第1分岐配管(81a)の中途部に接続された第1自吸配管(85a)に設けられ、第2逆止弁(86)は、第2分岐配管(82a)の中途部に接続された第2自吸配管(86a)に設けられている。
【0121】
例えば、強風などにより太陽光パネル(20)が意図しない方向に揺動した場合、第1空気配管(75)および第2空気配管(76)のどちらかの空気圧が大気圧を下回ることがある。
【0122】
第1空気配管(75)に加えられる空気圧が大気圧を下回ると、第1分岐配管(81a)に加えられる空気圧が大気圧よりも低くなる。これにより、第1逆止弁(85)の一次側(大気側)における空気圧よりも第1逆止弁(85)の二次側(第1分岐配管(81a)側)における空気圧の方が低くなるので、大気から第1逆止弁(85)を経由して第1分岐配管(81a)に空気が供給される。これにより、第1分岐配管(81a)に加えられる空気圧が増加して大気圧と同等となり、その結果、第1空気配管(75)に加えられる空気圧および第1空気袋(81)における空気圧が増加して大気圧と同等となる。
【0123】
これと同様に、第2空気配管(76)に加えられる空気圧が大気圧を下回ると、第2分岐配管(82a)に加えられる空気圧が大気圧よりも低くなる。これにより、第2逆止弁(86)の一次側(大気側)における空気圧よりも第2逆止弁(86)の二次側(第2分岐配管(82a)側)における空気圧の方が低くなるので、大気から第2逆止弁(86)を経由して第2分岐配管(82a)に空気が供給される。これにより、第2分岐配管(82a)に加えられる空気圧が増加して大気圧と同等となり、その結果、第2空気配管(76)に加えられる空気圧および第2空気袋(82)における空気圧が増加して大気圧と同等となる。
【0124】
〔実施形態3の変形例2による効果〕
以上のように、第1および第2逆止弁(85,86)を設けることにより、第1および第2空気経路(75,76)において空気圧が大気圧よりも低くなることを防止することができ、第1および第2空気袋(81,82)における空気圧が大気圧よりも低くなることを防止することができる。これにより、第1および第2空気袋(81,82)における空気圧が低下して第1および第2空気袋(81,82)による衝撃緩和効果が低下することを抑制することができる。
【0125】
なお、
図19に示した太陽光パネルユニット(10)は、
図16〜
図18に示した第1および第2補助袋(83,84)をさらに備えていてもよい。この場合、第1および第2補助袋(83,84)における空気圧が低下して第1および第2補助袋(83,84)による衝撃緩和効果が低下することを抑制することができる。
【0126】
(その他の実施形態)
なお、太陽光パネルユニット(10)には、太陽光パネル(20)の揺動角に応じた信号を出力する角度位置検出部(例えば、角度センサ)が設けられていてもよい。この場合、コントローラ(50)は、太陽光パネル(20)が揺動可能範囲の最大角位置(太陽光パネル(20)の揺動角が最大角(θmax)となる位置)および最小角位置(太陽光パネル(20)の揺動角が最小角(θmin)となる位置)のうち少なくとも一方に規制(停止)された状態における角度位置検出部の検出信号を原点信号として記憶し、記憶された原点信号と角度位置検出部の検出信号とに基づいて上記太陽光パネル(20)の揺動角が目標の揺動角となるように駆動機構(40)を制御するように構成されていてもよい。
【0127】
例えば、コントローラ(50)は、太陽光パネル(20)が最大角位置に規制された状態における角度センサの出力電圧の電圧値を最大電圧値として記憶するとともに、太陽光パネル(20)が最小角位置に規制された状態における角度センサの出力電圧の電圧値を最小電圧値として記憶し、その最大電圧値と最小電圧値とに基づいて太陽光パネル(20)の揺動角と角度センサの出力電圧との関係を示した関係式を求め、その関係式に基づいて角速度センサの出力電圧が目標の揺動角に対応する出力電圧値となるように駆動機構を制御するように構成されていてもよい。
【0128】
上記のような制御を行う場合、以上の実施形態では、揺動規制機構(60)によって太陽光パネル(20)を最大角位置および最小角位置に確実に規制(停止)させることができるので、太陽光パネル(20)の揺動角と角度センサの出力電圧との関係を示した関係式を正確に求めることができ、太陽光パネル(20)の揺動角を正確に制御することができる。なお、コントローラ(50)は、第1および第2規制部材(61,62)の少なくとも一方を構成する弾性部材の縮み量が最大量(縮みの限界)となる状態において角度センサの出力電圧の電圧値を最大電圧値(または、最小電圧値)として記憶することが好ましい。
【0129】
また、以上の説明では、太陽光発電システム(1)を農業用ハウス(90)内に設置する場合を例に挙げたが、太陽光発電システム(1)は、農業用ハウス(90)に限らず、その他の場所に設置されていてもよい。
【0130】
また、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、この発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。