特許第6472029号(P6472029)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472029
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】壁面ディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 19/02 20060101AFI20190207BHJP
   G09F 19/22 20060101ALI20190207BHJP
   G09F 9/37 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   G09F19/02 M
   G09F19/22 D
   G09F9/37
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-202224(P2015-202224)
(22)【出願日】2015年10月13日
(65)【公開番号】特開2017-76003(P2017-76003A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2017年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】391051773
【氏名又は名称】株式会社光栄
(74)【代理人】
【識別番号】100087619
【弁理士】
【氏名又は名称】下市 努
(72)【発明者】
【氏名】阪上 丈一
【審査官】 谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭51−162794(JP,U)
【文献】 特開2009−042395(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104950742(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0240958(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F19/00−19/02
G09F19/22
G09F27/00
B44C5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を起立配置された描画壁面上を多数の糸状の流線をなすように流下させると共に、各流線の形成開始・終了タイミングを変化させることにより文字又は図形等のイメージを前記描画壁面上に形成する壁面ディスプレイ装置であって、
前記描画壁面は、ランダムに又は所定の規則性を持って形成され、前記流線に泡を発生させる多数の凹部を有する
ことを特徴とする壁面ディスプレイ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の壁面ディスプレイ装置において、
前記描画壁面は、前記液体が接触すると変色する材料で形成されている
ことを特徴とする壁面ディスプレイ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の壁面ディスプレイ装置において、
前記描画壁面に液体を噴出させる多数のノズルと、該各ノズルに液体を供給する供給通路に介設された開閉弁と、該各開閉弁を前記イメージに応じて開閉制御する制御装置とを備えた
ことを特徴とする壁面ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のノズルから液体を壁面に沿って断続的に流下させることにより文字,図形等の目標イメージを描くようにした壁面ディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のウォータディスプレイ装置として、本件出願人は、先に、タンク内の水を噴出させる多数のノズルと、各ノズルに水を供給する給水通路を開閉する開閉弁と、該各開閉弁の動作を制御する制御装置とを備え、該制御装置より文字,図形等の目標イメージを空中に実行イメージとして描くようにしたものを提案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−4235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記ウォータディスプレイ装置は、水の流下による独創的,創造的な景観を提供することができるものの、目標イメージに対応した実行イメージを空中に描く方式であることから、装置の設置場所や環境等によっては実行イメージの形成状態が不安定となる場合があり、この点でのさらなる改善が要請されている。
【0005】
本発明は、前記従来の実情に鑑みてなされたもので、設置場所や環境に関わらず安定した実行イメージが得られる全く新規な構造による壁面ディスプレイ装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、液体を起立配置された描画壁面上を多数の糸状の流線をなすように流下させると共に、各流線の形成開始・終了タイミングを変化させることにより文字又は図形等のイメージを前記描画壁面上に形成する壁面ディスプレイ装置であって、前記描画壁面は、ランダムに又は所定の規則性を持って形成され、前記流線に泡を発生させる多数の凹部を有する
ことを特徴としている
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の壁面ディスプレイ装置において、
前記描画壁面は、前記液体が接触すると変色する材料で形成されている
ことを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の壁面ディスプレイ装置において、
前記描画壁面に液体を噴出させる多数のノズルと、該各ノズルに液体を供給する供給通路に介設された開閉弁と、該各開閉弁を前記イメージに応じて開閉制御する制御装置とを備えた
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明に係る壁面ディスプレイ装置によれば、液体を描画壁面に沿って流下させて描画壁面上にイメージを形成するようにしたので、液体を空中に噴出させてイメージを形成するようにした場合に比較して、風などの影響を受けにくくなり、設置場所や環境の如何に関わらず独創的,創造的なイメージを常に安定した状態で形成することができる。
【0011】
また、前記描画壁面にランダム又は所定の規則性を持った多数の凹部を形成したので、流下する液体の一部が凹部に流入することにより空気の泡が発生し、これにより描画壁面を流下する流線が白濁し、外方から見たとき流線が鮮明になり、ひいては文字や図形等のイメージが描画壁面から浮かび上がるように見えることとなり、見栄えを向上させることができる。
【0012】
さらにまた、前記流下する液体の一部が前記各凹部に巻き込まれことにより液体の流下速度が減速され、結果的に流線全体の流下速度が一定となり、この点からもより安定したイメージを形成することが可能となる。
【0013】
請求項2の発明では、前記描画壁面を液体が接触すると変色する材料で形成したので、流下する液体の背景となる描画壁面の色が変化し、これにより流線が着色されたように見えることとなり、この点からも見栄えを向上させることができる。
【0014】
請求項3の発明では、液体を噴出させる多数のノズルと、該各ノズルに液体を供給する供給通路に介設された開閉弁と、該各開閉弁をイメージに応じて開閉制御する制御装置とを備え、該制御装置は、目標イメージが入力されると該目標イメージを構成する流線に対応するノズルに連なる開閉弁をオン・オフ制御する。これにより、前記各開閉弁が開いている期間に各ノズルから噴出した液体が描画壁面に沿って糸状の流線となって流下することとなり、この流線の集積により様々な文字,図形等の目標イメージに対応したイメージが描画壁面上に形成される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例1に係る壁面ディスプレイ装置の概略構成図である。
図2】前記壁面ディスプレイ装置の断面図である。
図3】前記壁面ディスプレイ装置により形成された実行イメージの概略図である。
図4】前記実行イメージの変形例の概略図である。
図5】描画壁面に形成される凹部の変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0017】
図1ないし図4は、本発明の実施例1による壁面ディスプレイ装置を説明するための図である。
【0018】
図において、1は本発明の実施例1による壁面ディスプレイ装置を示している。この壁面ディスプレイ装置1は、矩形状の描画壁2と、水が貯留されたタンク3と、該タンク3内の水を前記描画壁2の描画壁面2aに噴出させる多数のノズル4と、該各ノズル4と前記タンク3とを接続する各供給通路5に介設された電磁弁(開閉弁)6と、該各電磁弁6を目標イメージに応じて開閉制御するコントローラ(制御装置)7とを備えている。
【0019】
前記各供給通路5は、1本のメイン供給通路8に接続されており、該メイン供給通路8の上流端8aは、前記タンク3の底壁に連通接続されている。前記メイン供給通路8の上流側部分には、水の逆流を阻止する逆止弁9が介設されている。
【0020】
前記タンク3は、大気に解放された直方体形状をなしており、前記描画壁2の上方に配置されている。これによりタンク3内の水は自重によりメイン供給通路8から各供給通路5を介して各ノズル4に供給される。
【0021】
前記タンク3には、該タンク3内に水を給水する給水管10及び前記タンク3内の水位を検出する水位センサ11が配設されている。前記コントローラ7は、前記水位センサ11によりタンク3内の水位が所定の低水位に低下したことが検出されると、ポンプ12を作動させる。これにより前記タンク3内に水が供給される。また所定の満水位に達するとポンプ12を停止させる。
【0022】
前記描画壁2は、各ノズル4から噴出された水を回収する回収バケット13内に起立させて配置されている。この回収バケット13に前記給水管10の上流端10aが接続されており、該給水管10に前記ポンプ12が介設されている。
【0023】
前記給水管10の中途部には、第2の給水管15が連通接続されており、該第2の給水管15の下流端15aは、前記メイン供給通路8に連通接続されている。
【0024】
前記給水管10の第2の給水管15より下流側及び該第2の給水管15の中途部にはそれぞれ切り替え弁16及び第2の切り替え弁17が介設されている。
【0025】
前記コントローラ7により第2の給水管15側に切り替えられるとポンプ12により加圧された水がそのまま各ノズル4に供給される。ここで前記給水管10,第2の給水管15は、何れか一方のみで構成してもよい。
【0026】
前記各ノズル4は、前記描画壁2の上端部に所定の間隔を空けて幅方向に並列に、かつ直線状をなすように配置されている。このノズル4の配置数は、前記描画壁2の大きさ,形成しようとする文字,図形等に応じて適宜設定されている。また前記各ノズル4は、描画壁面2aに対して水が描画壁面2aに沿って確実に流下するように斜め下方に傾斜させて配置されている。
【0027】
前記描画壁2は、描画壁面2aが鉛直面,あるいは僅かに後方に傾斜するよう起立させて配置されている。この描画壁面2aは、面積が数十cm2〜数十m2の大きさを有するもので、単体又は複数の描画壁2を組み合わせて構成されている。
【0028】
前記描画壁2の描画壁面2aには、図2に示すように、水の流下方向に対して直交方向に、つまり水平方向に延びる多数の凹部2bが所定間隔を空けて形成されている。この各凹部2bは、その角部が直角をなすよう形成されている。
【0029】
前記コントローラ7は、水を、前記起立配置された描画壁面2a上を多数の糸状の流線をなすように流下させると共に、各流線の形成開始・終了タイミングを変化させることにより文字又は図形等の実行イメージiを前記描画壁面2a上に形成するによう構成されている。
【0030】
前記コントローラ7には、前記目標イメージを入力するパソコン等の入力機器20が接続されている。操作者が、前記描画壁面2aに描きたいと考えている実行イメージiに対応した目標イメージ(例えばアルファベットのA)21を前記入力機器20のディスプレイモニタ20上に描くと、該描かれた目標イメージ21がコントローラ7に入力される。
【0031】
前記コントローラ7は、前記入力機器20から入力された目標イメージ21を実行イメージiとし、該実行イメージiに対応するオン信号又はオフ信号を割り付けるデータ処理部7aと、該割り付けられたオン,オフ信号に基づいて前記各電磁弁6を開,閉させるデータ出力部7bとを有する。即ち、各電磁弁6を、実行イメージiを形成する流線の長さに対応する時間だけ開とする。
【0032】
本実施例の壁面ディスプレイ装置1では、操作者が入力機器20のディスプレイモニタ20aに「A」という目標イメージ21を描いて送信すると、これがコントローラ7に入力され、この目標イメージ21はデータ処理部7aにより実行イメージiとして処理される。
【0033】
具体的には、図3において、例えば電磁弁4′は、第1期間t1はOFF、第2期間t2はON、第3期間t3はOFF、第4期間t4はON、第5期間t5はOFFとされ、前記ON期間に対応する流線w1′、w2′が形成される(図1参照)。同様に電磁弁4′′は、第1期間t1′はOFF、第2期間t2′はON、第3期間t3′はOFFとされ、前記ON期間に対応する流線w1′′が形成される(図1参照)。
【0034】
このように各ノズル4に連なる電磁弁6を開閉することで、該ノズル4から噴出され、描画壁面2aに沿って流下する流線により目標イメージ21の「A」に対応する実行イメージiが描画壁面2a上に形成されることとなる。
【0035】
そして前記各ノズル4から噴出された水の一部が各凹部2b内に流入し、該凹部2b内で渦状に掻き混ぜられることにより空気の泡が発生する。この泡が外部から見ると白濁状に見え、これにより描画壁面2a上に「A」が浮かび上がるように見える。
【0036】
このように本実施例装置1によれば、水が貯留されたタンク3と、該タンク3の下方に起立配置された描画壁2と、該描画壁2の描画壁面2aに水を噴出させる多数のノズル4と、該各ノズル4に前記タンク3内の水を供給する供給通路5に介設された電磁弁6と、該各電磁弁6を目標イメージ21に応じて開閉制御するコントローラ7とを備え、水を前記描画壁面2aに沿って流下させると共に、各ノズル4の水の噴出開始・終了タイミングを目標イメージ21である「A」に応じて変化させることにより前記描画壁面2a上に実行イメージiを形成するようにしたので、壁面ディスプレイ装置1の設置場所や環境の如何に関わらず水の流下による独創的,創造的な実行イメージiを常に安定した状態で形成することができる。
【0037】
本実施例では、前記描画壁面2aに水の落下方向と直交する方向に延びる多数の凹部2bを等間隔をあけて形成したので、各ノズル4から落下する水の一部が凹部2bに流入することで空気の泡が発生し、これが外部から見ると白濁状の滝に見えることから、上述のように滝面に「A」が浮かび上がるように見える。これにより、従来にはない独創的な外観を提供することができ、見栄えを大幅に向上させることができる。
【0038】
また前記各凹部2bを通過することで水の落下速度が一定となるので、より安定した実行イメージiを形成することが可能となる。
【0039】
ここで、前記実施例では、描画壁面2aに「A」からなる目標イメージ21を形成したが、例えば図4に示すように、「円」からなる実行イメージi′や「四角形」を上,下に交互に配置した実行イメージi′′を形成することも勿論可能である。
【0040】
なお、前記実施例では、描画壁面2aに単に水を流すことで実行イメージiを形成するようにしたが、本発明における実行イメージiの形成方法には、各種の変形例が考えられる。例えば、前記描画壁面2aを、水が接触すると該接触部分又は描画壁面2a全面が変色する材料で形成してもよい。このように構成した場合には、流下する水の背景となる描画壁面の色が変化することから、見栄えをより一層向上させることができる。
【0041】
また前記描画壁2の描画壁面2aの背面部に照明器具を配設し、光を落下する水に照射するようにしてもよく、このようにした場合には見栄えを大幅に向上できる。
【0042】
また前記実施例では、凹部2bを等間隔ごとに水平に延びる溝状に形成したが、この凹部は、必ずしも等間隔ごとに形成する必要はなく、ランダムに形成しても構わない。
【0043】
また、前記凹部は、溝状に限られるものではなく、図5に示すように、多数の凹み単体2b′を描画壁面2aに、ランダムに、あるいは規則性をもって形成しても良い。なお、図5では、凹み単体2b′は、実行イメージiに対応する部分のみに簡略的に記載されているが、この凹み単体2b′は、正確には描画壁面2a全面に形成されている。
【0044】
さらにまた、前記実施例では、描画壁面上を流下する液体が水である場合を説明したが、本発明における液体は、水に限定されない。
【符号の説明】
【0045】
1 壁面ディスプレイ装置
2 描画壁
2a 描画壁面
2b 凹部
4 ノズル
5 供給通路
6 電磁弁(開閉弁)
7 コントローラ(制御装置)
21 目標イメージ
図1
図2
図3
図4
図5