(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下添付図面に基づいて本発明を適用した医療業務システムの一実施形態(以下実施例と記す)を説明する。なお添付図面において略同一の構成あるいは略同一の処理を行うステップには同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
図1は、本発明が適用された医療業務システムの一実施例の全体構成の概略図である。本実施例の医療業務システム1は、医療機関である病院等に構築されるシステムであり、医師が用いる医師用端末100、看護師が用いる看護師用端末200、医療業務情報サーバ400および看護師が用いる看護師用携帯端末300が、ネットワークを形成する、通信手段10や通信手段14からなる通信手段10(以下、ネットワーク10とも称する。)を介して接続される。医師用端末100や看護師用端末200は、有線LANを形成する通信手段12によりネットワーク接続され、看護師用携帯端末300は、無線LANを形成する通信手段14によりネットワーク接続される。この医療業務システム1は、様々な病院施設への設置環境下に応じて様々な形態にて提供され得るものである。この看護師用携帯端末300は、この取り扱いを病院から認可された看護師によって所持されるものである。
【0012】
また、本実施例の医療業務システム1は、医療業務に関する様々な情報(以下、医療業務情報と称する。)を格納する一般データベース500を備えており、例えば医療業務情報サーバ400に設けられる。以下、本実施例においては、医療業務情報サーバ400が一般データベース500を備えるものとして説明する。一般データベース500に格納される医療業務情報は、医師用端末100や看護師用端末200は固定型端末50からネットワーク10を介しての参照または情報の追加・削除などの更新ができるようになっている。看護師用携帯端末300からネットワーク10を介しての参照または情報の追加・削除などの更新も可能である。
【0013】
また、本実施例の医療業務システム1は、特定の看護師用携帯端末からネットワーク10を介しての参照または更新ができる看護師用携帯端末参照用データベース600が備えられる。この看護師用携帯端末参照用データベース600には、一般データベース500と同様に医療業務情報が格納されるものであり、一般データベース500に格納されている医療業務情報の中から選択的に抽出された医療業務情報が格納される。また医師から入力された、医者から看護師への、患者に対する採血、注射、点滴などの医療業務に関する指示内容を示す情報(以下、オーダ情報という。)に対応する看護師作業項目についての情報が格納される。これらの各情報は、看護師用携帯端末提供情報として看護師用携帯端末参照用データベース600に格納される。この看護師用携帯端末参照用データベース600は、特定の看護師用携帯端末からの情報の提供があった時に生成するようにできるし、予め生成しておくこともできる。この看護師用携帯端末参照用データベース600は、特定の看護師用端末以外からは参照または更新することができないようにされた専用のデータベースとされるため、以下専用データベース600とも称する。また、以下「データベース」という表記は「DB」と表記して説明する。以下、情報の追加・削除などの更新をし、一般DB500や専用DB600に情報を格納することを情報の「登録」とも称する。また、一般DB500、専用DB600には情報の格納によって格納される情報が蓄積されていくので、情報が格納されることを情報が「蓄積される」とも称する。
【0014】
また、医療業務情報とは、具体的には入院患者や通院患者(以下、患者と総称する。)の氏名、身長、体重、検温した時の体温などの患者情報や、オーダ情報や採血、注射、点滴などの看護師の作業項目についての実施情報や実施内容を示す情報等の診療情報を含む情報である。この患者情報や診療情報は患者の電子カルテ情報として提供される場合もある。本実施例では、一般DB500においては、患者情報が患者情報DB510に格納され、診療情報が診療情報DB560に格納される。また、専用DB600においては、抽出された患者情報が携帯端末用患者情報DB610に格納され、抽出された診療情報が携帯端末用診療情報DB660に格納される。なお、ここで「抽出」とは、一般DB500からの情報を選択的に複製して情報を生成することを意味しており、複製された一般DB500に格納される情報は削除されることではない。上記の一般DB500や専用DB600は、上述した医療業務情報の他にも、例えば医師や看護師毎に割り当てられる認識番号としてID情報や、医師用端末100や看護師用端末200や看護師用携帯端末300などの機器毎に割り当てられる認識番号としてのID情報や、またこれらのID同士の対応関係テーブルなど、いろいろな情報が格納される。このように一般DB500に格納された様々な情報は、医師用端末100や看護師用端末200から、参照や更新ができるようになっている。
【0015】
医師用端末100や看護師用端末200は固定型端末50であり、例えばパーソナルコンピュータが用いられる。また、看護師携帯端末300は携帯型端末60であり、例えばタブレット型端末が用いられる。また、看護師携帯端末300は、看護師携帯端末300や看護師携帯端末310というように複数個が無線LANを経由して医療業務情報サーバ400に接続され、情報のやり取りが可能である。また、図示していないが、医師用端末100や看護師用端末200もそれぞれ複数個が通信手段10を介して、医療業務情報サーバ400との情報のやり取りが可能となっている。
【0016】
医師用端末100や看護師用端末200の固定型端末50は、同様の構成であり、ネットワーク10を介して医療業務情報サーバ400から様々な情報をやりとりするためのソフトウェアを備えている。例えば、医師用端末100や看護師用端末200には、医療業務情報サーバ400から様々な情報をやりとりするためのブラウザソフトがインストールされている。これら医師用端末100や看護師用端末200からも、医療業務情報サーバ400に格納された患者情報や診療情報や、その他の医療業務情報を参照し、更新をすることができる。看護師用携帯端末300は、携帯性を有する小型の構成からなり、例えば、タブレット型端末やスマートフォンなどのタッチ操作が可能な情報通信機器であり、直観的な操作に特化した機能を有している。また、上記のようなブラウザソフトをインストールして用いることもできるが、任意の情報を参照し、表示し、さらに情報の入力による情報更新が行える機能を有していればよく、単純な演算処理で実現できる機能を備える構成とすることで、携帯性を有する小型の構成をより活かすことができ、特に病院での患者への医療業務を実施する場合など、速やかな情報の処理が求められる状況において、好適に用いることができる。例えば、少なくとも、任意の情報を参照し表示するための画面表示処理、情報の入出力に関するプログラムを備えていればよい。また、本実施例の医療業務システム1または医療業務情報サーバ400は、上述の機能を有しているものであれば、様々な形態の携帯端末を看護師用携帯端末300として用いることができる。
【0017】
図2は、本発明が適用された医療業務システムにおける看護師携帯端末へ看護師携帯端末提供情報を提供する構成をブロック図で示す図である。医療業務情報サーバ400は、医師用端末100や看護師用端末200や看護師用携帯端末300との情報のやり取りについてネットワーク10を介して行うための入出力部410と、一般DB500や専用DB600と、医師用端末100や看護師用端末200や看護師用携帯端末300からの情報に基づいて一般DB500または専用DB600に格納された医療業務情報の取り出し、追加や削除の更新などの制御を行う演算処理手段800とを備えている。また、演算処理手段800は、一般DB500に格納された医療業務情報について上記制御を行うDB制御部810と、専用DB600に格納する医療業務情報について上記制御を行うDB制御部830と、DB制御部810を介して抽出した医療業務情報について、専用DB600の作成基準情報860に基づいて専用情報を生成する専用情報生成部850と、を備えている。上記DB制御部810とDB制御部830は、図示のようにそれぞれ別個の構成としてもよいし、一つのDB制御部として構成してもよい。また、上記作成基準情報860は、一般DB500に格納してもよいし、医療業務サーバの図示しない他の格納部に格納してもよいし、外部の格納部に格納してネットワーク10を介して情報を取得するようにしてもよい。ここで、専用情報生成部850は、後述する携帯端末参照用DB作成部850に相当し、作成基準情報860は、医師から看護師への医療業務の指示内容を示すオーダ情報と医療業務について予め設定された看護師作業項目との対応テーブルに相当する。
【0018】
図3は、本実施例の医療業務システムで扱われる医師によるオーダ情報を表で示す図である。オーダ情報は、図示のように、「検査指示」と「患者名(患者ID)」と「実施日時指示」の情報を含んで構成される。
図3では採血に関するオーダ情報について例示しているが、その他の検査指示、例えば注射や点滴等の指示に関する検査指示の情報も含まれる。ここで、医師が任意の患者の検査を行うべく、看護師に患者に対する作業を行わせる指示を出す際、このオーダ情報を入力することとなる。具体的には、医師が医師用端末100を用いて上記の情報を端末のブラウザの画面から入力することによって医療業務情報サーバ400に提供する。この
図3の表において、「検査指示」は、採血(血糖)、採血(一般)や採血(ガン)などの検査に関する指示を示すものであり、「患者名」は検査対象の患者名または患者IDを示すものであり、「実施日時指示」は、看護師に該当する検査指示を実施させる日時を示すものである。この日時は、時間指定でもよいし、時刻指定でもよい。図示の表において、「検査指示」が採血(血糖)である例のオーダ内容について説明すると、血糖値の検査をするべく、患者名Aに対して2013年1月20日の14時から15時の間に採血を実施せよとの指示を意味している。オーダ情報は以上の情報により構成されるが、その他の情報をオーダ情報として含めてもよい。ここで、「患者ID」は、例えば、患者が入院した時、または初回の診察時に、医療業務システム1によって患者の認識番号として患者毎に割り当てられるIDである。
【0019】
図4は、本実施例の医療業務システムの一般DBに予め格納される患者IDと看護師携帯端末IDとの関係を表で示す図である。
図4に示す表では、例えば「看護師用携帯端末ID」に対応する患者IDは「100001」および「100002」というように対応関係を示しており、看護師用携帯端末の取り扱いを病院から認可された看護師によって所持される看護師用携帯端末毎に扱える患者の情報について予め制限を設けるものである。これらの対応関係に基づいて、看護師用携帯端末に提供される情報が設定される。ここで、「看護師用携帯端末ID」は、医療業務システム1によって病院での使用として認可された携帯端末として携帯端末毎に割り当てられるIDである。これらの関係は、例えば医療従事者によって、固定型端末50を用いて上記の情報を端末のブラウザの画面から入力するなどによって一般DB500に格納される。なお、この関係は、特定の看護師用携帯端末に情報を持ち出したい時に、固定型端末50から入力して設定してもよい。
【0020】
図5は、本実施例の医療業務システムの一般DBに予め格納されるオーダと看護師作業項目との対応関係を表で示す図である。この対応関係は、図示のように、「オーダ種類No.」と「オーダ種類」と「採血量」および「容器個数」の情報を含んで構成される。
図5では採血に関するオーダ情報について例示しているが、その他の検査、例えば注射や点滴等の検査に関する情報も含まれる。これらの対応関係は、例えば医療従事者によって、固定型端末50を用いて上記の情報を端末のブラウザの画面から入力するなどによって一般DB500に格納される。この
図5の表において、「オーダ種類No.」は、オーダ種類ごとに設ける識別用のNo.であり、「オーダ種類」は検査内容を区別するために付す検査名を示すものであり、「採血量」は、看護師が患者より採血する容量を示すものであり、「容器個数」は、採血する血液をどの容量の容器でいくつ要するかという内容を示すものである。図示の表において、「オーダ種類No.」が001である例の対応関係について説明すると、オーダ種類が「採血A」の場合は、患者からの採血量は400ccであり、この採血を100ccの容器で4個に分けて行うという対応関係を意味している。このようにこれらの対応関係は、オーダと看護師作業項目との対応テーブルとして提供される。この対応関係は以上の項目により構成されるが、その他の項目を対応関係として含めてもよい。
【0021】
このように、本実施例の医療業務システム1では、一般DB500に、看護師用携帯端末300の取り扱いを病院から認可された看護師によって所持される該看護師用携帯端末300の看護師用携帯端末IDと、患者IDとの二者関係および医師から看護師への医療業務の指示内容を示すオーダ情報と医療業務について予め設定された看護師作業項目との対応テーブルが予め格納される。
【0022】
図6は、本実施例の医療業務システムの看護師用携帯端末に提供される情報を表で示す図である。この情報は、医師から採血に関する指示があった場合を示しており、図示のように、「患者名」と「実施日時」と「採血量」の情報を含んで構成される。この提供情報は、上記入力されたオーダ情報と患者IDと看護師携帯端末IDとの関係とオーダと看護師作業項目との対応関係に基づき生成される。また、これら提供情報は、
図6(a)に示すように、患者ID順に並べ替えて提供したり、
図6(b)に示すように、実施日時順に並べ替えて提供したりすることが、演算処理手段800によってなされる。以上の構成である医療業務システム1について、以下看護師用携帯端末に看護師用携帯端末提供情報を生成する手順について説明する。
【0023】
まず予め、医師により医師用端末100から、入出力部410を介して上述したオーダ情報が入力され、一般DB500への格納が行われる。次に、演算処理手段800は、患者IDおよび作業日時指示を含むオーダ情報を取得し、予め格納された対応テーブルに基づいて、看護師用携帯端末IDに関連した患者についての、一般DBに蓄積された看護師作業項目を抽出する。例えば、入力されたオーダ情報が
図3に示すように、検査指示が「採血(一般)」、患者IDが「100002」、「実施日時」が2013年1月28日の午前10時から11時であった場合、患者ID「100002」に対応する看護師用携帯端末ID「0001」についての看護師作業項目として、オーダと看護師作業項目との対応関係から「採血(一般)」に対応する作業項目である、採血量「400cc」および容器個数「200cc×2」という情報を一般DB500から抽出する。上記対応テーブルについて、例えば予め固定型端末50によるブラウザ画面からの入力で対応テーブルを入力し、この入力された対応テーブルを新たな対応テーブルとして用いて、上記各情報の抽出に用いてもよいし、上記ブラウザ画面から抽出したい情報を直接入力してもよい。
【0024】
ここで、看護師用携帯端末参照用DB600(専用DB600)は、演算処理手段800によって生成される。この専用DB600の生成は、該当する看護師用携帯端末から看護師携帯端末提供情報の要求がある前に生成されていればよく、オーダ情報が取得時、看護師作業項目の抽出時、もしくは例えば看護師用端末200から、看護師からの看護師用端末200への入力に基づく該当する患者についての情報の要求が発せられた時に、生成してもよい。
【0025】
次に、演算処理手段800は、抽出した看護師作業項目および予め格納された二者関係を参照して取得された看護師用携帯端末IDと、患者ID、作業日時および看護師作業項目を含んだ、看護師用携帯端末ID毎の看護師携帯端末提供情報を生成する。ここでは、患者ID「100002」に対応する看護師用携帯端末ID「0001」が割り当てられた看護師携帯端末に対して、
図6に示すごとく患者名、実施日時そして作業項目である採血量と容器個数についての情報を組み合わせた情報を生成する。
【0026】
次に、演算処理手段800は、生成した看護師携帯端末提供情報を専用DB600に格納させ、ID「0001」が割り当てられた看護師用携帯端末300から、看護師携帯端末提供情報の提供要求があった時に、専用DB600を参照して、ネットワーク10を介して当該看護師用携帯端末300に提供することを行う。この時、提供情報を患者ID順または作業日時順に並べ替えて提供することで、看護師がより作業項目の確認および実施を効率よく行いやすくすることができる。
【0027】
次に、看護師による看護師用携帯端末300からネットワーク10を介して専用DB600の看護師携帯端末提供情報が参照される。そして、この提供情報に含まれる作業項目に従って患者に対して検温・採血などの医療業務を実施し、実施した内容に関する情報が看護師用携帯端末300から入力が行われる。この入力が行われ、看護師携帯端末提供情報の更新が行われる。
【0028】
このように、看護師が患者に対して作業するのに必要な情報だけが表示され、余分な情報が表示されないので、情報量も少なく、看護師は看護師用携帯端末を用いて、速やかに、提供情報を参照して患者に対する作業を実施することができる。すなわち、パーソナルコンピュータのような演算処理能力を有さない小型の携帯端末においても、速やかに、提供情報を参照して患者に対する作業を実施することができる。
【0029】
以上の構成によれば、看護師が医師からの指示に対して、看護師用携帯端末を用いて看護師用携帯端末用DBからの看護師端末用提供情報を参照することで、速やかに作業に必要な情報を取得することができるので、医療業務の効率を改善することができる医療業務システムおよび医療業務システムの医療業務情報サーバを提供することができる。
【0030】
本実施例では、看護師用端末200から任意の患者の患者情報や診療情報を選択して、選択または入力した情報について看護師用携帯端末提供情報を生成し、専用DB600に格納し、看護師用携帯端末300から上記選択した情報について生成した看護師用携帯端末提供情報を参照するものである。ここで、「選択」とは、固定型端末50のディスプレイ等の画面表示装置に表示されたブラウザなどの画面インターフェースから、ブラウザ画面に表示される患者に関係する患者情報や診療情報等の情報(以下、ユーザ入力情報と称する。)をマウス等のポインティングデバイスで選択し、演算処理手段800へネットワーク10を介してその選択されたユーザ入力情報を送信することを意味する。また、「入力」とは、固定型端末50のディスプレイ等の画面表示装置に表示されたブラウザなどの画面インターフェースから、ブラウザ画面に表示されるテキスト入力画面からユーザ入力情報をキーボード等の入力装置で入力し、演算処理手段800へネットワーク10を介してその入力されたユーザ入力情報を送信することを意味する。演算処理手段800は、この送信された情報を取得し、取得した情報に基づいて、看護師用携帯端末提供情報を生成するなど、様々な処理を行う。以下、その構成やその動作について詳述する。
【0031】
図7は、本実施例の医療業務システムの医療業務サーバの詳細構成をブロック図で示す図である。医療業務サーバ400は、医師用端末100または看護師用端末200である固定型端末50で選択、入力されたユーザ入力情報を取得する入力情報取得部412と、一般DB500と、入力情報取得部412で取得された情報に基づいて一般DB500に格納される情報を抽出する医療業務情報抽出部416と、抽出された情報を複製して看護師携帯端末提供情報として看護師携帯端末300へ格納する看護師携帯端末参照用DBを作成する看護師携帯端末参照用DB作成部420と、看護師携帯端末参照用DB作成部420で作成された護師携帯端末参照用DBに格納された看護師携帯端末提供情報を、看護師用携帯端末300に出力する携帯端末画面出力部462と、一般DB500に格納された各情報について固定型端末50が備える顔面表示手段に出力する固定型端末画面出力部482と、を備える。
【0032】
また、医療業務サーバ400は、医師用端末100または看護師用端末200からユーザ入力情報更新の要求の入力があった時に、一般DB500に格納された、更新を要求されたユーザ情報に対応する情報について、更新可能かどうかの判定を行う更新情報登録部414と、一般DB500に格納された情報に対して、演算処理手段800に更新や削除の処理を判断させるためのフラグ情報であるロックステータスを設定するロックステータス変更部430と、看護師用携帯端末300から入力された情報を生成された専用DB600に格納された患者情報や診療情報等への情報の登録をする入力情報登録部464とを備える。
【0033】
また、医療業務サーバ400は、専用DB600に格納された患者情報や診療情報等の情報が更新されているかを所定の時間を置いて判断する変更情報監視部472と、専用DB600に格納された患者情報や診療情報等の情報が更新されている場合に看護師用携帯端末に情報が更新されている旨の表示をする変更情報通知部474と、看護師用携帯端末300から登録された患者情報や診療情報を、一般DB500に登録をする携帯端末情報登録部446と、専用DB600に格納された患者情報や診療情報等への情報を削除する携帯端末参照用情報削除部442とを備える。
【0034】
これら、入力情報取得部412、携帯端末画面出力部462、入力情報登録部464および固定端末画面出力部482は、上述の
図2に示した入出力部410に相当し、更新情報登録部414、医療業務情報抽出部416、看護師携帯端末参照用DB作成部420、ロックステータス変更部430、看護師用携帯端末参照用情報削除部442、携帯端末情報登録部446、変更情報監視部472および変更情報通知部474は、DB制御部810やDB制御部830に相当し、これら各部の動作は演算制御手段800によって制御される。また、演算制御手段800は、その他の様々な医療業務システムの動作の処理の制御を行う。以下、特に明記の無い各処理については、演算処理制御部800が行うものとする。
【0035】
図8は、本実施例の医療業務システムの一般DBまたは専用DBに格納される患者情報テーブルの例を示す図である。
図8(a)は、一般DB500に格納される患者情報テーブル520を示している。患者を区別するための「患者ID」や、「患者名」、「生年月日」、「身長」、「体重」等の患者情報を有している。また、
図8(b)は、専用DB600に格納される患者情報テーブル620を示している。この患者情報テーブル620は、一般DB500に格納された患者情報テーブル520から抽出された「患者ID」、「患者名」、「生年月日」、「身長」、「体重」等の患者情報からなる。
【0036】
図9は、本実施例の医療業務システムの一般DBまたは専用DBに格納される検温情報テーブルの例を示す図である。
図9(a)は、一般DB500に格納される検温情報テーブル530を示している。患者を区別するための「患者ID」や、「日付」、実際に検温を実施した「時間」、検温した「温度」、最高血圧を示す「血圧高」、最低血圧を示す「血圧低」等の患者情報を有している。また、
図9(b)は、専用DB600に格納される検温情報テーブル630を示している。この検温情報テーブル630は、一般DB500に格納された検温情報テーブル520から抽出された「患者ID」、「日付」、「時間」、「温度」、「血圧高」、「血圧低」等の患者情報からなる。
【0037】
図10は、本実施例の医療業務システムの一般DBまたは専用DBに格納されるオーダ情報テーブルの例を示す図である。
図10(a)は、一般DB500に格納されるオーダテーブル540を示している。オーダ情報を区別するための「オーダNo」、患者を区別するための「患者ID」や、オーダを看護師が実施した「実施日付」、オーダを看護師が実施した「実施時間」等の診療情報を有している。また、
図10(b)は、専用DB600に格納されるオーダテーブル640を示している。このオーダテーブル640は、一般DB500に格納されたオーダテーブル540から抽出された「オーダNo」、「患者ID」、「実施日付」、「実施時間」等の患者情報からなる。
【0038】
図11は、本実施例の医療業務システムの一般DBまたは専用DBに格納される採血情報テーブルの例を示す図である。
図11(a)は、一般DB500に格納される採血情報テーブル570を示している。オーダ情報を区別するための「オーダNo」、患者を区別するための「患者ID」や、医師が採血した血液について検査したい検査項目(例えば、血液中のIgAの検査、等)の情報を示す「検査項目」等の診療情報を有している。また、
図11(b)は、専用DB600に格納されるオーダテーブル670を示している。このオーダテーブル640は、一般DB500に格納されたオーダテーブル570から抽出された「オーダNo」、「患者ID」、「検査項目」等の患者情報からなる。
【0039】
これら
図8〜
図11に示した各テーブルは、医師用端末100や看護師用端末200によって参照される。各テーブルは他の項目を含んでもよい。また、
図8(a)、
図9(a)、
図10(a)、
図11(a)に示す例では、「ロックステータス」なる項目を含んでいる。この「ロックステータス」は、抽出した患者情報または診療情報について、演算処理手段800が変更や削除の可否状態を判断するためのフラグ情報である。これを用いた医療業務システム1の動作については後述する。また、
図8(b)に示す例では、「検温表」なる項目を含んでいる。この「検温表」は、患者の検温の実施状態を示すためのフラグ情報である。これは例えば、オーダ情報に基づいて、検温の指示がなされている場合に、演算処理手段800が該当する患者の「検温表」のフラグを“0”とする。また、看護師が検温を実施後、看護師用携帯端末300を介して検温実施した旨の情報を入力することにより、演算処理手段800がその情報を取得し、該当する患者の「検温表」のフラグを“1”とする。これにより、医師や看護師が固定型端末50のブラウザ画面から患者情報を一般DBから参照し、「検温表」フラグを参照することで、患者に対して検温が実施されたか否かの状態を即座に確認することができる。これにより、より使い易い医療業務システムを提供することができる。
【0040】
また、
図10(a)や
図10(b)に示す例では、それぞれ「ステータス」なる項目を含んでいる。これは例えば、医師によって医師用端末100を介して、オーダ情報が入力された時に、演算処理手段800が「ステータス」のフラグを“0”と設定する。そして、オーダ情報について、オーダ情報の看護師作業項目に従って看護師が患者への作業を完了し、看護師が所持する看護師用携帯端末300を介して看護師作業項目の完了の旨を入力された時に、その入力を演算処理手段800が取得して該当するオーダ情報について「ステータス」のフラグを“1”とする。これにより、例えば演算処理手段800が、看護師用端末200からオーダ情報の参照またはオーダ情報に含まれる看護師作業項目の更新の入力があった時に、オーダ情報の「ステータス」を参照してフラグが“1”である場合に、看護師用端末200に参照または更新しようとしたオーダ情報は既に登録済みである旨を表示することで、該当する情報の参照や更新を禁止することで、情報の2重登録を防ぐことができる。これにより、信頼性の高い医療業務システムを提供することができる。
【0041】
図12は、本実施例の医療業務システムに格納される通知テーブルの例を示す図である。
図12に示す通知テーブル910は、「患者ID」、「オーダNo」、看護師用携帯端末300毎に割り当てられた看護師用携帯端末300を識別するための「看護師用携帯端末ID」、看護師用携帯端末300のユーザである看護師を識別するための「ログインID」、「通知フラグ」により構成されている。ここで、「ログインID」とは、病院から看護師用携帯端末300の使用を認可された看護師について割り当てられるIDである。このように、通知テーブル910は、「患者ID」、「オーダNo」、「看護師用携帯端末ID」、「ログインID」との対応関係を定めたテーブルである。また、「通知フラグ」は、看護師用携帯端末300に対応するオーダ情報について、固定型端末50によりオーダ情報の変更状態を判断するフラグ情報であり、演算処理手段300が、固定型端末50を介して更新の入力を取得した場合に、対応する看護師用携帯端末IDが割り振られた看護師用携帯端末300に対して変更があった旨の画面表示を行う時に参照される。この通知テーブル910の行情報つまり対応関係の情報は、抽出された情報に対応するオーダ情報毎に生成され蓄積される。
【0042】
図13は、本実施例の医療業務システムに格納されるユーザテーブルの例を示す図である。
図13に示すユーザテーブル930は、「ログインID」、「パスワード」、「ユーザ名」により構成されており、これらの対応関係が定められたテーブルである。演算処理手段800は、固定型端末50または携帯端末60での画面表示や入出力プログラムの起動時に、ログイン画面を画面表示して、パスワード入力を求め、この情報を取得し、ユーザテーブル930を参照することで、固定型端末50や携帯端末60との間の情報の入出力を可能にする。このようにすることで、情報管理上の安全性や機密性に優れた医療業務システムを提供することができる。
【0043】
図14は、本実施例の医療業務システムに格納される携帯端末テーブルの例を示す図である。
図13に示す携帯端末テーブル950は、「看護師用携帯端末ID」、「端末名」、「IPアドレス」により構成されている。看護師用携帯端末300は、ネットワーク10を介して端末を識別するためのIPアドレスがそれぞれ端末毎に割り当てられる。この携帯端末テーブル950は、看護師用携帯端末毎の端末名と端末IDとIPアドレスの対応関係を定めたテーブルである。これによれば、演算処理手段300がこの携帯端末テーブル950を参照することで、ネットワーク10を介して各看護師用携帯端末を識別することができる。
【0044】
これら
図12〜
図14に示した各テーブル910、930、950は、医療業務サーバ400の一般DBに格納してもよいし、医療業務システムに別の格納部を設けて格納してもよいし、外部のサーバが備える格納部に格納し、ネットワーク10を介して各テーブルの情報を参照するようにしてもよい。また、これら各テーブル910、930、950は、専用DB600が生成された時に生成され、看護師携帯端末提供情報としてDB600に格納される。
【0045】
図15は、本実施例の医療業務システムにおける医療業務情報の処理手順の例を(a)と(b)を用いて順次説明する図である。また、
図16は、
図15の手順における固定型端末の画面表示の例を(a)〜(f)を用いて順次説明する図である。また、
図17は、
図15の手順における携帯端末の画面表示の例を(a)〜(c)を用いて順次説明する図である。次に、これら
図15〜
図17を用いて、ユーザである看護師が医師用端末100または看護師用端末200が備える画面表示手段に表示される業務選択画面から患者情報や診療情報を選択し、看護師用携帯端末300が備える画面表示手段を介して情報を参照し、入院患者に対して検温を実施し、実施情報を登録する場合の例の処理について説明する。なお、この例では、上記選択は、看護師のマウス操作のクリック等の動作によって行われる。また、以下説明する例では、固定型端末50から患者情報と診療情報を選択して、この選択に基づいて生成された看護師携帯端末参照用情報を看護師携帯端末参照用DB600に格納し、看護師用携帯端末300から参照しているが、患者情報と診療情報のいずれかの情報を固定型端末50から選択して、看護師用携帯端末300から情報を参照するようにしてもよく、動作はいずれも以下説明する手順と同様である。
【0046】
ステップS101では、まず、医師用端末100または看護師用端末200で医療業務サーバ400との情報のやり取りを行うためのブラウザを起動させ、ブラウザ画面からパスワード、ログインIDを入力されることで、ログイン認証がなされる。
【0047】
ステップS102では、必要な患者情報、業務情報を選択が行われる。具体的には、ログイン認証がなされると、
図16(a)に示すごとく、医師用端末100あるいは看護師用端末300の画面表示手段150に表示される画面160のような、病棟毎に入院している患者が表示される病棟画面が表示される。ここで、画面160は、画面表示手段150の画面表示部に表示される。この病棟画面は、予め医療業務サーバ400に、入院患者とその入院患者が入院している病棟との対応関係が格納されており、ブラウザの画面生成プログラムがその対応関係を参照して生成する画面である。以下、
図16に示す表示画面160は、ブラウザの画面生成プログラムによって生成される。次に、この画面160上の「患者A」が表示されている画面上で右クリック等の操作がなされると、「持出業務選択」等の文言が表示される画面が表示される。そして、表示された「持ち出し業務選択」がクリックされると、
図16(b)に示すように、看護師用携帯端末300で参照するための患者情報または診療情報を選択する業務選択画面160が表示される。ここで、「検温」の選択がなされると、
図16(c)に示すような、患者の過去の検温情報を持ち出す範囲を選択する期間、持ち出す情報を送る先を指定する看護師用携帯端末IDを入力するため入力エリア等の検温表持出画面160が表示され、看護師によって患者の過去から現在までの検温情報の中から、持ち出したい期間(日時)を選択または入力される。なお、ここで情報の「持ち出し」とは、選択した情報について、一般DB500から該当する情報を抽出し、専用DB600に格納し、看護師用携帯端末でDB600を参照、更新を行うようにできる状態にすることを示す。その後、看護師用携帯端末IDを入力エリアに入力し、「タブレットへ」ボタン等をクリックする。また、「オーダ」の選択がなされると、情報を
図16(d)に示すような、患者に対する看護師へのオーダ情報(図示の例では、「採血1」など)と、持ち出すオーダ情報を送る先を指定する看護師用携帯端末IDを入力するための入力エリア等の検温表持出画面160が表示され、看護師によってオーダ情報の中から、持ち出したいオーダ情報が選択される。その後、看護師用携帯端末IDを入力エリアに入力し、「タブレットへ」ボタン等をクリックする。そして、ブラウザもしくは端末の処理プログラムによって、上記各選択や入力に基づき、患者ID、患者情報または診療情報、および看護師携帯端末IDを含む要求情報が生成されネットワーク10を介して医療業務サーバ400に送られる。つまり、看護師はブラウザ画面での選択や入力により患者ID、患者情報または診療情報、および看護師携帯端末IDを含む要求情報を入力することとなる。なお、看護師携帯端末IDは複数入力することができ、複数の看護師携帯端末300に対して、選択した情報に基づいて生成された看護師用携帯端末提供情報が格納された看護師携帯端末参照用DB600を参照させることができる。
【0048】
ステップS103では、専用DB600が作成される。具体的には、入力情報取得部412が、上記ステップS102で入力された情報を取得し医療業務情報抽出部416へ取得情報を送る。医療業務情報抽出部416が、一般DB500から送られた取得情報に含まれる、患者IDと期間で選択された日時に基づき、患者情報DB510および検温情報DB560から上記選択された情報を抽出し、生成された看護師携帯端末参照用DB600携帯端末患者情報DB610に抽出した情報を複製する。また、医療業務情報抽出部416は、一般DB500から送られた取得情報に含まれる、オーダ情報に基づき、オーダ情報DB560および診療情報DB560から上記選択された情報を抽出し、看護師携帯端末参照用DB600携帯端末診療情報DB660に抽出した情報を複製する。
【0049】
なお、携帯端末参照用DB作成部420は、要求情報の入力があった時に看護師携帯端末参照用DB600が存在しない場合、看護師携帯端末参照用DB600を生成する。つまり、看護師携帯端末参照用DB600は、看護師が医師用端末100または看護師用端末200で必要な情報を選択したときに作成され、その後、一般DB500から選択された情報が看護師携帯端末参照用DB600に複製される。これにより、看護師用携帯端末300で看護師携帯端末参照用DB600を参照することで医療情報の検索処理や表示処理の高速化を可能にする。
【0050】
このように、演算処理手段800が、看護師用端末200から発せられた、看護師によって入力された患者ID、患者情報または診療情報、および看護師携帯端末IDを含む要求情報を取得し、取得した要求情報に基づいて、一般DB500に蓄積された患者情報または診療情報を抽出し、抽出した患者情報または診療情報を含んだ、取得された看護師用携帯端末ID毎の看護師携帯端末提
供情報を生成し、生成した看護師携帯端末提
供情報を看護師用携帯端末参照用DB600に格納させ、看護師用携帯端末から、看護師携帯端末提
供情報の提供要求があった時に、看護師用携帯端末参照用DB600を参照して、看護師携帯端末提
供情報を、ネットワークを介して当該看護師用携帯端末300に提供する。以上のように看護師が看護師用端末200を介して任意の患者の患者情報や診療情報を参照・選択して抽出してその看護師が用いる看護師用携帯端末300が参照する専用DB600に専用情報として格納することで、看護師が任意の場所でその看護師用携帯端末300を用い、患者情報や診療情報を参照して患者に対する作業を行うことができるので、より使い易い医療業務システムを提供することができる。また、パーソナルコンピュータのような演算処理能力を有さない小型の携帯端末においても、一般DBを参照せずに携帯端末用提供情報が格納された専用DBを参照することで、速やかに、提供情報を参照して患者に対する作業を実施することができる。
【0051】
ステップS104では、ロックステータス変更部430が、一般DB500の患者情報DB510または診療情報DB560の選択された情報のロックステータスを
図8(a)、
図9(a)、
図10(a)または
図11(a)に示す各テーブルの「ロックステータス」を“1”に変えることで、医師用端末100あるいは看護師用端末200から患者情報または診療情報のロックステータスが“1”とされた情報の更新を禁止する。
【0052】
ステップS105では、
図16(e)に示すごとく、医師用端末100または看護師用端末200の病棟画面160に、選択された情報が持ち出されていることをユーザに認知させるために、固定端末画面出力部482が患者情報DB510のロックステータスが“1”の情報について選択された情報が持ち出されていることを表示し、また
図16(f)のように業務選択画面160にも同様に、選択された情報が持ち出されていることを表示する。図示の例では、該当する患者名または業務(検温)やオーダ情報名が表示されている画面160の下部に赤色の文字で「[!]業務持出中」と画面表示する。これにより、一般DB500の各テーブルの情報がロックステータスを保持し、専用DB600に複製されている情報に相当する情報の更新を禁止することで、例えば看護師用携帯端末で既に登録されているのにもかかわらず、さらに固定端末50で同じ情報が登録されてしまうといった、二重登録を防ぐことができる。
【0053】
ステップS106では、
図17に示すごとく、看護師用携帯端末300の画面表示手段350に業務一覧画面360が表示される。ここで、画面360は、画面表示手段350の画面表示部に表示される。また、この画面360は、携帯端末用患者情報DB610に格納されたテーブルの患者名や、携帯端末用診療情報DB660に格納されたテーブルのオーダ名等の情報を用いて、演算処理手段800によって生成される。看護師によって看護師用携帯端末300が起動されると、携帯端末画面出力部462が、生成された画面360を画面表示する。看護師用携帯端末300の画面360に表示される画面は医療業務情報サーバの処理プログラム等で生成される。これにより、看護師用携帯端末300は、ブラウザ等のプログラムを有することなく、情報の画面表示が可能となるので、看護師用携帯端末300からの情報の参照や看護師用携帯端末300への画面表示の速度が向上する医療業務システムを提供することができる。また、上述したように、看護師用携帯端末300の画面360から、携帯端末用診療情報DB660に格納された情報の提供要求を取得し、画面360に画面表示させることができる。
【0054】
ステップS107、ステップS108では、看護師による患者に対する検温が実施され、看護師が看護師用携帯端末300の表示画面360から検温で得られた体温や血圧等の情報の入力がなされる。
【0055】
ステップS109では、入力情報登録部464が、看護師用携帯端末300から入力された情報を取得し、専用DB600の携帯端末用患者情報DB610または携帯端末用診療情報DB660に追加または更新をする。
【0056】
ステップS110で、看護師用携帯端末300の画面360に「登録を完了しますか」等のダイアログを表示し、「はい」が選ばれた場合、携帯端末用患者情報テーブルの検温表ステータスを“1”に変更し、
図17(b)に示すように画面360のように、業務一覧画面の該当する「検温」の表示色を変える等して登録が完了されたことを表示する。これにより、看護師に視認させやすくする。この表示色の変更は携帯端末画面出力部462による処理によって行われる。また、「採血1」についても同様に、表示色を変えるようにすることもできる。
【0057】
ステップS111で、看護師が業務一覧画面の「検温」の文言を長押しすることで、
図17(c)に示す画面360のように「終了」等の文言が表示され、「終了」等の文言が選択されることで、看護師用携帯端末300で入力された情報が、看護師用端末参照用DB600に登録される。「採血」についても同様に、「終了」等の文言が選択されることで、看護師用携帯端末300で入力された情報が、看護師用端末参照用DB600に登録される。
【0058】
ステップS112で、携帯端末情報登録部446が、看護師用端末参照用DB600の携帯端末用患者情報DB610や携帯端末用診療情報DB660の情報を患者ID、日時に基づいて、一般DB500の患者情報DB510や診療情報DB560への更新を行う。
【0059】
ステップS113で、ロックステータス変更部430が、患者情報DB510や診療情報DB560の選択された情報のロックステータスを“0”に変える。これにより、固定型端末50による更新の禁止が解除されることとなる。上記ステップS104とステップS113によれば、演算処理手段800が、一般DB500に蓄積された患者情報または診療情報のうち、抽出した患者情報または診療情報について、変更や削除の可否状態を判断するためのロックステータスを付与し、ロックステータスが付与された患者情報または診療情報に対しての情報更新を禁止状態にし、看護師携帯端末提供情報の登録更新入力があった時に、ロックステータスが付与された患者情報または診療情報のロックステータスを解除することにより、上述したようにデータの二重登録を防ぐことができる。これによれば、信頼性の高い医療業務システムを提供することができる。
【0060】
ステップS114で、携帯端末参照用情報削除部442が、患者情報DB510または診療情報DB560への更新を行い、更新が完了した携帯端末用患者情報DB610の携帯端末用診療情報DB660情報を削除する。
【0061】
ステップS115で、携帯端末参照用情報削除部442が、携帯端末用患者情報DB610や携帯端末用診療情報DB660の全ての情報が無い(Null)場合、携帯端末用患者情報DB610や携帯端末用診療情報DB660を削除し、携帯端末用患者情報DB600を削除する。
【0062】
ステップS116で、
図16(g)に示すように、業務選択画面160に業務が完了したことをそれぞれ表示する。図示の例では、該当する患者名または業務(検温)やオーダ情報が表示されている画面160の下部に赤色の文字で「[!]業務完了」と画面表示する。
【0063】
このように、本実施例の医療業務システムによれば、固定型端末から選択された情報に基づいて、看護師用携帯端末提供情報を抽出し、専用DB600に格納し、看護師用携帯端末300で上記格納した情報を参照することで患者情報の検索処理や表示処理の高速化を可能にした電子カルテシステムを提供することができる。
【0064】
また本実施例の医療業務システムは、演算処理手段800は、ロックステータスが付与された患者情報または診療情報に対しての情報更新の要求を取得した時に、取得した要求に基づいて看護師用携帯端末参照用DB600に格納された看護師携帯端末提
供情報に含まれる患者情報または診療情報の情報更新を行う構成を備える。このようにすることで、看護師が変更された情報について看護師用携帯端末参照用DB600を参照することで、更新前の古い情報に基づいて患者に対する作業を実施する等の不適切な作業を防ぐことができ、信頼性の高い医療業務システムを提供することができる。また、一般パーソナルコンピュータのような演算処理能力を有さない小型の携帯端末においても、速やかに、提供情報を参照して患者に対する作業を実施することができる。
【0065】
図18は、本実施例の医療業務システムにおける医療業務情報の処理手順の別の例を説明する図である。また、
図19は、
図18の手順における固定型端末の画面表示の例を説明する図である。また、
図20は、
図18の手順における携帯端末の画面表示の例を説明する図である。この例では、医師用端末100または看護師用端末200から変更する業務情報を選択し、看護師用携帯端末300に通知するまでの手順を示す。画面表示360の表示処理、情報の選択・入力、医療業務サーバ400における選択・入力された情報の処理については、上述した
図15〜
図17に説明した手順と同様である。
【0066】
ステップS301で、看護師は医師用端末100または看護師用端末300の画面表示から
図19(a)に示す画面160のような、変更を行うオーダ(採血1)の上で右クリック等の操作をし、「変更」等の文言をクリックし、オーダを表示させ、内容を変更し、登録を行う。この登録が行われた情報について、演算処理手段800は、対応するオーダテーブル540の「ステータス」を“1”とする。これと同時に、演算処理手段800は、ステータスが“1”とされたオーダ情報と対応する携帯端末オーダテーブル640のオーダ情報のステータスを“1”とする。
【0067】
ステップS302で、更新情報登録部414が一般DB500の診療情報560の変更を行うオーダ情報のロックステータスをオーダテーブル540や採血テーブル570の「ロックステータス」を参照することを行い、ロックステータスが“0”であれば一般DB500の診療情報560の情報を更新し、ロックステータスが“1”であれば携帯端末用診療情報DB660の情報を更新する。ここで、携帯端末用診療情報DB660の携帯端末用オーダテーブル640の「ステータス」が“1”となっていた場合、携帯端末用診療情報DB660の情報を更新せず、医師用端末100または看護師用端末200に
図19(b)に示す画面160のように実施登録済みまたはであることを表示する。従って、上記「ステータス」は、オーダ情報に更新があったか否かを判断させる更新済みステータスとしてのフラグ情報としての機能を有する。
【0068】
ステップS303で、医療業務サーバ400の更新情報登録部414が通知テーブル910の更新さ通知フラグを“1”に更新する。ここで、通知テーブル910は専用DB600が作成されるときに作成されて看護師用携帯端末提供情報として専用DB600に格納される。
【0069】
ステップS304で、医療業務サーバ400の変更情報監視部472は定期的に通知テーブル910の通知フラグを監視し、通知フラグが“1”であった場合、
図20に示す画面360のように変更情報通知部442が看護師用携帯端末300に変更があることを通知する。
【0070】
ステップS303で、看護師が看護師用携帯端末300で変更情報の視認が行われ、情報の変更が行われたことが確認される。
【0071】
このように、本実施例の医療業務システム1は、演算処理手段500は、看護師携帯端末300から登録更新入力のあった看護師携帯端末提供情報に含まれる患者情報または診療情報について更新済みステータスを付与して該患者情報または該診療情報を更新し、更新済みステータスが付与された患者情報または診療情報について看護師用携帯端末300の画面表示手段350に情報が変更された旨を画面表示する構成を備える。この構成とすることで、看護師が看護師用携帯端末300に表示された変更情報について視認により確認することができ、変更のあった情報に対して誤って二重登録をしてしまうことで誤ったデータを生成することを防ぐことができ、信頼性の高い医療業務システムを提供することができる。
【0072】
また、情報の二重登録を防ぐものとして、本実施例の医療業務システム1は、演算処理手段800は、ロックステータスが付与された患者情報または診療情報に対しての情報更新の要求を取得した時に、情報更新を要求された患者情報または診療情報に相当する、看護師携帯端末提供情報に含まれる患者情報または診療情報に更新済みステータスが付与されている場合に、該患者情報または該診療情報の情報更新を禁止状態にする構成を備える。
【0073】
また、本実施例の医療業務システムにおいて、一般DBに、看護師用携帯端末300の取り扱いを病院から認可された看護師の看護師IDと看護師用携帯端末IDとの二者関係が予め格納され、演算処理手段は、看護師用携帯端末300から看護師携帯端末提
供情報の要求があった場合に、予め格納された二者関係を参照し、看護師用携帯端末参照用DBを参照して、看護師携帯端末提供情報を、ネットワークを介して当該看護師用携帯端末300に提供する構成を備える。上記の二者関係は、例えば、
図21に示すようなテーブル990によって構成される。ユーザテーブル930の列を追加して看護師携帯用端末IDの項目を設けてこのテーブルを参照させるようにしてもよい。以上の構成によれば、医師や看護師が取り扱う診療情報取り扱いについて高い機密性や安全性を備えた医療業務システムを提供することができる。
【0074】
図22は、本実施例の医療業務システムにおける携帯端末の画面表示の別の例を説明する図である。本実施例の医療業務システムは、看護師用携帯端末300に表示される画面160または画面360は、
図22に示すような画面360を表示してもよい。この画面360は、演算処理制御手段800によって生成された
図6に示した看護師作業項目と
図11(b)に示した抽出された採血テーブルを表示している状態を示す。このようにすることで、看護師は、テーブルに示された情報を参照しながら、作業項目の作業を実施することができるので、作業効率が改善される。
【0075】
このように、本実施例の医療業務システムによれば、パーソナルコンピュータのような演算処理能力を有さない小型の携帯端末においても、一般DBを参照せずに携帯端末用提供情報が格納された専用DBを参照することで、看護師は、速やかに提供情報を参照して患者に対する作業を実施することができるため、医療業務の効率を改善することができる。