【課題を解決するための手段】
【0011】
本文脈において、本発明は、少なくとも縦糸を含む織物シートを、
− シートが少なくとも2つの回転ローラ間で走行させられ、その回転ローラの軸が、互いに平行に延在し、シートの走行方向に実質的に垂直であり、
− シートが、軸方向振動状態で且つ位相が逆になるよう駆動されるローラ用の少なくとも1つの圧力発生部の間の圧力下で通過する
ように延反するための方法を述べる。
【0012】
本発明によれば、ローラ用の圧力発生部は、低い厚さ変動を有するシートを延反するために、前記発生部に沿って調整可能な圧力値を持つように生成される。
【0013】
本発明の範囲内で、シートの幅に無関係に均一な厚さを得るため、シートに対する均一な圧力の印加を保証することも可能である。そのため、ローラは、圧力発生部に沿って材料に均一な圧力を印加するため、シートの異なる厚さを考慮することによって、シートの中央と端部との間で印加圧力を調節する。通常、シートの中央に印加される圧力は、シートの中央部分に比べてシートのエッジ上でのシートの大きい厚さを考慮するため、そのエッジに印加される圧力より大きい。
【0014】
好ましい実施例によれば、ローラのうちの1つのローラは、可撓性があるように作られ、他のローラは剛性があるように作られ、ローラの軸に沿って分配される局在化支持体は、この可撓性ローラに、実質的にその軸に垂直に、また、調整可能な値を用いて影響を及ぼし、調整可能な圧力値を有する発生部を生成する。そのため、可撓性ローラは、応力なしでそれ自体を自動的に位置決めし、それにより、シートに印加される圧力を調節することができる。この場合、好ましくは、方法は、特に、可撓性ローラの軸に沿って局在化支持体の位置を調整すること、及び/又は、可撓性ローラの軸に沿って局在化支持体を規則的に分配することからなる。
【0015】
先の実施例と組み合わせることができる好ましい実施例によれば、方法は、特に、局在化支持体を、せいぜい織物シートの全幅にわたって分配することからなる。
【0016】
先の実施例と組み合わせることができる別の好ましい実施例によれば、方法は、特に、織物シートが、回転状態で且つ振動状態になるよう同期駆動される両方の剛性ローラの調整可能な局在化された圧力値を用いて、2つの圧力発生部の間で可撓性ローラの円周上をたどって通過するようにさせることからなる。この場合、好ましくは、方法は、織物シートが、可撓性ローラの円周の1/6と1/3との間を通過するようにさせることからなる。そのため、走行する織物シートに対する印加張力なしで済ますことが可能である。更に、これは、織物シートと剛性ローラとの間で、両方の圧力発生部に沿って全体に、織物シート上で調整可能な圧力を得ることを容易にする。ただし、米国特許第4,932,107号の場合と同様に、もはやローラをカバーしない織物シートを通過させるこの方法が、両方の剛性ローラに対する一連の剛性支持の付加を可能にし、それにより、剛性ローラの撓みが回避される場合に限る。一方、この通過方法はまた、可撓性ローラ上での局在化支持体の位置決めを容易にする。
【0017】
先の実施例と組み合わせることができる別の好ましい実施例によれば、方法は、圧力発生部(複数可)の間でのこの通過中に織物シートの加熱を含む。
【0018】
先の実施例と組み合わせることができる別の好ましい実施例によれば、方法は、縦糸と横糸であって、それぞれが、前記糸内で互いに相対的に自由に移動することができるフィラメントのセットからなる、縦糸と横糸を含む生地を、織物シートとしてもたらすことからなり、延反は、縦糸及び横糸上で生成される。
【0019】
本発明はまた、少なくとも縦糸からなる織物生地を延反するための機械について述べ、機械は、
− 少なくとも2つの回転ローラであって、その軸が、互いに平行に、且つ、両方のローラの間で境界を定められた圧力発生部に垂直に延在する、少なくとも2つの回転ローラと、
− 回転モータ−少なくとも1つのローラ用のドライブと、
− 位相が逆で軸方向振動状態になるようにローラを駆動するためのシステムと
を含む。
【0020】
本発明によれば、機械は、低い厚さ変動を有する織物生地を延反するために、圧力発生部であって、前記発生部に沿って分配された調整可能な圧力値を有する、圧力発生部を生成するためのシステムを含む。
【0021】
本発明による機械は、以下の特徴の1つ、又は、以下の特徴が互いに排除しあわないとき、以下の特徴を全て含み、以下の特徴とは、
− 圧力発生部を生成するためのシステムは、回転ローラの中から、可撓性ローラ、及び、調整可能な圧力を有する一連の局在化支持体であって、可撓性ローラの軸に沿って分配され、少なくとも1つの剛性ローラによって支持される可撓性ローラに作用する、一連の局在化支持体を含む、
− 局在化支持体は、可撓性ローラの軸に沿ってその位置を調整するためのデバイスを装備する、
− 局在化支持体は、軸方向変位を有する回転部材によって可撓性ローラにその圧力を加える、
− 可撓性ローラは、その軸が互いに平行に延在する2つの剛性ローラ、調整可能な局在化圧力値を有する2つの圧力発生部によって境界を定め、これらの発生部は共に、可撓性ローラの円周の1/6と1/3との間の距離だけ分離される、
− ローラは30mmと60mmとの間である径を有する、
− 機械は、各剛性ローラについて、一連の剛性支持体を含み、一連の剛性支持体はそれぞれ、シャシに取付けられたクレードルを含み、2つの支持分岐部を有し、2つの支持分岐部はそれぞれ、剛性ローラの軸に沿う回転運動及び併進運動を有する剛性ローラ用の回転部材を装備する、
− 軸方向振動状態で且つ位相が逆の状態になるようにローラを駆動するためのシステムは、トランスミッションによって同期駆動するモータ、180°だけシフトした2つのカムシャフトを含み、2つのカムシャフトの一方のカムシャフトは可撓性ローラの端部の一方に作用し、他のカムシャフトは剛性ローラ(複数可)の端部の一方に作用し、ローラの他の端部は弾性システムによって付勢され、弾性システムは、振幅、及び、可撓性ローラと両方の剛性ローラとの間で位相が逆の状態での運転の完全な制御を保証する可能性を与える、
− 機械は、可撓性ローラを持上げるためのシステムを含み、可撓性ローラの端部は、プレートを備え、プレートの一方のプレートに弾性システムが作用し、プレートの他のプレートにカムシャフトが作用し、
− 機械は、圧力発生部の間で織物シートを通過させると、織物シートを加熱するためのシステムを含む
である。
【0022】
したがって、こうした方法及びこうした機械は、生地、本発明の目的にアクセスすることを可能にする。
【0023】
実際には、本発明の目的は、以下の特徴の組合せのうちのいずれか1つの組合せを特徴とする、低い厚さのばらつきを有する縦糸と横糸からなる生地であり、以下の特徴の組合せとは、
− 40g/m
2以上で且つ100g/m
2未満の坪量、及び、35μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、
− 100g/m
2以上で且つ160g/m
2以下の坪量、及び、50μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、
− 160g/m
2より大きく且つ200g/m
2以下の坪量、及び、60μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、又は、
− 200g/m
2より大きく且つ400g/m
2以下の坪量、及び、90μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差
である。
【0024】
本発明による生地において、縦糸及び/又は横糸は、フィラメントのセットからなり、前記フィラメントは、同じ糸内で互いに相対的に自由に移動することができる。これは、本発明による生地を、本発明による方法によって得ることができるからである。従来の技法と違って、本発明による方法は、こうした特徴の組合せを有するこうした生地に対するアクセスを提供する。少なくとも100cmの幅、特に、100〜200cmの幅を有するこうした生地を得ることが可能である。したがって、本発明による生地は、大きな幅、及び、非常に長い長さであって、例えば、利用可能な糸の長さとほぼ同等の、すなわち、数百又は数千メートルの、非常に長い長さを有する。
【0025】
本発明の範囲内で提案される生地は、厚さ変動が低いため、複合部品によりよく制御された幾何形状を与え、より頑健なグローバル製造方法をもたらすことになる。
【0026】
厚さ標準偏差によって、平均に対する偏差の2乗平均(quadratic average of the deviation)、すなわち、
【0027】
【数1】
が意味される。ここで、
n=同じ方向に配向する3つの同一の生地の積重体の厚さの測定の値の数、すなわち、一方で縦糸、他方で横糸が積重体内で同じ方向に配向する、
x
i=3つの同一の生地の積重体の厚さの測定値、
【0028】
【数2】
=3つの同一の生地の積重体の厚さ測定値の算術平均。
【0029】
測定される生地の単位折畳みが非常に薄いため、3回折畳みの積重体に関して厚さ標準偏差を測定することがより代表的であるように見える。
【0030】
本発明の範囲内で、標準偏差は、互いの上に堆積され、同じ方向に配向され、9.72×10
4パスカル(972mbar)+/−3×10
2パスカル(3mbar)の圧力下に置かれた同じ生地の3回折畳みの積重体に関して、また、例えば生地の縦糸に平行に延在する正方形の辺のうちの1つの辺に関して、特に、305×305mmの表面にわたって分配された25回のワンオフ(one−off)厚さ測定から得ることができる。実例で述べる方法を使用することができる。
【0031】
有利には、本発明の範囲内で規定される生地は、互いに同一の縦糸及び互いに同一の横糸、並びに、好ましくは、全て同一である縦糸と横糸からなる。特に、本発明の範囲内で規定される生地は、好ましくは少なくとも99質量%だけマルチフィラメント補強糸、特にガラス、炭素糸、又はアラミド糸からなる、又は、もっぱらマルチフィラメント補強糸、特にガラス、炭素糸、又はアラミド糸からなり、炭素糸が好ましい。本発明による生地の例として、タフタ(taffeta)、あや織り(twill)、バスケット織り(bascket weave)、又はサテン(satin)とも呼ばれるウェブのタイプのアーキテクチャ(architecture)を有する生地に言及することができる。
【0032】
特に、本発明は、
− 40g/m
2以上で且つ100g/m
2未満の坪量、35μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、及び、0〜1%の平均開口率(openess factor)を有する生地。有利には、こうした生地は0〜1%の開口率変動を有する。本発明の範囲内で、得られる延反は、200〜3,500Tex、また好ましくは、200〜800Texのタイター(titer)を有する糸、特に炭素糸を有するこうした生地を得る可能性を与える。
− 100g/m
2以上で且つ160g/m
2以下の坪量、50μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、及び、0〜0.5%の平均開口率を有する生地。有利には、こうした生地は、せいぜい0.5%の開口率変動を有する。本発明の範囲内で、得られる延反は、200〜3,500Tex、また好ましくは、400〜1,700Texのタイターを有する糸、特に炭素糸を有するこうした生地を得る可能性を与える。
− 160g/m
2よい大きく且つ200g/m
2以下の坪量、60μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、及び、0〜0.5%の平均開口率を有する生地。有利には、こうした生地は、せいぜい0.5%の開口率変動を有する。本発明の範囲内で、得られる延反は、200〜3,500Tex、また好ましくは、400〜1,700Texのタイターを有する糸、特に炭素糸を有するこうした生地を得る可能性を与える。
− 200g/m
2より大きく且つ400g/m
2以下の坪量、90μm以下である、互いの上に且つ同じ方向に沿って堆積された3つの同一の生地の積重体に関して測定された厚さ標準偏差、及び、0〜0.1%の平均開口率を有する生地。有利には、こうした生地は、せいぜい0.1%の開口率変動を有する。本発明の範囲内で、得られる延反は、200〜3,500Tex、また好ましくは、800〜1,700Texのタイターを有する糸、特に炭素糸を有するこうした生地を得る可能性を与える。
【0033】
開口率は、材料によって占められない表面積と観測される総合表面積との比として規定することができ、その観測は、材料の下からの照明によって生地の上部から行うことができる。開口率(OF:openess factor)はパーセンテージで表される。例えば、OFを、実例で述べる方法に従って測定することができる。
【0034】
開口率変動によって、測定される開口率と平均開口率との間で得られる差の絶対値の最大(maximum difference in absolute value)が意味される。したがって、変動は、開口率のように%で表される。
【0035】
平均開口率は、例えば、305×915mmの生地の表面にわたって分配された60回の開口率測定から得ることができる。その分配は、例えば、開口率測定の1/3を生地の幅の第1の1/3にわたって、開口率測定の1/3を生地の中央部分に対応する生地幅の第2の1/3上に、そして、開口率測定の1/3を生地幅の第3の部分上に分配することによって達成することができる。
【0036】
平均開口率によって、60の測定開口率(OF)値の算術平均が意味される。
【0037】
平均開口率=(OF1+OF2+OF3+…+OF60)/60
【0038】
次に続く詳細な説明は、添付図面を参照して、本発明がよりよく理解されることを可能にする。