特許第6471980号(P6471980)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6471980
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】オートクレーブ
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/07 20060101AFI20190207BHJP
【FI】
   A61L2/07
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-562480(P2015-562480)
(86)(22)【出願日】2014年3月11日
(65)【公表番号】特表2016-510617(P2016-510617A)
(43)【公表日】2016年4月11日
(86)【国際出願番号】IB2014059624
(87)【国際公開番号】WO2014141062
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2017年2月24日
(31)【優先権主張番号】MI2013A000373
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】000150327
【氏名又は名称】株式会社ナカニシ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】オンガロ,ダニエレ ジョヴァンニ
(72)【発明者】
【氏名】ギラルディ,マリア ピア
【審査官】 小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第1996/000534(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第00742016(EP,A2)
【文献】 特表2000−513428(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/011388(WO,A1)
【文献】 特開2005−325156(JP,A)
【文献】 特表2014−533984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00− 2/28
A61L 11/00− 12/14
CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌チャンバ(20)と、
前記滅菌チャンバ(20)に対して滅菌流体(1a)を気化するのに適した蒸気発生器(40)と、を含むオートクレーブ(1)であって、
前記蒸気発生器(40)は、前記滅菌流体(1a)と接触するのに適し、かつ、前記滅菌流体(1a)用の気化ダクト(41a)を含む少なくとも1つの熱導体(41)と、流体貫通接続において、前記気化ダクト(41a)および前記滅菌チャンバ(20)を接続するのに適した連結具(43)と、前記気化ダクト(41a)において前記滅菌流体(1a)を少なくとも部分的に気化することによって前記熱導体(41)を加熱するように、前記少なくとも1つの熱導体(41)において少なくとも部分的に収容される少なくとも1つの加熱器(42)とを含み、前記少なくとも1つの熱導体(41)は前記滅菌チャンバ(20)に収容されることを特徴とする、オートクレーブ(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの加熱器(42)は、前記少なくとも1つの熱導体(41)に実質的に完全に収容される、請求項1に記載のオートクレーブ(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの加熱器(42)は前記気化ダクト(41a)に収容される、請求項1または2に記載のオートクレーブ(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの熱導体(41)は前記滅菌チャンバ(20)の底部に対応して位置付けられる、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のオートクレーブ(1)。
【請求項5】
前記蒸気発生器(40)は、前記少なくとも1つの熱導体(41)のうちの2つを含む、請求項4に記載のオートクレーブ(1)。
【請求項6】
前記熱導体(41)は、重力によって凝縮液を受けるのに適した収集路(40a)を画定するように、互いに適切に引き離して置かれる、請求項5に記載のオートクレーブ(1)。
【請求項7】
前記滅菌チャンバ(20)は、気密容積(20b)を画定するのに適しており、前記気密容積(20b)を熱絶縁するのに適した内被(21)を含む、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のオートクレーブ(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの熱導体(41)に収容される少なくとも1つの吸湿容積(66)を含む、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載のオートクレーブ(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの吸湿容積(66)はゼオライトを含む、請求項8に記載のオートクレーブ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文で説明されるようなタイプのオートクレーブに関する。
【0002】
特に、本発明は、蒸気、通常は飽和蒸気を使用して、医療機器、特に、医療歯科機器から微生物(病原体、非病原体、または、胞子および菌類)を排除しやすい特有のデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
既知のように、オートクレーブは、滅菌される医療機器が置かれるチャンバ内を流れる高温および高圧の飽和蒸気によって医療機器(例として、プローブ管、鏡、鉗子、外科用メス)を滅菌する。
【0004】
従って、それらオートクレーブは、内部に滅菌される機器が置かれる滅菌チャンバと;滅菌溶液(通常、脱塩水)を気化させ、それを滅菌チャンバ内に放出するのに適した供給装置と;残留物(水蒸気および凝縮液)を滅菌チャンバから除去するための排水装置と;滅菌終了時に機器を乾燥させるのに適した乾燥装置と、を含む。
【0005】
供給装置は、水タンクと、蒸気発生器と、蒸気発生器を当該タンクおよび滅菌チャンバ両方に接続するのに適した複数のダクトと;前記ダクト内の流体の循環を調整するのに適した弁と、を含む。
【0006】
特に、蒸気発生器は通常、滅菌チャンバ外に置かれ、ダクトによって当該滅菌チャンバに接続される。
【0007】
あるいは、蒸気発生器は、蒸気をもたらす時に滅菌流体によって覆われて加熱されることで、前記流体を気化させるようにする、チャンバ内の抵抗器である。さらなる代替策では、蒸気発生器は、加圧容器外に置かれる抵抗器群である。
【0008】
上述した先行技術はいくつかの重大な欠点を有する。
【0009】
第1の重大な欠点は、従来のオートクレーブはとりわけ良好に機能するわけではなく、特に、良質の滅菌を行うわけではない事実によって表される。
【0010】
実際、ダクトおよびチャンバの散熱が原因で、蒸気は、冷却する、特に、凝縮液を形成するため、滅菌プロセスを劣化させる傾向にある。
【0011】
このような欠点の解決を試みるために、いくつかのオートクレーブは、滅菌に必要とされる温度を超えて蒸気を良好に加熱することで冷却状態を相殺する、および/または、チャンバの外側に接続されるさらなる抵抗器を装着することで、形成された凝縮液を再気化する。
【0012】
しかしながら、このような解決策は、チャンバの構造を劣化させやすくする、前記抵抗器地点における局部的な過熱をもたらす。
【0013】
別の欠点は、オートクレーブの高消費である。
【0014】
このような態様は、実際上、滅菌に必要とされる温度をはるかに上回る温度まで蒸気を加熱する必要性、および/または、いずれの凝縮液も気化する、すなわち、滅菌流体の一部を二度気化する必要性によってさらに増加している。
【0015】
滅菌を行うために必要される大量の滅菌流体による1つの重大な欠点が表される。
【0016】
かかる欠点は、滅菌チャンバ内に抵抗器を有するオートクレーブにおいて特に明白である。この滅菌チャンバでは、前記内部抵抗器を、過熱による該抵抗器の損壊を防止するために、滅菌流体に常に浸漬させなければならない。
【0017】
別の欠点は、結果として、オートクレーブが、滅菌チャンバ内で滅菌を行うために必要とされる状態をもたらすことができる速度が遅いことによって、滅菌プロセスの速度が遅いことにより表される。
【0018】
現在使用されるオートクレーブの寸法が大きいというさらなる欠点を確認することができる。
【0019】
特に、このオートクレーブの寸法が大きいという欠点は歯科診療時に特に関係がある。この場合、空間がとりわけ限定されるため、オートクレーブの存在が医者の妨げになっている場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
この状況において、本発明の技術的目的は、実質的に上述した欠点を克服することができるオートクレーブを考案することである。
【0021】
前記技術的目的の範囲内で、本発明の1つの重要な趣旨は、高品質、迅速な滅菌を徹底することができるオートクレーブを提供することである。
【0022】
本発明の別の重要な趣旨は、コンパクトな寸法で、消費を低減させるオートクレーブを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
技術的目的および特定の趣旨は、添付の請求項1において特許請求されるようなオートクレーブによって実現される。
【0024】
好ましい実施形態は、従属請求項において記載される。
【0025】
本発明の特性および利点は、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明からはっきりと明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】オートクレーブの回路図である。
図2】本発明によるオートクレーブの一部を示す図である。
図3図2における一部の代替的な解決策を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
前記図面を参照すると、参照符号1は本発明によるオートクレーブを全体的に示している。
【0028】
該オートクレーブは、実質的に、脱塩水または他の滅菌流体1aの気化を使用して、医療機器、特に、医療歯科機器の滅菌を行うためのシステムで構成される。
【0029】
図1に示されるようなオートクレーブ1は、主に、主伸長軸20a、および、滅菌される医療機器を収容するための水密空間20bを画定するのに適した滅菌チャンバ20と;滅菌流体1aの供給システム30と;供給システム30と滅菌チャンバ20との間に位置付けられ、かつ、滅菌流体1aを気化させるのに適した蒸気発生器40と;排水流体1bをチャンバ20から排出するのに適した排水システム50と、を含む。
【0030】
好ましくは、チャンバ20は、水密空間20bを外部から熱絶縁するのに適した内被21を有する。前記内被21は、前記熱絶縁を構成するのに適したセラミック材料または他の材料から作られる。
【0031】
供給システム30は、滅菌流体1aを蓄積するのに適したフィルタタンク31と;流体1aの移動を制御するのに適した供給ポンプ32と;滅菌流体1aをろ過するのに適した供給フィルタ33と;滅菌流体1aの温度を低下させるのに適した供給冷却器34、適切にはフィン付き熱交換器と;滅菌流体1aが、冷却器34、フィルタ33を順に横断して、その後、蒸気発生器40に到達できるようにするのに適した供給ダクト35と、を含む。
【0032】
供給フィルタ33は、滅菌流体1aに存在する細菌および微生物を排除するように、滅菌流体1aの細菌負荷を低減するのに、好ましくは、滅菌流体1aにおいて溶解される金属を除去することによって伝導性を低減するのに適している。
【0033】
よって、該オートクレーブは、ポリマー材料、例えば、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリスルホン、および、ポリアクリロニトリル、または、無機材料、例えば、菫青石、ホウケイ酸ガラス、および、アルミナから作られる第1のろ過要素と;溶解ミネラルの含有量を低下させることによって、処理される流体の伝導性を低減するのに適した樹脂または他の同様の材料から作られる第2のろ過要素とを含む。
【0034】
特に、第1のろ過手段は、無機材料、より詳細には、膜型、さらにより詳細には、多孔質セラミックベースフィルタから作られたろ過要素を有する。
【0035】
第2のろ過要素は、樹脂、具体的には、イオン交換樹脂のろ過要素を含む。
【0036】
冷却器34は、滅菌流体1aを冷却して、実質的に50℃を下回る温度、好ましくは、実質的に40℃を下回る温度にすることで、フィルタ33の機能性を促進するのに適している。
【0037】
さらには、供給システム30は、供給フィルタ33からフィルタタンク31内に出力する際に流体を伝導させるのに適した再循環ダクト36と;供給フィルタ33から、供給ダクト35を通って発生器40の方へ、または、代替的には、再循環ダクト36を通ってタンク31の方へ出力する際に滅菌流体1aを誘導するのに適した再循環弁37とを含む。
【0038】
適切には、再循環弁37は、規則的な間隔で弁37の開閉を命令するのに、および、より具体的には、滅菌流体1aを蒸気発生器40内に進入させるまたは進入させないよう命令するのに適したタイマーを有する。
【0039】
蒸気発生器40は、接触子を収容するのに、特に、滅菌流体1aを収容するのに適したすくなくとも1つの熱導体41と;少なくとも部分的に流体1aを気化させるために必要とされる熱を前記熱導体41に供給するように、前記熱導体41と接触する少なくとも1つの加熱器42と;熱導体41および滅菌チャンバ20を接続するのに適した連結具43とを含む。
【0040】
熱導体41は有利には、最小重力ポテンシャルの領域にある滅菌チャンバ20内に、具体的には、滅菌チャンバ20の底部の隣に全体的に収容される。
【0041】
特に、熱導体41は、滅菌チャンバ20と熱導体41との間の空間/隙間を画定せずに、チャンバ20において接続される。より詳細には、熱導体41は、滅菌チャンバ20および加熱器42に適切に取り外し可能に接続されることで、先述の加熱器42を移動させずに、すなわち、当該加熱器42を滅菌チャンバ20に残したままで、チャンバ20から熱導体41のみを抜き取ることができるようにする。
【0042】
適切には、図2に示されるように、蒸気発生器40は、互いに鏡面反射する2つの熱導体41を含む。2つの熱導体41は、滅菌チャンバ20の底部に位置付けられ、それらの間で、滅菌チャンバ20に存在する凝縮液を重力によって収集しかつ再気化させるのに適した収集路40aを画定するように適当に引き離して置かれる。
【0043】
熱導体41は、高熱伝導性材料から作られ、それによって、加熱器42は、実際的に一様になるように熱導体41を加熱する。従って、好ましくは、それら熱導体41は、実質的に100W/mKを上回る、特に、実質的に200W/mKを上回る、さらに詳細には、実質的に少なくとも250W/mKに等しい熱伝導性を有する。
【0044】
好ましくは、熱導体41は、アルミニウム、銅、青銅、または、ステンレス鋼から作られる。
【0045】
それら熱導体41は、さらに、流体1aおよび1bの腐食作用を防止するのに適した耐食層によって適切に被覆される。前記耐食層は、導体41が銅製(銅および青銅)である場合は化学ニッケルめっきによって、または、導体41がアルミニウム製である場合は硬質陽極酸化によって作られる。
【0046】
各熱導体41は、滅菌流体1aを供給ダクト35から受け、かつ、前記流体1aを気化するのに適した、少なくとも1つの気化ダクト41aを画定する単体において確認可能である。
【0047】
気化ダクト41aはブラインド型のものであり、それによって、滅菌流体1aは、連結具43を通して該気化ダクト41aからしか出てくることができない。
【0048】
連結具43は、実質的にダクト41aの伸長軸に垂直な伸長軸を有する熱導体41に作られる穴において確認可能である。
【0049】
特に、伸長軸は、実質的に45度を下回る重力勾配に対する傾斜角を画定することで、気化ダクト41aからチャンバ20への自発的な蒸気の流れを促進する。前記角は、実質的に35度より小さく、さらに適切には、実質的に重力勾配に平行である。
【0050】
発生器40は、滅菌チャンバ20に収容されるのに適した、特に、熱導体41に、少なくとも部分的に収容される、さらに詳細には、実質的に全体が収容されるのに適したチャンバ20に適切に配置される1つまたは複数の加熱器42を含む。
【0051】
好ましくは、それぞれが、熱導体41内に収容され、より好ましくは、気化ダクト41aの隣に位置付けられる2つの加熱器42がある。より詳細には、加熱器42および気化ダクト41は、収集路40aにおいて位置付けられ、かつ、実質的に主伸長軸20aに平行な伸長軸を呈する。
【0052】
加熱器42は、電気抵抗器の機能性を制御し、ひいては、熱導体41の温度を実質的に100〜170℃に保つのに適した熱プローブを適切に装着した電気抵抗器において確認可能である。
【0053】
あるいは、加熱器42は、抵抗器、好ましくは熱抵抗器、より好ましくはPTC(正温度係数)熱抵抗器であり、つまり、温度が上昇するとその抵抗を上げ、ひいては、熱プローブなどの補助がない熱導体41の温度を調整するのに適している。
【0054】
排水システム50は、流体1bを滅菌チャンバ20から排出するのに適しており、それ故に、排水流体1bを収集するのに適した排水タンク51と;実質的に供給フィルタ33と類似しており、排水流体1bを浄化するのに適した排水フィルタ52と;排水流体1bがフィルタ52に到達するまでに排水流体1bを冷却するのに適した排水冷却器53、適切にはフィン付き熱交換器と;チャンバ20からの流体1bの排出を制御するのに適した排水弁54と;排水流体1bをチャンバ20から排出し、かつ、冷却器53、出力フィルタ52を順に横断後、排水タンク51に到達するのに適した排水ダクト55と、含む。
【0055】
さらには、排水システム50は、有利には、排水流体1bの部分的な再利用を可能にする、特に、滅菌チャンバ20からの出力時の蒸気を使用するのに適した回収装置60を含むことができる。前記回収装置60は、流体1aと1bとの間の熱交換を定め、かつ、排水流体1bを構成する蒸気と凝縮液とを分離するのに適した畜熱交換器61と;熱交換器61から排水フィルタ52への流体1bの流れを制御するのに適した復水弁62および排出ダクト63と;排水蒸気、または代替的には外部から入ってくる空気の活用を可能にするのに適した再循環システムと、を含む。
【0056】
蓄熱交換器61は、出力フィルタ52と冷却器出口53との間に、かつ、供給フィルタ33と再循環弁37との間に位置付けられ、流体1aと1bとの間で熱交換を行うのに適したプレート冷却器61aと;蒸気および凝縮液が分離する、排水流体1b用の蓄積空間を画定するのに適したアキュームレータ61bとを含む。
【0057】
特に、プレート冷却器61aおよびアキュームレータ61bは、アキュームレータ61bに蓄積された排水流体1bがプレート冷却器61aにおいて循環する滅菌流体1aとの熱交換を定めるように、適切に隣接している。再循環システムは、再循環システムにおいて流体を移動させるのに適した真空ポンプ64と;真空ポンプ64が熱交換器61からの蒸気、または、オートクレーブ1の外部からの空気を戻すことができるようにするのに適した入力弁65と;熱導体41に収容される1つまたは複数の吸湿空間66と;真空ポンプ64から生じた蒸気が排水フィルタ52、または代替的には、吸湿空間66に到達できるようにするのに適した第1の制御弁67と;流体を吸湿空間66から熱交換器61または気化ダクト41aの方へ誘導するのに適した第2の制御弁68と;蒸気または空気を再循環システム内に案内するのに適したさらなるダクト69と、を含む。
【0058】
吸湿容積66は、熱、とりわけ、乾燥熱風を、それらが気化物質を吸収する時に放出し、その後、蒸気を適切に加熱する時に放出するような発熱反応による吸湿性を有する材料で作られる。
【0059】
好ましくは、吸湿容積66はゼオライトを含む。
【0060】
さらに、それら吸湿容積66は、実質的に主伸長軸20aに平行な伸長方向を呈することで、実質的に、気化ダクト41aおよび加熱器42に平行である。
【0061】
さらに、好ましくは、4つの吸湿容積66がある。各熱導体41内にそれらの2つが、気化ダクト41aおよび加熱器42の隣の収集路40aに対して対称的に位置付けられる。
【0062】
入力弁65は、真空ポンプ64と熱交換器61との間に機能的に位置付けられ、ポンプ64が、アキュームレータ61bから生じる蒸気を、または、空気フィルタ65aを通して外部から生じる空気を、システム60において循環させることができるようにする。
【0063】
空気フィルタ65aは、滅菌流体1aの細菌負荷を低減して、空気に存在する細菌および微生物を排除するのに適しており、それ故に、上述した供給フィルタ33の第1のフィルタ要素と実質的に同様である。
【0064】
図3に示されるように、2つの熱導体41に対して提供する上述した解決策に対する代替策として、蒸気発生器40は、少なくとも1つのケーシング41b、好ましくは当該ケーシング41bを1つだけ含む単一の熱導体41を含む。当該単一の熱導体41は、チャンバ20内に、前記滅菌チャンバ20の底部に位置付けられ、チャンバ20に存在する可能性のある凝縮液を気化するように、先述した高熱伝導性材料から作られる。
【0065】
ケーシング41bは、上述した加熱器42および滅菌流体1aを含有し、それによって加熱器42を流体1aに浸漬するのに適した気化ダクト41aを確認する単一の内部空洞を画定する。
【0066】
滅菌流体1aにおける加熱器42の浸漬を促進するために、ケーシング41bは、実質的に主伸長軸20aに平行な伸長、および、実質的に容積20bのものに等しい伸長の好ましい重心方向を有する円形、適切には楕円形断面を有し、さらに、加熱器42は、実質的に前記伸長重心方向に沿って位置付けられる。
【0067】
この場合、連結具43は、適切には滅菌チャンバ20に外付けされたダクトにおいて、および、命令時、気化ダクト41aとチャンバ20との間の接続、ひいては、滅菌チャンバ20における蒸気の進入を通した流体を可能にしやすくする蒸気弁において確認可能である。構造的観念において上述したオートクレーブの機能性は下記になる。
【0068】
最初に、フィルタタンク31は、外部本管供給からの水1aといった滅菌流体1aを充填する。滅菌流体1aは、その後、流体1aに存在する細菌負荷を排除し、かつ、その伝導性を低減するように浄化される。特に、前記浄化中、再循環弁37は、滅菌流体1aの再循環をもたらすフィルタタンク31に供給フィルタ33を接続し、それによって、滅菌流体1aは、蓄熱交換器61、供給冷却器34および供給フィルタ33を横断後、フィルタタンク31に戻る。
【0069】
滅菌流体1aの浄化後、同時にまたは代替的に、医療機器の滅菌が行われる。
【0070】
操作者は、医療機器を滅菌チャンバ内に置き、熱導体41を加熱して、実質的に100〜170℃で構成される温度にするように、加熱器42に命令する。
【0071】
詳細には、高熱伝導性材料の導体41は、均一に、ひいては、チャンバ20の加熱を開始するように加熱し、同時に、吸湿容積66を再生させて、前回の滅菌時に吸湿容積66で蓄積された蒸気を解放する。
【0072】
このような蒸気は、空気をフィルタ65aから引き出し、かつ、その空気を吸湿容積66内に誘導することによって、蒸気をダクト41a内に、ひいては、滅菌チャンバ20内に案内する真空ポンプ54によって、容積66から引き離して置かれる。
【0073】
チャンバ20におけるこの蒸気、および、アキュームレータ61bにおいてポンプ64によってもたらされる真空圧の進入によって、流体1bは滅菌チャンバ20から排出される。このような排水流体1bは次いで、アキュームレータ61bに到達し、そこから、精確には前記排水流体1bの凝縮液が復水弁62を通して排水タンク51に押し入れられる。
【0074】
この地点で真空段階を開始する。この真空段階では、復水弁62が閉止されるが、真空ポンプ64は蒸気をアキュームレータ61bから引き出し、その蒸気を排水フィルタ53内に、次いで、排水タンク51内に誘導することで、アキュームレータ61bの排出を完了する。
【0075】
容積66の再生およびアキュームレータ61bの排出中に、供給システム30において循環する滅菌流体1aが、どのようにして、プレート冷却器61a内を通ることで、アキュームレータ61bに存在する排水流体1bの伝導によって冷却するのかを理解することができる。
【0076】
熱導体41が所望の温度に到達すると、真空ポンプ64の電源が切られ、排水弁54は閉止されるが、復水弁62は開放され、弁65はポンプ64を外部に接続し、第2の制御弁68は、吸湿容積66をアキュームレータ61bに接続する。
【0077】
滅菌チャンバ20の加圧が開始する。
【0078】
詳細には、このステップでは、再循環弁37は、タイマーを使用して、流体1aを交互に、規則的な間隔で、フィルタタンク31または気化ダクト41aの方へ誘導し、それによって、決められた量の滅菌流体1aのみが発生器40に到達する。
【0079】
滅菌流体は次いで、熱導体41の気化ダクト41aに進入して気化され、連結具43を通して、ダクト41aを出てチャンバ20に入る。
【0080】
さらに、かかる気化中、万一滅菌チャンバ20が一様に加熱されない場合、滅菌チャンバ20は、蒸気から熱を吸収し、そのため、その凝縮物は重力によって収集路40a内に沈殿し、そこで、熱導体41と接触して、新しく気化される。
【0081】
滅菌チャンバ20に存在する流体の状態が所望どおりではない場合、排出および充填のステップは、実現されるまで循環的に繰り返される。
【0082】
チャンバ20が該状態を実現すると、滅菌が行われる。
【0083】
滅菌完了後、復水弁62は閉止されるが、真空ポンプ64はアキュームレータ61bに存在する気体/蒸気を戻し、それを第1の制御弁67を通して、排水フィルタ52へ、次いで排水タンク51へ送る。
【0084】
この作用によって、滅菌チャンバ20に存在する排水流体1bは、真空圧によって、排水弁54を通して、ひいては、排水冷却器53を横断させプレート冷却器61a内を通らせて、戻される。
【0085】
排水流体1bは、最後にアキュームレータに到達し、そこで蓄積されることで、凝縮液と蒸気とに分離され、かつ、プレート冷却器61aにおいて循環するように、滅菌流体1aによって冷却される。
【0086】
かかるステップが完了すると、真空ポンプ64は空気を外部から吸い込んで、当該空気は、フィルタ65aによって浄化/滅菌された後、吸湿容積66に吸引される。このような空気の入力は、熱導体41の熱と共に、吸湿容積66を完全に再生させ、ひいては、ダクト41aに押し入れられた蒸気を解放する。
【0087】
さらに、このような空気の通過によって、熱導体41の温度は低下するため、熱導体41は、低減した温度でチャンバ20の領域、つまり、チャンバ20に存在する蒸気の凝縮、結果として、機器の乾燥を促進する冷点を確認する。
【0088】
吸湿容積66が再生されると、熱風流によって医療機器の乾燥は完了する。
【0089】
詳細には、ポンプ64は、入力弁65によって、アキュームレータ61bから蒸気を戻して吸湿容積66に入れて充填し、熱導体41を通してチャンバ20を加熱する熱、および、連結具43を通してチャンバに再び吸引される乾燥空気を解放することで、医療機器を乾燥させる。
【0090】
かかる動作が完了すると、操作者は、医療機器をオートクレーブ1から除去し、次いで別の滅菌を続行する。本発明はいくつかの重要な利点を実現する。
【0091】
第1の重要な利点は、オートクレーブ1によって実現可能なとりわけ高品質の滅菌である。
【0092】
かかる態様は、滅菌チャンバ20における熱導体41の存在によって実現される。滅菌チャンバ20は、蒸気をチャンバ20に直接もたらすことによって、散熱を防止するため、蒸気の冷却および凝縮物の形成を防止する。
【0093】
特に、かかる態様は、さらに、チャンバ20の底部上の熱導体41の配置によって、特に、収集路40aによってもたらされることによって防止される。収集路40a内で、いずれの凝縮物も蓄積されて前記熱導体がその凝縮物を再気化できるようにする。
【0094】
従って、オートクレーブ1の別の利点は、チャンバに存在する滅菌流体1aが、特に、理想的な滅菌温度で常に高品質であるという事実である。
【0095】
別の利点は、吸湿容積66の特有の配置によって示される。吸湿容積66は、熱導体41において収容されるため、滅菌チャンバ20において、吸湿容積66の吸収段階を活用して、前記チャンバを加熱すること、および、乾燥熱風を生成することを両方とも行うことができる。
【0096】
さらに、吸湿容積66のこの配置によって、熱導体の加熱を活用して、蒸気を生成すること、および、吸湿容積66を再生することを両方とも行うことができる。
【0097】
吸湿容積66のこのような特有の活用は、アキュームレータ61bの存在によって、蒸気と凝縮液との分離、ひいては、容積66を通した蒸気の特有の活用を可能にするのに適した廃液1bの収集点を画定する熱交換器61によって、一部分において革新的に実現されている。
【0098】
熱交換器61、ならびに、冷却器34および53の存在によって示されるさらなる利点は、流体1aおよび1bを、フィルタ33および52に到達する時に理想的な温度にさせることができることである。
【0099】
1つの利点は、オートクレーブ1が、内部に蒸気発生器40を有することによって、従来の滅菌器と比較してとりわけコンパクトであるため、医者の利用可能な空間のより良好な使用を可能にするのに適しているという事実である。
【0100】
別の利点は、再循環弁37が、規則的な間隔で、決められた量の滅菌流体1aを、滅菌流体1aの気化を最適化する発生器40に送ることができるようにするタイマーの存在によって示される。
【0101】
このような態様は、滅菌流体1aを内部にとどまらせることで、完全に気化させることができるようにするブラインド式気化ダクト41aの画定によって、および、滅菌流体1aが連結具43を通して気化ダクト41aから出る場合、重力によって収集路40aに落下し、そこで、熱導体41によって気化されるという事実によって、さらに示される。
【0102】
別の利点は、熱導体41の存在によって、特に、チャンバ20の減圧中でも加熱される、前記チャンバにおいて凝縮液を存在させたままにすることができるチャンバ20の底部上の熱導体41の配置によって示される。
【0103】
オートクレーブ1の機能性において説明されるような1つの利点は、滅菌しかつ加熱した乾燥空気を滅菌チャンバ20に吸気することができ、それによって、非常に急速で安全な方法で医療機器を乾燥させることができることによって示される。
【0104】
1つの重要な利点は、熱導体41を滅菌チャンバ20から除去可能であることで、オートクレーブ1の清掃を容易に行うことができることによって示される。
【0105】
さらに、このような動作は、チャンバ20に永続的に接続されたままの加熱器42が、導体41の抜き取りおよび挿入中静止したままであることで、導体41の移動を案内するという事実によって助長される。
【0106】
別の重要な利点は、ケーシング41bの使用である。ケーシング41bは、その中に、滅菌流体1aを高温で含有するのに適しており、滅菌チャンバ20の加熱を容易にする、滅菌チャンバ20用の熱源を定める。
【0107】
チャンバ20のこのような加熱は、オートクレーブに存在する空気の加熱を容易にすることによる機器の乾燥中、および、形成される場合がある凝縮液を気化し、かつ、滅菌チャンバ20の危険な冷却を防止する機器の滅菌中の両方でとりわけ有利であることが分かる。
【0108】
同様に重要な別の利点は、外部からの空気を使用して、滅菌チャンバ20を急速に冷却し、次いで、とりわけ予想していないいずれの時でも、オートクレーブ1の真空テストを行うことができることである。
【0109】
本発明の概念の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載した本発明に対して変形をなすことができる。
【0110】
本明細書に記載されかつ特許請求される要素全ては、同等の要素と置き換え可能であり、本発明の範囲は、他の細部、材料、形状および寸法全てを含む。
図1
図2
図3