【実施例】
【0052】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」及び「部」はそれぞれ「質量%」及び「質量部」を意味する。
【0053】
〔実施例1〕
(i)担体の製造
図1及び
図2に示す火炎法合成装置を用いた。この装置は、特許文献2(US2012/0295184A1)の
図2及び
図3に記載されているものと同様のものである。添加元素としてニオブを用いた。原料を火炎中に移送するためのキャリア酸素、火炎形成のための酸素及びプロパンガスを9L/min、5L/min及び1L/minの流量で、それぞれ
図2に示すキャリア酸素導入部36及びスプレーノズルのガス導入部31及び32から導入し、ガス混合機33にて混合した。混合ガスはステンレス管34へ導入され、バーナー40にて化学炎を生成させた。
【0054】
オクチル酸スズ及びオクチル酸ニオブをスズ及びニオブのモル比で0.99:0.01の割合でターペンオイルに溶解させて溶液を調製し、この溶液を前記火炎法合成装置の溶液導入部35へ1分間に1〜10gの量で導入するとともに、キャリアガス導入部36に入れられた酸素ガスによって、混合機37及びステンレス管38を通過させた。溶液中でのオクチル酸スズ及びオクチル酸ニオブの濃度は、スズ及びニオブに換算してそれぞれ13.6%及び0.11%であった。
【0055】
この溶液をフルイドノズル、エアノズル、リテーナーキャップ39を介してミストにして、バーナー40によって化学炎中に導入した。化学炎の温度はプロパンガスとターペンオイルの燃焼熱によって約1400℃に上昇し、その化学炎中にてニオブ含有酸化スズからなる担体が得られた。
図2において生成した粉末は回収フィルター27にて回収された。
前記火炎法では粉体合成時の環境がしばしば非平衡状態と成り得るため、得られた粉体が経時変化する可能性がある。そこで、平衡状態下での熱処理による安定化を目的として上記の手順で得られた担体を、ロータリーキルン(アルファ技研社製)を用いて熱処理した。
ニオブ含有酸化スズ5gを直径5cmのタンマン管に挿入し、炉心管を6rpmの回転速度で回転させた。解放空気環境下にて、5℃/分で昇温し、800℃で4時間保持した。その後5℃/分で室温付近まで降温した後に粉体を回収した。この担体を透過型電子顕微鏡で観察したところ、5個以上の粒子が数珠状に連なった鎖状構造部位を有していることが確認された。粒子の平均粒径は20nmであった。
【0056】
(ii)貴金属を含む触媒の担持
5mlのH
2PtCl
6溶液(Pt1gに相当)を蒸留水295mLに溶解させ、15.3gのNaHSO
3により還元後、1400mLの蒸留水で希釈した。NaOH5%水溶液を加えて、pHを約5に調整を行いながら35%過酸化水素(120mL)を滴下し白金のコロイドを含む液を得た。このとき、NaOH5%水溶液を適宜加えて液のpHを約5に維持した。前記の手順で調製して得られたコロイド液は1g分の白金を含んでいる。ここで、4gの担体に担持したときの白金の理論濃度が5質量%となるように(溶液中に含まれる白金量が0.21gとなるよう)コロイド溶液を分取した。その後4gの担体を添加し、90℃で3時間混合した。その後、液を冷却し、更に固液分離した。固液分離により得られた含水した粉体中から塩化物イオンを除去するために、1500mLの蒸留水で再び希釈し90℃で1時間煮沸を行い、液を冷却し固液分離した。この洗浄作業を4回実施した。最後に、固液分離後、大気下にて60℃で12時間にわたり乾燥させた。これによって、担体の表面に不定比の貴金属酸化物を含む白金を担持させた。次いで、この担体を窒素で希釈した1vol%水素雰囲気下に150℃で2時間にわたり熱処理した。これによって白金の還元及び白金とスズとの合金化を行った。このようにして、目的とする電極触媒を得た。この電極触媒における白金の担持量は3.9%であった。また、白金とスズとの合金化は、X線光電子分光(XPS)によって確認した。XPS測定はアルバックファイ社製5800シリーズを用い、X線源はAlのKαの単色光(hν=1486.58eV)、エネルギーステップ0.025eV、試料と検出器の角度は45°、試料の分析領域は直径0.8mmの円で実施した。検出器の校正はAg3d
5/2(368.26eV)、Pt4f
7/2(71.12eV)、Fermi Edge(0eV)の3点を用いて実施した。試料は0.15gの粉末を150MPaの圧力で1.5分圧縮することで得られたペレットを用いた。その結果を
図4に示す。同図から明らかなとおり、485.3eV付近にSnの3d
5/2のピークを確認し、合金が形成されていることを確認した。
一方、XRDはリガク社製Ultima4を用い、X線源としてCu Kα(0.15406nm、40kV、40mA)を用いた。XRDによって確認した結果を
図5に示す。同図から明らかなとおり、PtSn合金は確認されずPt単味のピークよりもわずかにシフトしたピークが確認され、その結晶系は立方晶であった。
白金のうち、スズと合金化している割合は1.8%であった。これはXPSにおける全Sn3d
5/2スペクトルピーク面積における485.3eVに頂点を有するピーク面積の割合である。以下、全Sn3d
5/2スペクトルピーク面積に対して、先に述べた486.0eV未満484.9eV以上の範囲に頂点を有するピークの面積が占める割合を、合金化割合1とする。
一方、合金化は担体上に白金が存在する部分でしか形成しないと考えられるため、白金による担体の面積被覆率を考慮して、白金と担体の接触面積あたりにおける合金の面積比率に換算した。以下これを以下合金化割合2とする。その結果、前記割合は22.3%であった。電極触媒担体のBET比表面積は25m
2/gであった。
接触面積は以下のようにして算出した。ICPにより分析した白金担持率から担体1gあたりに存在する白金量(g)を算出し、白金の密度を用い体積に換算した。その後、白金の粒径を用いて担体1gあたりに存在する白金粒子数を真球換算で算出した。白金と担体の接触面積は白金粒子数×2×白金粒子の半球断面積とした(後述する
図3参照)。白金粒子径は透過電子顕微鏡(TEM)で約100個の白金粒子を観察することで算出した。観察の結果、担持した白金及びその合金と思われる粒子は担体に対して半球状に接合していることが多かったため×2の因子を採用した(後述する
図3参照)。
【0057】
〔実施例2及び3並びに比較例1〕
実施例1の(ii)において、4gの担体に担持したときの白金の理論濃度が所望の濃度(10%(実施例2)、20%(実施例3)、0.5%(比較例1))となるようにコロイド液量を調整した以外は実施例1と同様にして電極触媒を得た。実施例2及び3並びに比較例1における電極触媒における白金の担持量、白金のうち、スズと合金化している割合(合金化割合1、2)をそれぞれ表1に示す。
図3に、実施例2で得られた電極触媒のTEM像を示す。同図から明らかなとおり、貴金属を含む触媒は、その多くが、担体に対して半球状に付着している。
【0058】
〔実施例4及び5〕
実施例3の(ii)において、白金の活性化及び白金とスズとの合金化を行うときの熱処理の温度を250℃(実施例4)及び300℃(実施例5)とした以外は実施例3と同様にして電極触媒を得た。
実施例4においては、電極触媒における白金の担持量は13.3質量%であった。XPS測定の結果を
図6に示す。同図から明らかなとおり、485.9eV付近にSnの3d
5/2のピークを確認し、合金が形成されていることを確認した。一方、XRD測定の結果を
図5に示す。同図から明らかなとおり、PtSn合金は確認されずPt単味のピークよりもわずかにシフトしたピークが確認され、XRDによって確認した合金の結晶系は立方晶であった。白金のうち、スズと合金化している合金化割合1は7.6%であった。合金化割合2は39.0%であった。電極触媒担体のBET比表面積は25m
2/gであった。
実施例5においては、電極触媒における白金の担持量は13.3質量%であった。XPS測定の結果を
図6に示す。同図から明らかなとおり、485.7eV付近にSnの3d
5/2のピークを確認し、合金が形成されていることを確認した。一方XRD測定の結果を
図5に示す。同図から明らかなとおり、合金はPtSnでありその結晶系は六方晶であった。白金のうち、スズと合金化している合金化割合1は4.4%であった。合金化割合2は31.0%であった。電極触媒担体のBET比表面積は25m
2/gであった。
【0059】
〔実施例6〕
実施例1の(i)において、担体におけるニオブの含有率を4%とした以外は実施例1と同様にして電極触媒を得た。この担体の透過型電子顕微鏡像を
図7に示す。同図から明らかなとおり、この担体は、複数個の粒子が数珠状に連なった鎖状構造部位を有している。
【0060】
〔実施例7〕
実施例4において、白金の活性化及び白金とスズとの合金化を行うときの熱処理を、濃度100%の水素雰囲気下に、2時間にわたり行った。これ以外は実施例4と同様にして電極触媒を得た。得られた電極触媒について実施例4と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0061】
〔比較例2〕
本比較例は、ニオブ含有していない担体を用いた例である。実施例1の(i)において、担体の製造時にオクチル酸ニオブを用いなかった。これ以外は実施例1と同様にして電極触媒を得た。
【0062】
〔比較例3〕
本比較例は、担体に白金を担持させなかった例である。実施例6において、(ii)の工程を行わなかった。これ以外は実施例6と同様にした。
【0063】
〔比較例4〕
本比較例は、粒子が数珠状に連なった鎖状構造部位を有さない担体を用いた例である。スズ酸ナトリウム三水和物を88.493g秤取し、これに純水を加えて1064gとした後撹拌・溶解してスズ酸ナトリウム溶液を得た。塩化ニオブ(NbCl
5)を3.6322g秤取し、無水エタノール83mlに溶解し、これに12g/Lの硝酸溶液902gを加えて塩化ニオブ硝酸溶液を得た。この塩化ニオブ硝酸溶液をスズ酸ナトリウム溶液に加えた後1時間撹拌した。濾過中の上澄み液の電気伝導度が45mS/cm以下になるまで濾過・純水洗浄した。得られたケーキを120℃で一晩乾燥し、乳鉢により解砕した。解砕物を大気中800℃で5時間焼成後、25gの焼成粉を100gの純水と混合してスラリーとなし、このスラリーをボールミルで16時間粉砕した。その後スラリーを濾過し、濾過ケーキを大気下に120℃で乾燥し、乾燥物を100μmで篩通した。このようにして得られた粒子を担体として用いた。これ以外は実施例6と同様にして電極触媒を得た。この担体の透過型電子顕微鏡像を
図8に示す。同図から明らかなとおり、この担体は、複数個の粒子が数珠状に連なった鎖状構造部位を有していない。
【0064】
〔比較例5〕
本比較例では、比較例4において担体に白金を担持させなかった。これ以外は比較例4と同様にした。
【0065】
〔比較例6〕
本比較例は、Nb1mol%の系において担体に白金を担持させなかった例である。詳細には、実施例1において、(ii)の工程を行わなかった。これ以外は実施例1と同様にして電極触媒を得た。
【0066】
〔比較例7〕
本比較例は、実施例4において貴金属の還元を行わなかった例である。詳細には、実施例4において(ii−c)の工程を行わなかった。これ以外は実施例4と同様にして電極触媒を得た。
【0067】
〔評価1〕
実施例及び比較例で得られた電極触媒の導電率の測定を行った。具体的には
図9に示す手法を用い1MPaの圧力下の導電率を二端子法にて測定した。抵抗測定には鶴賀電気株式会社の抵抗計3565を用いた。1MPaの圧力は固体高分子形燃料電池の電極触媒層に通常印加される圧力を模したものである。電極の役目を果たすアルミニウム箔(2.5cm×12cm及び3cm×17cm)を試料上下に設置した状態で加圧し、導電率を測定した。二端子法において通常含まれる接触抵抗は下記の方法で除去した。0.5g、1.5g、2.0gのように充填量を変えることで一定圧力下での「試料厚み」を調整し、x軸に試料厚み、y軸に抵抗をとったグラフにおいて、試料厚みが0となるy切片を二端子法における接触抵抗として算出し、測定値から差し引き試料の抵抗を算出した。圧粉体の寸法から抵抗率を算出し、その逆数をとることで導電率を算出した。測定結果を以下の表1に示す。また、白金を担持させる前の担体についても同様の測定を行い、白金の担持の前後での導電率の変化(担持後の導電率/担持前の導電率)を求めた。その結果も表1に示す。
【0068】
更に、実施例及び比較例で得られた電極触媒のXRD、XPSによる合金の評価を行った。これらの結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
表1に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られた電極触媒は、比較例の電極触媒に比べて導電率が高いことが判る。また、白金の担持の前後での導電率の変化が非常に大きいことも判る。
【0071】
特に、比較例6(白金担持なし)及び比較例7(実施例4と同量の白金担持あり・還元合金化なし)と比べて、XPSにて合金を確認した実施例1ないし4の導電率が大きく向上していることが判る。これは、合金化による導電率の向上効果を示している。
また、比較例4と5における白金担持・還元後の導電率の向上率と、比較例3と実施例6における白金担持・還元後の導電率の向上率を比べると、後者の方が約10倍大きいことが判る。本結果は粒子が数珠状に連なった鎖状構造部位を有している担体(
図7参照)が、そのような部位を有していない担体(
図8参照)に比べ、白金担持・還元による導電率向上効果が優れていることを示している。
【0072】
更に実施例4及び5から、合金の結晶系は立方晶及び六方晶のどちらでも導電率の向上効果があるが、六方晶の方が一層導電率の向上率が高いことが判る。
【0073】
更に比較例2と、実施例1及び実施例6との比較から、ニオブ含有率が多いほど還元後の導電率の向上率がよいことが判る。特に、比較例2では白金担持・還元後の導電率の向上が約2倍となっており、実施例1及び実施例6に比べてはるかに小さいことが判る。このことは、ドーパントであるNbの存在が極めて重要であり、ドーパントの存在によって担体の導電率がある程度まで向上していることが重要であることを示していると考えられる。Pt担持や還元を行わない場合において、酸化スズにニオブをドープした系では、ドーパントによる導電率向上効果はニオブ濃度が約0.1mol%程度から観察されるので、本実施例での最低ニオブ濃度は1mol%であるが、約0.1mol%程度から導電率の向上効果が発現するものと推測される。
また、ニオブをその濃度が8mol%程度になるまでドープしても、Pt担持や還元とは関係のない担体の導電率は、ニオブ濃度4mol%と比べて大きくは変化しないことを、本発明者らは確認している。また、パーコレーション理論の観点から、ニオブ濃度が8mol%を超えても40mol%程度までは、Pt担持や還元とは関係のない担体の導電率は同様に高い値を維持するものと推測される。よって、少なくともニオブ濃度が約40mol%程度までは導電率の向上効果があるものと推測される。
【0074】
〔評価2〕
実施例3及び5で得られた電極触媒について、回転ディスク電極を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV:Cyclic Voltammetry)及び対流ボルタンメトリー(LSV:Linear Sweep Voltammetry)を行った。具体的には、以下の「電極作製」、「CV測定」及び「ORR活性評価」の順で操作を行った。
【0075】
電極作製
直径5mmのグラッシーカーボン(GC)ディスク電極を1μm、0.3μm、及び0.05μmのアルミナペーストを用いて順次研磨し、その後純水を用いて超音波洗浄を行った。白金を担持し、(ii−c)に記載した還元熱処理を施した試料を90vol.%エタノール水溶液に加え、超音波ホモジナイザーにて分散させた。これをGCディスク上へ滴下し、常温で12h以上乾燥させた。乾燥後、GCディスク上の触媒に5%Nafion(登録商標)溶液を膜厚が50nmになるように滴下し、常温で12h以上乾燥させた。
【0076】
CV測定
測定は北斗電工(株)製の電気化学測定システムHZ−5000を用いて実施した。0.1MHClO
4水溶液にN
2を1時間以上パージした後、参照極に可逆水素電極(RHE)を用い、電位範囲0.05〜1.15V、掃引速度0.5V/sで60回クリーニングを実施した。その後、新しい電解液に入れ替えてCV測定を電位範囲0.05〜1.0Vで実施し本測定とした。電気化学的活性表面積(ECSA:Electrochemical Surface Area)の解析は0.4V以下に見られる水素の吸着波を用いて実施した。
【0077】
ORR活性評価 前記電解液に酸素ガスを1時間以上パージした後、LSVを行った。温度25℃、電位範囲0.25〜1.00V、掃引速度5mV/sで回転数は1000rpmから2750rpmまで250rpmずつ上げながら、計8条件のデータを取得した。得られた結果をKoutecky-Levichプロットを用いて解析し、0.85Vにおける活性支配電流密度j
k(mA/cm
2)及び質量比活性(A/g
−Pt)の値を得た。これらの結果を以下の表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
表2に示す結果から明らかなとおり、実施例5の活性支配電流密度j
k(mA/cm
2)及び質量比活性(A/g
−Pt)は、実施例3と同等であった。合金化の進行によって電極触媒の導電性が向上することは上述のとおりであるところ、酸素還元活性も低下することなく確保されていることが確認された。
【0080】
〔実施例8〕
(i)担体の製造
本実施例では、酸化スズに、添加元素としてタンタルが含有された担体を製造した。実施例1での担体の製造工程において、オクチル酸スズに代えてジブチルスズビスアセチルアセトナート(日本化学産業(株)製の「ナーセムスズ」(商品名))を用い、かつオクチル酸ニオブに代えてオクチル酸タンタルを用いた。ジブチルスズビスアセチルアセトナート及びオクチル酸タンタルは、スズとタンタルのモル比が0.975:0.025となるように配合し、ターペンオイルに溶解させて溶液を調製した。溶液中でのジブチルスズビスアセチルアセトナート及びオクチル酸タンタルの濃度は、スズ及びタンタルに換算してそれぞれ13.6%及び0.53%であった。これ以外は実施例1と同様にして担体を得た。この担体を透過型電子顕微鏡で観察したところ、5個以上の粒子が数珠状に連なった鎖状構造部位を有していることが確認された。粒子の平均粒径は20nmであった。
【0081】
(ii)貴金属を含む触媒の担持
実施例1の(ii)において、4gの担体に担持したときの白金の理論濃度が3.6%となるようにコロイド液量を調整した以外は実施例1と同様にして電極触媒を得た。得られた電極触媒について実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0082】
〔実施例9及び10〕
実施例8の(ii)において、4gの担体に担持したときの白金の理論濃度が所望の濃度(10%(実施例9)、20%(実施例10))となるようにコロイド液量を調整した以外は実施例1と同様にして電極触媒を得た。得られた電極触媒について実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0083】
〔比較例8〕
本比較例は、実施例8において、タンタル含有の酸化スズからなる担体に白金を担持させなかった例である。すなわち実施例8において、(ii)の工程を行わなかった。これ以外は実施例8と同様にした。
【0084】
【表3】
【0085】
表3に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られた電極触媒は、白金の担持の前後での導電率の変化が非常に大きいことが判る。