(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6472565
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】マットレス及びベッド
(51)【国際特許分類】
A47C 27/00 20060101AFI20190207BHJP
A47C 17/16 20060101ALI20190207BHJP
A47C 17/32 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
A47C27/00 C
A47C27/00 R
A47C17/16 Z
A47C17/32
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-154679(P2018-154679)
(22)【出願日】2018年8月21日
【審査請求日】2018年10月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518243452
【氏名又は名称】株式会社白紙とロック
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】渡部 一成
【審査官】
木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−068513(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3217360(JP,U)
【文献】
特開2000−166709(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0173856(US,A1)
【文献】
特開2014−144089(JP,A)
【文献】
特開平7−184746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/00−27/22
A47C 31/00−31/12
A47D 7/00− 7/04
A61G 7/00− 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間が横たわれる長方形状の第一マットと、
前記第一マットの一方の長辺側に有する第二マットと、
前記第二マットにおいて、前記第一マットと対向する長辺側に有する第三マットと、を
備え、
前記第一マット、前記第二マット及び前記第三マットの各々は、折り曲げ可能な連結部
を介して連結され、
前記第一マットは、シングルサイズ、セミダブルサイズ、ダブルサイズのいずれかであって、
前記第一マットがベッド本体の床板上に配置され、前記第二マットが前記ベッド本体の前記床板の側面に立てかけるように配置され、前記第三マットが床面に平行になるように配置されることにより、
前記第一マットはベッドとして使用できると同時に、
前記第二マットは背凭れ、前記第三マットは座面とするソファーとして使用できる
ことを特徴とするマットレス。
【請求項2】
前記第一マット、前記第二マット及び前記第三マットの各々の厚みは同じである請求項
1に記載のマットレス。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれかに記載のマットレスを備えるベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレスに関し、より詳しくは、ソファーとしても使用できるマットレスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来のソファー兼用折り畳みマットレスが開示されている。特許文献1に記載されたソファー兼用折り畳みマットレスは、4個に分割された単体マットを備え、単体マットの各々が連結されている。
【0003】
特許文献1に記載されたマットレスでは、折り畳み形態にすると座部と背もたれ部が構成されてソファーとして使用することができ、展開形態にすると、全体が平坦になりマットレストして使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59−174111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたマットレスでは、一方の形態に変形して使用しているときは、他方の形態で使用することができないため、マットレスとソファーとを同時に使用することかできなかった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、マットレスとソファーとを同時に使用することができるマットレスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一態様のマットレスは、人間が横たわれる長方形状の第一マットと、前記第一マットの一方の長辺側に有する第二マットと、前記第二マットにおいて前記第一マット側と対向する長辺側に有する第三マットと、を備える。前記第一マット、前記第二マット及び前記第三マットの各々は、折り曲げ可能な連結部を介して連結されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明のマットレスは、マットレスとソファーとを同時に使用できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るマットレスの斜視図である。
【
図3】
図3は、同上のマットレスの使用図であり、(A)はベッドとして使用している図、(B)はソファーとして使用している図である。
【
図4】
図4は、変形例にかかるマットレスの正面図である。
【
図5】
図5は、別の変形例にかかるマットレスの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜
図3に示すように、本実施形態に係るマットレス1は、第一マット10と第二マット20と第三マット30とを備える。第一マット10、第二マット20及び第三マット30の各々は、折り曲げ可能な連結部40を介して連結される。
【0011】
第一マット10は長方形状に形成されている。第一マット10は人間が横たわれるサイズであれば良く、例えば、一般的なシングルサイズ(幅97cm、長さ195cm)、セミダブルサイズ(幅122cm、長さ195cm)、ダブルサイズ(幅140cm、長さ195cm)などが挙げられる。
【0012】
第一マット10の厚みは、一般的なマットレスの厚みを採用でき、例えば3cm〜50cmを採用できる。ここで、「厚み」とは上下方向の長さ(高さ)をいう。
【0013】
図1、
図2に示すように第二マット20は、第一マット10における一方の長辺側に有する。第三マット30は、第二マット20において第一マット10と対向する長辺側に有する。
【0014】
第二マット20及び第三マット30は、長方形状に形成されている。第二マット20及び第三マット30の具体的なサイズは次のとおりである。
【0015】
第二マット20及び第三マット30の長さは、例えば、第一マット10と同様に設定することができる。すなわち、一般的なシングルサイズ、セミダブルサイズ、ダブルサイズなどが挙げられる。具体的には第二マット20及び第三マット30の長さは、例えば、195cmを採用できる。
【0016】
第二マット20及び第三マット30の厚みは、第一マット10と同様に設定することができる。第二マット20及び第三マット30の厚みは、第一マット10と合わせて、例えば3cm〜50cmに設定できる。
【0017】
第二マット20及び第三マット30の幅は、ベッド本体8の高さに合わせて任意に設定でき、たとえば、20cm〜100cmに設定できる。
【0018】
図2に示すように、第一マット10、第二マット20及び第三マット30の各々は、中材11と中材11を被覆する被覆材12とから構成される。中材11は、例えば、軟質ポリウレタンフォーム、ポリエステルなどによって構成される。被覆材12は、例えば、布地などで構成されている。
【0019】
図2に示すように、マットレス1は連結部40を2箇所有する。連結部40は第一マット10と第二マット20を連結し、第二マット20と第三マット30とを連結する。具体的には、連結部40は、第一マット10の長辺側と第二マット20の長辺側とを連結し、第二マット20の長辺側と第三マット30の長辺側とを連結している。第一マット10と第二マット20とを連結する連結部40は、下面側に配置され、第二マット20と第三マット30とを連結する連結部40は上面側に配置されている。
【0020】
連結部40は、折り曲げ可能に構成されている。具体的には、連結部40は、第一マット10、第二マット20、第三マット30よりも、厚みが薄い布材などで構成される。マットレス1は、連結部40の部分において山折り、谷折りのように折り曲げ可能にできる。
【0021】
図3に示すように、マットレス1は、ベッド本体8に設置されるものである。ベッド本体8は、床板81とヘッドボード82と脚部83とを備える。
【0022】
次に使用状態について説明すると、
図3に示すように、使用者は、マットレス1をベッド本体8に設置する。具体的には、第一マット10はベッド本体8の床板81上(マットレスを敷く部分)に配置される。第二マット20はベッド本体8の床板81の側面(垂直面)に立てかけるように配置される。このとき、第二マット20は第一マット10がベッド本体8の上面に設置されていることで、床面に対して垂直状態で宙吊りにされている。第三マット30は、床面に平行になるように配置される。これにより、マットレス1を設置する作業は完了する。
【0023】
図3に示すように、マットレス1の設置状態において、マットレス1として使用する際は、使用者は第一マット10の上面に横たわれば良い。ソファーとして使用する際は、使用者は第二マット20を背凭れとし、第三マット30を座面として座ればよい。
上記実施形態のマットレス1は以下の効果を奏する。
【0024】
(1)上記実施形態によると、第一マット10は人間が横たわれるサイズに形成されており、第二マット20は、第一マット10の一方の長辺側に有する一方、第三マット30は、第二マット20において第一マット10側と対向する長辺側に有する。
【0025】
このように構成されていることで、第一マット10をベッド本体8に配置し、第二マット20をベッド本体8の床板81の側面(垂直面)に立てかけるように配置し、第三マット30を床面に平行になるように配置すると、第一マット10では人間が横たわってベッドとして使用できるとともに、第二マット20を背凭れとし、第三マット30を座面として使用することで、ソファーとして使用できる。ひいては、マットレス1は、マットレスとソファーとを同時に使用できる。これにより、スペースを取らないため、一人暮らしの部屋(狭い部屋)でも使用できる。
【0026】
(2)上記実施形態によると、第一マット10と第二マット20とを連結する連結部40は、下面側に配置され、第二マット20と第三マット30とを連結する連結部40は上面側に配置されている。連結部40は、第一マット10、第二マット20、第三マット30よりも、厚みが薄い布材などで構成される。このため、マットレスを連結部40の部分で、山折り、谷折りのように折り曲げて、コンパクトに可能にできる。
【0027】
(3)上記実施形態によると、第二マット20及び第三マット30の各々の厚みは、第一マット10と同様に構成されている。
【0028】
この態様よれば、第一マット10、第二マット20及び第三マット30のいずれも床面と平行に敷くことで、第一マット10のみではなく、第二マット20および第三マット30を含めて、マットレスとして使用することもできる。ひいては、第一マット10のみをマットレスとして使用するよりも、面積が大きいマットレスとして使用できる。
【0029】
(4)上記実施形態によると、ベッド本体8は、上記実施形態にかかるマットレス1を備えているため、上述したマットレス1の効果を奏することができる。
【0030】
以上、本発明を一実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その発明の範囲で適宜変更可能であり、例えば以下のように構成してもよい。以下における変形例と上記実施形態とは適宜組み合わせて用いることができる。
【0031】
上記実施形態では、第二マット20及び第三マット30は、長方形状に形成されているとしたが、例えば、
図4中に示す(A)、(B)及び(C)に示すように、第二マット20および第三マット30の長さは、第一マット10の半分程度どの長さとしても良い。また、第二マット20及び第三マット30の形状は、長方形状に限定されるものではなく、例えば、正方形、円形、楕円形、三角形、その他任意に形状としてもよい。
【0032】
上記実施形態では、第二マットおよび第三マットの位置は、第二マット20は、第一マット10の一方の長辺側に有し、第三マット30は、第二マット20において第一マット10と対向する長辺側に有すればよいとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図4(A)に示すように第一マット10の長さ方向の頭側(図面上の左側)、
図4(B)に示すように第一マット10の長さ方向の中央側、
図4(C)に示すように第一マット10の長さ方向の足側(図面上の右側)に配置してもよい。この場合、各マットの長さおよび形状は適宜変更できる。
【0033】
上記実施形態において、マットレス1は第一マット10、第二マット20、第三マット30を有するが、
図5に示すように、第二マット20および第三マット30と対向する長辺側に、第四マット4および第五マット5を有してもよい。
【0034】
このように構成することで、変形例3のマットレスは、第一マットのいずれの長辺側にも、マット(一方に第二マットおよび第三マット、他方に第四マットおよび第五マット)が配置させることができる。ひいては、第一マットのいずれの長辺側でも、ソファーとして使用できる。
【0035】
上記実施形態では、連結部40は、第一マット10、第二マット20、第三マット30よりも、厚みが薄い布材などで構成されているとしたが、本発明は、特にこれに限定されるものではなく、例えば、連結部の内部にクッション性を有する中材41を備えても良く、連結部の内部にヒンジ、ラチェットギアなどを備えることにより、折り曲げ可能としても良い。
【0036】
第一マット10と第二マット20とを連結する連結部40は、下面側に配置され、第二マット20と第三マット30とを連結する連結部40は上面側に配置されているとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、連結部は隣接する各マットを連結するものであれば良く、位置および形状などは任意に設定できる。例えば、連結部の位置は、すべて上面側または下面側に配置されても良い。
【符号の説明】
【0037】
1 マットレス
10 第一マット
11 中材
12 被覆材
20 第二マット
30 第三マット
40 連結部
4 第四マット
5 第五マット
8 ベッド本体
81 床板
82 ヘッドボード
83 脚部
【要約】
【課題】マットレスとソファーとを同時に使用することができるマットレスを提供する。
【解決手段】マットレス1は、人間が横たわれる長方形状の第一マット10と、前記第一マット10の一方の長辺側に有する第二マット20と、前記第二マット20において前記第一マット10側と対向する長辺側に有する第三マット30と、を備える。前記第一マット10、前記第二マット20及び前記第三マット30の各々は、折り曲げ可能な連結部を介して連結されている。
【選択図】
図1