(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0016】
本発明の一実施の形態における商品提案システムのデータセンタ(店舗の端末および本部の端末にサービスを提供するクラウドコンピューティング環境)は、横軸が販売された回数であり、縦軸が平均販売金額であり、点が顧客と対応する散布図(後述、
図2)を生成する。そして、生成した散布図において、顧客が集中しているにも関わらず売上が低い領域を、売上を向上させるための対策が必要な領域(以下、対策対象のセグメントと呼ぶ場合がある)として選定する。これによって、対策対象のセグメントを効率的に選定できるようになり、顧客単価や粗利率を向上させるのに有効な販売計画を策定できるようになる。
【0017】
また、データセンタは、特定した領域において、最も売上が高い商品の分類(例えば、バター)を対策対象分類として特定する。
【0018】
また、データセンタは、特定した対策対象分類に属する商品(例えば、○○バター、△△バター)が売れた数量を表す円(例えば、商品が売れた数量が増加するほど、円の半径が大きくなる)が配置されたバブルチャート(後述、
図17)を店舗および本部の端末に表示させる。これによって、購入される頻度が高い商品を識別できるようになり、適当な商品を、対策をする商品MIXの対象として選定できるようになる。
【0019】
その後、店舗および本部の端末は、表示されたバブルチャートを参照することで、売れた数量が多い商品(円の半径が大きい商品)を主軸商品として選択する入力を受け付ける。
【0020】
そして、データセンタは、選択された主軸商品と、主軸商品とセットで販売されるセット商品を表すセット商品画像と、主軸商品とセット商品の売上実績を一覧で店舗および本部の端末に表示させる。これによって、商品MIXの過去の実績を確認できるようになる。また、表示された内容に基づき、どのセット商品を入れ替えることで、顧客単価や粗利率を向上させることができるのかを検討できるようになる。また、過去の実績を確認しながら、主軸商品とセット販売商品とを組み合わせることができるようになり、現場に販売戦略を伝達させることができるようになる。
【0021】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態における商品提案システムの構成例の概要を示す図である。
図1に示されるように商品提案システムは、データセンタ100と、データセンタ100とネットワークを介して接続される本部200の本部基幹システム210と、本部200の記憶部220と、データセンタ100とネットワークを介して接続される本部200の端末230と、本部基幹システム210とネットワークを介して接続される店舗300のストアコントローラー310と、ストアコントローラー310とLAN(Local Area Network)を介して接続される店舗300のPOSレジ320と、データセンタ100とネットワークを介して接続される店舗300の端末330とを有する。
【0022】
また、データセンタ100、本部基幹システム210、端末230,330、ストアコントローラー310、POSレジ320は、所定のハードウェアおよびソフトウェアにより実装される。例えば、データセンタ100、本部基幹システム210、端末230,330、ストアコントローラー310、POSレジ320は、プロセッサやメモリなどを有し、プロセッサにより実行されるメモリ上のプログラムが、データセンタ100、本部基幹システム210、端末230,330、ストアコントローラー310、POSレジ320のコンピュータを機能させる。
【0023】
POSレジ320は、バーコードリーダ(不図示)によって読み取られた商品コード(例えば、JAN(Japanese Article Number)コード)や、各商品の代金や、各商品の合計の販売金額や、購入時刻などの情報が記載されたレシートを出力する。また、POSレジ320は、商品コードや、各商品の代金や、各商品の合計の販売金額や、購入時刻や、顧客が所有する顧客カードから読み取られた個人情報(顧客IDや、顧客の氏名など)などのデータ(以下、POSデータと呼ぶ場合がある)を、ストアコントローラー310に入力する。
【0024】
ストアコントローラー310は、商品名、商品コード、商品の単価などの情報を対応付けて管理する。また、ストアコントローラー310は、POSレジ320から入力されたPOSデータに基づき、店舗で販売される商品の販売実績を、商品および顧客単位で集計する。
【0025】
ストアコントローラー310は、収集されたPOSデータと、店舗を識別するための店舗IDと対応付けて本部200へ送信する。
【0026】
本部200の本部基幹システム210は、各店舗300のストアコントローラー310から送信されるPOSデータに基づき、各種の統計処理を行うことで、収集したPOSデータをマーケティングに活用可能にする。また、本部200の本部基幹システム210は、各店舗300から送信されるPOSデータなどを記憶部220に記憶する。
【0027】
また、本部基幹システム210は、各店舗300から収集したPOSデータをデータセンタ100に送信する。
【0028】
データセンタ100の情報収集部110は、本部200から送信されるPOSデータを収集し、収集したPOSデータを記憶部140に記憶する。
【0029】
データセンタ100の記憶部140および本部200の記憶部220には、顧客来店実績テーブル(後述、
図4)、顧客情報管理マスタテーブル(後述、
図5)、商品管理マスタテーブル(後述、
図6)、販売履歴テーブル(後述、
図7)、セグメント情報テーブル(後述、
図8)、分類別販売実績情報テーブル(後述、
図9)、商品別販売実績情報テーブル(後述、
図10)、セット販売実績情報テーブル(後述、
図11)、店舗情報マスタテーブル(後述、
図12)、分類マスタテーブル(後述、
図13)、提案条件テーブル(後述、
図14)、提案マスタテーブル(後述、
図15)、条件マスタテーブル(後述、
図16)などが記憶されている。
【0030】
データセンタ100の集計部120は、記憶部140に記憶されている情報を取得し、取得した情報を解析する。そして、集計部120は、解析した結果に基づき、記憶部140から価格の変更や入れ替えなどの対策が必要な商品の分類(以下、対策対象分類と呼ぶ場合がある)の分類コードを取得する。
【0031】
以下、
図2と
図3を用いて、集計部120が、記憶部140から取得した情報を解析する処理と、解析した結果に基づき、対策対象分類の分類コードを取得する処理とを詳細に説明する。
【0032】
まず、集計部120は、
図2に示される、横軸が販売された回数であり、縦軸が平均販売金額である散布
図1500を生成し、生成した散布
図1500に基づく解析をする。また、散布
図1500に含まれる各点1502は、一人の顧客と対応する。
【0033】
集計部120は、店舗300を識別するための店舗IDをキーに記憶部140に記憶されているセグメント情報テーブル(後述、
図8)を検索し、対応するすべての[セグメントID]、[金額上限]、[金額下限]、[販売回数上限]、[販売回数下限]を取得する。また、集計部120は、店舗IDをキーに記憶部140に記憶されている顧客来店実績テーブル(後述、
図4)を検索し、対応するすべての[顧客ID]、[販売回数]、[平均販売金額]を取得する。
【0034】
そして、集計部120は、セグメント情報テーブルから取得した[金額上限]、[金額下限]、[販売回数上限]、[販売回数下限]から特定される各セグメント1501に、顧客来店実績テーブルから取得した[販売回数](X座標)と[平均販売金額](Y座標)とから特定される座標に点1502を配置することで、散布
図1500を生成する。
【0035】
次に、集計部120は、月間購買金額が中央値(散布
図1500の縦軸の最小値「0」と最大値「60000」の中央値である「30000」)以上であって、かつ、月間購買回数が中央値(散布
図1500の横軸の最小値「0」と最大値「60」の中央値である「30」)未満のセグメント1501をすべて抽出する。また、集計部120は、月間購買金額が中央値未満であって、かつ、月間購買回数が中央値以上のセグメント1501をすべて抽出する。なお、集計部120は、店舗300に顧客が来店する回数が所定回数(例えば、中央値)未満または顧客への平均販売金額が所定金額(例えば、中央値)未満のセグメント1501をすべて抽出するようにしても良い。
【0036】
そして、
図3に示されるように、集計部120は、抽出したセグメント1501以外に配置されるすべての点1502を散布
図1500から消去する。また、集計部120は、抽出したセグメント1501ごとに、配置される点1502の数を集計し、配置される点1502の数が最大のセグメント1503を特定する。これによって、対策対象のセグメント1503が特定される。
【0037】
次に、集計部120は、特定した対策対象のセグメント1503のセグメントIDをキーに分類別販売実績情報テーブル(後述、
図9)を検索することで、当該セグメント1503内において売上が最大の分類の分類コードを取得する。これによって、対策対象分類の分類コードが取得される。集計部120は、取得した対策対象分類の分類コードを配信部130に入力する。
【0038】
なお、集計部120は、店舗300に顧客の月間購買回数(例えば、中央値)未満または顧客への平均販売金額が所定金額(例えば、中央値)未満であって、売上または粗利率のいずれかが最高の分類の分類コードを、対策対象分類の分類コードとして選定し、取得するようにしても良い。
【0039】
再び
図1を参照する。配信部130は、集計部120から入力された対策対象分類(例えば、「バター」)の分類コード(例えば、JICFS分類コード)に属する商品(例えば、「○○バター」や「△△バター」)が売れた数量を表す円が配置されたバブルチャートが表示される商品選択画面(後述、
図17、
図19)を本部200の端末230や、店舗300の端末330に配信することで表示させる。端末230,330は、タッチパネルを有するタブレット端末などであり、ユーザからのタッチ操作を受け付ける。詳細には、端末230,330は、画面表示領域に対するタッチ操作を検出し、タッチ操作を受け付けた位置に対応する処理を実行する。
【0040】
端末230,330は、バブルチャートに配置された円から、円を選択する入力を受け付ける。そして、売れた数量が所定数未満の商品と対応する円が選択される入力を端末230,330が受け付けた場合、集計部120は、入力を受け付けた商品の売価と粗利率とから特定される予め記憶されている提案内容(例えば、売れる数量を増加させるための提案内容)を記憶部140から取得し、取得した提案内容を配信部130に入力する。配信部130は、集計部120が取得した提案内容を表示する商品選択画面(後述、
図18)を端末230,330に配信することで表示させる。
【0041】
一方、売れた数量が所定数以上の商品と対応する円が選択される入力を端末230,330が受け付けた場合、集計部120は、入力を受け付けた円と対応する商品を主軸商品として選定する。そして、集計部120は、選定した主軸商品の商品コードを記憶部140から取得し、取得した商品コードを配信部130に入力する。なお、集計部120は、対策対象分類の分類コードに属する商品から、売上が最高の商品を抽出し、抽出した商品を主軸商品として選定するようにしても良い。
【0042】
配信部130は、集計部120が選定した主軸商品を表す主軸商品画像と、主軸商品とセットで販売されるセット商品を表すセット商品画像と、セット商品の販売実績とを対応付けて一覧で表示するセット販売商品選択画面(後述、
図20)を端末230,330に配信することで表示させる。
【0043】
端末230,330は、一覧で表示したセット商品画像から、所望のセット商品画像を選択する入力を受け付ける。これによって、セット商品が選択される。
【0044】
集計部120は、端末230,330が選択する入力を受け付けたセット商品画像のセット商品と同一種類の商品である代替候補商品を表す代替候補商品画像と、代替候補商品の販売実績とを取得する。そして、集計部120は取得した代替候補商品画像と代替候補商品の販売実績とを配信部130に入力する。
【0045】
配信部130は、集計部120が取得した代替候補商品画像と、代替候補商品の販売実績とを対応付けて一覧で表示する代替商品検討画面(後述、
図21)を端末230,330に配信することで表示させる。
【0046】
端末230,330が一覧で表示した複数の代替候補商品画像から、所望の代替候補商品を選択する入力を受け付けることで、入力を受け付けた代替候補商品画像の代替候補商品が、セット販売商品選択画面にて入力を受け付けたセット商品画像のセット商品に替えて、新たなセット商品として設定される。
【0047】
<顧客来店実績テーブル>
図4は、本発明の一実施の形態における記憶部140,220に記憶されている顧客来店実績テーブルの概要を示す図である。
図4に示されるように、顧客来店実績テーブルは、[顧客ID]、[店舗ID]、[販売回数]、[平均販売金額]、[年月]などのデータ項目により構成される。
【0048】
[顧客ID]は、顧客を識別するための符号を示す。[店舗ID]は、店舗を識別するための符号を示す。[販売回数]は、所定の期間(例えば、1ヵ月)にて、顧客が店舗に来店した回数を示す。[月間販売金額]は、所定の期間(例えば、1ヵ月)にて、顧客が1回の買い物で販売した平均額を示す。[年月]は、対応する期間の年月を示す。
【0049】
<顧客情報管理マスタテーブル>
図5は、本発明の一実施の形態における記憶部140,220に記憶されている顧客情報管理マスタテーブルの概要を示す図である。
図5に示されるように、顧客情報管理マスタテーブルは、[顧客ID]、[氏名]などのデータ項目により構成される。
【0051】
<商品管理マスタテーブル>
図6は、本発明の一実施の形態における記憶部140,220に記憶されている商品管理マスタテーブルの概要を示す図である。
図6に示されるように、商品管理マスタテーブルは、[商品コード]、[商品名]などのデータ項目により構成される。
【0052】
[商品コード]は、商品を識別するための符号を示す。[商品コード]は、例えば、JANコードが該当する。[商品名]は、商品の名称を示す。
【0053】
<販売履歴テーブル>
図7は、本発明の一実施の形態における記憶部140,220に記憶されている販売履歴テーブルの概要を示す図である。
図7に示されるように、販売履歴テーブルは、[顧客ID]、[店舗ID]、[商品コード]、[購入日]、[購入時刻]などのデータ項目により構成される。
【0054】
[購入日]は、商品が購入された年月日を示す。[購入時刻]は、商品が購入された時刻を示す。
【0055】
<セグメント情報テーブル>
図8は、本発明の一実施の形態における記憶部140,220に記憶されているセグメント情報テーブルの概要を示す図である。
図8に示されるように、セグメント情報テーブルは、[店舗ID]、[セグメントID]、[金額上限]、[金額下限]、[販売回数上限]、[販売回数下限]などのデータ項目により構成される。
【0056】
[セグメントID]は、セグメントを識別するための符号を示す。[金額上限]、[金額下限] 、[販売回数上限]、[販売回数下限]は、セグメントの範囲を特定するための値を示す。
【0057】
<分類別販売実績情報テーブル>
図9は、本発明の一実施の形態における記憶部140,220に記憶されている分類別販売実績情報テーブルの概要を示す図である。
図9に示されるように、分類別販売実績情報テーブルは、[店舗ID]、[セグメントID]、[分類コード]、[売上]、[顧客数]、[PI(Purchase Index)金額]、[年月]などのデータ項目により構成される。
【0058】
[分類コード]は、商品が属する区分を識別するための符号を示す。[売上]は、対応する区分に属する商品の総売上を示す。[顧客数]は、対応する区分に属する商品を販売した顧客の数を示す。[PI金額]は、レジを通過した顧客の総数に対する商品が販売された平均の金額を示す。
【0059】
<商品別販売実績情報テーブル>
図10は、本発明の一実施の形態における記憶部140,220に記憶されている商品別販売実績情報テーブルの概要を示す図である。
図10に示されるように、商品別販売実績情報テーブルは、[店舗ID]、[分類コード]、[商品コード]、[粗利率]、[売価]、[数量]、[売上]、[粗利高]、[売価偏差値]、[粗利高偏差値]、[PI数量]、[PI金額]、[原単価]、[PI粗利]、[年月]、[PI粗利率]などのデータ項目により構成される。
【0060】
[粗利率]は、商品コードから特定される商品の売上に対する粗利高の割合を示す。[売価]は、商品コードから特定される商品の売値を示す。[数量]は、商品コードから特定される商品が販売された数量を示す。[売上]は、売上の額を示す。[粗利高]は、商品コードから特定される商品の総粗利高を示す。具体的には、[粗利高]は、[売価]と[数量]と[粗利率]とを乗算することで算出される、もしくは[売価]から[原価]を減算したものに[数量]を乗算することで算出される。[売価偏差値]は、商品コードから特定される商品が店舗にて販売される[売価]の標準偏差値を示す。[粗利高偏差値]は、商品コードから特定される商品が店舗にて販売される[粗利高]の標準偏差値を示す。[PI数量]は、レジを通過した顧客に対して、商品が販売された平均の数量を示す。[原単価]は、商品コードから特定される商品の原価を示す。[PI粗利]は、レジを通過した顧客に対して、商品が販売された平均の粗利高を示す。[PI粗利率]は、商品の[PI金額]に対する[PI粗利]の割合を示す。
【0061】
<セット販売実績情報テーブル>
図11は、本発明の一実施の形態における記憶部140,220に記憶されているセット販売実績情報テーブルの概要を示す図である。
図11に示されるように、セット販売実績情報テーブルは、[店舗ID]、[分類コード]、[商品コード]、[商品コード2]〜[商品コード5]、[年月]などのデータ項目により構成される。[商品コード2]〜[商品コード5]は、商品コードから特定される商品とセットで販売される商品を特定するための符号を示す。
【0062】
<店舗情報マスタテーブル>
図12は、本発明の一実施の形態における記憶部140,220に記憶されている店舗情報マスタテーブルの概要を示す図である。
図12に示されるように、店舗情報マスタテーブルは、[店舗ID]、[店舗名称]、[住所]、[代表者氏名]、[TEL]、[FAX]などのデータ項目により構成される。
【0063】
[店舗名称]は、店舗の名称を示す。[住所]は、店舗の所在地を示す。[代表者氏名]は、代表者の氏名を示す。[TEL]は、店舗の電話番号を示す。[FAX]は、店舗のFAX番号を示す。
【0064】
<分類マスタテーブル>
図13は、本発明の一実施の形態における記憶部140,220に記憶されている分類マスタテーブルの概要を示す図である。
図13に示されるように、分類マスタテーブルは、[分類コード]、[大分類]、[中分類]、[小分類]などのデータ項目により構成される。
【0065】
[大分類]、[中分類]、[小分類]は、商品が属する区分の種別を示す。
【0066】
<提案条件テーブル>
図14は、本発明の一実施の形態における記憶部140,220に記憶されている提案条件テーブルの概要を示す図である。
図14に示されるように、提案条件テーブルは、[条件ID]、[提案ID]などのデータ項目により構成される。
【0067】
[条件ID]は、[条件](後述、
図16)を識別するための符号を示す。[提案ID]は、[提案内容](後述、
図15)を識別するための符号を示す。
【0068】
<提案マスタテーブル>
図15は、本発明の一実施の形態における記憶部140,220に記憶されている提案マスタテーブルの概要を示す図である。
図15に示されるように、提案マスタテーブルは、[提案ID]、[提案内容]などのデータ項目により構成される。
【0069】
[提案内容]は、店舗の売上や、商品が購買される数量を増加させるための提案の内容を示す。
【0070】
<条件マスタテーブル>
図16は、本発明の一実施の形態における記憶部140,220に記憶されている条件マスタテーブルの概要を示す図である。条件マスタテーブルには、店舗の売上や、商品が購買される数量を増加させるための提案内容を特定するための条件が含まれる。そして、
図16に示されるように、条件マスタテーブルは、[条件ID]、[条件]などのデータ項目により構成される。
【0071】
[条件]は、条件IDと対応する条件を示す。具体的には、「売価が分類内における平均より低く、かつ粗利率が平均分類内における平均より低く、販売数量が10個未満」などが該当する。
【0072】
<商品選択画面>
図17〜
図19は、本発明の一実施の形態における端末230,330に表示される商品選択画面の例を示す図である。
図17〜
図19に示されるように商品選択画面には、縦軸を粗利率の標準偏差値とし、横軸を売価の標準偏差値とするグラフ(例えば、バブルチャート1701)が表示される。
【0073】
バブルチャート1701には、対策対象分類(例えば、商品「バター」)の分類コードに属する商品(例えば、「○○バター」や「△△バター」)が売れた数量を表す(売れた数量が大きくなるほど、円の半径が大きくなる)複数の図形(例えば、円1702)が配置される。例えば、商品選択画面には、
図17に示されるように、売れた数量が所定数未満の商品と対応する円1702が入力(例えば、タッチ操作)を受け付けると、端末230,330は、
図18に示される商品選択画面を表示する。そして、
図18に示される商品選択画面には、入力を受け付けた円1702と対応する商品が売れる数量を増加させるための提案内容1703が表示される。
【0074】
一方、
図19に示されるように、売れた数量が所定数以上の商品と対応する円1702が入力を受け付けると、端末230,330に表示される画面が、セット販売商品選択画面(後述、
図20)へ切り替わる。
【0075】
なお、商品が売れた数量に応じて、図形の表示態様を変化させるようにしても良い。
【0076】
<セット販売商品選択画面>
図20は、本発明の一実施の形態における端末230,330に表示されるセット販売商品選択画面の例を示す図である。
図20に示されるようにセット販売商品選択画面には、商品選択画面(前述、
図19)にて入力を受け付けた商品(以下、重点商品と呼ぶ場合がある)を表す重点商品画像2001と、重点商品とセットで販売される商品(以下、セット商品と呼ぶ場合がある)を表すセット商品画像2002と、重点商品および各セット商品の販売実績2003とが表示される。
【0077】
販売実績2003は、重点商品およびセット商品と対応するPI数量、PI金額、売価、原単価、PI粗利、PI粗利率などの情報からなる。
【0078】
いずれかのセット商品画像2002が入力(例えば、タッチ操作)を受け付けると、端末230,330に表示される画面が、代替商品検討画面(後述、
図21)へ切り替わる。
【0079】
その後、
図21に示される代替商品検討画面にて代替商品が選択されることで、
図20のセット販売商品選択画面にて選択されたセット商品画像2002が、代替商品検討画面にて選択された代替商品のセット商品画像2002へと変更される。
【0080】
<代替商品検討画面>
図21は、本発明の一実施の形態における端末230,330に表示される代替商品検討画面の例を示す図である。
図21に示されるように代替商品検討画面には、セット販売商品選択画面(前述、
図20)にて入力を受け付けたセット商品を表すセット商品画像2101と、代替商品の候補となる各商品の販売実績が表示される販売実績表示領域2102と、売上順ソートボタン2103と、粗利率順ソートボタン2104と、原単価順ソートボタン2105とが表示される。
【0081】
販売実績表示領域2102には、代替商品の候補となる商品の商品名、売価、売上、粗利率が、商品ごとに上方から下方に並んで表示される。
【0082】
売上順ソートボタン2103が入力(例えば、タッチ操作)を受け付けると、販売実績表示領域2102に表示される各商品が、売上が高い順でソートされる。
【0083】
粗利率順ソートボタン2104が入力を受け付けると、販売実績表示領域2102に表示される各商品が、粗利益が高い順にソートされる。
【0084】
原単価順ソートボタン2105が入力を受け付けると、販売実績表示領域2102に表示される各商品が、原単価が低い順でソートされる。
【0085】
販売実績表示領域2102に表示される商品の商品名、売価、売上、粗利率のいずれかが入力を受け付けることで代替商品が選択され、端末230,330に表示される画面が、
図22に示されるセット販売商品選択画面へ切り替わる。
【0086】
<全体処理>
図23は、本発明の一実施の形態における全体処理の概要を示す図である。
【0087】
まず、S2301にて、本部200の端末230または店舗300の端末330は、店舗300の店舗IDをデータセンタ100へ送信する。
【0088】
次に、S2302にて、データセンタ100はS2301にて送信された店舗IDを受信する。
【0089】
次に、S2303にて、データセンタ100の集計部120は、対策対象分類特定処理(後述、
図24)を実行する。これによって、集計部120は、S2302にて受信した店舗IDに基づいて、対策対象分類の分類コードを取得する。集計部120は、取得した対策対象分類の分類コードを配信部130に入力する。
【0090】
次に、S2304にて、データセンタ100の配信部130は、S2303にて取得された対策対象分類の分類コードに基づく商品選択画面(前述、
図17、
図19)を端末230,330に配信することで表示させる。
【0091】
次に、S2305にて、端末230,330は、バブルチャート1701に配置されるいずれかの円1702が入力(例えば、タッチ操作)を受け付けたかを判定する。S2305にて、端末230,330が、円1702が入力を受け付けていないと判定する場合(S2305−No)、S2305へ進む。一方、S2305にて、端末230,330が、円1702が入力を受け付けたと判定する場合(S2305−Yes)、S2306へ進む。
【0092】
次に、S2306にて、データセンタ100の集計部120は、S2305にて入力を受け付けた円1702と対応する商品の商品IDをキーに、商品別販売実績情報テーブル(前述、
図10)を検索し、対応する数量と、売価と、粗利率と、売価偏差値と、粗利高偏差値とを取得する。
【0093】
次に、S2307にて、データセンタ100の集計部120は、S2306にて取得した数量が所定数未満かを判定する。S2307にて、集計部120が、S2306にて取得した数量が所定数未満ではないと判定する場合(S2307−No)、S2312へ進む。一方、S2307にて、集計部120が、S2306にて取得した数量が所定数未満であると判定する場合(S2307−Yes)、S2308へ進む。
【0094】
次に、S2308にて、データセンタ100の集計部120は、S2306にて取得した売価偏差値と、粗利高偏差値が50未満か解析する。
【0095】
次に、S2309にて、データセンタ100の集計部120は、S2308にて解析した結果に基づいて、対応する条件IDを条件マスタテーブル(前述、
図16)から取得する。
【0096】
次に、S2310にて、データセンタ100の集計部120は、S2309にて取得した条件IDをキーに提案条件テーブル(前述、
図14)を検索し、対応する提案IDを取得する。また、データセンタ100の集計部120は、取得した提案IDをキーに提案マスタテーブル(前述、
図15)を検索し、対応する提案内容を取得する。
【0097】
次に、S2311にて、データセンタ100の配信部130は、S2310にて取得した提案内容が含まれる商品選択画面(前述、
図18)を端末230,330に配信することで表示させる。S2311の処理の後は、S2305に戻る。
【0098】
S2307にてNOだった場合、S2312にて、データセンタ100の集計部120は、S2305にて入力を受け付けた円1702と対応する商品の商品IDをキーに、セット販売実績情報テーブル(前述、
図11)を検索し、対応する商品コード(例えば、商品コード2〜商品コード5)を取得する。これによって、集計部120は、主軸商品と、セットで販売されるセット商品の商品コードを取得する。集計部120は、取得した、各商品コードを配信部130に入力する。
【0099】
次に、S2313にて、データセンタ100の集計部120は、S2305にて入力を受け付けた円1702と対応する商品の商品IDをキーに、商品別販売実績情報テーブル(前述、
図10)を検索し、対応するPI数量と、PI金額と、売価と、原単価と、PI粗利と、PI粗利率とを取得する。また、集計部120は、取得したPI数量と、PI金額と、売価と、原単価と、PI粗利と、PI粗利率とを配信部130に入力する。
【0100】
次に、S2314にて、データセンタ100の配信部130は、S2313にて入力された各情報に基づくセット販売商品選択画面(前述、
図20)を端末230,330に配信することで表示させる。具体的には、配信部130は、S2305にて入力を受け付けた円1702と対応する商品の商品画像を、
図20中の重点商品画像2001として端末230,330に表示させる。また、配信部130は、S2312にて入力された主軸商品とセットで販売されるセット商品の商品コードと対応する商品画像を、
図20中のセット商品画像2002として端末230,330に表示させる。また、配信部130は、S2313にて取得したPI数量と、PI金額と、売価と、原単価と、PI粗利と、PI粗利率とを販売実績2003として端末230,330に表示させる。いずれかのセット商品画像2002が選択される入力を端末230,330が受け付けると、S2315へ進む。
【0101】
次に、S2315にて、データセンタ100の集計部120は、S2314にて選択されたセット商品画像2002と対応する分類コード(例えば、小分類の分類コード)をキーに商品別販売実績情報テーブル(前述、
図10)を検索し、対応する商品コードと、売価と、売上と、粗利率とを取得する。集計部120は、取得した商品コードと、売価と、売上と、粗利率とを配信部130に入力する。これによって、集計部120は、S2314にて選択されたセット商品の代替商品を取得する。
【0102】
次に、S2316にて、データセンタ100の配信部130は、S2315にて入力された各情報に基づく代替商品検討画面(前述、
図21)を端末230,330に配信することで表示させる。具体的には、配信部130は、S2315にて選択されたセット商品画像2002を端末230,330に表示させる。また、配信部130は、S2315にて入力されたた商品コードと、売価と、売上と、粗利率とを販売実績表示領域2102として端末230,330に表示させる。代替商品検討画面の販売実績表示領域2102に表示される商品の商品名、売価、売上、粗利率のいずれかが入力を受け付けることで代替商品が選択されると、S2317へ進む。
【0103】
次に、S2317にて、データセンタ100の配信部130は、S2316にて選択された代替商品のセット商品画像2002を表示するセット販売商品選択画面(前述、
図22)を端末230,330に配信することで表示させる。また、集計部120は、記憶部140に記憶されているセット販売実績情報テーブル(前述、
図11)の、S2314にて選択されたセット商品の商品コードを、S2316にて選択された代替商品の商品コードへと更新する。
【0104】
<対策対象分類特定処理>
図24は、本発明の一実施の形態における対策対象分類特定処理の概要を示す図である。
【0105】
まず、S2401にて、集計部120は、S2302にて受信した店舗IDをキーに記憶部140に記憶されているセグメント情報テーブル(前述、
図8)を検索し、対応するすべての[セグメントID]、[金額上限]、[金額下限]、[販売回数上限]、[販売回数下限]を取得する。
【0106】
次に、S2402にて、集計部120は、S2302にて受信した店舗IDをキーに記憶部140に記憶されている顧客来店実績テーブル(前述、
図4)を検索し、対応するすべての[顧客ID]、[店舗ID]、[販売回数]、[平均販売金額]を取得する。
【0107】
次に、S2403にて、集計部120は、セグメント情報テーブルから取得した[金額上限]、[金額下限]、[販売回数上限]、[販売回数下限]から特定される各セグメント1501に、顧客来店実績テーブルから取得した[販売回数](X座標)と[平均販売金額](Y座標)とから特定される座標に点1502を配置することで、散布
図1500を生成する。
【0108】
次に、S2404にて、集計部120は、月間購買金額が中央値以上であって、かつ、月間購買回数が中央値未満のセグメント1501をすべて抽出する。また、集計部120は、月間購買金額が中央値未満であって、かつ、月間購買回数が中央値以上のセグメント1501をすべて抽出する。
【0109】
次に、S2405にて、集計部120は、抽出したセグメント1501以外に配置されるすべての点1502を散布
図1500から消去する。
【0110】
次に、S2406にて、集計部120は、抽出したセグメント1501ごとに、配置される点1502の数を集計し、配置される点1502の数が最大のセグメント1503を特定する。これによって、集計部120は、対策対象のセグメント1503を特定する。
【0111】
次に、S2407にて、集計部120は、特定した対策対象のセグメント1503のセグメントIDをキーに分類別販売実績情報テーブル(前述、
図9)を検索することで、当該セグメント1503内において売上が最大の分類の分類コードを取得する。これによって、対策対象分類の分類コードが取得される。
【0112】
<本実施の形態の効果>
以上説明した本実施の形態における商品提案システムによれば、セット商品画像2002と、販売実績2003とを対応付けて一覧で表示するセット販売商品選択画面を端末230,330に配信することで、過去の実績を確認しながら、主軸商品とセット販売商品とを組み合わせることができるようになり、現場に販売戦略を伝達させることができるようになる。また、商品MIXの過去の実績を確認できるようになる。
【0113】
また、代替候補商品画像と、代替候補商品画像の販売実績とを対応付けて一覧で表示する代替商品検討画面を、端末230,330に配信することで、表示された内容に基づき、どのセット商品を入れ替えることで、顧客単価や粗利率を向上させることができるのかを検討できるようになる。
【0114】
また、商品が売れた数量を表す図形が配置されたグラフが表示される商品選択画面を端末230,330に表示させることで、購入される頻度が高い商品が識別できるようになり、対策をする商品MIXの対象として適当な商品を正確に選択できるようになる。
【0115】
さらに、表示されたグラフを参照することで、売れた数量が多い商品を主軸商品として選択できるようになる。
【0116】
店舗300に顧客が来店する回数が所定回数未満または顧客への平均販売金額が所定金額未満であって、売上または粗利率のいずれかが最高の分類を、対策対象分類として選定することで、対策対象分類を効率的に特定できるようになり、顧客単価や粗利率を向上させるのに有効な販売計画を策定できるようになる。
【0117】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0118】
例えば、端末230,330は、タブレット端末以外にも、スマートフォン等の様々な形態の端末を全て含むものである。