(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、配線製造工程中に静電気による不良が発生しない薄膜トランジスタ表示板及び/又はその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的を達成するために本発明の実施形態による薄膜トランジスタ表示板は、ゲート線と、前記ゲート線と絶縁交差するデータ線と、前記ゲート線と前記データ線が交差して画像を表示する表示領域の外側に位置し、前記表示領域の外側まで延長されている前記データ線と重なる、分離されたショーティングバー含み、前記分離されたショーティングバーは半導体物質を含む。
【0006】
前記ショーティングバーは横方向に長く形成されてもよい。
【0007】
隣接する前記データ線の間に位置する島状のショーティングバーをさらに含んでもよい。
【0008】
前記ショーティングバーはシール部材と重なってもよい。
【0009】
前記ショーティングバーと前記表示領域との間にはOSパッド部を配置してもよい。
【0010】
前記データ線及び前記分離されたショーティングバーを覆い、コンタクトホールを含む保護膜をさらに含み、前記コンタクトホールの内側面は前記ショーティングバーの切断面と一致してもよい。
【0011】
前記表示領域には共通電極と画素電極が形成されてもよい。
【0012】
前記保護膜は、第1保護膜と第2保護膜を含み、前記共通電極は前記第1保護膜と前記第2保護膜との間に位置し、前記画素電極は前記第2保護膜の上に形成されており、前記コンタクトホールは前記第1保護膜と前記第2保護膜を通じて形成されてもよい。
【0013】
前記ショーティングバーを構成する前記半導体物質は、非晶質シリコンまたはIGZOのような酸化物半導体であってもよい。
【0014】
本発明の実施形態による薄膜トランジスタ表示板の製造方法は、絶縁基板の上にゲート線を形成する段階と、前記ゲート線を覆うゲート絶縁膜を形成する段階と、前記ゲート絶縁膜の上に半導体物質、データ線用物質、及びフォトレジストを順次に蒸着する段階と、前記フォトレジストを露光し現像して、フォトレジストが除去された領域、高さの異なる第1領域と第2領域を形成する段階と、前記フォトレジストパターンをマスクとしてエッチングして、データ線、ドレイン電極、半導体層、及びショーティングバーを形成する段階と、前記ショーティングバーをエッチングして切断されたショーティングバーを形成する段階と、を含む。
【0015】
前記データ線及びショーティングバーを覆う保護層を形成する段階をさらに含んでもよい。
【0016】
前記ショーティングバーをエッチングして切断されたショーティングバーを形成する段階は、前記保護層に前記ドレイン電極を露出させるコンタクトホールを形成するとき、前記ショーティングバーも分離させる段階を含んでもよい。
【0017】
前記ショーティングバー分離させる段階は、前記ショーティングバーの上に位置する第1保護膜及び第2保護膜上のコンタクトホールを形成しながら露出する前記ショーティングバーをエッチングしてもよい。
【0018】
前記ショーティングバーを分離させるとき、前記データ線の間に位置する島状のショーティングバーを形成してもよい。
【0019】
前記データ線、ドレイン電極、半導体層、及びショーティングバーを形成する段階後に、前記データ線、ドレイン電極、半導体層、及びショーティングバーを覆う第1保護膜を形成する段階と、前記第1絶縁膜の上に共通電極を形成する段階と、前記共通電極と前記第1絶縁膜を覆う第2保護膜を形成する段階と、をさらに含んでもよい。
【0020】
前記ショーティングバーをエッチングして切断されたショーティングバーを形成する段階は、前記第1保護膜及び第2保護膜に前記ドレイン電極を露出させるコンタクトホールを形成するとき、前記ショーティングバーも分離させる段階を含んでもよい。
【0021】
前記ショーティングバー分離させる段階は、前記ショーティングバーの上に位置する第1保護膜及び第2保護膜上のコンタクトホールを形成しながら露出する前記ショーティングバーをエッチングしてもよい。
【0022】
前記ショーティング分離させるとき、前記データ線の間に位置する島状のショーティングバーを形成してもよい。
【0023】
前記第1保護膜及び第2保護膜に前記ショーティングバー露出させるコンタクトホールを形成する段階と、前記第2保護膜の上に画素電極を形成する段階と、をさらに含み、前記ショーティングバーをエッチングして切断されたショーティングバーを形成する段階は、前記画素電極をエッチングするとき、前記コンタクトホールによって露出するショーティングバーを共にエッチングしてもよい。
【0024】
前記画素電極はウェットエッチングによってエッチングし、前記ショーティングバーは酸化物半導体で形成されてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、配線製造工程中に静電気による不良が発生しない薄膜トランジスタ表示板及び/又はその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0028】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるというとき、これは他の部分の「すぐ上」にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の「すぐ上」にあるというときには、中間に他の部分がないことを意味する。
【0029】
本発明の実施形態による薄膜トランジスタ表示板について、
図1を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態による薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【0031】
本発明の実施形態による薄膜トランジスタ表示板100は、画素PXを含む表示領域300、及び表示領域300を取り囲んでいる周辺領域を有する。薄膜トランジスタ表示板100の上側には上部表示板(図示せず)を配置して、表示パネルを形成してもよい。表示パネルは多様な方式の表示パネルであってもよく、液晶表示パネル、有機発光表示パネル、プラズマ表示パネル、電気泳動表示パネルまたは電気湿潤表示パネルのいずれか一つであってもよい。
【0032】
薄膜トランジスタ表示板100には、横方向に延長されているゲート線121が形成されている。ゲート線121の一端部にはゲートパッド129が形成されている。ゲートパッド129はシール(seal)部材380の外側に露出していてもよい。
【0033】
一方、薄膜トランジスタ表示板100には、縦方向に延長されているデータ線171も形成されている。データ線171はゲート線121と絶縁交差する。データ線171とゲート線121は、一つの画素PXと電気的に接続していてもよい。実施形態によっては、ゲート線121とデータ線171が交差して形成する区画によって画素が定義されてもよい。データ線171の一端部にはデータパッド179が形成されている。データパッド179は、シール(seal)部材380の外側に露出していてもよい。
【0034】
データ線171の他側には切断されたショーティングバー159が位置している。つまり、各データ線171の第1端はデータパッド179に接続されており、第2端はショーティングバー159に接続されている。切断されたショーティングバー159は、
図1中の横方向、つまりゲート線121が延在する方向に延長されており、データ線171と重畳しながら交差しており、データ線171とショーティングバー159とは互いに絶縁していない。切断されたショーティングバー159は半導体物質で形成されている。実施形態によっては、切断されたショーティングバー159がデータ線171に対して垂直方向(横方向、つまりゲート線121が延在する方向)に露出していなくてもよい。
【0035】
データ線171と切断されたショーティングバー159は保護膜によって覆われている。保護膜には下部の膜を露出させるコンタクトホールが形成され、切断されたショーティングバー159の切断部分はコンタクトホールと一致するか、またはコンタクトホールによって切断されていてもよい。
【0036】
シール部材380は、表示領域300の周辺を取り囲んでおり、切断されたショーティングバー159と重なっている。シール部材380を切断されたショーティングバー159と重なるようにすれば、薄膜トランジスタ表示板100で周辺領域を減らす長所がある。
【0037】
以下、切断されたショーティングバー159の構造について、
図2及び
図3を参照して詳細に説明する。
【0038】
図2は、本発明の実施形態による薄膜トランジスタ表示板におけるショーティングバー部分の拡大配置図であり、
図3は、
図2のII−II線に沿った断面図である。
【0039】
図2は、
図1のA領域を拡大して示す図面である。
【0040】
図2に示す通り、データ線171の下側の一端には切断されたショーティングバー159が
図2中の横方向、つまりゲート線121が延在する方向に長く形成されている。切断されたショーティングバー159の長さ方向は、データ線171の延長方向に対して概ね垂直であってもよい。しかし、実施形態によっては、データ線171の延長方向に対して垂直でなくてもよい。切断されたショーティングバー159は、データ線171の下部と接触している半導体からなり、データ線171の延長方向である縦方向に対して概ね垂直方向に形成されている。データ線171とショーティングバー159との間にはオーミックコンタクト層がさらに形成されてもよい。ショーティングバー159は半導体物質からなるが、半導体物質の例としては非晶質シリコンやIGZOのような酸化物半導体が挙げられる。その結果、ショーティングバー159が切断される前には、データ線171に静電気のような高い電圧が発生すると、半導体物質からなるショーティングバー159を通じて他のデータ線171にも伝達されて、静電気が分散される。
【0041】
切断されたショーティングバー159は、横方向に配列されているコンタクトホール189によって切断されている。つまり、平面図上のコンタクトホール189の境界面と切断されたショーティングバー159の一端とが互いに一致してもよい。
【0042】
データ線171には、切断されたショーティングバー159の内側にOSパッド178が形成されている。OSパッド178は、データ線171の製造工程以後に当該パッドに電圧を印加して、隣接したデータ線171と短絡があるか、または断線があるかを確認(OSテスト−open/short test)するためのパッドである。OSパッド178を通じてOSテストを行うときには、ショーティングバー159が断線して、切断されたショーティングバー159の状態である必要がある。
【0043】
図3の断面図を参照すれば、絶縁基板110の上にゲート絶縁膜140が位置し、ゲート絶縁膜140の上に切断されたショーティングバー159が位置し、切断されたショーティングバー159の上にデータ線171が位置している。データ線171とショーティングバー159は保護膜180によって覆われており、保護膜180にはコンタクトホール189が形成されている。コンタクトホール189はショーティングバー159の切断面が露出するように位置している。
【0044】
このような構造の切断されたショーティングバー159の製造方法について、
図4乃至
図6を参照して説明する。
【0045】
図4乃至
図6は、
図2の実施形態による薄膜トランジスタ表示板の製造方法を順に示す断面図である。
【0046】
絶縁基板110の上にゲート線(図示せず)を形成した後、ゲート絶縁膜140で覆う。
【0047】
その後、ゲート絶縁膜140の上に順次に半導体物質159'とデータ線用物質171'を積層する。ここで、データ線171を単一層に形成する場合には、データ線用物質171'は一つの層で構成されるが、複数の層に形成される場合には、データ線用物質171'が一つ以上の層で構成されてもよい。
【0048】
その後、データ線用物質171'の上にフォトレジストを形成した後、マスク(図示せず)を用いて露光してフォトレジストパターン280−1、280−1'を形成する。ここで、フォトレジストパターン280−1、280−1'は、フォトレジストが除去された領域(図示せず)も存在する。また、フォトレジストが形成された領域は、
図4に示したように、互いに異なる高さを有する二つの領域280−1、280−1'を含む。第1領域280−1'は、高さが低い領域であり、第2領域280−1は、高さが高い領域であり、第1領域280−1'を形成するマスクの領域はスリットパターンや半透過パターンを含んでもよい。
【0049】
その後、
図5に示したようにエッチング工程を行う。フォトレジストが形成されない領域は、データ線用物質171'と半導体物質159'が全てエッチングされて、ゲート絶縁膜140が露出する。第1領域280−1'のようにフォトレジストが薄く形成された領域は、データ線用物質171'はエッチングされるが、半導体物質159'はエッチングされない。そして第2領域280−1のようにフォトレジストが厚く形成された領域は、データ線用物質171'さえエッチングされず、エッチング後にもフォトレジスト280−1が残っていることがある。以上のようなエッチング工程によってデータ線171のパターンは完成され、半導体物質159'もエッチングされてショーティングバー159に完成される。このような工程によれば、データ線171の下には半導体物質159'が常に位置している。データ線171が位置しない領域に形成される半導体物質159'はショーティングバー159を構成するか、または薄膜トランジスタのチャネルを形成してもよい。
【0050】
その後、
図6に示したように、フォトレジスト280−1を除去し、保護膜180を積層してデータ線171を覆う。
【0051】
その後、
図3に示したように、保護膜180にコンタクトホール189を形成する。コンタクトホール189を形成するために、保護膜180をエッチングすると同時に、ショーティングバー159をエッチングして切断されたショーティングバー159を完成する。切断されたショーティングバー159は、コンタクトホール189をエッチングするときに切断されるので、コンタクトホール189の内側面とショーティングバー159の切断面が互いに概ね一致してもよい。
【0052】
以下、
図7及び
図8を参照して、本発明の他の実施形態による切断されたショーティングバー159の構造について説明する。
【0053】
図7及び
図8は、本発明の他の実施形態による断面図である。
【0054】
先ず、
図7に示している切断されたショーティングバー159は、データ線171の側面とショーティングバー159の切断面が互いに概ね一致する構造を有する。これはデータ線171を覆う保護膜180のコンタクトホール189をデータ線171の幅に合わせて切断した場合であるか、または別途のエッチング工程によってショーティングバー159をデータ線171の幅に合わせて切断した場合である。実施形態によっては、ショーティングバー159を切断するエッチング工程において、アンダーカットによってショーティングバー159がデータ線171の境界よりさらに内側に位置することもある。
【0055】
一方、
図8では、隣接するデータ線171の間にショーティングバー159を二つ以上に切断する構造を示している。つまり、データ線171の間に保護膜180のコンタクトホール189を二つ以上形成してコンタクトホールを形成すれば、
図8に示したように、切断されたショーティングバー159の間にはデータ線171と重ならない島状のショーティングバー159−1が形成される。
図8の実施形態では、コンタクトホール189を三つ形成してエッチングした場合の切断されたショーティングバー159の構造が示されている。それだけでなく、実施形態によっては、ショーティングバー159を切断するために別途のエッチング工程でエッチングすることもできる。
【0056】
以下、本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法について説明する。以下の構造では液晶表示装置を中心に説明し、液晶表示装置のうちの薄膜トランジスタ表示板に画素電極と共通電極の両方が形成されている構造を中心に説明する。
【0057】
先ず、
図9及び
図10を参照して、薄膜トランジスタ表示板における切断されたショーティングバー159部分を中心に説明する。
【0058】
図9は、本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ表示板のうちの一部領域の拡大配置図であり、
図10は、
図9のX−X線に沿った断面図である。
【0059】
図9では、データ線171にデータ電圧を印加するデータパッドに対して反対側他端を示している。データ線171の他端には、表示領域からリペア配線が形成されているリペア部177、リペア部177の外側に位置するOSパッド部178、及びOSパッド部178の外側に位置する切断されたショーティングバー159が形成されている。
【0060】
リペア部177は、データ線171と直接接続していなくてもよく、リペアが必要なときに限ってデータ線171と接続する構造を含む。一方、実施形態によっては、リペア部177の位置にリペア部の代わりに静電気防止部を含んでもよい。静電気防止部は薄膜トランジスタを含み、静電気を外部に放出させる構造を含む。
【0061】
OSパッド部178は、それぞれのデータ線171に接続されている複数のOSパッドを含み、データ線171と直接接続されている。データ線171の幅が拡張されてOSパッドに形成されてもよい。OSパッド部178は、データ線171のパターンが完了した後に電圧を印加して、データ線171が隣接するデータ線と短絡するか、またはデータ線171が断線したことを把握できるようにするためのパッドである。
【0062】
OSパッド部178の外側であり、シール部材380と重なる領域には、データ線171の延長方向に対して概ね垂直な横方向に配列されている断線したショーティングバー159が位置している。
【0063】
断線したショーティングバー159は、データ線171とは異なる物質の半導体物質で形成されている。ショーティングバー159は、データ線171と接触して、データ線171に静電気が発生する場合、隣接するデータ線171に静電気を伝達する役割を果たす。データ線171が完成される前まではショーティングバー159が断線しておらず、発生する静電気を除去するが、データ線171が完成された後にはショーティングバー159を断線させる。ショーティングバー159が断線した後には、OSパッド部を通じてOSテストが可能であり、各データ線171に互いに異なるデータ電圧を伝達することもできる。
【0064】
断線したショーティングバー159は、データ線171を覆う保護膜180、185に形成されるコンタクトホール189が形成されるために、エッチングされるときにエッチングされて断線する。
【0065】
また、断線したショーティングバー159はシール部材380と重なって、表示領域の外側周辺領域の幅を減らすことができる。
【0066】
図10を参照すれば、絶縁基板110の上にゲート絶縁膜140が位置し、ゲート絶縁膜140の上に切断されたショーティングバー159が位置し、切断されたショーティングバー159の上にデータ線171が位置している。データ線171とショーティングバー159は保護膜180、185によって覆われており、保護膜180、185にはコンタクトホール189が形成されている。コンタクトホール189はショーティングバー159の切断面が露出するように位置している。シール部材380によってコンタクトホール189は満たされている。
【0067】
このような構造の切断されたショーティングバー159の製造方法について、
図10乃至
図18を参照して説明する。このとき、ショーティングバー159の製造及び切断工程以外に、液晶表示パネルにおいて薄膜トランジスタ、画素電極、及び共通電極が形成される工程も共に説明する。
【0068】
図11乃至
図18は、
図10の実施形態による薄膜トランジスタ表示板の製造方法を順に示す図面で、表示領域と周辺領域を同時に示している。
【0069】
図11乃至
図18において、断面図の左側は表示領域内の画素を示し、右側は周辺領域でショーティングバーの形成領域を示している。
【0070】
先ず、
図11に示したように、表示領域では絶縁基板110の上にゲート線用金属を積層し、これをエッチングして、ゲート電極124を含むゲート線を形成する。その後、ゲート電極124を含むゲート線を覆うゲート絶縁膜140を形成する。
【0071】
このとき、周辺領域のうちのショーティングバーの形成領域においては、ゲート用金属が積層されてから全て除去した後、絶縁基板110の上にゲート絶縁膜140を形成する。
【0072】
その後、
図12に示したように、ゲート絶縁膜140の上に順次に半導体物質159'とデータ線用物質171'を積層する。ここで、データ線171を単一層に形成する場合には、データ線用物質171'は一つの層で構成されるが、複数の層に形成される場合には、データ線用物質171'が一つ以上の層で構成される。このとき、表示領域とショーティングバーの形成領域には差がない。半導体物質159'としては非晶質シリコンやIGZOのような酸化物半導体が挙げられる。データ線用物質171'と半導体物質159'との間にはオーミックコンタクト層用物質がさらに含まれていてもよい。オーミックコンタクト層用物質が形成される場合に、オーミックコンタクト層用物質はデータ線用物質171'と同一のパターンにエッチングされてもよい。
【0073】
その後、
図13に示したように、データ線用物質171'の上にフォトレジストを形成した後、マスク(図示せず)を用いて露光してフォトレジストパターン280−1、280−1'を形成する。ここで、フォトレジストパターン280−1、280−1'は、フォトレジストが除去された領域、薄い厚さに形成された第1領域280−1'、及び厚い厚さに形成された第2領域280−1を含む。ここで、フォトレジストが除去された領域は、データ線用物質171'と半導体物質159'が全て除去される位置であり、薄い厚さを有する第1領域280−1'は、データ線用物質171'は除去されるが、半導体物質159'は残す位置であり、厚い厚さを有する第2領域280−1は、データ線用物質171'も残す位置に対応する。表示領域において、データ線用物質171'を残す位置はデータ線171、データパッド、ソース電極173、及びドレイン電極175を含み、ショーティングバーの形成領域において、データ線用物質171'を残す位置は、延長されているデータ線171の位置である。データ線用物質171'が残った位置の下には半導体物質159'が残っている。
【0074】
一方、表示領域において、データ線用物質171'は除去されるが、半導体物質159'を残す位置は、薄膜トランジスタのチャネル領域(ソース電極とドレイン電極との間)があり、ショーティングバーの形成領域において、データ線用物質171'は除去されるが、半導体物質159'を残す位置は、ショーティングバー159が形成される位置に対応する。
【0075】
その後、
図14に示したように、フォトレジストパターン280−1、280−1'をマスクにしてエッチングし、フォトレジストパターンのうちの第1領域280−1'が除去されるまでエッチングする。このとき、フォトレジストパターンが形成されない領域のデータ線用物質171'または半導体物質159'はエッチングされる。
【0076】
その後、
図15に示したように、
図14の段階で追加的にエッチングを行って、フォトレジストパターンが形成されない領域には半導体物質159'も除去され、フォトレジストパターンのうちの第1領域280−1'に位置するデータ線用物質171'が除去される。そして、フォトレジストパターンのうちの第2領域280−1に位置するデータ線用物質171'はエッチングされない。フォトレジストパターンが形成されない領域にはゲート絶縁膜140が一部エッチングされてもよい。
【0077】
図15までエッチングが進められると、表示領域ではデータ線171、データパッド、ソース電極173、及びドレイン電極175が完成される。データ線171、データパッド、ソース電極173、及びドレイン電極175の下には半導体物質が残っており、ソース電極173とドレイン電極175との間には露出した半導体層154が位置し、露出した半導体層154は薄膜トランジスタのチャネルを形成する。
【0078】
一方、ショーティングバーの形成領域においては、データ線171が延長されている構造と、データ線171の延長方向に対して概ね垂直方向である横方向に延長されているショーティングバー159が完成される。ショーティングバー159は複数のデータ線171を接続する。ショーティングバー159は半導体物質からなって、静電気のような高い電圧が印加される場合、ショーティングバー159通じて隣接するデータ線171に静電気を分散するので、静電気が特定データ線171に残っていない。一般に、エッチング工程は、金属からなるデータ線171は電子を失ってイオン化する酸化反応であるが、データ線171が負の静電気を帯びる場合には、酸化反応が低下してエッチング比率が低下する。その結果、データ線171の配線幅が厚くなることがあり、その結果、周辺データ線171との短絡、及び配線幅が広くなることにより、他のデータ線との抵抗差による表示欠陥が発生しうる。しかし、本発明では、ショーティングバー159が、データ線171がエッチングされる間においてもデータ線171どうしを接続し続けているので、もしデータ線171のエッチング工程の前やエッチング工程中に静電気が発生すると、データ線171からショーティングバー159に静電気を分散して、データ線171が負の静電気を帯びないようになる。その結果、データ線171の配線幅を一定に形成することができ、これによって表示品質も向上する。
【0079】
その後、
図16に示したように、第1保護膜180を積層する。その後、表示領域には第1保護膜180の上に板状の共通電極270を形成する。板状の共通電極270は透明な導電物質で形成される。一方、ショーティングバーの形成領域においては、第1保護膜180の上に透明な導電物質が形成された後、透明物質が共通電極270にエッチングされるときに全て除去される。
【0080】
その後、
図17に示したように、第1保護膜180と共通電極270を覆う第2保護膜185を形成する。その後、第2保護膜185と第1保護膜180を除去してコンタクトホール186、189を形成する。表示領域においては、ドレイン電極175の一部を露出させる第1コンタクトホール186を形成するために、保護膜180、185をエッチングする。一方、ショーティングバーの形成領域においては、保護膜180、185に第2コンタクトホール189を形成しながら、露出するショーティングバー159も共にエッチングする。その結果、切断されたショーティングバー159が完成される。切断されたショーティングバー159は、第2コンタクトホール189をエッチングするときに切断されるので、第2コンタクトホール189の内側面とショーティングバー159の切断面とが互いに概ね一致してもよい。
【0081】
その後、
図18に示したように、表示領域においては、第2保護膜185の上に画素電極191、及び画素電極191とドレイン電極とを接続する部分191−1を形成する。画素電極191は透明な導電物質で形成されてもよい。一方、ショーティングバーの形成領域においては、画素電極用物質が積層されてから、画素電極191がエッチングされるときに除去される。
【0082】
図18では、ショーティングバーの形成領域の上にシール部材380が形成されて、上部表示板(図示せず)と結合された構造の一部を示しており、表示領域には液晶分子310を含む液晶層が形成されていることも示している。
【0083】
上部表示板は、カラーフィルターや遮光部材を含んでもよい。
【0084】
以上の実施形態では、切断されたショーティングバー159の形成は、
図17に示したように、保護膜180、185にコンタクトホール189を形成するときエッチングすることと記述した。しかし、切断されたショーティングバー159を形成する段階は、それ以外の段階でも可能である。例えば、IGZOのような酸化物半導体で形成されたショーティングバー159に対してコンタクトホール189を形成するときに切断せず、画素電極191をウェットエッチングするときにエッチングしてもよい。これは、コンタクトホール189によって露出したショーティングバー159が、画素電極191用エッチング液でエッチングされるためである。ウェットエッチングでショーティングバー159を切断する場合には、アンダーカットによってコンタクトホール189の境界よりさらに内側に切断面が位置してもよい。
【0085】
以下、
図19を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。
【0086】
図19は、本発明の他の実施形態による断面図である。
【0087】
図19の実施形態は、
図10の実施形態とは異なり、隣接するデータ線171の間にショーティングバー159を二つ以上に切断する構造を示している。つまり、データ線171の間に保護膜180、185の第2コンタクトホール189を二つ以上形成してコンタクトホールを形成し、切断されたショーティングバー159の間にデータ線171と重ならない島状のショーティングバー159−1を含むように形成する。
図19の実施形態では、第2コンタクトホール189を三つ形成してエッチングした場合の切断されたショーティングバー159の構造が示されている。それだけでなく、実施形態によっては、ショーティングバー159を切断するために別途のエッチング工程でエッチングしてもよい。
【0088】
以上のように、周辺領域に配線と接続されている半導体層を利用してショーティングバーを形成し、配線が形成された後ショーティングバーを断線させて、配線製造工程中に静電気が発生すると、ショーティングバーに静電気が分散するようにし、配線が完成された後にはショーティングバーを断線させて、各配線が独立した信号を伝達できるようにする。また、配線製造中の静電気によって配線の幅が互いに異なるようにエッチングされる問題点も解消して、配線の幅によって当該配線部分のみで輝度が低下する表示問題も解消することができる。
【0089】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。