(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明を省略する場合もある。また、図面の一部では、開示内容を理解しやすくするために、必要に応じて特定の構成要素を模式的に示したり、簡素化したり、省略したりしている。
【0011】
<本発明の基礎となった知見>
図1は、装置10が備え付けられた部屋の内部を模式的に示した図である。
図1に例示する装置10は、センサー12を搭載した空気調和機であって、部屋の壁面に取り付けられている。人(ユーザ)51は、掛布団53a及び敷布団53bからなる寝具53に入って就寝しているものとする。以下、この就寝している人を就寝者51と表現する。
【0012】
上述した
図1の状況における装置10として用いられる従来の空気調和機1000の構成図を、
図22に示す。
図22に示す従来の空気調和機1000は、電源部1100、センサー1200、第1の制御部1300、スイッチ部1400、第2の制御部150、操作部160、及び装置機能部170を備えている。装置機能部170は、ルーバー171、コンプレッサー172、及びファン173等を含んでいる。
【0013】
従来の空気調和機1000において、電源部1100は、外部から第1の電源(例えば、AC100V等)を入力し、機器に必要な第2の電源(例えば、DC12V等)を発生する。電源部1100が発生した第2の電源は、スイッチ部1400に(また必要に応じて操作部160にも)供給される。スイッチ部1400は、操作部160の制御に基づいてオン/オフ状態を切り替えることができる構成であり、オン状態の時に電源部1100から入力した第2の電源を後段の構成に出力する。スイッチ部1400が第2の電源を出力する後段の構成は、センサー1200、第1の制御部1300、及び第2の制御部150である。
【0014】
センサー1200は、
図1のセンサー12に相当し、例えば室内の温度に関する情報を取得する(データを測定する)温度センサーである。この温度センサーとしては、二次元的に温度分布を測定可能な熱画像センサー等が適している。センサー1200が取得した情報(測定したデータ)は、第1の制御部1300に出力される。第1の制御部1300は、センサー1200で取得された情報から特徴量を抽出する。特徴量としては、例えば室内の人の有無や、人が存在する位置や、人の顔温度等が挙げられる。このような特徴量により、第1の制御部1300は、(人の位置から)どの方向に風を向けるべきか、また(顔温度等から)どの程度の温度の風を吹き出すべきか等の、今の部屋に必要な制御を把握できる。第1の制御部1300で把握された制御内容は、第2の制御部150へ出力される。第2の制御部150は、装置機能部170に接続されており、第1の制御部1300から受けた制御内容に基づいて、ルーバー171により風向を、コンプレッサー172により風温度を、ファン173により風量をそれぞれ調整する。また、第2の制御部150は、操作部160から指示される制御内容に基づいて、風向、風温度、風量の調整が同様に可能である。
【0015】
しかしながら、上記従来の空気調和機1000では、以下のような問題が発生する。
例えば、切タイマーを設定して空気調和機1000を動作させた状態で、人が就寝した場合を考える。この場合、タイマー(操作部160)で設定した時間が経過した後に、タイマーからの信号によりスイッチ部1400がオフ状態に切り替わるので、センサー1200の動きも含めて空気調和機1000の全体が停止することになる。
【0016】
空気調和機1000が停止した後、夏場では室内の温度が上昇し、冬場では室内の温度が下降することが予想される。しかし、空気調和機1000は、センサー1200が停止しているため、室内の温度変化を検知することができない。このため、就寝者51が心地よく睡眠できなくなり、最悪の場合覚醒してしまうことも考えられる。なお、入タイマーを設定して空気調和機1000を自動に動作開始させることも考えられるが、就寝前に設定した時間が経過した後にしか動作させることができないので、予測不能に変化する室内の温度に適切に対応することは不可能である。
【0017】
すなわち、従来の空気調和機1000では、機器本体の電源を入れないと、すなわちスイッチ部1400をオン状態にしないと、センサー1200及び第1の制御部1300が動作せず、センサー1200を利用する機能を利用できないという問題があった。
【0018】
<本発明者らが着目した手法>
そこで、本発明者らは、センサーが搭載された装置において、電源が切られることによって装置の主要機能部が停止していても、センサーを動作させておくことに着目し、ユーザにとって利便性や快適性等を向上させた装置を新たに創案した。
この新たな創案に基づいた本発明の様々な態様は、次の通りである。
【0019】
<発明の各態様の概要>
発明に基づいた本開示の一態様によるセンサーが搭載された装置は、装置に供給する電源を生成する電源部と、装置周辺の情報を取得するセンサーと、センサーが取得した情報に基づいて指示を与える第1の制御部と、第1の制御部の指示に従って装置を制御する第2の制御部とを備え、センサー及び第1の制御部へは、電源部から電源が直接供給され、第2の制御部へは、第1の制御部によってオンオフ状態が制御されるスイッチ部を介して、電源部から電源が供給される。
また、センサーには、温度センサー及び湿度センサーの少なくとも1つが含まれていてもよい。
この一態様によれば、装置が停止している間もセンサー及び第1の制御部を動作させることができる。
【0020】
この一態様において、第1の制御部は、スイッチ部がオフ状態の時にセンサーによって装置の動作が要求される情報が取得されると、スイッチ部をオン状態に切り替えて第2の制御部に指示を与えることができる。
この一態様によれば、第1の制御部を通じて、必要に応じて装置の動作を開始することが可能である。これにより、ユーザの利便性や快適性等を向上させることができる。
【0021】
ここで、例えば、第1の制御部は、センサーにおいて以前に取得された装置周辺の情報と差異がない新たな装置周辺の情報が取得された場合、新たな装置周辺の情報に基づく指示を第2の制御部に与えなければ、装置の消費電力を低減できる。
【0022】
他の一態様としては、例えば、第1の制御部は、センサーが取得した情報に基づく指示を装置の外に送信することができる。
さらに、第1の制御部は、センサーが取得した情報に基づく指示を装置の外に送信することで、指示を受信した別の装置を遠隔制御することができる。
【0023】
この他の一態様によれば、本装置以外の別の装置を容易に制御することができる。
ここで、例えば、第1の制御部は、センサーにおいて以前に取得された装置周辺の情報と差異がない新たな装置周辺の情報が取得された場合、装置の外に送信しなければ、装置の消費電力を低減できる。
【0024】
また、他の一態様としては、例えば、センサーを装置周辺の情報を所定の時間間隔で取得するようにできる。
【0025】
ここで、例えば、第1の制御部は、センサーにおいて以前に取得された装置周辺の情報と差異がない新たな装置周辺の情報が取得された場合、センサーが装置周辺の情報を取得する時間間隔を変更することや、新たな装置周辺の情報の処理間隔を変更することもできる。これにより、装置の消費電力を低減できる。
【0026】
また、他の一態様としては、例えば、第1の制御部は、センサーで取得された装置周辺の情報から、人の行動や睡眠時の布団の状態を推定することができる。
【0027】
センサーが搭載された装置が空気調和機である場合、第1の制御部は、第2の制御部に指示を与えることによって、例えば風の送出/停止、方向、強さ、温度、及び湿度の少なくとも1つを制御することができる。
【0028】
また、センサーが搭載された装置がディスプレイ装置である場合、第1の制御部は、第2の制御部に指示を与えることによって、例えば表示部に表示するコンテンツの選定を制御することができる。
【0029】
さらに、第1の制御部は、空気調和機能を有した別の装置に対して、風の送出/停止、方向、強さ、温度、及び湿度の少なくとも1つを遠隔制御することもできるし、照明機能を有した別の装置に対して、照明の点灯/消灯、及び調光の少なくとも1つを遠隔制御することもできるし、掃除機能を有した別の装置に対して、掃除の開始/停止、場所、及び時間の少なくとも1つを遠隔制御することもできるし、冷凍及び/又は冷蔵機能を有した別の装置に対して、冷凍及び/又は冷蔵の開始/停止、及び温度の少なくとも1つを遠隔制御することもできる。
この他の一態様によれば、様々な別の装置を容易に遠隔操作することができる。
【0030】
<発明の各態様の詳細な説明>
(第1の実施形態)
図2は、上述した
図1の状況における装置10として用いられる、本開示の第1の実施形態における空気調和機100の構成を示す図である。
図2に示す空気調和機100は、電源部110、センサー120、第1の制御部130、スイッチ部140、第2の制御部150、操作部160、及び装置機能部170を備えている。装置機能部170は、ルーバー171、コンプレッサー172、及びファン173等を含んでいる。なお、装置機能部170の構成は一例であって、他の構成が含まれていても、一部の構成が欠けていてもよい。
【0031】
空気調和機100において、電源部110は、外部から第1の電源(例えば、AC100V等)を入力し、機器に必要な第2の電源(例えば、DC12V等)を発生する。電源部110が発生した第2の電源は、センサー120、第1の制御部130、及びスイッチ部140に(また必要に応じて操作部160にも)供給される。スイッチ部140は、操作部160の制御に基づいてオン/オフ状態を切り替えることができる構成であり、オン状態の時に電源部110から入力した第2の電源を後段の構成に出力する。このスイッチ部140は、機械的スイッチでも電気的スイッチでもよく、またハードウェアで制御されてもソフトウェアで制御されてもよい。スイッチ部140が第2の電源を出力する後段の構成は、第2の制御部150である。操作部160は、無線又は有線の操作端末であり、典型的にはリモートコントローラ(リモコン)である。また、操作部160は、任意の設定時間にスイッチ部140のオン/オフ状態を切り替えることができるタイマー機能を含む概念である。操作部160が無線でスイッチ部140を操作する場合には、スイッチ部140が受信機能を有することになる。
【0032】
センサー120は、例えば温度センサーであり、室内の温度に関する情報を取得する(データを測定する)。この温度センサーとしては、二次元的に温度分布を測定可能な熱画像センサー等が適している。センサー120が取得した情報(測定したデータ)は、第1の制御部130に出力される。第1の制御部130は、センサー120で取得された情報から特徴量を抽出する。特徴量としては、例えば室内の人の有無や、人が存在する位置や、人の顔温度等が挙げられる。このような特徴量により、第1の制御部130は、(人の位置から)どの方向に風を向けるべきか、また(顔温度等から)どの程度の温度の風を吹き出すべきか等、今の部屋に必要な制御を把握できる。第1の制御部130で把握された制御内容は、第2の制御部150へ出力される。ここで、第1の制御部130は、第2の制御部150へ出力した制御内容が実行されるよう、スイッチ部140のオン/オフ状態を切り替える機能を有している。第2の制御部150及び装置機能部170は、上述した通りである。なお、第1の制御部130及び第2の制御部150は、例えばマイコン等の演算処理や機器制御機能を実行できるものであれば特に限定されず、両制御部が同一の構成であってもよい。
【0033】
上述した第1の実施形態における空気調和機100の構成は、下記の点で従来の空気調和機1000の構成と異なる。
まず、センサー120及び第1の制御部130への電源が、スイッチ部140を介さずに電源部110から直接供給されていることである。次に、第1の制御部130が、スイッチ部140のオン/オフ状態を切り替える機能を有していることである。
【0034】
以下に、上記構成の違いによって第1の実施形態における空気調和機100が実現する機能を、
図3をさらに参照して説明する。
図3は、第1の実施形態における空気調和機100が行う機器制御を説明するフローチャートである。
【0035】
まず、センサー120及び第1の制御部130への電源が、スイッチ部140を介さずに電源部110から直接供給されているので、センサー120及び第1の制御部130が常に動作している。つまり、スイッチ部140がオフ状態で第2の制御部150が動作していない、すなわち空気調和機100が機能を停止している場合であっても、センサー120によって室内を監視して温度(分布)の情報を得ている(ステップS31)。そして、空気調和機100が機能を停止している場合であっても、センサー120によって取得された情報が第1の制御部130へ送出され、第1の制御部130がその情報から特徴量を抽出して機器の制御が必要か否かを判断する処理を行っている(ステップS32)。従って、室内の温度を監視して特徴量に基づいた空気調和機100の制御を実行できる状態を、常に維持することができる。なお、センサー120の監視行為は、連続的に行われてもよいし、所定の時間間隔で離散的に行われてもよい。また、第1の制御部130がセンサー120から情報を受け取る行為も、連続的に行われてもよいし、所定の時間間隔で離散的に行われてもよい。
【0036】
そして、第1の制御部130が、スイッチ部140のオン/オフ状態を切り替える機能を有しているので、いつでも必要な時にスイッチ部140の状態を制御することができる。
つまり、スイッチ部140がオフ状態で第2の制御部150が動作していない、すなわち空気調和機100が機能を停止している場合であっても、スイッチ部140をオン状態に切り替えて空気調和機100を動作させることができる(ステップS33、S34)。従って、常に室内の温度を監視して、特徴量に基づいた装置の制御が必要な状態になれば(ステップS32:Yes)、直ちに空気調和機100を動作させて室内の温度を最適に調整することができる(ステップS35)。また、スイッチ部140がオン状態で空気調和機100が動作している場合であっても、スイッチ部140をオフ状態に切り替えて空気調和機100を停止させることができる(ステップS36、S37)。従って、常に室内の温度を監視して、特徴量に基づいた装置の制御が不要な状態になれば(ステップS32:No)、直ちに空気調和機100を停止することができる。
【0037】
このセンサー120及び第1の制御部130の機能を利用した具体例としては、例えば以下のような様々な例が考えられる。
【0038】
[具体例1]
就寝時における具体例を説明する。
切タイマーなどによって空気調和機100が停止した後に、センサー120及び第1の制御部130によって、就寝者51の顔温度が所定温度以上になったことを検出することができる。この状態を検出すると、周囲温度が高くて就寝者51は不快であろうと第1の制御部130が判断し、スイッチ部140をオン状態に切り替える。これにより、第2の制御部150、つまり空気調和機100を動作させることができる。この際、第1の制御部130は、抽出した特徴量に基づいてどの位置に向けてどの程度の風量でどの程度の温度の風を発生させるかを判断できるため、その判断した制御内容を第2の制御部150に出力して、ルーバー171、コンプレッサー172、及びファン173を適切に制御させることができる。
この制御によって、就寝者51の周囲温度を一定温度以下に抑えることができるので、就寝者51は快適に睡眠し続けることができる。
【0039】
なお、ここでは室内の温度(分布)を監視して顔の温度を検出する場合を説明したが、勿論顔だけではなく、例えば手や足の温度を検出してもよい。手や足の温度から空気調和機100の風量、風向、風温のすべてもしくはいずれかを制御しても構わないし、機器の動作/停止状態を制御しても構わない。特に、就寝者51が冷え性の場合は、手や足の温度の低下が著しいため、手や足の温度を測定することで、冷え性の人であっても快適な室内コンディションを提供することができる。
【0040】
また、室内の温度(分布)から人の手や足の温度を検出する場合には、例えば
図4に示すように、掛布団53aが捲れて露出してしまった就寝者51の手や足を検出することができる。例えばこれが夏場であれば、就寝者51の体温が必要以上に下がらないよう、空気調和機100の運転条件(風量、風向、風温等の1つ以上)を制御することや、機器の動作/停止状態を制御することで、風邪を引かない快適な室内コンディションを提供することができる。
【0041】
また、第1の制御部130は、抽出された体動量から就寝者51が睡眠状態に入ったか否かを判断できる。よって、例えば就寝者51の睡眠状態を検出した場合は、その後目覚めるまでの間は空気調和機100が始動又は停止する際に発する「ピッ」といった動作音が鳴らないように制御することもできる。このような制御することで、就寝者51の睡眠を妨げずに、快適な環境を維持することができる。同様に、睡眠状態と判断された場合には、コンプレッサー172の動作を控えめにすることや、ルーバー171やファン173の動作も控えめにすることで、騒音の発生を抑制し、就寝者51の睡眠を妨げずに快適な環境を維持することができる。
【0042】
[具体例2]
図5を用いて、覚醒時における具体例を説明する。
空気調和機100が停止していてもセンサー120及び第1の制御部130は動作しているので、
図5のように部屋に入ってきた人54(以下、入室者54と記す)を検出することができる。この時、センサー120及び第1の制御部130によって、例えば検出された顔温度が所定温度以上であることが検出された場合、入室者54は不快であろうと第1の制御部130が判断し、スイッチ部140をオン状態に切り替える。これにより、第2の制御部150、つまり空気調和機100を動作させることができる。
この制御によって、入室者54の周囲温度を一定以下に抑えることや風を当てること等で、入室者54及び室内を快適にすることができる。
【0043】
勿論、検出された入室者54の顔温度が一定以下であった場合には、入室者54の周囲温度を上げる制御をすればよいし、センサー120として湿度センサーも取り付けた場合には、湿度を含めて制御しても構わない。センサー120及び第1の制御部130で実現される制御を、この具体例に限定するものではない。勿論、センサー120が人を検出したことをトリガーにして、空気調和機100を動作させてもよいし、その他の変化をトリガーにして空気調和機100を動作させてもよい。さらに、人が退室して不在になった場合には、センサー120及び第1の制御部130において室内に誰もいないと判断することで、空気調和機100を停止させることができる。この場合、停止させた後も、センサー120及び第1の制御部130は動作し続けていることから、次に誰かが入室した場合に動作を自動で開始させることができる。
【0044】
また、センサー120として使用されるものとして、実施例で説明した温度センサー以外にも湿度センサーであっても構わないし、温度センサーと湿度センサーの両方であっても構わない。一般に人の快適度は湿度にも大きく左右されることが分かっており、例えば30℃環境下であれば湿度が60%以上になると極めて不快になるが、40%程度だと温度が高くても快適に感じられることが知られている。よって、湿度センサーを用いて湿度を検出し、温度センサーの場合と同様に第1の制御部130にて快適な条件を割り出し、第2の制御部150を経由してルーバー171、コンプレッサー172、ファン173等を制御することで、同様に快適な環境を作り出すことができる。勿論、温度センサーと湿度センサーの両方を搭載することで、さらに精密に快適な環境を作り出すことができる。
【0045】
なお、以上の実施形態においては、空気調和機100において制御する対象を、風量、風向、風温の3つとして説明したが、このうちのいずれかでも構わないし、すべてでも構わないし、これ以外の対象を含んでも構わない。
【0046】
[具体例3]
なお、本実施形態における空気調和機100では、空気調和機100が停止していてもセンサー120及び第1の制御部130が常に動作している。このため、従来の空気調和機1000と比べて消費電力が増えるという課題がある。そこで、空気調和機100が停止している間の消費電力を、できるだけ少なくさせる工夫を説明する。
図6は、
図3のフローチャートに消費電力を制御するための手順(ステップS61〜S64)を加えたフローチャートである。
【0047】
第1の制御部130は、センサー120から情報(データ)を新たに受け取ると(ステップS31)、この新たに受け取った情報を前回にセンサー120から受け取った情報と比較する(ステップS61)。そして、双方の情報に差がないと判断した場合には(ステップS62:Yes)、第1の制御部130は、センサー120に対して情報を取得する(データを測定する)頻度を少なくしたり、能力(分解能や範囲)を低下させたり、あるいはセンサー120から受け取った情報を自らが処理する間隔を長くしたりする、消費電力削減動作を行う(ステップS63)。一方、双方の情報に差があると判断した場合には(ステップS62:No)、第1の制御部130は、通常動作を行う(ステップS64)。このとき、すでに消費電力削減動作を行っていれば、通常動作に戻ることになる。
この制御により、実施形態における空気調和機100において、適切に消費電力を削減することができる。
【0048】
(第2の実施形態)
図7、
図8A〜
図8Dを用いて、第2の実施形態における空気調和機200の構成及び制御を説明する。
図7に、第2の実施形態における空気調和機200の構成を示す。
図8A〜
図8Dは、空気調和機200を用いた具体例1〜4をそれぞれ説明する図である。
【0049】
図7に示すように、空気調和機200は、電源部110、センサー120、第1の制御部230、スイッチ部140、第2の制御部150、操作部160、及び装置機能部170を備えている。第1の制御部230は、送信処理部231を含んでいる。
この第2の実施形態における空気調和機200は、送信処理部231を含んだ第1の制御部230を備えていることが、第1の実施形態における空気調和機100と異なる。第1の制御部230以外の構成は、空気調和機100の構成と同じであるので説明を省略する。
【0050】
第1の制御部230は、センサー120で取得された情報から特徴量を抽出する。特徴量としては、例えば室内の人の有無や、人が存在する位置や、人の顔温度等が挙げられる。このような特徴量により、第1の制御部230は、(人の位置から)どの方向に風を向けるべきか、また(顔温度等から)どの程度の温度の風を向けるべきか等の、今の部屋に必要な制御を把握できる。第1の制御部230で把握された制御内容は、第2の制御部150へ出力されると共に、必要に応じて送信処理部231を介して外部へ送信される。送信処理部231は、例えば、無線電波を放射する発信機や発信機を制御するコントローラなどから構成される。
【0051】
以下に、上記構成の違いによって第1の実施形態における空気調和機200が実現する機能を、実施例1〜4を用いて説明する。
[具体例1]
図8Aは、空気調和機200、ルーター281、受信機付きファン282が備え付けられた部屋の内部を模式的に示した図である。受信機付きファン282は、空気調和機200の第1の制御部230が送信処理部231を介して送信してくる制御信号を、受信及び解釈して実行する機能を有している。この制御信号は、例えばルーター281を介して送受信される。また、受信機付きファン282は、空気調和機200のセンサー120が感知して自らの存在を認識させることができる指標信号を発生させる指標機能部283を有している。例えば、指標機能部283としてセンサー120が感知できる赤外線を発生する赤外線LEDを受信機付きファン282に搭載し、赤外線を所定の周期で点滅させて指標信号とすることができる。あるいは、指標機能部283としてセンサー120が感知できる熱を発生する発熱体を受信機付きファン282に搭載し、所定の温度で発熱体を発熱させて指標信号とすることができる。勿論、この赤外線LEDや発熱体以外にも指標機能部283として用いることが可能である。
【0052】
本第2の実施形態においては、センサー120が、室内の周囲温度や、就寝者51の存在、顔温度、さらには体動量等以外にも、指標信号によって受信機付きファン282の存在を検出することができる。受信機付きファン282を検出した場合、空気調和機200は、受信機付きファン282を含めた空気調和を行うことができる。すなわち、第1の制御部230は、受信機付きファン282を制御すべきと判断した場合、送信処理部231及びルーター281を経由して、受信機付きファン282を駆動する制御信号を送信することができる。その際、送信する制御信号としては、受信機付きファン282が発生させる風の方向、強さ、首振り有無等に関する内容を送信することが考えられる。制御信号を受信した受信機付きファン282は、制御信号の内容に基づき、風の方向、強さ、首振りなどを調整して動作することになる。
【0053】
例えば、夏場において就寝者51の顔温度が35℃を超えている時、就寝者51は不快に感じている可能性が高い。これは、秋や春等の快適に睡眠できている時の顔の温度は33〜34℃程度であることから予想できる。一方で、睡眠時の顔以外の皮膚温は、季節によらずに変動がないことが知られている。よって、顔温度が35℃を超えている時は、顔以外の温度は一定にしたまま、顔周辺の温度のみを1〜2℃下げるような制御をすることで、さらに快適に睡眠することができる。
【0054】
通常、空気調和機200は、就寝者51から2〜3m程度離れた位置に設置されていることが多く、空気調和機200からの風を就寝者51の顔のみに当てることが困難な場合がある。しかし、この具体例のように、受信機付きファン282と連携することにより、就寝者51の顔周辺のみに風を当てることができるようになる。こうすることで、就寝者51の体の温度を必要以上に下げることなく、就寝者51の顔の温度を下げることができるため、極めて快適な睡眠を提供することができる。
【0055】
この時、例えば周囲温度は高くなく、顔の温度のみが高い場合は、空気調和機200を停止したままで、受信機付きファン282のみを稼動させても構わない。こうすることで、快適さを維持しつつ消費電力を抑えた空気調和を実現することができる。
【0056】
なお、ここでは空気調和機200に接続される外部の装置として受信機付きファン282を例として説明したが、勿論これに限定したものではなく、空気調和機能を有する外部の装置であれば同様な効果を有することは言うまでもない。また、空気調和機能を有さない外部の装置であっても、次のような効果を発揮することができる。
【0057】
[具体例2]
図8Bは、空気調和機200、ルーター281、受信機付き照明284が備え付けられた部屋の内部を模式的に示した図である。受信機付き照明284は、空気調和機200の第1の制御部230が送信処理部231を介して送信してくる制御信号を、受信及び解釈して実行する機能を有している。この制御信号は、例えばルーター281を介して送受信される。また、受信機付き照明284は、上述した受信機付きファン282と同様に、空気調和機200のセンサー120が感知して自らの存在を認識させることができる指標信号を発生させる指標機能部283を有している。
【0058】
本第2の実施形態においては、センサー120が、室内の周囲温度や、就寝者51の存在、顔温度、さらには体動の量等以外にも、指標信号によって受信機付き照明284の存在を検出することができる。受信機付き照明284を検出した場合、空気調和機200は、照明の点灯/消灯を制御することができる。例えば、第1の制御部230は、抽出した体動量などの特徴量から就寝者51が目覚めたと判断できた場合、送信処理部231及びルーター281を経由して、受信機付き照明284を駆動する制御信号、つまり点灯信号を送信することができる。点灯信号を受信した受信機付き照明284は、就寝者51の起床タイミングに合わせて、照明を自動で点灯することができる。これにより、就寝者51は室内の暗闇の中で照明のスイッチ位置を探す必要もなくなり、利便性が向上する。
【0059】
なお、この具体例では、部屋の照明を制御する場合を説明したが、リビングルームや廊下やトイレの照明などを制御しても構わない。また、トイレの空調や便座温度を制御することも考えられる。
また、この具体例では、就寝者51の体動量を検出して制御する場合を説明したが、他の方法で制御しても構わない。例えば、睡眠時の体温は、通常入眠期から徐々に低下し、起きる1〜2時間前から上昇するようなリズムを取る。また、睡眠時の体動に関して、入眠期よりも起床前の方が量は増加することが知られている。そこで、これらの体温情報や体動情報を第1の制御部230で抽出し、そこから起床時刻を想定しても構わない。その場合、想定される起床時刻の前から少しずつ受信機付き照明284の明るさを上昇させることで、緩やかな目覚めを促すことも可能である。
【0060】
また、その他、就寝者51のジェスチャで受信機付き照明284と連携させることも可能である。例えば、腕を伸ばして大きく振るといったジェスチャが受信機付き照明284を点灯/消灯させる合図であることを第1の制御部230に予め設定しておけば、部屋が暗い時に照明を探さずとも就寝者51が腕を伸ばして大きく振ることで、室内を明るくすることが可能になる。勿論、ここでのジェスチャは一例であって、例えば両手を用いても構わないし、曲げ伸ばしでも構わないし、ここではその手段を限定するものではない。
【0061】
さらに、就寝者51が例えば幼児であって夜尿した場合、短時間で局所的な温度低下が見られることになる。そういった事象が第1の制御部230で検出された場合、受信機付き照明284を点灯させ、就寝者51の起床を促すことで、そのまま寝続けることによる体温の低下や、風邪引きを防止することができる。勿論、空気調和機200の風温を上昇させることで、体温の低下や風邪引きを防止しても構わない。また、親の寝室にも受信機付き照明が設置してある場合には、その照明を点灯させて就寝者51の夜尿を知らせても構わないし、親の寝室に図示しない受信機付きアラームがあれば、そのアラームを鳴らすことで就寝者51の夜尿を知らせても構わない。そうすることで、親が子供である就寝者51を適切にケアすることを促すことができ、就寝者51の体温低下を防止し、風邪引きを防止できるという効果を有する。
【0062】
[具体例3]
図8Cは、
図8Bと同様に、空気調和機200、ルーター281、受信機付き照明284が備え付けられた部屋の内部を模式的に示した図であるが、2人の就寝者51及び55がいることが異なる。この場合、センサー120で得られた画像から、第1の制御部230では就寝者が2人存在することが検出されている。この時、例えば就寝者51が目覚めた場合、第1の制御部230では、就寝者51は目覚めたが、就寝者55はまだ睡眠中であることが分かる。そこで、第1の制御部230が受信機付き照明284に送信する信号によって明るさを落として点灯するように設定することで、就寝者55の睡眠を妨害せず、かつ就寝者51の利便性を確保できるという効果を有する。
【0063】
また、例えば第1の制御部230から抽出された体動量から、入眠時と判断された期間は、受信機付き照明284を薄明かりで点灯させておき、同じく第1の制御部230から抽出された体動量が低下して、例えば深い眠りに達したと判断された場合に受信機付き照明284を消灯させる制御をしても構わない。例えば、子供が怖がる等の理由で終夜薄明かりを点灯させて眠った場合、睡眠が浅くなるということが分かっている。しかしこうすることで、入眠時は薄明かりを点灯させ、さらに深い眠りに達すると消灯させることができるため、より深い睡眠を得ることが可能になる。当然上で述べた通り、目覚めた時には自動で点灯するため、目覚めた時部屋が暗い(暗くて恐怖を感じる)ということもない。
【0064】
なお、この場合、照明の明るさ制御は、空気調和機200の第1の制御部230で決定しても構わないし、第1の制御部230で抽出された体動量を受信機付き照明284で受信し、受信機付き照明284内で明るさを判断して制御しても構わない。勿論、他の制御方法でも構わず、その方法限定されない。
【0065】
[具体例4]
図8Dは、空気調和機200、ルーター281、受信機付き掃除機285が備え付けられた部屋の内部を模式的に示した図である。受信機付き掃除機285は、空気調和機200の第1の制御部230が送信処理部231を介して送信してくる制御信号を、受信及び解釈して実行する機能を有している。この制御信号は、例えばルーター281を介して送受信される。また、受信機付き掃除機285は、上述した受信機付きファン282と同様に、空気調和機200のセンサー120が感知して自らの存在を認識させることができる指標信号を、発生させる指標機能部283を有している。
【0066】
本第2の実施形態においては、センサー120が、室内の周囲温度や、就寝者51の存在、顔温度、さらには体動の量等以外にも、指標信号によって受信機付き掃除機285の存在を検出することができる。受信機付き掃除機285を検出した場合、空気調和機200は、掃除機の動作/停止を制御することができる。例えば、第1の制御部230は、抽出した体動量などの特徴量から就寝者51が睡眠状態になったと判断できた場合、送信処理部231及びルーター281を経由して、受信機付き掃除機285を駆動する制御信号、つまり起動信号を送信することができる。起動信号を受信した受信機付き掃除機285は、就寝者51の睡眠タイミングに合わせて、掃除を開始することができる。これにより、就寝者51は寝ている間に部屋の掃除を行うことができ、利便性が向上する。
【0067】
また、センサー120が検出した温度分布から、就寝者51の位置を検出することができ、検出された就寝者51の位置情報から、第1の制御部230は受信機付き掃除機285が掃除すべき範囲を規定することができる。さらに、体動等から睡眠深度を推定して、推定された睡眠深度をもとに受信機付き掃除機285の動作を制御しても構わない。例えば、睡眠深度が深くなったタイミングで受信機付き掃除機285を動作させることで、さらに就寝者51の眠りを妨げることなく、部屋を掃除することができるという効果を有する。また、就寝者51が寝ている部屋ではなく、他の部屋に置いている受信機付き掃除機を制御しても構わない。
【0068】
なお、上記具体例においては、第1の制御部230が送信処理部231を介して送信してくる制御信号を、ルーター281を介して受信機付きファン282、受信機付き照明284、受信機付き掃除機285が受信する例を説明した。しかし、制御信号の受信は、ルーター281を介さず、送信処理部231から直接行う構成でもよい。勿論、有線か無線かは問わない。また、空気調和機200が制御する対象には、受信機付きファン282、受信機付き照明284、及び受信機付き掃除機285以外にも、受信機を備えた様々な装置を適用可能である。例えば、火災警報器等と連携してもよく、その場合はセンサー120で異常に高い温度を検出した時、火災報知機のアラームを鳴らすようにすることが考えられる。こうすることで、火災報知機の検出性能をさらに向上させることができる。
【0069】
また、空気調和機200が制御する対象は、同じ部屋にある装置に限定するものでもない。例えば、ルーター281を介してインターネットに接続し、サーバーにデータをアップロードし、それらのデータを用いて空気調和機200や受信機付きファン282等を制御しても構わないし、例えば他の装置の制御や、統計調査や故障予測等、別の用途に用いても構わない。さらには、冷蔵庫を対象にする場合には、就寝者51が睡眠に入ったことを検出すると、冷蔵庫をコンプレッサーの動作を控えて運転させるといった制御が考えられる。するこれにより、冷蔵庫の音が静かになるため、就寝者51はより深い眠りを得ることができる。
【0070】
[センシングデータの取り扱い]
次に、
図9を用いて、センサー120で測定されたデータ(取得された情報)の扱いに関して説明する。
図9は、センサー120で測定されて第1の制御部230にて抽出されたデータである、就寝者51の顔温度の推移の一例である。
図9では、横軸が時間を縦軸が顔温度を示している。
【0071】
まず、
図9(a)では、センサー120での測定時間間隔をp1(秒)としており、顔温度がp1(秒)毎にプロットされていることが分かる。この場合、p1(秒)毎にセンサー120から得られた情報をもとに第1の制御部230で顔温度を抽出し、p1(秒)毎に送信処理部231から制御信号が送信される。ここで一般に、睡眠時の体温は、睡眠初期から朝方にかけて徐々に低下してゆくことが分かっているが、さほど大きな変動は見られない。そのため、睡眠時に送信される大方の制御信号が、同じデータの制御信号となる可能性が高い。
【0072】
そこで、例えば受信機付きファン282の側で、p1(秒)経過後に制御信号が受信されない場合は、直前の制御信号を用いて制御するように設定しておく。このような受信機付きファン282を設定できれば、センサー120及び第1の制御部230によって抽出された顔温度が、p1(秒)前の顔温度と同じであった場合、第1の制御部230は制御信号の送信をやめることができる。
【0073】
こうすることで、送信処理部231から余分な制御信号を送信する必要がなくなり、送信処理部231の駆動と、ルーター281での受送信と、受信機付きファン282等での制御信号の受信に掛かる消費電力を削減できるという効果を有する。
【0074】
図9(a)の例では、実際に制御信号が空気調和機200の送信処理部231から発信されるタイミングは、○印で示された、測定初期のタイミングと、顔温度がf1(℃)に遷移したt1秒後と、顔温度がf2(℃)に遷移したt2秒後と、顔温度がf3(℃)に遷移したt3秒後のみとなる。
【0075】
また、
図9(b)の例では、センサー120での測定時間間隔は、測定初期ではp1(秒)毎に顔温度を抽出するが、p1(秒)の時間間隔で抽出された顔温度が2回連続同じ温度であった場合には、測定間隔をp1(秒)からそれよりも長いp2(秒)に変更して顔温度を抽出する。
【0076】
例えば、受信機付きファン282の側で、p1(秒)経過後に制御信号が受信されない場合は、直前の制御信号を用いて制御するように設定しておく。このような受信機付きファン282を設定できれば、センサー120及び第1の制御部230によってp1(秒)間隔で抽出された幾つかの顔温度が、連続して同じ温度であった場合、第1の制御部230が制御信号を送信する間隔を長くする(間引く)。これにより、送信処理部231から余分な制御信号を送信する回数が減り、送信処理部231の駆動と、ルーター281での受送信と、受信機付きファン282等での制御信号の受信に掛かる消費電力を削減できるという効果を有する。
【0077】
なお、
図9(b)では、センサー120での測定間隔をp1(秒)からp2(秒)に変更することを説明した。しかし、勿論センサー120での測定間隔を変更するのではなく、第1の制御部230での顔温度の抽出タイミングをp2(秒)に変更したり、送信処理部231から制御信号を送信するタイミングをp2(秒)に変更したりしても構わない、ここではその手段を限定するものではない。また、
図9(a)の方式と
図9(b)の方式とを組み合わせても構わない。
【0078】
なお、本実施形態においては、睡眠時の顔の温度を例にとって説明したが、勿論覚醒時であっても、他の部位であっても同様な制御を行ってよく、推移する体温変動に応じて、同様な効果が得られる。
【0079】
(第3の実施形態)
上述の第1及び第2の実施形態において、睡眠中を例にとって熱画像センサーを搭載した空気調和機100及び200に関して説明した。この第3の実施形態では、熱画像センサーを搭載した空気調和機100及び200において具体的にどのような制御をすればより快適な睡眠が得られるのかを説明する。
【0080】
まず、
図10を用いて、睡眠時における人の一般的な生理現象を説明する。
図10(a)は睡眠の深さの時間経過を、
図10(b)は睡眠中の体温や体表面温度の時間経過を、
図10(c)は体動量の時間経過を、それぞれ示している。なお、
図10に示すデータは、典型的な人における一例であり、個人差や周囲環境等に依存してこれらの波形は異なる。
【0081】
図10(a)を用いて、睡眠の深さに関して説明する。
睡眠中は、眼球が急速に動作するREM(Rapid Eye Movement)睡眠と、眼球運動を伴わないノンREM睡眠の二種類に分けられ、さらにノンREM睡眠は睡眠の深さに応じて1〜4の段階が存在する。なお、睡眠段階4が最も睡眠が深く脳も眠っているが、一方でREM睡眠は、体は眠っているのに脳は活動している状態と言われている。
図10(a)で示すように、睡眠中にはREM睡眠とノンREM睡眠とは交互に現れる。入眠直後はまずノンREM睡眠が現れ、次にREM睡眠が現れる。この周期は約90分程度であることが一般的とされており、一晩の間にはこの周期が4〜5回現れるのが普通と言われている。この約90分の周期のことをウルトラディアンリズムとも言う。
【0082】
また、
図10(c)に示すように、一般に睡眠中の体動量は、睡眠が深い時には発生しにくく、睡眠深度が浅い時やREM睡眠の段階において発生頻度が高くなると言われている。
【0083】
次に、
図10(b)を用いて睡眠中の体表面温度変動に関して説明する。
睡眠中は代謝量が下がるため、深部体温(実線)は、睡眠前から低下する傾向にあり、一般に睡眠中期から後期に最低体温まで下がった後、目覚めに向けて上昇する。また、額部皮膚温(点線)は、体表面温度であるが比較的深部体温に近く環境温度の影響を受けにくい部位であり、睡眠中は定常状態に落ち着いた以降はほぼ一定温度を示す傾向にある。一方で、鼻部皮膚温(破線)は、末梢部に該当し、環境温度の影響を受けやすい。また、一般にREM睡眠中は自律神経系の活動が不安定となるため、末梢部の皮膚温は環境温度の影響を受けやすくなると言われており、
図10(b)の鼻部皮膚温のように、環境温度によってはREM睡眠時近傍において体表面温度が変動する場合があることが知られている。また、睡眠時に一時的に覚醒する中途覚醒は、REM睡眠やその前後の睡眠深度1〜2程度の比較的浅い睡眠のタイミングで発生頻度が高いとされており、この期間の室内環境を快適に保つことが、中途覚醒頻度の低減、ひいては快適な睡眠の増進に繋がると考えられる。
【0084】
一般に、人が寒さを感じている時は、末梢部に向けて流れる血流の量を抑えることで深部体温の低下を防止していると考えられており、深部体温に対して末梢皮膚温が所定温度まで低下するとその人は寒さを感じていると推定することができる。また、人が暑い場合はその逆で、その場合は末梢部に向けて流れる血流の量を増やすことで体内の熱の拡散を促進しており、その場合は寒い時と比較して相対的に末梢皮膚温が上昇することになる。すなわち、鼻部皮膚温のような末梢皮膚温をモニターすることで、人の温冷感を推定することができる。また、その末梢皮膚温が所定温度範囲に収まるように空気調和機等で環境温度を調整することで、常に快適な睡眠環境を維持することができると考えられる。一方で、
図10(b)で示したように、REM睡眠時において体表面温度は環境温度の影響を受けやすくなるため、このタイミングにおける鼻部等の末梢部位に該当する体表面温度の変動が小さくなるように空気調和機で周囲温度を調整することで、中途覚醒の頻度を低減させ、さらに快適な睡眠環境を提供することが可能になると考えられる。
なお、ここでは、末梢皮膚温として鼻部皮膚温を例として示したが、勿論他の部位でも構わず、頬部や手背、手掌部等もあり、測定部位を限定するものではない。
【0085】
また、深部体温が人によってばらつくように、末梢部の皮膚温も人によってある程度個人差が見られるが、深部体温に近い額部皮膚温と末梢皮膚温との差分を取り、その値が所定温度以下になるように環境温度を調整することで、個人差の少ないさらに快適な睡眠環境を提供することができると考えられる。一例として
図11に、鼻部皮膚温から額部皮膚温を引いたグラフを示す。上で述べたように睡眠が浅くなるにつれ鼻部と額部との温度差分が上昇しており、REM睡眠タイミングの近傍でピークを迎えているのが分かる。この周期的な体温変動が小さくなるよう空気調和機で周囲温度を調整することで、中途覚醒の頻度を低減させ、さらに快適な睡眠環境を提供することが可能になると考えられる。
【0086】
さらに、上記では深部体温に近い部分として額部としたが、それ以外の部位でも深部体温を反映している部分であれば構わず、例えば血管部位を用いても構わない。例えば、血管部位と非血管部位との比較により温冷感を推定することも可能である。例えば、
図12のように、手の血管部位306の温度と近傍の非血管部位307の温度とを測定して差分を取っても構わない。こうすることで、個人差が少なく、さらに近傍部位の温度から温冷感を推定できるため、測定も簡便に行えるという効果もある。
【0087】
次に、睡眠中に体の皮膚温を測定する方法の一例を説明する。
図13は、第3の実施形態における空気調和機300に搭載したセンサー120で就寝者51の皮膚温を測定する様子の模式図である。センサー120は、例えば
図14に示す温度センサー121でも構わない。
図14に示す温度センサー121は、赤外線検出素子121eを設けた赤外線検出素子アレイ121bと、赤外線検出素子アレイ121bを保持する軸121dと、軸121dを保持する基板121aと、赤外線検出素子121e上に熱画像を結像するレンズ121fと、軸121cとからなる。軸121cは、紙面における左右方向に回転することが可能で、軸121dは、紙面における上下方向に回転することができる。また、レンズ121fは、図示しない部材により赤外線検出素子アレイ121bに対して固定されている。この状態において、軸121cや軸121dを回転させることで、上下左右方向から熱画像を広く結像することが可能である。
【0088】
ここで、レンズ121fには、遠赤外線を結像させるために、一般には遠赤外線を透過可能なゲルマニウムやシリコン等が使用される。しかし、レンズ121fの材料は、樹脂材料であれば高密度ポリエチレン等でも構わず、遠赤外線を透過する硝材であれば限定はしない。このような広い角度を走査可能な温度センサー121を用いることにより、動作初期には
図13のように室内を角度θ1のように広く走査することにより、どこに人が存在するかを検出することができる。このとき得られる画像の一例を
図15(a)に示す。一般に、人間の皮膚温は例えば額近傍であれば33℃程度であり、通常の睡眠時において周囲温度よりも高い。よって、高温部位を検出することにより、就寝者の位置を把握することができるし、入室時からの動作をトレースすることで、テレビ等の発熱体であっても静止していれば区別することが可能である。この時、温度センサー121は、例えば複数の赤外線検出素子121eで1画素を形成することで、形成される1画素あたりの感度が向上して高速な走査が可能になり、迅速に就寝者51の位置を検出することができる。
【0089】
角度θ1の走査で得られた画像から就寝者51の顔の位置を検出すると、次は就寝者51の顔面近傍の温度を詳細に検出することになる。この検出では、
図13のように室内を角度θ2で狭く走査することにより、就寝者51の顔面近傍の詳細な温度を検出する。その顔面近傍の熱画像の一例を
図15(b)に示す。一般に、顔面の皮膚温の中では額の温度が最も高く、鼻もしくは頬の温度が最も低い。そこで、例えば顔面の位置を抽出して切り出し、その中心部分の温度の中で、最低温度の箇所(図中A2)を鼻部、最高温度の箇所(図中A1)を額部として検出しても構わない。また、例えば、顔の輪郭と額位置から頬部の位置を同定しても構わない。このようにして、就寝者51の額部温度、鼻部温度、及び頬部温度等を検出することができる。
【0090】
なお、ここで述べた方法は、就寝者51の体表面温度を測定するための一例であり、他の方法でも構わない。例えば、センサー120は、
図16に示す温度センサー122でも構わない。温度センサー122は、基板122aと、赤外線検出素子122eを二次元マトリクス状に配列した赤外線検出素子アレイ122bと、ズームレンズ122hを構成するレンズ122f及びレンズ122gとで構成されている。赤外線検出素子アレイ122bは、基板122aに取り付けられており、ズームレンズ122hは図示しない部材により基板122aに保持されている。レンズ122f及び122gは、図示しない機構部品により光軸と平行な方向にスライドすることができる。このような構成において、レンズ112fとレンズ112gの位置関係を調整することで、広角画像と望遠画像の両方を撮影することができる。例えば、レンズ122fとレンズ122gの位置関係を調整することで、
図15(a)のような広角画像を撮影することができる。また、温度センサー122に、温度センサー121と同様に軸122cや軸122dを取り付けることで、任意の位置の望遠画像を取得することができる。すなわち、初期にはレンズ122fとレンズ122gの位置関係を調整することで、
図15(a)のような広角画像を撮影し、撮影した画像から顔面位置を抽出し、軸122cや軸122dを回転させて抽出した顔面位置に向けた状態でさらにレンズ122fとレンズ122gの位置関係を調整することで、
図15(b)のような顔面の温度分布を高い解像度で撮影することが可能になる。
【0091】
なお、
図16の赤外線検出素子アレイ122bは、画素数が10画素×10画素であるが、これはあくまで一例であり画素数は任意に決めることが可能である。また、
図15に示した画像もあくまで一例であり、温度センサー121及び122の赤外線検出素子の画素数と対応するものでもない。
【0092】
次に、このような皮膚温の変動を検出するためには、高い温度精度で皮膚温を検出する必要がある。この方法に関して、
図17〜
図19を用いて説明する。
図17は、高い温度精度で皮膚温を検出するために空気調和機100及び200をさらに発展させた、第3の実施形態における空気調和機301の構成を示す図である。
【0093】
図17に示すように、空気調和機301は、電源部110、センサー120、第1の制御部130、スイッチ部140、第2の制御部350、操作部160、及び装置機能部370を備えている。この第3の実施形態における空気調和機301は、第2の制御部350及び装置機能部370が特徴的な制御を行うことが、第1の実施形態における空気調和機100と異なる。第2の制御部350及び装置機能部370以外の構成は、空気調和機100の構成と同じであるので説明を省略する。
【0094】
装置機能部370は、ルーバー171の状態を第2の制御部350にフィードバックする。具体的には、装置機能部370は、ルーバー171が向いている方向(風が吹き出される方向)を第2の制御部350に通知する。第2の制御部350は、装置機能部370から通知されたルーバー171が向いている方向をセンサー120に伝える。このような構成にすることで、ルーバー171の位置に応じてセンサー120を動作させることができる。
【0095】
図18は、空気調和機301を用いた例である。この例では、ルーバー171から吹き出される風が就寝者51に直接あたらないタイミングで、センサー120により就寝者51の顔面の温度分布を測定する。このようにすれば、就寝者51に風があたって表面温度が一時的に低下した状態をセンサー120が測定してしまうことを回避することができる。よって、測定毎の温度ばらつきを低減でき、測定温度の精度を向上させることができる。勿論、就寝者51に直接風があたらないタイミングにおいて、ルーバー171の向きがある所定の方向を向いているタイミングに同期させて、センサー120で温度を測定しても構わない。そうすることで、ルーバー171から吹き出される風が仮に間接的に就寝者51にあたっていたとしても、毎回同じ条件で温度測定されることになるので測定ばらつきを低減できるという効果を有する。
【0096】
また、センサー120及び第1の制御部130の処理によって人が存在しかつ人が布団に入ったことを検出した場合に、第2の制御部350を経由してファン173の風量を低減させても構わない。こうすることで、ルーバー171から吹き出される風が間接的に就寝者51にあたっていたとしても、測定ばらつきを低減できるという効果を有する。
ここで、人が布団に入ったかどうかは、
図10(c)に示すような体動量から判断しても構わない。布団に入った場合の体動量は、起きている場合と比較して少なくなるため、体動量が一定以下の値になった場合に布団に入ったと見なすことができる。それ以外であっても、例えば人の存在が検出された状態において所定温度以上の温度域が所定面積以下になった段階で、布団に入ったと判断しても構わない。勿論、人が布団に入ったと判別できればこれら以外の方法でも構わないし、人が操作部160(リモコン等)でその旨を空気調和機に送信しても構わない。
【0097】
また、空気調和機301において、通常はセンサー120にて設定された温度から所定温度以上乖離したと第2の制御部350で判断した場合に、コンプレッサー172を動作させるため、例えば
図19(a)のようにコンプレッサーの動作期間は離散的となる。
図19(a)においては、一例として設定温度±0.3℃(温度制御幅△T1=0.6℃)以上乖離するとコンプレッサー172の動作をオン/オフする場合を示している。REM睡眠近傍においては、上述の通り自律神経の機能が低下し、体表面温度が環境温度の影響を受けやすくなるため、より精密な温度制御が好ましい。よって、上で述べたようにセンサー120及び第1の制御部130の処理によって人が布団に入ったと判断された場合、
図19(b)のように、例えば制御温度幅△T2=0.2と通常駆動時よりも小さくなるように制御しても構わない。こうすることで、REM睡眠近傍においても、就寝者51の体温を精密に制御できるようになるため、より快適な睡眠を提供できるようになる。なお、ここでの温度制御幅はあくまで一例であり、限定するものではない。
【0098】
また、コンプレッサー172の動作をオン/オフさせるタイミングを、第1の制御部130で処理した結果から得たREM睡眠/ノンREM睡眠のタイミングに同期させても構わない。こうすることで、より快適な睡眠を得られる。なお、REM睡眠/ノンREM睡眠のタイミングは、熱画像から第1の制御部130で抽出された体動量から判断しても構わないし、鼻部等の末梢部の体温変動周期から判断しても構わないし、その手段を限定するものではない。
【0099】
(第4の実施形態)
ここまでは、センサー120で得た情報から、第1の制御部130又は230で状態を検出していたが、他の装置から状態を受信しても構わない。
図20Aは、送信処理部231及び受信処理部232を備えた第1の制御部430を構成に含んだ、第4の実施形態における空気調和機400の構成を示す図である。受信処理部232は、例えば、無線電波を受信する受信機や受信機を制御するコントローラなどから構成される。
【0100】
図20Aに示す空気調和機400では、受信処理部232を介して他の装置から情報を入手することができる。例えば、睡眠状態においては、敷布団53bの下に敷いた体動を検出するマット型のセンサーや、就寝者51の腕にはめた加速度センサーを搭載した腕時計型のセンサー等を利用して、就寝者51の状態に関する信号を、空気調和機400が取得することができる。空気調和機400は、他の装置から取得した情報に基づいて、装置機能部170を制御しても構わない。こうすることで、さらに検出精度を向上することができるため、さらに快適な環境を提供することができる。
【0101】
なお、
図20Aの例では、受信処理部232が第1の制御部430に含まれる構成を示したが、
図20Bの空気調和機401で示すように、受信処理部232を第1の制御部430とは独立した構成としてもよい。この構成によれば、第1の制御部430による制御とは別に、他の装置から取得した情報に基づいて第2の制御部150を制御することができる。
【0102】
(第5の実施形態)
上記各実施形態においては、センサーが搭載された装置として、空気調和機を用いて説明した。本第5の実施形態においては、
図21(a)のようにセンサー120が搭載されたディスプレイ機器500を用いた場合に関して説明する。
【0103】
まず、
図21(b)を用いて、本ディスプレイ機器500の構成を説明する。
ディスプレイ機器500は、電源部110、センサー120、第1の制御部130、スイッチ部140、第2の制御部150、操作部160、及び装置機能部570を備えている。装置機能部570は、チューナ571及びスピーカ572等を含んでいる。なお、装置機能部570の構成は一例であって、他の構成が含まれていても、一部の構成が欠けていてもよい。
図2に示した第1の実施形態に係る空気調和機100の構成と同様に、本ディスプレイ機器500においても、センサー120及び第1の制御部130への電源が、スイッチ部140を介さずに電源部110から直接供給されており、スイッチ部140がオフされている間であっても、室内の温度分布を測定し続けることができる。
【0104】
この第5の実施形態におけるディスプレイ機器500は、制御対象である装置機能部570が、第1の実施形態における空気調和機100と異なるだけで、基本的な制御思想は同じである。装置機能部570以外の構成は、空気調和機100の構成と同じであるので説明を省略する。
【0105】
第2の制御部150は、装置機能部570に接続されており、第1の制御部130から受けた制御内容に基づいて、チューナ571により表示コンテンツを選択し、スピーカ572により音量を調整することができる。例えば、ディスプレイ機器500の停止中に、
図21(a)のように視認者56がディスプレイ機器500の正面に来た場合、センサー120から得られた情報(データ)により、第1の制御部130は人の存在を抽出する。それにより、第1の制御部130は、スイッチ部140をオン状態に切り替えてディスプレイ機器500を起動し、画像を表示させる。これにより、視認者56は、リモコン等の操作部160を操作することなく、画像を視認することができるようになる。
【0106】
また、ディスプレイ機器500の画像を視認中、センサー120から得られた情報(画像)により、第1の制御部130は、例えば顔の大きさから視認者56の年齢を推定することができる。さらに、第1の制御部130は、推定された年齢から、画面上に年齢層にあった番組を表示させることで、番組を推薦しても構わない。
【0107】
また、センサー120から得られた情報により、第1の制御部130は、視認者56の位置を抽出した場合、次のような制御が可能である。
ディスプレイ機器500が左右のステレオスピーカを搭載した機器であれば、第1の制御部130は、第2の制御部150を制御して、抽出した視認者56の位置に基づいて左右のスピーカのバランスを調整することができる。これにより、視認者56がどこの位置で視認しても、常に臨場感にあふれた音を提供することができる。
【0108】
また、ディスプレイ機器500が映像を見せる画面方向を調整できる機能を備えた機器であれば、第1の制御部130は、第2の制御部150を制御して、画面を視認者56の方向に向けることができる。これにより、視認者56によるディスプレイ機器500の視認性を損なうことがなくなる。
【0109】
さらに、本ディスプレイ機器500は、送信処理部や受信処理部を備えていないが、上記第2及び第3の実施形態で説明したように送信処理部231や受信処理部232を備えることで、他の装置と通信しても構わない。また、第2の実施形態のように、受信機付きの送風機器、照明機器、掃除機器等と連携しても構わないし、その他の装置と連携しても構わず、その組み合わせを限定するものではない。
【0110】
なお、上記第1〜第5の実施形態で説明した機器構成による制御では、第1の制御部130によるスイッチ部140及び第2の制御部150の指示(制御)と、操作部160によるスイッチ部140及び第2の制御部150の指示(制御)とが、競合したり相反したりする場合が考えられる。これについては、例えば、いずれかの指示を優先させるというルールを機器に与えたり、自動で制御を行う「センサーモード」と手動(リモコンやタイマーによる操作等)で制御を行う「ユーザモード」とを設けてユーザに切り替えさせたり、することによって対処することができる。
【0111】
また、上記第1〜第5の実施形態で説明した機器構成では、第1の制御部130と第2の制御部150とが別構成であるとして記載していた。しかしながら、第1の制御部130と第2の制御部150とは、機能的に独立してさえいればよく、例えば1つのICチップ内に電源系統を独立させて半導体化されている等、必ずしも物理的に独立していなくても構わない。
【0112】
なお、上記各実施形態で示される構成要素や構成要素の接続形態等は一例であり、本発明を限定するものではない。つまり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成要素やその接続形態等を他の装置へ展開したり、構成要素やその接続形態等に様々な変形を加えたり,それらを組み合わせたりすることができるのは、言うまでもない。また、本発明における必須の構成は、最上位概念を示す独立請求項によって限定される。よって、実施形態で説明した構成要素のうち独立請求項に記載されていない構成要素については、必須ではなく実施形態の一例として説明している。