特許第6472006号(P6472006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6472006ファン−アウト半導体パッケージ及び感光性樹脂組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472006
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】ファン−アウト半導体パッケージ及び感光性樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/29 20060101AFI20190207BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20190207BHJP
   G03F 7/027 20060101ALI20190207BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20190207BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20190207BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   H01L23/30 R
   G03F7/027 515
   G03F7/004 501
   G03F7/027 502
   H01L23/12 501P
   C08L101/00
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-123743(P2017-123743)
(22)【出願日】2017年6月23日
(65)【公開番号】特開2018-64085(P2018-64085A)
(43)【公開日】2018年4月19日
【審査請求日】2017年9月12日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0130797
(32)【優先日】2016年10月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン、グム ヒ
(72)【発明者】
【氏名】リ、ファ ヨウン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ス ヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ス ヨウン
【審査官】 木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−139804(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0138741(US,A1)
【文献】 特開2011−075679(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/022068(WO,A1)
【文献】 特開2014−192452(JP,A)
【文献】 特開2016−178108(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0085192(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/28 −23/31
H01L 23/12 −23/15
H01L 23/52 −23/538
C08L 101/00
G03F 7/004
G03F 7/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続パッドが配置された活性面及び前記活性面の反対側に配置された非活性面を有する半導体チップと、
前記半導体チップの少なくとも一部を封止する封止材と、
前記半導体チップの活性面上に配置された第1連結部材と、を含み、
前記封止材は、(A)熱硬化性樹脂、(B)カルボキシル基含有樹脂、(C)エチレン性不飽和化合物、及び(D)シリカを含む感光性樹脂組成物の硬化物であ
前記感光性樹脂組成物の硬化物全体重量に対して、
前記(A)熱硬化性樹脂は7〜12重量%、前記(B)カルボキシル基含有樹脂は12〜20重量%、前記(C)エチレン性不飽和化合物は2〜4重量%、及び前記(D)シリカは60重量%以上含む、
ファン−アウト半導体パッケージ。
【請求項2】
前記カルボキシル基含有樹脂は、熱硬化性反応基及びエチレン性不飽和基を有する、請求項1に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
【請求項3】
前記(A)熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂を含み、
前記(B)カルボキシル基含有樹脂はカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂を含み、
前記(C)エチレン性不飽和化合物はアクリレート化合物を含
請求項1または請求項2に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
【請求項4】
前記(A)エポキシ樹脂は、(a−1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び(a−2)ビフェニル型エポキシ樹脂のうち少なくとも一つを含む、請求項3に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
【請求項5】
前記(B)カルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂は、(b−1)カルボキシル基含有クレゾールノボラック型エポキシアクリレート樹脂及び(b−2)カルボキシル基含有ビスフェノール型エポキシアクリレート樹脂のうち少なくとも一つを含む、請求項3または請求項4に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
【請求項6】
前記(C)アクリレート化合物は、(c−1)多官能性アクリレートを含む、請求項3から請求項5の何れか一項に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
【請求項7】
貫通孔を有する第2連結部材をさらに含み、
前記半導体チップは前記貫通孔に配置される、請求項1から請求項の何れか一項に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
【請求項8】
前記第2連結部材は、第1絶縁層と、前記第1連結部材と接し、前記第1絶縁層に埋め込まれた第1再配線層と、前記第1絶縁層の前記第1再配線層が埋め込まれた側の反対側上に配置された第2再配線層と、を含み、
前記第1及び第2再配線層は前記接続パッドと電気的に連結される、請求項に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
【請求項9】
前記第2連結部材は、前記第1絶縁層上に配置され、前記第2再配線層を覆う第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に配置された第3再配線層と、をさらに含み、
前記第3再配線層は前記接続パッドと電気的に連結される、請求項に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
【請求項10】
前記第2連結部材は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層の両面に配置された第1再配線層及び第2再配線層と、前記第1絶縁層上に配置され、前記第1再配線層を覆う第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に配置された第3再配線層と、を含み、
前記第1〜第3再配線層は前記接続パッドと電気的に連結される、請求項に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
【請求項11】
前記第2連結部材は、前記第1絶縁層上に配置され、前記第2再配線層を覆う第3絶縁層と、前記第3絶縁層上に配置された第4再配線層と、をさらに含み、
前記第4再配線層は前記接続パッドと電気的に連結される、請求項10に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
【請求項12】
(A)7〜12重量%の熱硬化性樹脂と、
(B)12〜20重量%のカルボキシル基含有樹脂と、
(C)2〜4重量%のエチレン性不飽和化合物と、
(D)60重量%以上のシリカと、
を含む、感光性樹脂組成物。
【請求項13】
(E)開始剤と、
(F)溶剤と、
をさらに含む、請求項12に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項14】
前記(A)熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂を含み、
前記(B)カルボキシル基含有樹脂はカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂を含み、
前記(C)エチレン性不飽和化合物はアクリレート化合物を含み、
前記(E)開始剤は光重合開始剤を含む、請求項13に記載の感光性樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファン−アウト半導体パッケージ、及びファン−アウト半導体パッケージの封止材として用いることができる感光性樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体チップに関する技術開発の主なトレンドのうちの一つは、部品のサイズを縮小することである。これにより、パッケージ分野でも小型半導体チップなどの需要が急増するにつれて、小型のサイズを有しながらも多数のピンを実現することが求められている。
【0003】
これに応えるために提案されたパッケージ技術のうちの一つがファン−アウト半導体パッケージである。ファン−アウト半導体パッケージは、接続端子を、半導体チップが配置された領域外にも再配線することで、小型のサイズを有しながらも多数のピンを実現することを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のいくつかの目的のうちの一つは、優れた剛性を有しながらも、感光性及び現像性の低下がなく、硬化膜の柔軟性に優れるため反り(Warpage)の発生が少なく、流動性に優れるため孔やキャビティ内の充填性に優れた感光性樹脂組成物、及びこれを封止材として用いることができるファン−アウト半導体パッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明により提案する様々な解決手段のうちの一つは、熱硬化性樹脂、カルボキシル基含有樹脂、エチレン性不飽和化合物、及び補強剤を含む感光性樹脂組成物で半導体チップの少なくとも一部を封止する封止材として用いることである。
【0006】
例えば、本発明により制限するファン−アウト半導体パッケージは、接続パッドが配置された活性面及び上記活性面の反対側に配置された非活性面を有する半導体チップと、半導体チップの少なくとも一部を封止する封止材と、半導体チップの活性面上に配置された第1連結部材と、を含み、封止材は、熱硬化性樹脂、カルボキシル基含有樹脂、エチレン性不飽和化合物、及び補強剤を含む感光性樹脂組成物の硬化物であってもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明のいくつかの効果のうちの一効果は、優れた剛性を有しながらも、感光性及び現像性の低下がなく、硬化膜の柔軟性に優れるため反りの発生が少なく、流動性に優れるため孔やキャビティ内の充填性に優れた感光性樹脂組成物、及びこれを封止材として用いることができるファン−アウト半導体パッケージを提供することができることである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
図3】ファン−イン半導体パッケージのパッケージング前後を概略的に示した断面図である。
図4】ファン−イン半導体パッケージのパッケージング過程を概略的に示した断面図である。
図5】ファン−イン半導体パッケージがインターポーザ基板上に実装され、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
図6】ファン−イン半導体パッケージがインターポーザ基板内に内蔵され、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
図7】ファン−アウト半導体パッケージの概略的な形態を示した断面図である。
図8】ファン−アウト半導体パッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
図9】ファン−アウト半導体パッケージの一例を概略的に示した断面図である。
図10図9のファン−アウト半導体パッケージをI−I'線に沿って切って見た場合の概略的な断面図である。
図11】ファン−アウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
図12】ファン−アウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
図13】本発明による感光性樹脂組成物の粘度をレオメータによって測定した結果を概略的に示したグラフである。
図14】本発明による感光性樹脂組成物の硬化物と銅箔との密着力を概略的に示したものである。
図15】本発明による感光性樹脂組成物の硬化物と銅箔との密着力を概略的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかしながら、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0010】
電子機器
図1は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0011】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/または電気的に連結されている。これらは、後述する他の部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0012】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリー(例えば、DRAM)、不揮発性メモリー(例えば、ROM)、フラッシュメモリーなどのメモリーチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラーなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ−デジタルコンバータ、ASIC(application−specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の形態のチップ関連部品が含まれ得ることはいうまでもない。また、これら部品1020が互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0013】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi−Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の多数の無線または有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030が、チップ関連部品1020とともに互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0014】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(Low Temperature Co−Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルター、MLCC(Multi−Layer Ceramic Condenser)などが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の様々な用途のために用いられる受動部品などが含まれ得る。また、その他の部品1040が、チップ関連部品1020及び/またはネットワーク関連部品1030とともに互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0015】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/または電気的に連結されているか連結されていない他の部品を含むことができる。他の部品としては、例えば、カメラ1050、アンテナ1060、ディスプレイ1070、電池1080、オーディオコーデック(不図示)、ビデオコーデック(不図示)、電力増幅器(不図示)、羅針盤(不図示)、加速度計(不図示)、ジャイロスコープ(不図示)、スピーカー(不図示)、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)(不図示)、CD(compact disk)(不図示)、及びDVD(digital versatile disk)(不図示)などが挙げられる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の部品などが含まれ得ることはいうまでもない。
【0016】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピューター(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことはいうまでもない。
【0017】
図2は電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0018】
図面を参照すると、半導体パッケージは、上述のような種々の電子機器において様々な用途に適用される。例えば、スマートフォン1100の本体1101の内部にはメインボード1110が収容されており、メインボード1110には種々の部品1120が物理的及び/または電気的に連結されている。また、カメラ1130のように、メインボード1110に物理的及び/または電気的に連結されているか連結されていない他の部品が本体1101内に収容されている。部品1120の一部はチップ関連部品であることができ、半導体パッケージ100は、例えば、そのうちアプリケーションプロセッサであることができるが、これに限定されるものではない。電子機器が必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述のように、他の電子機器であってもよいことはいうまでもない。
【0019】
半導体パッケージ
一般に、半導体チップには、数多くの微細電気回路が集積されているが、それ自体が半導体完成品としての役割を果たすことはできず、外部からの物理的または化学的衝撃により損傷する可能性がある。したがって、半導体チップ自体をそのまま用いるのではなく、半導体チップをパッケージングして、パッケージ状態で電子機器などに用いている。
【0020】
半導体パッケージングが必要な理由は、電気的連結という観点から、半導体チップと電子機器のメインボードの回路幅が異なるためである。具体的に、半導体チップは、接続パッドのサイズ及び接続パッド間の間隔が非常に微細であるのに対し、電子機器に用いられるメインボードは、部品実装パッドのサイズ及び部品実装パッド間の間隔が半導体チップのスケールより著しく大きい。したがって、半導体チップをこのようなメインボード上にそのまま取り付けることは困難であり、相互間の回路幅の差を緩和することができるパッケージング技術が要求される。
【0021】
このようなパッケージング技術により製造される半導体パッケージは、構造及び用途によって、ファン−イン半導体パッケージ(Fan−in semiconductor package)とファン−アウト半導体パッケージ(Fan−out semiconductor package)とに区分されることができる。
【0022】
以下では、図面を参照して、ファン−イン半導体パッケージとファン−アウト半導体パッケージについてより詳細に説明する。
【0023】
(ファン−イン半導体パッケージ)
図3はファン−イン半導体パッケージのパッケージング前後を概略的に示した断面図である。
【0024】
図4はファン−イン半導体パッケージのパッケージング過程を概略的に示した断面図である。
【0025】
図面を参照すると、半導体チップ2220は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などを含む本体2221と、本体2221の一面上に形成された、アルミニウム(Al)などの導電性物質を含む接続パッド2222と、本体2221の一面上に形成され、接続パッド2222の少なくとも一部を覆う酸化膜または窒化膜などのパッシベーション膜2223と、を含む、例えば、ベア(Bare)状態の集積回路(IC)であることができる。この際、接続パッド2222が非常に小さいため、集積回路(IC)は、回路幅の差が大きい電子機器のメインボードなどはもちろん、回路幅の差がメインボードよりは小さい中間レベルの印刷回路基板(PCB)にも実装されにくい。
【0026】
そのため、接続パッド2222を再配線するために、半導体チップ2220上に半導体チップ2220のサイズに応じて連結部材2240を形成する。連結部材2240は、半導体チップ2220上に感光性絶縁樹脂(PID)などの絶縁物質で絶縁層2241を形成し、接続パッド2222をオープンさせるビアホール2243hを形成した後、再配線層2242及びビア2243を形成することで形成することができる。その後、連結部材2240を保護するパッシベーション層2250を形成し、開口部2251を形成した後、アンダーバンプ金属層2260などを形成する。すなわち、一連の過程を経て、例えば、半導体チップ2220、連結部材2240、パッシベーション層2250、及びアンダーバンプ金属層2260を含むファン−イン半導体パッケージ2200が製造される。
【0027】
このように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップの接続パッド、例えば、I/O(Input/Output)端子の全てを素子の内側に配置したパッケージ形態である。ファン−イン半導体パッケージは、電気的特性に優れており、安価で生産することができる。したがって、スマートフォンに内蔵される多くの素子がファン−イン半導体パッケージの形態で製作されており、具体的には、小型で、且つ速い信号伝達を実現するように開発が行われている。
【0028】
しかしながら、ファン−イン半導体パッケージは、I/O端子の全てを半導体チップの内側に配置しなければならないため、空間的な制約が多い。したがって、このような構造は、多数のI/O端子を有する半導体チップや、サイズが小さい半導体チップに適用するには困難な点がある。また、このような欠点により、電子機器のメインボードにファン−イン半導体パッケージを直接実装して用いることができない。これは、再配線工程により半導体チップのI/O端子のサイズ及び間隔を拡大したとしても、電子機器のメインボードに直接実装可能な程度のサイズ及び間隔まで拡大することができるわけではないためである。
【0029】
図5はファン−イン半導体パッケージがインターポーザ基板上に実装され、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0030】
図6はファン−イン半導体パッケージがインターポーザ基板内に内蔵され、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0031】
図面を参照すると、ファン−イン半導体パッケージ2200においては、半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子がインターポーザ基板2301によりさらに再配線され、最終的には、インターポーザ基板2301上にファン−イン半導体パッケージ2200が実装された状態で電子機器のメインボード2500に実装可能となる。この際、半田ボール2270などはアンダーフィル樹脂2280などにより固定されることができ、外側はモールディング材2290などで覆うことができる。または、ファン−イン半導体パッケージ2200は、別のインターポーザ基板2302内に内蔵(Embedded)されてもよい。その場合、インターポーザ基板2302内に内蔵された状態の半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子が、インターポーザ基板2302によりさらに再配線されるため、最終的に電子機器のメインボード2500に実装可能となる。
【0032】
このように、ファン−イン半導体パッケージは電子機器のメインボードに直接実装されて用いられることが困難であるため、別のインターポーザ基板上に実装された後、さらにパッケージング工程を経て電子機器のメインボードに実装されるか、またはインターポーザ基板内に内蔵された状態で電子機器のメインボードに実装されて用いられている。
【0033】
(ファン−アウト半導体パッケージ)
図7はファン−アウト半導体パッケージの概略的な形態を示した断面図である。
【0034】
図面を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、例えば、半導体チップ2120の外側が封止材2130により保護されており、半導体チップ2120の接続パッド2122が連結部材2140により半導体チップ2120の外側まで再配線される。この際、連結部材2140上にはパッシベーション層2150をさらに形成することができ、パッシベーション層2150の開口部にはアンダーバンプ金属層2160をさらに形成することができる。アンダーバンプ金属層2160上には半田ボール2170をさらに形成することができる。半導体チップ2120は、本体2121、接続パッド2122、パッシベーション膜(不図示)などを含む集積回路(IC)であることができる。連結部材2140は、絶縁層2141と、絶縁層2141上に形成された再配線層2142と、接続パッド2122と再配線層2142などを電気的に連結するビア2143と、を含むことができる。
【0035】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、半導体チップ上に形成された連結部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態である。上述のように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップのI/O端子の全てを半導体チップの内側に配置させなければならず、そのため、素子のサイズが小さくなると、ボールのサイズ及びピッチを減少させなければならないため、標準化されたボールレイアウトを用いることができない。これに対し、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップ上に形成された連結部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態であるため、半導体チップのサイズが小さくなっても標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。したがって、後述のように、上記のような別のインターポーザ基板を用いることなく、電子機器のメインボード上に半導体チップを実装することができる。
【0036】
図8はファン−アウト半導体パッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0037】
図面を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は半田ボール2170などを介して電子機器のメインボード2500に実装することができる。すなわち、上述のように、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、半導体チップ2120上に半導体チップ2120のサイズを超えるファン−アウト領域まで接続パッド2122を再配線できる連結部材2140を形成するため、標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。その結果、別のインターポーザ基板などがなくても、半導体チップ2120を電子機器のメインボード2500に実装することができる。
【0038】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、別のインターポーザ基板がなくても電子機器のメインボードに実装することができるため、インターポーザ基板を用いるファン−イン半導体パッケージに比べて厚さがより小さいパッケージ寸法を実現することができ、小型化及び薄型化が可能である。また、熱特性及び電気的特性に優れるため、モバイル製品に特に好適である。また、印刷回路基板(PCB)を用いる一般的なPOP(Package on Package)タイプに比べて、よりコンパクトに実現することができ、反り現象の発生による問題を解決することができる。
【0039】
一方、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップを電子機器のメインボードなどに実装するための、そして外部からの衝撃から半導体チップを保護するためのパッケージ技術を意味するものである。他方、ファン−イン半導体パッケージが内蔵されるインターポーザ基板などの印刷回路基板(PCB)を用いる実装方式は、ファン−アウト半導体パッケージに基づく実装方式とはスケール、用途などが異なる実装方式である。
【0040】
以下では、本発明によるファン−アウト半導体パッケージについて図面を参照して説明する。
【0041】
図9はファン−アウト半導体パッケージの一例を概略的に示した断面図である。
【0042】
図10図9のファン−アウト半導体パッケージをI−I'線に沿って切って見た場合の概略的な断面図である。
【0043】
図面を参照すると、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aは、接続パッド122が配置された活性面及び上記活性面の反対側に配置された非活性面を有する半導体チップ120と、半導体チップ120の少なくとも一部を封止する封止材130と、半導体チップ120の活性面上に配置された連結部材140と、を含む。この際、封止材130は、熱硬化性樹脂、カルボキシル基含有樹脂、エチレン性不飽和化合物、及び補強剤を含む感光性樹脂組成物の硬化物である。感光性樹脂組成物は、開始剤及び/または溶剤をさらに含むことができる。封止材130は、このような感光性樹脂組成物の硬化物であるため、優れた剛性を有しながらも、感光性及び現像性の低下がなく、硬化膜の柔軟性に優れるため反りの発生が少なく、流動性に優れるため孔やキャビティ内の充填性に優れることができる。
【0044】
以下、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aに含まれるそれぞれの構成についてより詳細に説明する。
【0045】
半導体チップ120は、数百〜数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化されている集積回路(Integrated Circuit:IC)であることができる。集積回路は、例えば、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラーなどのアプリケーションプロセッサチップであることができるが、これらに限定されるものではない。半導体チップ120は、活性ウェハーをベースとして形成することができ、この場合、本体121をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが用いられることができる。本体121には様々な回路が形成されていることができる。接続パッド122は、半導体チップ120を他の構成要素と電気的に連結させるためのものであって、その形成物質としては、アルミニウム(Al)などの導電性物質を特に制限せずに用いることができる。本体121上には接続パッド122を露出させるパッシベーション膜123を形成することができる。パッシベーション膜123は、酸化膜または窒化膜などであってもよく、または酸化膜と窒化膜の二重層であってもよい。パッシベーション膜123により、接続パッド122の下面は封止材130の下面と段差を有することができる。これにより、封止材130の形成物質が接続パッド122の下面にブリードすることを防止することができる。その他の必要な位置に絶縁膜(不図示)などをさらに配置することもできる。
【0046】
封止材130は、半導体チップ120を保護することができる。封止形態は特に制限されず、半導体チップ120の少なくとも一部を囲む形態であればよい。例えば、封止材130は、後述する連結部材110及び半導体チップ120の非活性面を覆うことができ、後述する貫通孔110Hの壁面と半導体チップ120の側面との間の空間を満たすことができる。また、封止材130は、半導体チップ120のパッシベーション膜123と連結部材140との間の空間の少なくとも一部を埋めることができる。
【0047】
封止材130は、熱硬化性樹脂、カルボキシル基含有樹脂、エチレン性不飽和化合物、及び補強剤を含む感光性樹脂組成物の硬化物である。したがって、フォトリソグラフィ工法などを用いることで、封止材130に開口部131などを形成することができる。感光性樹脂組成物は、開始剤及び/または溶剤をさらに含むことができる。例えば、感光性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を7〜12重量%、カルボキシル基含有樹脂を12〜20重量%、エチレン性不飽和化合物を2〜4重量%、補強剤を60〜70重量%、開始剤を0.3〜0.6重量%、及び溶剤を0〜12重量%含むことができる。
【0048】
(A)熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂は、熱重合及び/または光重合が可能な公知の熱硬化性樹脂であることができる。制限されない一例として、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂であってもよい。エポキシ樹脂としては、芳香族環を有するエポキシ樹脂を好ましく用いることができる。例えば、エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂のうち少なくとも一つを含むことができる。この場合、組成物の粘度を十分に下げることで、銅のような導電性物質との密着性を改善させるとともに、半田耐熱性、PCT耐性、冷熱サイクル(TC)耐性などの耐熱特性を確保することができるため、封止材の様々な欠陥の発生を防止することができる。エポキシ樹脂の具体的な例としては、日本化薬社製のNC−3000H(ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)などのビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、NC−3000 Lなどのビフェニル/フェノールノボラック型エポキシ樹脂、三菱化学社製のjER828、jER834、jER1001、jER1004、DIC社製のエピクロ840、エピクロ850、エピクロ1050、エピクロ2055、国道化学社製のYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、YD−128K、KDS−8170、KDS−8128などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、単独または2種以上混合して用いることができる。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂またはビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む混合樹脂を用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0049】
(B)カルボキシル基含有樹脂
カルボキシル基含有樹脂は、カルボキシル基を有しているため、これを含む組成物及び/またはその硬化物がアルカリ水溶液による現像を可能にする。カルボキシル基含有樹脂は、熱硬化性反応基及びエチレン性不飽和基を有することができる。熱硬化性反応基は、熱硬化性樹脂との重合反応に用いられることができる。エチレン性不飽和基は、エチレン性不飽和化合物との重合反応に用いられることができる。すなわち、カルボキシル基含有樹脂は、熱硬化性樹脂及びエチレン性不飽和化合物の両方とも重合することができる。このような観点から、カルボキシル基含有樹脂は、カルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂であることができる。カルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂に、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸カプロラクトン付加物などの水酸基含有アクリレートの不飽和二塩基酸無水物付加物などを反応させて生成されるエステル化生成物を、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸などの脂肪族または芳香族二塩基酸無水物などの飽和または不飽和多塩基酸無水物と反応させて得ることができる。例えば、カルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂は、カルボキシル基含有クレゾールノボラック型エポキシアクリレート樹脂及び/またはカルボキシル基含有ビスフェノール型エポキシアクリレート樹脂を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0050】
(C)エチレン性不飽和化合物
エチレン性不飽和化合物は、UV照射によって光硬化が可能であり、これにより、アルカリ水溶液などにより不溶化することができるため、光硬化後の封止材130などにパターン及びビアの形成が可能となる。エチレン性不飽和化合物は、活性エネルギー線照射により光硬化されて、カルボキシル基含有樹脂がアルカリ水溶液などにより不溶化することを助けることができる。制限されない一例として、エチレン性不飽和化合物は、アクリレート化合物であることができる。アクリレート化合物は、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのモノまたはジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまたはこれらのエチレンオキシド付加物またはプロピレンオキシド付加物などの多官能アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート及びこれらフェノール類のエチレンオキシド付加物またはプロピレンオキシド付加物などのアクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルのアクリレート類;メラミンアクリレート及び上記アクリレートに対応する各メタクリレート類のうち少なくともいずれか1種などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一方、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレートなどの多官能性アクリレートを用いる場合、熱硬化性樹脂及び/またはカルボキシル基含有樹脂との相溶性に優れることができ、カルボキシル基含有樹脂がアルカリ水溶液などにより不溶化することを効果的に助けることができる。
【0051】
(D)補強剤
補強剤は、剛性を付加するために含まれる。補強剤は、無機フィラーであることができる。無機フィラーは、例えば、アルミナ、シリカなどの公知の無機フィラーであることができ、好ましくはシリカであることができるが、これに限定されるものではない。無機フィラー、例えば、シリカは、平均粒径が500nm〜1μmであることができ、最大粒径は5μm以下であることができる。また、無機フィラー、例えば、シリカは60重量%以上含まれることが好ましい。この場合、封止材130に、特に優れた剛性を付与することができる。
【0052】
(E)開始剤
開始剤は、光重合開始剤であることができる。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン及びベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルファニル)プロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1などのアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類またはキサントン類;ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エステルなどのアシルホスフィンオキシド類;各種のパーオキシド類などが挙げられるが、これらの公知慣用の光重合開始剤を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0053】
(F)溶剤
溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などが挙げられる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水素添加石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤などであることができる。これらは、単独で、または2種以上の混合物で用いることができる。
【0054】
連結部材140は、半導体チップ120の接続パッド122を再配線するための構成である。連結部材140により、様々な機能を有する数十〜数百個の接続パッド122が再配線されることができ、後述する接続端子170を介して、その機能に応じて外部と物理的及び/または電気的に連結されることができる。連結部材140は、絶縁層141と、絶縁層141上に配置された再配線層142と、絶縁層141を貫通し、再配線層142と連結されたビア143と、を含む。一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aは、連結部材140を単層で構成してもよく、複数の層で設計してもよい。
【0055】
絶縁層141の形成物質としては絶縁物質を用いることができる。この際、絶縁材料としては、上述のような絶縁材料の他にも、PID樹脂のような感光性絶縁物質を用いることもできる。絶縁層141を多層で構成する場合、これらの物質は、互いに同一であってもよく、必要に応じて、互いに異なってもよい。絶縁層141が多層で構成される場合、これらが工程によって一体化され、その境界が不明確であってもよい。
【0056】
再配線層142は、実質的に接続パッド122を再配線する役割を果たすための構成であって、形成材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。再配線層142は、該当層の設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、グラウンド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グラウンド(GND)パターン、パワー(PWR)パターンなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などを含む。また、様々な種類のパッドなどを含むことができる。
【0057】
ビア143は、互いに異なる層に形成された接続パッド122や再配線層142などを電気的に連結させ、その結果、パッケージ100A内に電気的経路を形成させる。ビア143の形成材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。ビア143は、導電性物質で完全に充填されていてもよく、または導電性物質がビアの壁面に沿って形成されたものであってもよい。また、形状がテーパ状、円筒状など当該技術分野に公知されたすべての形状が適用されることができる。
【0058】
一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aは、必要に応じて貫通孔110Hを有する連結部材110をさらに含むことができる。連結部材110は、具体的な材料に応じてパッケージ100Aの剛性を維持させることができ、封止材130の厚さ均一性を確保するなどの役割を果たすことができる。連結部材110により、パッケージ100Aは、パッケージ−オン−パッケージ(POP:Package on Package)の一部として用いられることもできる。連結部材110が再配線層112a、112bを含む場合、連結部材110の階数を減少させてパッケージ100Aの薄型化が可能であり、連結部材110の製造過程で発生する不良による収率の問題を改善することができる。貫通孔110H内には、半導体チップ120が連結部材110と所定距離離隔されるように配置される。半導体チップ120の側面の周囲は連結部材110によって囲まれることができる。但し、これは一例に過ぎず、他の形態に多様に変形されることができ、その形態に応じて他の機能を担うことができる。
【0059】
連結部材110は、絶縁層111と、連結部材140と接し、絶縁層111に埋め込まれた第1再配線層112aと、絶縁層111の第1再配線層112aが埋め込まれた側の反対側上に配置された第2再配線層112bと、を含むことができる。第1及び第2再配線層112a、112bは、ビア113を介して電気的に連結されることができる。第1再配線層112aが埋め込まれているため、連結部材140の絶縁層141の絶縁距離が実質的に一定となることができる。連結部材110の再配線層112a、112bは、連結部材140の再配線層142よりも厚さが厚ければよい。連結部材110は、半導体チップ120以上の厚さを有することができるため、再配線層112a、112bも、そのスケールに応じてより大きいサイズに形成することができる。これに対し、連結部材140の再配線層142は、薄型化のために、相対的に小さく形成することができる。
【0060】
絶縁層111の材料としては、例えば、無機フィラー及び絶縁樹脂を含む材料、例えば、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれらに無機フィラーのような補強材を含む樹脂、具体的には、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)、PID(Photo Imageable Dielectric resin)、BTなどを用いることができる。必要に応じては、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された材料、例えば、プリプレグ(Prepreg)などを用いることもできる。
【0061】
再配線層112a、112bは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含むことができる。再配線層112a、112bは、該当層の設計デザインに応じて様々な機能を担うことができる。例えば、グラウンド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グラウンド(GND)パターン、パワー(PWR)パターンなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などを含む。また、ビアパッド、接続端子パッドなどを含むことができる。第2再配線層112bのうち封止材130を貫通する開口部131を介して露出したパッドパターンなどの表面には、必要に応じて表面処理層を形成することができる。表面処理層は、例えば、電解金めっき、無電解金めっき、OSPまたは無電解スズめっき、無電解銀めっき、無電解ニッケルめっき/置換金めっき、DIGめっき、HASLなどにより形成することができる。
【0062】
ビア113は、異なる層に形成された再配線層112a、112bを電気的に連結させ、その結果、連結部材110内に電気的経路を形成させる。ビア113の形成物質としても導電性物質を用いることができる。ビア113は、導電性物質で完全に充填されていてもよく、または導電性物質がビアホールの壁面に沿って形成されたものであってもよい。また、テーパ状、円筒状など公知の様々な形状が適用されることができる。一方、ビア113のための孔を形成する際に、第1再配線層112aの一部パッドがストッパー(stopper)の役割を果たすことができるため、ビア113は、上面の幅が下面の幅よりも大きいテーパ状であることが工程上有利であることができる。この場合、ビア113は、第2再配線層112bの一部と一体化されることができる。
【0063】
一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aは、必要に応じてパッシベーション層150をさらに含むことができる。パッシベーション層150は、連結部材140を外部からの物理的、化学的損傷などから保護するための付加的な構成である。パッシベーション層150は、連結部材140の再配線層142のうち少なくとも一部を露出させる開口部151を有することができる。このような開口部は、数十〜数千個形成することができる。
【0064】
パッシベーション層150の形成物質は、特に限定されず、例えば、感光性絶縁樹脂のような感光性絶縁物質を用いることができる。または、半田レジストを用いることもできる。または、芯材は含まないが、フィラーは含む絶縁樹脂、例えば、無機フィラー及びエポキシ樹脂を含むABFなどを用いることができる。無機フィラー及び絶縁樹脂は含むが芯材を含まない絶縁物質、例えば、ABFなどを用いる場合、反りのばらつきを制御することができるため、反りの制御にさらに効果的である。パッシベーション層150の形成物質として無機フィラー及び絶縁樹脂を含む絶縁物質、例えば、ABFなどを用いる際に、連結部材140の絶縁層141も無機フィラー及び絶縁樹脂を含むことができ、この際、パッシベーション層150に含まれる無機フィラーの重量パーセントは、連結部材140の絶縁層141に含まれる無機フィラーの重量パーセントよりも大きければよい。この場合、パッシベーション層150の熱膨張係数(CTE)が相対的に低くなり、反りの制御に活用することができる。
【0065】
一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aは、必要に応じてアンダーバンプ金属層160をさらに含むことができる。アンダーバンプ金属層160は、接続端子170の接続信頼性を向上させ、パッケージ100Aのボードレベルの信頼性を改善するための付加的な構成である。アンダーバンプ金属層160は、パッシベーション層150の開口部151を介して開口された連結部材140の再配線層142と連結される。アンダーバンプ金属層160は、パッシベーション層150の開口部151に、公知の導電性物質、すなわち、金属を用いて、公知のメタル化(Metallization)する方法で形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0066】
一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aは、必要に応じて接続端子170をさらに含むことができる。接続端子170は、ファン−アウト半導体パッケージ100Aを外部と物理的及び/または電気的に連結させるための構成である。例えば、ファン−アウト半導体パッケージ100Aは、接続端子170を介して電子機器のメインボードに実装することができる。接続端子170は、導電性物質、例えば、半田(solder)などで形成することができるが、これは一例に過ぎず、材質が特にこれに限定されるものではない。接続端子170は、ランド(land)、ボール(ball)、ピン(pin)などであることができる。接続端子170は多重層または単一層で形成することができる。多重層で形成する場合は、銅ピラー(pillar)及び半田を含むことができ、単一層で形成する場合は、スズ−銀半田や銅を含むことができるが、これも一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0067】
接続端子170の数、間隔、配置形態などは特に限定されず、通常の技術者であれば、設計事項に応じて十分に変形可能である。例えば、接続端子170の数は、半導体チップ120の接続パッド122の数に応じて数十〜数千個であることができ、それ以上またはそれ以下の数を有してもよい。接続端子170が半田ボールである場合、接続端子170はアンダーバンプ金属層160のパッシベーション層150の一面上に延長されて形成された側面を覆うことができ、接続信頼性にさらに優れることができる。
【0068】
接続端子170の少なくとも一つはファン−アウト(fan−out)領域に配置される。ファン−アウト領域とは、半導体チップ120が配置されている領域の外側に広がる再配線領域を意味する。すなわち、一例による半導体パッケージ100Aはファン−アウトパッケージである。ファン−アウト(fan−out)パッケージは、ファン−イン(fan−in)パッケージに比べて優れた信頼性を有し、多数のI/O端子が実現可能であって、3D接続(3D interconnection)が容易である。また、BGA(Ball Grid Array)パッケージ、LGA(Land Grid Array)パッケージなどに比べて、別の基板なしに電子機器に実装可能であるため、製造時において厚さを薄くすることができ、価格競争力に優れる。
【0069】
一方、図面に示していないが、必要に応じて、貫通孔110Hの壁面に金属層をさらに配置することができる。金属層は、半導体チップ120から発生する熱を効果的に放出する役割を果たすことができる。また、電磁波を遮断する役割も果たすことができる。また、貫通孔110Hには、キャパシタやインダクタなどの別の受動部品をさらに配置することもできる。また、貫通孔110H内に複数の半導体チップ120を配置することもできる。また、貫通孔110Hは複数個であってもよく、それぞれの貫通孔110Hにそれぞれの半導体チップ120や受動部品を配置してもよい。この他にも、当該技術分野でよく知られている公知の構造を適用してもよいことはいうまでもない。
【0070】
図11はファン−アウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
【0071】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Bは、連結部材110が、第1絶縁層111aと、連結部材140と接し、第1絶縁層111aに埋め込まれた第1再配線層112aと、第1絶縁層111aの第1再配線層112aが埋め込まれた側の反対側上に配置された第2再配線層112bと、第1絶縁層111a上に配置され、第2再配線層112bを覆う第2絶縁層111bと、第2絶縁層111b上に配置された第3再配線層112cと、を含む。第1〜第3再配線層112a、112b、112cは、接続パッド122と電気的に連結される。第1及び第2再配線層112a、112bと第2及び第3再配線層112b、112cは、それぞれ第1及び第2絶縁層111a、111bを貫通する第1及び第2ビア113a、113bを介して電気的に連結されることができる。
【0072】
第1再配線層112aが埋め込まれているため、上述のように、連結部材140の絶縁層141の絶縁距離が実質的に一定となることができる。連結部材110が多数の再配線層112a、112b、112cを含むため、連結部材140をさらに簡素化することができる。したがって、連結部材140の形成過程で発生する不良による収率の低下を改善することができる。第1再配線層112aが第1絶縁層111aの内部にリセスされ、これにより、第1絶縁層111aの下面は第1再配線層112aと段差を有するようになる。その結果、封止材130を形成する際に、封止材130の形成物質がブリードし、第1再配線層112aを汚染させることを防止することができる。
【0073】
連結部材110の第1再配線層112aの下面は、半導体チップ120の接続パッド122の下面より上側に位置することができる。また、連結部材140の再配線層142と連結部材110の再配線層112aとの間の距離は、連結部材140の再配線層142と半導体チップ120の接続パッド122との間の距離よりも大きい。これは、第1再配線層112aが第1絶縁層111aの内部にリセスされることができるためである。連結部材110の第2再配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間に位置することができる。連結部材110は、半導体チップ120の厚さに対応する厚さに形成することができ、したがって、連結部材110の内部に形成された第2再配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間のレベルに配置されることができる。
【0074】
連結部材110の再配線層112a、112b、112cの厚さは、連結部材140の再配線層142の厚さよりも厚ければよい。連結部材110は、半導体チップ120以上の厚さを有することができるため、再配線層112a、112b、112cも、そのスケールに応じてより大きいサイズに形成することができる。これに対し、連結部材140の再配線層142は、薄型化のために相対的に小さいサイズに形成することができる。
【0075】
その他、他の構成についての説明は、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aについての説明と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0076】
図12はファン−アウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
【0077】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Cは、連結部材110が、第1絶縁層111aと、第1絶縁層111aの両面に配置された第1再配線層112a及び第2再配線層112bと、第1絶縁層112a上に配置され、第1再配線層112aを覆う第2絶縁層111bと、第2絶縁層111b上に配置された第3再配線層111cと、第1絶縁層111a上に配置され、第2再配線層112bを覆う第3絶縁層111cと、第3絶縁層111c上に配置された第4再配線層112dと、を含む。第1〜第4再配線層112a、112b、112c、112dは、接続パッド122と電気的に連結される。連結部材110が、より多くの数の再配線層112a、112b、112c、112dを含むため、連結部材140をさらに簡素化することができる。これにより、連結部材140の形成過程で発生する不良による収率の低下を改善することができる。第1〜第4再配線層112a、112b、112c、112dは、第1〜第3絶縁層111a、111b、111cを貫通する第1〜第3ビア113a、113b、113cを介して電気的に連結されることができる。
【0078】
第1絶縁層111aは、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cより厚さが厚ければよい。第1絶縁層111aは、基本的に剛性を維持させるために相対的に厚ければよく、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cは、より多くの数の再配線層112c、112dを形成するために導入されたものであってもよい。第1絶縁層111aは、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cと異なる絶縁材料を含むことができる。例えば、第1絶縁層111aは、芯材、無機フィラー、及び絶縁樹脂を含む、例えば、プリプレグであってもよく、第2絶縁層111c及び第3絶縁層111cは、無機フィラー及び絶縁樹脂を含むABFフィルムまたは感光性絶縁フィルムであってもよいが、これに限定されるものではない。同様の観点から、第1ビア113aの直径は、第2ビア113b及び第3ビア113cの直径よりも大きければよい。
【0079】
連結部材110の第3再配線層112cの下面は、半導体チップ120の接続パッド122の下面より下側に位置することができる。また、連結部材140の再配線層142と連結部材110の第3再配線層112cとの間の距離は、連結部材140の再配線層142と半導体チップ120の接続パッド122との間の距離より小さい。これは、第3再配線層112cが第2絶縁層111b上に突出した形態で配置されることができ、その結果、連結部材140と接することができるためである。連結部材110の第1再配線層112a及び第2再配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間に位置することができる。連結部材110は半導体チップ120の厚さに対応する厚さに形成することができ、これにより、連結部材110の内部に形成された第1再配線層112a及び第2再配線層112bが、半導体チップ120の活性面と非活性面との間のレベルに配置されることができる。
【0080】
連結部材110の再配線層112a、112b、112c、112dの厚さは、連結部材140の再配線層142の厚さよりも厚ければよい。連結部材110は半導体チップ120以上の厚さを有することができるため、再配線層112a、112b、112c、112dもより大きいサイズに形成することができる。これに対し、連結部材140の再配線層142は、薄型化のために相対的に小さいサイズに形成することができる。
【0081】
その他、他の構成についての説明は、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aについての説明と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0082】
図13は本発明による感光性樹脂組成物の粘度をレオメータによって測定した結果を概略的に示したグラフである。
【0083】
図14及び図15は本発明による感光性樹脂組成物の硬化物と銅箔との密着力を概略的に示したものである。
【0084】
一方、実験に用いられた感光性樹脂組成物の組成は下記表1のとおりである。
【0085】
【表1】
【0086】
図面を参照すると、本発明による感光性樹脂組成物を用いる場合、例えば、モース硬さが高いシリカ(7)の含有量が60重量%を超えても、アルカリ現像型感光性樹脂組成物の流動性が十分に確保され、孔やキャビティ内の充填性に優れており、後硬化を必要としないが、後硬化しても硬化収縮の緩和が十分に行われることができる樹脂を含むため、銅との十分な密着力を有することができることが分かる。
【0087】
本発明において「連結される」というのは、直接的に連結された場合だけでなく、接着剤層を介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、「電気的に連結される」というのは、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。なお、第1、第2などの表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるもので、該当する構成要素の順序及び/または重要度などを限定しない。場合によっては、本発明の範囲を外れずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、類似して第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0088】
本発明で用いられた「一例」または「他の一例」という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明であると理解されることができる。
【0089】
なお、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。この際、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。
【符号の説明】
【0090】
1000 電子機器
1010 メインボード
1020 チップ関連部品
1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品
1050 カメラ
1060 アンテナ
1070 ディスプレイ
1080 電池
1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1101 本体
1110 メインボード
1120 部品
1130 カメラ
2200 ファン−イン半導体パッケージ
2220 半導体チップ
2221 本体
2222 接続パッド
2223 パッシベーション膜
2240 連結部材
2241 絶縁層
2242 再配線層
2243 ビア
2250 パッシベーション層
2260 アンダーバンプ金属層
2270 半田ボール
2280 アンダーフィル樹脂
2290 モールディング材
2500 メインボード
2301 インターポーザ基板
2302 インターポーザ基板
2100 ファン−アウト半導体パッケージ
2120 半導体チップ
2121 本体
2122 接続パッド
2140 連結部材
2141 絶縁層
2142 再配線層
2143 ビア
2150 パッシベーション層
2160 アンダーバンプ金属層
2170 半田ボール
100 半導体パッケージ
100A ファン−アウト半導体パッケージ
100B ファン−アウト半導体パッケージ
100C ファン−アウト半導体パッケージ
110 連結部材
111、111a、111b、111c 絶縁層
112a、112b、112c、112d 再配線層
113、113a、113b、113c ビア
120 半導体チップ
121 本体
122 接続パッド
123 パッシベーション膜
130 封止材
131 開口部
140 連結部材
141 絶縁層
142 再配線層
143 ビア
150 パッシベーション層
151 開口部
160 アンダーバンプ金属層
170 接続端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15