特許第6471944号(P6471944)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6471944-洗濯機の安全な稼働方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6471944
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】洗濯機の安全な稼働方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/42 20060101AFI20190207BHJP
   D06F 37/24 20060101ALI20190207BHJP
   D06F 33/02 20060101ALI20190207BHJP
   D06F 23/04 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   D06F37/42 A
   D06F37/24 E
   D06F33/02 J
   D06F23/04
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-508661(P2017-508661)
(86)(22)【出願日】2014年11月14日
(65)【公表番号】特表2017-536140(P2017-536140A)
(43)【公表日】2017年12月7日
(86)【国際出願番号】CN2014091141
(87)【国際公開番号】WO2016029559
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2017年6月29日
(31)【優先権主張番号】201410437986.9
(32)【優先日】2014年8月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂艶芬
(72)【発明者】
【氏名】彭秀文
【審査官】 青木 正博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−156382(JP,A)
【文献】 特開2013−034605(JP,A)
【文献】 特開2009−219991(JP,A)
【文献】 特開2002−119790(JP,A)
【文献】 特開2000−342886(JP,A)
【文献】 特開2000−308797(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0060299(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00−51/02
D06F 58/00−60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機の安全な稼働方法であって、洗濯機の動作過程で、吊棒と洗濯機の筐体との少なくとも1つの接続部分、ならびに/または、前記吊棒と前記洗濯機の外槽の吊棒受との少なくとも1つの接続部分に、吊棒脱落検出装置を設けて圧力を検出し、検出結果を制御装置にフィードバックし、
前記制御装置がフィードバック情報に基づき、前記吊棒が脱落しているかどうかを判断し、さらには洗濯機の駆動モータに対する動作状態の変更を制御し、
前記洗濯機外槽と前記洗濯機の筐体とが複数の吊棒により接続され、
前記吊棒脱落検出装置が制御装置および少なくとも1つの圧力センサを含み
前記圧力センサが制御装置と電気的に接続され前記制御装置が洗濯機の駆動モータと電気的に接続されていることを特徴とする洗濯機の安全な稼働方法
【請求項2】
洗濯機の各吊棒と洗濯機筐体との接続部分、ならびに/または各吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に、いずれも圧力センサを取り付けることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機の安全な稼働方法
【請求項3】
洗濯機筐体内は、外槽の円周に均等に分布する4本の吊棒により、外槽が筐体中に吊るされ、このうちの1本の吊棒と洗濯機筐体との接続部分、ならびに/またはこの吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に、圧力センサを取り付けることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機の安全な稼働方法
【請求項4】
制御装置と電気的に接続する警報器をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機の安全な稼働方法
【請求項5】
制御装置が、圧力センサが受信した圧力値がその正常圧力値範囲を超えているかどうか分析することにより、吊棒が脱落しているかどうかを判断することを特徴とする、請求項に記載の洗濯機の安全な稼働方法。
【請求項6】
洗濯、すすぎ過程で、モータが動作しようとするたびに、動作前に圧力を一度検出して、検出値Mとし、モータの動作過程で、連続して数回圧力値を検出し、検出した値をMと比較し、検出値が設定範囲内にあるとき、吊棒が正常であると判断し、検出値が設定範囲を超えている場合、吊棒が脱落していると判断し、制御装置は洗濯機の駆動モータが動作を停止するように制御することを特徴とする、請求項に記載の洗濯機の安全な稼働方法。
【請求項7】
脱水過程で、一度圧力を検出して、検出値をNとし、設定時間後、さらに一度検出して、検出値をN1とし、連続した2回の検出値を比較し、比率が設定範囲内にあるとき、吊棒が正常であると判断し、比率が設定範囲を超えている場合、吊棒が脱落していると判断し、制御装置は洗濯機の駆動モータが動作を停止するように制御することを特徴とする、請求項5または6に記載の洗濯機の安全な稼働方法。
【請求項8】
1本の吊棒と洗濯機筐体との接続部分、ならびに/またはこの吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に圧力センサを取り付け、任意の1か所もしくは全ての圧力センサが検出した圧力値が、いずれもその正常圧力値範囲を超えると、制御装置は吊棒が脱落していると判断し、洗濯機の駆動モータが動作を停止するように制御することを特徴とする、請求項1または5に記載の洗濯機の安全な稼働方法。
【請求項9】
全ての吊棒と洗濯機筐体との接続部分、ならびに/または吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に、いずれも圧力センサを取り付け、任意の1か所の圧力センサが検出した圧力値が、その正常圧力値範囲を超えるか、または任意の2か所もしくは数か所の圧力センサが検出する圧力値が、いずれもその正常圧力値範囲を超えると、制御装置は吊棒が脱落していると判断し、洗濯機の駆動モータが動作を停止するように制御することを特徴とする、請求項1または5に記載の洗濯機の安全な稼働方法。
【請求項10】
制御装置は吊棒が脱落していると判断すると、警報器によりユーザに示すことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の洗濯機の安全な稼働方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検出装置および検出方法に関し、特に洗濯機の吊棒脱落検出装置および検出方法であり、洗濯機の検出装置および検出方法の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機の内槽は外槽中に設置され、内槽、外槽は共に筐体内に設置され、外槽は複数の吊棒により筐体内に吊るされる。すなわち各吊棒の一端は筐体と接続し、もう一端は外槽と接続する。しかし、洗濯機が動作するとき、内槽の回転により、内槽、外槽に振動が生じるため、吊棒が筐体または外槽から離脱する可能性がある。しかしユーザが速やかに吊棒の脱落を知ることができない場合、洗濯機は動作し続け、これにより洗濯機はさらに損傷する。
【0003】
このことを考慮して、特に本発明を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的問題は、既存技術の不足を克服することであり、洗濯機の吊棒脱落検出装置および検出方法を提供する。速やかに吊棒の脱落を検出し、洗濯機の動作を停止させ、洗濯機がさらに損傷するのを防止することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的問題を解決するため、本発明が採用する技術案の基本的構想は次の通りである。
洗濯機の吊棒脱落検出装置において、洗濯機の外槽は複数の吊棒により、洗濯機の筐体に接続される。前記吊棒脱落検出装置は制御装置と、少なくとも1つの圧力センサとを含み、前記圧力センサは、少なくとも1つの吊棒と洗濯機筐体との接続部分、ならびに/または吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に設置される。前記圧力センサは制御装置と電気的に接続し、制御装置は洗濯機の駆動モータと電気的に接続する。
【0006】
さらに、洗濯機の各吊棒と洗濯機筐体との接続部分、ならびに/または各吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に、いずれも圧力センサを取り付ける。
【0007】
または、洗濯機の筐体内は、外槽の円周に均等に分布する4本の吊棒により、外槽が筐体中に吊るされる。このうちの1本の吊棒と洗濯機筐体との接続部分、ならびに/またはこの吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に、圧力センサを取り付ける。
【0008】
さらに、洗濯機は、制御装置と電気的に接続する警報器をさらに含む。
【0009】
本発明の洗濯機の安全な稼働方法において、洗濯機の動作過程で、少なくとも1本の吊棒と洗濯機筐体との接続部分、ならびに/または吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に、圧力センサを取り付けて圧力を検出し、検出結果を制御装置にフィードバックすることにより、制御装置がフィードバック情報に基づき、吊棒が脱落しているかどうかを判断し、さらには洗濯機の駆動モータに対する動作状態の変更を制御する。
【0010】
制御装置は、圧力センサが受信した圧力値がその正常圧力値範囲を超えているかどうかを分析することにより、吊棒が脱落しているかどうかを判断する。
【0011】

洗濯、すすぎ過程で、モータが動作しようとするたびに、動作前に圧力を一度検出して、検出値をMとする。モータの動作過程で、連続して数回圧力値を検出し、検出した値をMと比較する。検出値が設定範囲内にある場合、吊棒が正常であると判断する。検出値が設定範囲を超える場合、吊棒が脱落していると判断し、制御装置は洗濯機の駆動モータが動作を停止するように制御する。
【0012】
脱水過程で、まず一度圧力を検出して、検出値をNとする。設定時間後、さらに一度検出して、検出値をN1とする。連続した2回の検出値を比較し、比率が設定範囲内にある場合、吊棒が正常であると判断する。比率が設定範囲を超える場合、吊棒が脱落していると判断し、制御装置は洗濯機の駆動モータが動作を停止するように制御する。設定時間を検出周期とし、前回の検出値および今回の検出値を比較する。該比較値が設定範囲内にあるかどうかを対比することにより、吊棒が脱落しているかどうかを判断する。
【0013】
1本の吊棒と洗濯機筐体との接続部分、ならびに/またはこの吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に、それぞれ圧力センサを取り付ける。任意の1か所またはすべての圧力センサが検出する圧力値が、いずれもその正常圧力値範囲を超えると、制御装置は吊棒が脱落していると判断し、洗濯機の駆動モータが動作を停止するように制御する。
【0014】
全ての吊棒と洗濯機筐体との接続部分、ならびに/または吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に、いずれも圧力センサを取り付ける。任意の1か所の圧力センサが検出する圧力値が、その正常圧力値範囲を超えるか、または任意の2か所もしくは数か所の圧力センサが検出する圧力値が、いずれもその正常圧力値範囲を超えると、制御装置は吊棒が脱落していると判断し、洗濯機の駆動モータが動作を停止するように制御する。
【0015】
制御装置は吊棒が脱落していると判断すると、警報器によりユーザに示す。
【発明の効果】
【0016】
上記技術案を採用すると、本発明は既存技術と比較して、以下の有益な効果を有する。
【0017】
本発明の洗濯機の吊棒脱落検出装置は、圧力センサおよび制御装置を含む。少なくとも複数の吊棒のうちの1本と洗濯機筐体との接続部分、この吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分のうちの少なくとも1か所に、圧力センサを取り付ける。圧力センサは制御装置と電気的に接続し、圧力センサは相応する圧力を検出する。制御装置は検出結果に基づき、吊棒が脱落しているかどうかを判断し、洗濯機の駆動モータに対する動作状態の変更を制御する。
【0018】
本発明の洗濯機の安全な稼働方法は、洗濯機の動作過程で、少なくとも1本の吊棒と洗濯機筐体との接続部分、ならびに/またはこの吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に、圧力センサを取り付けて圧力を検出し、検出結果を制御装置にフィードバックすることにより、制御装置はフィードバック情報に基づき、吊棒が脱落しているかどうかを判断し、さらには動作を停止させる信号を洗濯機の駆動モータに送信するかどうかを決定する。洗濯機内の吊棒の脱落を効果的に検出し、吊棒が脱落したとき、速やかに機械を停止して警報を発することができる。
【0019】
以下に、図を組み合わせて、本発明の具体的な実施方式について、さらに詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の洗濯機の吊棒脱落検出装置における洗濯機中の取付概要図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0021】
実施例1
本発明の洗濯機の吊棒脱落検出装置は、圧力センサおよび制御装置を含む。少なくとも複数の吊棒のうちの1本と洗濯機筐体との接続部分、この吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分のうちの少なくとも1か所に、圧力センサを取り付ける。前記圧力センサは制御装置と電気的に接続し、制御装置は洗濯機の駆動モータと電気的に接続する。
【0022】
その他の実施例において、洗濯機の各吊棒と洗濯機筐体との接続部分、ならびに/または各吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に、いずれも圧力センサを取り付ける。前記圧力センサは制御装置と電気的に接続し、制御装置は洗濯機の駆動装置と電気的に接続する。
【0023】
図1に示すように、本実施例において、洗濯機筐体1内は、外槽の円周に均等に分布する4本の吊棒2により、外槽3が筐体1中に吊るされる。このうちの1本の吊棒と洗濯機筐体との接続部分に圧力センサ6を取り付け、この吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に圧力センサ5を取り付ける。前記圧力センサ5、6はいずれも制御装置と電気的に接続し、制御装置は洗濯機の駆動モータと電気的に接続する。圧力センサ5、6が相応の圧力を検出して、検出結果を制御装置にフィードバックし、制御装置は、検出結果に基づき、吊棒が脱落しているかどうかを判断し、洗濯機の駆動モータの動作および停止を制御する。
【0024】
洗濯、すすぎ過程で、モータが動作しようとするたびに、動作前に圧力を一度検出して、検出値をMとする。モータの運動過程で、連続して数回圧力値を検出し、検出した値をMと比較する。検出値が(0.9M〜1.1M)の範囲内にあるとき、吊棒が正常であると判断する。検出値が(0.9M〜1.1M)の範囲を超える場合、吊棒が脱落していると判断し、制御装置は洗濯機の駆動モータが動作を停止するように制御する。前記検出周波数は、100Hz〜1000Hzである。上記(0.9M〜1.1M)の範囲は固定ではなく、洗濯方式が異なれば設定値も異なる。
【0025】
脱水過程で、設定時間を検出周期とし、前回の検出値および今回の検出値を比較する。該比較値が設定値範囲内にあるかどうかを対比することにより、吊棒が脱落しているかどうかを判断する。具体的に、一度圧力を検出して、検出値をNとし、設定時間、例えば1〜5秒後、さらに一度検出して、検出値N1とする。連続した2回の検出値N1/Nを比較し、比率αが設定範囲0.9〜1内にあるとき、吊棒が正常であると判断する。比率が設定範囲を超える場合、吊棒が脱落していると判断し、制御装置は洗濯機の駆動モータが動作を停止するように制御する。上記(0.9〜1)範囲は固定ではなく、衣類および脱水の回転速度が異なれば、対する設定値も異なる。
【0026】
説明を便利にするため、1本の吊棒と洗濯機筐体との接続部分、この吊棒と洗濯機外槽との接続部分、この吊棒に対応する洗濯機筐体の足部分のうちの少なくとも1か所に、圧力センサを取り付ける場合、該吊棒が圧力センサを取り付けた吊棒であると説明し、この反対は、圧力センサを取り付けていない吊棒であると説明する。
【0027】
洗濯機が正常に動作するとき、外槽3中に内槽が設けられ、内槽中のパルセータ4が駆動モータの駆動下で回転し、外槽3および内槽に振動が生じる。したがって、上記圧力センサの圧力値は正常範囲内にあるが、一旦ある吊棒が脱落すると、任意の1つの圧力センサが受信する圧力は変化し、圧力値は正常範囲内にない。該圧力値の正常範囲とは、吊棒が洗濯機筐体および洗濯機外槽の吊棒受のいずれとも接続するとき、圧力センサが検出する圧力値の正常範囲を指す。圧力センサは検出結果を制御装置に伝達し、制御装置はフィードバック情報に基づき、吊棒が脱落していると判断し、洗濯機の駆動モータに信号を発して、動作を停止させる。
【0028】
圧力センサが受信する圧力の変化により、吊棒が脱落しているかどうかを判断することは、主に以下の状況に基づいて実現する。
任意の1本の吊棒が脱落すると、外槽および内槽は1本の吊棒が不足した状態で吊られ、不平衡の状態にあり、その他の3本の吊棒が受ける圧力は増大する。
【0029】
1、脱落した吊棒が圧力センサを取り付けていない吊棒である場合、別の吊棒の上端と洗濯機筐体との接続部分に取り付けた圧力センサ6が検出する圧力は増大する。同様に、別の吊棒の下端と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に取り付けた圧力センサ5が検出する圧力も増大する。
【0030】
上記圧力センサのうち任意の1つが受信する圧力が、その正常圧力値範囲を超えると、吊棒が脱落していると見なすことができる。その他の実施例において、判断をより正確にするため、2つの圧力センサが受信する圧力が、いずれもその正常圧力値範囲を超えるとき、吊棒が脱落していると判断することを採用することができる。
【0031】
2、脱落した吊棒が圧力センサを取り付けた吊棒である場合、該吊棒の上端と洗濯機筐体との接続部分に取り付けた圧力センサ6が検出する圧力は、0近くまで小さくなる。同様に、吊棒の下端と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に取り付けた圧力センサ5が検出する圧力も0近くまで小さくなる。
【0032】
上記圧力センサ中の任意の1つが受信する圧力が、その正常圧力値範囲を超えると、吊棒が脱落していると見なすことができる。その他の実施例において、判断をより正確にするため、2つの圧力センサが受信する圧力が、いずれもその正常圧力値範囲を超えるとき、吊棒が脱落していると判断することを採用することができる。本実施例は、同一の吊棒の上下端に、それぞれ圧力センサを取り付けるが、吊棒の上端と洗濯機筐体との接続部分、または吊棒の下端と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に、1つのみ圧力センサを取り付けることもできる。
【0033】
さらに、洗濯機の吊棒脱落検出装置は、制御装置と電気的に接続する警報器をさらに含む。制御装置は吊棒が脱落していると判断すると、警報器によりユーザに示すことができる。
【0034】
実施例2
本発明の洗濯機の安全な稼働方法は、洗濯機の動作過程で、吊棒と洗濯機筐体との接続部分、この吊棒と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分の任意の1か所に、圧力センサを取り付けて圧力を検出し、検出結果を制御装置にフィードバックすることにより、制御装置がフィードバック情報に基づき、吊棒が脱落しているかどうかを判断し、さらには洗濯機の駆動モータに対する動作状態の変更を制御する。
【0035】
洗濯、すすぎ過程で、モータが動作しようとするたびに、動作前に圧力を一度検出して、検出値Mとする。モータの運動過程で、連続して数回圧力値を検出し、検出した値をMと比較する。検出値が(0.9M〜1.1M)の範囲内にあるとき、吊棒が正常であると判断する。検出値が(0.9M〜1.1M)の範囲を超える場合、吊棒が脱落していると判断し、制御装置は洗濯機の駆動モータが動作を停止するように制御する。前記検出周波数は、100Hz〜1000Hzである。上記(0.9M〜1.1M)の範囲は固定ではなく、洗濯方式が異なれば設定値も異なる。
【0036】
脱水過程で、設定時間を検出周期とし、前回の検出値および今回の検出値を比較する。該比較値が設定範囲内にあるかどうかを対比することにより、吊棒が脱落しているかどうかを判断する。具体的に、一度圧力を検出して、検出値をNとし、設定時間、例えば1〜5秒後、さらに一度検出して、検出値をN1とする。連続した2回の検出値N1/Nを比較し、比率αが設定範囲0.9〜1内にあるとき、吊棒が正常であると判断する。比率が設定範囲を超える場合、吊棒が脱落していると判断し、制御装置は洗濯機の駆動モータが動作を停止するように制御する。上記(0.9〜1)の範囲は固定ではなく、衣類および脱水の回転速度が異なれば、対応する設定値も異なる。
【0037】
外槽は、複数の吊棒で筐体内に吊るされるため、一般に、4本の吊棒は外槽の円周に均等に分布し、外槽を筐体中に吊るす。このうちの吊棒の上端と洗濯機筐体との接続部分に、圧力センサを取り付ける。吊棒は接続部分に対して、圧力センサに作用する圧力を有する。
【0038】
吊棒の下端を外槽と接続し、吊棒の該端部と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に圧力センサを取り付ける。吊棒は接続部分に対して、圧力センサに作用する圧力を有する。
【0039】
洗濯機が正常に動作するとき、外槽および内槽に振動が生じる。したがって、上記3つの圧力センサの圧力値は1つの正常範囲内にあるが、一旦ある吊棒が脱落すると、任意の1つの圧力センサが受信する圧力は変化し、この圧力値は正常範囲内にない。圧力センサは検出結果を制御装置に伝達し、制御装置はフィードバック情報に基づき、吊棒が脱落していると判断し、洗濯機の駆動モータに信号を送信して、動作を停止させる。
【0040】
圧力センサが受信する圧力の変化により、吊棒が脱落しているかどうかを判断することは、主に以下の状況に基づいて実現する。
任意の1本の吊棒が脱落すると、外槽および内槽は1本の吊棒が不足した状態で吊られ、不平衡の状態にある。その他の3本の吊棒が受ける圧力が増大し、この圧力値は正常範囲内にない。
【0041】
1、脱落した吊棒が圧力センサを取り付けていない吊棒である場合、その他の吊棒の上端と洗濯機筐体との接続部分に取り付けた圧力センサが検出する圧力は増大する。同様に、その他の吊棒の下端と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に取り付けた圧力センサが検出する圧力も増大する。
【0042】
上記圧力センサの任意の1つが受信する圧力が、その正常圧力値範囲を超えると、吊棒が脱落していると見なすことができる。その他の実施例において、判断をより正確にするため、2つの圧力センサが受信した圧力が、いずれもその正常圧力値範囲を超えるとき、吊棒が脱落していると判断することを採用することができる。
【0043】
2、脱落した吊棒が圧力センサを取り付けた吊棒である場合、吊棒の上端と洗濯機筐体との接続部分に取り付けた圧力センサが検出する圧力は、0近くまで小さくなる。同様に、吊棒の下端と洗濯機外槽の吊棒受との接続部分に取り付けた圧力センサが検出する圧力も、0近くまで小さくなる。
【0044】
上記圧力センサの任意の1つが受信した圧力が、その正常圧力値範囲を超えると、吊棒が脱落していると見なすことができる。その他の実施例において、判断をより正確にするため、2つの圧力センサが受信する圧力が、いずれもその正常圧力値範囲を超えるとき、吊棒が脱落していると判断することを採用することができる。
【0045】
その他の実施例において、4本全ての吊棒と、洗濯機筐体との接続部分ならびに/または洗濯機外槽の吊棒受との接続部分で、圧力センサはいずれも制御装置と電気的に接続し、これにより検出結果をより正確にすることもできる。同様に、精確に判断する需要に基づき、任意の1か所の圧力センサが検出する圧力値が、その正常圧力値範囲を超えるか、または任意の2か所もしくは数か所の圧力センサが検出する圧力値が、いずれもその正常圧力値範囲を超えると、制御装置は吊棒が脱落していると判断し、洗濯機の駆動モータが動作を停止するように制御する。
【0046】
本発明の洗濯機の安全な稼働方法は、洗濯機内の吊棒の脱落を効果的に検出し、吊棒が脱落しているとき、洗濯機の駆動モータを速やかに停止して、警報を発することができる。
【0047】
上記実施例中の実施案はさらに組み合わせるか、または置換することができ、また実施例は本発明の好ましい実施例を記載したに過ぎず、本発明の構想および範囲を限定しない。本発明の設計の発想を逸脱しない前提の下、当業者が本発明の技術案に対して行う各種変更および改良は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0048】
1 筐体
2 吊棒
3 外槽
4 パルセータ
5 圧力センサ
6 圧力センサ
図1