特許第6472642号(P6472642)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6472642可動部を有する装置、及び可動部を有する自律型ロボット装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472642
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】可動部を有する装置、及び可動部を有する自律型ロボット装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 21/50 20060101AFI20190207BHJP
   B25J 11/00 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   F16H21/50
   B25J11/00 D
【請求項の数】6
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2014-236760(P2014-236760)
(22)【出願日】2014年11月21日
(65)【公開番号】特開2016-98913(P2016-98913A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年11月14日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年 5月24日発行 ロボティクス・メカトロニクス講演会2014予稿集(CD−ROM)において公開 平成26年 5月24日発行 ロボティクス・メカトロニクス講演会2014予稿集(CD−ROM)において公開 平成26年 8月 8日 身体性認知科学と実世界応用に関する若手研究会において公開 平成26年 8月20日 大阪大学ヒューマンウエアイノベーション博士課程プログラム(OU−HWIP)と沖縄科学技術大学院大学(OIST)との交流会において公開 平成26年 9月14日 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems 2014 Workshop:From Active Impedance to Intrinsically Compliant and Variable Impedance Actuators:Pros,Cons and Trade−offsにおいて公開 平成26年10月 3日 大阪大学ヒューマンウエアイノベーション博士課程プログラム(OU−HWIP)における融合研究プロジェクトの紹介において公開 平成26年10月 3日 大阪大学ヒューマンウエアイノベーション博士課程プログラム(OU−HWIP)における融合研究プロジェクトの紹介において公開
(73)【特許権者】
【識別番号】301022471
【氏名又は名称】国立研究開発法人情報通信研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柏岡 秀紀
(72)【発明者】
【氏名】仲田 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】浦井 健次
(72)【発明者】
【氏名】笠 秀行
(72)【発明者】
【氏名】中村 泰
(72)【発明者】
【氏名】石黒 浩
【審査官】 高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−038368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 21/50
B25J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の可動部と、第2の可動部と、
前記第1の可動部を駆動する第1の流体圧アクチュエータを含む第1の駆動部と、
前記第2の可動部を駆動する第2の流体圧アクチュエータを含む第2の駆動部と、
前記第1の流体圧アクチュエータと前記第2の流体圧アクチュエータとの間で流体を連通させる流路と、
前記流路における前記流体の連通状態を変化させる調整器とを備え
前記第1の駆動部は、前記第1の流体圧アクチュエータに接続される第1の部材と中間部材とを含み、
前記第2の駆動部は、前記第2の流体圧アクチュエータに接続される前記中間部材と第2の部材とを含み、
前記中間部材は、前記第1の部材と前記第2の部材の間に配置され、前記第1の可動部と前記第2の可動部に接続され、
前記流路は、前記中間部材が前記第1の流体圧アクチュエータにより前記第1の部材側から押される第1の動作と、前記中間部材が前記第2の流体圧アクチュエータにより前記第2の部材側に引かれる第2の動作とが連動されるように前記第1の流体圧アクチュエータと前記第2の流体圧アクチュエータに接続された、装置。
【請求項2】
前記調整器は、前記第1の流体圧アクチュエータと前記第2の流体圧アクチュエータに前記流体を流入させることを共通のバルブで調整して、前記第1の動作と前記第2の動作を連動させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の可動部と前記第2の可動部とは、機械的に直列に接続されている、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の可動部は、第1の可動ジョイントを含み、
前記第2の可動部は、第2の可動ジョイントを含み
記第1の可動ジョイントは、前記第1の部材と前記中間部材との間に配置され、
前記第2の可動ジョイントは、前記第2の部材と前記中間部材との間に配置される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の部材と前記中間部材とが配置される方向と交差する方向において、前記中間部材は前記第1の部材よりも小さなサイズを有し、
前記第2の部材と前記中間部材とが配置される方向と交差する方向において、前記中間部材は前記第2の部材よりも小さなサイズを有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
第1の可動部と、第2の可動部と、
前記第1の可動部を駆動する第1の流体圧アクチュエータを含む第1の駆動部と、
前記第2の可動部を駆動する第2の流体圧アクチュエータを含む第2の駆動部と、
前記第1の流体圧アクチュエータと前記第2の流体圧アクチュエータとの間で流体を連通させる流路とを備える、自律型ロボット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット装置、マニピュレータ、人や動物の運動を補助する補助装置などの可動部を有する装置、及び可動部を有する自律型ロボット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット装置、マニピュレータ、人や動物の運動を補助する補助装置などの可動部を有する装置が知られている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−231081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された装置の可動部は、人間、動物、昆虫などが有する多様な応答を実現することが困難であるという問題がある。より具体的には、特許文献1に記載された装置の可動部は、例えば、可動部の可動域が狭いという問題や、可動部が外力に対して柔軟に応答することが困難であるという問題などを有している。
【0005】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、多様な応答を実現することができる可動部を有する装置及び自律型ロボット装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の装置は、第1の可動部と、第2の可動部と、第1の可動部を駆動する第1の流体圧アクチュエータを含む第1の駆動部と、第2の可動部を駆動する第2の流体圧アクチュエータを含む第2の駆動部と、第1の流体圧アクチュエータと第2の流体圧アクチュエータとの間で流体を連通させるための流路と、流路における流体の連通状態を変化させる調整器とを備えている。
【0007】
本発明の自律型ロボット装置は、第1の可動部と、第2の可動部と、第1の可動部を駆動する第1の流体圧アクチュエータを含む第1の駆動部と、第2の可動部を駆動する第2の流体圧アクチュエータを含む第2の駆動部と、第1の流体圧アクチュエータと前記第2の流体圧アクチュエータとの間で流体を連通させるための流路とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来の可動部を備えた装置よりも、多様な応答を実現することが可能な、可動部を備える装置、及び可動部を備える自律型ロボット装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係る装置の概略斜視図である。
図2】(A)は、本発明の実施の形態1に係る装置の、図1に示す断面線IIA−IIAにおける概略断面図である。(B)は、本発明の実施の形態1に係る装置の、図1に示す断面線IIB−IIBにおける概略断面図である。(C)は、本発明の実施の形態1に係る装置の、図1に示す断面線IIC−IICにおける概略断面図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る装置の、図1に示す断面線III−IIIにおける概略断面図である。
図4】(A)は、本発明の実施の形態1に係る装置の、模式的側面図である。(B)は、本発明の実施の形態1に係る装置において、第1の部材に対して第2の部材がある方向に傾いた状態を示す模式的側面図である。(C)は、本発明の実施の形態1に係る装置において、第1の部材に対して第2の部材が別の方向に傾いた状態を示す模式的側面図である。
図5】(A)は、本発明の実施の形態1に係る装置の模式的斜視図である。(B)から(I)は、それぞれ、本発明の実施の形態1の各種の変形例に係る装置の、模式的斜視図である。
図6】本発明の実施の形態1及びその変形例に係る装置の可動域を示すグラフである。
図7】本発明の実施の形態1及びその変形例に係る装置の出力を示すグラフである。
図8】(A)は、本発明の実施の形態2に係る装置の、模式的側面図である。(B)は、本発明の実施の形態2に係る装置において、第1の部材に対して第2の部材が傾いた状態を示す模式的側面図である。(C)は、本発明の実施の形態2に係る装置において、中間部材に対して第1の部材及び第2の部材が同じ方向に傾いた状態を示す模式的側面図である。
図9】本発明の実施の形態2の変形例に係る流路及びバルブの配置の模式図である。
図10】本発明の実施の形態3に係る装置の、模式的側面図である。
図11】本発明の実施の形態4に係る装置の、模式的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1から図4(C)を参照して、本実施の形態の装置1は、二重関節機構を備えている。二重関節機構とは、2つの関節(可動部)の間の距離を短くするとともに、2つの関節(可動部)を連動して動かすことによって、この2つの関節(可動部)をあたかも1つの関節(可動部)とみなすことができる関節機構(可動機構)を意味する。本実施の形態の可動部を有する装置1は、人間の肩のように可動域の広い二重関節機構を備えている。
【0011】
図1から図4(C)を参照して、本実施の形態の可動部を有する装置1は、第1の可動部10と、第2の可動部20と、第1の駆動部30と、第2の駆動部50と、流路62、63、72、73、バルブ61a、71aとを備えている。なお、図1から図3では、流路62、63、72、73、バルブ61a、71aが省略されている。
【0012】
第1の可動部10は、第1のリンク部材11と、第2のリンク部材12と、第1の可動ジョイント13とを有している。
【0013】
第1のリンク部材11と第2のリンク部材12とは、中空の管状部材であってもよいし、中実の棒状部材であってもよい。本実施の形態では、第1のリンク部材11と第2のリンク部材12とは、中空の管状部材である。そのため、第1のリンク部材11と第2のリンク部材12とを軽量化することができる。第1のリンク部材11と第2のリンク部材12とは、金属や硬質プラスチック等、ある程度の剛性を備えるものであれば、どのような材料を用いてもよい。本実施の形態では、第1のリンク部材11及び第2のリンク部材12として、金属が用いられている。
【0014】
第1のリンク部材11と第2のリンク部材12とは、互いに動くことができるように、第1の可動ジョイント13を介して機械的に接続されている。第1の可動ジョイント13として、ボールジョイント、ユニバーサルジョイント、ヒンジなどが用いられ得る。本実施の形態では、第1の可動ジョイント13として、ボールジョイントが用いられている。第1のリンク部材11の一方の端部に設けられたけ受け部11aに、第2のリンク部材12に一方の端部に設けられたボール部12aを収容することによって、ボールジョイントである本実施の形態の第1の可動ジョイント13が構成されている。
【0015】
第2の可動部20は、第3のリンク部材21と、第4のリンク部材22と、第2の可動ジョイント23とを有している。
【0016】
第3のリンク部材21と第4のリンク部材22とは、中空の管状部材であってもよいし、中実の棒状部材であってもよい。本実施の形態では、第3のリンク部材21と第4のリンク部材22とは、中空の管状部材である。そのため、第3のリンク部材21と第4のリンク部材22とを軽量化することができる。第3のリンク部材21と第4のリンク部材22とは、金属や硬質プラスチック等、ある程度の剛性を備えるものであれば、どのような材料を用いてもよい。本実施の形態では、第3のリンク部材21及び第4のリンク部材22として、金属が用いられている。本実施の形態では、第2のリンク部材12と第3のリンク部材21とは別の部材であるが、第2のリンク部材12と第3のリンク部材21とは、一本のリンク部材から構成されていてもよい。
【0017】
第3のリンク部材21と第4のリンク部材22とは、互いに動くことができるように、第2の可動ジョイント23を介して機械的に接続されている。第2の可動ジョイント23として、ボールジョイント、ユニバーサルジョイント、ヒンジなどが用いられ得る。本実施の形態では、第2の可動ジョイント23として、ボールジョイントが用いられている。第3のリンク部材21の一方の端部に設けられた受け部21aに、第4のリンク部材22に一方の端部に設けられたボール部22aを収容することによって、ボールジョイントである本実施の形態の第2の可動ジョイント23が構成されている。
【0018】
第1の駆動部30は、第1の部材31と、中間部材40と、第1の部材31と中間部材40とを機械的に接続する流体圧アクチュエータ32、33、34とを備えている。
【0019】
第1の部材31は、板状部材から構成されていてもよい。本実施の形態では、第1の部材31は、最も大きな面積を有する表面が正六角形を有する板状部材から構成されている。第1の部材31は、側面31a−31fを有している。第1の部材31は、正六角形を有する表面がz軸に交差する、より特定的には、z軸に直交するように配置される。また、第1の部材31は、側面31aと側面31aと反対側の側面31dとがx軸に交差する、より特定的には、x軸に直交するように配置されている。第1の部材31は、金属や硬質プラスチック等、ある程度の剛性を備えるものであれば、どのような材料を用いてもよい。
【0020】
中間部材40は、板状部材から構成されていてもよい。本実施の形態では、中間部材40は、最も大きな面積を有する表面が正六角形を有する板状部材から構成されている。中間部材40は、側面40a−40fを有している。中間部材40は、正六角形を有する表面がz軸に交差する、より特定的には、z軸に直交するように配置される。また、中間部材40は、側面40aと側面40aと反対側の側面40dとがx軸に交差する、より特定的には、x軸に直交するように配置されている。中間部材40の側面40a−40fには、それぞれ、ボール部材41a−41fが取り付けられている。中間部材40は、金属や硬質プラスチック等、ある程度の剛性を備えるものであれば、どのような材料を用いてもよい。
【0021】
本実施の形態では、第1のリンク部材11は、第1の部材31を貫通するとともに、第1の部材31に固定されている。第2のリンク部材12は中間部材40に固定されている。本実施の形態では、第1の部材31と中間部材40とは、z軸に沿って配置されている。第1の部材31と中間部材40とが配置される方向(z軸方向)に対して交差する方向(x軸方向)における、第1の部材31のサイズDは、中間部材40のサイズDの2倍である(図3を参照)。本実施の形態では、z方向における第1の可動ジョイント13の中心とz方向における第1の部材31の中心との距離L11は、z方向における第1の可動ジョイント13の中心とz方向における中間部材40の中心との距離L12の2倍である(図3を参照)。
【0022】
流体圧アクチュエータ32は、シリンダ本体32aと、ピストン32bと、流通口32c、32dとを有している(図3、4を参照)。ピストン32bは、シリンダ本体32aに対して移動可能に構成されている。ピストン32bの一方の端部によって、シリンダ本体32aの内部の空間は、第1の室32eと第2の室32fとに分割される。第1の室32eとシリンダ本体32aの外部との間で流体を連通させるために、シリンダ本体32aに流通口32cが設けられている。第2の室32fとシリンダ本体32aの外部との間で流体を連通させるために、シリンダ本体32aに流通口32dが設けられている。
【0023】
本実施の形態では、流体圧アクチュエータ33、34も、流体圧アクチュエータ32と同じ構成を有している。流体圧アクチュエータ33は、シリンダ本体33aと、ピストン33bと、流通口33c、33dとを有している。ピストン33bの一方の端部によって、シリンダ本体33aの内部の空間が、第1の室33eと第2の室33fとに分割される。シリンダ本体33aには、第1の室33eに対応して流通口33cが設けられ、第2の室33fに対応して流通口33dが設けられている。流体圧アクチュエータ34は、シリンダ本体34aと、ピストン34bと、流通口34c、34dとを有している。ピストン34bの一方の端部によって、シリンダ本体34aの内部の空間が、第1の室34eと第2の室34fとに分割される。シリンダ本体34aには、第1の室34eに対応して流通口34cが設けられ、第2の室34fに対応して流通口34dが設けられている。
【0024】
流体圧アクチュエータ32のシリンダ本体32aは、ユニバーサルジョイント32uを介して、第1の部材31の側面31aに取り付けられている。同様に、流体圧アクチュエータ33、34は、それぞれ、ユニバーサルジョイント33u、34uを介して、第1の部材31の側面31c、31eに取り付けられている。ユニバーサルジョイント32u、33u、34uに代えて、ゴムなどの弾性変形体、ボールジョイント、ヒンジなどの可変接続機構を用いてもよい。
【0025】
流体圧アクチュエータ32のピストン32bの他方の端部には、受け部32gが設けられている。受け部32gに、中間部材40の側面40aに設けられたボール部41aを収容することによって、ボールジョイント42aが構成されている。このため、流体圧アクチュエータ32は、ボールジョイント42aを介して、中間部材40に機械的に接続されている。流体圧アクチュエータ33のピストン33bの他方の端部には、受け部33gが設けられている。受け部33gに、中間部材40の側面40cに設けられたボール部41cを収容することによって、ボールジョイント42cが構成されている。このため、流体圧アクチュエータ33は、ボールジョイント42cを介して、中間部材40に機械的に接続されている。流体圧アクチュエータ34のピストン34bの他方の端部には、受け部34gが設けられている。受け部34gに、中間部材40の側面40eに設けられたボール部41eを収容することによって、ボールジョイント42eが構成されている。このため、流体圧アクチュエータ34は、ボールジョイント42eを介して、中間部材40に機械的に接続されている。ボールジョイント42a、42c、42eに代えて、ゴムなどの弾性変形体、ユニバーサルジョイント、ヒンジなどの可変接続機構を用いてもよい。
【0026】
第2の駆動部50は、第2の部材51と、中間部材40と、第2の部材51と中間部材40とを機械的に接続する流体圧アクチュエータ52、53、54とを備えている。
【0027】
第2の部材51は、板状部材から構成されていてもよい。本実施の形態では、第2の部材51は、最も大きな面積を有する表面が正六角形を有する板状部材から構成されている。第2の部材51は、側面51a−51fを有している。第2の部材51は、正六角形を有する表面がz軸に交差する、より特定的には、z軸に直交するように配置される。また、第2の部材51は、側面51aと側面51aと反対側の側面51dとがx軸に交差する、より特定的には、x軸に直交するように配置されている。第2の部材51は、金属や硬質プラスチック等、ある程度の剛性を備えるものであれば、どのような材料を用いてもよい。
【0028】
本実施の形態では、第4のリンク部材22は、第2の部材51を貫通するとともに、第2の部材51に固定されている。第3のリンク部材21は中間部材40に固定されている。本実施の形態では、第2の部材51と中間部材40とは、z軸に沿って配置されている。第2の部材51と中間部材40とが配置される方向(z軸方向)に対して交差する方向(x軸方向)における、第2の部材51のサイズDは、中間部材40のサイズDの2倍である(図3を参照)。第2の部材51のサイズDは、第1の部材31のサイズDと同じである。本実施の形態では、z方向における第2の可動ジョイント23の中心とz方向における第2の部材51の中心との距離L21は、z方向における第1の可動ジョイント13の中心とz方向における中間部材40の中心との距離L22の2倍である(図3を参照)。z方向における第2の可動ジョイント23の中心とz方向における第2の部材51の中心との距離L21は、z方向における第1の可動ジョイント13の中心とz方向における第1の部材31の中心との距離L11と同じである。z方向における第2の可動ジョイント23の中心とz方向における中間部材40の中心との距離L22は、z方向における第1の可動ジョイント13の中心とz方向における中間部材40の中心との距離L12と同じである。
【0029】
本実施の形態では、第2のリンク部材12、中間部材40、及び第3のリンク部材21を介して、第1の可動ジョイント13は、第2の可動ジョイント23と機械的に直列に接続されている。そのため、第1の可動ジョイント13を有する第1の可動部10と、第2の可動ジョイント23を有する第2の可動部20とは、互いに機械的に直列に接続されている。
【0030】
流体圧アクチュエータ52は、シリンダ本体52aと、ピストン52bと、流通口52c、52dとを有している(図3、4を参照)。ピストン52bは、シリンダ本体52aに対して移動可能に構成されている。ピストン52bの一方の端部によって、シリンダ本体52aの内部の空間が、第1の室52eと第2の室52fとに分割される。第1の室52eとシリンダ本体52aの外部との間で流体を連通させるために、シリンダ本体52aに流通口52cが設けられている。第2の室52fとシリンダ本体52aの外部との間で流体を連通させるために、シリンダ本体52aに流通口52dが設けられている。
【0031】
本実施の形態では、流体圧アクチュエータ53、54も、流体圧アクチュエータ32と同じ構成を有している。流体圧アクチュエータ53は、シリンダ本体53aと、ピストン53bと、流通口53c、53dとを有している。ピストン53bの一方の端部によって、シリンダ本体53aの内部の空間が、第1の室53eと第2の室53fとに分割される。シリンダ本体53aには、第1の室53eに対応して流通口53cが設けられ、第2の室53fに対応して流通口53dが設けられている。流体圧アクチュエータ54は、シリンダ本体54aと、ピストン54bと、流通口54c、54dとを有している。ピストン54bの一方の端部によって、シリンダ本体54aの内部の空間が、第1の室54eと第2の室54fとに分割される。シリンダ本体54aには、第1の室54eに対応して流通口54cが設けられ、第2の室54fに対応して流通口54dが設けられている。
【0032】
流体圧アクチュエータ52のシリンダ本体52aは、ユニバーサルジョイント52uを介して、第2の部材51の側面51dに取り付けられている。同様に、流体圧アクチュエータ53、54は、それぞれ、ユニバーサルジョイント53u、54uを介して、第2の部材51の側面51f、51bに取り付けられている。このため、流体圧アクチュエータ52、53、54は、それぞれ、流体圧アクチュエータ32、33、34に対向するように配置される。ユニバーサルジョイント52u、53u、54uに代えて、ゴムなどの弾性変形体、ボールジョイント、ヒンジなどの可変接続機構を用いてもよい。
【0033】
流体圧アクチュエータ52のピストン52bの他方の端部には、受け部52gが設けられている。受け部52gに、中間部材40の側面40dに設けられたボール部41dを収容することによって、ボールジョイント42dが構成されている。このため、流体圧アクチュエータ52は、ボールジョイント42dを介して、中間部材40の側面40dに機械的に接続されている。流体圧アクチュエータ53のピストン53bの他方の端部には、受け部53gが設けられている。受け部53gに、中間部材40の側面40fに設けられたボール部41fを収容することによって、ボールジョイント42fが構成されている。このため、流体圧アクチュエータ53は、ボールジョイント42fを介して、中間部材40に機械的に接続されている。流体圧アクチュエータ54のピストン54bの他方の端部には、受け部54gが設けられている。受け部54gに、中間部材40の側面40bに設けられたボール部41bを収容することによって、ボールジョイント42bが構成されている。このため、流体圧アクチュエータ54は、ボールジョイント42bを介して、中間部材40に機械的に接続されている。なお、図3では、簡略化のため、流体圧アクチュエータ33、34、53、54を図示していない。ボールジョイント42b、42d、42fに代えて、ゴムなどの弾性変形体、ユニバーサルジョイント、ヒンジなどの可変接続機構を用いてもよい。
【0034】
図4に示すように、本実施の形態の可動部を有する装置1は、ポンプ61と、流路62、63、72、73と、バルブ61a、71aとをさらに備えている。なお、図1から図3では、ポンプ61と、流路62、63、72、73と、バルブ61a、71aは省略されている。
【0035】
流路62は、ポンプ61と流体圧アクチュエータ32の流通口32dとを接続する。流路62を介して、ポンプ61と流体圧アクチュエータ32とは流体連通している。流路63は、流路62と流体圧アクチュエータ52の流通口52cとを接続する。流路62及び流路63を介して、ポンプ61と流体圧アクチュエータ52とは流体連通している。そのため、ポンプ61によって、流体圧アクチュエータ32の第2の室32fと流体圧アクチュエータ52の第1の室52eとに、流体圧力を印加することができる。また、流路62及び流路63を介して、流体圧アクチュエータ32と流体圧アクチュエータ52とは流体連通している。より特定的には、流路62及び流路63を介して、流体圧アクチュエータ32の第2の室32fと流体圧アクチュエータ52の第1の室52eとは流体連通している。そのため、バルブ61aによって、流体圧アクチュエータ32の第2の室32fと流体圧アクチュエータ52の第1の室52eとから、流体圧力を除去することができる。
【0036】
流路62と流路63との合流点とポンプ61との間の流路62に、バルブ61aが設けられている。バルブ61aは、流路62における流体の連通状態を変化させる。バルブ61aは、例えば、流路62を流体が連通する状態(例えば、バルブが全開状態)と、流路62を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路62を周囲に解放する状態との間で切り換えられてもよい。バルブ61aは、例えば、流路62を流れる流体の流量がゼロより大きな複数の流体の連通状態(例えば、バルブが全開状態とバルブが半開状態)と、流路62を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路62を周囲に解放する状態との間で切り換えられてもよい。バルブ61aは流路62に設けられなくてもよい。
【0037】
流路72は、流路62と流体圧アクチュエータ32の流通口32cとを接続する。流路62、72を介して、ポンプ61と流体圧アクチュエータ32とは流体連通している。流路73は、流路72と流体圧アクチュエータ52の流通口52dとを接続する。流路62、72、73を介して、ポンプ61と流体圧アクチュエータ52とは流体連通している。そのため、ポンプ61によって、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eと流体圧アクチュエータ52の第2の室52fとに、流体圧力を印加することができる。また、流路72、73を介して、流体圧アクチュエータ32と流体圧アクチュエータ52とは流体連通している。より特定的には、流路72、73を介して、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eと流体圧アクチュエータ52の第2の室52fとは流体連通している。そのため、バルブ71aによって、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eと流体圧アクチュエータ52の第2の室52fとから、流体圧力を除去することができる。
【0038】
流路62と流路72との合流点と流路72と流路73との合流点との間の流路72に、バルブ71aが設けられている。バルブ71aは、流路72における流体の連通状態を変化させる。バルブ71aは、例えば、流路72を流体が連通する状態(例えば、バルブが全開状態)と、流路72を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路72を周囲に解放する状態との間で切り換えられてもよい。バルブ71aは、例えば、流路72を流れる流体の流量がゼロより大きな複数の流体の連通状態(例えば、バルブが全開状態とバルブが半開状態)と、流路72を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路72を周囲に解放する状態との間で切り換えられてもよい。バルブ71aは流路72に設けられなくてもよい。
【0039】
本実施の形態の流体として、空気などの圧縮性流体、オイルなどの非圧縮性流体が用いられ得る。本実施の形態では、流体として空気が用いられている。
【0040】
流体圧アクチュエータ33、34、53、54のそれぞれも、別の流路を介して、別のポンプに接続されている。また、別の流路には別のバルブが設けられていてもよい。図4(A)から(C)では、流体圧アクチュエータ33、34、53、54、別の流路、別のポンプ、及び別のバルブは省略されている。
【0041】
図4(A)から(C)を参照して、本実施の形態の装置1の動作、作用及び効果を説明する。
【0042】
図4(A)に示される本実施の形態の装置1のバルブ61aを開き、ポンプ61から高圧の流体を流路62及び流路63に注入して、流体圧アクチュエータ32の第2の室32fと流体圧アクチュエータ52の第1の室52eとに、流体圧力を印加する。流体圧アクチュエータ32の第2の室32fに印加される流体圧力によって、ピストン32bはシリンダ本体32aの流通口32c側に移動し、流体圧アクチュエータ32は伸長する。流体圧アクチュエータ52の第1の室52eに印加される流体圧力によって、ピストン52bはシリンダ本体52aの流通口52d側に移動し、流体圧アクチュエータ52は収縮する。その結果、本実施の形態の装置1では、第1の可動部10と第2の可動部20とが連動して動かされて、図4(B)に示されるように、第2のリンク部材12が第1のリンク部材11に対して左側(−x方向)に曲がり、第4のリンク部材22が第3のリンク部材21に対して左側(−x方向)に曲がる。
【0043】
図4(B)に示される本実施の形態の装置1において、流路62を周囲に解放する状態にバルブ61aを切り換える。バルブ61aによって、流体圧アクチュエータ32の第2の室32fと流体圧アクチュエータ52の第1の室52eとから流体を排出する。この流体の排出によって、図4(A)に示される本実施の形態の装置1に戻すことができる。
【0044】
図4(A)に示される本実施の形態の装置1のバルブ71aを開き、ポンプ61から高圧の流体を流路72及び流路73に注入して、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eと流体圧アクチュエータ52の第2の室52fとに、流体圧力を印加する。流体圧アクチュエータ32の第1の室32eに印加される流体圧力によって、ピストン32bは流体圧アクチュエータ32のシリンダ本体32aの流通口32d側に移動し、流体圧アクチュエータ32は収縮する。流体圧アクチュエータ52の第2の室52fに印加される流体圧力によって、ピストン52bはシリンダ本体52aの52c側に移動し、流体圧アクチュエータ52は伸長する。その結果、本実施の形態の装置1では、第1の可動部10と第2の可動部20とが連動して動かされて、図4(C)に示されるように、第2のリンク部材12が第1のリンク部材11に対して右側(+x方向)に曲が、第4のリンク部材22が第3のリンク部材21に対して右側(+x方向)に曲がる。
【0045】
図4(C)に示される本実施の形態の装置1において、流路72を周囲に解放する状態にバルブ71aを切り換える。バルブ71aによって、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eと流体圧アクチュエータ52の第2の室52fとから流体を排出する。この流体の排出によって、図4(A)に示される本実施の形態の装置1に戻すことができる。
【0046】
図4(A)に示される本実施の形態の装置1の流体圧アクチュエータ32、33、34、52、53、54を順次駆動することによって、第1のリンク部材11に対して第4のリンク部材22を、z軸まわりに回転させることもできる。
【0047】
本実施の形態の装置1では、第2の可動ジョイント23を第1の可動ジョイント13の近くに配置して、第2の可動部20を第1の可動部10の近くに配置している。また、本実施の形態の装置1では、流路62、63、72、73を介して、流体圧アクチュエータ32と流体圧アクチュエータ52とが流体連通しているため、第1の可動部10と第2の可動部20とが連動して動かされている。そのため、本実施の形態の装置1は、第1の可動部10と第2の可動部20とあたかも1つの関節(可動部)とみなすことができる二重関節機構を備えている。本実施の形態の装置1は、第1の可動ジョイント13の可動域と、第2の可動ジョイント23の可動域とが加算された可動域を有している。そのため、二重関節機構を備える本実施の形態の装置1は、人間の肩関節と同様の広い可動域を実現することができる(図6(C)を参照。)。二重関節機構を備える本実施の形態の装置1は、自律型ロボット装置の肩関節に適用することができる。
【0048】
また、例えば、図4(A)に示される本実施の形態の装置1において、バルブ61aを開いて、流体圧アクチュエータ32のピストン32bと流体圧アクチュエータ52のピストン52bとを駆動する際、バルブ71aを開いて、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eの流体圧力と流体圧アクチュエータ52の第2の室52fの流体圧力とを適宜調節してもよい。流体圧アクチュエータ32のピストン32bは、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eの流体圧力と第2の室32fの流体圧力とが釣り合うところで停止する。流体圧アクチュエータ52のピストン52bは、流体圧アクチュエータ52の第1の室52eの流体圧力と第2の室52fの流体圧力とが釣り合うところで停止する。そのため、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eの流体圧力と流体圧アクチュエータ52の第2の室52fの流体圧力に応じて、流体圧アクチュエータ32のピストン32bの移動量と流体圧アクチュエータ52のピストン52bの移動量とを変えることができる。その結果、流体圧アクチュエータ32の伸長の程度、及び流体圧アクチュエータ52の収縮の程度を変えることができ、本実施の形態の装置1の第1の可動部10及び第2の可動部20のそれぞれの角度(曲がりの程度)を変えることができる。
【0049】
また、例えば、図4(A)に示される本実施の形態の装置1において、バルブ61a、バルブ71aの開度を変化させると、流体圧アクチュエータ32の第1の室32e、第2の室32f、流体圧アクチュエータ52の第1の室52e、第2の室52fへの流体の注入速度及び排出速度を変えることができる。流体圧アクチュエータ32の第1の室32e、第2の室32f、流体圧アクチュエータ52の第1の室52e、第2の室52fへの流体の注入速度及び排出速度が変化すると、流体圧アクチュエータ32のピストン32bの移動速度及び流体圧アクチュエータ52のピストン52bの移動速度が変化する。そのため、バルブ61a、71aの開度を変化させることにより、本実施の形態の装置1の第1の可動部10及び第2の可動部20の移動速度を変化させることができる。
【0050】
上記のとおり、本実施の形態の装置1では、可動部の可動域を拡げるように構成することができる。本実施の形態の装置1では、可動部の角度(曲がりの程度)を変化させることができる。本実施の形態の装置1では、可動部の動き方を様々に変化させることができる。その結果、本実施の形態の装置1では、多様な応答を実現することができる可動部を有する装置を提供することができる。また、本実施の形態の装置1を自律型ロボット装置の肩関節機構などの関節機構に適用することにより、多様な応答を実現することができる自律型ロボット装置を提供することができる。
【0051】
本実施の形態の装置1では、流体圧アクチュエータ32と流体圧アクチュエータ52とが流体連通している。そのため、第1の可動部10と第2の可動部20とを連動して駆動するために必要なバルブの数を減少させることができる。複数の流体圧アクチュエータの各々にバルブが設けられた装置と比べて、本実施の形態では、装置1の構成、及びバルブを制御する制御システムを簡素化できる。
【0052】
次に、図5から図7を参照して、本実施の形態の装置1の変形例について説明する。
この変形例に係る装置では、中間部材40のサイズDに対する、第1の部材31のサイズDまたは第2の部材51のサイズDの比R(R=D/D=D/D)と、z方向における第1の可動ジョイント13の中心とz方向における中間部材40の中心との距離L12(またはz方向における第1の可動ジョイント13の中心とz方向における中間部材40の中心との距離L22)に対する、z方向における第1の可動ジョイント13の中心とz方向における第1の部材31の中心との距離L11(またはz方向における第2の可動ジョイント23の中心とz方向における第2の部材51の中心との距離L21)の比R(R=L11/L12=L22/L21)とが、本実施の形態の装置1とは異なる。
【0053】
実施の形態1に係る装置1では、D及びDはいずれもDの2倍である。実施の形態1に係る装置1では、L11はL12の2倍であり、L22はL21の2倍である。そのため、実施の形態1に係る装置は、R=2.0、R=2.0を有している(図5(C)、表1(C)を参照)。これに対し、図5(A)、(B)、(D)−(I)に示される各種変形例に係る装置は、下記表1に示すRとRとを有している。なお、図5(A)−(I)では、簡略化のため、シリンダ本体32a、33a、34a、52a、53a、54aは省略されている。
【0054】
【表1】
【0055】
図6は、本実施の形態の装置1及び本実施の形態の各種変形例の装置のz軸(ヨー軸)周りの可動域、x軸(ロール軸)周りの可動域、y軸(ピッチ軸)周りの可動域を示す。図7は、実施の形態1の装置1及び実施の形態1の各種変形例の装置を、所定の条件で流体圧アクチュエータ32、33、34、52、53、54によって駆動したときの、第2の部材51において発生する力(本実施の形態及び各種変形例の装置の出力)を示す。図6及び図7を参照すると、Rの値とRの値とを変化させることによって、可動域の大きさと、第2の部材51において発生する力の大きさとを変化させることができる。
【0056】
図6を参照して、図5(A)−(C)に示される装置の可動域が、図5(D)−(I)に示される装置の可動域よりも大きい。図5(C)に示される本実施の形態に係る装置1の可動域が最も大きい。図5及び図6から、第1の部材31と中間部材と第2の部材51とが配列される方向(z方向)に交差する方向における、第1の部材31のサイズD及び第2の部材51のサイズDを、前記交差する方向における中間部材40のサイズDよりも大きくすると、本実施の形態に係る装置1の可動域が大きくなることが分かる。そのため、本実施の形態及びその変形例の装置を、例えば、人間の肩関節が有するような大きな可動域が要求される自律型ロボット装置の肩関節に適用するためには、前記交差する方向における第1の部材31及び第2の部材51のサイズを、前記交差する方向における中間部材40のサイズよりも大きくする(R>1.0)ことが好ましい。
【0057】
図7を参照して、図5(H)及び図5(I)に示される装置において発生する力は、図5(A)から図5(G)に示される装置において発生する力よりも大きい。図5(I)に示される本実施の形態の変形例の装置の可動域が最も大きい。図5及び図6から、第1の部材31と中間部材と第2の部材51とが配列される方向(z方向)に交差する方向における、第1の部材31のサイズD及び第2の部材51のサイズDを、前記交差する方向における中間部材40のサイズDよりも小さくするとともに、第1の可動ジョイント13と第2の可動ジョイント23とを、第1の部材31及び第2の部材51よりも、中間部材40の近く配置すると、本実施の形態及びその変形例の装置において発生する力がが大きくなることが分かる。そのため、本実施の形態及びその変形例の装置を、例えば、大きな力が要求される自律型ロボット装置の足首関節に適用するためには、前記交差する方向における第1の部材31及び第2の部材51のサイズを、前記交差する方向における中間部材40のサイズよりも小さくし(R<1.0)、第1の可動ジョイント13と第2の可動ジョイント23とを、第1の部材31及び第2の部材51よりも、中間部材40の近く配置する(R>1.0)ことが好ましい。
【0058】
上記のとおり、本実施の形態及びその変形例の装置では、第1の可動部10における第1の可動ジョイント13の位置、第2の可動部20における第2の可動ジョイント23の位置などの、第1の可動部10及び第2の可動部20の構造(R)と、中間部材40のサイズに対する第1の部材31及び第2の部材51のサイズの比(R)といった、第1の駆動部30及び第2の駆動部50の構造とを変更することによって、装置の可動部の応答を様々に変化させることができる。そのため、本実施の形態及びその変形例では、多様な応答を実現することができる可動部を有する装置を提供することができる。本実施の形態及びその変形例の装置を自律型ロボットの肩関節機構などの関節機構に適用することにより、多様な応答を実現することができる自律型ロボット装置を提供することができる。本実施の形態の装置1を、他のタイプのロボット装置、マニピュレータ、人や動物の運動を補助する補助装置などの他の装置に適用してもよい。
【0059】
本実施の形態では、第1の部材31、中間部材40、及び第2の部材51として、最も大きな面積を有する表面が正六角形を有する板状部材を採用したが、他の形状を有していてもよい。例えば、第1の部材31、中間部材40、及び第2の部材51として、最も大きな面積を有する表面が円形を有する板状部材や、細長い形状を有する板状部材を用いてもよい。また、第1の部材31、中間部材40、及び第2の部材51として、棒状部材を用いてもよい。
【0060】
本実施の形態では、装置1が3次元的に動くことができるように、第1の可動ジョイント13や第2の可動ジョイント23などの各種継手として、ボールジョイント等の可動ジョイントが用いられている。しかし、装置1が2次元的に動くことができるように、第1の可動ジョイント13や第2の可動ジョイント23などの各種継手として、ヒンジを用いてもよい。2次元的に動くことができるような装置1は、例えば、平面型のロボット装置の関節機構に適用することができる。
【0061】
本実施の形態では、流体として空気が用いられているが、他の流体が用いられてもよい。流体の種類を変更することによっても、装置1の応答を変化させることができる。そのため、多様な応答を実現することができる可動部を有する装置及び自律型ロボット装置を提供することができる。
【0062】
(実施の形態2)
図8(A)から(C)を参照して、実施の形態2に係る装置100について説明する。実施の形態2では、実施の形態1の装置1の変形例について説明する。なお、図8(A)から(C)では、図4(A)から(B)と同様に、流体圧アクチュエータ33、34、53、54、並びに、流体圧アクチュエータ33、34、53、54に接続される流路、ポンプ、及びバルブは省略されている。実施の形態2の装置100は、基本的には、図1に示す実施の形態1の装置1と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、ポンプ、流路、及びバルブの配置が異なる。
【0063】
図8(A)に示すように、実施の形態2の装置100は、ポンプ61、71と、流路62、63、64、72、73、74と、バルブ62a、63a、64a、72a、73a、74aとを有している。
【0064】
流路62は、ポンプ61と流体圧アクチュエータ32の流通口32dとを接続する。流路62を介して、ポンプ61と流体圧アクチュエータ32の第2の室32fとは流体連通している。流路63は、流路62と流体圧アクチュエータ52の流通口52cとを接続する。流路62及び流路63を介して、ポンプ61と流体圧アクチュエータ52の第1の室52eとは流体連通している。そのため、ポンプ61によって、流体圧アクチュエータ32の第2の室32fと流体圧アクチュエータ52の第1の室52eとに、流体圧力を印加することができる。流路62と流路63との合流点と、流体圧アクチュエータ32の流通口32dとの間に、バルブ62aが配置されている。流路62と流路63との合流点と、流体圧アクチュエータ52の流通口52cとの間に、バルブ63aが配置されている。バルブ62a、63aによって、流体圧アクチュエータ32の第2の室32fと流体圧アクチュエータ52の第1の室52eとから、流体圧力を除去することができる。
【0065】
バルブ61aと流体圧アクチュエータ32の流通口32dとの間の流路62と、バルブ63aと流体圧アクチュエータ52の流通口52cとの間の流路63とを接続するように、流路64が設けられる。流路64を介して、流体圧アクチュエータ32の第2の室32fと流体圧アクチュエータ52の第1の室52eとは流体連通している。流路64にバルブ64aが配置されている。バルブ64aは、流路64における流体の連通状態を変化させる調整器である。バルブ64aによって、流体圧アクチュエータ32の第2の室32fと流体圧アクチュエータ52の第1の室52eとから、流体圧力を除去することができる。バルブ64aは流路64に設けられなくてもよい。
【0066】
バルブ62a、63a、64aは、それぞれ、例えば、流路62、63、64を流体が連通する状態(例えば、バルブが全開状態)と、流路62、63、64を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路62、63、64を周囲に解放する状態との間で切り換えられてもよい。バルブ62a、63a、64aは、それぞれ、例えば、流路62、63、64を流れる流体の流量がゼロより大きな複数の流体の連通状態(例えば、バルブが全開状態とバルブが半開状態)と、流路62、63、64を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路62、63、64を周囲に解放する状態との間で切り換えられてもよい。
【0067】
流路72は、ポンプ71と流体圧アクチュエータ32の流通口32cとを接続する。流路72を介して、ポンプ71と流体圧アクチュエータ32の第1の室32eとは流体連通している。流路73は、流路72と流体圧アクチュエータ52の流通口52dとを接続する。流路72及び流路73を介して、ポンプ71と流体圧アクチュエータ52の第2の室52fとは流体連通している。そのため、ポンプ71によって、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eと流体圧アクチュエータ52の第2の室52fとに、流体圧力を印加することができる。流路72と流路73との合流点と、流体圧アクチュエータ32の流通口32cとの間に、バルブ72aが配置されている。流路72と流路73との合流点と、流体圧アクチュエータ52の流通口52dとの間に、バルブ73aが配置されている。バルブ72a、73aによって、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eと流体圧アクチュエータ52の第2の室52fとから、流体圧力を除去することができる。
【0068】
バルブ72aと流体圧アクチュエータ32の流通口32cとの間の流路72と、バルブ73aと流体圧アクチュエータ52の流通口52dとの間の流路73とを接続するように、流路74が設けられる。流路74を介して、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eと流体圧アクチュエータ52の第2の室52fとは流体連通している。流路74にバルブ74aが設けられる。バルブ74aは、流路74における流体の連通状態を変化させる調整器である。バルブ74aによって、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eと流体圧アクチュエータ52の第2の室52fとから、流体圧力を除去することができる。バルブ74aは流路74に設けられなくてもよい。
【0069】
バルブ72a、73a、74aは、それぞれ、例えば、流路72、73、74を流体が連通する状態(例えば、バルブが全開状態)と、流路72、73、74を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路72、73、74を周囲に解放する状態との間で切り換えてられもよい。バルブ72a、73a、74aは、例えば、流路72、73、74を流れる流体の流量がゼロより大きな複数の流体の連通状態(例えば、バルブが全開状態とバルブが半開状態)と、流路72、73、74を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路72、73、74を周囲に解放する状態との間で切り換えられてもよい。
【0070】
図8(A)から(C)を参照して、本実施の形態の装置100の動作、作用及び効果を説明する。
【0071】
図8(A)に示される本実施の形態の装置100において、バルブ62a、63aを開き、残りのバルブを閉じる。ポンプ61から高圧の流体を流路62及び流路63に注入して、流体圧アクチュエータ32の第2の室32fと流体圧アクチュエータ52の第1の室52eとに、流体圧力を印加する。流体圧アクチュエータ32の第2の室32fに印加される流体圧力によって、ピストン32bはシリンダ本体32aの流通口32c側に移動し、流体圧アクチュエータ32は伸長する。流体圧アクチュエータ52の第1の室52eに印加される流体圧力によって、ピストン52bはシリンダ本体52aの流通口52d側に移動し、流体圧アクチュエータ52は収縮する。その結果、本実施の形態の装置100では、第1の可動部10と第2の可動部20とが連動して動かされて、図8(B)に示されるように、第2のリンク部材12が第1のリンク部材11に対して左側(−x方向)に曲がり、第4のリンク部材22が第3のリンク部材21に対して左側(−x方向)に曲がる。バルブ62a、64aを開き、残りのバルブを閉じても、本実施の形態の装置100は、同様に動作する。
【0072】
図8(B)に示される本実施の形態の装置100において、流路64を周囲に解放する状態にバルブ64aを切り換える。バルブ64aによって、流体圧アクチュエータ32の第2の室32fと流体圧アクチュエータ52の第1の室52eとから流体を排出する。この流体の排出によって、図8(A)に示される本実施の形態の装置100に戻すことができる。
【0073】
図8(A)に示される本実施の形態の装置100において、バルブ63a、72aを開き、残りのバルブを閉じる。ポンプ61から高圧の流体を流路63に注入して、流体圧アクチュエータ52の第1の室52eに、流体圧力を印加する。ポンプ71から高圧の流体を流路72に注入して、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eに、流体圧力を印加する。流体圧アクチュエータ32の第1の室52eに印加される流体圧力によって、ピストン32bはシリンダ本体32aの流通口32d側に移動し、流体圧アクチュエータ32は収縮する。流体圧アクチュエータ52の第1の室52eに印加される流体圧力によって、ピストン52bはシリンダ本体52aの流通口52d側に移動し、流体圧アクチュエータ52は収縮する。その結果、本実施の形態の装置100では、第1の可動部10と第2の可動部20とが連動して動かされて、図8(C)に示されるように、第2のリンク部材12が第1のリンク部材11に対して右側(+x方向)に曲がり、第4のリンク部材22が第3のリンク部材21に対して左側(−x方向)に曲がる。
【0074】
図8(C)に示される本実施の形態の装置100において、流路63を周囲に解放する状態にバルブ63aを切り換える。バルブ63aによって、流体圧アクチュエータ52の第1の室52eから流体を排出する。また、流路72を周囲に解放する状態にバルブ72aを切り換える。バルブ72aによって、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eから流体を排出する。これらの流体の排出によって、図8(A)に示される本実施の形態の装置100に戻すことができる。
【0075】
図8(A)に示される本実施の形態の装置100では、複数の流体圧アクチュエータ32、52間で流体を連通させる流路64、74に、流路64、74における流体の連通状態を変化させるバルブ64a、74aが設けられている。例えば、本実施の形態の装置100において、バルブ62aが開かれ、残りのバルブが閉じられた状態で、バルブ64aによって、流路64の連通状態を変化させる。例えば、バルブ64aが全開である場合には、ポンプ61から注入される高圧の流体によって、流体圧アクチュエータ32の第2の室32fと流体圧アクチュエータ52の第1の室52eとに、同時に流体圧力が印加される。そのため、流体圧アクチュエータ32と流体圧アクチュエータ34とは同じ速度で伸縮する。これに対し、バルブ64aの開度が小さい場合には、流路62よりも流路64の方が、ポンプ61から注入される高圧の流体が流れにくくなる。そのため、流体圧アクチュエータ32の第2の室32fよりも遅く、流体圧アクチュエータ52の第1の室52eに流体圧力が印加される。そのため、流体圧アクチュエータ32と流体圧アクチュエータ34とは異なる速度で伸縮する。このように、複数の流体圧アクチュエータ32、52間で流体を連通させる流路64における流体の連通状態を、流体の流量がゼロより大きな複数の連通状態の間で調整することによって、本実施の形態の装置100の可動部の動きを変化させることができる。バルブ74aによって、流路74の連通状態を変化させても、本実施の形態の装置100の可動部の動きを変化させることができる。
【0076】
本実施の形態の装置100は、実施の形態1の装置1と、流路とバルブの配置を異ならせている。そのため、例えば、図8(C)のような態様で、本実施の形態の装置100の可動部を曲げることができる。また、複数の流体圧アクチュエータの間で流体を連通させる流路における流体の連通状態を、流体の流量がゼロより大きな複数の連通状態の間で調整することによって、本実施の形態の装置100の可動部の応答を変化させることができる。本実施の形態の装置100では、可動部の動き方をより一層様々に変化させることができる。その結果、本実施の形態の装置100では、多様な応答を実現することができる可動部を有する装置を提供することができる。また、本実施の形態の装置100を自律型ロボット装置の肩関節機構などの関節機構に適用することにより、より一層多様な応答を実現することができる自律型ロボット装置を提供することができる。
【0077】
次に、図9を参照して、本実施の形態の装置100の変形例について説明する。図9では、第1の可動部10と第2の可動部20とは省略されている。
【0078】
図9に示される本実施の形態の変形例では、複数の流体圧アクチュエータのそれぞれの流通口と接続される複数の第1の流路が設けられる。複数の第1の流路のそれぞれにバルブが配置される。流通口とバルブとの間の複数の第1の流路のうち任意の2つを接続する複数の第2の流路が設けられる。複数の第2の流路のそれぞれにバルブが配置される。バルブは、流路における流体の連通状態を変化させる調整器である。
【0079】
具体的には、流路222、223、232c、232d、252c、252d、271、272、273、274、275、276と、バルブ242c、242d、262c、262d、271a、272a、273a、274a、275a、276aとの配置が、図8に示される本実施の形態と異なる。また、本実施の形態の変形例では、ポンプ71が設けられていない点で、図8に示される本実施の形態と異なる。
【0080】
図9に示される本実施の形態の変形例では、流路232c、232d、252c、252dは、それぞれ、流通口32c、32d、52c、52dに接続される。流路232c、232d、252c、252dのそれぞれに、バルブ242c、242d、262c、262dが配置される。流通口32c、32d、52c、52dとバルブ242c、242d、262c、262dとの間の流路232c、232d、252c、252dのうちの任意の2つを接続する流路271、272、273、274、275、276が設けられる。流路271、272、273、274、275、276のそれぞれに、バルブ271a、272a、273a、274a、275a、276aが配置される。流路232c、232d、252c、252dは、流路222、223を通じて、ポンプ61に接続される。
【0081】
バルブ242c、242d、262c、262d、271a、272a、273a、274a、275a、276aは、例えば、流路を流体が連通する状態(例えば、バルブが全開状態)と、流路を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路を周囲に解放する状態との間で切り換えられてもよい。バルブ242c、242d、262c、262d、271a、272a、273a、274a、275a、276aは、例えば、流路を流れる流体の流量がゼロより大きな複数の流体の連通状態(例えば、バルブが全開状態とバルブが半開状態)と、流路を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路を周囲に解放する状態との間で切り換えられてもよい。
【0082】
図9に示される本実施の形態の変形例では、複数の流体圧アクチュエータの全ての流体室のうち任意の2つの流体室が、複数の第2の流路によって、互いに流体連通している。具体的には、流体圧アクチュエータ32の第1の室32eと第2の室32f、並びに流体圧アクチュエータ52の第1の室52eと第2の室52fのうち、任意の2つの流体室が、流路271、272、273、274、275、276によって、互いに流体連通している。図9に示される本実施の形態の変形例では、各流路222、223、232c、232d、252c、252d、271、272、273、274、275、276にバルブ242c、242d、262c、262d、271a、272a、273a、274a、275a、276aが配置されている。そのため、本実施の形態の変形例では、可動部の動き方をより一層様々に変化させることができる。その結果、本実施の形態の変形例では、多様な応答を実現することができる可動部を有する装置を提供することができる。また、本実施の形態の変形例を自律型ロボット装置の肩関節機構などの関節機構に適用することにより、より一層多様な応答を実現することができる自律型ロボット装置を提供することができる。
【0083】
本実施の形態の装置100及び変形例を、自律型ロボット装置以外のロボット装置、マニピュレータ、人や動物の運動を補助する補助装置などの他の装置に適用してもよい。
【0084】
(実施の形態3)
図10を参照して、実施の形態3に係る装置400について説明する。
【0085】
実施の形態1の装置1では、第2の可動部20の第2の可動ジョイント23が第1の可動部10の第1の可動ジョイント13の近くに配置されるとともに、第1の可動部10と第2の可動部20とが連動して動かされている。このため、実施の形態1の装置1は、第1の可動部10と第2の可動部20とを1つの関節(可動部)とみなすことができる二重関節機構を備えている(図1から図4(B)を参照)。
【0086】
これに対し、本実施の形態では、第1の可動部410と第2の可動部420とを異なる関節とみなせるように、第2の可動部420の第2の可動ジョイント415が第1の可動部410の第1の可動ジョイント413から離れた位置に配置される。例えば、第1の可動部410は自律型ロボット装置の肩関節であり、第2の可動部420は自律型ロボット装置の肘関節であってもよい。第1の可動部410と第2の可動部420とは、自律型ロボット装置の肘関節と手首関節など互いに隣り合う他の関節であってもよい。また、本実施の形態の装置400では、流路481、482を介して、流体圧アクチュエータ432と流体圧アクチュエータ434とが流体連通しているため、第1の可動部410と第2の可動部420とを連動して動かすことができる。このため、本実施の形態の装置400における、互いに流体連通する複数の流体圧アクチュエータ432、434は、人間、動物、昆虫などが有する二関節筋として機能し得る。
【0087】
二関節筋は、互いに隣り合う2つの関節によって隔てられた骨同士を接続する筋肉である。二関節筋は、関節を屈曲・伸展させるだけでなく、パラレルリンク構造を生じさせる。二関節筋は、二関節筋の影響下にある2つの関節(可動部)を機械的に連動させることができ、関節(可動部)が外力に対して柔軟に応答することができる。このため、互いに流体連通する複数の流体圧アクチュエータ432、434を備えた本実施の形態の装置400は、可動部が外力に対して柔軟に応答することができる。本実施の形態の装置400は、例えば、自律型ロボット装置の腕部、脚部などに適用することができる。
【0088】
図10を参照して、本実施の形態の装置400は、第1の可動部410と、第2の可動部420と、第1の駆動部430と、第2の駆動部450とを備えている。
【0089】
第1の可動部410は、第1のリンク部材411と、第2のリンク部材412と、第1の可動ジョイント413とを有している。第1のリンク部材411と第2のリンク部材412とは、互いに動くことができるように、第1の可動ジョイント413を介して機械的に接続されている。第1の可動ジョイント413として、ボールジョイント、ユニバーサルジョイント、ヒンジなどが用いられ得る。
【0090】
第2の可動部420は、第2のリンク部材412と、第3のリンク部材414と、第2の可動ジョイント415とを有している。第2のリンク部材412と第3のリンク部材414とは、互いに動くことができるように、第2の可動ジョイント415を介して機械的に接続されている。第2の可動ジョイント415として、ボールジョイント、ユニバーサルジョイント、ヒンジなどが用いられ得る。本実施の形態では、第2のリンク部材412を介して、第1の可動ジョイント413は、第2の可動ジョイント415と機械的に直列に接続されている。そのため、第1の可動ジョイント413を有する第1の可動部410と、第2の可動ジョイント415を有する第2の可動部420とは、互いに機械的に直列に接続されている。
【0091】
第1の駆動部430は、第1の部材431と、第3の部材440と、第1の部材431と第3の部材440とを機械的に接続する3つの流体圧アクチュエータとを備えている。3つの流体圧アクチュエータは、図1と同様に、第1の部材431及び第3の部材440に、ユニバーサルジョイントを介して接続されている。ユニバーサルジョイントに代えて、ゴムなどの弾性変形体、ボールジョイント、ヒンジなどの可変接続機構を用いてもよい。図10では、簡略化のため、3つの流体圧アクチュエータのうち、2つの流体圧アクチュエータ432、433のみを図示している。本実施の形態では、第1の部材431は、第1のリンク部材411に固定されている。第3の部材440は、第2のリンク部材412に固定されている。
【0092】
第2の駆動部450は、第2の部材451と、第4の部材445と、第2の部材451と第4の部材445とを機械的に接続する3つの流体圧アクチュエータとを備えている。3つの流体圧アクチュエータは、図1と同様に、第3の部材440及び第4の部材445に、ユニバーサルジョイントを介して接続されている。ユニバーサルジョイントに代えて、ゴムなどの弾性変形体、ボールジョイント、ヒンジなどの可変接続機構を用いてもよい。図10では、簡略化のため、3つの流体圧アクチュエータのうち、2つの流体圧アクチュエータ434、435のみを図示している。本実施の形態では、第4の部材445は、第2のリンク部材412に固定されている。第2の部材451は、第3のリンク部材414に固定されている。第3の部材440及び第4の部材445は、第1の部材431と第2の部材451との間に配置されており、中間部材として機能する。
【0093】
図10に示すように、本実施の形態の装置400は、流路462c、462d、463c、463d、464c、464d、465c、465d、481、482と、バルブ472c、472d、473c、473d、474c、474d、475c、475d、481a、482aとをさらに備えている。
【0094】
流路462cは、図示しないポンプと流体圧アクチュエータ432の流通口432cとを接続する。流路462dは、図示しないポンプと流体圧アクチュエータ432の流通口432dとを接続する。流路463cは、図示しないポンプと流体圧アクチュエータ433の流通口433cとを接続する。流路463dは、図示しないポンプと流体圧アクチュエータ433の流通口433dとを接続する。流路464cは、流路462cから分岐して、図示しないポンプと流体圧アクチュエータ434の流通口434cとを接続する。流路464dは、流路462dから分岐して、図示しないポンプと流体圧アクチュエータ434の流通口434dとを接続する。流路465cは、図示しないポンプと流体圧アクチュエータ435の流通口435cとを接続する。流路465dは、図示しないポンプと流体圧アクチュエータ435の流通口435dとを接続する。
【0095】
流路462cと流路464cとの合流点と、流体圧アクチュエータ432の流通口432cとの間の流路462cに、バルブ472cが配置されている。流路462dと流路464dとの合流点と、流体圧アクチュエータ432の流通口432dとの間の流路462dに、バルブ472dが配置されている。流路463cには、バルブ473cが配置されている。流路463dには、バルブ473dが配置されている。流路464cには、バルブ474cが配置されている。流路464dには、バルブ474dが配置されている。流路465cには、バルブ475cが配置されている。流路465dには、バルブ475dが配置されている。流路462c−465d、並びにバルブ472c−475dの数と配置は、任意に変更することができる。
【0096】
バルブ472cと流体圧アクチュエータ432の流通口432cとの間の流路462cと、バルブ474cと流体圧アクチュエータ434の流通口434cとの間の流路464cとを接続するように、流路481が設けられる。流路481は、流体圧アクチュエータ432の第1の室432eと流体圧アクチュエータ434の第1の室434eとの間で流体を連通させる。流路481にバルブ481aが配置されている。バルブ481aは、流路481における流体の連通状態を変化させる調整器である。バルブ481aは流路481に設けられなくてもよい。
【0097】
バルブ472dと流体圧アクチュエータ432の流通口432dとの間の流路462dと、バルブ474dと流体圧アクチュエータ434の流通口434dとの間の流路464dとを接続するように、流路482が設けられる。流路482は、流体圧アクチュエータ432の第2の室432fと流体圧アクチュエータ434の第2の室434fとの間で流体を連通させる。流路482にバルブ482aが配置されている。バルブ482aは、流路482における流体の連通状態を変化させる調整器である。バルブ482aは流路482に設けられなくてもよい。
【0098】
バルブ472c−482aは、例えば、流路を流体が連通する状態(例えば、バルブが全開状態)と、流路を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路を周囲に解放する状態との間で切り換えられてもよい。バルブ472c−482aは、例えば、流路を流れる流体の流量がゼロより大きな複数の流体の連通状態(例えば、バルブが全開状態とバルブが半開状態)と、流路を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路を周囲に解放する状態との間で切り換えられてもよい。
【0099】
本実施の形態の流体として、空気などの圧縮性流体、オイルなどの非圧縮性流体が用いられ得る。本実施の形態では、流体として空気が用いられている。
【0100】
本実施の形態の装置400の動作、作用及び効果を説明する。
最初に、第1の駆動部430と第2の駆動部450とによって駆動される、本実施の形態の装置400の第1の可動部410と第2の可動部420の動きについて説明する。
【0101】
本実施の形態の装置400の第1のリンク部材411と、第2のリンク部材412と、第3のリンク部材414とが一直線に並んだ状態において、バルブ472c、474cを開き、他のバルブを閉じる。図示しないポンプから高圧の流体を流路462c、464cに注入する。流体圧アクチュエータ432の第1の室432eと流体圧アクチュエータ434の第1の室434eとに、流体圧力を印加する。流体圧アクチュエータ432の第1の室432eに印加される流体圧力によって、ピストン432bは流通口432d側に移動し、流体圧アクチュエータ432は収縮する。流体圧アクチュエータ434の第1の室434eに印加される流体圧力によって、ピストン434bは流通口434d側に移動し、流体圧アクチュエータ434は収縮する。その結果、本実施の形態の装置400は、第1の可動部410と第2の可動部420とが連動して動かされて、第2のリンク部材412が第1のリンク部材411に対して流体圧アクチュエータ432が位置する側に曲がり、第3のリンク部材414が第2のリンク部材412に対して流体圧アクチュエータ434が位置する側に曲がる(図10を参照)。バルブ472c、481aを開き、他のバルブを閉じても、本実施の形態の装置400は、同様に動作する。
【0102】
流路462cを周囲に解放する状態にバルブ472cを切り換える。バルブ472cによって、流体圧アクチュエータ432の第1の室432eから流体を排出する。流路464cを周囲に解放する状態にバルブ474cを切り換える。バルブ474cによって、流体圧アクチュエータ434の第1の室434eから流体を排出する。これらの流体の排出によって、本実施の形態の装置400の第1のリンク部材411と、第2のリンク部材412と、第3のリンク部材414とが一直線に並んだ状態に戻すことができる。
【0103】
図10に示される本実施の形態の装置400では、複数の流体圧アクチュエータ432、434間で流体を連通させる流路481、482に、流路481、482における流体の連通状態を変化させるバルブ481a、482aが設けられている。そのため、本実施の形態の装置400は、実施の形態3の装置100と同様に、複数の流体圧アクチュエータ432、434間で流体を連通させる流路481、482における流体の連通状態を、流体の流量がゼロより大きな複数の連通状態の間で調整することによって、本実施の形態の装置400の可動部の応答をさらに多様に変化させることができる。
【0104】
本実施の形態の装置400の一変形例では、例えば、バルブ474c、474d、481a、482aとを設けなくてもよい。この変形例では、流路481、482を介して、流体圧アクチュエータ432と流体圧アクチュエータ434とが流体連通している。そのため、第1の可動部410と第2の可動部420とを連動して駆動するために必要なバルブの数を減らすことができる。複数の流体圧アクチュエータの流通口の各々にバルブが設けられた装置と比べて、この変形例では、装置400の構成、及びバルブを制御する制御システムを簡素化できる。
【0105】
次に、本実施の形態の装置400の第2の可動部420に外力が加わった時の、本実施の形態の装置400の第1の可動部410と第2の可動部420の動きについて説明する。
【0106】
本実施の形態の装置400において、流体圧アクチュエータ432の第1の室432eと第2の室432fと、流体圧アクチュエータ434の第1の室434eと第2の室434fとに流体を注入する。バルブ481a、482aのみを開き、他のバルブを閉じる。第2の可動部420に外力が加わって第2の可動部420が動くと、流体圧アクチュエータ434のピストン434bはシリンダ本体434a内を移動する。ピストン434bの移動に伴って、流体圧アクチュエータ434の第1の室434e内の流体の圧力と第2の室434f内の流体の圧力が変化する。バルブ481aは開いているので、流体圧アクチュエータ432の第1の室432eと流体圧アクチュエータ434の第1の室434eとは、流路481を介して流体連通している。流路481を通じて、流体圧アクチュエータ434の第1の室434e内の流体の圧力の変化は、流体圧アクチュエータ432の第1の室432e内の流体の圧力を変化させる。また、バルブ482aは開いているので、流体圧アクチュエータ432の第2の室432fと流体圧アクチュエータ434の第2の室434fとは、流路482を介して流体連通している。流路482を通じて、流体圧アクチュエータ434の第2の室434f内の流体の圧力の変化は、流体圧アクチュエータ432の第2の室432f内の流体の圧力を変化させる。流体圧アクチュエータ432の第1の室432e内及び第2の室432f内の流体の圧力が変化すると、流体圧アクチュエータ432のピストン432bはシリンダ本体432a内を移動し、第1の可動部410が動く。
【0107】
以上のように、本実施の形態の装置400では、流路481、482を介して、流体圧アクチュエータ432と流体圧アクチュエータ434とが流体連通している。そのため、第2の可動部420に印加された外力を、第2の可動部420と第1の可動部410との間で伝達することができ、第1の可動部410と第2の可動部420とを連動して動かすことができる。本実施の形態の装置400における、互いに流体連通する流体圧アクチュエータ432及び流体圧アクチュエータ434は、二関節筋として機能し得る。2つの流体圧アクチュエータ432、434間で流体を連通させるための流路481、482を備える本実施の形態の装置400は、二関節筋を備えた関節機構として機能し得る。このため、互いに流体連通する流体圧アクチュエータ432と流体圧アクチュエータ434とを備えた本実施の形態の装置400は、可動部が外力に対して柔軟に応答することができる。
【0108】
また、本実施の形態の装置400では、流路481、482を介して、複数の流体圧アクチュエータ432、434を流体連通させることによって、複数の流体圧アクチュエータ432、434を連動して動かしている。言い換えると、本実施の形態の装置400では、複数の流体圧アクチュエータ432、434を、流路481、482を介して、単に機械的に接続することによって、複数の流体圧アクチュエータ432、434を連動して動かしている。そのため、印加された外力を検知するセンサの出力に基いて、複数の流体圧アクチュエータ432、434のそれぞれを個別に制御することによって、複数の流体圧アクチュエータ432、434を連動して動かす場合に比べて、本実施の形態の装置400では、複数の流体圧アクチュエータ432、434を制御する制御システムを大幅に簡素化できる。また、本実施の形態の装置400では、制御システムによる制御遅延を減らすことができ、外力に対する応答速度を向上させることができる。
【0109】
また、図10に示される本実施の形態の装置400では、複数の流体圧アクチュエータ432、434間で流体を連通させる流路481、482に、流路481、482における流体の連通状態を変化させるバルブ481a、482aが設けられている。バルブ481a、482aの開度が大きい場合には、第2の可動部420に外力が加わってピストン434bが移動したときの流体圧アクチュエータ434の第1の室434e及び第2の室434f内の流体圧力の変化は、流体圧アクチュエータ432の第1の室432e及び第2の室432fに同時に伝達される。このため、バルブ481a、482aの開度が大きい場合には、流体圧アクチュエータ432と流体圧アクチュエータ434とは実質的に同じ速度で伸縮する。
【0110】
これに対し、バルブ481a、482aの開度が小さい場合には、流路481、482に流体が流れにくくなる。そのため、第2の可動部420に外力が加わってピストン434bが移動したときの流体圧アクチュエータ434の第1の室434e及び第2の室434f内の流体圧力の変化は、流体圧アクチュエータ432の第1の室432e及び第2の室432fに遅れて伝達される。このため、バルブ481a、482aの開度が小さい場合には、流体圧アクチュエータ432は、流体圧アクチュエータ434よりも遅れて伸縮する。したがって、本実施の形態の装置400では、複数の流体圧アクチュエータ432、434間で流体を連通させる流路481、482における流体の連通状態を、流体の流量がゼロより大きな複数の連通状態の間で調整することによって、本実施の形態の装置400の可動部の応答をさらに多様に変化させることができる。複数の流体圧アクチュエータの間で流体を連通させる流路における流体の連通状態を、流体の流量がゼロより大きな複数の連通状態の間で調整することによって、本実施の形態の装置400が有する外力に対する柔軟な応答を多様に変化させることができる。
【0111】
以上のように、本実施の形態の装置400は、多様な応答を実現することができる可動部を有する装置を提供することができる。本実施の形態の装置400を自律型ロボット装置に適用すると、多様な応答を実現することができる自律型ロボット装置を提供することができる。
【0112】
本実施の形態の装置400では、第1の可動部410と第2の可動部420とは、互いに隣り合う関節であるが、第1の可動部410と第2の可動部420とは、互いに隣り合わない関節であってもよい。第1の可動部410と第2の可動部420とが、互いに隣り合わない関節である場合には、本実施の形態の装置400は、多関節筋として機能してもよい。
【0113】
例えば、第1の可動部410が自律型ロボット装置の肩関節に適用され、第2の可動部420が自律型ロボット装置の手首関節に適用され、第1の可動部410の流体圧アクチュエータ432と第2の可動部420の流体圧アクチュエータ434とを、流路481、482を介して、流体連通させてもよい。このような装置400では、流体圧アクチュエータ432と、流路481、482と、流体圧アクチュエータ434とは、自律型ロボット装置の肩関節、肘関節、及び手首関節にわたって延在するため、装置400は三関節筋として機能し得る。
【0114】
例えば、第1の可動部410が自律型ロボット装置の脚の関節に適用され、第2の可動部420が自律型ロボット装置の肘の関節に適用され、第1の可動部410の流体圧アクチュエータ432と第2の可動部420の流体圧アクチュエータ434とを、流路481、482を介して、流体連通させてもよい。このような装置400では、流路481、482を介して、自律型ロボット装置の脚力を、自律型ロボット装置の腕に伝達することができる。
【0115】
なお、図10に示される本実施の形態の装置400における流路とバルブの配置を、図9に示される実施の形態2の変形例のように、変形してもよい。本実施の形態の変形例では、複数の流体圧アクチュエータのそれぞれの流通口と接続される複数の第1の流路が設けられる。複数の第1の流路のそれぞれにバルブが配置される。流通口とバルブとの間の複数の第1の流路のうち任意の2つを接続する複数の第2の流路が設けられる。複数の第2の流路のそれぞれにバルブが配置される。バルブは、流路における流体の連通状態を変化させる調整器である。
【0116】
具体的には、流路462c,462d,463c,463d,464c,464d,465c,465dは、それぞれ、流通口432c、432d、433c、433d、434c、434d、435c、435dに接続される。流路462c,462d,463c,463d,464c,464d,465c,465dのそれぞれに、バルブ472c,472d,473c,473d,474c,474d,475c,475dが配置される。流通口432c、432d、433c、433d、434c、434d、435c、435dとバルブ472c,472d,473c,473d,474c,474d,475c,475dとの間の流路462c,462d,463c,463d,464c,464d,465c,465dのうちの任意の2つを接続する接続流路が設けられる。この接続流路のそれぞれに、バルブが配置される。
【0117】
本実施の形態の変形例では、複数の流体圧アクチュエータの全ての流体室のうち任意の2つの流体室が、接続流路によって、互いに流体連通している。具体的には、流体圧アクチュエータ432の第1の室432eと第2の室432f、流体圧アクチュエータ433の第1の室433eと第2の室433f、流体圧アクチュエータ432の第1の室434eと第2の室434f、並びに流体圧アクチュエータ435の第1の室435eと第2の室435fのうち、任意の2つの流体室が、接続流路によって、互いに流体連通している。本実施の形態の変形例では、接続流路のそれぞれにバルブが配置されている。そのため、本実施の形態の変形例では、可動部の応答をより一層様々に変化させることができる。その結果、本実施の形態の変形例では、多様な応答を実現することができる可動部を有する装置を提供することができる。
【0118】
本実施の形態及びその変形例を、自律型ロボット装置、他のタイプのロボット装置、マニピュレータ、人や動物の運動を補助する補助装置などの他の装置に適用してもよい。
【0119】
(実施の形態4)
図11を参照して、実施の形態4に係る装置400aについて説明する。実施の形態4では、実施の形態3の装置400の変形例について説明する。実施の形態4の装置400aは、基本的には、図10に示す実施の形態3の装置400と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、主に以下の点で異なる。
【0120】
図11に示すように、本実施の形態の装置400aは、端部部材416と、第3の可動部425と、第3の駆動部490と、流路466c、466d、483、484と、バルブ483a、484aとをさらに備えている。
【0121】
本実施の形態の装置400では、流路483、484を介して、流体圧アクチュエータ435と流体圧アクチュエータ436とが流体連通しているため、第2の可動部420と第3の可動部425とを連動して動かすことができる。そのため、互いに流体連通する流体圧アクチュエータ435と流体圧アクチュエータ436とは、いずれも人間、動物、昆虫などが有する二関節筋と同様に機能する。本実施の形態の装置400aは、可動部が外力に対して柔軟に応答することができる。
【0122】
本実施の形態の装置400aは、自律型ロボット装置の腕部であってもよい。第1の可動部410は自律型ロボット装置の肩関節であり、第2の可動部420は自律型ロボット装置の肘関節であり、第3の可動部425は自律型ロボット装置の手首関節であってもよい。
【0123】
第3の可動部425は、第3のリンク部材414と、端部部材416と、第3の可動ジョイント417とを有している。第3の可動ジョイント417として、ボールジョイント、ユニバーサルジョイント、ヒンジなどが用いられ得る。第3のリンク部材414と端部部材416とは、互いに動くことができるように、第3の可動ジョイント417を介して機械的に接続されている。本実施の形態では、第3のリンク部材414を介して、第2の可動ジョイント415は、第3の可動ジョイント417と機械的に直列に接続されている。そのため、第2の可動ジョイント415を有する第2の可動部420と、第3の可動ジョイント417を有する第3の可動部425とは、互いに機械的に直列に接続されている。
【0124】
第3の駆動部490は、第5の部材455と、端部部材416と、第5の部材455と端部部材416とを機械的に接続する3つの流体圧アクチュエータとを備えている。3つの流体圧アクチュエータは、図1と同様に、第5の部材455と端部部材416に、ユニバーサルジョイントを介して接続されている。ユニバーサルジョイントに代えて、ゴムなどの弾性変形体、ボールジョイント、ヒンジなどの可変接続機構を用いてもよい。図11では、簡略化のため、3つの流体圧アクチュエータのうち、1つの流体圧アクチュエータ436のみ図示している。本実施の形態では、第5の部材455は、第3のリンク部材414に固定されている。
【0125】
流路466cは、図示しないポンプと流体圧アクチュエータ436の流通口436cとを接続する。流路466cは、流路465cから分岐して、図示しないポンプと流体圧アクチュエータ436の流通口436cとを接続する。流路466dは、流路465dから分岐して、図示しないポンプと流体圧アクチュエータ436の流通口436dとを接続する。流路465cと流路466cとの合流点は、図示しないポンプとバルブ475cとの間に位置している。流路465dと流路466dとの合流点は、図示しないポンプとバルブ475dとの間に位置している。流路466cには、バルブ476cが配置されている。流路466dには、バルブ476dが配置されている。流路462c−466d、並びにバルブ472c−476dの数と配置は、任意に変更することができる。
【0126】
バルブ475cと流体圧アクチュエータ435の流通口435cとの間の流路465cと、バルブ476cと流体圧アクチュエータ436の流通口436cとの間の流路466cとを接続するように、流路483が設けられる。流路483は、流体圧アクチュエータ435の第1の室435eと流体圧アクチュエータ436の第1の室436eとの間で流体を連通させる。流路483にバルブ483aが設けられる。バルブ483aは、流路483における流体の連通状態を変化させる調整器である。バルブ483aは流路483に設けられなくてもよい。
【0127】
バルブ475dと流体圧アクチュエータ435の流通口435dとの間の流路465dと、バルブ476dと流体圧アクチュエータ436の流通口436dとの間の流路466dとを接続するように、流路484が設けられる。流路484は、流体圧アクチュエータ435の第2の室435fと流体圧アクチュエータ436の第2の室436fとの間で流体を連通させる。流路484にバルブ484aが設けられる。バルブ484aは、流路484における流体の連通状態を変化させる調整器である。バルブ484aは流路482に設けられなくてもよい。
【0128】
バルブ472c−484aは、例えば、流路を流体が連通する状態(例えば、バルブが全開状態)と、流路を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路を周囲に解放する状態との間で切り換えられてもよい。バルブ472c−484aは、例えば、流路を流れる流体の流量がゼロより大きな複数の流体の連通状態(例えば、バルブが全開状態とバルブが半開状態)と、流路を流体が連通しない状態(例えば、バルブが全閉状態)と、流路を周囲に解放する状態との間で切り換えられてもよい。
【0129】
図11を参照して、本実施の形態の装置400aの動作、作用及び効果を説明する。
最初に、第1の駆動部430と第2の駆動部450と第3の駆動部490とによって駆動される、本実施の形態の装置400aの第1の可動部410と第2の可動部420と第3の駆動部490の動きについて説明する。
【0130】
本実施の形態の装置400aにおいて、本実施の形態の装置400aの第1のリンク部材411と、第2のリンク部材412と、第3のリンク部材414と、端部部材416とが一直線に並んだ状態において、バルブ475d、476dを開き、他のバルブを閉じる。図示しないポンプから高圧の流体を流路465d、466dに注入して、流体圧アクチュエータ435の第2の室435fと流体圧アクチュエータ436の第2の室436fとに、流体圧力を印加する。流体圧アクチュエータ435の第2の室435fに印加される流体圧力によって、流体圧アクチュエータ435のピストン435bは流体圧アクチュエータ435の流通口435c側に移動し、流体圧アクチュエータ432は伸長する。流体圧アクチュエータ436の第2の室436fに印加される流体圧力によって、流体圧アクチュエータ436のピストン436bは流体圧アクチュエータ436の流通口436c側に移動し、流体圧アクチュエータ436は伸長する。その結果、本実施の形態の装置400aは、第2の可動部420と第3の可動部425とが連動して動かされて、第3のリンク部材414が第2のリンク部材412に対して流体圧アクチュエータ435が位置する側とは反対側に曲がり、端部部材416が第3のリンク部材414に対して流体圧アクチュエータ436が位置する側とは反対側に曲がる(図11を参照)。バルブ475d、484aを開いても、本実施の形態の装置400aは、同様に動作する。
【0131】
また、バルブ472cを開けて、図示しないポンプから高圧の流体を流路462cに注入して、流体圧アクチュエータ432の第1の室432eに、流体圧力を印加する。流体圧アクチュエータ432の第1の室432eに、流体圧力を印加することによって、第3の実施の形態と同様に、第2のリンク部材412が第1のリンク部材411に対して流体圧アクチュエータ432が位置する側に曲がる(図11を参照)。
【0132】
さらに、流路462cを周囲に解放する状態にバルブ472cを切り換える。バルブ472cによって、流体圧アクチュエータ432の第1の室432eから流体を排出する。流路465dを周囲に解放する状態にバルブ475dを切り換える。バルブ475dによって、流体圧アクチュエータ435の第2の室435fから流体を排出する。流路466dを周囲に解放する状態にバルブ476dを切り換える。バルブ476dによって、流体圧アクチュエータ436の第2の室436fから流体を排出する。これらの流体の排出によって、本実施の形態の装置400aの第1のリンク部材411と、第2のリンク部材412と、第3のリンク部材414と、端部部材416とが一直線に並んだ状態に戻すことができる。
【0133】
次に、本実施の形態の装置400aの第3の可動部425に外力が加わった時の、本実施の形態の装置400aの第1の可動部410と第2の可動部420と第3の駆動部490の動きについて説明する。
【0134】
本実施の形態の装置400aにおいて、流体圧アクチュエータ435の第1の室435eと第2の室435fと、流体圧アクチュエータ436の第1の室436eと第2の室436fとに流体を注入する。その後、バルブ483a、484aのみを開き、他のバルブを閉じる。第3の可動部425に外力が加わって第3の可動部425が動くと、流体圧アクチュエータ436のピストン436bはシリンダ本体436a内を移動する。ピストン436bの移動に伴って、流体圧アクチュエータ436の第1の室436e内の流体の圧力と第2の室436f内の流体の圧力が変化する。バルブ483aは開いているので、流体圧アクチュエータ435の第1の室435eと流体圧アクチュエータ436の第1の室436eとは、流路483を介して流体連通している。流路483を通じて、流体圧アクチュエータ436の第1の室436e内の流体の圧力の変化は、流体圧アクチュエータ435の第1の室435e内の流体の圧力を変化させる。また、バルブ484aは開いているので、流体圧アクチュエータ435の第2の室435fと流体圧アクチュエータ436の第2の室436fとは、流路484を介して流体連通している。流路484を通じて、流体圧アクチュエータ436の第2の室436f内の流体の圧力の変化は、流体圧アクチュエータ435の第2の室435f内の流体の圧力を変化させる。流体圧アクチュエータ435の第1の室435e内及び第2の室435f内の流体の圧力が変化すると、流体圧アクチュエータ435のピストン435bはシリンダ本体435a内を移動し、第2の可動部420が動く。
【0135】
以上のように、本実施の形態の装置400aでは、流路483、484を介して、流体圧アクチュエータ435と流体圧アクチュエータ436とが流体連通している。そのため、第3の可動部425に印加された外力を、第3の可動部425と第2の可動部420との間で伝達することができ、第2の可動部420と第3の可動部425とを連動して動かすことができる。本実施の形態の装置400aにおける、互いに流体連通する流体圧アクチュエータ435及び流体圧アクチュエータ436は、二関節筋として機能し得る。2つの流体圧アクチュエータ435、436間で流体を連通させるための流路483、484を備える本実施の形態の装置400aは、二関節筋を備えた関節機構として機能し得る。このため、互いに流体連通する流体圧アクチュエータ435と流体圧アクチュエータ436とを備えた本実施の形態の装置400aは、可動部が外力に対して柔軟に応答することができる。
【0136】
また、本実施の形態の装置400aでは、流路483、484を介して、複数の流体圧アクチュエータ435、436を流体連通させることによって、複数の流体圧アクチュエータ435、436を連動して動かしている。言い換えると、本実施の形態の装置400aでは、複数の流体圧アクチュエータ435、436を、流路483、484を介して、単に機械的に接続することによって、複数の流体圧アクチュエータ435、436を連動して動かしている。そのため、印加された外力を検知するセンサの出力に基いて、複数の流体圧アクチュエータ435、436のそれぞれを個別に制御することによって、複数の流体圧アクチュエータ435、436を連動して動かす場合に比べて、本実施の形態の装置400aでは、複数の流体圧アクチュエータ435、436を制御する制御システムを大幅に簡素化できる。また、本実施の形態の装置400aでは、制御システムによる制御遅延を減らすことができ、外力に対する応答速度を向上させることができる。
【0137】
本実施の形態の装置400aにおいて、流体圧アクチュエータ432の第1の室432eと第2の室432fと、流体圧アクチュエータ434の第1の室434eと第2の室434fと、流体圧アクチュエータ435の第1の室435eと第2の室435fと、流体圧アクチュエータ436の第1の室436eと第2の室436fとに流体を注入する。その後、バルブ481a、482a、483a、484aのみを開き、他のバルブを閉じる。
【0138】
バルブ483a、484aが開いているので、第3の可動部425に外力が加わって第3の可動部425が動くと、既に述べたように、第2の可動部420が動く。さらに、バルブ481a、482aも開いている。そのため、第2の可動部420が動くと、実施の形態3と同様に、第1の可動部410も動く。
【0139】
以上のように、本実施の形態の装置400aでは、流路483、484を介して、流体圧アクチュエータ435と流体圧アクチュエータ436とが流体連通するとともに、流路481、482を介して、流体圧アクチュエータ432と流体圧アクチュエータ434とが流体連通している。そのため、第3の可動部425に印加された外力を、第3の可動部425から第2の可動部420及び第1の可動部410に伝達することができる。第1の可動部410と、第2の可動部420と、第3の可動部425とを連動して動かすことができる。本実施の形態の装置400aにおける、互いに流体連通する流体圧アクチュエータ432及び流体圧アクチュエータ434、並びに、互いに流体連通する流体圧アクチュエータ435及び流体圧アクチュエータ436は、いずれも二関節筋として機能し得る。本実施の形態の装置400aは、2つの二関節筋を備えた関節機構として機能し得る。このため、本実施の形態の装置400aは、可動部が外力に対してさらに柔軟に応答することができる。
【0140】
また、本実施の形態の装置400aでは、流路481、482、483、484を介して、複数の流体圧アクチュエータ432、434、435、436の間を、流体連通させることによって、複数の流体圧アクチュエータ432、434、435、436を連動して動かしている。言い換えると、本実施の形態の装置400aでは、複数の流体圧アクチュエータ432、434、435、436を、流路481、482、483、484を介して、単に機械的に接続することによって、複数の流体圧アクチュエータ432、434、435、436を連動して動かしている。そのため、印加された外力を検知するセンサの出力に基いて、複数の流体圧アクチュエータ432、434、435、436のそれぞれを個別に制御することによって、複数の流体圧アクチュエータ432、434、435、436を連動して動かす場合に比べて、本実施の形態の装置400aでは、複数の流体圧アクチュエータ432、434、435、436を制御する制御システムを大幅に簡素化できる。また、本実施の形態の装置400aでは、制御システムによる制御遅延を減らすことができ、外力に対する応答速度を向上させることができる。
【0141】
また、図11に示される本実施の形態の装置400aでは、バルブ481a、482aに加えて、複数の流体圧アクチュエータ435、436間で流体を連通させる流路483、484に、流路483、484における流体の連通状態を変化させるバルブ483a、484aが設けられている。バルブ483a、484aの開度が大きい場合には、第3の可動部425に外力が加わってピストン436bが移動したときの流体圧アクチュエータ436の第1の室436e及び第2の室436f内の流体圧力の変化は、流体圧アクチュエータ435の第1の室435e及び第2の室435fに同時に伝達される。このため、バルブ483a、484aの開度が大きい場合には、流体圧アクチュエータ435と流体圧アクチュエータ436とは同じ速度で伸縮する。
【0142】
これに対し、バルブ483a、484aの開度が小さい場合には、流路483、484に流体が流れにくくなる。第3の可動部425に外力が加わってピストン436bが移動したときの流体圧アクチュエータ436の第1の室436e及び第2の室436f内の流体圧力の変化は、流体圧アクチュエータ435の第1の室435e及び第2の室435fに遅れて伝達される。このため、バルブ483a、484aの開度が小さい場合には、流体圧アクチュエータ435は、流体圧アクチュエータ436よりも遅れて伸縮する。したがって、本実施の形態の装置400aでは、複数の流体圧アクチュエータ432、434、435、436間で流体を連通させる流路481、482、483、484における流体の連通状態を、流体の流量がゼロより大きな複数の連通状態の間で調整することによって、本実施の形態の装置400aの可動部の応答をさらに多様に変化させることができる。複数の流体圧アクチュエータの間で流体を連通させる流路における流体の連通状態を、流体の流量がゼロより大きな複数の連通状態の間で調整することによって、本実施の形態の装置400aが有する外力に対する柔軟な応答を多様に変化させることができる。
【0143】
以上のように、本実施の形態の装置400aは、多様な応答を実現することができる可動部を有する装置を提供することができる。また、本実施の形態の装置400aを自律型ロボット装置に適用すると、多様な応答を実現することができるロボット装置を提供することができる。
【0144】
なお、図11に示される本実施の形態の装置400aにおける流路とバルブの配置を、図9に示される実施の形態2の変形例のように、変形してもよい。本実施の形態の変形例では、複数の流体圧アクチュエータのそれぞれの流通口と接続される複数の第1の流路が設けられる。複数の第1の流路のそれぞれの流路にバルブが配置される。流通口とバルブとの間の複数の第1の流路のうち任意の2つを接続する複数の第2の流路が設けられる。複数の第2の流路のそれぞれの流路にバルブが配置される。バルブは、流路における流体の連通状態を変化させる調整器である。
【0145】
具体的には、流路462c,462d,463c,463d,464c,464d,465c,465d,466c,466dは、それぞれ、流通口432c、432d、433c、433d、434c、434d、435c、435d、436c、436dに接続される。流路462c,462d,463c,463d,464c,464d,465c,465d,466c,466dのそれぞれに、バルブ472c,472d,473c,473d,474c,474d,475c,475d,476c,476dが配置される。流通口432c、432d、433c、433d、434c、434d、435c、435d、436c、436dとバルブ472c,472d,473c,473d,474c,474d,475c,475d,476c,476dとの間の流路462c,462d,463c,463d,464c,464d,465c,465d,466c,466dのうちの任意の2つを接続する流路が設けられる。この接続流路のそれぞれに、バルブが配置される。
【0146】
本実施の形態の変形例では、複数の流体圧アクチュエータの全ての流体室のうち任意の2つの流体室が、接続流路によって、互いに流体連通している。具体的には、流体圧アクチュエータ432の第1の室432eと第2の室432f、流体圧アクチュエータ433の第1の室433eと第2の室433f、流体圧アクチュエータ432の第1の室434eと第2の室434f、流体圧アクチュエータ435の第1の室435eと第2の室435f、並びに流体圧アクチュエータ436の第1の室436eと第2の室436fのうち、任意の2つの流体室が、接続流路によって、互いに流体連通している。本実施の形態の変形例では、接続流路のそれぞれにバルブが配置されている。そのため、本実施の形態の変形例では、可動部の応答をより一層様々に変化させることができる。その結果、本実施の形態の変形例では、多様な応答を実現することができる可動部を有する装置を提供することができる。
【0147】
本実施の形態及びその変形例を、自律型ロボット装置、他のタイプのロボット装置、マニピュレータ、人や動物の運動を補助する補助装置などの他の装置に適用してもよい。
【0148】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。例えば、実施の形態1から実施の形態4に示した流体圧アクチュエータ、流路、バルブ、及びポンプの数と配置、並びに、これらの相互の接続の仕方は一例にすぎず、これらを任意に変更してもよい。実施の形態1から実施の形態4では、バルブを用いて流体圧アクチュエータの流体室から流体を排出していたが、ポンプを用いて流体圧アクチュエータの流体室から流体を排出してもよい。本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0149】
1,100,400,400a 装置
10,410 第1の可動部
11,411 第1のリンク部材
12,412 第2のリンク部材
13,413 第1の可動ジョイント
20,420 第2の可動部
21,414 第3のリンク部材
22 第4のリンク部材
23,415 第2の可動ジョイント
30,430 第1の駆動部
31,431 第1の部材
32,33,34,52,53,54,432,433,434,435,436 流体圧アクチュエータ
32a,33a,34a,52a,53a,54a,432a,434a,435a,436a シリンダ本体
32b,33b,34b,52b,53b,54b,432b,434b,435b,436b ピストン
32c,32d,33c,33d,34c,34d,52c,52d,53c,53d,54c,54d,432c,432d,433c,433d,434c,434d,435c,435d,436c,436d 流通口
32e,33e,34e,52e,53e,54e,432e,434e,435e,436e 第1の室
32f,33f,34f,52f,53f,54f,432f,434f,435f,436f 第2の室
32u,33u,52u,53u ユニバーサルジョイント
40 中間部材
42a,42b,42c,42d,42e,42f ボールジョイント
50,450 第2の駆動部
51,451 第2の部材
61,71 ポンプ
61a,62a,63a,64a,71a,72a,73a,74a,242c、242d、262c、262d、271a、272a、273a、274a、275a、276a,472c,472d,473c,473d,474c,474d,475c,475d,476c,476d,481a,482a,483a,484a バルブ
62,63,64,72,73,74,222,223、232c、232d、252c、252d、271、272、273、274、275、276,462c,462d,463c,463d,464c,464d,465c,465d,466c,466d,481,482,483,484 流路
416 端部部材
417 第3の可動ジョイント
425 第3の可動部
440 第3の部材
445 第4の部材
455 第5の部材
490 第3の駆動部
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
図9
図10
図11