(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記申し込み受け付け部は、前記住宅で使用される機器の管理サービスを申し込むための前記申し込み画面を通じて行われる前記申し込み操作、及び、前記住宅の修理サービスを申し込むための前記申し込み画面を通じて行われる前記申し込み操作のうち、少なくとも一方を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の発電設備管理システム。
前記ポイント付与装置が前記配分処理を実行すると、前記ポイント記憶装置が、前記配分処理の実行直前に記憶されていた前記ポイントと、前記配分処理の実行によって新たに配分された前記ポイントと、を前記住宅別に合算し、前記住宅別の合算結果を新たに前記ポイントとして記憶し、
前記ポイント記憶装置が前記住宅別の前記合算結果を新たに前記ポイントとして記憶してから所定時間が経過するまでの間、前記申し込み受け付け部は、前記申し込み操作を受け付けることが可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発電設備管理システム。
特定エリア内にある複数の住宅に設置された住宅側発電設備と、複数の前記住宅の住民が共同で保有する共用発電設備と、を管理するために前記複数の住宅の各々に対して設けられた住宅側端末であって、
前記複数の住宅のうち、一の住宅に対して設けられた前記住宅側端末が、
前記一の住宅に設置された前記住宅側発電設備の発電量に応じた情報を、表示器に表示させる住宅側発電量表示部と、
前記共用発電設備の発電量に関する発電量データを取得する発電量データ取得装置と通信し、該発電量データ取得装置が取得した前記発電量データに応じた情報を、前記表示器に表示させる発電量情報表示部と、
前記共用発電設備が発電した電力を売ることで得た収益をポイントに換算して複数の前記住宅の各々に配分したときの、前記住宅別の前記ポイントを記憶するポイント記憶装置であって、前記ポイントを複数の前記住宅の各々に配分して付与するポイント付与装置が、所定の期間毎に、前期における前記住宅での総消費電力量に対する、今期における前記総消費電力量の削減度合いを前記住宅別に評価する評価処理と、今期における前記収益を前記ポイントに換算する換算処理と、換算した前記ポイントを、前記削減度合いの評価結果に基づいて、複数の前記住宅の各々に配分する配分処理と、を繰り返し実行することにより新たに配分された前記ポイントと、前記配分処理の実行直前に記憶されていた前記ポイントと、を前記住宅別に合算し、前記住宅別の合算結果を新たに前記ポイントとして記憶するポイント記憶装置と通信し、該ポイント記憶装置に記憶された前記住宅別の前記ポイントのうち、前記一の住宅の前記ポイントの現在値を、前記表示器に表示させるポイント表示部と、
前記ポイントと交換して利用することが可能なサービスを申し込むための申し込み用画面が前記表示器に表示された状態において、前記申し込み画面を通じて行われる前記サービスの申し込み操作を受け付ける申し込み受付部と、を有することを特徴とする住宅側端末。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。特に、本実施形態で採用している各画面のレイアウトやデザインについては、あくまでも一例に過ぎず、ユーザの要望や使い勝手等を考慮して適宜変更可能なものである。
【0020】
<本実施形態に係る発電設備管理システムの概略構成>
先ず、本実施形態に係る発電設備管理システム(以下、本システムS)の概略構成について、
図1乃至3を参照しながら説明する。
図1は、本システムSの利用エリアに関する説明図である。
図2は、本システムS中、電力供給に関する機構を示した図である。
図3は、本システムS中、データ通信に関する機構を示した図である。なお、
図3において、データ通信ラインが実線にて示されており、送電ラインが破線にて示されている。
【0021】
本システムSは、いわゆるCEMSであり、その利用エリアにおける電力需給を管理する目的で用いられる。本システムSの構成について説明するにあたり、本システムSの利用エリアについて説明する。本システムSは、複数の住宅が建設された
図1に図示の特定エリアARにおいて利用される。ここで、「特定エリアAR」とは、タウンハウスのように一戸建て住宅(以下、住宅H)が集合した形態の集合住宅が建設された地域のことであり、本実施形態では、10〜100戸程度の住宅Hを含む一定区画の地域を意味する。ただし、特定エリアARとしては、より広い区画の地域であってもよく、例えば、行政区画単位の地域であってもよい。また、特定エリアAR内の住宅としては、一戸建ての住宅に限定されるものではなく、マンションやアパートのように同一棟内に複数存在する形態の住宅でもよい。
【0022】
特定エリアAR内にある複数の住宅Hは、それぞれ、太陽電池パネルを屋根部に備えている。この太陽電池パネルは、住宅側発電設備の一例に相当し、以下では住宅側PV1と呼ぶ。なお、住宅側発電設備としては、太陽電池パネルに限定されるものではなく、風力発電設備や地熱発電設備等の太陽光以外の自然エネルギーを利用して発電するもの、あるいは、燃料電池やガスエンジン発電設備等の補助燃料を利用して発電するものであってもよい。
【0023】
また、
図1に示すように、特定エリアAR中の共用スペース(住宅Hが建てられた場所とは異なる場所)には、太陽電池パネルからなる太陽光発電ユニットが共用設備として設置されている。この太陽光発電ユニットは、特定エリアAR内にある複数の住宅Hの住民が共同で保有する共用発電設備に該当し、以下では、共用PV2と呼ぶ。なお、共用発電設備についても太陽電池パネルに限定されるものではなく、風力発電設備や地熱発電設備等の太陽光以外の自然エネルギーを利用して発電するもの、あるいは、燃料電池やガスエンジン発電設備等の補助燃料を利用して発電するものであってもよい。
【0024】
共用PV2について説明すると、特定エリアAR内の平地に架設されたパネル用架台に載置された太陽電池パネルと、特定エリアARに建設されたモビリティステーションCの屋根部に設置された太陽電池パネルと、によって構成されている。モビリティステーションCとは、電力消費機器である小型電気車両(以下、モビリティ3)を内部に格納する車庫のことである。なお、モビリティステーションC及びその付属機器(例えば、照明機器)、並びにモビリティ3及びその付属機器(例えば、モビリティ3に電力を供給する電源装置)は、特定エリアARの各住宅Hの住民が共同で利用可能な共有設備に相当する。
【0025】
また、共用PV2は、比較的大規模であり、各住宅Hに設置された住宅側PV1に比して格段に出力電力が大きいものである。具体的に説明すると、本実施形態では、住宅側PV1の定格出力(最大値)が1〜10kW程度であるのに対し、共用PV2の定格出力(最大値)が50〜200kW程度に設定されている。
【0026】
次に、特定エリアARにおける電気系統について
図2を参照しながら説明する。特定エリアAR内の各住宅Hには、商用電源4から供給される電力(以下、系統電力)が供給される。また、各住宅Hには前述の住宅側PV1が設置されており、その発電電力が不図示のパワーコンディショナによって交流電力に変換されて宅内に供給される。すなわち、住宅側PV1の発電電力及び系統電力は、分電盤5を経由して宅内の家電製品6に供給される。
【0027】
また、各住宅Hには、リチウムイオン電池等からなる蓄電池7が設置されており、発電電力及び系統電力の一部を蓄電池7に蓄電することも可能である。さらに、住宅側PV1の発電電力については、そのうちの一部又は全部を売電することが可能である。より具体的に説明すると、各住宅Hには、逆潮流用ラインが設けられており、当該ライン中に設けられたスイッチSWがオンになると、住宅側PV1の発電電力が電力買い取り事業者である電力会社K1に向けて送電されるようになる。このように住宅側PV1の発電電力が電力会社K1によって買い取られることで、送電元の住宅Hの住民は、買い取られた電力に応じた収益を得ることとなる。
【0028】
一方、前述した共用PV2の発電電力は、一定割合分の電力を除き、ほぼ全量が売電されることになっている。そして、その売電電力は、ポイント(ポイントについては後述する)に換算されて特定エリアAR内の各住宅Hに配分されることになっている。このように共用PV2の発電電力のほぼ全量が売電されることで売電収益が比較的大きくなり、この結果、各住宅Hに配分されるポイントも増えることになる。すなわち、本システムSの構成により、各住宅Hの住民は、共用PV2からの恩恵を大いに享受することが可能である。
【0029】
なお、共用PV2の発電電力のうちの一部については、共用設備としてのモビリティ3及びモビリティステーションC内で消費されることになっている。具体的に説明すると、モビリティステーションC内には、蓄電装置としての蓄電池8が設置されている。この蓄電池8に蓄電された電力は、モビリティステーションC内の照明機器9に用いられたり、モビリティ3への電力供給源として用いられたりする。そして、共用PV2の発電電力のうち、所定の割合(例えば1〜10%程度)に相当する電力が蓄電池8に蓄電されることになっている。なお、モビリティ3及びモビリティステーションCについて、共用PV2から給電される電力量のみで電力需要を賄えない場合には、その不足分を系統電力にて補填することになっている。
【0030】
ちなみに、モビリティステーションC内で利用される蓄電池8については、複数用意しておき、その中の少なくとも一つを持ち運び可能なものとするとよい。このような構成とすることで、災害や事故等によって特定エリアAR全域で停電が生じたときの非常用電源として蓄電池8を利用することが可能となる。
【0031】
次に、本システムSの機器構成について説明する。本システムSは、上述した電力供給に関する機構と、
図3に図示したデータ通信関連の機構と、を主な構成要素とする。後者の機構について説明すると、
図3に示すように、ホームサーバ10及びユーザ端末11と、センターサーバ20と、電力会社サーバ30と、サービス提供会社サーバ40と、が本システムSの構成機器として設けられている。
【0032】
ホームサーバ10は、特定エリアAR内の各住宅Hの各々に対して設けられている。このホームサーバ10は、各住宅H内においてHEMS(Home Energy Management System)を構築している。すなわち、ホームサーバ10は、ホームゲートウェイとして機能し、宅内に構築された通信ネットワーク(以下、宅内ネットワークTN)を通じて宅内の電力需給状況を監視すると共に、宅内の各家電製品6を遠隔制御する。
【0033】
より具体的に説明すると、宅内の各所には電力センサE1〜E5が設置されており、ホームサーバ1は、宅内ネットワークTNを通じて各電力センサE1〜E5と通信し、その計測結果を取得する。なお、各電力センサE1〜E5の計測対象については、下記(t1)〜(t5)に示す通りである。ただし、宅内での電力計測対象については、下記以外の電力計測対象が加わっていてもよい。
(t1)電力センサE1:住宅Hでの総電力負荷
(t2)電力センサE2:蓄電池7に送電される電力
(t3)電力センサE3:住宅側PV1の発電電力
(t4)電力センサE4:住宅側PV1の発電電力中、電力会社K1に送電される電力
(t5)電力センサE5:商用電源4から給電される電力(系統電力)
【0034】
そして、ホームサーバ10は、各電力センサE1〜E5の計測結果を見える化(数値化若しくはグラフ化)し、当該ホームサーバ10が設置されている住宅Hの住民に対して報知する。住民は、その報知内容から、自宅における現在の電力需給状況を確認することが可能となる。この際、住民は、ディスプレイを搭載したユーザ端末11をインタフェース機器として使用する。このユーザ端末11は、ホームサーバ10とともに住宅側端末を構成し、そのディスプレイ(表示器に相当)には、ホームサーバ1によって見える化された電力需給状況が表示される。
【0035】
ユーザ端末11について説明すると、宅内ネットワークTNを通じてホームサーバ1と通信する機能、ホームサーバ1との通信を通じて入手した情報をディスプレイに表示する機能を備えたものである。本実施形態に係るユーザ端末11は、住民が保有するタブレット型のPDA(Personal Digital Assistant)によって構成されている。ただし、これに限定されるものではなく、住民が保有するスマートフォンや携帯電話、PC、或いは、通信機能を搭載したデジタルフォトフレームやテレビであってもよい。
【0036】
また、本実施形態に係るユーザ端末11は、タッチパネル型のディスプレイを備えており、タッチパネルを通じて住民が行う操作(タッチ操作)を検出する機能を有する。なお、住民が行う操作を検出する機構としては、タッチパネルに限定されるものではなく、キーボード等の入力装置や音声認識装置であってもよい。
【0037】
センターサーバ20は、本システムSを統括するサーバであり、特定エリアARを管轄する行政機関、若しくは特定エリアAR内の各住宅Hを建設した建設会社によって管理されている。このセンターサーバ20は、インターネット等の通信ネットワーク(以下、外部ネットワークGN)を通じて、各住宅Hのホームサーバ10、電力会社サーバ30及びサービス提供会社サーバ40と通信可能である。
【0038】
そして、センターサーバ20は、CEMSの中核機能である電力需給集計機能を備えている。この機能は、特定エリアAR箇所の電力需給に関する情報を収集し、エリア全体の需給状況として集計する機能である。具体的に説明すると、センターサーバ20は、各住宅Hのホームサーバ10と通信し、各住宅Hでの消費電力を示すデータ(以下、消費電力データ)を受信する。また、センターサーバ20は、モビリティステーションC及びモビリティ3によって消費される電力(換言すると、蓄電池8からの放電電力)を計測する電力センサE6と通信し、その計測結果を示すデータを受信する。そして、センターサーバ20は、全住宅H分の消費電力データ及び電力センサE6の計測結果データに基づいて、特定エリアAR全域での総消費電力(以下、エリア全域消費電力)を算出する。なお、エリア全域消費電力を算出するにあたり、モビリティステーションC及びモビリティ3以外の共用設備(例えば、街灯)での消費電力を計測し、その計測結果をエリア全域消費電力に加算してもよい。
【0039】
また、センターサーバ20は、共用PV2の発電電力を計測する電力センサE7と通信し、その計測結果を示すデータを受信する。そして、センターサーバ20は、電力センサE7の計測結果に基づいて、所定時間あたりの共用PV2の発電量(厳密には、発電電力)を算出する。ちなみに、電力センサE7の計測結果データは、共用PV2の発電量に関する発電量データに相当する。したがって、電力センサE7から計測結果データを受信するセンターサーバ20は、発電量データ取得装置に相当すると言える。
【0040】
さらに、センターサーバ20は、モビリティステーションC内に設置された蓄電池8に送電される電力を計測する電力センサE8と通信し、その計測結果を示すデータを受信する。そして、ホームサーバ10は、モビリティステーションC及びモビリティ3の消費電力を計測する電力センサE6の計測結果データと、上記電力センサE8の計測結果データとに基づいて、現時点の蓄電池8の蓄電量を算出する。
【0041】
なお、センターサーバ20が算出したエリア全域消費電力、共用PV2の発電量、及び、蓄電池8の蓄電量のそれぞれについては、その算出結果が特定エリアAR内の各住宅Hに配信されることになっている。すなわち、各住宅Hのホームサーバ10は、センターサーバ20との通信により、エリア全域消費電力等の算出結果を入手する。そして、ホームサーバ10は、入手した算出結果をユーザ端末11に表示させる。これにより、各住宅Hの住民は、ユーザ端末11を通じて、エリア全域消費電力等の算出結果(換言すると、特定エリアAR全体の需給状況)を確認することが可能となる。
【0042】
さらにまた、センターサーバ20は、上述した電力需給集計機能に加え、ポイント配分機能を備えている。ポイント配分機能とは、共用PV2の発電電力を売ることで得た収益をポイントに換算し、特定エリアAR内の各住宅Hに配分する機能である。かかる意味で、センターサーバ20は、特定エリアAR内の各住宅Hにポイントを配分して付与するポイント付与装置に相当すると言える。
【0043】
ポイント配分の大まかな流れについて説明すると、センターサーバ20は、電力会社K1が保有する電力会社サーバ30と外部ネットワークGNを通じて通信し、所定期間内に電力会社K1が買い取った電力に応じた金額(すなわち、売電収益)を示すデータを受信する。センターサーバ20は、受信データから売電収益を特定し、特定した売電収益を一定の換算レートにてポイントに換算する。その後、センターサーバ20は、換算したポイントを特定エリアAR内の各住宅Hに配分する。
【0044】
なお、各住宅Hが保有するポイントは、センターサーバ20が有するポイント記憶用データベース20xによって住宅H別に記憶されることになっている。つまり、ポイント記憶用データベース20xは、ポイント記憶装置に相当し、住宅H別にポイントを記憶しておくものである。より詳しく説明すると、ポイント記憶用データベース20xは、
図4に示すように、住宅H別のポイントを、当該住宅Hの住民に関する情報(具体的には氏名や入居年月日)及び当該住宅Hに設置されたホームサーバ10の識別情報(サーバ識別ID)と対応付けて記憶している。
図4は、ポイント記憶用データベース20xにおいて住宅H別に記憶されたポイント、厳密にはポイント記憶テーブルを示す図である。
【0045】
ポイントについて説明すると、各住宅Hの住民は、自己が保有するポイントを利用することで、サービス提供会社K2が提供するサービスを受けることが可能である。すなわち、サービス提供会社K2が提供するサービスは、ポイントと交換して利用することが可能なものであり、本実施形態では、住宅Hで使用される機器の管理サービスや住宅Hの修理サービスが該当する。なお、「住宅Hで使用される機器の管理サービス」とは、住宅Hで使用される機器(例えば、キッチンレンジ、エアコン、浴槽、トイレなど)を清掃・点検したり、当該機器における消耗品を交換したりするサービスである。また、「住宅Hの修理サービス」とは、住宅H各部について修繕する工事を行うサービスである。
【0046】
以上のように、本システムSでは、共用PV2の発電電力を売電することで得られる売電収益を、特定エリアAR内の各住宅Hの住環境を維持するために利用することにしている。すなわち、各住宅Hの住民は、CEMSに相当する本システムSを通じて環境に配慮した電力需給を実現しつつ、共用PV2の発電電力による恩恵として、自宅における住環境のメンテナンスを受けることが可能である。
【0047】
なお、ポイントと交換して利用することが可能なサービスとしては、上述したサービス(つまり、住宅Hで使用される機器の管理サービスや住宅Hの修理サービス)に限定されるものではない。住宅Hの住環境を維持するのに必要なサービスであれば、上述したサービス以外のサービスであってもよい。
【0048】
ところで、上述したサービスを利用するにあたり、各住宅Hの住民は、サービスの申し込みを行うことになるが、当該申し込みは、ホームサーバ10及びユーザ端末11を用いて行われることになっている。具体的に説明すると、サービスの申し込みに際して、ユーザ端末11のディスプレイ(厳密にはタッチパネル)に申し込み画面が描画される。かかる状態において、ユーザは、ディスプレイに表示された申し込み画面を通じて、申し込み操作(厳密には、サービスを申し込むためのタッチ操作)を行う。なお、申し込み画面については、後の項で説明することとする。
【0049】
ユーザ端末11は、当該申し込み操作を検知すると、その検知結果を示す信号をホームサーバ10に向けて出力する。ホームサーバ10は、ユーザ端末11からの出力信号を受信することで、上記の申し込み操作を受け付ける。その後、ホームサーバ10は、受け付けた申し込み操作の内容を示すデータ(以下、発注データ)を生成し、サービス提供会社K2が保有するサーバ、すなわち、サービス提供会社サーバ40に向けて送信する。そして、サービス提供会社サーバ40が発注データを受信した時点でサービスの申し込みが完了する。
【0050】
なお、本実施形態では、サービスの申し込み期間が予め決められており、具体的には、毎年、所定期間内に限りサービス申し込みが可能となる。より詳しく説明すると、住宅Hで使用される機器の管理サービスについては、毎年、決められた時期に限り申し込むことが可能である。一方、住宅Hの修理サービスについては、数年(例えば、5年)に一回の頻度で申し込み可能であり、更には、該当年中の所定の時期内で申し込む必要がある。ただし、サービスの申し込み期間については、上記の期間に限定されるものではなく、任意の期間に設定することが可能である。
【0051】
一方、サービスの申し込みが完了すると、サービス提供会社サーバ40が、サービス申し込み者、申し込まれたサービスの内容及び消費ポイントを特定する。そして、サービス提供会社サーバ40は、特定したサービス申し込み者と消費ポイントとを示すデータを生成し、当該データをセンターサーバ20に向けて送信する。センターサーバ20は、サービス提供会社サーバ40から上記のデータを受信すると、ポイント記憶用データベース20xにおいて住宅H別に記憶されているポイントのうち、サービス申し込み者の保有ポイントを消費ポイント分だけ減じたポイントに更新する。
【0052】
なお、本システムSでは、センターサーバ20とサービス提供会社サーバ40とが別々に設けられていることとしたが、これに限定されるものではない。サービス提供会社サーバ40が備える上述の機能をセンターサーバ20が搭載していてもよい。
【0053】
<<ホームサーバの詳細構成について>>
次に、前述したホームサーバ10の構成について詳しく説明することとする。ホームサーバ10は、CPU、ROMやRAMからなるメモリ、通信用インタフェース及びハードディスクドライブを主な構成要素として有する。また、メモリには、ホームサーバ10の機能を発揮させるためのプログラム(以下、HEMSプログラム)が記憶されている。このHEMSプログラムがCPUによって読み出されて実行されることで、ホームサーバ10は、その機能(厳密には、HEMSの中核機能)を発揮するようになる。
【0054】
より具体的に説明すると、HEMSプログラムが実行されると、ホームサーバ10は、情報表示画面をユーザ端末11に表示させる。これにより、ユーザ端末11のディスプレイには情報表示画面が描画されるようになる。また、情報表示画面には、住宅H内の電力需給をはじめ、ホームサーバ10から発信される各種情報が表示されるようになる。これにより、住宅Hの住民は、情報表示画面に表示された情報を確認するようになり、また、情報表示画面を通じて所定の操作を行うようになる。なお、情報表示画面に表示される情報については切り換え可能であり、具体的に説明すると、例えば
図6〜10に図示した画面中、切り換えタブTb1〜Tb4を押すことによって切り換え可能である。
【0055】
次に、ホームサーバ10の構成について、
図5を参照しながら改めて説明することとする。
図5は、ホームサーバ10の構成を機能面から示した図である。ホームサーバ10は、
図5に図示の機能部を有しており、具体的には、住宅側消費電力データ送信部101、住宅側消費電力情報表示部102、住宅側蓄電量表示部103、住宅側発電量表示部104、共用部発電量情報表示部105、共用部蓄電量情報表示部106、エリア全域消費電力情報表示部107、選択受け付け部108、用途切り換え部109、ポイント表示部110、申し込み受け付け部111及びサービス発注部112を有する。これらの機能部は、上述したホームサーバ10中のハードウェア機器(すなわち、CPU、メモリ、通信用インタフェース及びハードディスクドライブ)がHEMSプログラムと協働し、かつ、ユーザ端末11と連携することによって実現される。以下、上述した機能部のそれぞれについて個別に説明する。
【0056】
住宅側消費電力データ送信部101は、住宅Hでの消費電力を示す消費電力データを生成し、当該データをセンターサーバ20に向けて送信するものである。なお、住宅側消費電力データ送信部101は、消費電力データを生成するにあたり、宅内に設置された電力センサのうち、住宅Hでの総電力負荷を計測する電力センサE1と通信し、同センサの計測結果データを取得する。
【0057】
住宅側消費電力情報表示部102は、住宅Hでの消費電力に応じた情報を、ユーザ端末11に表示させるものである。具体的に説明すると、住宅側消費電力情報表示部102は、住宅Hでの総電力負荷を計測する電力センサE1と通信し、同センサの計測結果データを取得する。その後、住宅側消費電力情報表示部102は、取得した計測結果データから電力センサE1の計測結果、すなわち住宅Hでの消費電力を特定する。そして、住宅側消費電力情報表示部102は、特定した消費電力に応じた情報を表示させるためのデータを生成し、同データをユーザ端末11に向けて送信する。
【0058】
ユーザ端末11は、住宅側消費電力情報表示部102からの送信データを受信すると、当該データを展開し、消費電力に応じた情報を組み込んだ情報表示画面を描画してディスプレイに表示する。ここで、「消費電力に応じた情報を組み込んだ情報表示画面」とは、住宅Hでの電力需給状況を確認するために描画される画面であり、具体的には、
図6に図示の画面(以下、自宅電力需給確認画面)である。
図6は、自宅電力需給確認画面の一例を示した図である。
【0059】
上記の自宅電力需給確認画面は、切り換えタブTb1(
図6中、「自宅」という文字が付されたタブ)が押された場合に描画される。そして、自宅電力需給確認画面には、「消費電力に応じた情報」として、現時点の住宅Hでの消費電力の大きさをkW単位で表した数値情報が表示される。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、消費電力をグラフ化した情報であってもよく、あるいは、消費電力に応じた記号や図形であってもよい。
【0060】
また、本実施形態に係る自宅電力需給確認画面では、
図6に示すように、現時点の住宅Hでの消費電力の大きさと併せて、住宅Hにおける当月の総消費電力量が「消費電力に応じた情報」として表示されることになっている。換言すると、住宅側消費電力情報表示部102は、住宅Hにおける現時点の消費電力の大きさとともに当月の総電力消費量を表示させるためのデータを生成することになる。なお、住宅側消費電力情報表示部102は、当月の総電力消費量を表示させるためのデータを生成するにあたり、当月に取得した電力センサE1の計測結果データを集計し、その集計結果から当月の総電力消費量を算出する。
【0061】
住宅側蓄電量表示部103は、住宅Hに設置された蓄電池7の現時点の蓄電量に応じた情報を、ユーザ端末11に表示させるものである。具体的に説明すると、住宅側蓄電量表示部103は、蓄電池7への送電電力を計測する電力センサE2と通信し、同センサの計測結果データを取得する。その後、住宅側蓄電量表示部103は、取得した計測結果データに基づいて、現時点の蓄電池7の蓄電量を特定する。そして、住宅側蓄電量表示部103は、特定した蓄電量に応じた情報を表示させるためのデータを生成し、同データをユーザ端末11に向けて送信する。
【0062】
ユーザ端末11は、住宅側蓄電量表示部103からの送信データを受信すると、当該データを展開する。この結果、ユーザ端末11のディスプレイには、
図6に示すように、現時点の蓄電池7の蓄電量に応じた情報を組み込んだ自宅電力需給確認画面が表示されるようになる。なお、本実施形態では、「現時点の蓄電池7の蓄電量に応じた情報」として、当該蓄電量の大きさをkWh単位で表した数値情報が表示される。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、蓄電池7に蓄電可能な電力量の最大値に対する割合を示す情報であってもよい。
【0063】
住宅側発電量表示部104は、住宅側PV1の発電量に応じた情報を、ユーザ端末11に表示させるものである。具体的に説明すると、住宅側発電量表示部104は、住宅側PV1の発電電力を計測する電力センサE3と通信し、同センサの計測結果データを取得する。その後、住宅側発電量表示部104は、取得した計測結果データに基づいて、現時点における住宅側PV1の発電量を特定する。そして、住宅側発電量表示部104は、特定した発電電力に応じた情報を表示させるためのデータを生成し、同データをユーザ端末11に向けて送信する。
【0064】
ユーザ端末11は、住宅側発電量表示部104からの送信データを受信すると、当該データを展開する。この結果、ユーザ端末11のディスプレイには、
図6に示すように、住宅側PV1の発電量に応じた情報を組み込んだ自宅電力需給確認画面が表示されるようになる。なお、本実施形態では、「住宅側PV1の発電量に応じた情報」として、現時点における所定時間あたりの発電量の大きさ、すなわち発電電力をkW単位で表した数値が表示される。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、発電電力をグラフ化した情報であってもよく、あるいは、発電電力に応じた記号や図形であってもよい。
【0065】
また、本実施形態に係る自宅電力需給確認画面では、
図6に示すように、現時点の発電電力と併せて、当月の総発電量が「住宅側PV1の発電量に応じた情報」として表示されることになっている。換言すると、住宅側発電量表示部104は、現時点における住宅側PV1の発電電力とともに当月の総発電量を表示させるためのデータを生成することになる。なお、住宅側発電量表示部104は、当月の総発電量を表示させるためのデータを生成するにあたり、当月に取得した電力センサE3の計測結果データを集計し、その集計結果から当月の総発電量を算出する。
【0066】
共用部発電量情報表示部105は、本発明の『発電量情報表示部』に相当し、共用PV2の発電量に応じた情報を、ユーザ端末11に表示させるものである。具体的に説明すると、共用部発電量情報表示部105は、センターサーバ20と通信し、共用PV2の発電量を示すデータをセンターサーバ20から取得する。ここで、「共用PV2の発電量を示すデータ」とは、センターサーバ20が電力センサE7の計測結果に基づいて算出した、所定時間あたりの共用PV2の発電量、すなわち発電電力を示すデータである。
【0067】
そして、共用部発電量情報表示部105は、センターサーバ20から取得したデータから、現時点における共用PV2の発電電力を特定する。その後、共用部発電量情報表示部105は、特定した発電電力に応じた情報を表示させるためのデータを生成し、同データをユーザ端末11に向けて送信する。ユーザ端末11は、共用部発電量情報表示部105からの送信データを受信すると、当該データを展開し、発電電力に応じた情報を組み込んだ情報表示画面を描画してディスプレイに表示する。ここで、「発電量に応じた情報を組み込んだ情報表示画面」とは、特定エリアAR全体での電力需給状況を確認するために描画される画面であり、具体的には、
図7に図示の画面(以下、エリア全体電力需給確認画面)である。
図7は、エリア全体電力需給確認画面の一例を示した図である。
【0068】
上記のエリア全体電力需給確認画面は、切り換えタブTb2(
図7中、「エリア全体」という文字が付されたタブ)が押された場合に描画される。そして、エリア全体電力需給確認画面には、「共用PV2の発電量に応じた情報」として、現時点の発電電力をkW単位で表した数値が表示される。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、発電電力をグラフ化した情報であってもよく、あるいは、発電電力に応じた記号や図形であってもよい。
【0069】
また、本実施形態に係るエリア全体電力需給確認画面では、
図7に示すように、現時点の発電電力と併せて、当月の総発電量が「共用PV2の発電量に応じた情報」として表示されることになっている。換言すると、共用部発電量情報表示部105は、現時点での共用PV2の発電電力とともに当月の総発電量を表示させるためのデータを生成することになる。詳しく説明すると、共用部発電量情報表示部105がセンターサーバ20から取得する共用PV2の発電量を示すデータ中には、現時点での共用PV2の発電電力を示すデータの他に、当月の総発電量を示すデータが含まれている。共用部発電量情報表示部105は、当月の総発電量を示すデータから当該総発電量を特定し、特定した総発電量を表示させるためのデータを生成する。
【0070】
なお、「共用PV2の発電量に応じた情報」として表示される共用PV2の現時点での発電電力及び当月の総発電量は、センターサーバ20が取得した電力センサE7の計測結果データから特定されるものである。かかる意味で、共用部発電量情報表示部105によってユーザ端末11に表示される情報は、センターサーバ20が取得した発電量データに応じた情報であると言える。
【0071】
共用部蓄電量情報表示部106は、モビリティステーションC内に設置された蓄電池8の現時点の蓄電量に応じた情報を、ユーザ端末11に表示させるものである。具体的に説明すると、住宅側蓄電量表示部103は、センターサーバ20と通信し、蓄電池8の現時点での蓄電量を示すデータをセンターサーバ20から取得する。その後、共用部蓄電量情報表示部106は、センターサーバ20から取得したデータに基づいて、現時点の蓄電池8の蓄電量を特定する。そして、共用部蓄電量情報表示部106は、特定した蓄電量に応じた情報を表示させるためのデータを生成し、同データをユーザ端末11に向けて送信する。
【0072】
ユーザ端末11は、共用部蓄電量情報表示部106からの送信データを受信すると、当該データを展開する。この結果、ユーザ端末11のディスプレイには、
図7に示すように、現時点の蓄電池8の蓄電量に応じた情報を組み込んだエリア全体電力需給確認画面が表示されるようになる。なお、本実施形態では、「現時点の蓄電池8の蓄電量に応じた情報」として、当該蓄電量の大きさをkWh単位で表した数値情報が表示される。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、蓄電池8に蓄電可能な電力量の最大値に対する割合を示す情報であってもよい。
【0073】
エリア全域消費電力情報表示部107は、特定エリアAR全域での総消費電力(すなわち、エリア全域消費電力)に応じた情報を、ユーザ端末11に表示させるものである。具体的に説明すると、エリア全域消費電力情報表示部107は、センターサーバ20と通信し、エリア全域消費電力を示すデータを取得する。その後、エリア全域消費電力情報表示部107は、センターサーバ20から取得したデータに基づいて、エリア全域消費電力を特定する。そして、エリア全域消費電力情報表示部107は、特定したエリア全域消費電力に応じた情報を表示させるためのデータを生成し、同データをユーザ端末11に向けて送信する。
【0074】
ユーザ端末11は、エリア全域消費電力情報表示部107からの送信データを受信すると、当該データを展開する。この結果、ユーザ端末11のディスプレイには、
図7に示すように、エリア全域消費電力に応じた情報を組み込んだエリア全体電力需給確認画面が表示されるようになる。なお、本実施形態では、「エリア全域消費電力に応じた情報」として、現時点のエリア全域消費電力の大きさをkW単位で表した数値情報が表示される。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、エリア全域消費電力をグラフ化した情報であってもよく、あるいは、エリア全域消費電力に応じた記号や図形であってもよい。
【0075】
選択受け付け部108は、住宅側PV1の発電電力の用途を選択するための選択画面がユーザ端末11に表示された状態において、住民が選択画面を通じて行う用途の選択操作を受け付けるものである。選択画面について
図8を参照しながら説明すると、選択画面は、ユーザ端末11のディスプレイに表示される情報表示画面のうち、切り換えタブTb3(
図8中、「用途切換」という文字が付されたタブ)が押された場合に描画される画面である。
図8は、選択画面の一例を示す図である。
【0076】
また、本実施形態では、用途の候補として、下記4つの候補が挙げられており、それぞれの候補に対応するボタンBt1〜Bt4が選択画面中に設けられている。なお、用途の候補については、下記4つの候補に限定されるものではなく、他の候補が含まれていてもよい。
(1)住宅側PV1の発電電力すべてを売電すること(全量売電)
(2)住宅側PV1の発電電力のうち、宅内で消費されずに余った電力を売電すること(宅内で消費+余剰分売電)
(3)住宅側PV1の発電電力のうち、宅内で消費されずに余った電力を蓄電池7に蓄電すること(宅内で消費+余剰分蓄電)
(4)住宅側PV1の発電電力のうち、半分を売電し、半分を蓄電池7に蓄電すること(50%売電 50%蓄電)
【0077】
そして、住民が4つの用途の候補の中から一つを選択し、対応するボタンBt1〜Bt4を押すと、ユーザ端末11のタッチパネルが当該ボタン操作(選択操作に相当)を検知する。その後、ユーザ端末11は、検知結果を示すデータを生成し、ホームサーバ10に向けて送信する。一方、ホームサーバ10は、宅内ネットワークTNを通じて上記のデータを受信する。これにより、選択受け付け部108は、住民が行った用途の選択操作を受け付けるようになる。
【0078】
用途切り換え部109は、選択受け付け部108が受け付けた選択操作の内容に従って住宅側PV1の発電電力の用途を切り換えるものである。具体的に説明すると、用途切り換え部109は、選択受け付け部108がユーザ端末11から受信したデータを解析して選択操作の内容を特定する。そして、用途切り換え部109は、特定した選択操作の内容、すなわち、住民が選択した用途となるように、住宅H内の電力供給ライン中に設けられた切り替えスイッチ(例えば、
図3に図示のスイッチSW等)を制御する。
【0079】
ポイント表示部110は、センターサーバ20と通信し、ポイント記憶用データベース20xに記憶された住宅H別のポイントのうち、各自のポイントの現在値をユーザ端末11に表示させるものである。ここで、「各自のポイント」とは、特定エリアARに複数存在する住宅Hのうち、一の住宅Hに設置されたホームサーバ10から見たとき、当該一の住宅Hが保有しているポイントを意味する。具体例を挙げて説明すると、特定エリアAR内の「ある住宅H」にAさんが住んでいる場合、ポイント記憶用データベース20xに記憶された住宅H別のポイントのうち、Aさんの情報(例えば、Aさんの氏名)と対応付けられたポイントが、Aさん宅に設置されたホームサーバ10にとっての「各自のポイント」となる。
【0080】
ポイント表示部110は、各自のポイントの現在値を示すデータ(以下、ポイントデータ)をセンターサーバ20から受信し、当該ポイントデータが示す値をユーザ端末11に表示させる。これにより、ユーザ端末11は、ポイントデータが示す値、すなわち各自のポイントの現在値が表示された情報表示画面を描画してディスプレイに表示するようになる。なお、本実施形態では、
図9に示すように、サービスの申し込み画面における所定領域(
図9では上部領域)に各自のポイントの現在値が表示されることになっている。
図9は、サービスの申し込み画面の一例を示した図である。ただし、ポイントが表示される画面及び領域については、特に制限されるものではなく任意に設定することが可能である。
【0081】
申し込み受け付け部111は、サービスの申し込み用画面がユーザ端末11に表示された状態において、住民が申し込み画面を通じて行うサービスの申し込み操作を受け付けるものである。本実施形態では、前述したように2種類のサービス(具体的には、住宅Hで使用される機器の管理サービス、及び住宅Hの修理サービス)を申し込むことが可能である。以下、それぞれのサービスの申し込み手順について説明する。
【0082】
住宅Hで使用される機器の管理サービスを申し込む場合には、先ず、
図9に図示の申し込み画面をユーザ端末11のディスプレイに表示させる。
図9に図示の申し込み画面は、住宅Hで使用される機器の管理サービス専用の申し込み画面(以下、管理サービス申し込み画面)である。
【0083】
そして、本実施形態では、管理サービス申し込み画面の表示可能な期間が毎年、所定期間(以下、第一申し込み期間)に限られている。つまり、第一申し込み期間中において切り換えタブTb3(
図9中、「サービス申込」という文字が付されたタブ)が押された場合には、管理サービス申し込み画面が表示される。その一方で、第一申し込み期間以外の期間で切り換えタブTb3が押されたとしても、管理サービス申し込み画面は、表示されないことになっている。なお、第一申し込み期間は、毎年、センターサーバ20側で後述するポイント配分フローが行われてから所定日数が経過するまでの期間である。
【0084】
管理サービス申し込み画面について
図9を参照しながら説明すると、前述したように、当該申し込み画面の上方部には、各自のポイントの現在値が表示されている。その下方領域には、申し込み可能な管理サービス、及び、当該管理サービスを利用した場合の消費ポイントが表示されている。ちなみに、
図9に図示の管理サービス申し込み画面には、キッチンクリーニングや浴室クリーニング等、複数種類の管理サービスが表示されている。ただし、申し込み可能な管理サービスについては、特に制限されるものではなく、
図9に示した種類以外の種類の管理サービスが含まれていてもよい。
【0085】
そして、住民は、管理サービス申し込み画面を通じて所望の管理サービスを指定し、その管理サービスを申し込む。具体的に説明すると、管理サービス申し込み画面には、
図9に示すように、管理サービスのそれぞれに対してサービス指定用のボタン(
図9ではラジオボタン)が設けられている。住民は、所望の管理サービスに対して設けられたボタンを押すことで、当該管理サービスを指定する。その上で、住民は、申し込み画面中の最下部に設けられた申し込みボタンBo(
図9中、「申し込み」という文字が付されたボタン)を押す。以上までの一連の操作がサービスの申し込み操作に相当する。なお、当然ながら、住民は、その消費ポイントが各自のポイントの現在値を超えない範囲でサービスを申し込むことになっている。
【0086】
申し込み操作が完了すると、ユーザ端末11が当該申し込み操作の内容を示すデータを送信し、かかるデータを申し込み受け付け部111が宅内ネットワークTNを通じて受信する。このような手順にて申し込み受け付け部111は、住民が管理サービス申し込み画面を通じて行った申し込み操作を受け付ける。
【0087】
次に、住宅Hの修理サービスを申し込む場合の手順について説明する。住宅Hの修理サービスを申し込む場合には、先ず、
図10に図示の申し込み画面をユーザ端末11のディスプレイに表示させる。
図10は、住宅Hの修理サービス専用の申し込み画面(以下、修理サービス申し込み画面)を示す図である。
【0088】
そして、本実施形態では、修理サービス申し込み画面が数年に一回の頻度で表示されることになっている。具体的に説明すると、ある住民が自己のユーザ端末11に修理サービス申し込み画面を表示することができるのは、当該ある住民が住宅Hに入居してから5年間毎の年であり、かつ、該当年の所定期間(以下、第二申し込み期間)に限られている。つまり、該当年の第二申し込み期間中において切り換えタブTb3(
図10中、「サービス申込」という文字が付されたタブ)が押された場合には、修理サービス申し込み画面が表示される。その一方で、該当年以外の年、若しくは第二申し込み期間以外の期間で切り換えタブTb3が押されたとしても、修理サービス申し込み画面は、表示されないことになっている。なお、第二申し込み期間は、該当年中、第一申し込み期間の満了日から所定日数が経過するまでの期間となっている。
【0089】
修理サービス申し込み画面の構成、及び、当該申し込み画面を通じて行われる申し込み操作については、前述した管理サービス申し込み画面と略同様であるため、説明を省略することとする。なお、修理サービス申し込み画面を通じて申し込み可能な修理サービスについては、
図10に示したサービスに限定されるものではなく、それ以外のサービスが含まれていてもよい。
【0090】
そして、修理サービス申し込み画面を通じた申し込み操作が完了すると、ユーザ端末11が当該申し込み操作の内容を示すデータを送信し、かかるデータを申し込み受け付け部111が宅内ネットワークTNを通じて受信する。このような手順にて申し込み受け付け部111は、住民が修理サービス申し込み画面を通じて行った申し込み操作を受け付ける。
【0091】
サービス発注部112は、申し込み受け付け部111が受け付けたサービスの申し込み操作の内容を示すデータ、すなわち、発注データを生成し、サービス提供会社サーバ40に向けて送信するものである。
【0092】
<<センターサーバの詳細構成について>>
次に、センターサーバ20の構成について詳しく説明する。センターサーバ20は、CPU、ROMやRAMからなるメモリ、通信用インタフェースを主な構成要素として有する。また、本実施形態に係るセンターサーバ20は、ポイント記憶用データベース20xを有する。さらに、メモリには、センターサーバ20の機能を発揮させるためのプログラム(以下、CEMSプログラム)が記憶されている。このCEMSプログラムがCPUによって読み出されて実行されることで、センターサーバ20は、CEMSの中核機能を発揮するようになる。また、本実施形態では、CEMSプログラム中に、特定エリアARの各住宅Hに配分したポイントを管理するプログラムが組み込まれている。かかるプログラムが実行されることで、センターサーバ20は、後述するポイント配分フローを実施するようになる。
【0093】
センターサーバ20の構成について、
図11を参照しながら改めて説明することとする。
図11は、センターサーバ20の構成を機能面から示した図である。センターサーバ20は、
図11に図示の機能部を有しており、具体的には、共用PV発電量算出部201、エリア全域消費電力算出部202、共用部蓄電量算出部203、算出結果配信部204、住宅別節電度合い評価部205、売電収益特定部206、ポイント換算部207、ポイント配分部208、ポイント合算部209、ポイント更新部210及びポイント通知部211を有する。これらの機能部は、上述したセンターサーバ20中のハードウェア機器(すなわち、CPU、メモリ、通信用インタフェース及びハードディスクドライブ)がCEMSプログラムと協働することによって実現される。
【0094】
また、上述した機能部のうち、共用PV発電量算出部201、エリア全域消費電力算出部202、共用部蓄電量算出部203、算出結果配信部204及び住宅別節電度合い評価部205は、特定エリアAR全体の電力需給管理に関するものである。一方、売電収益特定部206、ポイント換算部207、ポイント配分部208、ポイント合算部209、ポイント更新部210及びポイント通知部211は、ポイント管理に関するものである。以下、エリア全体の電力需給管理に関する機能部と、ポイント管理に関する機能部とに分けて説明する。
【0095】
<エリア全体の電力需給管理に関する機能部について>
共用PV発電量算出部201は、共用PV2の発電量、厳密には、共用PV2の現時点での発電電力及び当月の総発電量を算出するものである。この共用PV発電量算出部201は、共用PV2の発電電力を計測する電力センサE7と通信し、その計測結果を示すデータを受信する。そして、センターサーバ20は、電力センサE7の計測結果データに基づいて、共用PV2の現時点での発電電力を算出する。また、センターサーバ20は、当月に取得した電力センサE7の計測結果データを集計し、その集計結果から当月の総発電量を算出する。
【0096】
エリア全域消費電力算出部202は、特定エリアAR全域での総消費電力(エリア全域消費電力)を算出するものである。このエリア全域消費電力算出部202は、各住宅Hのホームサーバ10と通信して各住宅Hの消費電力データを受信する。また、エリア全域消費電力算出部202は、モビリティステーションC及びモビリティ3での消費電力を計測する電力センサE6と通信し、その計測結果を示すデータを受信する。そして、エリア全域消費電力算出部202は、全住宅H分の消費電力データ及び電力センサE6の計測結果データに基づいて、エリア全域消費電力を算出する。
【0097】
共用部蓄電量算出部203は、モビリティステーションC内に設置された蓄電池8の現時点の蓄電量を算出するものである。この共用部蓄電量算出部203は、蓄電池8への送電電力を計測する電力センサE8と通信し、その計測結果を示すデータを受信する。また、共用部蓄電量算出部203は、モビリティステーションC及びモビリティ3での消費電力を計測する電力センサE6と通信し、その計測結果を示すデータを受信する。そして、共用部蓄電量算出部203は、上記2つの電力センサE6、E8の計測結果データに基づいて、蓄電池8の現時点での蓄電量を算出する。
【0098】
算出結果配信部204は、共用PV発電量算出部201、エリア全域消費電力算出部202及び共用部蓄電量算出部203のそれぞれの算出結果をデータ化して、各住宅Hのホームサーバ10に向けて送信するものである。
【0099】
住宅別節電度合い評価部205は、特定エリアARの各住宅Hにおける節電度合いを住宅H別に評価する。この住宅別節電度合い評価部205による評価処理は、所定期間毎(例えば、1年毎)に行われることになっている。そして、評価処理では、前期における住宅Hでの総消費電力量に対する、今期における当該総消費電力量の削減度合いを住宅H別に評価する。なお、節電度合いの評価方法については、特に制限されるものではなく、予め取り決められた評価基準に則って評価すればよい。
【0100】
また、住宅別節電度合い評価部205は、上記の評価処理において、節電度合いの評価結果に基づいて各住宅Hをランク付けし、そのランキングを示すデータを生成して各住宅Hのホームサーバ10に向けて送信する。これにより、各住宅Hの住民は、各自の節電度合いが特定エリアAR内の全住宅Hの中で何番目に大きいのかを確認することが可能となる。
【0101】
<ポイント管理に関する機能部について>
売電収益特定部206は、電力会社サーバ30と通信し、共用PV2の発電電力を売ることで得られる売電収益を特定する処理(以下、収益特定処理)を実行する。ポイント換算部207は、収益特定処理で特定された売電収益を一定の換算レートでポイントに換算する処理(以下、換算処理)を実行する。ポイント配分部208は、換算処理によって得られたポイントを特定エリアAR内の各住宅Hに配分する処理(以下、配分処理)を実行する。
【0102】
ポイント合算部209は、配分処理の実行直前にポイント記憶用データベース20xに記憶されていたポイントと、配分処理の実行によって新たに配分されたポイントと、を住宅H別に合算する処理(以下、合算処理)を実行する。ポイント更新部210は、配分処理によってポイントが新たに配分されたとき、あるいは、サービスの申し込みに伴ってポイントが消費されたときに、ポイント記憶用データベース20xに記憶されているポイントを増減後のポイントに更新する処理(以下、更新処理)を実行する。ポイント通知部211は、更新処理においてポイントが更新された住宅Hの住民に対して、ポイントの更新を通知する処理(以下、通知処理)を実行する。
【0103】
以下、ポイント管理に関する機能部がそれぞれ実行する処理について詳しく説明するために、上記の機能部が連携することで実現されるポイント配分フローを、
図12を参照しながら説明する。
図12は、ポイント配分フローの流れを示した図である。
【0104】
本システムSにおいて、ポイント配分フローは、毎年繰り返し実施されることになっている。すなわち、センターサーバ20のうち、ポイント管理に関する機能部は、毎年所定日(以下、配分実施日)になると、
図12に従ってポイント配分フローに係る一連の処理を実行する(S001)。
【0105】
ポイント配分フローが実施されると、先ず、売電収益特定部206が収益特定処理を実行する(S002)。本処理では、売電収益特定部206が電力会社サーバ30と通信し、売電収益データを電力会社サーバ30から受信する。「売電収益データ」とは、前年の配分実施日から今年の配分実施日までの1年間に共用PV2の発電電力が売られることで得た収益を示すデータである。そして、売電収益特定部206は、1年間分の売電収益を売電収益データから特定する。
【0106】
次に、ポイント換算部207による換算処理が実行され、前ステップS002で特定された売電収益がポイントに換算される(S003)。その後、ポイント配分部208による配分処理が実行され、前ステップS003で売電収益から換算したポイントが特定エリアARの各住宅Hに配分される(S004)。なお、本処理では、住宅別節電度合い評価部205が評価した各住宅Hの節電度合いの評価結果に基づき、ポイントを各住宅Hに配分することとしている。
【0107】
具体的に説明すると、住宅別節電度合い評価部205が評価処理において行った節電度合いのランク付け結果に従い、上位N番目までのランクにある住宅Hに対して特典ポイントを付与することとしている。上位N番目までのランクにある住宅Hは、それ以降のランクにある住宅Hと比べて、上記特典ポイントの分だけ加算されたポイントが付与されることになる。このように本システムSでは、ポイント配分時、節電度合いに応じたポイントが付与されることになっている。これにより、節電に対する各住宅Hの住民の意識を向上させることが可能となる。
【0108】
配分処理S004の実行後には、ポイント合算部209による合算処理(S007)、ポイント更新部210による更新処理(S008)、ポイント通知部211による通知処理(S009)が実行される。これらの処理は、各住宅H別に実行されることになっている。具体的に説明すると、ポイント合算部209が住宅H別に合算処理を行う。これに際して、ポイント合算部209は、各住宅Hの住民の入居日から経過年数を特定する。この経過年数は、ポイント記憶用データベース20xにおいてポイントと共に記憶された各住宅Hの住民の入居年月日から特定可能である。
【0109】
そして、入居日からの経過年数が5m+1年(mは1以上の自然数)ではない住宅Hについては(S005でNo)、その後、通常の合算処理を実行する。すなわち、配分処理の実行直前にポイント記憶用データベース20xに記憶されていたポイントと、配分処理の実行によって新たに配分されたポイントと、を住宅H別に合算する。一方で、入居日からの経過年数が5m+1年である住宅Hについては(S005でYes)、その時点でポイント記憶用データベース20xに記憶されているポイントをクリアし(S006)、ポイントクリア後に合算処理を実行する。すなわち、ポイントは、最大で5年間まで繰り越すことが可能であり、入居日から5m+1年目になると、それまで保有していたポイントが強制的に消滅することになっている。ただし、これに限定されるものではなく、保有ポイントについては、永続的に保有可能であることとしてもよい。また、保有ポイントをクリア(強制消滅)するタイミングについても任意に設定することが可能である。
【0110】
合算処理の実行後には更新処理が実行され、当該更新処理では、ポイント更新部210が、ポイント記憶用データベース20xに記憶されている住宅H別のポイントのうち、前ステップS007において合算処理の対象となった住宅Hのポイントを更新する。具体的には、合算処理での合算結果を当該合算処理の対象となった住宅Hのポイントとして、ポイント記憶用データベース20xに新たに記憶する。
【0111】
そして、更新処理の実行後には通知処理が実行され、当該通知処理では、ポイント通知部211が、前ステップS008において更新対象となったポイントを保有する住宅Hに対して、更新後のポイントを通知する。具体的には、更新後のポイントを示すデータを生成し、当該データを、更新対象となったポイントを保有する住宅Hにあるホームサーバ10(つまり、更新対象のポイントと紐付けされた識別IDが示すホームサーバ1)に向けて送信する。これにより、上記住宅Hの住民は、ユーザ端末11のディスプレイに表示された情報表示画面、具体的にはサービスの申し込み画面にて更新後のポイントを確認することが可能となる。
【0112】
その後、配分処理後のステップ(S005〜S009)が特定エリアAR内の住宅Hすべてについて繰り返された時点で(S010)、その年のポイント配分フローが終了する。そして、翌年の配分実施日になると、再びポイント配分フローが実施され、上記一連の処理が実行されることになる。なお、住宅別節電度合い評価部205による評価処理についても、ポイント配分フローと併せて1年間隔で実行されることになっている。これにより、ポイント配分時には、各住宅Hにおける最新の節電度合い(具体的には、節電度合いのランキング)を反映してポイントを配分することが可能となる。
【0113】
<<各住宅Hでの管理フローについて>>
次に、本システムSにおいて特定エリアAR内の各住宅Hで行われる管理について、そのフローを説明する。なお、以下に説明する各住宅Hでの管理フローでは、本発明の発電設備管理方法が採用されている。具体的に説明すると、本発明の発電設備管理方法を構成する工程は、各住宅Hでの管理フローとして実施されるものであり、より詳しくは、下記4つの管理フローF1〜F4として具現化されている。
(F1)自宅電力需給確認フロー
(F2)エリア全体電力需給確認フロー
(F3)ポイント確認・サービス申し込みフロー
(F4)用途切り換えフロー
【0114】
以下、それぞれの管理フローについて個別に説明する。なお、以下では、説明を分かり易くするため、特定エリアAR内にある複数の住宅Hのうち、一の住宅Hに相当するAさんの住宅Hでの管理フローを例に挙げて説明することとする。
【0115】
(自宅電力需給確認フロー)
自宅電力需給確認フローは、Aさんの住宅Hにおける電力需給状況、具体的には宅内の電力負荷、Aさんの住宅Hに設置された住宅側PV1の発電量、及び、Aさんの住宅Hに設置された蓄電池7の蓄電量を確認する管理フローである。本フローでは、Aさんの住宅Hにあるホームサーバ10及びユーザ端末11が連携し、
図13に図示された流れに従って各処理を実行する。
図13は、自宅電力需給確認フローの流れを示した図である。
【0116】
具体的に説明すると、自宅電力需給確認フローでは、先ず、ユーザ端末11のディスプレイに自宅電力需給確認画面が描画される(S101)。一方、ホームサーバ10は、宅内ネットワークTNを通じて電力センサE1〜E5と通信し、各センサの計測結果データを取得する(S102)。そして、ホームサーバ10は、取得した計測結果データを解析及び集計し、「住宅Hでの消費電力に応じた情報」、「住宅側PV1の発電量に応じた情報」及び「蓄電池7の現時点での蓄電量に応じた情報」を特定する(S103)。これらの情報の特定は、前述した住宅側消費電力情報表示部102、住宅側蓄電量表示部103及び住宅側発電量表示部104によって行われる。
【0117】
上記の情報特定ステップS103が完了した後、ホームサーバ10は、当該情報特定ステップS103にて特定した情報を、ユーザ端末11のディスプレイに描画された自宅電力需給確認画面に表示させる(S104)。この結果、Aさんのユーザ端末11のディスプレイには、
図6に示した情報、すなわち、Aさんの住宅Hにおける電力需給状況に関する情報が表示される。そして、当該情報が表示された状態のディスプレイを見ることで、Aさんは、自宅での電力需給状況を把握することが可能となる。
【0118】
(エリア全体電力需給確認フロー)
エリア全体電力需給確認フローは、特定エリアAR全体の電力需給状況、具体的にはエリア全域消費電力、共用PV2の発電量、及び、モビリティステーションCに設けられた蓄電池8の蓄電量を確認する管理フローである。本フローでは、Aさんの住宅Hにあるホームサーバ10及びユーザ端末11が連携し、
図14に図示された流れに従って各処理を実行する。
図14は、エリア全体電力需給確認フローの流れを示した図である。
【0119】
具体的に説明すると、エリア全体電力需給確認フローでは、先ず、ユーザ端末11のディスプレイにエリア全体電力需給確認画面が描画される(S201)。一方、ホームサーバ10は、外部ネットワークGNを通じてセンターサーバ20と通信し、エリア全域消費電力を示すデータ、共用PV2の発電量を示すデータ、及び、蓄電池8の現時点での蓄電量を示すデータを受信する(S202)。そして、ホームサーバ10は、センターサーバ20から受信した各種データを解析及び集計し、「エリア全域消費電力に応じた情報」、「共用PV2の発電量に応じた情報」及び「蓄電池8の現時点での蓄電量に応じた情報」を特定する(S203)。これらの情報の特定は、前述した共用部発電量情報表示部105、共用部蓄電量情報表示部106及びエリア全域消費電力情報表示部107によって行われる。
【0120】
上記の情報特定ステップS203が完了した後、ホームサーバ10は、当該情報特定ステップS203にて特定した情報を、ユーザ端末11のディスプレイに描画されたエリア全体電力需給確認画面に表示させる(S204)。この結果、Aさんのユーザ端末11のディスプレイには、
図7に示した情報、すなわち、特定エリアAR全体の電力需給状況に関する情報が表示される。そして、当該情報が表示された状態のディスプレイを見ることで、Aさんは、自分が居住する地域(すなわち、特定エリアAR)での電力需給状況を把握することが可能となる。
【0121】
(ポイント確認・サービス申し込みフロー)
ポイント確認・サービス申し込みフローは、Aさんが現在保有しているポイント(換言すると、ポイント記憶用データベース20xに記憶されているポイントのうち、Aさんの住宅Hのポイント)を確認すると共に、そのポイントを用いてサービスを申し込む管理フローである。本フローは、毎年、センターサーバ20側でポイント配分フローが実施されると、その後の一定期間に限って行われる。つまり、Aさんをはじめ、特定エリアARの各住宅Hの住民は、ポイントの更新時点(より厳密には、ポイントが新たに配分された時点)から一定の期間中にサービスを申し込むことになる。このようにサービス申し込み期間がポイントの更新時点から一定期間内に制限されることにより、住民のポイント活用、すなわち、サービス利用を促すことが可能となる。そして、サービスの利用が促進される結果、各住宅Hの住環境が適切に維持されるようになり、地域レベルでの住環境整備が実現されるようになる。
【0122】
ポイント確認・サービス申し込みフローでは、Aさんの住宅Hにあるホームサーバ10及びユーザ端末11が連携し、
図15に図示された流れに従って各処理を実行する。
図15は、ポイント確認・サービス申し込みフローの流れを示した図である。
【0123】
具体的に説明すると、本フローは、先ず、ホームサーバ10(若しくはユーザ端末11)が当日の日付を確認するところから始まる(S301)。そして、当日の日付が、直前に実施されたポイント配分フローの実施日から所定日数が経過するまでの期間、すなわち、第一申し込み期間内である場合(S302でYes)、ユーザ端末11のディスプレイに管理サービス申し込み画面が描画される(S303)。
【0124】
一方、当日の日付が第一申し込み期間内でない場合(S302でNo)、ホームサーバ10(若しくはユーザ端末11)が、Aさんが自分の住宅Hに入居してからの経過年数(入居年数)を特定する。そして、入居年数が5m年(mは1以上の自然数)であり(S304でYes)、かつ、当日の日付が、第一申し込み期間の満了日から所定日数が経過するまでの期間、すなわち、第二申し込み期間内である場合(S305でYes)、ユーザ端末11のディスプレイに修理サービス申し込み画面が描画される(S306)。
【0125】
なお、当日の日付が第一申し込み期間内でない場合であって、入居年数が5m年ではない場合(S304でNo)、若しくは第二申し込み期間内でない場合には(S305でNo)、本フローは終了する(S312)。
【0126】
そして、管理サービス申し込み画面又は修理サービス申し込み画面が描画されると、ホームサーバ10が外部ネットワークGNを通じてセンターサーバ20と通信し、各自のポイントを示すデータをセンターサーバ20から受信する(S307)。その後、ホームサーバ10は、受信した各自のポイントを示すデータから、Aさんの住宅Hが保有するポイントの現在値を特定し、その特定結果を申し込み画面に表示させる(S308)。かかるステップは、前述したポイント表示部110によって行われる。
【0127】
以上までのステップが実施されることで、Aさんのユーザ端末11のディスプレイには、
図9又は10に図示するように、Aさんの住宅Hが保有するポイントの現在値が表示された申し込み画面が映し出されることになる。かかる状態の申し込み画面を通じて、Aさんは、自己の保有ポイントの現在値を見ながら、申し込み画面中に示されたサービスの中から所望のサービスを指定することになる。
【0128】
そして、Aさんが申し込み画面を通じてサービスの申し込み操作を行うと(S309)、ホームサーバ10(厳密には、前述した申し込み受け付け部111)が当該申し込み操作を受け付ける(S310)。その後、ホームサーバ10(厳密には、前述したサービス発注部112)は、申し込み操作の内容を示す発注データを生成し、当該発注データをサービス提供会社サーバ40に向けて送信する(S311)。この結果、Aさんは、保有ポイントを用いて所望のサービスを申し込み、後日、当該サービスを受けるようになる。
【0129】
なお、本システムSでは、上述したように、Aさんが申し込むことが可能なサービスがその入居年数に応じて変わることになっている。具体的に説明すると、清掃や消耗品の交換など、住宅H内で比較的頻繁に行われる維持管理作業に関するサービス、すなわち、住宅Hで使用される機器の管理サービスについては、毎年、申し込むことが可能である。その一方で、数年に一度の頻度で行われる住宅Hの修繕サービスについては、5年に一回だけ申し込むことが可能である。このように申し込み可能なサービスを入居年数に応じて変えることで、住宅Hの住環境を維持する上でより有効にポイントを活用することが可能となる。
【0130】
(用途切り換えフロー)
用途切り換えフローは、Aさんの住宅Hに設置された住宅側PV1の発電電力の用途を切り換える管理フローである。本フローでは、Aさんの住宅Hにあるホームサーバ10及びユーザ端末11が連携し、
図16に図示された流れに従って各処理を実行する。
図16は、用途切り換えフローの流れを示した図である。
【0131】
具体的に説明すると、用途切り換えフローでは、先ず、ユーザ端末11のディスプレイに、
図8に図示の選択画面が描画される(S401)。そして、Aさんが選択画面を通じて用途の選択操作を行うと(S402)、ホームサーバ10(厳密には、前述した選択受け付け部108)が当該選択操作を受け付ける(S403)。その後、ホームサーバ10(厳密には、前述した用途切り換え部109)は、選択操作の内容に従って、住宅H内の電力供給ライン中に設けられた切り替えスイッチ等を制御する。これにより、住宅側PV1の発電電力の用途が、Aさんによって選択された用途に切り替えられるようになる(S404)。
【0132】
以上の手順によって住宅側PV1の発電電力の用途が切り換えられることで、Aさんは、当該用途をその時点での状況(例えば、宅内の電力需給状況や電力買い取り額の変動)に応じて適宜変更することが可能となる。
【0133】
<<本システムSの有効性について>>
以上までに説明してきた通り、本システムSによれば、特定エリアARの各住宅Hにおいて、自宅に設置された住宅側PV1の発電量に応じた情報、共用PV2の発電電力に応じた情報、共用PV2の発電電力を売ることで得た収益をポイントに換算して各住宅Hに配分したときの各自のポイントの現在値が、ユーザ端末11のディスプレイに表示される。また、ユーザ端末11のディスプレイには、ポイントと交換して利用することが可能なサービスの申し込み用画面が表示され、さらには、住宅側PV1の発電電力の用途を選択するための選択画面が表示される。そして、各住宅Hのホームサーバ10及びユーザ端末11は、上記の申し込み画面を通じて行われるサービスの申し込み操作や、上記の選択画面を通じて行われる用途の選択操作を受け付ける。
【0134】
以上の構成により、本システムSのユーザである各住宅Hの住民は、自己のホームサーバ10及びユーザ端末11を利用することで、住宅側PV1及び共用PV2の発電状況の確認、保有ポイントの現在値の確認、サービスの申し込み、住宅側PV1による発電電力の用途の選択を一括で行うことが可能となる。この結果、本システムSは、特定エリアAR内の各住宅Hの住民にとって使い勝手がよいものとなる。また、各住宅Hの住民についても、上述した確認作業や申し込み・選択行為をより簡便に行うことが可能となる。
【0135】
さらに、本システムSでは、共用PV2の発電電力を売ったときの売電収益(厳密には、売電収益をポイントに換算して各住宅Hに配分した際の各住宅Hのポイント)が、特定エリアAR内の住宅Hにおける住環境を維持管理するためのサービスと交換可能となっている。すなわち、特定エリアAR内の住宅に住む住民は、環境に配慮した電力需給を実現しつつ、それによって得た利益を自宅の住環境の維持管理に用いることが可能である。これにより、特定エリアARにおける環境負荷低減と、同エリア内の住宅Hの長寿命化と、を両立させることが可能となる。