(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行経路に沿って走行する走行体と、前記走行体より下方に位置して物品を支持する支持体と、前記走行体と前記支持体とを連結する連結体と、を備えた物品搬送車であって、
前記連結体は、前記走行体に連結されている走行側連結部と、前記支持体に連結されている支持側連結部と、弾性変形自在な弾性部と、を備え、
前記走行側連結部と前記支持側連結部とは、上下方向に相対移動可能に連結され、
前記弾性部は、前記走行側連結部と前記支持側連結部との間に介在し、
前記走行側連結部は、挿通孔が形成された第1部分を備え、
前記支持側連結部は、前記挿通孔に対して上下方向に挿通された棒状部分と、前記棒状部分の上部に備えられた第2部分と、を備え、
前記弾性部分は、筒状に形成されて前記棒状部分の側周囲を囲う状態で配設されるとともに、前記弾性部は、前記第1部分における上方を向く面と前記第2部分における下方を向く面とにより上下方向に圧縮された状態で挟まれ、
前記走行側連結部と前記支持側連結部とのうちの少なくとも一方に、前記弾性部の側周囲を囲う筒状部分を備えている物品搬送車。
前記走行体は、前記走行経路に沿って配設された走行レールにおける上方を向く走行面を転動する左右一対の駆動輪を備え、左右一対の前記駆動輪に対して共通の前記弾性部が設けられている請求項1又は2に記載の物品搬送車。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の物品搬送車では、走行体と支持体とが連結体にて連結されているため、走行レールに段差が存在している場合に、走行体が走行レールの段差を走行するときに上下方向の振動が生じると、その振動が連結体を介して支持体、ひいては、支持体にて支持されている物品に伝わり易かった。
走行体の振動が支持体にて支持されている物品に伝わると、その振動により物品が破損する可能性があるため、走行体が走行レールの段差を走行したときに物品に伝わる上下方向の振動を抑制することが望まれている。
【0005】
ところで、特許文献1に記載の従来の物品搬送車では、走行体に、走行レールの走行面を転動する駆動輪と、その駆動輪を回転駆動させる電動モータと、が備えられているが、駆動輪と電動モータとの間のスペースが小さいため、駆動輪と電動モータとの間に上下方向の振動を吸収する機構を設け難い。
また、特許文献1に記載の従来の物品搬送車では、支持体に把持具を備え、支持体は、物品の上端部に形成されたフランジの下方に把持具を挿入させて物品を吊り下げた状態で支持する構成となっているが、フランジの下方の空間が狭いために、把持具に上下方向の振動を吸収する機構を設け難い。
【0006】
そこで、上下方向の振動を吸収する機構を設け易い物品搬送車が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る物品搬送車の特徴構成は、走行経路に沿って走行する走行体と、前記走行体より下方に位置して物品を支持する支持体と、前記走行体と前記支持体とを連結する連結体と、を備えた物品搬送車において、
前記連結体は、前記走行体に連結されている走行側連結部と、前記支持体に連結されている支持側連結部と、弾性変形自在な弾性部と、を備え、前記走行側連結部と前記支持側連結部とは、上下方向に相対移動可能に連結され、前記弾性部は、前記走行側連結部と前記支持側連結部との間に介在し
、前記走行側連結部は、挿通孔が形成された第1部分を備え、前記支持側連結部は、前記挿通孔に対して上下方向に挿通された棒状部分と、前記棒状部分の上部に備えられた第2部分と、を備え、前記弾性部は、筒状に形成されて前記棒状部分の側周囲を囲う状態で配設されるとともに、前記弾性部は、前記第1部分における上方を向く面と前記第2部分における下方を向く面とにより上下方向に圧縮された状態で挟まれ、前記走行側連結部と前記支持側連結部とのうちの少なくとも一方に、前記弾性部の側周囲を囲う筒状部分を備えている点にある。
【0008】
この特徴構成によれば、連結体は、走行側連結部と支持側連結部とを上下方向に相対移動可能に連結し、これら走行側連結部と支持側連結部との間に弾性部を介在させることで、走行体に生じた上下方向の振動を連結体にて吸収することができる。そのため、走行体が走行レールの段差を走行したときに、支持体が支持している物品に伝わる上下方向の振動を抑制できる。
そして、走行体と支持体との間隔は、例えば、駆動輪と電動モータとの間に形成される隙間や物品の上端部に形成されたフランジの下方の空間等に比べて比較的広い場合が多く、これら走行体と支持体とを連結する連結体に弾性部を備えることで、上下方向の振動を吸収する機構を設け易くなる。
【0010】
また、この構成によれば、弾性部を、第1部分と第2部分との間に圧縮された状態で挟んで備えることで、弾性部を引張状態で設ける場合のように弾性部を第1部分や第2部分に連結する必要がないため、弾性部を備え易い。
また、筒状の弾性部の内側には棒状部分が存在し、筒状の弾性部の外側には筒状部分が存在しているため、第1部分と第2部分とにより弾性部が上下方向に圧縮された場合でも弾性部が座屈し難くなる。
【0011】
また、前記走行側連結部に対する前記支持側連結部の相対移動を上下方向に案内する案内機構を備え、前記案内機構は、前記筒状部分に対して前記走行体の走行方向の一方側に配設され、且つ、前記走行体の走行方向に見て前記支持側連結部の前記棒状部分と重複していると好適である。
【0012】
この構成によれば、走行側連結部と支持側連結部との相対移動が案内機構により案内されることで、両者を円滑に上下方向に相対移動させることができる。そして、案内機構は、走行体の走行方向に見て支持側連結部の棒状部分と重複しているため、走行体が加減速するときに案内部に拗れる方向の力が作用し難いため、案内機構が破損し難い。
【0013】
また、前記走行体は、前記走行経路に沿って配設された走行レールにおける上方を向く走行面を転動する左右一対の駆動輪を備え、左右一対の前記駆動輪に対して共通の前記弾性部が設けられていると好適である。
【0014】
この構成によれば、左右一対の駆動輪に対して共通の弾性部が設けられているため、弾性部が上下方向に伸縮した場合、左右一対の駆動輪は一体的に上下方向に移動する。そのため、例えば、走行レールの繋ぎ目に隙間が存在し、左右一対の駆動輪の一方が走行レールの隙間の直上に位置する場合でも、他方の駆動輪が走行レールの走行面に載っていることで一方の駆動輪が隙間に落輪することがないため、走行レールの繋ぎ目を円滑に走行できる。
【0015】
また、前記走行体として、第1走行体と、この第1走行体に対して前記走行経路の長手方向の一方側に位置する第2走行体と、を備え、前記連結体として、前記第1走行体と前記支持体とを連結する第1連結体と、前記第2走行体と前記支持体とを連結する第2連結体とを備え、前記第1連結体は、前記第1走行体と前記支持体とが上下方向に沿う第1軸心周りに相対的に回転自在に前記第1走行体と前記支持体とを連結し、前記第2連結体は、前記第2走行体と前記支持体とが上下方向に沿う第2軸心周りに相対的に回転自在に前記第2走行体と前記支持体とを連結していると好適である。
【0016】
この構成によれば、第1走行体は第1軸心周りに回転することで第1走行体が走行する方向を変更でき、また、第2走行体は第2軸心周りに回転することで第2走行体が走行する方向を変更できる。そのため、物品搬送車が曲線状の走行経路に沿って走行する場合に、第1走行体や第2走行体を走行経路の接線方向に沿う姿勢に回転させた状態で第1走行体や第2走行体を走行させることで、曲線状の走行経路を円滑に走行することができる。
そして、第1走行体は弾性部を備えた第1連結体にて支持体に連結され、第2走行体は弾性部を備えた第2連結体にて支持体に連結されているため、第1走行体と第2走行体との夫々において生じた振動を支持体に伝達されることを抑制できる。
【0017】
また、前記走行経路の長手方向に対して上下方向に見て直交する方向を横幅方向として、前記支持体は、前記走行レールに対する位置が固定された状態で前記走行経路に沿って配設された給電線から非接触状態で給電される受電部を支持し、前記受電部は、前記給電線より上方に位置する上部分と、前記給電線より下方に位置する下部分と、を備え、前記走行体が停止した状態で且つ前記支持側連結部が前記弾性部を介して前記走行側連結部に支持されている状態における、前記走行側連結部と前記支持側連結部との上下方向での位置関係を通常位置関係として、前記連結体は、前記通常位置関係から前記支持側連結部が前記走行側連結部に対して相対的に上方に第1距離以上移動することを規制する第1規制部と、前記通常位置関係から前記支持側連結部が前記走行側連結部に対して相対的に下方に第2距離以上移動することを規制する第2規制部と、を備え、前記給電線と前記下部分との上下方向での間隔が、前記第1距離より狭く、前記給電線と前記上部分との上下方向での間隔が、前記第2距離より狭いと好適である。
【0018】
この構成によれば、通常位置関係から支持側連結部が走行側連結部に対して相対的に上方に移動したときは、受電部が給電線に対して上方に移動するが、受電部の下側部分が給電線に干渉する前に、第1規制部にて支持側連結部の上方への移動が規制される。
また、通常位置関係から支持側連結部が走行側連結部に対して相対的に下方に移動したときは、受電部が給電線に対して下方に移動するが、受電部の上側部分が給電線に干渉する前に、第2規制部にて支持側連結部の下方への移動が規制される。
このように、支持側連結部と走行側連結部とを上下方向に相対移動可能に連結しながら、その相対移動を第1規制部及び第2規制部にて規制することで、受電部が給電線に干渉することを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明にかかる物品搬送車を備えた物品搬送設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び
図2に示すように、物品搬送設備には、走行経路1に沿って配置された走行レール2と、走行レール2に案内されて走行経路1に沿って走行する物品搬送車3と、を備えている。尚、本実施形態では、物品搬送車3は、半導体基板を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)を物品Wとして搬送する。
【0021】
走行経路1は、1つの環状の主経路4と複数の物品処理部Pを経由する環状の副経路5と、これら主経路4と副経路5とを接続する接続経路6と、を備えている。接続経路6として、主経路4から副経路5に向けて物品搬送車3を分岐走行させる分岐用の接続経路6と、副経路5から主経路4に向けて物品搬送車3を合流走行させる合流用の接続経路6と、が備えられている。
主経路4及び複数の副経路5は、いずれも同じ方向周り(
図1では時計回り)に走行する経路である。尚、
図1においては、物品搬送車3が走行する方向を矢印で示している。
【0022】
次に、物品搬送車3について説明する。
尚、走行経路1の長手方向に対して上下方向に見て直交する方向を横幅方向として説明する。また、物品搬送車3については、駆動輪15の回転軸心に対して上下方向に見て直交する方向を前後方向としており、物品搬送車3が走行経路1の直線状の部分を走行しているときは、物品搬送車3の前後方向と走行経路1の長手方向とが同じ方向となる。また、物品搬送車3の前後方向に対して上下方向に見て直交する方向(駆動輪15の回転軸心が沿う方向)は、物品搬送車3が走行経路1の直線状の部分を走行している状態を想定して、走行経路1と同様に横幅方向と称する。
【0023】
図2〜
図4に示すように、物品搬送車3は、走行レール2に沿って走行する走行体9と、走行体9より下方に位置して物品Wを支持する支持体10と、走行体9と支持体10とを連結する連結体11と、を備えている。
走行レール2は、天井から吊り下げ支持された状態で左右一対設けられており、走行体9は、左右一対の走行レール2上をその走行レール2に沿って走行する。走行体9は、案内輪16を除いて一対の走行レール2より上方に位置しており、支持体10は、その全体が一対の走行レール2より下方に位置している。連結体11は、横幅方向において一対の走行レール2の間に位置している。
【0024】
物品搬送車3は、走行体9として、第1走行体9aと、この第1走行体9aに対して走行経路1の長手方向の一方側(前後方向で後方側)に位置する第2走行体9bと、を備えている。また、物品搬送車3は、連結体11として、第1走行体9aと支持体10とを連結する第1連結体11aと、第2走行体9bと支持体10とを連結する第2連結体11bと、を備えている。ちなみに、第2連結体11bは、第1連結体11aに対して走行経路1の長手方向の一方側(前後方向で後方側)に位置している。
【0025】
第1走行体9aは、電動式の駆動モータ14にて回転駆動される左右一対の駆動輪15が、左右一対の走行レール2の夫々における上方を向く走行面を転動する状態で備えている。また、第1走行体9aには、上下幅方向に沿う軸心周り(上下軸心周り)で自由回転する左右一対の案内輪16が、左右一対の走行レール2における内側面に接当する状態で備えられている。そして、これら駆動モータ14、左右一対の駆動輪15、左右一対の案内輪16は、基枠17に支持されている。尚、左右一対の案内輪16については、第1走行体9aに前後方向に並ぶ状態で2組備えられている。
第2走行体9bは、第1走行体9aと同様に、駆動モータ14と1組の左右一対の駆動輪15と2組の左右一対の案内輪16と基枠17とを備えている。
このように、走行体9は、走行レール2における上方を向く走行面を転動する駆動輪15と、左右一対の駆動輪15を回転駆動させる電動式の駆動モータ14と、走行レール2にて接触して案内される案内輪16と、駆動モータ14、駆動輪15及び案内輪16を支持する基枠17と、を備えている。
【0026】
第1連結体11aは、第1走行体9aと支持体10とが上下方向に沿う第1軸心X1周りに相対的に回転自在に第1走行体9aと支持体10とを連結し、第2連結体11bは、第2走行体9bと支持体10とが上下方向に沿う第2軸心X2周りに相対的に回転自在に第2走行体9bと支持体10とを連結している。
第1軸心X1は、第1走行体9aにおける走行方向の幅内に位置し且つ横幅方向の幅内に位置しており、上下方向視で第1走行体9aと重複するように配置されている。
第2軸心X2は、第2走行体9bにおける走行方向の幅内に位置し且つ横幅方向の幅内に位置しており、上下方向視で第2走行体9bと重複するように配置されている。
【0027】
第1走行体9a及び第2走行体9bは、それに備えられた2組の案内輪16が一対の走行レール2に接触して案内されることによって、走行経路1に沿った姿勢を維持しながら走行経路1に沿って走行する。具体的には、
図5に示すように、第1走行体9aや第2走行体9bは、走行経路1の直線状の部分を走行する場合は、走行方向が直線状の部分の経路長手方向に沿う姿勢で走行し、走行経路1の曲線状の部分を走行する場合は、走行方向が曲線状の部分の接線方向に沿う姿勢で走行する。
【0028】
図2〜
図4に示すように、支持体10は、走行経路1に沿って配設された給電線13から非接触で駆動用電力を受電する受電部12を支持している。当該受電部12は、支持体10の上面に固定されている。給電線13は、走行レール2に対する位置が固定された状態で走行経路1に沿って配設されている。
図2に示すように、受電部12は、一対の給電線13の間に位置し且つ一対の給電線13と同じ高さに位置する中間部分12aと、中間部分12aの上端から横幅方向の両側に延出して一対の給電線13より上方に位置する上部分12bと、中間部分12aの下端から横幅方向の両側に延出して一対の給電線13より下方に位置する下部分12cと、を備えている。
【0029】
図2及び
図3に示すように、第1走行体9aには、駆動輪15よりも上方側箇所に、上下方向に沿う軸心周りで回転する前後一対の案内補助輪19と、前後一対の案内補助輪19を一体的に横幅方向に移動させる駆動部20と、が備えられている。尚、第2走行体9bには、第1走行体9aと同様に前後一対の案内補助輪19と駆動部20とが備えられている。
【0030】
図5に示すように、走行経路1における経路が分岐又は合流する接続部分(主経路4と接続経路6とが接続される部分や副経路5と接続経路6とが接続される部分)には、案内補助輪19を案内するガイドレール21が設けられている。このガイドレール21は、走行レール2よりも上方に、平面視で左右一対の走行レール2の中央部に位置するように設置されている。
そして、第1走行体9aは、駆動部20にて前後一対の案内補助輪19を車体横幅方向に移動させることによって、前後一対の案内補助輪19の位置を、前後一対の案内補助輪19が第1走行体9aの車体横幅方向の中央より右側に位置(
図5に示す位置)してガイドレール21に対して右側から当接する右案内位置と、前後一対の案内補助輪19が第1走行体9aの車体横幅方向の中央より左側に位置してガイドレール21に対して左側から当接する左案内位置とに移動させるように構成されている。
第2走行体9bは、第1走行体9aと同様に、駆動部20にて前後一対の案内補助輪19の位置を右案内位置と左案内位置とに移動させるように構成されている。
【0031】
図7に示すように、走行経路1の接続部分には、ガイドレール21として、走行経路1の直線状の部分に沿って設置される直線ガイドレール21aと、走行経路1の曲線状の部分に沿って設置される曲線ガイドレール21bと、が設置されている。
そして、副経路5を走行する物品搬送車3が、主経路4から接続経路6に経路が分岐する接続部分に進入するときに、2組の前後一対の案内補助輪19(以下、単に案内補助輪19と称する)を左案内位置に移動させた状態で進入することで、物品搬送車3は、案内補助輪19が直線ガイドレール21aの左側に位置する状態で走行する。そのため、案内補助輪19は曲線ガイドレール21bにて案内されることなく、物品搬送車3は主経路4を直進走行する。
また、副経路5を走行する物品搬送車3が、主経路4から接続経路6に経路が分岐する接続部分に進入するときに、案内補助輪19を右案内位置に移動させた状態で進入することで、物品搬送車3は、案内補助輪19は直線ガイドレール21aの右側に位置する状態で走行する。そのため、案内補助輪19は曲線ガイドレール21bにて案内されて、物品搬送車3は主経路4から接続経路6に分岐走行する。
【0032】
次に、走行体9と支持体10とを連結する連結体11について説明する。
尚、第1連結体11aと第2連結体11bとは、前後方向に対称に構成されている点以外は同様に構成されているため、以下、第2連結体11bを連結体11として説明し、第1連結体11aについては説明を省略する。
【0033】
連結体11は、走行体9に連結されている走行側連結部23と、支持体10に連結されている支持側連結部24と、弾性変形自在な弾性部25と、上下方向に伸縮自在なダンパー26と、を備えている。走行側連結部23と支持側連結部24とは、上下方向に相対移動可能に連結され、弾性部25は、走行側連結部23と支持側連結部24との間に介在している。
【0034】
走行側連結部23は、走行体9に連結される第1連結部分28と、挿通孔が形成された第1部分29と、を備えており、第1連結部分28と第1部分29とは一体形成されている。
支持側連結部24は、棒状に形成され且つ支持体10に連結される第2連結部分31と、挿通孔が形成された第2部分32と、を備えており、第2連結部分31と第2部分32とは別体に形成されている。尚、第2連結部分31は、第1部分29の挿通孔に対して上下方向に挿通された棒状部分に相当する。
【0035】
第2連結部分31は、第2連結部分31の下端部が支持体10の上端部に固定され、第2連結部分31の上端部にはナットにて構成された雌ネジ部31aが螺合している。そして、第2連結部分31の上下方向の中間部が、第1部分29の挿通孔及び第2部分32の挿通孔に上下方向に挿通されている。
第1部分29における挿通孔を形成する第1小径筒状部29aにはボールブッシュが備えられており、第1部分29と第2連結部分31とは第2軸心X2周りに相対的に回転自在となっている。
また、第2部分32における挿通孔を形成する第2小径筒状部32aにはベアリングが備えられており、第2部分32と第2連結部分31とは第2軸心X2周りに相対的に回転自在となっている。
【0036】
第2部分32には、被案内部34が備えられ、第1部分29には、被案内部34が係合して当該被案内部34を上下方向に案内する案内レール35が備えられている。被案内部34が案内レール35に係合していることにより、第1部分29と第2部分32とは、前後方向や横幅方向には相対的に移動不能で且つ上下方向には相対的に移動可能に連結されている。
そして、被案内部34と案内レール35とで、走行側連結部23に対する支持側連結部24の相対移動を上下方向に案内する第1案内機構36が構成されている。また、第2連結部分31と第1小径筒状部29aとで、走行側連結部23に対する支持側連結部24の相対移動を上下方向に案内する第2案内機構が構成されている。
第1案内機構36は、第2軸心X2や後述する大径筒状部29bに対して走行体9の走行方向の一方側(後方側)に配設され、且つ、走行体9の走行方向に見て支持側連結部24の第2連結部分31と重複している。
【0037】
弾性部25は、コイルスプリングにて構成されて第2連結部分31の側周囲を囲う状態で配設されている。そして、第1小径筒状部29aの上面を第1部分29における上方を向く面とし、第2小径筒状部32aの下面を第2部分32における下方を向く面として、弾性部25は、第1部分29における下方を向く面と、第2部分32における上方を向く面と、により上下方向に圧縮された状態で挟まれている。尚、コイルスプリングは螺旋状に形成されており、弾性部25は筒状に形成されている。
第1部分29には、第1小径筒状部29aから上方に延びるように大径筒状部29bが備えられている。この大径筒状部29bは、第1小径筒状部29aよりも内径が大きく形成されており、この大径筒状部29b内に弾性部25が内装されている。尚、この大径筒状部29bが、弾性部25の側周囲を覆う筒状部分に相当し、走行側連結部23に備えられている。
【0038】
上述の如く、連結体11は、走行側連結部23と支持側連結部24とが上下方向に相対移動可能に連結されている。そして、支持側連結部24の第2連結部分31が走行側連結部23の第1小径筒状部29aに上下方向に挿通されて嵌合していること、及び、支持側連結部24に連結された被案内部34が走行側連結部23に連結された案内レール35に上下方向に移動自在に係合していることにより、走行側連結部23と支持側連結部24とは上下方向に沿って案内される。
また、支持側連結部24の第2連結部分31が、支持側連結部24の第2部分32や走行側連結部23に対して第2回転軸心X2周りに回転することで、走行体9と支持体10とが第2回転軸心X2周りに相対的に回転するように構成されている。このように、連結体11は、走行体9と支持体10とが第2軸心X2周りに相対的に回転自在に走行体9と支持体10とを連結している。
【0039】
そして、左右一対の駆動輪15を支持する基枠17には単一の連結体11が連結されて、その単一の連結体11に弾性部25を備えており、左右一対の駆動輪15に対して共通の弾性部25が設けられている。
そのため、
図5に示すように、走行体9における左側の駆動輪15が、直線状の走行レール2から外れてから曲線状の走行レール2に乗り上げるまでの間も、左右一対の駆動輪15は同じ高さに位置しており、左側の駆動輪15が曲線状の走行レール2に乗り上げるときの衝撃が抑えられる。
【0040】
図7に示すように、連結体11は、通常位置関係から支持側連結部24が走行側連結部23に対して相対的に上方に第1距離L1以上移動することを規制する第1規制部24aと、通常位置関係から支持側連結部24が走行側連結部23に対して相対的に下方に第2距離L2以上移動することを規制する第2規制部23aと、を備えている。
通常位置関係について、走行体9が停止した状態で且つ支持側連結部24が弾性部25を介して走行側連結部23に支持されている状態における、走行側連結部23と支持側連結部24との上下方向での位置関係を通常位置関係としている。
【0041】
そして、
図2に示すように、通常位置関係において、給電線13と下部分12cとの上下方向での間隔L3が、第1距離L1より狭く、給電線13と上部分12bとの上下方向での間隔L4が、第2距離L2より狭い。つまり、走行レール2上を走行する走行体9に対して支持体10が上下方向に移動した場合でも、その上下方向の移動は、受電部12が給電線13に接触しない範囲に規制されるため、受電部12が給電線13に接触することにより受電部12や給電線13が破損しないようになっている。
尚、通常位置関係については、支持体10が物品Wを支持している状態と支持体10が物品Wを支持していない状態とのいずれの場合でもよく、双方の場合において上記のように、走行体9に対する支持体10の上下方向の移動が、受電部12が給電線13に接触しない範囲に規制されることが好ましい。
【0042】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、筒状の弾性部としてコイルスプリングを用いたが、筒状の弾性部として円筒形に形成した樹脂材にて構成してもよい。
また、弾性部を筒状に形成したが、弾性部を円柱状に形成する等、弾性部の形状は適宜変更してもよい。
【0043】
(2)上記実施形態では、第1案内機構と第2案内機構とを備えたが、第1案内機構と第2案内機構とのうちの何れか一方のみを備えてもよい。
また、第1案内機構を備える場合に、第1案内機構を、第2連結部分と重複しないように、第2連結部分に対して左右方向にずらした箇所にて設けてもよい。
【0044】
(3)上記実施形態では、筒状部を走行側連結部に備えたが、筒状部を支持側連結部に備えてもよく、また、筒状部の上部を走行側連結部に備え且つ筒状部の下部を支持側連結部に備えて、筒状部を走行側連結部と支持側連結部との双方に備えてもよい。
【0045】
(4)上記実施形態では、左右一対の駆動輪に対して単一の弾性部を備えたが、左右一対の駆動輪の夫々に対して弾性部を備えてもよい。具体的には、例えば、走行体として、左右一対の駆動輪のうちの右側の駆動輪を備えた右側の走行体と、左右一対の駆動輪のうちの左側の駆動輪を備えた左側の走行体と、を備え、右側の走行体と支持体とを弾性部を備えた連結体にて連結し、左側の走行体と支持体とを別の弾性部を備えた連結体にて連結するようにしてもよい。
【0047】
(
5)上記実施形態では、走行体として、第1走行体と第2走行体との一対の走行体を備えたが、単一の走行体でもよい。
また、連結体にて、走行体と支持体とを相対回転自在に連結したが、連結体にて、走行体と支持体とを相対回転不能に連結してもよい。
【0048】
(
6)上記実施形態では、支持体に受電部を支持する状態で物品搬送車に受電部を備えて
、給電線から物品搬送車に非接触により給電したが、物品搬送車にバッテリーを搭載した
場合には、物品搬送車に受電部を備えなくてもよい。