(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
照射領域に必要な波長を含む光を放射する光源と、前記必要な波長を含む光を透過する波長選択フィルタとを備え、前記光源から前記波長選択フィルタを透過した光を前記照射領域に照射する光照射装置において、
前記必要な波長の範囲外の光を吸収する光吸収物質を分散させて形成される吸収フィルタを備え、
前記光源を箱体に収容し、前記箱体に設けた照射開口が、前記光源側から前記波長選択フィルタ、及び前記吸収フィルタの順で積層配置したカバーユニットで覆われ、
前記カバーユニット内には、前記波長選択フィルタ、及び前記吸収フィルタの間に挟持されて両フィルタ間に隙間を確保するパッキンが配置され、
前記パッキンは、前記波長選択フィルタ、及び前記吸収フィルタを透過した前記光源の光を前記照射領域に照射させつつ、前記波長選択フィルタを透過せずに前記波長選択フィルタの周囲から漏れる前記光源の光を前記吸収フィルタに照射不能に遮光する位置に設けられる遮光性及び柔軟性を有する部材であることを特徴とする光照射装置。
前記光源からの光を、前記波長選択フィルタに斜めの入射角度を含む角度範囲で入射するように反射する反射鏡を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の光照射装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は実施形態に係る光照射装置1を示す図である。
この光照射装置1は、可視光で硬化する物質に向けて可視光を照射する装置であり、対象物の照射面であるワークWの上方に設置され、ワークWに対して390nm〜500nmの可視光(可視光の短波長側の光)を略均一に照射する装置に構成されている。
この光照射装置1の外装を構成する外装体2の中には、照射ユニット11と、照射ユニット11を冷却する冷却ユニット21と、照射ユニット11とワークWとの間に配置されるカバーユニット31とが収納されている。
【0014】
図2は照射ユニット11を模式的に示す図である。
照射ユニット11は、光源を構成する直管型ランプ12と、直管型ランプ12から放射された光(
図2中、光を破線で示す)を下方(ワークW側)に向けて反射する反射鏡ユニット13とを備えている。
直管型ランプ12は、例えば、発光管内にガリウムのハロゲン化物を封入し、400〜450nmの波長領域を多く出力するガリウムランプであり、ワークWに沿って略平行に延在する長尺の直管型のランプが使用される。この直管型ランプ12には、様々な光源を広く適用でき、例えば、高圧水銀ランプ、又は他のメタルハライドランプを適用しても良い。この直管型ランプ12を支持するランプ支持体12Sはカバーユニット31に結合されている。
【0015】
反射鏡ユニット13は、上方に凹む凹面鏡に形成され、直管型ランプ12の直下を空けて直管型ランプ12を囲うとともに直管型ランプ12の長手方向に沿って延在する。この反射鏡ユニット13は、直管型ランプ12の全長を上方から覆うことで、直管型ランプ12からワークWに放射されない直接光をワークWに向けて反射する。反射鏡ユニット13を設けることにより、ワークWに照射される光量を増やすことができ、直管型ランプ12の光の利用効率を高めることができる。なお、反射鏡ユニット13は、直管型ランプ12の長手方向に延在する一対のレール2Rにスライド自在に支持され、交換等のメンテナンスがし易い位置に反射鏡ユニット13を容易に移動可能である。
【0016】
外装体2は、下方に開口する開口部2Kを有する金属製の箱体で形成され、反射鏡ユニット13の上方に、冷却用ラジエータ21A、冷却用ユニット21B、及び冷却用ブロア21C等を備えている。冷却用ラジエータ21A、冷却用ユニット21B、及び冷却用ブロア21Cは、冷却ユニット21を構成する部品であり、冷却用ブロア21Cにより冷却風を照射ユニット11に送風し、照射ユニット11の各部(直管型ランプ12、及び反射鏡ユニット13等)を空冷する。
また、冷却用ラジエータ21A、及び冷却用ユニット21Bは、反射鏡ユニット13に設けられた複数の孔部13Aにそれぞれ供給される冷却用流体を冷却する。複数の孔部13Aは反射鏡ユニット13の長手方向に延在しており、各孔部13Aのそれぞれに冷却用流体を流すことによって反射鏡ユニット13を効率良く冷却することができる。
【0017】
これにより照射ユニット11の各部(直管型ランプ12、及び反射鏡ユニット13等)を強制冷却でき、直管型ランプ12の発熱の影響による直管型ランプ12、及び反射鏡ユニット13等の温度上昇を十分に抑えることができる。またランプ収容ボックス15の開口部2Kはカバーユニット31で覆われるので、ランプ収容ボックス15を外部空間から区画でき、外部空間の熱影響を抑えてランプ収容ボックス15内に独立した冷却空間を形成することができる。
【0018】
カバーユニット31は、外装体2の下方の開口部2Kを覆う蓋部材であり、直管型ランプ12の長手方向に沿って延びる矩形薄型のカバーに形成されている。このカバーユニット31には、直管型ランプ12の直下に、直管型ランプ12の長手方向に沿って延びる矩形の開口部31Aが形成されており、この開口部31Aを、直管型ランプ12の直接光、及び反射鏡ユニット13で反射した間接光が通過することによってワークWに光が照射される。つまり、外装体2の開口部31Aは、ワークWに向けて光を照射する照射開口部として機能する。また、このカバーユニット31は外装体2から容易に着脱自在に取り付けられる。カバーユニット31には、ランプ支持体12Sを介して直管型ランプ12が支持されているので、カバーユニット31と直管型ランプ12とを外装体2から容易に取り外し可能である。
【0019】
ここで、直管型ランプ12の光には、ワークWへの照射が不要な波長の光も含まれており、この不要波長の光を除去すべく、カバーユニット31の開口部31Aには、開口部31Aを覆うように波長選択フィルタ33が取り付けられている。
波長選択フィルタ33は、透明基板上に誘電体多層膜を積層して形成される光学フィルタであり、ワークWへの照射が必要な波長(必要波長)の光だけが透過し、不要波長の光は透過しない。これにより、波長選択フィルタ33は、ワークWに不必要な光を除去するカットフィルタとして機能する。
【0020】
ところで、波長選択フィルタ33には、透過特性に入射角度依存性がある。このため、斜めに入射した光については不必要な波長であっても一部透過してしまう。特に、本実施形態の光照射装置1は、直管型ランプ12から離れた位置に平板状の波長選択フィルタ33を配置し、且つ、湾曲した反射鏡ユニット13を用いて直管型ランプ12の光を反射するため、
図2に示すように、波長選択フィルタ33に斜めに入射する光成分が比較的多く存在し、波長選択フィルタ33を透過する不必要な波長の光が多くなり易い。
そこで、本構成では、不必要な波長の光を吸収する吸収フィルタ35を更に設け、波長選択フィルタ33、及び吸収フィルタ35を透過した必要波長の光だけを照射領域たるワークWに照射する構成にしている。
【0021】
図3はカバーユニット31の分解斜視図を示している。
図3に示すように、カバーユニット31は、開口部31Aを形成する枠カバー32と、この枠カバー32に積層配置される波長選択フィルタ33、パッキン34、及び吸収フィルタ35と、これら波長選択フィルタ33、パッキン34、及び吸収フィルタ35を、枠カバー32に固定するフィルタ押さえ36とを備えている。波長選択フィルタ33、及び吸収フィルタ35は、開口部31Aより若干大きい矩形の平板形状に形成され、本実施形態では同じ外形形状に形成されている。
【0022】
枠カバー32、及びフィルタ押さえ36は、金属、又は樹脂等の剛性を有する材料で形成されている。枠カバー32の上面には、開口部31Aの外縁に沿って連続する矩形枠を形成するように凸条部32Aが設けられており、この凸条部32Aに、波長選択フィルタ33、パッキン34、及び吸収フィルタ35を挟むように上方からフィルタ押さえ36が配置され、複数の締結部材(本構成では締結ボルト)37によってフィルタ押さえ36が枠カバー32に固定される。これによって、枠カバー32とフィルタ押さえ36との間に、波長選択フィルタ33、パッキン34、及び吸収フィルタ35が挟持される。
本構成では、波長選択フィルタ33と吸収フィルタ35とをカバーユニット31に一体に構成するので、複数のフィルタ33、35の照射ユニット11への取り付けや取り外しが容易である。また複数のフィルタ33、35をほぼ重ねて配置するので、複数のフィルタ33、35を有するカバーユニット31の高さを抑えることができ、光照射装置1の高さの増大を抑えることができる。
【0023】
パッキン34は、重ねて配置される波長選択フィルタ33と吸収フィルタ35との間に隙間を確保するための隙間調整部材であり、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の遮光性、及び柔軟性を有する材料で形成されている。微少な隙間を空けることにより、一方のフィルタ33、又は35に外力が作用してもフィルタ33、及び35同士の接触を避けることができ、外力の伝達を抑えることができる。
特に波長選択フィルタ33と吸収フィルタ35の基材に、耐紫外線材であって透過率が高いといった利点を有する透明なガラス材(石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等)を用いた場合に、パッキン34を設けることによりこれらを積層配置しても、外力の影響によるガラス材の損傷等を効果的に抑制することができる。
【0024】
またパッキン34は、少なくとも直管型ランプ12側に配置される波長選択フィルタ33周囲の隙間を遮光可能に波長選択フィルタ33の外縁に沿った枠形状に形成されている。このため、直管型ランプ12の光が、波長選択フィルタ33の周囲から漏れてワークW側に配置される吸収フィルタ35に入射してしまう事態を確実に防止することができる。
【0025】
また
図3に示すように、直管型ランプ12側の波長選択フィルタ33が複数枚のフィルタ33Aを直管型ランプ12の長手方向に並べた多板タイプに構成されており、これらフィルタ33間の微小隙間に直管型ランプ12からの光が入射する可能性がある。
本実施形態では、パッキン34が、波長選択フィルタ33を構成する複数のフィルタ33A(小片)の境界部分に沿って延びる境界遮光部34Aを一体に備えており、境界部分から漏れる光がワークW側に配置された吸収フィルタ35に入射しないようにしている。すなわち、パッキン34は、波長選択フィルタ33を透過せずに吸収フィルタ35に入射する光を遮光する遮光部材として機能し、吸収フィルタ35の光吸収物質の劣化を抑えることができる。また、直管型ランプ12の出射光は紫外光を含んでおり、この紫外光が吸収フィルタ35に照射されることをパッキン34で抑制できるので、光吸収物質の紫外線劣化を抑制することができる。これにより、吸収フィルタ35の性能劣化を効率良く抑え、長寿命化を図ることができる。
なお、波長選択フィルタ33を単板タイプに構成しても良い。単板タイプに構成した場合には、パッキン34の上記境界遮光部34Aを削除しても良いし、削除しなくても良い。削除しない場合は、境界遮光部34Aの数の分だけ波長選択フィルタ33、及び吸収フィルタ35の隙間をより適切に維持し易くなる。
【0026】
図4は波長選択フィルタ33、及び吸収フィルタ35の分光特性を示している。
図4中、符号f1が波長選択フィルタ33の分光特性を示し、符号f2が吸収フィルタ35の分光特性を示している。なお、
図4に示す波長選択フィルタ33の分光特性は、垂直入射での透過率特性である。
波長選択フィルタ33は、
図4に符号f1で示すように、垂直入射での透過率特性において、390〜500nmの波長範囲に最大透過率が85%以上となる透過波長域と、600〜800nmの波長範囲の少なくとも一部に最大透過率が1%以下となる可視域及び近赤外光側のカット波長域と、200〜400nmの波長範囲の少なくとも一部に最大透過率が1%以下となる紫外側カット波長域とを有している。また透明基板を耐熱性の比較的高い材料である石英ガラスで形成することで、波長選択フィルタ33の耐熱性を高めている。
【0027】
具体的には、波長選択フィルタ33は、石英ガラス製の透明基板の異なる面に、ナローバンドパス型(NBP型)のフィルタを構成する第1積層体と、ブロードバンドパス型(BBP型)のフィルタを構成する第2積層体とを有し、第1積層体により、400〜600nmの波長範囲に最大透過率が85%以上となる透過波長域と、透過波長域の短波長側の透過率が85%から5%以下となる透過率曲線の傾斜と、長波長側の透過率が85%から5%以下となる透過率曲線の傾斜とを構成している。さらに、NBP型の第2積層体により、600〜800nmの波長範囲の少なくとも一部に最小透過率が1%以下となる可視域および近赤外光側カット波長域と、200〜400nmの波長範囲の少なくとも一部に最小透過率が1%以下となる紫外側カット波長域とを構成している。
【0028】
吸収フィルタ35は、透明基板(石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等)中に所定の波長の光を吸収する光吸収物質を分散させて形成される光学フィルタであり、波長選択フィルタ33と同様に、カバーユニット31の開口部31Aを覆う矩形の平板形状に形成されている。この吸収フィルタ35は、
図4に符号f2で示すように、波長選択フィルタ33の透過率が高く設定された波長範囲(390〜500nm)の光を透過させ、それ以外の所定波長の光、つまり、ワークWに不必要な波長の光を吸収する特性に設定される。吸収フィルタ35は入射角度依存性を有さない。
【0029】
より具体的には、吸収フィルタ35は、390nm未満の波長範囲を吸収波長域とし、390nm以上の波長範囲を最大透過率が90%以上となる透過波長域としている。これにより、斜め入射により波長選択フィルタ33を透過する、390nm未満の波長の光を吸収フィルタ35で吸収することができる。
なお、
図3に示すように、この吸収フィルタ35についても、波長選択フィルタ33と同様に、直管型ランプ12の長手方向に並べた多板タイプに構成されている。このため、直管型ランプ12の長手方向に長くなる波長選択フィルタ33、及び吸収フィルタ35を一部品で製作する場合と比べて、容易かつ低コストで製作することができる。
【0030】
以上の構成により、直管型ランプ12から放射された光は、
図2に示したように、直接、或いは反射鏡ユニット13で反射されて波長選択フィルタ33に様々な入射角度で入射する。垂直入射した光は、波長選択フィルタ33の光学特性(
図4中、符号f1参照)に従い、透過率が高く設定された波長範囲(390〜500nm)の光が透過し、それ以外の波長の光は殆ど透過しない。波長選択フィルタ33を透過した光は、吸収フィルタ35の透過率が高い波長範囲であるため、吸収フィルタ35を透過し、ワークWに照射される。
【0031】
一方、波長選択フィルタ33に斜めに入射した光は、波長選択フィルタ33の入射角度依存性に従い、一部が波長選択フィルタ33を透過する。この透過した光は、吸収フィルタ35に入射し、吸収フィルタ35の光学特性(
図4中、符号f2参照)に従い、透過率が高く設定された波長範囲(390nm〜)の光は透過し、透過率が低く設定された波長範囲(390nm未満)の光は吸収フィルタ35で吸収される。
これによって、波長選択フィルタ33と吸収フィルタ35の二段フィルタ構成によって、ワークWに必要な波長範囲(390〜500nm)の光をワークWに照射し、ワークWに不要な波長範囲(特に390nm未満)の光を高精度に遮断することができる。
【0032】
また上記二段フィルタ構成では、波長選択フィルタ33を透過した光だけが吸収フィルタ35に入射するので、吸収フィルタ35の光吸収物質の劣化を抑え、吸収フィルタ35の性能劣化を抑えることができる。
【0033】
以上説明したように、本実施形の形態では、照射領域に必要な波長を含む光を透過する波長選択フィルタ33を備えるとともに、上記必要な波長の範囲外の光を吸収する吸収フィルタ35を備え、波長選択フィルタ33、及び吸収フィルタ35を透過した光を照射領域であるワークWに照射するようにしたので、入射角度依存性を有する波長選択フィルタ33を用いた構成で、照射領域に不必要な波長の光を高精度に遮断し、必要な波長の光を高精度に照射することが可能になる。
【0034】
また吸収フィルタ35は、波長選択フィルタ33を透過した光が入射するように配置されるので、吸収フィルタ35に入射する光の量を抑えることができる。これにより、吸収フィルタ35の性能劣化を抑え、吸収フィルタ35の寿命を延ばすことができる。このように、本構成では、一段目に波長選択フィルタ33、二段目に吸収フィルタ35を配置した多段フィルタ構成にすることによって、照射領域に不必要な波長の光を高精度に遮断するとともに、吸収フィルタ35の長寿命化を図ることができる。
【0035】
但し、吸収フィルタ35の寿命を十分に確保できる範囲であれば、吸収フィルタ35を波長選択フィルタ33よりも直管型ランプ12側に配置しても良い。この構成によれば、吸収フィルタ35を透過した波長範囲の光だけが波長選択フィルタ33に入射するので、吸収フィルタ35で吸収される波長範囲の光がワークWに照射されることはない。
【0036】
また直管型ランプ12の光を、波長選択フィルタ33に斜めの入射角度を含む角度範囲で入射するように反射する反射鏡ユニット13を備えるので、反射鏡ユニット13を用いて光の利用効率を高めつつ、反射鏡ユニット13を用いるために波長選択フィルタ33に斜入射して透過してしまう不必要な光成分の増加による弊害を回避することができる。
【0037】
また光源である直管型ランプ12と波長選択フィルタ33とを、外装体2を構成する箱体に収容し、この箱体に設けた照射開口を含む開口部2Kは、波長選択フィルタ33、及び吸収フィルタ35を備えるカバーユニット31で塞がれるので、波長選択フィルタ33、及び吸収フィルタ35をユニット化して容易に着脱することができる。従って、波長選択フィルタ33、及び吸収フィルタ35の着脱や点検等のメンテナンスを容易に行うことができる。
またカバーユニット31により外装体2を周囲と区画することができるので、周囲の熱影響を抑えて外装体2内に独立した冷却空間を形成することが可能になり、外装体2内の冷却を効率良く行うことができる。
【0038】
さらにカバーユニット31には、波長選択フィルタ33と吸収フィルタ35との間に、光源側に配置される一方のフィルタ(波長選択フィルタ33)を透過せずに他方のフィルタ(吸収フィルタ35)に入射する光を遮光するパッキン34が介挿されるので、光源側のフィルタ(波長選択フィルタ33)を通過した照射領域に不要な光が照射領域に照射されてしまうこと、及び、吸収フィルタ35の性能劣化を抑えることができる。またパッキン34が介挿されるので、波長選択フィルタ33と吸収フィルタ35とを確実に隙間を空けて配置することができ、フィルタ33、35同士の接触等を抑えることができる。
【0039】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一実施の態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、波長選択フィルタ33と吸収フィルタ35とをカバーユニット31に一体に構成する場合を説明したが、これに限らず、各フィルタ33、35のいずれか一方、或いは、両方をカバーユニット31とは別の位置に配置するようにしても良い。要は、波長選択フィルタ33と吸収フィルタ35とを透過した光を照射領域に照射するように各フィルタ33、35を配置すれば良い。
また吸収フィルタ35の表面に反射防止膜を設け、吸収フィルタ35で反射される光成分を抑えるようにしても良い。
【0040】
また波長選択フィルタ33と吸収フィルタ35との二段フィルタ構成にする場合を説明したが、他の光学フィルタを、光源側、或いは、光源と反対側に配置して、三段以上のフィルタ構成にしても良い。但し、上記2段フィルタ構成が光透過率を確保する観点から最も有利である。
また光照射装置1の光源には、2本以上の直管型ランプを、各々の管軸を同軸に直列に並べ構成したものを用いることもできる。またLED等の発光素子を配列した光源を用いることもできる。