(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
着脱可能に構成されるインク容器から供給されるインクを使用して、印刷用紙に画像を印刷する場合に、前記インク容器に備えられたインク容器側記憶部に記憶された情報に基づいて印刷する印刷装置であって、
前記インク容器側記憶部は、前記インク容器に最初に収容されていたインクが使い果たされたか否かを示すインク切れ情報を記憶可能に構成されており、
前記インク容器から供給される前記インクとして、前記インク容器に再充填されたリフィルインクの使用を許可するか否かをユーザから受け付ける許可受付部と、
前記インク容器の前記インク容器側記憶部に、前記インク切れ情報と前記インク容器に再充填されたリフィルインクの使用を許可するか否かを示すリフィルインク許可情報が記憶されているか否かを判定するインク管理部と、
前記インク管理部により、前記インク切れ情報が記憶され、かつ前記リフィルインク許可情報が記憶されていないと判定され、さらに、前記許可受付部により、前記インク容器に再充填されたリフィルインクの使用を許可することが受け付けられた場合、前記リフィルインク許可情報を、前記インク容器側記憶部に記憶し、前記リフィルインクを使用した印刷を許可するように制御する印刷制御部と
を備えることを特徴とする印刷装置。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0028】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0029】
[本発明の第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷システム1の概略構成図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る印刷システム1の構成を示す機能ブロック図である。印刷システム1は、ネットワーク等を介して、パソコンなどの端末装置(不図示)から受信した印刷ジョブに基づいて、印刷用紙Pに画像を印刷することができる。
【0030】
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る印刷システム1は、印刷装置2と、印刷装置2に着脱可能に構成されるインク容器10とを備える。
【0031】
印刷装置2は、インク容器10から供給されるインクを使用して、印刷用紙Pに画像を印刷する。なお、本実施形態に係る印刷装置2は、インクジェット方式によって印刷用紙Pに画像を印刷するインクジェット印刷装置である場合を例に挙げて説明する。
【0032】
印刷装置2は、インク容器10から供給されるインクを使用して、印刷用紙Pに画像を印刷する場合に、インク容器10に備えられたインク容器側記憶部11(
図2参照)に記憶された情報に基づいて印刷する。なお、インク容器側記憶部11に記憶される情報の詳細は、後述する(
図3参照)。
【0033】
(印刷装置の構成)
次に、印刷装置2の構成について詳細に説明する。印刷装置2は、搬送経路に沿って印刷用紙Pを搬送しながら、印刷用紙Pに画像を印刷する。なお、搬送経路は、通常経路と、通常経路に分岐接続される反転経路とを含む。
図1において太矢印で示す経路が、通常経路であり、点線矢印で示す経路が、反転経路である。なお、反転経路は、用紙を往復させて通常経路に戻すことにより印刷用紙Pの表裏を反転させる経路である。
【0034】
また、
図1〜2に示すように、印刷装置2は、給紙部3と、印刷部4と、搬送部5と、排紙部6と、操作パネル部30と、カール量検出部40と、画像読取部50と、制御部100とを備える。
【0035】
給紙部3は、搬送経路の最も上流側に配置されている。給紙部3は、印刷用紙Pを載置するトレイ3aと、印刷用紙Pを給紙する給紙ローラ3bとを備える。トレイ3aには、印刷媒体である印刷用紙Pが複数枚積層され、最上層の印刷用紙Pが給紙ローラ3bによって、搬送経路へと送り出される。
【0036】
印刷部4は、インク供給部7と、インクヘッド部8とを備える。インク供給部7は、インク容器10とインクヘッド部8とに接続されている。インク供給部7は、インク容器10の装着部とインク搬送管とインクポンプ等を備える(いずれも不図示)。インク供給部7は、インクポンプ等を駆動させることよって、インク容器10に収容されたインクをインクヘッド部8に供給する。
【0037】
本実施形態では、インクヘッド部8として、多数のノズルが形成された複数のインクヘッド部8a〜8dを備える。複数のインクヘッド部8a〜8dのそれぞれは、インク色の異なるインクを吐出する。インクヘッド8aは、シアン色のインクを吐出し、インクヘッド部8bは、マゼンタ色のインクを吐出し、インクヘッド部8cは、イエロー色のインクを吐出し、インクヘッド部8dは、ブラック色のインクを吐出する。
【0038】
印刷部4は、インクヘッド部8a〜8dのそれぞれからインクを吐出することによって、印刷用紙Pに画像を印刷する。なお、本実施形態では、インクヘッド部8a〜8dのそれぞれを、単にインクヘッド部8として、適宜説明する。
【0039】
搬送部5は、搬送ベルトと搬送ローラ5aとを備え、搬送ベルトと搬送ローラ5aとによって、印刷媒体である印刷用紙Pを搬送経路に沿って搬送する。
【0040】
排紙部6は、印刷済みの印刷用紙Pを排紙する。排紙部6は、印刷済みの印刷用紙Pを収容する排紙台と、排紙台に印刷済みの印刷用紙Pを搬送する排紙ローラとを備える(いずれも不図示)。
【0041】
操作パネル部30は、前面に配置された感圧式あるいは静電式の透明なタッチパネルと、このタッチパネルの裏面に配置され、各種表示画面を表示する液晶表示パネル(いずれも不図示)とを有している。ユーザは、液晶表示パネルの表示画面を見ながら、タッチパネルの表面を指などで直接触れることで、表示画面上に表示された各種の入力操作を行うことができる。このような構成により、操作パネル部30は、印刷装置2の制御に用いられる各種情報を表示する表示部としての機能と、ユーザからの入力操作を受付ける入力部としての機能を有する。また、操作パネル部30は、ユーザの入力操作に基づいて、入力情報を生成し、生成した入力情報を制御部100へ送信する。
【0042】
カール量検出部40は、印刷部4の搬送方向の下流側に配置され、印刷部4によって印刷された印刷用紙Pのカール量を検出する。カール量は、印刷用紙Pの反りの度合を示す。カール量検出部40は、印刷用紙Pの端部に接触する接触センサによって、印刷用紙Pのカール量を検出してもよい。なお、カール量検出部40は、非接触センサを用いて、印刷用紙Pの端部と中央との基準面に対する距離差を測定することによりカール量を検出してもよい。カール量検出部40は、カール量を示すカール量情報を制御部100に送信する。
【0043】
なお、カール量検出部40は、全ての印刷用紙Pのカール量を検出してもよいし、制御部100の制御に応じて、所定の印刷用紙を対象にカール量を検出してもよい。本実施形態に係るカール量検出部40は、制御部100の制御に応じて、チェック用のテスト画像を印刷した印刷用紙Pのカール量を検出することもできる。
【0044】
画像読取部50は、スキャナーとしての機能を有する。画像読取部50は、印刷部4によって印刷用紙Pに印刷された画像をレンズやCCD等によって光学的に読み取って、画像情報を作成することができる。画像読取部50は、作成した画像情報を制御部100に送信する。
【0045】
本実施形態では、画像読取部50は、印刷部4の搬送方向下流側に設けられており、印刷用紙Pに印刷されたチェック用のテスト画像を読み取って、テスト画像情報を生成する。なお、画像読取部50は、印刷装置2の上部に設けられていてもよい。この場合、画像読取部50は、コンタクトガラス(不図示)上にユーザによって載置された印刷用紙Pに印刷されたテスト画像を読み取って、テスト画像情報を作成してもよい。
【0046】
制御部100は、印刷装置2内の各種機能を制御する。制御部100は、インク容器10との間で無線によりデータ通信を行うことができる。制御部100は、CPU110と、印刷ジョブ及び各種情報を記憶する本体記憶部120と、CPU110を動作させるための動作プログラムが格納されたプログラムROM130とを内蔵し、給紙部3、印刷部4、搬送部5、排紙部6、操作パネル部30、カール量検出部40、画像読取部50等を統括制御する。
【0047】
本実施形態に係る印刷装置2のCPU110は、プログラムROM130に格納された動作プログラムを実行することにより、インク管理部111と、許可受付部112と、印刷制御部113と、設定受付部114と、テスト画像印刷部115と、表示制御部116との機能を有する。
【0048】
インク管理部111は、インク容器10が過去にインクを使い果たしたものであるか否かを判定する。具体的に、インク管理部111は、インク容器10のインク容器側記憶部11を参照して、「インク切れ情報」が記憶されているか否かを判定する。なお、「インク切れ情報」は、インク容器10に最初に収容されていたインクが過去に使い果たされたか否かを識別する情報である。
【0049】
また、インク管理部111は、インク容器10のインク容器側記憶部11を参照して、「リフィルインク許可情報」が記憶されているか否かを判定する。なお、「リフィルインク許可情報」は、インク容器10に収容されているインクが、再充填され、かつ、ユーザから使用を許可されたリフィルインクであるか否かを識別する情報である。
【0050】
許可受付部112は、新たに装着されたインク容器10から供給されるインクとして、インク容器10に再充填されたインクであるリフィルインクの使用を許可するか否かをユーザから受け付ける。許可受付部112は、リフィルインクの使用を許可するか否かを選択可能な許可受付画面を操作パネル部30に表示して、ユーザに入力を促す。
【0051】
許可受付部112は、ユーザによってリフィルインクの使用を許可することが操作パネル部30に入力されると、操作パネル部30から、リフィルインクの使用を許可することを示す許可情報を取得する。
【0052】
印刷制御部113は、印刷に関連する処理を制御する。なお、本実施形態において、印刷に関連する処理とは、給紙部3による印刷用紙Pを給紙する処理と、印刷部4によるインクを供給する処理及びインクを吐出する処理と、搬送部5による印刷用紙Pを搬送する処理と、排紙部6による印刷用紙Pを搬送する処理とを含む。
【0053】
印刷制御部113は、許可受付部112によって、リフィルインクの使用を許可することが受け付けられた場合、使用を許可されたリフィルインクであることを示す「リフィルインク許可情報」を、インク容器側記憶部11に記憶し、リフィルインクを使用した印刷に関連する処理を許可するように制御する。具体的に、印刷制御部113は、許可受付部112によって操作パネル部30から許可情報が取得されると、印刷制御部113は、インク容器10のインク容器側記憶部11に「リフィルインク許可情報」を記憶する。なお、印刷制御部113は、「リフィルインク許可情報」を記憶すると、画像の印刷に関連する処理を実行するように、給紙部3と印刷部4と搬送部5と排紙部6とを制御する。
【0054】
また、印刷制御部113は、印刷用紙Pのカール量が所定の閾値以上である場合、リフィルインクを使用した画像の印刷に関連する処理を停止する。具体的に、印刷制御部113は、カール量検出部40から通知されるカール量情報が所定の閾値以上である場合、画像の印刷に関連する処理を停止するように、給紙部3と印刷部4と搬送部5と排紙部6とを制御する。
【0055】
設定受付部114は、リフィルインクの使用を許可すること受け付けた場合、リフィルインクを使用して画像を印刷する際の設定情報をユーザから受け付ける。具体的に、設定受付部114は、許可受付部112によって操作パネル部30から許可情報が取得されて、リフィルインクの使用を許可することをユーザから受け付けた場合、設定情報をユーザから受け付ける。なお、設定受付部114は、インク容器10のインク容器側記憶部11を参照して、「リフィルインク許可情報」が既に記憶されている場合も、設定情報をユーザから受け付けてもよい。
【0056】
詳細に、設定受付部114は、操作パネル部30を制御して、所定の入力画面を表示させることにより、設定情報をユーザから受け付ける。設定受付部114は、操作パネル部30から設定情報を取得し、当該設定情報をインク容器10のインク容器側記憶部11に記憶する。本実施形態では、設定情報は、「インク成分情報」と、「インク色情報」と、「インク濃度情報」とを含む。
【0057】
「インク成分情報」は、インク容器10に収容されているインクが、“油性”であるか又は“水性”であるかを識別する情報である。「インク濃度情報」は、印刷時に適用すべき印刷濃度を示す情報である。「インク残量情報」は、インク容器10に収容されるインクの残量比率を示す情報である。なお、設定情報は、これらの情報に限定されるものではなく、更に多くの情報を含んでいてもよいし、少ない情報を含んでいてもよい。
【0058】
また、設定受付部114は、設定情報を補正するための補正情報をユーザから受け付けることもできる。具体的に、設定受付部114は、操作パネル部30を制御して、所定の入力画面を表示させることにより、補正情報をユーザから受け付ける。設定受付部114は、操作パネル部30から補正情報を受信し、当該補正情報に基づいて補正した設定情報を、インク容器10のインク容器側記憶部11に記憶する。
【0059】
テスト画像印刷部115は、設定情報に基づいて、リフィルインクを使用したテスト画像を印刷するテスト画像印刷処理を実行する。具体的に、テスト画像印刷部115は、設定受付部114によって設定情報がインク容器側記憶部11に記憶されると、インク容器側記憶部11に記憶される設定情報に基づいて、印刷部4等を制御して、チェック用のテスト画像を印刷する。なお、テスト画像を印刷するための印刷ジョブは、テスト画像印刷部115に予め記憶されていてもよいし、本体記憶部120に予め記憶されていてもよい。
【0060】
表示制御部116は、操作パネル部30に表示される表示画面を制御する。本実施形態では、表示制御部116は、テスト画像を読み込むことによって取得したテスト画像情報を表示することができる。具体的に、表示制御部116は、画像読取部50を制御して、画像読取部50によって読み取られたテスト画像情報を取得するとともに、テスト画像情報を操作パネル部30に表示することができる。
【0061】
(インク容器の構成)
次に、インク容器10の構成について詳細に説明する。インク容器10は、印刷装置2に供給するインクを収容する。インク容器10は、印刷装置2に着脱可能に構成される。具体的には、インク容器10は、印刷部4に着脱可能に構成される。インク容器10に収容されるインクは、印刷部4のインク供給部7によって、インクヘッド部8に供給される。
【0062】
本実施形態では、インク容器10として、シアン色のインクを収容するインク容器10aと、マゼンタ色のインクを収容するインク容器10bと、イエロー色のインクを収容するインク容器10cと、ブラック色のインクを収容するインク容器10dとを備える。なお、本実施形態では、インク容器10a〜10dのそれぞれを、単にインク容器10として、適宜説明する。
【0063】
また、インク容器10は、印刷用紙Pに画像を印刷する場合に、印刷装置2によって参照される情報を記憶するインク容器側記憶部11を備える(
図2参照)。インク容器側記憶部11に記憶される情報は、印刷装置2の制御部100によって記憶される。
【0064】
本実施形態では、インク容器側記憶部11は、非接触ICタグによって構成されており、制御部100との間で無線によりデータ通信を行うことができる。なお、インク容器側記憶部11は、非接触ICタグに限定されるものではなく、制御部100とのデータ通信によって、読み書き可能であれば、どのような構成でもよい。
【0065】
ここで、
図3には、本実施形態に係るインク容器10のインク容器側記憶部11に記憶される情報の一例が示されている。
図3に示すように、インク容器側記憶部11は、「インク切れ情報」、「リフィルインク許可情報」、「インク成分情報」、「インク色情報」、「インク濃度情報」、「インク残量情報」などの情報を記憶する。
【0066】
「インク切れ情報」は、インク容器10(自容器)に最初に収容されていたインク(例えば、純正インク)が過去に使い果たされたか否かを識別する情報である。例えば、「インク切れ情報」としては、自容器に最初に収容されているインクが過去に使い果たされた場合、“有り”が記憶され、インクが過去に使い果たされていない場合、“無し”が記憶される。
【0067】
「リフィルインク許可情報」は、インク容器10(自容器)に再充填されたリフィルインクの使用を許可するか否かを示す情報である。例えば、「リフィルインク許可情報」としては、自容器に収容されているインクがユーザから使用を許可されたリフィルインクである場合、“有り”が記憶され、当該リフィルインクでない場合、“無し”が記憶される。
【0068】
ここで、「リフィルインク許可情報」がインク容器側記憶部11に記憶されるケースは、「インク切れ情報」がインク容器側記憶部11に記憶されており、かつ、インク容器10にインクが再充填されている、すなわち、インク容器10にリフィルインクが収容されていることが前提となる。なお、インク容器10に再充填されたリフィルインクが収容されていることを検出する方法としては、例えば、次の方法がある。具体的に、「インク切れ情報」がインク容器側記憶部11に記憶された状態において、印刷装置2に設けられるセンサが、インク容器10に所定量のインク(リフィルインク)が収容されていることを検出してもよいし、操作パネル30を用いたユーザの入力操作によって、インク容器10にリフィルインクが収容されていることを検出してもよい。なお、この場合、インク容器側記憶部11には、インク容器10にリフィルインクが収容されていることを示すリフィルインク充填情報が記憶されていてもよい。
【0069】
「インク成分情報」としては、例えば、インク容器10(自容器)に収容されているインクが油性である場合、“油性”が記憶され、水性である場合、“水性”が記憶される。
【0070】
「インク色情報」としては、例えば、インク容器10(自容器)に収容されているインクがブラック色である場合、“ブラック”が記憶され、イエロー色である場合、“イエロー”が記憶される。
【0071】
「インク濃度情報」としては、インク容器10(自容器)に収容されているインクを用いた印刷濃度を、“レベル1”から“レベル16”の16段階で示すレベル値が記憶される。なお、“レベル1”であれば、最も印刷濃度が薄いことを示し、“レベル16”であれば、最も印刷濃度が濃いことを示す。ここで、印刷装置2の印刷制御部113は、「インク濃度情報」に基づいて、印刷時のインク粘度を調節することにより、印刷濃度を調整してもよい。
【0072】
なお、印刷装置2がインクジェット印刷装置である場合には、インク粘度が小さいほど、インクが浸透しやすくなるため、印刷される画像の印刷濃度を薄くすることができる。また、印刷装置2が孔版印刷装置である場合には、インク粘度が小さいほど、インクが孔版原紙から出やすくなるため、逆に印刷濃度を濃くすることができる。このようにして、印刷装置2は、「インク濃度情報」に基づいて、インク粘度を調整することで、印刷濃度を調整してもよい。
【0073】
「インク残量情報」は、インク容器10(自容器)に収容されるインクの残量比率を示す情報である。残量比率は、“0%”から“100%”の範囲内の値で示すことができる。「インク残量情報」は、インク容器10に収容されるインクを用いた印刷の印刷枚数に応じて、“100%”から順次減算される。なお、「インク残量情報」は、印刷装置2の制御部100によって、記憶される。
【0074】
上述の「インク成分情報」と「インク色情報」と「インク濃度情報」と「インク残量情報」とのそれぞれは、上述の例に限定されず、フラグやコードなどを用いて示されてもよい。また、インク容器側記憶部11は、これらの情報に限定されず、更に多くの情報を含んでいてもよい。
【0075】
(印刷装置の動作)
次に、本発明の第1実施形態に係る印刷装置2の動作を説明する。ここで、以下において、印刷装置2の動作として、インク容器10に収容されるインクを使い果たした際の動作と、インク容器10を新たに装着した際の動作と、について説明する。
【0076】
初めに、印刷装置2の動作として、インク容器10に収容されるインクを使い果たした際の動作について
図4を用いて説明する。
図4は、インク容器10に収容されるインクを使い果たした際の印刷装置2の動作を示すフローチャートである。
【0077】
まず、印刷装置2では、印刷制御部113が、インク容器10に収容されるインクを使い果たしたインク切れ状態であるか否かを検出する(ステップS11)。例えば、印刷制御部113は、インク容器10から供給されるインクを使用して印刷した印刷用紙Pの枚数が所定枚数に達した場合に、インク容器10に収容されるインクを使い果たしたインク切れ状態であると検出する。また、例えば、印刷制御部113は、インク容器10のインク容器側記憶部11に「インク残量情報」として“0%”が記憶されている場合に、インク容器10に収容されるインクを使い果たしたインク切れ状態であると検出してもよい。
【0078】
なお、印刷制御部113は、インク切れ状態を検出しない場合(ステップS11;NO)、ステップS11の動作を繰り返す。
【0079】
印刷制御部113は、インク切れ状態を検出した場合(ステップS11;YES)、 インク容器10のインク容器側記憶部11に、「リフィルインク許可情報」が記憶されているか否かを判定する(ステップS12)。具体的に、印刷制御部113は、インク容器10のインク容器側記憶部11を参照して、「リフィルインク許可情報」として“有り”が記憶されているか否かを判定する。
【0080】
印刷制御部113は、「リフィルインク許可情報」として“有り”が記憶されていないと判定した場合(ステップS12;NO)、すなわち、「リフィルインク許可情報」として“無し”が記憶されていると判定した場合、印刷制御部113は、インクを使い果たしたことを示す「インク切れ情報」をインク容器10のインク容器側記憶部11に記憶する(ステップS13)。具体的に、印刷制御部113は、「インク切れ情報」として“有り”を記憶する。
【0081】
なお、このように、印刷制御部113が、「インク切れ情報」として“有り”を記憶するケースは、インク容器10に最初に収容されていたインク(例えば、純正インク)が使い果たされて、インク容器10がインク切れ状態となったケースである。すなわち、かかるケースは、一度のみである。
【0082】
一方、印刷制御部113は、「リフィルインク許可情報」として“有り”が記憶されていると判定した場合(ステップS12;YES)、「リフィルインク許可情報」として“無し”を記憶する。具体的に、印刷制御部113は、インク容器10のインク容器側記憶部11から、「リフィルインク許可情報」を消去する(ステップS14)。
【0083】
なお、このように、印刷制御部113が、「リフィルインク許可情報」として“有り”が記憶されていると判定するケースは、インク容器10に収容されていたインクが、再充填され、使用を許可されたリフィルインクであったケースである。
【0084】
次に、インク容器10を新たに装着した際の印刷装置2の動作について説明する。
図5は、インク容器10を装着した際の印刷装置2の動作を示すフローチャートである。
【0085】
まず、印刷装置2では、使用済みのインク容器10を取り外した後に、インク容器10が新たに装着されると、制御部100のCPU110は、これを検出する。そして、CPU110のインク管理部111は、インク容器10のインク容器側記憶部11を参照して、インク容器10に最初に収容されていたインクを使い果たしたことを示す「インク切れ情報」が記憶されているか否かを判定する。具体的に、インク管理部111は、インク容器側記憶部11を参照して、「インク切れ情報」として“有り”が記憶されているか否かを判定する(ステップS101)。
【0086】
インク管理部111は、「インク切れ情報」として“有り”が記憶されていないと判定した場合(ステップS101;NO)、すなわち、「インク切れ情報」として“無し”が記憶されていると判定した場合、印刷制御部113は、通常の印刷動作を開始する(ステップS112)。なお、このように、インク管理部111が、「インク切れ情報」として“無し”が記憶されていると判定するケースは、過去にインクを使い果たしていないインク容器10が印刷装置2に装着されたケースである。つまり、インク容器10に収容されていたインクが、リフィルインクでなく、インク容器10に最初に収容されるインク(例えば、純正インク)であったケースである。
【0087】
一方、インク管理部111は、「インク切れ情報」として“有り”が記憶されていると判定した場合(ステップS101;YES)、インク容器10のインク容器側記憶部11を参照して、「リフィルインク許可情報」が記憶されているか否かを判定する(ステップS102)。具体的に、インク管理部111は、インク容器10のインク容器側記憶部11を参照して、「リフィルインク許可情報」として“有り”が記憶されているか否かを判定する。
【0088】
インク管理部111は、「リフィルインク許可情報」として“有り”が記憶されていると判定した場合(ステップS102;YES)、設定受付部114は、リフィルインクを使用して画像を印刷する際の設定情報をユーザから受け付ける(ステップS103)。
【0089】
一方で、インク管理部111は、「リフィルインク許可情報」として“有り”が記憶されていないと判定した場合(ステップS102;NO)、すなわち、「リフィルインク許可情報」として“無し”が記憶されていると判定した場合、許可受付部112は、新たに装着されたインク容器10から供給されるインクとして、リフィルインクの使用を許可するか否かをユーザから受け付ける(ステップS103)。具体的に、許可受付部112は、リフィルインクの使用を許可するか否かを選択可能な許可受付画面を操作パネル部30に表示して、ユーザに入力を促す。
【0090】
ここで、
図6には、操作パネル部30に表示される許可受付画面の一例が示されている。
図6に示すように、許可受付画面は、許可ボタン領域A1と不許可ボタン領域A2とを含む。
【0091】
ステップS103において、許可受付部112は、ユーザによって不許可ボタン領域A2が押下された場合には、操作パネル部30から、リフィルインクの使用を許可しないことを示す不許可情報を取得する。一方、許可受付部112は、ユーザによって許可ボタン領域A1が押下された場合には、操作パネル部30から、リフィルインクの使用を許可することを示す許可情報を取得する。
【0092】
印刷制御部113は、許可受付画面を表示した後、ユーザから、リフィルインクの使用を許可することを受け付けたか否かを判定する(ステップS104)。具体的に、印刷制御部113は、許可受付部112によって不許可情報を取得した場合には、リフィルインクの使用を許可することを受け付けていないと判定する(ステップS104;NO)。この場合、印刷制御部113は、印刷に関連する処理を停止する(ステップS113)。
【0093】
なお、ステップS104において、ユーザによって不許可ボタン領域A2が押下されるケースとしては、インクを使い果たした空のインク容器10を、ユーザが誤って装着したケースや、画像品質が保証できないリフィルインクを収容したインク容器10を、ユーザが誤って装着したケースなどが挙げられる。
【0094】
一方、印刷制御部113は、許可受付部112によって許可情報が取得された場合、リフィルインクの使用を許可することを受け付けたと判定する(ステップS104;YES)。この場合、印刷制御部113は、インク容器10のインク容器側記憶部11に「リフィルインク許可情報」を記憶する(ステップS105)。具体的に、印刷制御部113は、インク容器側記憶部11において、「リフィルインク許可情報」として“有り”を記憶する。
【0095】
なお、ステップS105において、印刷制御部113が、インク容器側記憶部11に「リフィルインク許可情報」を記憶することによって、インク容器10に収容されるインクが、再充填され、かつ、ユーザによって使用の許可されたリフィルリンクであることが記録される。
【0096】
上述のステップS101〜S105に示すように、インク管理部111により、インク容器側記憶部11に「インク切れ情報」が記憶され、かつ「リフィルインク許可情報」が記憶されていないと判定されるとともに、許可受付部112により、リフィルインクの使用を許可することが受け付けられた場合、印刷制御部113は、「リフィルインク許可情報」をインク容器側記憶部11に記憶して、リフィルインクを使用した印刷を許可するように制御することができる。
【0097】
また、このとき、印刷制御部113は、「インク残量情報」として“100%”を記憶する。すなわち、印刷制御部113は、「インク残量情報」として、インク容器10に収容されるインクが満充填であることを示す情報を記憶する。
【0098】
次に、設定受付部114は、許可受付部112により、リフィルインクの使用を許可することが受け付けられた場合、インク容器10に収容されるインク、すなわちリフィルインクを使用して画像を印刷する際の設定情報をユーザから受け付ける(ステップS106)。具体的に、設定受付部114は、インク成分を選択可能な成分設定画面を操作パネル部30に表示して、ユーザに入力を促す。
【0099】
ここで、
図7には、操作パネル部30に表示される成分設定画面の一例が示されている。
図7に示すように、成分設定画面は、水性ボタン領域B1と油性ボタン領域B2とを含む。設定受付部114は、ユーザによって水性ボタン領域B1が押下された場合には、操作パネル部30から水性情報を取得する。そして、設定受付部114は、インク容器10のインク容器側記憶部11に、「インク成分情報」として“水性”を記憶する。
【0100】
一方で、設定受付部114は、ユーザによって、油性ボタン領域B2が押下された場合には、操作パネル部30から油性情報を取得する。そして、設定受付部114は、インク容器10のインク容器側記憶部11に、「インク成分情報」として“油性”を記憶する。
【0101】
なお、設定受付部114は、印刷装置2に使用すべきでないインク成分を示す「インク成分情報」が取得された場合、ユーザに報知してもよい。例えば、印刷装置2が油性インク専用である場合に、設定受付部114が、操作パネル部30から水性情報を取得した場合には、操作パネル部30にエラー表示を行うなどのエラー報知処理を行ってもよい。
【0102】
次に、設定受付部114は、インク色を指定する色設定画面を操作パネル部30に表示して、ユーザに入力を促す。
【0103】
図8には、操作パネル部30に表示される色設定画面の一例が示されている。
図8に示すように、色設定画面は、シアンボタン領域C1と、マゼンタボタン領域C2と、イエローボタン領域C3と、ブラックボタン領域C4とを含む。設定受付部114は、ユーザによって、シアンボタン領域C1〜ブラックボタン領域C4の何れが押下されるかに基づいて、インク容器10のインク容器側記憶部11に「インク色情報」としてインク色を示す情報を記憶する。例えば、設定受付部114は、ユーザによって、ブラックボタン領域C4が押下された場合には、操作パネル部30から、ブラックを示す色情報を取得する。そして、設定受付部114は、インク容器側記憶部11に、「インク色情報」として“ブラック”を記憶する。
【0104】
次に、設定受付部114は、印刷濃度を設定する濃度設定画面を操作パネル部30に表示して、ユーザに入力を促す。
【0105】
図9には、操作パネル部30に表示される濃度設定画面の一例が示されている。
図9に示すように、濃度設定画面は、濃度目盛領域D1と、濃度調整ボタン領域D2と、確定ボタン領域D3と、濃度目盛領域D1上を移動するマーカーXとを含む。なお、濃度目盛領域D1は、右側方向に向かうほど、印刷濃度が濃く(高く)なることを示し、左側方向に向かうほど、印刷濃度が薄く(低く)なることを示す。ユーザは、濃度調整ボタン領域D2を押下することで、濃度目盛領域D1上に表示されるマーカーXを、左右方向の何れかに段階的に移動させることができる。これにより、ユーザは、濃度目盛領域D1上のマーカーXの位置に応じて、印刷濃度を濃くするか又は薄くするかを設定できる。
【0106】
設定受付部114は、ユーザによって確定ボタン領域D3が押下された際、マーカーXの位置に応じた印刷濃度を示す濃度情報を操作パネル部30から取得する。設定受付部114は、取得した濃度情報に基づいて、インク容器10のインク容器側記憶部11に、「インク濃度情報」を記憶する。例えば、設定受付部114は、濃度情報によって示されるマーカーXの位置がレベル5(中間)であった場合には、インク容器側記憶部11に、「インク濃度情報」として“レベル5”を記憶する。
【0107】
このように、ステップS106において、設定受付部114は、成分設定画面と色設定画面と濃度設定画面とを操作パネル部30に順次表示させながら、ユーザによって入力された設定情報を操作パネル部30から取得する。
【0108】
そして、設定受付部114によって、設定情報がインク容器側記憶部11に記憶されると、テスト画像印刷部115は、設定情報に基づいて、リフィルインクを使用したテスト画像を印刷する(ステップS107)。具体的に、テスト画像印刷部115は、印刷部4を制御して、印刷用紙Pにチェック用のテスト画像を印刷する。
【0109】
次に、カール量検出部40が、テスト画像を印刷した印刷用紙Pのカール量を検出し、検出したカール量を示すカール量情報を印刷制御部113に送信する。そして、印刷制御部116は、印刷用紙Pのカール量が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS108)。
【0110】
印刷制御部116は、印刷用紙のカール量が所定の閾値以上であると判定した場合(ステップS108;Yes)、リフィルインクを使用した印刷に関連する処理を停止する(ステップS113)。
【0111】
一方、印刷制御部116は、印刷用紙のカール量が所定の閾値未満であると判定した場合(ステップS108;No)、画像読取部50は、テスト画像を読み取って、テスト画像情報を生成し、生成した画像情報を表示制御部116に送信する。また、表示制御部116は、テスト画像情報を操作パネル部30に表示する(ステップS109)。
【0112】
図10には、操作パネル部30に表示されるテスト画像表示画面の一例が示されている。
図10に示すように、テスト画像表示画面は、濃度変更目盛領域E1と、濃度変更ボタン領域E2と、確定ボタン領域E3と、テスト画像表示領域E4と、濃度目盛領域D1上を移動するマーカーXとを含む。なお、濃度変更目盛領域E1は、右側方向に向かうほど、印刷濃度が濃く(高く)なることを示し、左側方向に向かうほど、印刷濃度が薄く(低く)なることを示す。濃度目盛領域E1上に表示されるマーカーXは、表示開始時には、濃度目盛領域E1の中間(中央)に配置されている。ユーザは、濃度変更ボタン領域E2を押下することで、濃度目盛領域E1上に表示されるマーカーXを、左右方向の何れかに段階的に移動させることができる。これにより、ユーザは、濃度目盛領域E1上のマーカーXの位置に応じて、印刷濃度を濃くするか又は薄くするかを設定できる。
【0113】
また、この時、表示制御部116は、ユーザによって移動された濃度目盛領域E1上のマーカーXの位置に応じて、テスト画像表示領域E4に表示されるテスト画像の表示濃度を変更できる。例えば、濃度目盛領域E1上のマーカーXが中間よりも右方向に移動された場合には、表示制御部116は、テスト画像表示領域E4に表示されるテスト画像の表示濃度を濃くするように、表示画像を変更できる。
【0114】
また、操作パネル部30にテスト画像表示画面が表示されている際、設定受付部114は、設定情報を補正するための補正情報をユーザから受け付ける(ステップS110)。具体的に、設定受付部114は、ユーザによって確定ボタン領域E3が押下された際、マーカーXの位置に応じた印刷濃度の補正値を示す濃度補正情報を操作パネル部30から取得する。設定受付部114は、取得した濃度補正情報に基づいて、インク容器10のインク容器側記憶部11に記憶される「インク濃度情報」を補正する(ステップS111)。
【0115】
例えば、濃度目盛領域E1上のマーカーXの位置が、中間よりも右方向に向かって2段階移動した状態で、確定ボタン領域E3が押下された場合には、設定受付部114は、濃度補正情報として“+2”を取得する。そして、設定受付部114は、「インク濃度情報」として記憶されていた“レベル5”に2段階加算(+2)した“レベル7”を、補正後の「インク濃度情報」としてインク容器側記憶部11に記憶する。
【0116】
次に、印刷制御部113は、印刷動作を実行する(ステップS112)。すなわち、インク容器10に収容されるインク(リフィルインク)を使用した印刷に関連する処理を実行する。
【0117】
(作用及び効果)
以上のように、本発明の第1実施形態に係る印刷装置2によれば、インク容器10が新たに装着された際に、インク管理部111は、インク容器10のインク容器側記憶部11に「インク切れ情報」が記憶されているか否かを判定する。また、インク管理部111は、インク容器側記憶部11に「インク切れ情報」が記憶されていると判定した場合、インク容器10に収容されるインクがユーザから使用を許可されたリフィルインクであることを示す「リフィルインク許可情報」がインク容器側記憶部11に記憶されているか否かを判定する。「リフィルインク許可情報」がインク容器側記憶部11に記憶されていない場合、許可受付部112が、インク容器10から供給されるインクとして、リフィルインクの使用を許可するか否かをユーザから受け付ける。印刷制御部113が、許可受付部112によって、リフィルインクの使用を許可することを受け付けた場合、「リフィルインク許可情報」を、インク容器側記憶部に記憶し、インク容器10に収容されるインク(すなわち、リフィルインク)による印刷を許可するように制御する。
【0118】
これにより、新たに装着されたインク容器10に収容されるインクが、再充填されたリフィルリンクであり、かつ、使用可能なリフィルインクであるか否かの判断を、ユーザに仰ぐことができる。従って、ユーザによって、使用を許可すると判断された場合には、使用を許可されたリフィルインクを使用して画像を印刷できる。
【0119】
このように、印刷装置2によれば、インク容器10から供給されるインクがリフィルインクであっても、使用を許可されたリフィルインクである場合には、印刷することができる。更に、インク容器10のリサイクル品としての再利用も可能になるため、環境配慮に貢献することもできる。
【0120】
また、本発明の第1実施形態に係る印刷装置2によれば、新たに装着されたインク容器10に収容されるインクが、画像品質を許容できるリフィルインクであるか否かの判断を、ユーザに仰ぐことができるため、ユーザによって画像品質が許容できると判断されたリフィルインクを使用して画像を印刷できる。これにより、画像品質が許容できないリフィルインクの誤使用を防ぎ、画像品質の低下を抑制できる。
【0121】
また、印刷装置2によれば、印刷制御部113が、「リフィルインク許可情報」をインク容器側記憶部11に記憶するため、リフィルインクがユーザによって使用を許可されたことを記憶しておくことができる。これにより、インク容器10を他の印刷装置に装着した場合にも、他の印刷装置では、「リフィルインク許可情報」に基づいて、インク容器10に収容されるインクが、ユーザによって使用を許可されたリフィルインクであること、すなわち、画像品質が許容できると判断されたリフィルインクであることを把握できるので、画像品質が許容できないリフィルインクの誤使用を防ぎ、画像品質の低下を抑制できる。
【0122】
本発明の第1実施形態に係る印刷装置2によれば、設定受付部114が、リフィルインクを使用して画像を印刷する際の設定情報をユーザから受け付ける。これにより、リフィルインク使用時の適切な設定情報をユーザに入力させた上で、画像を印刷することができる。従って、かかる印刷装置2によれば、リフィルインクのインク特性に応じた設定情報に基づいて、画像を印刷することができるため、画像品質の低下を抑制できる。
【0123】
本発明の第1実施形態に係る印刷装置2によれば、テスト画像印刷部115が、設定情報に基づいてテスト画像を印刷し、表示制御部116が、テスト画像を読み込むことによって取得したテスト画像情報を表示する。また、設定受付部114は、テスト画像情報の表示に基づいて、設定情報を補正するための補正情報をユーザから受け付ける。これにより、ユーザが求める画像品質に近い画像を印刷するように、設定情報を補正することができるため、画像品質の低下をより一層抑制できる。
【0124】
本発明の第1実施形態に係る印刷装置2によれば、カール量検出部40が、テスト画像を印刷した印刷用紙Pのカール量を検出し、印刷制御部113は、印刷用紙Pのカール量が所定の閾値以上である場合、画像の印刷に関連する処理を停止する。ここで、例えば、油性インク専用の印刷装置に対して、水性インクを供給した場合には、画像品質の低下を招くだけでなく、印刷用紙Pのカール量が所定の閾値(許容値)以上になり、印刷装置の故障を引き起こしてしまう恐れがある。
【0125】
本実施形態に係る印刷装置2によれば、印刷制御部113は、印刷用紙Pのカール量が所定の閾値以上である場合、画像の印刷に関連する処理を停止するため、インク容器10から供給されるインクが、印刷装置2に供給されるべきインク特性を備えたリフィルインクで無い場合には、印刷に関連する処理を停止できる。これにより、画像品質の低下を抑制するとともに、印刷装置2の故障を防止できる。
【0126】
本発明の第1実施形態に係るインク容器10によれば、インク容器10(自容器)に最初に収容されていたインクが使い果たされたか否かを示す「インク切れ情報」と、インク容器10(自容器)から供給されるインクとして、インク容器10に再充填されたリフィルインクの使用を許可するか否かを示す「リフィルインク許可情報」を記憶するインク容器側記憶部11を備えるため、インク容器10に最初に収容されていたインク(例えば、純正インク)が使い果たされたことや、リフィルインクがユーザによって使用を許可されたリフィルインクであることを記憶しておくことができる。
【0127】
これにより、インク容器10を他の印刷装置に装着した場合にも、他の印刷装置は、「インク切れ情報」及び「リフィルインク許可情報」に基づいて、インク容器10に収容されるインクが、ユーザによって使用を許可されたリフィルインクであると判断した上で、当該リフィルインクを使用した印刷を実行できる。更に、インク容器10を他の印刷装置に装着した場合、他の印刷装置では、インク容器に収容されるインクが、ユーザによって画像品質が許容できると判断されたリフィルインクであることも把握できるので、画像品質が許容できないリフィルインクの誤使用を防ぎ、画像品質の低下を抑制できる。
【0128】
[本発明のその他の実施形態]
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。上述した本発明の第1実施形態では、印刷装置2が、インクジェット印刷装置である場合を例に挙げて説明したがこれに限定されるものではない。印刷装置2は、画像孔を穿孔した孔版原紙(所謂マスター)を用いて、印刷用紙に画像を印刷する孔版印刷装置であってもよい。なお、印刷装置2が孔版印刷装置である場合には、設定情報に含まれる「インク濃度情報」に基づいて、印刷用紙Pに印刷する際の印圧値を示す「印圧情報」やインク粘度等を調整するなど、必要に応じて構成を適宜変更すればよい。
【0129】
また、印刷装置2は、複写装置、ファクシミリ装置など、インク容器10に再充填されたリフィルインクを用いて画像を印刷する装置であれば、どのような印刷装置であってもよい。
【0130】
また、上述の実施形態において、印刷装置2は、
図5に示すステップS107〜ステップS111における動作を、所定のタイミングに実行するように構成されてもよい。例えば、所定のタイミングとしては、印刷装置2の電源が投入された際、又は、新たに装着されたインク容器10から供給されるインクを用いた印刷の印刷枚数が、所定枚数(例えば、1000枚)に達した際などが挙げられる。これにより、印刷装置2では、テスト画像印刷処理と設定情報を補正する処理とが、定期的に、又は、インク容器10から供給されるインク(リフィルリンク)が印刷部4で十分に循環された後に、実施されるため、画像品質を一層高めることができる。
【0131】
また、上述の実施形態において、印刷装置2は、ステップS106〜ステップS111の動作を必ずしも実行しなくてもよい。つまり、印刷装置2は、「リフィルインク許可情報」がインク容器側記憶部11に記憶されていると判定された場合(ステップS102;YES)と、リフィルインクの使用を許可することをユーザから受け付けて、「リフィルインク許可情報」をインク容器側記憶部11に記憶した場合(ステップS105)との後、制御部100の印刷制御部113は、印刷に関連する処理(ステップS112)を実行してもよい。これは、次の理由による。上述の場合、ユーザによって使用が許可されたリフィルリンクであることを示す「リフィルインク許可情報」が、インク容器側記憶部11に記憶されている。したがって、当該「リフィルインク許可情報」に基づけば、インク容器10に収容されるインクが、最低限の画像品質を保証できるリフィルリンクであると判断することもできるためである。
【0132】
また、上述の実施形態において、印刷装置2は、「インク切れ情報」がインク容器側記憶部11に記憶されていると判定した後(ステップS101;YES)、インク容器10にリフィルインクが収容されているか否かを検出してもよい。この場合、例えば、印刷装置2では、印刷装置2に設けられるセンサ(不図示)が、インク容器10の重量などに基づいて、インク容器10に所定量のインク(リフィルインク)を収容していることを検出し、インク管理部111が、この検出結果を取得した場合に、ステップS102の動作を実行してもよい。或いは、インク管理部111が、操作パネル部30に所定の入力画面を表示して、操作パネル30を用いたユーザの入力操作に基づいて、インク容器10にリフィルインクが収容されていることを検出し、この検出結果を取得した場合に、ステップS102の動作を実行してもよい。なお、インク管理部111が、インク容器10にリフィルインクが収容されていることを検出しない場合、印刷制御部113は、印刷に関連する処理を停止してもよい(ステップS113)。
【0133】
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。