特許第6472090号(P6472090)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6472090特定の坪量範囲と組合された低い厚さ変動を有する炭素糸で特に作られる生地
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472090
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】特定の坪量範囲と組合された低い厚さ変動を有する炭素糸で特に作られる生地
(51)【国際特許分類】
   D03D 1/00 20060101AFI20190207BHJP
【FI】
   D03D1/00 A
【請求項の数】18
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-560749(P2015-560749)
(86)(22)【出願日】2014年3月6日
(65)【公表番号】特表2016-514218(P2016-514218A)
(43)【公表日】2016年5月19日
(86)【国際出願番号】FR2014050508
(87)【国際公開番号】WO2014135805
(87)【国際公開日】20140912
【審査請求日】2017年3月3日
(31)【優先権主張番号】1352122
(32)【優先日】2013年3月8日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】509341374
【氏名又は名称】ヘクセル ランフォルセマン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベロー、ジャン − マルク
(72)【発明者】
【氏名】ブリュイエール、アラン
【審査官】 平井 裕彰
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0237707(US,A1)
【文献】 特開2001−316971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D03D1/00〜27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦糸及び横糸からなる生地であって、以下の特徴の組合せ、すなわち、
− 40g/m以上で且つ100g/m未満の坪量、及び、35μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、
− 100g/m以上で且つ160g/m以下の坪量、及び、50μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、
− 160g/mより大きく且つ200g/m以下の坪量、及び、60μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、又は、
− 200g/mより大きく且つ400g/m以下の坪量、及び、90μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差
のうちの1つの組合せを特徴とし、
前記縦糸及び/又は前記横糸は、フィラメントのセットからなり、前記縦糸及び前記横糸は、どんなポリマー結合剤によっても、含浸されないし、コーティングされないし、連結されず、それぞれの縦糸及び横糸の中の前記フィラメントは、前記糸内で他のフィラメントに相対的に自由に移動することができることを特徴とする、生地。
【請求項2】
互いに同一である縦糸からなる、互いに同一である横糸からなる、また好ましくは全て同一の縦糸及び横糸からなることを特徴とする、請求項1に記載の生地。
【請求項3】
好ましくは少なくとも99質量%だけ炭素糸からなる、又は、もっぱら炭素糸からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の生地。
【請求項4】
40g/m以上で且つ100g/m未満の坪量、35μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、及び、0〜1%の平均開口率を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の生地。
【請求項5】
せいぜい1%の開口率変動を有することを特徴とする、請求項4に記載の生地。
【請求項6】
200〜3,500Tex、また好ましくは、200〜1,700Texのタイターを有する糸からなることを特徴とする、請求項4又は5に記載の生地。
【請求項7】
100g/m以上で且つ160g/m以下の坪量、50μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、及び、0〜0.5%の平均開口率を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の生地。
【請求項8】
せいぜい0.5%の開口率変動を有することを特徴とする、請求項7に記載の生地。
【請求項9】
160g/mより大きく且つ200g/m以下の坪量、60μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、及び、0〜0.5%の平均開口率を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の生地。
【請求項10】
せいぜい0.5%の開口率変動を有することを特徴とする、請求項9に記載の生地。
【請求項11】
200〜3,500Tex、また好ましくは、400〜1,700Texのタイターを有する糸からなることを特徴とする、請求項7から10までのいずれか一項に記載の生地。
【請求項12】
200g/mより大きく且つ400g/m以下の坪量、90μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、及び、0〜0.1%の平均開口率を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の生地。
【請求項13】
せいぜい0.1%の開口率変動を有することを特徴とする、請求項12に記載の生地。
【請求項14】
200〜3,500Tex、また好ましくは、800〜1,700Texのタイターを有する糸からなることを特徴とする、請求項12から13までのいずれか一項に記載の生地。
【請求項15】
前記平均開口率及び前記開口率変動は、305×915mmの生地の表面にわたって分配された60回の開口率測定を行うことによって測定されることを特徴とする、請求項4から14までのいずれか一項に記載の生地。
【請求項16】
少なくとも100cmの幅、特に、100〜200cmの幅を有することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか一項に記載の生地。
【請求項17】
前記厚さ標準偏差は、305×305mmの表面にわたって分配された25回の点状測定を行うことによって、互いの上に堆積され、同じ方向に配向され、9.72×10パスカル(972mbar)+/−3×10パスカル(3mbar)の圧力下に置かれた3つの同一生地の積重体に関して測定されることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか一項に記載の生地。
【請求項18】
ウェブ、あや織り、バスケット織り、又はサテンタイプのアーキテクチャを有することを特徴とする、請求項1から17までのいずれか一項に記載の生地。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、より低い坪量(basis weight)を得るために、繊維シートの厚さの均一化及び/又はこうした繊維シートの延反を可能にする機械の技術分野に関する。特に本発明は、こうしたシートの厚さの均一化を可能にする方法及び機械、並びに、こうした方法を適用することによって得られることができる生地に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料の分野において、本出願人は、制御された最終的な機械的特性を有する部品を得るために、できる限り均一な厚さを有する織物生地シートを提案することに関心があった。従来通り縦糸(warp yarn)及び横糸(welf yarn)の交錯(interlacing)からなる生地の場合、後者は特に難しい。
【0003】
複合物用の補強材は、異なる方法によって樹脂の添加と共にもっぱら使用される。したがって、最終的な複合部品の幾何形状は、使用される補強材の厚さから直接得られる。そして、より薄い補強材がその繊維をより少ないリップル(ripple)でよりよく配向させるため、より薄い補強材の使用がより軽い複合部品及びよりよい性能を提供することが明らかである。明らかでないが、同様に本当であることは、これらの補強材が、時として重要な積重体において同様に使用される場合、得られる複合部品の幾何形状をとり信頼性があり頑健にするために、厚さのばらつきを最低限まで減少させることが必要であることである。折畳み(fold)の個々の変動が徐々に蓄積するにつれて、補強材の厚さの大きな変動が、真空注入等の方法の使用中に最終部品の厚さの強い変動を不可避的にもたらすことになる。
【0004】
種々の文書が生地の延反(spreading)に関心を持つが、適用される延反が、得られる延反織物シートが有する厚さ、特に厚さ偏差に及ぼし得る影響を述べていない。文書、米国特許第4,932,107号、米国特許第5,732,748号、欧州特許第670921号、国際公開第2005/095689号、及び国際公開第94/12708号に言及することができる。薄織物(tissue)が、その幅上で均一な厚さ及び開口率を持った状態で織機(weaving machine)を出ないことを留意することが重要である。実際には、織込み(weaving)の実際の原理は、当業者によく知られている織縮み(shrinkage)現象を誘発する。この織縮みは、織込みの前及び後の縦糸シートの幅の減少である。これは、縦糸と横糸の交錯作用による。後者は、縦糸の上及び下でのリップルのせいで、より短い最終距離をカバーする。これの結果は、織機のコームを出るとすぐのシートの幅の減少である。この織縮みが横糸のリップルに関連するため、横糸が、エッジの近くでより自由に移動し、近傍の少数の縦糸によってゆるく保持されることによって、薄織物は、生地の幅にわたって均一でない。横糸がブロックされず、より自由であるため、これらの糸のエッジは、したがって、より多くリップルを形成し、これの結果は、より大きな厚さ、また一般に、より大きな開口率を生じる。エッジと中間との間の厚さの差は、生地の坪量と共に増加する。
【0005】
エッジの過剰厚現象が、最後の縦糸をブロックするために生地のエッジで使用される一般に熱可塑性の辺糸(selvage yarn)の使用によって非常に局所的に増大されることも留意されるべきである。
【0006】
織込み後に延反される、従来技術で提案される全ての生地は、適用される延反技法のせいで、必ず著しい厚さのばらつきを有する。特に、文書、米国特許第4,932,107号において、生地のどんな幅についても、延反後の縦糸及び横糸の平均幅についても、生地に関する開口率の均一性についても言及されない。ここで、全てのこれらの要素は、延反後に得られる生地のほぼ均一な厚さを決定する。本特許で提案される実例が考慮される場合、200g/cmの張力が1.5mの幅を有する生地に適用される場合に、ローラにかかる張力の値は150×200=30,000、すなわち30,000gであることになる。この値は、ローラの撓みを生成するのに十分であり、エッジ上での圧力が高いため、ローラの軸間の平行度、したがって、生地上での均一な圧力を得ることを妨げる。ローラの径に関連して処理される生地の幅及びその長さの制限がもたらされる。この困難さを回避しようとして、撓みを制限するため、ローラの径の増加を企図することができるが、この場合、後者の慣性が、その後有意になり、振幅及び周波数を得るために必要とされるエネルギーが比例して増加することになる。更に、米国特許第4,932,107号が、その実例3Bにおいて、60mmの径を有する単一上側振動ローラと共に125mmの径を有する2つのローラを適用し、その特許が、一方で満足のいく延反を、他方で厚さの均一性を得る可能性を与えないことを留意することができる。より一般的に、従来技術で記載される、生地を延反するための全ての技法は、生地が有する厚さの初期の差に適応する可能性を与えず、したがって、満足のいく延反及び厚さの均一性を得る可能性を与えない。
【0007】
第1の工程が、ポリマー結合剤によって圧密化された低坪量を有するシートの形成であり、その後、生地を形成するための交錯を生成する、2つの工程で作られる生地もまた存在する。こうした生地は、シートの予備圧密化のせいで、適用中の変形の観点から可能性が小さい。更に、使用されるポリマー結合剤は、最終複合部品の湿熱応力(hygrothermal stress)下でのシートの要件に適合しない場合がある。
【0008】
より一般的な文脈において、文書、米国特許出願第2007/066171号及び米国特許出願第2004/142618号に言及することができ、その文献は、乾燥形態での補強糸の生地を記載し、その厚さのばらつきに関するデータが提供されない。厚さのばらつきは、先に示されたように、こうした生地を作るための利用可能な方法を考慮して、暗黙的に重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,932,107号
【特許文献2】米国特許第5,732,748号
【特許文献3】欧州特許第670921号
【特許文献4】国際公開第2005/095689号
【特許文献5】国際公開第94/12708号
【特許文献6】米国特許出願第2007/066171号
【特許文献7】米国特許出願第2004/142618号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この文脈において、本発明は、上述した問題及び従来技術で遭遇する問題に対処すること、及び、低い厚さ変動を得るために、また、更に大きな幅のシートに関して低い厚さ変動を得るために、延反作業に続いて、得られる織物シートの厚さを簡単に制御する可能性を与える新規な方法及び新規な機械を提供することを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本文脈において、本発明は、少なくとも縦糸を含む織物シートを、
− シートが少なくとも2つの回転ローラ間で走行させられ、その回転ローラの軸が、互いに平行に延在し、シートの走行方向に実質的に垂直であり、
− シートが、軸方向振動状態で且つ位相が逆になるよう駆動されるローラ用の少なくとも1つの圧力発生部の間の圧力下で通過する
ように延反するための方法を述べる。
【0012】
本発明によれば、ローラ用の圧力発生部は、低い厚さ変動を有するシートを延反するために、前記発生部に沿って調整可能な圧力値を持つように生成される。
【0013】
本発明の範囲内で、シートの幅に無関係に均一な厚さを得るため、シートに対する均一な圧力の印加を保証することも可能である。そのため、ローラは、圧力発生部に沿って材料に均一な圧力を印加するため、シートの異なる厚さを考慮することによって、シートの中央と端部との間で印加圧力を調節する。通常、シートの中央に印加される圧力は、シートの中央部分に比べてシートのエッジ上でのシートの大きい厚さを考慮するため、そのエッジに印加される圧力より大きい。
【0014】
好ましい実施例によれば、ローラのうちの1つのローラは、可撓性があるように作られ、他のローラは剛性があるように作られ、ローラの軸に沿って分配される局在化支持体は、この可撓性ローラに、実質的にその軸に垂直に、また、調整可能な値を用いて影響を及ぼし、調整可能な圧力値を有する発生部を生成する。そのため、可撓性ローラは、応力なしでそれ自体を自動的に位置決めし、それにより、シートに印加される圧力を調節することができる。この場合、好ましくは、方法は、特に、可撓性ローラの軸に沿って局在化支持体の位置を調整すること、及び/又は、可撓性ローラの軸に沿って局在化支持体を規則的に分配することからなる。
【0015】
先の実施例と組み合わせることができる好ましい実施例によれば、方法は、特に、局在化支持体を、せいぜい織物シートの全幅にわたって分配することからなる。
【0016】
先の実施例と組み合わせることができる別の好ましい実施例によれば、方法は、特に、織物シートが、回転状態で且つ振動状態になるよう同期駆動される両方の剛性ローラの調整可能な局在化された圧力値を用いて、2つの圧力発生部の間で可撓性ローラの円周上をたどって通過するようにさせることからなる。この場合、好ましくは、方法は、織物シートが、可撓性ローラの円周の1/6と1/3との間を通過するようにさせることからなる。そのため、走行する織物シートに対する印加張力なしで済ますことが可能である。更に、これは、織物シートと剛性ローラとの間で、両方の圧力発生部に沿って全体に、織物シート上で調整可能な圧力を得ることを容易にする。ただし、米国特許第4,932,107号の場合と同様に、もはやローラをカバーしない織物シートを通過させるこの方法が、両方の剛性ローラに対する一連の剛性支持の付加を可能にし、それにより、剛性ローラの撓みが回避される場合に限る。一方、この通過方法はまた、可撓性ローラ上での局在化支持体の位置決めを容易にする。
【0017】
先の実施例と組み合わせることができる別の好ましい実施例によれば、方法は、圧力発生部(複数可)の間でのこの通過中に織物シートの加熱を含む。
【0018】
先の実施例と組み合わせることができる別の好ましい実施例によれば、方法は、縦糸と横糸であって、それぞれが、前記糸内で互いに相対的に自由に移動することができるフィラメントのセットからなる、縦糸と横糸を含む生地を、織物シートとしてもたらすことからなり、延反は、縦糸及び横糸上で生成される。
【0019】
本発明はまた、少なくとも縦糸からなる織物生地を延反するための機械について述べ、機械は、
− 少なくとも2つの回転ローラであって、その軸が、互いに平行に、且つ、両方のローラの間で境界を定められた圧力発生部に垂直に延在する、少なくとも2つの回転ローラと、
− 回転モータ−少なくとも1つのローラ用のドライブと、
− 位相が逆で軸方向振動状態になるようにローラを駆動するためのシステムと
を含む。
【0020】
本発明によれば、機械は、低い厚さ変動を有する織物生地を延反するために、圧力発生部であって、前記発生部に沿って分配された調整可能な圧力値を有する、圧力発生部を生成するためのシステムを含む。
【0021】
本発明による機械は、以下の特徴の1つ、又は、以下の特徴が互いに排除しあわないとき、以下の特徴を全て含み、以下の特徴とは、
− 圧力発生部を生成するためのシステムは、回転ローラの中から、可撓性ローラ、及び、調整可能な圧力を有する一連の局在化支持体であって、可撓性ローラの軸に沿って分配され、少なくとも1つの剛性ローラによって支持される可撓性ローラに作用する、一連の局在化支持体を含む、
− 局在化支持体は、可撓性ローラの軸に沿ってその位置を調整するためのデバイスを装備する、
− 局在化支持体は、軸方向変位を有する回転部材によって可撓性ローラにその圧力を加える、
− 可撓性ローラは、その軸が互いに平行に延在する2つの剛性ローラ、調整可能な局在化圧力値を有する2つの圧力発生部によって境界を定め、これらの発生部は共に、可撓性ローラの円周の1/6と1/3との間の距離だけ分離される、
− ローラは30mmと60mmとの間である径を有する、
− 機械は、各剛性ローラについて、一連の剛性支持体を含み、一連の剛性支持体はそれぞれ、シャシに取付けられたクレードルを含み、2つの支持分岐部を有し、2つの支持分岐部はそれぞれ、剛性ローラの軸に沿う回転運動及び併進運動を有する剛性ローラ用の回転部材を装備する、
− 軸方向振動状態で且つ位相が逆の状態になるようにローラを駆動するためのシステムは、トランスミッションによって同期駆動するモータ、180°だけシフトした2つのカムシャフトを含み、2つのカムシャフトの一方のカムシャフトは可撓性ローラの端部の一方に作用し、他のカムシャフトは剛性ローラ(複数可)の端部の一方に作用し、ローラの他の端部は弾性システムによって付勢され、弾性システムは、振幅、及び、可撓性ローラと両方の剛性ローラとの間で位相が逆の状態での運転の完全な制御を保証する可能性を与える、
− 機械は、可撓性ローラを持上げるためのシステムを含み、可撓性ローラの端部は、プレートを備え、プレートの一方のプレートに弾性システムが作用し、プレートの他のプレートにカムシャフトが作用し、
− 機械は、圧力発生部の間で織物シートを通過させると、織物シートを加熱するためのシステムを含む
である。
【0022】
したがって、こうした方法及びこうした機械は、生地、本発明の目的にアクセスすることを可能にする。
【0023】
実際には、本発明の目的は、以下の特徴の組合せのうちのいずれか1つの組合せを特徴とする、低い厚さのばらつきを有する縦糸と横糸からなる生地であり、以下の特徴の組合せとは、
− 40g/m以上で且つ100g/m未満の坪量、及び、35μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、
− 100g/m以上で且つ160g/m以下の坪量、及び、50μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、
− 160g/mより大きく且つ200g/m以下の坪量、及び、60μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、又は、
− 200g/mより大きく且つ400g/m以下の坪量、及び、90μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差
である。
【0024】
本発明による生地において、縦糸及び/又は横糸は、フィラメントのセットからなり、前記フィラメントは、同じ糸内で互いに相対的に自由に移動することができる。これは、本発明による生地を、本発明による方法によって得ることができるからである。従来の技法と違って、本発明による方法は、こうした特徴の組合せを有するこうした生地に対するアクセスを提供する。少なくとも100cmの幅、特に、100〜200cmの幅を有するこうした生地を得ることが可能である。したがって、本発明による生地は、大きな幅、及び、非常に長い長さであって、例えば、利用可能な糸の長さとほぼ同等の、すなわち、数百又は数千メートルの、非常に長い長さを有する。
【0025】
本発明の範囲内で提案される生地は、厚さ変動が低いため、複合部品によりよく制御された幾何形状を与え、より頑健なグローバル製造方法をもたらすことになる。
【0026】
厚さ標準偏差によって、平均に対する偏差の2乗平均(quadratic average of the deviation)、すなわち、
【0027】
【数1】

が意味される。ここで、
n=同じ方向に配向する3つの同一の生地の積重体の厚さの測定の値の数、すなわち、一方で縦糸、他方で横糸が積重体内で同じ方向に配向する、
=3つの同一の生地の積重体の厚さの測定値、
【0028】
【数2】

=3つの同一の生地の積重体の厚さ測定値の算術平均。
【0029】
測定される生地の単位折畳みが非常に薄いため、3回折畳みの積重体に関して厚さ標準偏差を測定することがより代表的であるように見える。
【0030】
本発明の範囲内で、標準偏差は、互いの上に堆積され、同じ方向に配向され、9.72×10パスカル(972mbar)+/−3×10パスカル(3mbar)の圧力下に置かれた同じ生地の3回折畳みの積重体に関して、また、例えば生地の縦糸に平行に延在する正方形の辺のうちの1つの辺に関して、特に、305×305mmの表面にわたって分配された25回のワンオフ(one−off)厚さ測定から得ることができる。実例で述べる方法を使用することができる。
【0031】
有利には、本発明の範囲内で規定される生地は、互いに同一の縦糸及び互いに同一の横糸、並びに、好ましくは、全て同一である縦糸と横糸からなる。特に、本発明の範囲内で規定される生地は、好ましくは少なくとも99質量%だけマルチフィラメント補強糸、特にガラス、炭素糸、又はアラミド糸からなる、又は、もっぱらマルチフィラメント補強糸、特にガラス、炭素糸、又はアラミド糸からなり、炭素糸が好ましい。本発明による生地の例として、タフタ(taffeta)、あや織り(twill)、バスケット織り(bascket weave)、又はサテン(satin)とも呼ばれるウェブのタイプのアーキテクチャ(architecture)を有する生地に言及することができる。
【0032】
特に、本発明は、
− 40g/m以上で且つ100g/m未満の坪量、35μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、及び、0〜1%の平均開口率(openess factor)を有する生地。有利には、こうした生地は0〜1%の開口率変動を有する。本発明の範囲内で、得られる延反は、200〜3,500Tex、また好ましくは、200〜800Texのタイター(titer)を有する糸、特に炭素糸を有するこうした生地を得る可能性を与える。
− 100g/m以上で且つ160g/m以下の坪量、50μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、及び、0〜0.5%の平均開口率を有する生地。有利には、こうした生地は、せいぜい0.5%の開口率変動を有する。本発明の範囲内で、得られる延反は、200〜3,500Tex、また好ましくは、400〜1,700Texのタイターを有する糸、特に炭素糸を有するこうした生地を得る可能性を与える。
− 160g/mよい大きく且つ200g/m以下の坪量、60μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、及び、0〜0.5%の平均開口率を有する生地。有利には、こうした生地は、せいぜい0.5%の開口率変動を有する。本発明の範囲内で、得られる延反は、200〜3,500Tex、また好ましくは、400〜1,700Texのタイターを有する糸、特に炭素糸を有するこうした生地を得る可能性を与える。
− 200g/mより大きく且つ400g/m以下の坪量、90μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、及び、0〜0.1%の平均開口率を有する生地。有利には、こうした生地は、せいぜい0.1%の開口率変動を有する。本発明の範囲内で、得られる延反は、200〜3,500Tex、また好ましくは、800〜1,700Texのタイターを有する糸、特に炭素糸を有するこうした生地を得る可能性を与える。
【0033】
開口率は、材料によって占められない表面積と観測される総合表面積との比として規定することができ、その観測は、材料の下からの照明によって生地の上部から行うことができる。開口率(OF:openess factor)はパーセンテージで表される。例えば、OFを、実例で述べる方法に従って測定することができる。
【0034】
開口率変動によって、測定される開口率と平均開口率との間で得られる差の絶対値の最大(maximum difference in absolute value)が意味される。したがって、変動は、開口率のように%で表される。
【0035】
平均開口率は、例えば、305×915mmの生地の表面にわたって分配された60回の開口率測定から得ることができる。その分配は、例えば、開口率測定の1/3を生地の幅の第1の1/3にわたって、開口率測定の1/3を生地の中央部分に対応する生地幅の第2の1/3上に、そして、開口率測定の1/3を生地幅の第3の部分上に分配することによって達成することができる。
【0036】
平均開口率によって、60の測定開口率(OF)値の算術平均が意味される。
【0037】
平均開口率=(OF1+OF2+OF3+…+OF60)/60
【0038】
次に続く詳細な説明は、添付図面を参照して、本発明がよりよく理解されることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明による延反機械の略正面図である。
図2図1に示す延反機械の横断面図である。
図3】可撓性ローラの持上げられた位置における、本発明による延反機械の略正面図である。
図4A】延反する前に示された生地の実例の平面図である。
図4B】延反した後に示された生地の実例の平面図である。
図5】本発明による延反機械によって適用される延反原理を概略的に示す可能性を与える図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1〜3は、少なくとも縦糸3を含む織物シート2を低い厚さ変動を持って延反するために適合される、本発明による延反機械1の例示的な実施例を概略的に示す。従来通り、織物シートは、糸及び縦糸からなるシート材料を意味し、糸は、機械上でシートの走行軸に沿って延在する。織物シートは、一方向シート又は生地とすることができる。図4A及び4Bに示す実例において、シート2は、縦糸3と横糸4を含む生地であり、それぞれの縦糸3及び横糸4はフィラメントtのセットからなる。好ましい実施例によれば、本発明による延反機械1は、織機(weaving machine)の出口で且つシートを巻上げるためのシステムの入口に設置される。延反されるシートが、織機と一直線で直接位置決めされない巻戻しシステムからもたらされるようにすることもできる。
【0041】
延反機械1は、少なくとも1つの第1の回転ローラ5及び少なくとも1つの第2の回転ローラ6、そして、示す実例において、第3の回転ローラ7を含む。回転ローラ5、6、及び7は、軸Aを有し、軸Aは、互いに平行で、シート2の走行方向f1に垂直か又は縦糸3に垂直に延在する。第1のローラ5及び第2のローラ6は、両者の間に、第1のローラ5と第2のローラ6との間を通過するシート2用の第1の圧力発生部G1の境界を定める。同様に、図面で示す実例において、第1のローラ5及び第3のローラ7は、両者の間に、第1のローラ5と第3のローラ7との間を通過するシート2用の第2の圧力発生部G2の境界を定める。もちろん、ローラの長さは、延反されるシート2の幅に適合して、シート2の幅より大きい長さを有する。通常、ローラの長さは、1mと2mとの間である。
【0042】
本発明の有利な特徴によれば、ローラ5、6、及び7は、両方の圧力発生部G1及びG2が第1のローラ5の円周の1/6と1/3との間の距離だけ分離されるように位置決めされる。換言すれば、シート2は、もっぱら第1のローラ5の円周の1/6と1/3との間で第1のローラ5と接触状態になる。
【0043】
好ましい代替の実施例によれば、第2のローラ6及び第3のローラ7は、水平面内で並んで位置決めされ、一方、第1のローラ5は、中央で且つ第2のローラ6及び第3のローラ7の上に位置決めされる。
【0044】
本発明による延反機械1はまた、第2のローラ6及び第3のローラ7を、軸Aの周りで回転状態になるよう且つ同じ回転方向に沿うよう同期駆動することを保証するためのモータドライブ10を含む。示す実例において、モータドライブ10は、第2のローラ6及び第3のローラ7の回転速度を同期制御するために制御される電気モータ11を含む。電気モータ11の出力シャフトは、トランスミッションベルト12と協働し、トランスミッションベルト12は、第2のローラ6及び第3のローラ7の第1の端部に軸方向に留められるように搭載されたシャフト14によって支持されたプーリ13を回転状態になるよう駆動する。
【0045】
示す実例において、第1のローラ5は、モータドライブ10によって回転状態になるように駆動されない。第1のローラ5は、シート2の走行する力及びローラ6、7によって、回転状態になるように駆動される。もちろん、モータドライブ10が、同様に、第1のローラ5を回転状態になるように駆動することを想定することが可能である。
【0046】
本発明による延反機械1はまた、ローラ5、6、及び7を、それぞれ軸Aに沿って軸方向振動状態になるように駆動するためのシステム15を含む。より具体的には、駆動システム15は、軸方向振動状態になるよう完全に同期される第2のローラ6及び第3のローラ7に対して位相が逆の状態で第1のローラ5の軸方向振動を可能にする。図面に示す実例において、駆動システム15は、ベルト等のトランスミッション17によって、第1のカムシャフト19及び第2のカムシャフト20を同期駆動する電気モータ16を含み、ローラに軸方向力を加える可能性を与える。このことが図1から明確に明らかになるため、カムシャフト19及び20のカムは、180°に等しい値だけ互いから角度的にシフトされる。
【0047】
第1のカムシャフト19は、第1のローラ5の第2の端部、より具体的には、第1のローラ5から軸方向に延在するシャフト21の横断面に作用する。有利な代替の実施例によれば、第1のカムシャフト19は、シャフト21によって支承されるプレート21aによってシャフト21に作用する。そのため、第1のローラ5が垂直に移動するときでも、カムシャフト19はシャフト21に軸方向力を加え続ける。これは、説明の続きの中でより詳細に説明される。
【0048】
第2のカムシャフト20は、第2のローラ6の第2の端部に作用し、また、示す実例において、同様に第3のローラ7の第2の端部に作用する。この示す代替法によれば、第2のローラ6及び第3のローラ7は、その第2の端部において、シャフト22であって、シャフト22の横断面を通して、カムシャフト20と接触状態にある、シャフト22を軸方向に装備し、カムシャフト20は、第2のローラ6及び第3のローラ7の同期化された軸方向振動を保証する。そのため、第2のローラ6及び第3のローラ7は、完全に同期化された軸方向振動を有する。
【0049】
第1、第2、及び第3のローラ5、6、及び7の第1の端部は、弾性システム25によって付勢され、弾性システム25は、第1、第2、及び第3のローラ5、6、及び7の第2の端部に対してカムシャフト19、20によって加えられる作用を補償することになる。示す例示的な実施例において、弾性システム25は、一方で支持体28と、他方で第1のローラ5の第1の端部から軸方向に延在するそれぞれのシャフト14及び29との間に挿入されたベルビル・ワッシャ(Belleville washer)の積重体を含む。有利な代替の実施例によれば、ベルビルばねワッシャ25の積重体は、シャフト29によって支承されたプレート29aによってシャフト29に作用する。そのため、第1のローラ5が垂直に移動するときでも、ベルビルばねワッシャ25の積重体はシャフト29に軸方向力を加え続ける。これは、説明の続きの中でより詳細に説明される。
【0050】
上述した駆動システム15は、一方で第1のローラ5と、他方で第2のローラ6及び第3のローラ7との間で、位相が逆の状態での運転の振幅についての完全な制御を保証する可能性を与える。更に、この解決策は、カムシャフトとローラとの間の機械的遊びが抑制されるため、摩耗現象にもかかわらず、ローラの所望の移動を保証する可能性を与える。
【0051】
もちろん、軸方向振動周波数は、電気モータ16の調整によって、例えば、5〜50Hzまで調整可能である。通常、ローラの軸方向振動の振幅は0.5mmのオーダである。
【0052】
延反機械1はまた、第2及び第3のローラ6、7について、一連の剛性支持体31を含み、ローラの回転運動及び振動運動を可能にしながら、撓みなしでローラを支持する可能性を与える。示す実例において、各剛性支持体31は、好ましくは地面に強固に固定されたシャシ33に強固に取付けられたフォーク又はクレードル32を含む。そのため、各フォーク又はクレードル32は、それぞれローラ6、7用の回転部材35を装備する2つの支持分岐部34を有し、それらは共に、回転運動及び振動運動を受けることができる。図1に示す実例において、4つの剛性支持体31がローラを支持する。もちろん、剛性支持体31の数は、ローラの長さに応じて特に異なる場合がある。
【0053】
本発明によれば、延反機械1は、低い厚さ変動を有するシート2を延反するために発生部(複数可)に沿って分配された調整可能な圧力値を有する、第1の圧力発生部G1、そして示す実例において、同様に、第2の圧力発生部G2を含む。換言すれば、システム40は、低い厚さ変動を有するシートを延反することを目指して、シートの初期の厚さの差を考慮しながらシートに均一な圧力を印加するため、これらの圧力発生部G1、G2に沿って自在に圧力を調節することを可能にする。
【0054】
好ましい実施例によれば、システム40は、第1のローラ5として可撓性ローラと、可撓性ローラ5の軸に沿って分散され可撓性ローラ5に作用する調整可能な圧力を有する一連の局在化支持体42とを含む。これが図2からより具体的に明らかになるように、第1のローラ5は、その端部の両方において誘導軸受がないという意味で、その軸Aに沿って撓み可能な方法で搭載される。
【0055】
そのため、可撓性ローラ5は、2つの他のローラ6と7との間で、応力なしでそれ自体を自動的に位置決めすることができる。逆に、第2及び第3のローラ6及び7は、シャシ33によって撓みなしで支持されるため剛性である。各局在化支持体42は、軸方向変位を有する回転部材43によって可撓性ローラ5にその圧力を加える。そのため、各局在化支持体42は、可撓性ローラ5の回転運動及び軸方向振動を許容しながら、可撓性ローラ5の軸に垂直な、実質的に垂直な加圧力(pressure force)を加えることができる。例えば、各局在化支持体42は、圧力アクチュエータ44であり、そのロッドは回転部材43を装備する。各圧力アクチュエータ44は、図示しないがそれ自体知られている制御ユニットに接続され、可撓性ローラ5に加えられる圧力の調整を可能にする。図1に示す実例において、延反機械1は4つの圧力アクチュエータを含む。もちろん、圧力アクチュエータ44の数は異なる場合がある。
【0056】
有利な代替の実施例によれば、局在化支持体42は、可撓性ローラ5の軸に沿ってその位置を調整するためのデバイス46を装備する。そのため、局在化支持体42は、可撓性ローラ5の軸に沿って互いに独立に移動して、シート2の選択された全ての位置においてその加圧力を加えることができる。示す実例において、アクチュエータ44は、或る距離から可撓性ローラ5にオーバハングするガントリ45に沿って摺動可能に搭載される。各アクチュエータ44は、図示しないがその全てのタイプが知られている、フレーム上でアクチュエータ本体をロックするためのシステムによって固定位置に配置される。
【0057】
有利な代替の実施例によれば、本発明による延反機械1は、可撓性ローラ5と剛性ローラ6、7との間にシート2を配置するための作業を可能にするため可撓性ローラ5を持上げるためのシステム48を含む。示す実例において、持上げシステム48は、2つのアクチュエータ49であって、アクチュエータ49の本体を通してガントリ45に取付けられた、2つのアクチュエータ49を含み、そのロッド49aは、可撓性ローラ5の両端から延在するシャフト21及び29に作用する。弾性システム25が可撓性ローラ5のシャフト29に作用し、一方、カムシャフト19が、可撓性ローラ5を持上げるための作業中であっても、図3に示す端プレート21a及び29aが存在するため、シャフト21に軸方向力を加え続けることが留意されるべきである。
【0058】
有利な実施例の特徴によれば、本発明による延反機械は、圧力発生部の間をシートが通過する間にシート及びローラを加熱するためのシステム51を含む。加熱システム51は、図示しないがそれ自体知られている高温空気生成ユニットによって生成される高温空気を供給するためのノズル52を含む。この供給ノズル52は、両方の剛性ローラ6と7との間で開口して、可撓性ローラ5に向けて両方の圧力発生部G1とG2との間に位置する可撓性ローラ5の部分に沿って高温空気流を方向付ける。通常、ライスター・タイプ(Leister type)の加熱ユニットが、シート2及びローラを80℃の温度まで加熱することを保証するために使用される。
【0059】
先の説明において、延反機械1は、2つの圧力発生部G1、G2を画定する可撓性ロータ5及び2つの剛性ローラ6、7を含む。もちろん、本発明による延反機械1は、可撓性ロータ5と共に単一圧力発生部G1を画定する単一剛性ローラ6を適用することによって、同様の動作を有することができる。更に、上述した延反機械1は、局在化支持体42として、可撓性ロータ5に加圧力を加えるアクチュエータを含む。調整可能な圧力値を有する圧力発生部を生成することを目指して他の解決策を企図することができる。
【0060】
本発明による延反機械1は、特に、シート2が生地であるときに、縦糸3また同様に横糸4を延反するために適合される。
【0061】
延反方法の適用は、先の説明から直接得られる。
【0062】
シート2を延反するための方法によれば、
− シート2が少なくとも2つの回転ローラ5、6〜7間で走行させられ、その回転ローラの軸Aが、互いに平行に延在し、シートの走行方向に実質的に垂直であり、
− シートが、軸方向振動状態で且つ位相が逆になるよう駆動されるローラの少なくとも1つの圧力発生部G1の間の圧力下で通過させられ、
− ローラ5、6〜7の少なくとも1つの圧力発生部G1が、低い厚さ変動を有するシート2を延反するため、前記発生部に沿って調整可能な圧力値を持つように生成される。
【0063】
したがって、シートの厚さの差を考慮して、可撓性ローラ5がシート2に均一な圧力を印加するよう、シート2の中央とエッジとの間で圧力を調節することが可能であることが理解されるべきである。もちろん、圧力が接触発生部に沿って同一であることを企図することができる。
【0064】
この延反作業中に、シート2は、シート2を引っ張るのに適したシステムによって、実質的に一定の小さな値を有する張力下で維持され、引っ張るのに適したシステムは、圧力ローラから上流及び下流でシート2の移動路上に位置し、例えば上流で現れる場合がある力を、織機の出口でまた下流のシートの巻取り機において補償するために設計される。
【0065】
好ましい代替の実施例によれば、ローラのうちの1つローラ5は可撓性になるよう作られ、他のローラ6〜7は剛性になるよう作られ、ローラの軸に沿って分配され、調整可能な値を有する局在化支持体42は、この可撓性ローラ上でその軸に実質的に垂直に影響を及ぼし、調整可能な圧力値を有する発生部を生成する。そのため、異なる圧力値が、圧力発生部の異なる位置に加えられて、シート2の糸の適切な延反を保証する。
【0066】
本発明の有利な特徴によれば、方法は、圧力が印加される位置を選択的に選択するため、局在化支持体42の位置を調整することからなる。例えば、可撓性ローラの軸に沿って規則的な方法で局在化支持体42を分配することが可能である。しかし、調整は、せいぜいシート2の全幅にわたって局在化支持体42を分配することからなる。実際には、シートの長さによらず、局在化支持体42は、常に、シート2の幅にオーバハングする境界付けされたエリアの内部で作用すべきである。換言すれば、局在化支持体42は、シート2と決して接触しない可撓性ローラのエリアに作用すべきでない。好ましい例示的な実施例によれば、シートのエッジに近いアクチュエータの位置は、これらのエッジから少なくとも50mmの距離にあるように位置決めされる。通常、シートのエッジに近いアクチュエータの位置は、これらのエッジから150mmの距離にあるように位置決めされる。エッジに近いこれらのアクチュエータの両方の間に位置するアクチュエータは、全てのアクチュエータが一定間隔で配置されるように位置決めされる。例えば、アクチュエータの数は、2つの近傍のアクチュエータ間の距離が少なくとも300mmであるように選択される。好ましい代替の実施例によれば、シート2は、調整可能な局在化圧力値を有する2つの圧力発生部G1とG2との間で可撓性ローラ5の円周にわたって通過させられる。これらの発生部は共に、可撓性ローラ5と、同期して回転状態で且つ振動状態にある2つの被駆動剛性ローラ6、7との間で境界を定められる。有利には、シート2は、可撓性ローラ5の円周の1/6と1/3との間で可撓性ローラ5上をたどって通過させられる。
【0067】
本発明の特徴によれば、シート2及びローラは、圧力発生部(複数可)の間を通過する間に加熱される。
【0068】
本発明が、一方向シートの縦糸或いは生地の交錯した縦糸及び/又は横糸を延反する可能性を与えることが先の説明から明らかになる。延反された織物シートは、少なくとも部分的に、従来通りに糸の方向に沿って延在するフィラメントのセットからなる、炭素、ガラス、又はアラミドタイプの補強繊維で形成される。
【0069】
有利には、本発明の範囲内で、延反される織物シートは、もっぱら、縦糸の一方向シート又は縦糸と横糸の交錯からなる生地からなることになる。もちろん、全ての場合に、糸は、糸の互いに相対的な変位を妨げ、糸が延反されることを許容しないことになる縫製(sewing)又は編物(knitting)タイプのどんな結合剤又は機械的結合法によっても互いに留められない。生地の場合、縦糸及び横糸は、織込みによって共に保持されるだけである。特に、縦糸の一方向シートからなる織物シートの場合、縦糸は、炭素、ガラス、又はアラミド糸からなることになる。縦糸と横糸の交錯からなる生地の場合、横糸であって、この場合、熱可塑性材料の糸等、支持体の役割を果たす糸と交錯されることになる、横糸をもっぱら延反すること、又は、縦糸と横糸の両方を延反することが可能である。全ての場合に、本発明による方法において延反されることを意図される糸は、互いに相対的に自由に移動することができるフィラメントのセット、また特に炭素糸からなる。こうした糸は、最初は、円形断面又は好ましくは長方形断面を有する場合があるが、本発明による方法の出口において、加圧力の印加に続いて、長方形断面を有することになる。糸の延反を可能にするため、延反される糸、したがって、本発明による生地の構成糸は、互いに相対的なフィラメントの自由な変位を妨げることになるポリマー結合剤によっても、含浸されないし、コーティングされないし、連結されないことになる。延反される糸は、それでも、せいぜい2質量%を示し得る質量標準サイズ決定レベル(mass standard sizing level)を最もしばしば特徴とする。
【0070】
炭素糸は、フィラメントのセットからなり、また、一般に、1,000〜80,000フィラメント、有利には12,000〜24,000フィラメント、を含む。より好ましくは、本発明の範囲内で、1〜24K、例えば、3K、6K、12K、又は24K、また、好ましくは12及び24Kの炭素糸が使用される。一方向シート内に存在する炭素糸は、60〜3,800Tex、また好ましくは、400〜900Texのタイターを有する。一方向シートは、任意のタイプの炭素糸、例えば、高抵抗(HR:high resistance)糸であって、その糸について、引張り弾性率(tensile modulus)が220GPaと241GPaとの間であり、その糸の引張り破断応力(tensile breaking stress)が3,450GPaと4,830GPaとの間である、高抵抗(HR)糸、中間弾性率(IM:intermediate modulus)の糸であって、その糸について、引張り弾性率が290GPaと297GPaとの間であり、その糸の引張り破断応力が3,450MPaと6,200MPaとの間である、中間弾性率(IM)の糸、及び、高弾性率(HM:high modulus)糸であって、その糸について、引張り弾性率が345GPaと448GPaとの間であり、その糸の引張り破断応力が3,450Paと5,520MPaとの間である、高弾性率(HM)糸によって生成することができる(「ASMハンドブック」、ISBN 0−87170−703−9、ASM International 2001による)。
【0071】
図4Aは、織込みのせいでわずかに異なる幅を有する縦糸と横糸の交錯からなる、延反する前の生地を概略的に示す。これらは、特に、3K炭素糸であるとすることができる。縦糸及び横糸のそれぞれはフィラメントのセットからなる。最初、織物生地の開口率は4%である。
【0072】
図4Bは、本発明による延反方法を適用した後に得られた生地を示す。この生地は、0%のOFレベル並びに異なる幅の縦糸及び横糸を有する。
【0073】
本発明の範囲内で、本発明による方法を受ける前の織物シートが、ゼロ又は非ゼロの開口率を有することが考えられる。最初に、開口率が非ゼロであるとき、本発明による方法を適用することは、開口率の減少をもたらし、それは、織物シートの厚さの均一化を得ることを伴う。最初に、開口率がゼロであっても、非ゼロであっても、本発明による方法を適用することは、生地を構成する糸の厚さの均一化によって生地の厚さの減少をもたらす。
【0074】
本発明は、述べられ示される実例に限定されない。その理由は、本発明の範囲から逸脱することなく、実例に対して多様な修正を提供することができるからである。
【0075】
本発明による方法によって得られる炭素糸生地の実例が、以降で実例として述べられる。
【0076】
厚さの測定に使用される測定方法
I.以下の機器が使用される:
◆レファレンス501902を有するLeybold sytems vacuum pumpからの真空ポンプ
◆3次元測定機(Three−dimensional machine)Tesa「micro−hite DCC 3D」
◆8mmの厚さを有する強化ガラスの光沢プレート(glazed plate)
◆供給業者Umeco、Aerovacからのref.818260F 205℃ ナイロン 6、greenを有する真空カバーフィルム
◆Bidim.AB1060HA 380gsm 200℃ ポリエステル、非圧縮定格(non−compressed rated)厚さ6mm、供給業者Umeco、Aerovac
◆ソフトウェアPC−Dmis V42を有するPC
◆0.06Nの最大トリガーを有するボール・センサΦ3
◆ロブソ(Robuso)タイプの切断ホイール
◆切断テンプレート305×305mm
◆真空ポンプ用の接続
◆供給業者Umeco、Aerovacからの真空ガスケットSM5130
【0077】
II.測定の説明
◆同じ生地の3つのピースの積重体並びに環境を、下部から上部の順序でガラス・プレートに置く:
●bidim(当業者に知られているフェルト)
●同じ方向に生地の積重体、縦糸は305×305mmの正方形のエッジに平行な方向に延在する
●真空カバー
真空レベル(15×10パスカル(15mbar)未満の真空)をチェックする。
◆真空カバー内で最低15×10パスカル(15mbar)だけ減少した圧力を確立して、9.72×10パスカル(972mbar)+/−3×10パスカル(3mbar)の圧力下に積重体を置く。
◆減少した圧力下での生地の積重体の寸法安定性が達成されなければならない。
◆ポイントを採用する前に、少なくとも30分間、この減少した圧力下に積重体を放置する。
◆ジョイスティック(ジョイ・オン・ザ・スティック(joy on the stick))によってマニュアル・モードでテーブル上の物理的ポイント(テーブル上の左上の白ポイント)を取得し、検証し、次に、オート・モード(オート・オン・ザ・スティック(auto on the stick))に切換える。
◆自動モードに切換え、測定が行われるまで待つ。
【0078】
プログラムは、そのトリガー用センサによって25の測定ポイントを採用することを続ける。
【0079】
25の《黒》ポイントの測定が、すなわち、真空カバー及びガラスの厚さを測定するために、3つの生地の積重体なしで繰返される。
【0080】
したがって、積重体ありと積重体なしとの間の高度差測定(differential altitude measurement)によって、積重体上で25ポイントに関して厚さ平均が得られる。
【0081】
開口率測定
開口率が、以下の方法に従って測定された。
【0082】
デバイスは、10倍の対物レンズ、及び、商標Waldmannの発光テーブル、モデルW LP3 NR、101381 230V 50Hz 2×15Wを装備した商標SONYのカメラ(モデルSSC−DC58AP)からなる。測定される試料が発光テーブル上に置かれ、カメラが、ブラケットに取付けられ、試料から29cmに位置決めされ、次に、鮮鋭度が調整される。
【0083】
測定幅は、リング(ズーム)及びルーラによって、分析される織物生地に応じて決定され、ルーラは、開口した織物生地について10cm(OF>2%)、それほど開口していない織物シートについて1.17cm(OF<2%)である。
【0084】
ダイヤフラム及び基準写真(control photograph)によって、光度が、基準写真上で与えられるOF値に対応するOF値を得るように調整される。
【0085】
Scion Image(Scion Corporation、米国)からのコントラスト測定ソフトウェアパッケージVideometが使用される。画像を取込んだ後、画像が以下の方法で処理される。すなわち、ツールによって、例えば10cm−70穴用の選択された較正に対応し、また、整数の数(integer number)のパターンを含む最大表面積が規定される。織物の意味での基本表面(elementary surface)、すなわち、反復によって生地の幾何形状を記述する表面が、その後選択される。
【0086】
生地のアパーチャを通過する発光テーブルの光、パーセンテージとしてのOFは、白い表面積を基本パターンの総表面積で割った比に100を掛けた値によって規定される:100(白い表面積/基本表面)。
【0087】
拡散現象が、穴の見かけのサイズ、したがってOFを修正する場合があるため、光度の調整が重要であることが留意されるべきである。過度の飽和又は拡散現象が目に見えないように中間光度が保持されることになる。
以下の表2に示される坪量、厚さ標準偏差、開口率、開口率変動を有する127cmの幅を有する生地が、表1に規定されるパラメータを使用することによって本発明の方法によって得られることができた。
【0088】
使用された機械は、図1及び2に適合し、60mmの径及び1,700mmの長さのローラを有し、アクチュエータは320mmだけ離間し、端部に位置する2つのアクチュエータは、生地のエッジから155mmだけ離れている。表1は、表2に示す生地についての実例を与え、4つの圧力アクチュエータ44(No.1〜4)の加圧力が、織物シートの走行速度(mm/分)、周波数(Hz)、及び温度(℃)に関して、生地の一方のエッジから他方のエッジまで採用された。これらの例示的な実施例によれば、より大きな力が生地2の中央エリアに印加され、図5に示すように生地の中央とエッジとの間に最初に存在する厚さの差を補償することによって、生地2の良好な延反を可能にする。
【0089】
Hexcel Corporation(米国スタンフォード)によって提供されるAS4 3K糸は、7.1ミクロンのフィラメントを有する200Texのタイターを有する231GPaの引張り弾性率の、4,433Mpaの高破断応力抵抗糸である。
【0090】
Hexcel Corporation(米国スタンフォード)によって提供されるAS4 12K糸は、7.1ミクロンのフィラメントを有する800Texのタイターを有する231GPaの引張り弾性率の、4,433Mpaの高破断応力抵抗糸である。
【0091】
Hexcel Corporation(米国スタンフォード)によって提供されるAS7 12K糸は、6.9ミクロンのフィラメントを有する800Texのタイターを有する241GPaの引張り弾性率の、4,830Mpaの高破断応力抵抗糸である。
【0092】
Hexcel Corporation(米国スタンフォード)によって提供されるIM7 6K糸は、5.2ミクロンのフィラメントを有する223Texのタイターを有する276GPaの引張り弾性率の、5,310Mpaの中間破断応力弾性率を有する糸である。
【0093】
Hexcel Corporation(米国スタンフォード)によって提供されるIM7 12K糸は、5.2ミクロンのフィラメントを有する446Texのタイターを有する276GPaの引張り弾性率の、5,670Mpaの中間破断応力弾性率を有する糸である。
【0094】
一実例として、延反する前のAS4 3Kによる199g/mの組織は、10.5%(生地のエッジで12.5%、生地の中央で6.5%)の平均開口率、すなわち、中央とエッジとの間の開口率の6%のばらつき、及び、0.191mmの平均厚さ(生地のエッジで0.201mm、生地の中央で0.187mm)、すなわち、中央とエッジとの間の12%の厚さのばらつきを有する。非延反生地の3回折畳みの積重体の厚さ標準偏差は0.055mmである。
【0095】
延反した後、この同じ生地の開口率は、平均して0.1%、すなわち、非延反生地と比較して99%の減少になり、0.5%の最大のばらつきを有し、この最大のばらつきは、更に、エッジに関する値の増加によらず、エッジと中央の平均開口率は0.1%に等しい。測定される開口率の大部分は0%に近く、希な場合における0.1%を超え0.5%までの小さな母集団は、0.1%の平均を含み、0.5%の最大のばらつきを有する。延反した後の生地の厚さは0.177mmである、すなわち、非延反生地と比較して8%だけ減少した。延反生地の3回折畳みの積重体の標準偏差は0.030mm、すなわち、非延反生地と比較して45%の増加である。この情報は、以降の表3に集められている。
【0096】
別の一実例として、AS4C 3Kの75g/mの組織は、45%の延反前の平均開口率、及び、0.8%の延反後の平均開口率、すなわち98%増加を有することになる。
【0097】
全ての場合において、本発明による方法の適用は、厚さ、平均厚さ、開口率、及び開口率の変動の標準偏差の大幅な減少をもたらす。特に、使用される生地及び糸の坪量によらず、本発明による方法を適用することによって、9.72×10パスカル(972mbar)の圧力下での3回折畳みの厚さ標準偏差の増加は、少なくとも20%に等しく、またほとんどの場合、30%より大きい。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】
【表3】
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5