(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472181
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】発信装置付き電力量計
(51)【国際特許分類】
G01R 22/06 20060101AFI20190207BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
G01R22/06 130J
H05K1/18 A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-140854(P2014-140854)
(22)【出願日】2014年7月8日
(65)【公開番号】特開2016-17852(P2016-17852A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2017年5月29日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000205661
【氏名又は名称】大崎電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104204
【弁理士】
【氏名又は名称】峯岸 武司
(72)【発明者】
【氏名】浅野 薫生
(72)【発明者】
【氏名】川島 直人
【審査官】
永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−28903(JP,A)
【文献】
特開2011−47880(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3054398(JP,U)
【文献】
米国特許第4654588(US,A)
【文献】
特開2011−114116(JP,A)
【文献】
特開2002−352371(JP,A)
【文献】
特開平10−4384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 22/06
G01R 22/00
H05K 1/18
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷配線基板に実装された発光電子部品を使用電力量に応じて発光させる発信装置を備えた発信装置付き電力量計において、
前記印刷配線基板は、使用電力量を視認させる窓が形成された計器前面に平行な計器底面に対して部品実装面が垂直に取り付けられ、
前記印刷配線基板には使用電力量を前記窓に表示する液晶表示装置がホルダに保持されて実装され、
前記発光電子部品は、前記ホルダに形成された発光部品収容室に収容されて、リードピンが真っ直ぐな状態で前記部品実装面に垂直に実装され、発光光軸が前記部品実装面に垂直な方向に配置され、
前記発光電子部品から前記部品実装面に垂直な方向に出射される光を前記部品実装面に水平な方向に反射して前記窓へ向かわせる、光を反射する反射面が凹面鏡形状をしている反射部材が前記ホルダに取り付けられている
ことを特徴とする発信装置付き電力量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷配線基板に実装された発光電子部品を使用電力量に応じて発光させる発信装置を備えた発信装置付き電力量計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1(a)は従来の発信装置付き電子式電力量計における電流検出構造を示す側断面図、同図(b)は同電子式電力量計における電圧検出構造を示す側断面図である。
【0003】
電子式電力量計は、計測した電流と電圧を電子回路で乗算することで使用電力量を演算するが、この電子回路が形成された主印刷配線基板1は、内部構造支持体2に支持されて、図の下側の計器底面から離れて計器底面に平行に配置されている。主印刷配線基板1には、電子回路によって演算された使用電力量を表示する液晶表示装置3が、表示面が図の上側の計器前面付近に位置するように、液晶ホルダ4に保持されて実装されている。液晶ホルダ4には、電子式電力量計の仕様等が記載された銘板5も保持されている。また、主印刷配線基板1には、発信装置を構成する発光電子部品であるLED(発光ダイオード)6も実装されている。LED6は、電子式電力量計で演算される使用電力量に応じて発光し、発光した光は計器外部へ出射される。また、主印刷配線基板1の下方には、供給電力を遮断・投入する開閉器7が内部構造支持体2に支持されて、設けられている。開閉器7には、負荷電流が検出される電流線8が同図(a)に示すように引き込まれている。
【0004】
上記のように、計器前面付近に液晶表示装置3、計器底面付近に電流線8が位置するため、主印刷配線基板1と電流線8との間には物理的な距離がある。このため、電流線8を流れる負荷電流を検出するための磁気センサ等は、主印刷配線基板1に実装するのが困難である。このため、一般的には、同図(a)に示すように、磁気センサ等の電流検出器9を実装する副印刷配線基板10が主印刷配線基板1から分離されて設けられ、副印刷配線基板10と主印刷配線基板1とは、リード線11とコネクタ12を介して接続される。また、同図(b)に示す電圧線13からは電力演算等のための電圧がとられるが、この電圧も、リード線14の一端を電圧線13にねじ端子やソケット端子で接続し、他端をコネクタ15で主印刷配線基板1に接続することで、計測される。
【0005】
上記従来の発信装置付き電子式電力量計は、上記のような電流検出構造および電圧検出構造をしているため、リード線11,14やコネクタ12,15の材料費、および、それら部品の組み立てに伴う工数が発生する。
【0006】
工業製品組立のコストダウンを行うには、一般に、部品点数を減らし、組立作業をより単純化することが効果的である。上記のような電子式電力量計においては、電源、電流計測、電圧計測、電力演算、表示、外部インターフェイス等の各機能ブロックがあるが、電気的強度、物理的距離、基板実装容量等の制約により、印刷配線基板を上記従来のように複数枚の基板1,10で構成したり、リード線11,14およびコネクタ12,15等で基板1,10間や基板1および電圧線13間を接続して、電気信号を伝達する必要がでてくる。
【0007】
一般に電子式電力量計は、ベース部、カバー部、表示部、端子部および内部部品によって構成され、計器の組み立ては、ベース部を置いて基板を積み上げる方式で行われるのが一般的である。上記各機能ブロックの再構築を行い、使用部品を削減して、計器の組み立てをより単純化することは、電子式電力量計のコストダウンにつながる。
【0008】
図2に示す電子式電力量計は、物理的に離れた位置にある機能を統合して接続方式を変更することにより、コストダウンを図ったもので、印刷配線基板1を計器底面に水平でなく垂直に配置することで、上記従来のリード線11,14およびコネクタ12,15等の部品を削除し、それら部品の使用に伴う部品間接続のための組立工数を短縮している。なお、同図において
図1と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0009】
この構造の電子式電力量計においては、液晶表示装置3および銘板5の表示面を印刷配線基板1に垂直に配置すると共に、発信装置を構成するLED6の光軸を印刷配線基板1と水平な方向に配置する必要がある。液晶表示装置3は、その多数の端子を揃えて印刷配線基板1に同時に挿入する必要があることと、銘板5を取り付けるため、液晶ホルダ4を用いて印刷配線基板1に実装している。このため、液晶ホルダ4の形状を同図に示すように変更すれば、液晶表示装置3および銘板5の表示面を印刷配線基板1に垂直に配置することは、比較的容易である。また、LED6は、図示するようにそのリードピンを直角に折り曲げて印刷配線基板1に実装することで、その光軸を印刷配線基板1の部品実装面と水平な方向に向けて、銘板5の開口部5aから光を出射することができる。
【0010】
また、特許文献1には、発光素子からの発光を所望の方向に導く導光部材が開示されている。このような導光部材を用いることによっても、印刷配線基板1を計器底面に垂直に配置した状態で、LED6から出射される光の方向を印刷配線基板1の部品実装面と水平な方向に向けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平10−142426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、
図2に示された構成では、LED6のリードピンの長さに制約があるため、LED6の頭部を図示するように曲げると、印刷配線基板1の部品実装面からのLED6の光軸高さ寸法Hも制約を受けてしまう。このため、寸法Hの調整範囲に限界が生じ、電力量計の製品規格で要求される位置にLED6の光軸を配置することができない場合があった。また、LED6のリードピンを曲げるときにリードピンの根元にストレスが加わり、LED6が損傷するリスクもある。
【0013】
また、特許文献1に開示された導光部材を用いてLED6から出射される光の方向を変えると、導光部材の存在によって印刷配線基板1の部品実装面からの発光高さが逆に高くなりすぎてしまう。このため、この構成によっても、LED6の発光高さ位置の調整範囲に限界が生じてしまい、同様な問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
印刷配線基板に実装された発光電子部品を使用電力量に応じて発光させる発信装置を備えた発信装置付き電力量計において、
印刷配線基板の部品実装面が、使用電力量を視認させる窓が形成された計器前面に平行な計器底面に対して垂直に取り付けられ、
印刷配線基板には使用電力量を窓に表示する液晶表示装置がホルダに保持されて実装され、
発光電子部品が、ホルダに形成された発光部品収容室に収容されて、リードピンが真っ直ぐな状態で部品実装面に垂直に実装され、発光光軸が部品実装面に垂直な方向に配置され、
発光電子部品から部品実装面に垂直な方向に出射される光を部品実装面に水平な方向に反射して窓へ向かわせる
、光を反射する反射面が凹面鏡形状をしている反射部材がホルダに取り付けられている
ことを特徴とする。
【0015】
本構成によれば、発光電子部品から出射される光は、ホルダに取り付けられている反射部材により印刷配線基板の部品実装面に水平な方向に反射されて、計器前面
の窓へ向かわせられる。このため、
使用電力量を視認させる窓が形成された計器前面に平行な計器底面に対して垂直に取り付けられた印刷配線基板に、発光電子部品をリードピンを曲げることなく実装して、発光電子部品から出力される光を計器前面
の窓へ出射させることができる。したがって、印刷配線基板を計器底面に対して垂直に取り付けることで電力量計のコストダウンを図りながら、発光電子部品の光軸高さ寸法の調整範囲を確保することができる。また、リードピンを曲げる必要がないので、発光電子部品が損傷するリスクもない。さらに、発光電子部品がホルダに形成された発光部品収容室に収容されて発光するので、外乱光の影響を排除して、発光電子部品から出力される光を計器前面
の窓へ出射させることができる。
【0017】
本構成によれば、計器前面から出射される光の計測距離が定まっている場合には、反射部材の光反射面を凹面鏡形状に成形することで、定まった計測距離に出射光の焦点位置を合わせることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、
使用電力量を視認させる窓が形成された計器前面に平行な計器底面に対して垂直に
印刷配線基板を取り付けることで電力量計のコストダウンを図りながら、発光電子部品が損傷するリスクもなく、発光電子部品の光軸高さ寸法の調整範囲を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(a)は、従来の発信装置付き電子式電力量計における電流検出構造を示す側断面図、(b)は、同電子式電力量計における電圧検出構造を示す側断面図である。
【
図2】物理的に離れた位置にある機能を統合して接続方式を変更することによりコストダウンを図った発信装置付き電子式電力量計の側断面図である。
【
図3】本発明の一実施の形態による発信装置付き電子式電力量計の側断面図である。
【
図4】一実施の形態による電子式電力量計における印刷配線基板に実装される液晶ホルダ組み立てを基板裏面側から見た分解斜視図である。
【
図5】(a)は、
図4に示す液晶ホルダを計器底面側から見た発光部品収容室の部分の一部構造裏面斜視図、(b)は、発光部品収容室にLEDが収容された状態の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明による発信装置付き電力量計を実施するための形態について説明する。
【0021】
図3は、本発明の一実施の形態による発信装置付き電子式電力量計21の側断面図である。
【0022】
電子式電力量計21は、筐体22の内部に収容された内部構造支持体23に各種部品が取り付けられて構成されている。使用電力量を演算する電子回路が形成された印刷配線基板24は、内部構造支持体23に両側端部が支持されて、部品実装面が図の下側の計器底面に垂直に配置されている。印刷配線基板24には、電子回路によって演算された使用電力量を表示する後述する液晶表示装置25(
図4参照)が、表示面が図の上側の計器前面の窓22aに臨むように、液晶ホルダ26に保持されて実装されている。液晶ホルダ26には、電子式電力量計21の仕様等が記載された銘板27も保持されている。
【0023】
印刷配線基板24には発光電子部品であるLED28も実装されている。LED28は、電子式電力量計21が計量する使用電力量に応じて発光する発信装置を構成し、例えば、1kWsの使用電力量毎に1パルスのパルス光を出力する。LED28は、その発光光軸が印刷配線基板24の部品実装面に垂直な方向に配置されている。LED28から印刷配線基板24の部品実装面に垂直な方向に出力されるパルス光は、液晶ホルダ26に装着された赤外線反射部材29により、印刷配線基板24の部品実装面に水平な方向に反射させられる。赤外線反射部材29で反射したパルス光は計器前面へ向かい、液晶ホルダ26に形成された開口部26aおよび銘板27に形成された穴27a、並びに窓22aを通過して、計器外部へ出射される。このようにして出射されるパルス光は、計器誤差の測定用パルスなどとして用いられる。
【0024】
内部構造支持体23の下方には、供給電力を遮断・投入する開閉器30が設けられている。開閉器30には負荷電流が流れる電流線31が引き込まれており、電流線31を流れる負荷電流は磁気コア32によってその大きさに応じた磁気に変換される。印刷配線基板24の下端には、この磁気を検出する磁気センサ33が実装されている。磁気センサ33によって検出される磁気は、印刷配線基板24に形成される電子回路によって電流線31を流れる電流に比例した値に変換され、電子式電力量計21の電源端子から印刷配線基板24に入力される電圧に比例した値に乗算されることで、使用電力量が演算される。演算された使用電力量は液晶表示装置25に表示される。
【0025】
図4は、印刷配線基板24に実装される液晶ホルダ組み立てを基板裏面側から見た分解斜視図である。
【0026】
液晶表示装置25は多数の端子25aを有しており、これら端子25aは、液晶ホルダ26に直線状に並んで形成された各貫通穴26eに挿入されることで、平行に揃えられる。各貫通穴26eは、端子25aが挿入される側の開口端が広く、端子25aが突出する液晶ホルダ26の底面側が狭くなっており、端子25aの挿入端をガイドするテーパー面が内部に形成されている。また、液晶ホルダ26には、LED28を収容する発光部品収容室26bが形成されている。
【0027】
図5(a)は、この発光部品収容室26bの部分を計器底面側から見た一部構造裏面斜視図、同図(b)は、発光部品収容室26bにLED28が収容された状態の側断面図である。
【0028】
発光部品収容室26bには、板状をした赤外線反射部材29の一辺が係止される一対の固定ツメ26c,26c、および赤外線反射部材29の他辺が係止される弾性ツメ26dが形成されている。赤外線反射部材29は、同図(b)に示すように、その一辺が固定ツメ26c,26cによって係止されながら、その他辺が矢示する方向に移動して弾性ツメ26dに押し付けられ、弾性ツメ26dが仰け反って他辺を噛むことで、液晶ホルダ26の所定位置に装着される。この装着位置は、LED28から出力されるパルス光が照射される位置になっている。本実施の形態におけるパルス光は赤外線であり、赤外線反射部材29は、所定の波長、本実施の形態では赤外線の波長の光を効率よく反射するアルミ板、またはメッキが施されたプラスチック板から形成される。発光部品収容室26bには、赤外線反射部材29で90度の角度に反射されるパルス光を通過させる開口部26aが形成されている。
【0029】
また、発光部品収容室26bには、LED28の各リードピン28a,28aが挿入される一対の貫通穴26f,26fが形成されている。各貫通穴26fは、液晶表示装置25の端子25aが挿入される上記の貫通穴26eと同様、リードピン28aが挿入される側の開口端が広く、リードピン28aが突出する液晶ホルダ26の底面側が狭くなっており、リードピン28aの挿入端をガイドするテーパー面が内部に形成されている。
【0030】
また、液晶ホルダ26の底面には、
図4に示すように、位置決めピン26gが2箇所に、弾性を有する取付ツメ26hが3箇所に形成されている。印刷配線基板24には、位置決めピン26gが挿入される丸穴24aが2箇所に、取付ツメ26hが係合する角穴24bが3箇所に形成されている。各位置決めピン26gが各丸穴24aに挿入され、各取付ツメ26hが各角穴24bに押し込まれて各角穴24bに係合することで、液晶ホルダ26は印刷配線基板24の所定位置に取り付けられる。
【0031】
液晶ホルダ26の各貫通穴26eに対向する印刷配線基板24の部品実装面には複数のスルーホール24c、液晶ホルダ26の各貫通穴26fに対向する印刷配線基板24の部品実装面には一対のスルーホール24dが形成されている。各貫通穴26eおよび26fの形成位置は各スルーホール24cおよび24dの形成位置と一致しているので、印刷配線基板24に取り付けられた液晶ホルダ26に液晶表示装置25を差し込むと、液晶表示装置25の各端子25aは各貫通穴26eおよび各スルーホール24cを貫通し、印刷配線基板24の裏面から突出する。また、印刷配線基板24に取り付けられた液晶ホルダ26にLED28を差し込むと、LED28の各リードピン28aは各貫通穴26fおよび各スルーホール24dを貫通し、印刷配線基板24の裏面から突出する。
【0032】
液晶表示装置25の各端子25aおよびLED28の各リードピン28aの印刷配線基板24への半田付けは、この状態の印刷配線基板24がフロー半田付け工程に移されることで、行われる。したがって、LED28は、そのリードピン28aが真っ直ぐな状態で印刷配線基板24に垂直に実装され、その発光光軸が印刷配線基板24の部品実装面に垂直な方向に配置される。半田付けによって液晶表示装置25およびLED28が印刷配線基板24に固定されると、赤外線反射部材29が上記のようにして発光部品収容室26bに装着される。また、銘板27の両側端が液晶ホルダ26のスリット26iに挿入されることで、銘板27が液晶ホルダ26に取り付けられる。液晶表示装置25に表示される使用電力量は、銘板27に形成された長方形穴27bおよび筐体22の窓22aを介して視認される。液晶ホルダ26は、上記のように、液晶表示装置25、LED28、赤外線反射部材29および銘板27の位置決めと保持の機能を有する。
【0033】
このような本実施形態の発信装置付き電子式電力量計21によれば、リードピン28aが真っ直ぐな状態で印刷配線基板24に実装されたLED28から出射されるパルス光は、液晶ホルダ26に取り付けられている赤外線反射部材29により印刷配線基板24の部品実装面に水平な方向に反射されて、計器前面へ向かわせられる。このため、計器底面に対して垂直に取り付けられた印刷配線基板24にLED28をリードピン28aを曲げることなく実装して、LED28から出力されるパルス光を計器前面へ出射させることができる。したがって、印刷配線基板24を計器底面に対して垂直に取り付けることで、従来のリード線11,14およびコネクタ12,15(
図1参照)の部品を削減して、電子式電力量計21のコストダウンを図りながら、LED28の光軸高さ寸法の調整範囲を確保することができる。また、リードピン28aを曲げる必要がないので、LED28が損傷するリスクもない。さらに、LED28が液晶ホルダ26に形成された発光部品収容室26bに収容され、赤外線反射部材29で塞がれて発光するので、日光等の外乱光の影響を排除して、LED28から出力される光を計器前面へ出射させることができる。
【0034】
なお、上記の実施形態では、赤外線反射部材29を平板状部品から形成し、パルス光を反射する反射面が平面である場合について、説明した。しかし、赤外線反射部材29の形状は平板状に限定されることはなく、例えば、プレス加工によって光を反射する反射面を凹面鏡形状に成形して、構成することもできる。本構成によれば、計器前面から出射されるパルス光の計測距離が定まっている場合に、計器前面から出射されるLED28の出力光の焦点位置を、定まった計測距離に合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
上記の実施形態では、本発明を単相3線式構造の電子式電力量計に適用した場合について説明したが、単相2線式等の他の相線方式の構造をした電子式電力量計についても、同様に適用することができる。また、印刷配線基板の部品実装面に水平な方向に発光電子部品の光軸を配置する必要がある他の機器にも、同様に適用することができる。そして、これらの各構成においても、上記の実施形態と同様な作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0036】
21…電子式電力量計
24…印刷配線基板
25…液晶表示装置
26…液晶ホルダ
26b…発光部品収容室
27…銘板
28…LED(発光電子部品)
28a…リードピン
29…赤外線反射部材