(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472264
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
G01K 1/14 20060101AFI20190207BHJP
G01H 1/00 20060101ALI20190207BHJP
G01D 11/24 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
G01K1/14 E
G01H1/00 G
G01D11/24 Z
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-30670(P2015-30670)
(22)【出願日】2015年2月19日
(65)【公開番号】特開2016-151554(P2016-151554A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2017年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 康祐
【審査官】
榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−525026(JP,A)
【文献】
特開2000−285336(JP,A)
【文献】
特開2003−121210(JP,A)
【文献】
米国特許第6231230(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00 − 19/00
G01H 1/00 − 17/00
G01D 11/24
G01D 11/30
F16L 55/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物に固定され、該測定対象物の温度および振動の少なくとも一方を検出するセンサ本体と、
上記センサ本体の検出信号を外部機器へ送信する通信機と、
上記センサ本体と上記通信機とを接続する接続部材とを備え、
上記接続部材は、少なくとも2つの曲げ管と、該2つの曲げ管を接続する一のユニオン継手と、前記2つの曲げ管のうち一方の曲げ管の、前記一のユニオン継手と反対側の端部に設けられた別のユニオン継手とを有している
ことを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサ装置において、
前記通信機又は前記センサ本体は、前記別のユニオン継手、又は、前記一のユニオン継手及び前記別のユニオン継手の何れとも異なるユニオン継手を介して前記接続部材と接続されている
ことを特徴とするセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、測定対象物に固定して測定対象物の振動や温度を検出するセンサ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、測定対象物に固定されて温度や振動を検出するセンサが知られている。また、このようなセンサと信号線で接続され、センサによって検出された温度等に関する信号を処理し外部機器へ送信する通信機が、例えば特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−170388号公報
【特許文献2】特開2009−133755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したようなセンサおよび通信機では、センサと通信機とを波形状のフレキシブル管で接続し、センサからの信号線をフレキシブル管内に通して通信機に接続する場合がある。こうすることで、通信機の位置や向きを任意に調整することができる。しかしながら、この場合、特にフレキシブル管の端部、即ちフレキシブル管におけるセンサおよび通信機との接続部が損傷する虞があった。つまり、フレキシブル管は強度が比較的低いため、センサが固定される測定対象物の振動によりフレキシブル管が疲労破壊する虞があった。
【0005】
本願に開示の技術は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、センサ本体と通信機とが接続されるセンサ装置において、通信機の位置や向きを調整可能としつつも、接続部の損傷を抑制することが可能な通信機およびセンサ本体の接続構成を構築することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願のセンサ装置は、センサ本体と、通信機と、接続部材とを備えている。上記センサ本体は、測定対象物に固定され、該測定対象物の温度および振動の少なくとも一方を検出するものである。上記通信機は、上記センサ本体の検出信号を外部機器へ送信するものである。上記接続部材は、上記センサ本体と上記通信機とを接続するものであり、2つの曲げ管と、該2つの曲げ管を接続するユニオン継手とを有している。
【発明の効果】
【0007】
本願のセンサ装置によれば、センサ本体と通信機とを接続する接続部材が、2つの曲げ管と、該2つの曲げ管を接続するユニオン継手とを有している。つまり、接続部材は互いがユニオン継手によって接続された2つの曲げ管を有している。そのため、2つの曲げ管の少なくとも一方について、ユニオン継手の軸を中心に回転させ任意の向きに接続することができる。これにより、従来のように接続部材としてフレキシブル管を用いなくても、通信機の位置や向きを任意に調整することができる。したがって、通信機の位置や向きを調整可能としつつも、接続部の損傷を抑制することが可能な通信機およびセンサ本体の接続構成を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るセンサ装置の概略構成を示す正面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るセンサ装置の概略構成を示す正面図である。
【0009】
以下、本願の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本願に開示の技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0010】
図1に示すように、本実施形態のセンサ装置1は、センサ本体2と、通信機3と、接続部材4とを備えている。
【0011】
センサ装置1では、センサ本体2が図示しない固定器具に連結して測定対象物(例えば、スチームトラップ)に固定される。センサ本体2は、測定対象物の振動および温度の2つを検出する、いわゆる固定タイプのセンサである。通信機3は、アンテナ3aを有する無線の通信機である。通信機3は、図示しないが、信号処理回路や発信部が内蔵されている。接続部材4は、センサ本体2と通信機3とを接続するものである。センサ装置1は、例えば概ね上下方向に延びる状態で測定対象物に固定される。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の接続部材4は、3つの管41,42,43と、4つのユニオン継手44,45,46,47とで構成されている。
【0013】
3つの管41,42,43は、何れも曲げ管である。具体的に、第1管41は、直線部を有し、その両端41a,41bが屈曲した曲げ部となっている。第1管41の両端41a,41bは、互いに同じ方向(側)に45°屈曲している。第2管42および第3管43は、何れも45°屈曲したエルボ管である。第2管42は、一端(上端)が第1ユニオン継手44によって通信機3に接続され、他端(下端)が第2ユニオン継手45によって第1管41の一端(上端)に接続されている。第3管43は、一端(上端)が第3ユニオン継手46によって第1管41の他端(下端)に接続され、他端(下端)が第4ユニオン継手47によってセンサ本体2に接続されている。
【0014】
以上のように、本実施形態の接続部材4は、互いが第2ユニオン継手45によって接続された2つの曲げ管(第1管41、第2管42)と、互いが第3ユニオン継手46によって接続された2つの曲げ管(第1管41、第3管43)を有している。
【0015】
上述のように構成された接続部材4では、ユニオン継手44,45,46,47によって、3つの管41,42,43の各々が任意の向きで接続可能となっている。具体的に、第2管42は、第1ユニオン継手44の中心軸X1または第2ユニオン継手45の中心軸X2を中心に回転(回動)することにより任意の向きに接続される。第1管41は、第2ユニオン継手45の中心軸X2または第3ユニオン継手46の中心軸X3を中心に回転(回動)することにより任意の向きに接続される。第3管43は、第3ユニオン継手46の中心軸X3または第4ユニオン継手47の中心軸X4を中心に回転(回動)することにより任意の向きに接続される。
【0016】
このように、3つの管41,42,43の各々を任意の向きで接続することにより、例えば
図2に示すように接続部材4を構成することができる。これにより、他の機器や配管5との干渉を防ぎつつ、センサ本体2と通信機3とを接続することができ、通信機3の位置や向きを調整することができる。また、本実施形態の接続部材4では、通信機3を第1ユニオン継手44の中心軸X1を中心に回転(回動)することによっても、通信機3自体の向きを調整することができる。また、センサ本体2を第4ユニオン継手47の中心軸X4を中心に回転(回動)することによって、センサ本体2の向きも調整することができる。
【0017】
以上のように、上記実施形態のセンサ装置1によれば、センサ本体2と通信機3とを接続する接続部材4が、2つの曲げ管(第1管41、第2管42、第3管43)と、該2つの曲げ管を接続するユニオン継手45,46とを有しているため、2つの曲げ管の少なくとも一方について、ユニオン継手45,46の中心軸X2,X3を中心に回転させ任意の向きに接続することができる。これにより、従来のように接続部材としてフレキシブル管を用いなくても、通信機3の位置や向きを任意に調整することができる。したがって、通信機3の位置や向きを調整可能としつつ、接続部材4の損傷を抑制することが可能なセンサ本体2および通信機3の接続構成を構築することができる。
【0018】
また、上記実施形態のセンサ装置1では、通信機3を第1ユニオン継手44によって第1管41に接続するようにしたため、通信機3自体も任意の向きに回転(回動)させて接続することができる。
【0019】
また、上記実施形態のセンサ装置1では、センサ本体2を第4ユニオン継手47によって第3管43に接続するようにしたため、センサ本体2自体も任意の向きに回転(回動)させて接続することができる。
【0020】
なお、上記実施形態の接続部材4は、単なる一例であり、互いがユニオン継手によって接続された2つの曲げ管を有する構成であれば如何なるものであってもよい。例えば、上記実施形態において、第1ユニオン継手44および第4ユニオン継手47を通常の管継手で構成するようにしてもよいし、第1ユニオン継手44、第2管42および第2ユニオン継手45を省略し、第1管41の上端を曲げ部とせずに直線状に形成して通信機3に直接繋ぐようにしてもよい。
【0021】
また、上記実施形態では、センサ本体2が振動および温度の一方のみを検出するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本願に開示の技術は、測定対象物に固定して測定対象物の振動等を検出するセンサ装置について有用である。
【符号の説明】
【0023】
1 センサ装置
2 センサ本体
3 通信機
4 接続部材
41 第1管(曲げ管)
42 第2管(曲げ管)
43 第3管(曲げ管)
45 第2ユニオン継手(ユニオン継手)
46 第3ユニオン継手(ユニオン継手)