【文献】
中嶋 勝己,幹細胞の自動培養システム,生物工学,2014年12月31日,第92巻 第9号,p.473−476,[平成30年8月27日検索], インターネット<URL:https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9209/9209_tokushu_2.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の生産工程に基づいて製品の生産を行う複数の生産設備と、各生産設備の生産工程を管理するとともに全ての生産設備の生産工程からなる生産スケジュールを管理する主制御装置とを有するスケジュール管理システムにおいて、
上記生産工程は複数のサブ工程によって構成され、当該サブ工程では製品の生産について判定を行い、
主制御装置は、生産設備において所要の第1生産工程を実施している間に、当該第1生産工程を構成するサブ工程からの判定結果により、当該第1生産工程に新たなサブ工程を追加するまたは第1生産工程の既存のサブ工程を削除する第1生産工程の更新が可能であり、
さらに主制御装置は、第1生産工程とは異なる第2生産工程を、上記第1生産工程の更新に基づいて更新して、生産スケジュールを更新可能であり、
さらに、上記主制御装置は、所要の第1生産設備における生産工程と他の第2生産設備における生産工程とを入れ替えて生産スケジュールを更新可能であることを特徴とするスケジュール管理システム。
上記主制御装置は上記生産工程のそれぞれについて優先度を設定するとともに、上記優先度を加味して生産スケジュールを設定可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のスケジュール管理システム。
上記主制御装置は、各生産工程における各サブ工程の実行に伴うコストまたは時間を算出し、算出されたコストまたは時間から生産スケジュールの実行に必要なコストまたは時間を算出可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のスケジュール管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について説明すると、
図1はスケジュール管理システム1の構成図を示しており、当該スケジュール管理システム1では、製品としての再生医療の分野で用いる患者から採取した組織の細胞を培養するための生産スケジュールを管理するものとなっている。
上記スケジュール管理システム1は、内部にそれぞれ培養すべき細胞を収容した複数のインキュベータ2と、上記インキュベータ2と接続可能に設けられ、その内部で上記細胞を培養するための生産工程としての培養工程を行う、生産設備としての複数のアイソレータ3と、上記複数のアイソレータ3を制御する主制御装置4とから構成されている。
上記インキュベータ2は、その内部が無菌状態に維持されるとともに細胞の培養に好適な環境に維持され、培養を収容した培養容器を複数収容可能となっている。またインキュベータ2は上記アイソレータ3での培養工程を行わない間、人手によって移動されてアイソレータ3より分離された位置に保管され、内部で細胞の培養が行われるようになっている。
上記アイソレータ3の内部も無菌状態に維持され、内部には培養工程を行うためのロボットや各種装置が設けられており、これら各アイソレータ3内におけるロボットや各装置は、それぞれ各アイソレータ3に設けられた図示しない制御手段によって制御されるようになっている。
そして上記インキュベータ2とアイソレータ3とは図示しない接続手段によって接続可能となっており、当該接続手段を構成する開閉扉を開放することで、無菌状態を維持したまま上記インキュベータ2とアイソレータ3との間で培養容器の移送が可能となっている。
なお、上記インキュベータ2、アイソレータ3、接続手段、ならびにアイソレータ3内に設けられるロボットや各種装置は従来公知となっており、これらについての詳細な説明については省略するものとする。
【0009】
上記主制御装置4は、上記各アイソレータ3の制御手段と通信可能に接続され、
図2に示す各アイソレータ3で行う培養工程を管理し、また
図3に示すようにすべてのアイソレータ3で行われるすべての培養工程についての生産スケジュールを管理するようになっている。
図3に示す生産スケジュールにおいては、種類の異なる細胞A〜Iと、同じ培養工程を行うことが可能な第1〜第3アイソレータ3とを用いて説明するが、それ以上の種類の細胞を扱うことも、それ以上の台数のアイソレータ3を用いることも可能であり、また他の細胞培養に必要な図示しない装置の制御も可能となっている。
上記A〜I細胞はそれぞれ採取した患者や採取した組織が異なっており、それぞれ培養に必要な期間は異なるとともに、これらの細胞が使用される手術等の日程に合わせてそれぞれ出荷時期が設定されている。
【0010】
まず上記第1〜第3アイソレータ3で行われる培養工程は、
図2に示すような大工程、本発明にかかる生産工程としての中工程、サブ工程に分類することができる。
上記大工程は、患者から採取した原料細胞を培養に適した状態にする原料細胞処理工程、原料細胞処理工程において処理された細胞を培養する初代培養工程、初代培養工程で得られた細胞を複数の培養容器に播種する播種工程、インキュベータ2において培養された細胞をさらに複数の培養容器へと分配する継代培養工程、培養された細胞を出荷するために包装・冷凍する包装・冷凍工程、包装・冷凍された細胞を出荷可能な状態にする出荷工程がある。
このうち上記継代培養工程を例にすると、当該継代培養工程は中工程として、培養容器内の培地を交換する2回の培地交換工程、培養中の細胞の培養状態を観察するための観察工程、培養容器の細胞を継代する継代工程の各工程によって構成されている。
さらに上記継代工程を例にすると、当該継代工程はサブ工程として、培養容器内の細胞を洗浄する洗浄作業、培養容器に試薬を添加する試薬添加作業、培養容器を所定時間静置する静置作業、培養容器に培地を添加する培地添加作業、培養容器を傾けて添加物を培養容器の底部全体になじませる傾斜作業、細胞の培養状態を確認する培養状態確認作業、培養容器から培地を除去する培地除去作業、培養容器から細胞を剥離させる剥離作業、培養容器から剥離させた細胞の剥離状態を確認する剥離状態確認作業、遠心分離を行う遠心分離作業、遠心分離した液体から上澄みを除去する上澄み除去作業、細胞を培地に懸濁させて播種する播種作業等から構成されている。
【0011】
そして上記サブ工程には、それぞれ必要に応じて一つまたは複数の指示データや指標データとしてのパラメータを設定することが可能となっている。
例えば上記静置作業については、培養容器内の細胞の静置時間についてパラメータを設定し、遠心分離作業については遠心分離の時間についてパラメータを設定する。
また試薬添加作業については、使用する種類や量についてパラメータを設定し、特に試薬の種類については、アイソレータ3のどの位置に当該試薬を収容した容器を設置されたのかを実績データとしてパラメータ化することができる。
さらに、上記サブ工程としての培養状態確認作業および剥離状態確認作業では、細胞の培養状態に関する判定を行うようになっており、所要のしきい値をパラメータとして設定する。
上記培養状態確認作業には、アイソレータ3内に設けた観察装置で観察した培養容器内の細胞の個数をパラメータとして設定し、観察によって得られた実績データとしての細胞の個数がこのパラメータを超えた場合には培養が良好に行われたと判定し、超えない場合には培養不良であると判定するようになっている。
なお、パラメータは所定の範囲を設定することもでき、観察によって得られた実績データとしての細胞の個数がこのパラメータの範囲内である場合には培養が良好に行われたと判定し、範囲外である場合には培養不良であると判定するようにしてもよい。
また上記剥離状態確認作業には、同じく観察装置で観察した細胞容器より剥離した細胞の個数や剥離した細胞の割合をパラメータとして設定し、この剥離した細胞の個数や割合の実績データがパラメータを超えた場合には剥離が良好に行われたと判定し、超えない場合には剥離不良であると判定するようになっている。
なお、上記培養状態確認作業や剥離状態確認作業以外のサブ工程においても、例えば各サブ工程の実行の是非、機器の故障、不要な振動等の有無等を実績データとしてパラメータ化することで、これらの作業の良否を判定することができる。
なお、上述したような培養工程としての大工程、中工程、サブ工程やその順序は一例に過ぎず、ここに記載されない培養工程を大工程、中工程、サブ工程として設定可能であることは言うまでもない。
【0012】
そして主制御装置4は、対象となる細胞A〜Iの種類や設定した出荷時期に応じて、各細胞のそれぞれに最適な大工程、中工程、サブ工程を設定し、また第1〜第3アイソレータ3の稼働状態に応じて、
図3(a)に示すように上記中工程を組み合わせた計画当初スケジュールを作成するようになっている。
本実施例では、計画当初スケジュールとして、第1アイソレータ3には細胞Aに対する継代工程、細胞Bに対する培地交換工程、細胞Cに対する培地交換工程が設定され、第2アイソレータ3には細胞Fに対する培地交換工程、細胞Gに対する継代工程が設定され、第3アイソレータ3には細胞Hに対する継代工程、細胞Iに対する培地交換工程が設定されている。
また各アイソレータ3において各中工程を行うためには、事前にアイソレータ3内部を除染する必要があり、始業時には予めアイソレータ3内は除染され、前後する中工程と中工程との間にはそれぞれ除染工程が設定されている。
上記除染工程は、アイソレータ3内に過酸化水素蒸気等の除染ガスを充満させる作業と、これを排気するエアレーション作業とから構成されており、特にエアレーションには所要の時間が必要となっている。
なお
図3に示すスケジュールでは、第1、第3アイソレータ3は始業時においてすでに除染されており、直ちに細胞Aに対する継代工程および細胞Hに対する継代工程が可能となっているのに対し、第2アイソレータ3では、始業時に点検が行われることから、当該点検が終了した後に除染工程が設定されている。
さらに各中工程を行う際には、作業者が各工程の対象となる細胞を収容したインキュベータ2を、対象となるアイソレータ3に接続する作業が必要であり、主制御装置4は各工程が行われる際に作業者に対して所要の指示を行う。
この指示を見た作業者は、例えば前後する工程の間に設定された除染工程が行われている間にインキュベータ2をアイソレータ3に接続し、除染工程が完了したら上記接続手段の開閉扉を開放して、インキュベータ2とアイソレータ3とを連通させるようになっている。
【0013】
また主制御装置4が上記計画当初スケジュールを作成する際、例えば細胞の納期や必要とされる数量、培養終了までにかかるコストなどを加味して、各細胞についての大工程および中工程に優先度を設定することが可能となっている。
上記優先度としては、各サブ工程で使用される電力量や使用する薬液等の消耗品に必要なコストを加味することができ、上記主制御装置4が上記サブ工程を組み合わせて中工程を構成すると、当該中工程で必要とされるコストに基づいて優先度が設定される。
また主制御装置4が計画当初スケジュールを作成する際、必要に応じて同じ細胞に対する同じ中工程を複数のアイソレータ3で同時に行うように設定し、失敗の可能性が高い工程についてはリスクを分散させることができ、またその他の条件も設定することができる。
さらに主制御装置4は、作成した計画当初スケジュールについて、算出したコストや各培養工程にかかる時間を図示しない表示手段に表示したり、報告書等として出力することも可能となっている。
【0014】
このように作成された
図3(a)に示す計画当初スケジュールに基づき、上記主制御装置4は上記第1〜第3アイソレータを作動させ、これら第1〜第3アイソレータにおいてそれぞれ培養工程が実施される。
しかしながら、上記中工程やサブ工程はそれまでの経験等に基づいて設定されたものであり、細胞の個体差によっては培養に時間がかかったり、培地からの細胞の剥離が不十分になることがあり、逆に想定以上に培養が進んでしまった場合には、繰り返しの必要な作業を省略する場合もある。
そこで本実施例の主制御装置4は、上記計画当初スケジュールにおいて設定した各アイソレータでの培養工程において、細胞の培養状態に基づいて作業の追加や省略が必要となった場合には、当該培養工程の更新を行うとともに当該培養工程を含んだ生産スケジュールの更新を行い、当該更新した生産スケジュールに従って培養工程を続行するようになっている。
【0015】
例えば、アイソレータにおいて上記継代工程が開始された後、当該継代工程を構成する上記培養状態確認作業において細胞培養が不十分であると判定された場合、主制御装置4は
図2に示すように当該培養状態確認作業の直後に、再度培地除去作業、培地添加作業、静置作業を追加するとともに、培養状態確認作業を追加する。
これにより、再度の細胞培養が行われ、追加された培養状態確認作業において十分に細胞培養が行われていると判定された場合、主制御装置4はその後に設定した培地除去作業を実施する。
これと同様、上記継代工程における剥離状態確認作業において、細胞が十分に培養容器より剥離していないと判定されると、主制御手段4は、
図2に示すように上記剥離状態確認作業の直後に、再度試薬添加作業、静置作業、細胞剥離作業を追加するとともに、その後さらに剥離状態確認作業を追加する。
これにより、再度の細胞剥離作業が行われ、追加された剥離状態確認作業において十分に細胞が剥離したと判定された場合、主制御装置4はその後に設定した遠心分離作業を実施する。
【0016】
このように本実施例のスケジュール管理システム1では、各アイソレータ3において中工程が実施された後であっても、培養状態確認作業や剥離状態確認作業において上記細胞の培養状態や剥離状態について不良とする判定結果が出されると、上記主制御装置4が中工程に所要のサブ工程を追加し、更新された中工程を実施することが可能となっている。
逆に主制御装置4は、中工程において不必要となったサブ工程があると判定された場合には、当該中工程から当該サブ工程を削除し、更新された中工程を実施することが可能となっている。
しかしながら、このように中工程にサブ工程を追加したり削除すると、当該中工程の終了時間が延長されたり短縮されることとなるため、当該中工程に後続する他の中工程と重複したり、これらの間に間隔があいてしまうこととなる。
【0017】
そこで本実施例の主制御装置4は、所要の中工程を更新すると、他の中工程の開始時間を更新して、生産スケジュール全体の更新を行うようになっている。
図3(b)〜(d)は、主制御装置4が第1アイソレータ3における細胞Aに対する継代工程の更新を行った場合における、生産スケジュールの更新手順を説明するものとなっている。
ここでは、継代工程を構成する剥離状態確認作業において細胞が十分に剥離しておらず、主制御装置4が
図2に示すように当該継代工程に再度の剥離作業および剥離状態確認作業にかかるサブ工程を追加する場合について説明する。
主制御装置4が第1〜第3アイソレータ3に設定した各中工程の実施を開始させ、その後上述したように細胞Aに対する継代工程を更新して終了時間が延長されると、
図3(b)に示すように主制御装置4はこの細胞Aに対する継代工程に続く、B細胞に対する培地交換工程およびC細胞に対する培地交換工程の開始時間を後方に移動させる。
【0018】
しかしながら、上述したように各細胞には出荷時期が設定されており、この出荷時期から逆算することで、各細胞の培養工程を構成する各中工程を早くともどの時期以降に開始し、遅くともどの時期以前に開始しなければならないかについての開始許容期間を求めることができる。
つまり、所要の中工程の開始時間が上記開始許容期間よりも前に開始されると、後続する中工程との間で間隔が空きすぎて細胞培養に支障が出る場合があり、逆に開始許容期間よりも後に開始されると、後続する中工程を実施できなくなって当該細胞の出荷が間に合わなくなる。
【0019】
本実施例の主制御装置4は、細胞Aに対する継代作業が更新されて、B細胞の培地交換工程およびC細胞の培地交換工程の開始時間が後方にずれると、
図3(b)に示すように、当該B細胞に対する培地交換工程およびC細胞に対する培地交換工程の開始許容期間を認識する。
本実施例では、細胞Aに対する継代作業が更新された結果、B細胞に対する培地交換工程の開始時間は開始許容期間内に入るものの、C細胞に対する培地交換工程の開始時間は開始許容期間内に入らなかったものとする。
なお、C細胞に対する培地交換工程の開始時間も開始許容期間に入った場合には、主制御装置4はこの第1アイソレータ3における各工程の開始時間を後方にずらすだけで、他の第2、第3アイソレータ3の中工程については更新を行わないですむこととなる。
【0020】
このようにしてC細胞に対する培地交換工程の開始時間が開始許容期間内に入らないと判断すると、主制御装置4は第2、第3アイソレータ3に設定された他の中工程のそれぞれの開始時間および開始許容期間を確認する。
図3(b)において、第2、第3アイソレータ3ではすでに細胞Fに対する培地交換工程、細胞Hに対する継代工程がそれぞれ実施されていることから、これらの中工程については入れ替えができないこととなる。
そこで主制御装置4は、第2アイソレータ3の細胞Gに対する継代工程、第3アイソレータ3の細胞Iに対する培地交換工程のそれぞれの開始時間と開始許容期間とを認識する。
図3(c)に示すように、細胞Gに対する継代工程、細胞Iに対する培地交換工程にはそれぞれ同じ開始許容期間が設定されており、第2、第3アイソレータ3におけるこれらの中工程は相互に交換しても問題ない。
また細胞Fに対する培地交換工程、細胞Hに対する継代工程を比較すると、第2アイソレータ3における細胞Fに対する培地交換工程の終了時間が早く設定されている。
そこで主制御装置4は、より早い時間に終了する第3アイソレータの細胞Iに対する培地交換工程を、第2アイソレータの細胞Gに対する継代工程と入れ替え、さらに第2アイソレータ3においては、入れ替えた細胞Iに対する培地交換工程の後に、除染工程によって除染された製造待ち期間を設定する。
そして第2、第3アイソレータ3の間で上記細胞Gに対する継代工程、細胞Iに対する培地交換工程を入れ替えたことにより、
図3(d)に示すように、第2アイソレータ3では上記細胞Iに対する培地交換工程に続く製造待ち期間の開始時間が、上記細胞Cの培地交換工程の開始許容期間に入ることとなる。
そこで主制御装置4は、第1アイソレータ3の上記細胞Cに対する培地交換工程と、第2アイソレータ3の上記細胞Iに対する培地交換工程に続く製造待ち期間とを入れ替え、生産スケジュールの更新が完了する。そして細胞Cについては設定された出荷時期に出荷が可能となる。
【0021】
このようにして、主制御装置4が第1〜第3アイソレータ3で行われる各工程を適宜入れ替えて生産スケジュールの更新を行うことにより、第1〜第3アイソレータ3に設定されたすべての培養工程を、適切な開始許容期間内に開始させることが可能となる。
そして主制御装置4はこの更新された作業スケジュールに基づいて培養工程を継続し、また所要の中工程においてその延長または短縮が生じた場合には、改めて上述したような手順により生産スケジュールの更新を行うようになっている。
【0022】
なお上記実施例において、上記インキュベータ2は人手により移動させるようになっているが、これを自走式として、上記主制御装置4による制御に基づいて自動的にアイソレータ3へと移動し、さらに当該アイソレータ3と接続するような構成としてもよい。
その場合には上記インキュベータ2がどのアイソレータ3にどれだけの時間接続されるのかについて、主制御装置4が各インキュベータ2についての作業工程を設定するようにすればよい。