【実施例】
【0037】
次に、本発明の実施例により、さらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0038】
実施例および比較例において、使用した予備発泡粒子は、以下のとおりである。
●ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子:
エペラン−PP45(SBS45、株式会社カネカ製、エチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂[MFR=7.0g/10分、融点145℃]を、45倍の発泡倍率で発泡したもの)
●ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子:
エペラン−XL35(XL35、株式会社カネカ製、エチレン−α−オレフィンブロック共重合体[MFR=2.0g/10分、融点122℃]を、35倍の発泡倍率で発泡したもの)
【0039】
実施例および比較例における評価は、以下のように行った。
<寸法評価>
得られた型内発泡成形体を二次養生後、外気環境に取り出し、4時間静置した後の発泡成形体において、ノギス(株式会社ミツトヨ製)を用いて長手方向の寸法(寸法A)を測定した。
その後、発泡成形体を23℃の恒温室にて48時間以上静置し、寸法が安定した後、ノギスを用いて長手方向の寸法(寸法B)を測定した。
寸法Aと寸法Bを用いて、下記式から寸法比を算出し、小数点以下第3位を四捨五入した。
寸法比(%)=(寸法A−寸法B)/寸法B×100
なお、寸法比が大きい程、二次養生後での収縮量が小さいことを示している。
【0040】
(実施例1)
[型内成形発泡体の作製]
予備発泡樹脂粒子として、発泡倍率45倍のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であるエペラン−PP45を用いた。
耐圧容器内にて、エペラン−PP45に対して加圧空気を含浸させて、エペラン−PP45の内圧を約0.1MPa(G)にした後、KD345成形機(DAISEN株式会社製)に搭載した平板状金型[長さ400mm×幅300mm×高さ60mm]内に充填した。
その後、12秒間かけて水蒸気圧力0.26MPa(G)まで昇圧し、そのまま5秒間加熱して、該予備発泡粒子同士を融着させ、130秒間水冷した後、金型から取り出し、型内発泡成形体を得た。
[成形発泡体の養生]
得られた型内発泡成形体を、一次養生として75℃の恒温室内に24時間静置した後、二次養生として50℃の恒温室内に5時間静置した後、23℃の外気環境に取り出した。
外気環境に取り出して4時間静置した後に、23℃恒温室に静置した。
外気環境温度での寸法比を、表1に示す。
【0041】
(実施例2)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を40℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表1に示す。
【0042】
(比較例1)
[成形発泡体の養生]において、二次養生を行わなかった以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表1に示す。
【0043】
(比較例2)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を65℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表1に示す。
【0044】
(比較例3)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を30℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
(実施例3)
[型内成形発泡体の作製]
予備発泡樹脂粒子として、発泡倍率35倍のポリエチレン系樹脂予備発泡粒子であるエペラン−XL35を用いた。
エペラン−XL35を、KD345成形機(DAISEN株式会社製)に搭載した平板状金型[長さ400mm×幅300mm×高さ60mm]内に充填した。
その後、5秒間かけて水蒸気圧力0.11MPa(G)まで昇圧し、そのまま12秒間加熱、該予備発泡粒子同士を融着させ、140秒間水冷した後、金型から取り出し、型内発泡成形体を得た。
[成形発泡体の養生]
得られた型内発泡成形体を、一次養生として75℃の恒温室に36時間静置した後、二次養生として50℃の恒温室内に5時間静置した後、23℃の外気環境に取り出した。外気環境に取り出し4時間後に23℃恒温室に静置した。
外気環境温度での寸法比を、表2に示す。
【0047】
(実施例4)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を40℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表2に示す。
【0048】
(比較例4)
[成形発泡体の養生]において、二次養生を行わなかった以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表2に示す。
【0049】
(比較例5)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を65℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表2に示す。
【0050】
(比較例6)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を30℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
(実施例5)
[成形発泡体の養生]において、外気環境を0℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表3に示す。
【0053】
(実施例6)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を40℃、外気環境を0℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表3に示す。
【0054】
(比較例7)
[成形発泡体の養生]において、二次養生を行わなかった、外気環境を0℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表3に示す。
【0055】
(比較例8)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を60℃、外気環境を0℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表3に示す。
【0056】
(比較例9)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を23℃、外気環境を0℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】
(実施例7)
[成形発泡体の養生]において、外気環境を0℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表4に示す。
【0059】
(実施例8)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を40℃、外気環境を0℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表4に示す。
【0060】
(比較例10)
[成形発泡体の養生]において、二次養生を行わなかった、外気環境を0℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表4に示す。
【0061】
(比較例11)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を60℃、外気環境を0℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表4に示す。
【0062】
(比較例12)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を23℃、外気環境を0℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】
(実施例9)
[成形発泡体の養生]において、外気環境を−20℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表5に示す。
【0065】
(実施例10)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を40℃、外気環境を−20℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表5に示す。
【0066】
(比較例13)
[成形発泡体の養生]において、二次養生を行わなかった、外気環境を−20℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表5に示す。
【0067】
(比較例14)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を60℃、外気環境を−20℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表5に示す。
【0068】
(比較例15)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を23℃、外気環境を−20℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表5に示す。
【0069】
【表5】
【0070】
(実施例11)
[成形発泡体の養生]において、外気環境を−20℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表6に示す。
【0071】
(実施例12)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を40℃、外気環境を−20℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表6に示す。
【0072】
(比較例16)
[成形発泡体の養生]において、二次養生を行わなかった、外気環境を−20℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表6に示す。
【0073】
(比較例17)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を60℃、外気環境を−20℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表6に示す。
【0074】
(比較例18)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を23℃、外気環境を−20℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表6に示す。
【0075】
【表6】
【0076】
(実施例13)
[型内成形発泡体の作製]
実施例1と同様にして、型内発泡成形体を得た。
[成形発泡体の養生]
金型から取り出した型内発泡成形体を、23℃で、1時間静置した。次に、一次養生として75℃の恒温室内に24時間静置した。次に、55℃の恒温室内に型内発泡成形体を速やかに移動させて、二次養生として55℃の恒温室内に5時間静置した。次に、23℃の外気環境に取り出した。
外気環境に取り出して4時間静置した後に、23℃の恒温室に静置した。
尚、予め、この系での一次養生における寸法が安定した状態になる時間が24時間であることを確認した。
外気環境温度での寸法比を、表7に示す。
【0077】
(実施例14)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を35℃に変更した以外は、実施例13と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表7に示す。
【0078】
(実施例15)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を55℃、外気環境温度を0℃に変更した以外は、実施例13と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表7に示す。
【0079】
(実施例16)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を35℃、外気環境温度を0℃に変更した以外は、実施例13と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表7に示す。
【0080】
(実施例17)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を55℃、外気環境温度を−20℃に変更した以外は、実施例13と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表7に示す。
【0081】
(実施例18)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を35℃、外気環境温度を−20℃に変更した以外は、実施例13と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表7に示す。
【0082】
【表7】
【0083】
(実施例19)
[型内成形発泡体の作製]
実施例3と同様にして、型内発泡成形体を得た。
[成形発泡体の養生]
得られた型内発泡成形体を、一次養生として75℃の恒温室に36時間静置した。次に、55℃の恒温室内に型内発泡成形体を速やかに移動させて、二次養生として55℃の恒温室内に5時間静置した。
次に、23℃の外気環境に取り出した。外気環境に取り出し4時間後に23℃の恒温室に静置した。
尚、予め、この系での一次養生における寸法が安定した状態になる時間が36時間であることを確認した。
外気環境温度での寸法比を、表8に示す。
【0084】
(実施例20)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を35℃に変更した以外は、実施例19と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表8に示す。
【0085】
(実施例21)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を55℃、外気環境温度を0℃に変更した以外は、実施例19と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表8に示す。
【0086】
(実施例22)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を35℃、外気環境温度を0℃に変更した以外は、実施例19と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表8に示す。
【0087】
(実施例23)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を55℃、外気環境温度を−20℃に変更した以外は、実施例19と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表8に示す。
【0088】
(実施例24)
[成形発泡体の養生]において、二次養生温度を35℃、外気環境温度を−20℃に変更した以外は、実施例19と同様の操作により、養生を行った。
外気環境温度での寸法比を、表8に示す。
【0089】
【表8】
【0090】
図1は、表1及び表2を基に、また、
図4は、表1、表2、表7、表8を基に、外気温度23℃における二次養生温度と寸法比の関係を示したものである。
図2は、表3及び表4を基に、また、
図5は、表3、表4、表7、表8を基に、外気環境0℃における二次養生温度と寸法比の関係を示したものである。
図3は、表5及び表6を基に、また、
図6は、表5、表6、表7、表8を基に、外気環境−20℃における二次養生温度と寸法比の関係を示したものである。
エペラン−PP45(発泡倍率45倍のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子)においては、二次養生を行わなかった場合、あるいは他の温度23℃もしくは30℃と60℃もしくは65℃で二次養生を行った場合には、寸法比が小さいのに対して、二次養生温度35〜55℃では、寸法比が大きい、つまり、発泡成形体の寸法の収縮が小さいことが判る。
エペラン−XL35(発泡倍率35倍のポリエチレン系樹脂予備発泡粒子)においても、二次養生を行わなかった場合、あるいは他の温度23℃もしくは30℃と60℃もしくは65℃で二次養生を行った場合には、寸法比が小さいのに対して、二次養生温度35〜55℃では、寸法比が大きい、つまり、発泡成形体の寸法の収縮が小さいことが判る。
【0091】
以上のように、様々な外気環境温度において、養生温度35℃〜55℃で二次養生した場合の寸法収縮抑制の効果は明白である。
さらに、外気環境温度が低い程、35℃〜55℃での二次養生による効果は顕著となる。