(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、配管を布設した後に当該配管内を流れる流体の流量を計測したい場合には、当該配管を切断または加工などにより当該配管内に超音波流量計を設置したりするようなことなく、超音波流量計を配管に外付けして当該流体の流量を計測したいとの要望がある。そして、当該流体が液体の場合には、超音波流量計を配管に外付けして、当該配管内を流れる液体の流量を計測することができる。
【0005】
しかしながら、上記従来の超音波流量計では、配管に外付けされた状態で、当該配管内を流れる気体の流量を計測することが困難であるという問題がある。
【0006】
つまり、配管(例えば金属)と液体(例えば水)とは音響インピーダンスの差はそれほど大きくないが、気体(例えば空気)は、当該配管や液体に比べて音響インピーダンスが非常に小さいため、超音波が伝わりにくい。具体的には、金属と水とでは音響インピーダンスは1桁程度の違いであるのに対し、金属と空気とでは音響インピーダンスは4桁もの違いがある。そして、音響インピーダンスの値が大きく異なる2つの物質間においては、物質間の界面で超音波が反射されてしまい、超音波が伝わりにくくなる。
【0007】
このため、上記特許文献1のように、配管内を流れる液体の流量を計測する場合には、超音波流量計を当該配管に外付けしても、当該配管に邪魔されることなく当該液体の流量を計測することができる。しかし、超音波流量計を配管に外付けして当該配管内を流れる気体を計測しようとしても、超音波流量計から発生された超音波は、ほとんどが配管の内面で反射されて配管内を伝播し、気体中には伝播していかない。このため、上記特許文献2のように、配管内を流れる気体の流量を計測する場合には、超音波流量計から発生された超音波が当該配管に邪魔されずに気体中を伝播するように、超音波流量計を当該配管内に取り付ける必要がある。
【0008】
このように、上記従来の超音波流量計では、配管に外付けされた状態で当該配管内を流れる気体を計測しようとしても、超音波が気体中には伝播していかないため、当該気体の流量を計測することが困難であるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、配管に外付けされた状態でも、当該配管内を流れる気体の流量を計測することができる気体用外付式超音波流量計及び気体流量計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る気体用外付式超音波流量計は、配管に外付けされ、超音波を用いて当該配管内を流れる気体の流量を計測する気体用外付式超音波流量計であって、前記配管の外方に配置され、電圧が印加されることで前記配管の内方に向けて当該電圧の大きさに応じた超音波を発生させる送信部と、前記配管の外方に配置され、前記送信部が発生させた超音波を受信する受信部と、前記送信部に正弦波の電圧を印加する印加部とを備える。
【0011】
これによれば、気体用外付式超音波流量計において、配管の外方に配置された送信部に正弦波の電圧を印加して配管の内方に向けて超音波を発生させ、配管の外方に配置された受信部で当該超音波を受信することで、配管内を流れる気体の流量を計測する。ここで、本願発明者らは、鋭意研究と実験の結果、正弦波の電圧を印加して発生させた超音波は、従来のパルス波の電圧を印加して発生させた超音波に比べ、配管内を流れる気体中を良く伝播することを見出した。このため、気体用外付式超音波流量計において、正弦波の電圧を印加して超音波を発生させることで、配管に外付けされた状態でも、当該配管内を流れる気体の流量を計測することができる。
【0012】
また、前記送信部は、半波長の整数倍が前記配管の肉厚と等しくなるような前記超音波を発生させることにしてもよい。
【0013】
ここで、本願発明者らは、鋭意研究と実験の結果、半波長の整数倍が配管の肉厚と等しくなるように波長を調整した超音波の方が、配管内を流れる気体中を良く伝播することを見出した。このため、気体用外付式超音波流量計において、半波長の整数倍が配管の肉厚と等しくなるような超音波を発生させることで、配管に外付けされた状態でも、当該配管内を流れる気体の流量を計測することができる。
【0014】
また、前記送信部は、前記気体が流れる方向から見て、前記配管の内面と垂直の方向に向けて、前記超音波を発生させることにしてもよい。
【0015】
ここで、本願発明者らは、鋭意研究と実験の結果、超音波が配管の内面と垂直に入力されることで、当該超音波が配管内を流れる気体中を良く伝播することを見出した。このため、気体用外付式超音波流量計において、気体が流れる方向から見て、配管の内面と垂直の方向に向けて超音波を発生させることで、配管に外付けされた状態でも、当該配管内を流れる気体の流量を計測することができる。
【0016】
また、前記受信部は、前記送信部が発生させた超音波のうち前記配管を伝播した超音波と、前記気体を伝播した超音波とを異なる時刻に受信することにしてもよい。
【0017】
これによれば、気体用外付式超音波流量計において、配管を伝播した超音波と気体を伝播した超音波とを異なる時刻に受信することで、配管を伝播した超音波ノイズを時間的に分離することができる。
【0018】
また、前記受信部は、前記配管を伝播した超音波を直接受信した後に、前記配管を介して前記気体を伝播した超音波を受信し、その後、前記配管を伝播して前記配管の不連続部で反射した超音波を受信可能な位置に配置されることにしてもよい。
【0019】
これによれば、気体用外付式超音波流量計において、配管を伝播した超音波を直接受信した後に、気体を伝播した超音波を受信し、その後、配管を伝播して配管の不連続部で反射した超音波を受信可能な位置に受信部を配置することで、配管を伝播または反射した超音波ノイズを時間的に分離することができる。
【0020】
また、さらに、前記受信部が受信した超音波の波形信号から、前記配管を流れる超音波ノイズを分離することにより、前記気体の流量を計測する制御部を備えることにしてもよい。
【0021】
これによれば、気体用外付式超音波流量計において、制御部を備えることにより、配管に外付けされた状態でも、配管を流れる超音波ノイズを分離して、当該配管内を流れる気体の流量を計測することができる。
【0022】
また、本発明の一態様に係る気体流量計測方法は、配管に外付けされ、超音波を用いて当該配管内を流れる気体の流量を計測する気体用外付式超音波流量計による気体流量計測方法であって、前記配管の外方に配置された送信部に、正弦波の電圧を印加して当該電圧の大きさに応じた超音波を発生させる超音波発生ステップと、前記配管の外方に配置された受信部で、前記送信部が発生させた超音波を受信する超音波受信ステップとを含む。
【0023】
これによれば、配管の外方に配置された送信部に、正弦波の電圧を印加して超音波を発生させ、配管の外方に配置された受信部で当該超音波を受信することで、配管内を流れる気体の流量を計測する。ここで、本願発明者らは、鋭意研究と実験の結果、正弦波の電圧を印加して発生させた超音波は、従来のパルス波の電圧を印加して発生させた超音波に比べ、配管内を流れる気体中を良く伝播することを見出した。このため、気体用外付式超音波流量計が配管に外付けされた状態でも、正弦波の電圧を印加して超音波を発生させることで、当該配管内を流れる気体の流量を計測することができる。
【0024】
また、前記超音波受信ステップでは、前記受信部で、前記送信部が発生させた超音波のうち、前記配管を伝播した超音波を直接受信した後に、前記配管を介して前記気体を伝播した超音波を受信し、その後、前記配管を伝播して前記配管の不連続部で反射した超音波を受信することにしてもよい。
【0025】
これによれば、配管を伝播した超音波を直接受信した後に、気体を伝播した超音波を受信し、その後、配管を伝播して配管の不連続部で反射した超音波を受信することで、配管を伝播または反射した超音波ノイズを時間的に分離することができる。
【0026】
また、さらに、前記超音波受信ステップで前記受信部が受信した超音波の波形信号から、前記配管を流れる超音波ノイズを分離することにより、前記気体の流量を計測する気体流量計測ステップを含むことにしてもよい。
【0027】
これによれば、気体用外付式超音波流量計が配管に外付けされた状態でも、配管を流れる超音波ノイズを分離して、当該配管内を流れる気体の流量を計測することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明における気体用外付式超音波流量計によれば、配管に外付けされた状態でも、当該配管内を流れる気体の流量を計測することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る気体用外付式超音波流量計について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0031】
(実施の形態)
まず、気体用外付式超音波流量計1の構成について、説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施の形態に係る気体用外付式超音波流量計1の機能構成を示すブロック図である。また、
図2は、本発明の実施の形態に係る第一探触子10及び第二探触子20が配管40に設置された状態を側方(同図のY軸方向マイナス側)から見た場合の構成を示す模式図である。また、
図3は、本発明の実施の形態に係る第一探触子10及び第二探触子20が配管40に設置された状態を正面(同図のX軸方向マイナス側)から見た場合の構成を示す模式図である。
【0033】
気体用外付式超音波流量計1は、配管に外付けされ、超音波を用いて当該配管内を流れる気体の流量を計測する超音波流量計である。つまり、気体用外付式超音波流量計1は、配管に孔を設けたり配管を切断または加工などにより配管の内方に配置されたりすることなく、当該配管内を流れる気体の流量を計測する配管外付式(配管非貫通式)の超音波流量計である。すなわち、気体用外付式超音波流量計1は、気体の流量を計測可能ないわゆるクランプオン式の超音波流量計である。
【0034】
なお、計測対象の気体は、空気、蒸気、天然ガス、高圧窒素などの各種気体を含む概念であり、液体及び固体以外のものであればどのような成分を含む気体であってもかまわない。
【0035】
まず、
図1に示すように、気体用外付式超音波流量計1は、第一探触子10と、第二探触子20と、制御装置30とを備えている。
【0036】
第一探触子10は、送信部11と受信部12とを有している。また、第二探触子20は、送信部21と受信部22とを有している。つまり、第一探触子10と第二探触子20とは、同様の構成を有している。
【0037】
また、
図2及び
図3に示すように、第一探触子10と第二探触子20とは、配管40の外方に配置される。つまり、送信部11及び受信部12と、送信部21及び受信部22とは、配管40の外方に配置される。なお、配管40は、X軸方向に延びる配管であるが、これらの図では、配管40の一部を図示し、その他の部分は省略して図示している。
【0038】
送信部11は、電圧が印加されることで、配管40の内方に向けて当該電圧の大きさに応じた超音波を発生させる。また、受信部22は、送信部11が発生させた超音波を受信する。
【0039】
また同様に、送信部21は、電圧が印加されることで、配管40の内方に向けて当該電圧の大きさに応じた超音波を発生させる。また、受信部12は、送信部21が発生させた超音波を受信する。
【0040】
さらに具体的には、
図2及び
図3に示すように、第一探触子10と第二探触子20とは、配管40の外方に、配管40を挟んで対向する位置に配置されるとともに、気体が流れる方向(
図2における気体の流れ方向G)において異なる位置に配置される。
【0041】
つまり、送信部11及び受信部12と、送信部21及び受信部22とは、配管40を挟んで対向する位置に配置されるとともに、気体が流れる方向において異なる位置に配置される。そして、送信部11及び送信部21は、気体が流れる方向に対して斜め方向に向けて、超音波(
図2及び
図3における超音波U1及びU2)を発生させる。そして、受信部22及び受信部12は、送信部11及び送信部21が発生させた超音波U1及びU2をそれぞれ受信する。
【0042】
ここで、第一探触子10の送信部11(または第二探触子20の送信部21)が超音波を発生し、第二探触子20の受信部22(または第一探触子10の受信部12)が超音波を受信するための具体的な構成について、説明する。
【0043】
図4は、本発明の実施の形態に係る第一探触子10及び第二探触子20の外観を模式的に示す斜視図である。また、
図5は、本発明の実施の形態に係る第一探触子10の内部構成を示す模式図である。また、
図6は、本発明の実施の形態に係る第一探触子10が第二探触子20に向けて超音波U1を発振する状態を示す図である。
【0044】
まず、
図4に示すように、第一探触子10及び第二探触子20は、配管40に対向する面13a及び23aが配管40の外面に沿った曲面形状を有する略矩形状の探触子である。つまり、第一探触子10及び第二探触子20は、同様の形状を有している。
【0045】
また、第一探触子10及び第二探触子20は、配管40に対向する面13a及び23aの面積が大きくなるように、配管40の周方向の幅が広い形状を有している。つまり、第一探触子10及び第二探触子20は、配管40の周方向の幅L1が、配管40の法線方向の幅L2よりも大きくなるように形成されている。これにより、第一探触子10及び第二探触子20から出力される超音波の強度を向上させることができる。
【0046】
ここで、
図5を用いて、第一探触子10が有する構成要素について、詳細に説明する。なお、同図では、第一探触子10の構成を示しているが、第二探触子20も第一探触子10と同様の構成を有しているため、第二探触子20の構成の図示及び説明は省略する。
【0047】
同図に示すように、第一探触子10は、上述の曲面形状の面13aが形成された整合層13と、配線14と、コネクタ15と、リード線16と、電極17と、圧電素子18と、吸音材19とを有している。また、配線14は、制御装置30に接続されている。
【0048】
この構成により、制御装置30によって、配線14、コネクタ15及びリード線16を介して、電極17に電圧が印加され、当該印加された電圧の大きさに依存して、圧電素子18が伸縮され、超音波が発生する。そして、発生した超音波は、整合層13を通って、外方へ発振される。なお、圧電素子18の整合層13と反対側は、吸音材19によって吸音される。
【0049】
以上のように、第一探触子10において、電圧が印加されることで超音波を発生させる機能が、送信部11に相当する。つまり、整合層13、配線14、コネクタ15、リード線16、電極17、圧電素子18及び吸音材19が有する超音波を発生させる機能が、送信部11を構成している。
【0050】
また、外方からの超音波が、整合層13を通って圧電素子18に伝えられた場合、圧電素子18が伸縮することで、電極17に電圧が発生する。そして、発生した電圧は、リード線16、コネクタ15及び配線14を介して、制御装置30に入力される。
【0051】
以上のように、第一探触子10において、外方からの超音波を受信して電圧に変換し出力する機能が、受信部12に相当する。つまり、整合層13、配線14、コネクタ15、リード線16、電極17、圧電素子18及び吸音材19が有する超音波を受信する機能が、受信部12を構成している。
【0052】
このように、整合層13、配線14、コネクタ15、リード線16、電極17、圧電素子18及び吸音材19によって、送信部11及び受信部12の双方の機能を実現することができている。言い換えれば、第一探触子10は、送信部11及び受信部12の双方の機能を有した送受信部を備えているとも言える。なお、第一探触子10は、送信部11の機能を有する構成と、受信部12の機能を有する構成とを、別個に備えていてもかまわない。
【0053】
また、整合層13は、配管40の外面42に沿った曲面形状の面13aを有し、
図6に示すように、配管40内の気体が流れる方向(X軸方向)から見て、配管40の内面41と垂直の方向に向けて、超音波U1を発生させるように形成されている。つまり、送信部11は、当該気体が流れる方向から見て、配管40の内面41と垂直の方向に向けて、超音波を発生させる。
【0054】
具体的には、整合層13は、当該気体が流れる方向から見て、配管40の内面41及び外面42と垂直の方向に向けて、超音波U1を発生させる。つまり、送信部11は、当該気体が流れる方向から見て、配管40の内面41及び外面42と垂直の方向に向けて、超音波を発生させる。
【0055】
これにより、第一探触子10から発振された超音波が配管40の中心部分で交わるようにして第二探触子20に向けて伝播されるため、第二探触子20に到達する超音波ビームが広がるのを抑制することができている。つまり、当該超音波ビームは、第一探触子10から発振されたときと同じ幅の広がりで、第二探触子20に到達する。このように、超音波ビームの拡散を防止し、フォーカス化を実現することができている。
【0056】
また、第一探触子10から発振されて気体を伝播した超音波は、当該気体が流れる方向(X軸方向)から見て、配管40の内面41及び外面42と垂直に配管40を通過して、第二探触子20に到達する。そして、第二探触子20の受信部22が当該超音波を受信する。
【0057】
なお、第一探触子10及び第二探触子20が有する各構成要素の材質等の詳細は、従来の探触子が有する各構成要素と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0058】
図1に戻り、制御装置30は、印加部31と、制御部32と、記憶部33とを有している。
【0059】
印加部31は、第一探触子10の送信部11及び第二探触子20の送信部21に、正弦波の電圧を印加する。具体的には、印加部31は、第一探触子10の送信部11または第二探触子20の送信部21から発振される超音波の半波長の整数倍が配管40の肉厚と等しくなるように、当該正弦波の電圧を印加する。この印加部31が印加する正弦波の電圧についての詳細な説明は、後述する。
【0060】
制御部32は、第一探触子10の受信部12及び第二探触子20の受信部22が受信した超音波の波形信号から、配管40を流れる超音波ノイズを分離することにより、配管40内を流れる気体の流量を計測する。具体的には、制御部32は、送信部11から受信部22に伝播された超音波U1の伝播時間と、送信部21から受信部12に伝播された超音波U2の伝播時間との差分から、当該気体の流量を計測する。なお、制御部32が超音波ノイズを分離することについての詳細な説明は、後述する。
【0061】
記憶部33は、気体用外付式超音波流量計1が配管40内を流れる気体の流量を計測するために必要なデータを記憶しているメモリである。例えば、記憶部33には、印加部31が印加する電圧の値や正弦波の周波数などが予め記憶されていたり、第一探触子10の受信部12及び第二探触子20の受信部22が受信した超音波の波形信号などが記憶されていったりする。
【0062】
次に、気体用外付式超音波流量計1が配管40内を流れる気体の流量を計測する方法(気体流量計測方法)について、説明する。
【0063】
図7は、本発明の実施の形態に係る気体用外付式超音波流量計1が気体の流量を計測する動作を示すフローチャートである。
【0064】
同図に示すように、まず、超音波発生ステップとして、印加部31が、第一探触子10の送信部11に、正弦波の電圧を印加して当該電圧の大きさに依存する超音波を発生させる(S102)。また同様に、印加部31は、第二探触子20の送信部21に、正弦波の電圧を印加して当該電圧の大きさに依存する超音波を発生させる。この印加部31が印加する正弦波の電圧について、以下に詳細に説明する。
【0065】
図8は、本発明の実施の形態に係る印加部31が印加する正弦波の電圧を示す図である。具体的には、同図は、制御装置30の印加部31が印加する正弦波の電圧の一例として、縦軸を印加電圧の値、横軸を経過時間としたグラフを示している。
【0066】
同図に示すように、印加部31は、例えば周波数800kHz程度の正弦波の電圧を、第一探触子10の送信部11または第二探触子20の送信部21に印加する。つまり、例えば第一探触子10であれば、印加部31は、当該正弦波の電圧を、電極17を介して圧電素子18に印加することで、超音波を発生させる。
【0067】
また、印加部31は、第一探触子10の送信部11または第二探触子20の送信部21から発振される超音波の半波長の整数倍が配管40の肉厚と等しくなるように、当該正弦波の電圧を印加する。
図9及び
図10を用いて、具体的に説明する。
【0068】
図9及び
図10は、本発明の実施の形態に係る印加部31による電圧印加によって発振される超音波の波長について説明する図である。具体的には、
図9は、第一探触子10が第二探触子20に向けて超音波U1を発振する図である。また、
図10は、第一探触子10と第二探触子20との間に配管40を模擬した2枚の鋼板を配置し、第一探触子10が発振する超音波の波長を固定して鋼板の肉厚を変化させた場合の第二探触子20が受信する信号を示したグラフである。
【0069】
さらに具体的には、
図10の(a)は、超音波の半波長が鋼板の肉厚よりも大きい場合のグラフであり、
図10の(b)は、超音波の半波長が鋼板の肉厚と同等の場合のグラフであり、
図10の(c)は、超音波の半波長が鋼板の肉厚よりも小さい場合のグラフである。
【0070】
まず、
図9に示すように、第一探触子10が超音波を発振した場合、第二探触子20に向けて超音波U1が発振されるが、一部の超音波U3は、配管40の内面41及び外面42で反射されて、配管40を伝播していく。しかしながら、第一探触子10から発振された超音波は、超音波U3のように配管40の内面41及び外面42で反射していくのではなく、超音波U1のように第二探触子20に向けて発振されるのが望ましい。
【0071】
ここで、
図10の(a)に示すように、超音波の半波長が鋼板の肉厚よりも大きい場合には、第一探触子10が発振した超音波は第二探触子20には伝播していかず、
図10の(c)に示すように、超音波の半波長が鋼板の肉厚よりも小さい場合には、第一探触子10が発振した超音波は鋼板内で反射して第二探触子20に伝播する結果となった。これに対し、
図10の(b)に示すように、超音波の半波長が鋼板の肉厚と同等の場合には、第二探触子20において、比較的きれいな波形信号を受信することができた。
【0072】
つまり、
図10の(b)のグラフでは、点線で囲まれた範囲内にきれいに波形信号が現れたのに対し、
図10の(a)のグラフでは、超音波が伝播しなかったために波形信号は現れず、
図10の(c)のグラフでは、超音波が反射して複数の波形信号が表れる結果となった。
【0073】
このため、第一探触子10から発振された超音波が、超音波U1のように第二探触子20に向けて発振されるには、当該超音波の半波長の整数倍が配管40の肉厚(
図9に示す配管40の肉厚D)と等しくなるのが好ましい。
【0074】
このように、印加部31は、第一探触子10の送信部11または第二探触子20の送信部21から発振される超音波の半波長の整数倍が配管40の肉厚と等しくなるように、正弦波の電圧を印加する。そして、送信部11及び送信部21は、半波長の整数倍が配管40の肉厚と等しくなるような超音波を発生させる。
【0075】
図7に戻り、次に、超音波受信ステップとして、第二探触子20の受信部22で、第一探触子10の送信部11が発生させた超音波を受信する(S104)。また同様に、第一探触子10の受信部12で、第二探触子20の送信部21が発生させた超音波を受信する。
【0076】
具体的には、超音波受信ステップでは、第二探触子20の受信部22で、第一探触子10の送信部11が発生させた超音波のうち配管40を伝播した超音波と、気体を伝播した超音波とを異なる時刻に受信する。また同様に、第一探触子10の受信部12で、第二探触子20の送信部21が発生させた超音波のうち配管40を伝播した超音波と、気体を伝播した超音波とを異なる時刻に受信する。
【0077】
さらに具体的には、超音波受信ステップでは、受信部22で、送信部11が発生させた超音波のうち、配管40を伝播した超音波を直接受信した後に、配管40を介して気体を伝播した超音波を受信し、その後、配管40を伝播して配管40の不連続部で反射した超音波を受信する。
図11及び
図12を用いて、具体的に説明する。
【0078】
なお、以下では、第一探触子10の送信部11が発生させた超音波を第二探触子20の受信部22が受信する場合について説明するが、第二探触子20の送信部21が発生させた超音波を第一探触子10の受信部12が受信する場合についても同様であるため、この場合の説明は省略する。
【0079】
図11は、本発明の実施の形態に係る第一探触子10の送信部11が発生させた超音波を第二探触子20の受信部22が受信することを示す図である。また、
図12は、本発明の実施の形態に係る第二探触子20の受信部22が、配管40を伝播した超音波と気体を伝播した超音波とを異なる時刻に受信することを示す図である。
【0080】
まず、
図11に示すように、受信部22は、送信部11が発生させた超音波のうち、気体を伝播した超音波U1と、配管40を伝播した超音波U3、U4とを異なるルートで受信する。ここで、超音波U3は、配管40を最短ルートで直接伝播してきた超音波であり、超音波U4は、配管40の不連続部(本実施の形態では、配管40の端部のフランジ43)に向けて気体の流れ方向Gに配管40を伝播して、当該不連続部(フランジ43)で反射してきた超音波である。
【0081】
なお、配管40の不連続部とは、配管40の連続性が失われて超音波が反射される箇所である。本実施の形態では、不連続部は、配管40の端部のフランジ43としているが、フランジ43には限定されず、溶接箇所、配管の分岐部分、または測定器の据付部分など、超音波が反射される箇所であればどのような箇所であってもかまわない。
【0082】
また、超音波は、配管40内を様々な方向に広がって伝播していくため、同図に示した超音波U4の経路は、ほんの一例であり、超音波U4は、あらゆる経路を辿って様々な不連続部で反射し、受信部22に到達する。
【0083】
ここで、気体を伝播する超音波U1に比べて、配管40を伝播する超音波U3の方が伝播速度が速い。特に、第一探触子10と第二探触子20とが気体の流れ方向Gにおいて異なる位置に配置されているため、超音波の伝播距離が長くなり、超音波U1と超音波U3との伝播時間に差が生じる。
【0084】
このため、
図12に示すように、受信部22は、配管40を伝播した超音波U3の方を、気体を伝播した超音波U1よりも早い時刻に受信する。その後、受信部22は、配管40を伝播して配管40の不連続部である端部のフランジ43で反射した超音波U4を受信する。
【0085】
このように、受信部22は、送信部11が発生させた超音波のうち配管40を伝播した超音波U3、U4と、気体を伝播した超音波U1とを異なる時刻に受信する。つまり、受信部22は、配管40を伝播した超音波U3を直接受信した後に、配管40を介して気体を伝播した超音波U1を受信し、その後、配管40を伝播して配管40の不連続部で反射した超音波U4を受信する。
【0086】
言い換えれば、受信部22は、配管40を伝播した超音波U3を直接受信した後に、配管40を介して気体を伝播した超音波U1を受信し、その後、配管40を伝播して配管40の不連続部で反射した超音波U4を受信可能な位置に配置されている。
【0087】
図7に戻り、次に、気体流量計測ステップとして、制御部32が、超音波受信ステップ(S104)で受信部12及び受信部22が受信した超音波の波形信号から、配管40を流れる超音波ノイズを分離することにより(S106)、気体の流量を計測する(S108)。
【0088】
具体的には、制御部32は、受信部22が受信した超音波については、
図12に示された超音波の波形信号から、配管40を伝播した超音波U3、U4の波形信号を分離することにより、気体を伝播した超音波U1を抽出する。また同様に、制御部32は、受信部12が受信した超音波についても、気体を伝播した超音波U2を抽出する。
【0089】
そして、制御部32は、送信部11から受信部22に伝播された超音波U1の伝播時間と、送信部21から受信部12に伝播された超音波U2の伝播時間との差分から、当該気体の流量を計測する。
【0090】
以上のように、本発明の実施の形態に係る気体用外付式超音波流量計1によれば、配管40の外方に配置された送信部に正弦波の電圧を印加して配管40の内方に向けて超音波を発生させ、配管40の外方に配置された受信部で当該超音波を受信することで、配管40内を流れる気体の流量を計測する。ここで、本願発明者らは、鋭意研究と実験の結果、正弦波の電圧を印加して発生させた超音波は、従来のパルス波の電圧を印加して発生させた超音波に比べ、配管40内を流れる気体中を良く伝播することを見出した。
【0091】
これは、従来のパルス波よりも正弦波の方が、共振を生じさせるためのエネルギーが大きく、配管40を振動させやすいため、正弦波の電圧を印加して発生させた超音波の方が、配管40内を流れる気体中を良く伝播するからであろうと考えられる。つまり、複数周期からなる所定の周波数の正弦波(バースト波)の電圧を、当該所定の周波数で共振する圧電素子に印加することで、大きな共振を生じさせることができる。
【0092】
このため、気体用外付式超音波流量計1において、正弦波の電圧を印加して超音波を発生させることで、配管40に外付けされた状態でも、当該配管40内を流れる気体の流量を計測することができる。
【0093】
また、本願発明者らは、鋭意研究と実験の結果、半波長の整数倍が配管40の肉厚と等しくなるように波長を調整した超音波の方が、配管40内を流れる気体中を良く伝播することを見出した。これは、超音波の半波長の整数倍が配管40の肉厚と等しくなるようにすることで、配管40の外方から入力された超音波が配管40の内面で反射されるのを抑制し配管40内の気体に到達することができるからであろうと考えられる。このため、気体用外付式超音波流量計1において、半波長の整数倍が配管40の肉厚と等しくなるような超音波を発生させることで、配管40に外付けされた状態でも、配管40内を流れる気体の流量を計測することができる。
【0094】
また、本願発明者らは、鋭意研究と実験の結果、超音波が配管40の内面と垂直に入力されることで、当該超音波が配管40内を流れる気体中を良く伝播することを見出した。これは、超音波が配管40の内面と垂直に入力されることで、配管40の外方から入力された超音波が配管40の内面で反射されるのを抑制し配管40内の気体に到達することができるからであろうと考えられる。このため、気体用外付式超音波流量計1において、気体が流れる方向から見て、配管40の内面と垂直の方向に向けて超音波を発生させることで、配管40に外付けされた状態でも、配管40内を流れる気体の流量を計測することができる。
【0095】
また、気体用外付式超音波流量計1において、気体が流れる方向に対して斜め方向に向けて超音波を発生させて、超音波が配管40または気体中を伝播する距離を長くすることで、配管40を伝播した超音波と気体を伝播した超音波とを分離しやすくすることができる。
【0096】
また、気体用外付式超音波流量計1において、配管40を伝播した超音波と気体を伝播した超音波とを異なる時刻に受信することで、配管40を伝播した超音波ノイズを時間的に分離することができる。
【0097】
また、気体用外付式超音波流量計1において、配管40を伝播した超音波を直接受信した後に、気体を伝播した超音波を受信し、その後、配管40を伝播して配管40の不連続部で反射した超音波を受信可能な位置に受信部を配置することで、配管40を伝播または反射した超音波ノイズを時間的に分離することができる。
【0098】
また、気体用外付式超音波流量計1において、制御部32を備えることにより、配管40に外付けされた状態でも、配管40を流れる超音波ノイズを分離して、配管40内を流れる気体の流量を計測することができる。
【0099】
また、本発明の実施の形態に係る気体流量計測方法によれば、配管40の外方に配置された送信部に、正弦波の電圧を印加して超音波を発生させ、配管40の外方に配置された受信部で当該超音波を受信することで、配管40内を流れる気体の流量を計測する。このため、気体用外付式超音波流量計1が配管40に外付けされた状態でも、正弦波の電圧を印加して超音波を発生させることで、配管40内を流れる気体の流量を計測することができる。
【0100】
また、当該気体流量計測方法によれば、配管40を伝播した超音波と気体を伝播した超音波とを異なる時刻に受信することで、配管40を伝播した超音波ノイズを時間的に分離することができる。具体的には、配管40を伝播した超音波U3を直接受信した後に、気体を伝播した超音波U1を受信し、その後、配管40を伝播して配管40の不連続部で反射した超音波U4を受信することで、配管40を伝播または反射した超音波ノイズを時間的に分離することができる。
【0101】
また、当該気体流量計測方法によれば、気体用外付式超音波流量計1が配管40に外付けされた状態でも、配管40を流れる超音波ノイズを分離して、当該配管40内を流れる気体の流量を計測することができる。
【0102】
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。
図13は、本発明の実施の形態の変形例1に係る第一探触子10、10a及び第二探触子20、20aが配管40に設置された状態を正面(同図のX軸方向マイナス側)から見た場合の構成を示す模式図である。
【0103】
同図に示すように、本変形例における気体用外付式超音波流量計は、上記実施の形態における気体用外付式超音波流量計1が備える第一探触子10及び第二探触子20に加え、第一探触子10a及び第二探触子20aを備えている。
【0104】
第一探触子10a及び第二探触子20aは、配管40の外方に、配管40を挟んで対向する位置に配置されるとともに、気体の流れ方向Gにおいて異なる位置に配置される。そして、第一探触子10a及び第二探触子20aは、配管40内を気体が流れる方向(X軸方向)から見て、第一探触子10及び第二探触子20の間に、配管40を挟むように対向して配置されている。
【0105】
つまり、第一探触子10a及び第二探触子20aは、第一探触子10及び第二探触子20を、配管40の周りに90度回転した位置に配置されている。このため、第一探触子10、第一探触子10a、第二探触子20及び第二探触子20aは、当該気体が流れる方向から見て、等間隔に並ぶように配置されている。
【0106】
なお、第一探触子10a及び第二探触子20aは、上記実施の形態における第一探触子10及び第二探触子20と同様の構成を有するため、詳細な説明は省略する。
【0107】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例1に係る気体用外付式超音波流量計によれば、第一探触子10及び第二探触子20に加えて第一探触子10a及び第二探触子20aも備えているため、配管40内を流れる気体の流量を精度良く計測することができる。
【0108】
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。
図14は、本発明の実施の形態の変形例2に係る第一探触子10b及び第二探触子20bが配管40に設置された状態を側方(同図のY軸方向マイナス側)から見た場合の構成を示す模式図である。
【0109】
同図に示すように、本変形例における気体用外付式超音波流量計は、上記実施の形態における気体用外付式超音波流量計1が備える第一探触子10及び第二探触子20に代えて、第一探触子10b及び第二探触子20bを備えている。
【0110】
第一探触子10b及び第二探触子20bは、配管40の外方に、配管40の同じ側(同図ではZ軸方向プラス側)に配置されるとともに、気体の流れ方向Gにおいて異なる位置に配置される。つまり、第一探触子10b及び第二探触子20bは、配管40内の気体の流れ方向G(X軸方向)から見て、同じ位置になるように配置されている。なお、第一探触子10b及び第二探触子20bは、上記実施の形態における第一探触子10及び第二探触子20と同様の構成を有するため、詳細な説明は省略する。
【0111】
このような構成により、第一探触子10bから発振された超音波U1aは、配管40の内面(Z軸方向マイナス側の内面)で反射され、超音波U1bとなって、第二探触子20bに受信される。また同様に、第二探触子20bから発振された超音波U2aは、配管40の内面(Z軸方向マイナス側の内面)で反射され、超音波U2bとなって、第一探触子10bに受信される。つまり、送信部から発振された超音波は、V字形状に反射して受信部で受信される。
【0112】
なお、第一探触子10bから発振された超音波は、配管40の内面で3回反射されて第二探触子20bに受信され、同様に、第二探触子20bから発振された超音波は、配管40の内面で3回反射されて第一探触子10bに受信されることにしてもよい。つまり、送信部から発振された超音波は、W字形状に反射して受信部で受信されることにしてもよい。
【0113】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例2に係る気体用外付式超音波流量計によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0114】
(変形例3)
次に、上記実施の形態の変形例3について、説明する。
図15は、本発明の実施の形態の変形例3に係る第一探触子10c、10d及び第二探触子20cが配管40に設置された状態を側方(同図のY軸方向マイナス側)から見た場合の構成を示す模式図である。
【0115】
同図に示すように、本変形例における気体用外付式超音波流量計は、上記実施の形態における気体用外付式超音波流量計1が備える第一探触子10及び第二探触子20に代えて、第一探触子10c、10d及び第二探触子20cを備えている。
【0116】
第一探触子10c及び10dと第二探触子20cとは、配管40の外方に、配管40を挟んで対向する位置に配置されるとともに、気体の流れ方向Gにおいて異なる位置に配置される。また、第一探触子10c及び10dは、配管40の同じ側(同図ではZ軸方向プラス側)に配置されるとともに、気体の流れ方向Gにおいて異なる位置に配置される。
【0117】
また、第一探触子10c及び10dは、上記実施の形態における第一探触子10が有する送信部11の機能は有しているが、受信部12の機能は有していない。また、第二探触子20cは、上記実施の形態における第二探触子20が有する受信部22の機能は有しているが、送信部21の機能は有していない。
【0118】
このような構成により、第一探触子10cから発振された超音波U1c、及び第一探触子10dから発振された超音波U2cは、第二探触子20cに受信される。これにより、制御部32は、第一探触子10cから第二探触子20cに伝播された超音波U1cの伝播時間と、第一探触子10dから第二探触子20cに伝播された超音波U2cの伝播時間との差分から、当該気体の流量を計測することができる。
【0119】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例3に係る気体用外付式超音波流量計によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0120】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る気体用外付式超音波流量計について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0121】
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、送信部は、半波長の整数倍が配管40の肉厚と等しくなるような超音波を発生させることとした。しかし、送信部が発生させる超音波の波長は、上記には限定されず、多少のずれは許容される。つまり、半波長の整数倍が配管40の肉厚と等しくなるような超音波を送信部が発生させる制御が行われていればよいのであって、実際に送信部が発生させた超音波の半波長の整数倍と、配管40の肉厚とが全く等しくなる必要はなく、±15%程度の範囲内でのずれは許容される。
【0122】
また、上記実施の形態及びその変形例では、送信部は、気体が流れる方向から見て、配管40の内面と垂直の方向に向けて、超音波を発生させることとした。しかし、送信部が超音波を発生させる方向は、上記には限定されず、多少のずれは許容される。
【0123】
また、上記実施の形態及びその変形例では、受信部は、配管40を伝播して配管40の不連続部で反射した超音波を受信することとした。しかし、配管40が非常に長いなどの理由により、受信部は、配管40の不連続部で反射した超音波を受信しなくてもかまわない。
【0124】
また、上記実施の形態及びその変形例では、気体用外付式超音波流量計は、印加部31と制御部32と記憶部33とを有する制御装置30を備えていることとした。しかし、制御装置30は、少なくとも印加部31を有していればよい。つまり、制御装置30は、制御部32または/及び記憶部33を有しておらず、制御部32または/及び記憶部33は、外部機器に備えられていることにしてもよい。
【0125】
また、上記実施の形態及び上記変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上記変形例1を上記変形例2または3に適用したり、上記変形例2及び3を組み合わせたりする構成も、本発明の範囲内に含まれる。