(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
半導体の検査を行う際に使用するプローブカードは、様々な種類の板状体、つまり、外部の機器と接続される主回路基板、プローブが設けられるプローブ基板、プローブの位置精度を向上させるガイド板、主回路基板とプローブ基板との間にある中継回路基板、補強部材である補強板などが選択的に設置される。これらの板状体は、正確な検査を実施するために検査中に平坦性を保つことが求められる。
【0003】
しかしながら、検査環境によって、こららの板状体には様々な力が作用し、平坦性を保つのが困難になる。例えば、垂直型プローブカードに設置されるガイド板には、垂直型プローブの弾性力、あるいは、ガイド板自体の重みが作用し、プローブ基板に反りが生じる原因となる。また、カンチレバー型プローブカードにおけるプローブ基板には、主回路基板とプローブ基板とを接続する中継部材の弾性力、あるいは、プローブ基板自体の重みが作用し、プローブ基板に反りが生じる原因となる。
【0004】
このような板状体の反りによる変位は、板状体の中心部付近で顕著に表れ、板状体の反りは、プローブカードの構成部材の位置関係をずらす原因、あるいは、プローブカードにおける電気的接触を損なわせる原因となり、プローブカードによる検査の障害となる。
【0005】
このような板状体の反りにより生じる問題を解消するために、例えば、ガイド板の反りを防止する従来技術としては、
図7に示すように、ガイド板64をネジ62などの固定手段を用いてプローブカード61の補強板63に固定する方法が用いられている。また、ネジを用いてガイド板の平行度を調節する方法(特許文献1参照)も用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多数の電極が高密度に配置されている検査素子の検査に用いられるプローブカードには、狭ピッチで配置されたプローブと、狭小な間隔で配線された回路基板が必要であり、このようなプローブカードでは、従来の様なネジなどの固定手段を配置するスペースを確保するのが困難になっている。
【0008】
そこで、本発明は、従来の問題点を解決するために、狭ピッチのプローブカードであっても、ネジなどの固定手段を用いることなく、ガイド板などの板状体の反りを防止することが可能な、プローブカードを構成する板状体の支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の板状体の支持構造は、プローブカードに設置された板状体の支持構造であって、平行に配置された複数の板状体の中から少なくとも2つの板状体として第1の板状体および第2の板状体を選択し、前記第1の板状体に少なくとも一端が固定されたワイヤロープを用いて、前記第2の板状体を支持することを特徴とする。
【0010】
前記第1の板状体に第1貫通孔を設け、前記第2の板状体に第2貫通孔を設けて、前記ワイヤロープを前記第1貫通孔および前記第2貫通孔に挿入して、前記第2の板状体を支持する。
【0011】
前記ワイヤロープを1つの前記第1貫通孔および1つの前記第2貫通孔に挿入し、略I字状に配置する、あるいは、前記ワイヤロープを2つの前記第1貫通孔および2つの前記第2貫通孔に挿入し、略U字状に配置することによって、前記第2の板状体を支持する。
【0012】
前記第1の板状体と前記第2の板状体の間に、第3貫通孔が形成された少なくとも1つの第3の板状体を配置し、前記第3貫通孔に前記ワイヤロープを挿入する。
【0013】
前記第2の板状体とは反対側の前記第1の板状体の表面に設けられた少なくとも1つの調節手段によって、前記ワイヤロープの少なくとも一端が固定されて前記ワイヤロープの張力が調節可能である。
【0014】
前記調節手段は、前記第1の板状体の表面に固定された土台、前記土台とネジ係合させる調節ネジ、前記調節ネジの上端に取り付けられるキャップ、および、前記調節ネジを回転させるためのレバーから構成され、前記レバーを用いて前記調節ネジを回転させることによって、前記ワイヤロープの張力を調節することが可能である。
【0015】
前記ワイヤロープの径が、30〜200μmである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の板状体の支持構造は、プローブカードに設置された板状体の支持構造であって、複数の板状体の中から少なくとも2つの板状体として第1の板状体および第2の板状体を選択し、第1の板状体に、少なくとも一端が固定されたワイヤロープを用いて第2の板状体を固定することによって、ワイヤロープはネジ、ボルト等よりも小径であることから、板状体におけるワイヤロープが占有する領域を小さくすることが可能となり、プローブまたは回路の設置に係る制約を大幅に減少させることが可能となる。
【0017】
前記第2の板状体とは反対側の前記第1の板状体の表面に設けられた少なくとも1つの調節手段によって、前記ワイヤロープの少なくとも一端が固定されて前記ワイヤロープの張力が調節可能であることによって、板状体を適切な状態で支持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図を用いて本発明の板状体の支持構造について詳細に説明する。まず初めに、本発明の第1の実施形態の板状体の支持構造について説明する。
図1に示すのが第1の実施形態の板状体の支持構造を用いたプローブカード1の断面図であり、
図2〜4は第1の実施形態の板状体の支持構造を用いた前記プローブカード1の一部を拡大した図面である。
【0020】
本発明の第1の実施形態の板状体の支持構造を用いたプローブカード1は、
図1に示すように、複数の板状体として、主回路基板2、補強板3、前記主回路基板2の下面と間隔を空けて配置されている中継回路基板4、前記中継回路基板4の下面と間隔を空けて配置されている第1ガイド板5、前記第1ガイド板5の下面と間隔を空けて配置されている第2ガイド板6を用いる。そして、前記プローブカード1は板状体以外の部材として、前記第1ガイド板5と前記第2ガイド板6によって保持された垂直型のプローブ7を備えている。
【0021】
前記プローブカード1において、板状体の支持構造は、板状体である前記第2ガイド板6を前記ワイヤロープ9を用いて支持する構造を用いる。板状体の支持構造としてワイヤロープ9を用いて前記第2ガイド板6を前記補強板3と機械的に接続し、前記第2ガイド板6に対して前記補強板3方向への張力を作用させることで、前記第2ガイド板6を支持する。
【0022】
前記ワイヤロープ9を用いた板状体の支持構造について詳しく説明する。前記ワイヤロープ9の両端は、板状体である前記補強板3の上面に設けられた調節手段10によって固定されている。そして、前記ワイヤロープ9は、前記補強板3に設けられた2つの貫通孔15および前記第2ガイド板6に設けられた2つの貫通孔19に挿入されて、略U字状に配置されている。
【0023】
前記補強板3と前記第2ガイド板6との間には、複数の板状体が配置されており、これらの板状体を含めたプローブカード1について、さらに詳細に説明する。板状体の1つである前記主回路基板2は、プローブカード1を試験装置と接続する基板であり、接続に使用する電極12が上面に設けられている。また、前記主回路基板2を補強するための前記補強板3が前記主回路基板2の上面に取り付けられている。前記中継回路基板4は前記主回路基板2と電極、バンプ等を用いて電気的に接続され、下面に設けた電極を介して前記プローブ7と電気的に接続されており、プローブカード1における間隔変換機能を有する。
【0024】
前記第1ガイド板5と前記第2ガイド板6とは、前記プローブ7を保持するために用いられる板状体であり、
図2に示すように、前記第1ガイド板5に設けられた第1ガイド孔13および前記第2ガイド板6に設けられた第2ガイド孔14に、前記プローブ7は挿入され、前記プローブ7の上部は前記第1ガイド孔13から上方に突出し、上端が別の板状体である前記中継回路基板4の電極と接続されている。
【0025】
前記プローブ7は、バレルとバレルから下方に突出するプランジャから構成され、バレル内部のスプリングによって弾性力が作用している。この弾性力が第2ガイド板6に対して下方に作用し、前記第2ガイド板6の変形を生じさせる。
図2に示すように、前記プローブ7のバレルは前記第2ガイド孔14よりも径が大きいことから、前記第2ガイド板6の上面に保持され、前記プローブ7のプランジャだけが前記第2ガイド孔14に挿入され、前記プランジャの先端が前記第2ガイド板6の下面から下方に突出している。
【0026】
前記中継回路基板4、前記第1ガイド板5および前記第2ガイド板6はホルダー8によって前記主回路基板2に保持され、前記ホルダー8、前記主回路基板2、および前記補強板3はボルトなどによって互いに固定されている。
【0027】
前記ワイヤロープ9は、
図1に示すように、前記プローブカード1に略U字状に配置されており、両端が前記補強板3の上面に設けられた調節手段10によって固定されている。前記補強板3、前記主回路基板2、前記中継回路基板4、前記第1ガイド板5、および前記第2ガイド板6には、それぞれ、互いに平行な2つの貫通孔15,16,17,18,19が、直線上に設けられている。そして、前記ワイヤロープ9が、1列の貫通孔15,16,17,18,19に挿入され、前記第2ガイド板6の下面を通過し、もう1列の貫通孔15,16,17,18,19に挿入され、前記補強板3の上方に突出された前記ワイヤロープ9の両端が前記調節手段10によって固定されることで、略U字状に配置される。
【0028】
この時、前記ワイヤロープ9は、前記第2ガイド板6の一方の貫通孔19から前記第2ガイド板6の下面を通過し他方の貫通孔19へと配置されているが、前記貫通孔19から下方に突出したところで直角に折れ曲がることになる。この折れ曲がりを緩衝するために、
図2に示すように、前記第2ガイド板6の下面の前記ワイヤロープ9が通過する箇所に2個のスペーサ11を設け、前記ワイヤロープ9が前記第2ガイド板6の下面に接触しないようにしている。
【0029】
前記ワイヤロープ9は可撓性を有する材質であり、狭ピッチのプローブカード1に使用するために、例えば30〜200μmの径を有するものを使用することができる。これは、従来の固定部材であるネジの径(1mm、0.3mm等)に比べると大幅に減少させることができる。これによって、ネジなどの固定部材に比べて、配置の自由度が増加し、狭ピッチのプローブカード1であっても前記ワイヤロープ9は適切な位置に配置することが可能となる。
【0030】
前記ワイヤロープ9としては、例えば、極細の金属線(SUS304など)、または、芳香族ポリアミド系樹脂による極細繊維を用いることが可能である。前記ワイヤロープ9として、SUS304の金属線を用いた場合、引張強度は、209〜245kgf/mm2(2000〜2500MPa)となり、前記ワイヤロープ9の直径が200μmの場合、前記ワイヤロープ9の1本当たりの引張強度は、6〜7kgfとなる。
図1のプローブカード1において、このような前記ワイヤロープ9を20本用いると、全てのワイヤロープ9を合わせると、180kgf程度の押圧力に対応することが可能となる。前記プローブカード1に、1本当たり10gfの反力を生じるプローブ7を10000本用いて押圧接触を行う時に生じる反力は100kgfとなるが、前記ワイヤロープ9が全体で180kgfまで対応可能であることから、十分に支えることができる。
【0031】
前記ワイヤロープ9を前記第2ガイド板6の下面を通過させる際に、狭ピッチで配置されている前記プローブ7の隙間を通過するように、前記貫通孔19の位置を決定する。その一例を、第2ガイド板6を下から見た図である
図4に示す。図に示すように、この時、前記ワイヤロープ9は上述のように径が小さいことから前記プローブ7の間を通すことが可能であり、また、前記貫通孔19は前記第2ガイド孔14の間に配置することができることから、従来のプローブ7の配置をあまり変更すること無く配置することも可能である。
【0032】
前記ワイヤロープ9の両端を固定し、前記ワイヤロープ9による張力を調節する調節手段10が、前記補強板3の上面に2つ設けられている。前記調節手段10は、
図3に示すように、前記補強板3の上面にネジ21で固定された土台20、前記土台20とネジ係合させる調節ネジ22、前記調節ネジ22の上端に取り付けられるキャップ23、および、前記調節ネジ22を回転させるためのレバー24から構成される。
【0033】
前記土台20の中心には、前記ワイヤロープ9を挿入する第1貫通孔25および前記第1貫通孔25の上方に位置し前記第1貫通孔25と接続されたネジ孔26が設けられている。前記調節ネジ22は、前記ワイヤロープ9を挿入する第2貫通孔27が中心に設けられ、第1ネジ部28が形成された下部、前記レバー24を挿入するレバー挿入孔32が水平方向に形成された中間部、前記ワイヤロープ9をネジ溝に巻きつけるための第2ネジ部29が形成された上部から構成され、前記中間部と前記上部との間にはスラスト軸受30が設けられている。
【0034】
前記キャップ23は、上方に開口を有する略円筒形状であり、上端が中心方向にへと傾斜した形状を用いている。そして、側面には複数の注入孔31が設けられている。前記レバー24は前記レバー挿入孔32に挿入され、前記調節ネジ22を回転させる際の持ち手となる。前記レバー24は着脱可能であり、使用する時にだけ前記レバー挿入孔32に挿入すればよい。
【0035】
前記調節手段10による前記ワイヤロープ9の固定方法および張力の調節方法について説明する。前記調節ネジ22を前記土台20にネジ係合させる。この時、前記調節ネジの第1ネジ部28は前記土台20のネジ孔26と完全に係合させるのではなく、ネジ係合を途中までにしておく。このように前記調節ネジ22を前記土台20に係合させると、前記土台20の第1貫通孔25と前記調節ネジ22の第2貫通孔27は直線上に配置され前記ワイヤロープ9は前記第1貫通孔25および前記第2貫通孔27に挿入される。
【0036】
前記第2貫通孔27の上方から突出した前記ワイヤロープ9は、前記第2ネジ部29のネジ溝に沿って巻きつけ、その後、前記キャップ23を前記第2ネジ部29に被せる。この時、前記ワイヤロープ9の余った部分は切断する。前記キャップ23を被せた後、前記キャップ23の内面と前記第2ネジ部29との間に、前記注入孔31から接着剤を注入し、前記キャップ23、前記第2ネジ部29、およびその間にある前記ワイヤロープ9を固定する。前記接着剤が硬化すると、
図3に示すように、前記ワイヤロープ9の端部は前記調節手段10によって固定される。
【0037】
前記ワイヤロープ9のもう一方の端部についても同様に、別の調節手段10を用いて固定する。このようにして、前記ワイヤロープ9の両端を2つの前記調節手段10によって固定した後、前記ワイヤロープ9による張力を調節する場合、前記レバー24を前記レバー挿入孔32に挿入して前記第1ネジ部28を回転させる。前記第1ネジ部28を締める方向に前記レバー24を回転させると前記ワイヤロープ9による張力が低減され、前記第1ネジ部28を緩める方向に前記レバー24を回転させると前記ワイヤロープ9による張力が増加される。このように前記第1ネジ部28を回転させる際に、前記スラスト軸受30を設けていることによって、前記第2ネジ部29は回転することなく前記ワイヤロープ9の端部の固定状態が保持されている。前記ワイヤロープ9による張力の調節は、上述のように1つの調節手段10によって調節することができるが、2つの調節手段10を用いて調節することも可能である。
【0038】
前記調節手段10によるワイヤロープ9による張力の調節は、プローブカード1の平坦度、特に、第2ガイド板6の平坦度を確認しながら行う。前記第2ガイド板6には、前記プローブ7の弾性力によって下方への力が作用している。これにより、周囲がガイド手段8によって保持された前記第2ガイド板6は、中央が下方へと撓む変形が生じる。これに対して、前記ワイヤロープ9によって前記第2ガイド板6の中央付近を上方(前記補強板3の方向)へと張力を作用させて、前記第2ガイド板6の中央の下方への変形を抑制する。このような前記第2ガイド板6へ作用する力を、前記調節手段10による前記ワイヤロープ9による張力を調節することで適切な状態へと調節することができる。
【0039】
前記調節手段10の他の形態として、2つの調節手段を1つに組み合わせた形態とすることが可能である。2つの土台を一体構造とし、1つの土台に2つの調節ネジを係合させる構造としてもよい。前記調節手段10として、調節ネジ22を用いた手段について説明しているが、他の形態の調節手段を用いることも可能である。
【0040】
このように、本発明の板状体の支持構造は、前記ワイヤロープ9を用いて前記第2ガイド板6に、前記プローブ7による弾性力と反対方向の力を作用させることで、前記第2ガイド板6の変形を抑制し、平坦度を確保することが可能となり、所定の精度で狭ピッチのプローブカードの組立が実現できる。また、前記第2ガイド板6の変形を抑制することで、前記プローブ7と前記中継回路基板4との押圧接続する部分の接触圧力を確保し、安定した電気的接続を維持することで、本発明の板状体の支持構造を用いたプローブカード1の信頼性を向上させることが可能となる。
【0041】
次に、第2の実施形態の板状体の支持構造を用いたプローブカード41について説明する。第1の実施形態と同じ部材については同じ符号を用いて説明する。前記プローブカード41は、
図5に示すように、板状体として、主回路基板2、補強板3、前記主回路基板2の下面と間隔を空けて配置されている中継回路基板4、前記中継回路基板4の下面と間隔を空けて配置されている第1ガイド板5、および、前記第1ガイド板5の下面と間隔を空けて配置されている第2ガイド板6を用いている。
【0042】
そして、前記プローブカード41は、板状体以外の部材として、前記第1ガイド板5と前記第2ガイド板6によって保持された垂直型のプローブ7を備える。さらに、前記プローブカード41において、前記主回路基板2と前記中継回路基板3との電気的接続には、バネを内蔵した接続ピン42を用いている。そのために、前記プローブカード41は、前記接続ピン42を保持するためのガイド孔44を設けた接続ピン用ガイド板43を、前記主回路基板2と前記中継回路基板4との間に備えている。前記接続ピン用ガイド板43はネジなどを用いてホルダーに固定されている。
【0043】
前記プローブカード41は、バネを内蔵した前記接続ピン42を用いていることによって、前記中継回路基板4にも下方への弾性力が作用している。周囲がホルダー8によって保持されている前記中継回路基板4は弾性力によって中央が下方へと撓む変形が生じる。そして、前記中継回路基板4の変形は、前記プローブ7を介して弾性力を受ける第2ガイド板6にも影響を与え変形を生じさせる。そこで、本実施形態では、板状体の支持構造として、前記中継回路基板4をワイヤロープ49によって支持する構造を用いる。このような板状体の支持構造によって、前記中継回路基板4の変形を抑制し、さらに、前記第2ガイド板6への影響を減少させる。
【0044】
前記ワイヤロープ49は、前記プローブカード41に略U字状に配置されており、両端が前記補強板3の上面に設けられた調節手段10によって固定されている。前記補強板3、前記主回路基板2、接続ピン用ガイド板43、および前記中継回路基板4には、それぞれ、互いに平行な2つの貫通孔45,46,47,48が設けられている。そして、前記ワイヤロープ49が、一方の貫通孔45,46,47,48に挿入され、前記中継回路基板4の下面を通過し、もう一方の貫通孔45,46,47,48に挿入され、前記補強板3の上方に突出された前記ワイヤロープ49の両端が前記調節手段10によって固定されることで、略U字状に配置される。
【0045】
前記貫通孔45,46の2つの間隔は、前記貫通孔47,48の2つの間隔よりも広くなっていることから、前記ワイヤロープ49は前記主回路基板2と前記接続ピン用ガイド板43との間で斜めになっている。これは、2つの調節手段10の配置可能な位置と、前記貫通孔47,48が配置可能な位置が、様々な条件(例えばプローブ7、接続ピン42等)によって制限されるからである。このように、前記貫通孔45,46,47,48は、様々な条件に応じて適宜位置を決定するが、場合によっては直線上に配置できないケースも存在する。しかしながら、前記ワイヤロープ49は可撓性を有することから、前記ワイヤロープ49を用いた第2の実施形態の板状体の支持構造は、ボルトの様な固定手段とは違って、必ずしも1直線となるように配置する必要はなく、適宜変更が可能であり、様々な構造のプローブカードに対応することが可能である。
【0046】
前記ワイヤロープ49は、前記中継回路基板4の一方の貫通孔48から前記中継回路基板4の下面を通過し他方の貫通孔48へと配置されているが、前記貫通孔48から下方に突出したところで直角に折れ曲がることになる。この折れ曲がりを緩衝するために、前記中継回路基板4の下面の前記ワイヤロープ49が通過する箇所に1個のスペーサ50を設け、前記ワイヤロープ49が前記中継回路基板4の下面に接触しないようにしている。
【0047】
前記調節手段10を用いて前記ワイヤロープ49の両端は固定されているが、前記ワイヤロープ49の両端を固定し、調節する調節手段10の構造は、第1の実施形態と同じであることから詳細な説明は省略する。本実施形態の板状体の支持構造を用いたプローブカード41では、前記レバー24を用いて調節ネジ22を回転させて前記ワイヤロープ49による張力を調節することで、前記中継回路基板4の平坦度を確保し、これにより、前記接続ピン42による前記中継回路基板4と前記主回路基板2との押圧接続部分の接触圧力、および、前記中継回路基板4と前記プローブ7との押圧接続部分の接触圧力を確保することで、安定した電気的接続を維持し、信頼性の高いプローブカードが実現できる。また、本実施形態の板状体の支持構造によって、プローブカード41の平坦度を確保することで高い精度で狭ピッチのプローブカードの組立が実現できる。
【0048】
プローブカード41において、第2の実施形態の板状体の支持構造と同時に、ワイヤロープ9を用いた第1の実施形態の支持構造を用いることも可能である。これにより、2つのワイヤロープ9,49によって、前記第2ガイド板6と前記中継回路基板4を同時に支持し、張力をそれぞれ調節可能な構造とすることも可能である。
【0049】
次に、第3の実施形態の板状体の支持構造を用いたプローブカード51について説明する。前記プローブカード51は、第2の実施形態の板状体の支持構造を用いたプローブカード41と同じ、中継回路基板4と主回路基板2とをバネを内蔵した接続ピン42を用いて電気的に接続する構造である。よって、ワイヤロープおよび貫通孔以外の部材は、全て第2の実施形態のプローブカード41の部材(符号を含めて)をそのまま用いて説明する。
【0050】
第3の実施形態の板状体の支持構造を用いたプローブカード51は、
図6に示すように、板状体として、主回路基板2、補強板3、接続ピン用ガイド板43、中継回路基板4、第1ガイド板5、および、第2ガイド板6を用いる。そして、前記プローブカード51は、板状体以外の部材として、前記接続ピン用ガイド板43に保持された接続ピン42、前記第1ガイド板5と前記第2ガイド板6によって保持された垂直型のプローブ7を備える。
【0051】
前記プローブカード51は、前記接続ピン42によって前記中継回路基板4に下方へ弾性力が作用しており、同時に、前記プローブ7によって前記第2ガイド板6に下方へ弾性力が作用していることから、これらの弾性力によって前記中継回路基板4および前記第2ガイド板6が変形する。そこで、本実施形態では、板状体の支持構造として、前記中継回路基板4および前記第2ガイド板6を互いに長さの異なる2本のワイヤロープ52,53を組み合わせて支持する構造を用いる。このような板状体の支持構造によって、前記補強板3方向への張力を作用させ、調節手段10を用いて前記ワイヤロープ52,53による張力を調節することで抑制する。
【0052】
前記ワイヤロープ52は、前記中継回路基板4を前記補強板3に機械的に接続し張力を作用させるために用いる。前記ワイヤロープ52を挿入する貫通孔54,55,56,57を、前記補強板3、前記主回路基板2、前記接続ピン用ガイド板43、および前記中継回路基板4にそれぞれ1つずつ設ける。そして、前記ワイヤロープ52を貫通孔54,55,56,57に挿入し、前記中継回路基板4から下方へと突出する。前記ワイヤロープ52の下端を、前記中継回路基板4の下面に固定する。固定方法は特に限定するものではないが、例えば、前記ワイヤロープ52の下端を予め拡張させておいて、前記貫通孔57に挿入できないようにしてもよく、また、はんだ、接着剤等を用いて固定してもよい。
【0053】
前記貫通孔54,55,56,57に挿入したワイヤロープ52の上端は、前記補強板3の上面に設けた調節手段10によって固定する。これにより、前記ワイヤロープ52による前記中継回路基板4への張力を前記調節手段10によって調節することで、前記中継回路基板4に対して上方(前記補強板3方向)に張力を加えて、前記中継回路基板4の変形を抑制する。
【0054】
前記ワイヤロープ53は、前記第2ガイド板6を前記補強板3に機械的に接続し張力を作用させるために用いる。前記ワイヤロープ53を挿入する貫通孔54,55,56,57,58,59を、前記補強板3、前記主回路基板2、前記接続ピン用ガイド板43、前記中継回路基板4、前記第1ガイド板5、および前記第2ガイド板6にそれぞれ1つずつ設ける。そして、前記ワイヤロープ53を貫通孔54,55,56,57,58,59に挿入し、前記第2ガイド板6から下方へと突出する。前記ワイヤロープ53の下端を、前記第2ガイド板6の下面に固定する。固定方法は、前記ワイヤロープ52と同じ方法を用いる。
【0055】
前記貫通孔54,55,56,57,58,59に挿入したワイヤロープ53の上端は、前記補強板3の上面に設けた調節手段10によって固定する。これにより、前記ワイヤロープ53による前記第2ガイド板6への張力を前記調節手段10によって調節することで、前記第2ガイド板6に対して上方(前記補強板3方向)に張力を加えて、前記第2ガイド板6の変形を抑制する。
【0056】
本実施形態の板状体の支持構造では、直線状に配置した2本のワイヤロープ52,53を組み合わせて用いることで、狭いスペースしか確保できない場合でも、中継回路基板4および第2ガイド板6の両方の変形をそれぞれ抑制し、前記中継回路基板4および前記第2ガイド板6の平坦度を同時に確保し、これにより、前記接続ピン42による前記中継回路基板4と前記主回路基板2との押圧接続部分の接触圧力、および、前記中継回路基板4と前記プローブ7との押圧接続部分の接触圧力を同時に確保することで、安定した電気的接続を維持し、信頼性の高いプローブカードが実現できる。また、本実施形態の板状体の支持構造を用いてプローブカード51の平坦度を確保することで所定の精度で狭ピッチのプローブカードの組立が実現できる。
【0057】
本発明の板状体の支持構造の説明では垂直型プローブカードを用いているが、本願発明の板状体の支持構造はカンチレバー型プローブカードにも用いることが可能である。また、本発明の板状体の支持構造は、第1〜3の実施形態において説明した板状体以外の板状体を支持するために用いることも可能である。さらに、本実施形態の板状体の支持構造をプローブカード以外にも使用することも可能である。