特許第6472649号(P6472649)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6472649-カードリーダ 図000002
  • 特許6472649-カードリーダ 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472649
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】カードリーダ
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/08 20060101AFI20190207BHJP
   G06K 13/06 20060101ALI20190207BHJP
   G07D 9/00 20060101ALI20190207BHJP
   G07F 7/12 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   G06K7/08 040
   G06K13/06 Z
   G07D9/00 436Z
   G07D9/00 461Z
   G07F7/12 B
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-247684(P2014-247684)
(22)【出願日】2014年12月8日
(65)【公開番号】特開2016-110415(P2016-110415A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】小澤 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】石川 和寿
(72)【発明者】
【氏名】東 賀津久
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一徳
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−272922(JP,A)
【文献】 特開2015−215714(JP,A)
【文献】 特開2012−234535(JP,A)
【文献】 特開2007−265189(JP,A)
【文献】 特開2007−164459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/08
G06K 13/06
G07D 9/00
G07F 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードの挿入口から挿入された前記カードが通過するカード通過路と、前記カード通過路を閉鎖するためのシャッタ部材と、前記シャッタ部材よりも奥側に配置され前記カードの磁気ストライプに記録された磁気データの読取および/または前記磁気ストライプへの磁気データの記録を行う磁気ヘッドと、前記カード通過路に異物が取り付けられたことを検知するための静電容量センサとを備え、
前記挿入口から挿入された前記カードの厚さ方向と前記カードの通過方向とに直交する方向を前記カードの幅方向とし、前記カードの厚さ方向の一方を第1方向とし、前記カードの厚さ方向の他方を第2方向とすると、
前記静電容量センサは、前記シャッタ部材よりも奥側に配置され、なおかつ、前記カードの幅方向において前記磁気ストライプが通過する位置に配置されるとともに、前記カード通過路よりも前記第1方向側に配置され、
前記カード通過路の前記第2方向側の面の、前記静電容量センサに対向する部分には、前記第1方向側に向かって突出する突出部が形成されていることを特徴とするカードリーダ。
【請求項2】
前記静電容量センサは、前記カードの通過方向において、前記シャッタ部材と前記磁気ヘッドとの間に配置されていることを特徴とする請求項1記載のカードリーダ。
【請求項3】
前記静電容量センサは、シート状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のカードリーダ。
【請求項4】
前記静電容量センサは、前記異物を検知するための検知面を備え、
前記検知面には、自身が断線したことを検知するための断線検知パターンが形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカードリーダ。
【請求項5】
発光素子と受光素子とを有するとともに前記シャッタ部材よりも奥側に配置され前記カードの有無を検知する光学センサと、前記静電容量センサの出力信号および前記光学センサの出力信号が入力される制御部とを備え、
前記制御部は、前記静電容量センサの出力信号と前記光学センサの出力信号とに基づいて前記カード通過路に前記異物が取り付けられたことを検知することを特徴とする請求項からのいずれかに記載のカードリーダ。
【請求項6】
前記静電容量センサの出力信号が入力される制御部を備え、
前記制御部は、前記カードリーダに前記カードが挿入される前の待機時における前記静電容量センサの出力信号のレベルである待機信号レベルを記憶するとともに、前記待機信号レベルに対する前記静電容量センサの出力信号のレベルの変化量が所定の閾値以上となる状態が所定時間以上続くと、前記カード通過路に前記異物が取り付けられたと判別することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のカードリーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードに記憶された磁気データの読取やカードへの磁気データの記録を行うカードリーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードに記録された磁気データの読取やカードへの磁気データの記録を行うカードリーダが広く利用されている。カードリーダが利用される金融機関等の業界では、従来、犯罪者がカードリーダのカード挿入部に磁気ヘッドを取り付けて、この磁気ヘッドでカードの磁気データを不正に取得するいわゆるスキミングが大きな問題となっている。そこで、カード挿入部の前面側にスキミング用の磁気ヘッド(以下、「スキミング用磁気ヘッド」とする。)が取り付けられたことを検知するための金属センサを備えるカードリーダが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のカードリーダでは、金属センサは、中空状に形成されるカード挿入部の内部に配置されている。また、金属センサは、磁性材料で形成されるコアと、コアに巻回される一対の励磁用コイルおよび検出用コイルとを備えている。このカードリーダでは、金属センサによって金属材料を含む異物が検知されると、所定の異常処理が実行されており、カード挿入部の前面側に取り付けられたスキミング用磁気ヘッドによる磁気データの読取を阻止することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−37555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
犯罪者によるスキミングの手口は年々巧妙化しており、従来取り付けられることのなかったカードリーダの内部に、カードの磁気データを読み取るためのスキミング用磁気ヘッド等のスキミング用の装置(以下、「スキミング用装置」とする。)が取り付けられるといった事態が生じている。特許文献1に記載のカードリーダでは、カード挿入部の前面側に取り付けられたスキミング用装置を金属センサによって検知することは可能であるが、カードリーダの内部に取り付けられたスキミング用装置を金属センサによって検知することはできない。そのため、このカードリーダでは、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられると、スキミング用装置による磁気データの読取を阻止することはできない。
【0006】
なお、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられても、カードリーダの外観は変わらないため、カードリーダにスキミング用装置が取り付けられていることに気付きにくい。したがって、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられると、スキミングが長期間に亘って行われる可能性が高くなり、甚大な被害を被る可能性が高くなる。
【0007】
そこで、本発明の課題は、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことを検知することが可能なカードリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダは、カードの挿入口から挿入されたカードが通過するカード通過路と、カード通過路を閉鎖するためのシャッタ部材と、シャッタ部材よりも奥側に配置されカードの磁気ストライプに記録された磁気データの読取および/または磁気ストライプへの磁気データの記録を行う磁気ヘッドと、カード通過路に異物が取り付けられたことを検知するための静電容量センサとを備え、挿入口から挿入されたカードの厚さ方向とカードの通過方向とに直交する方向をカードの幅方向とし、カードの厚さ方向の一方を第1方向とし、カードの厚さ方向の他方を第2方向とすると、静電容量センサは、シャッタ部材よりも奥側に配置され、なおかつ、カードの幅方向において磁気ストライプが通過する位置に配置されるとともに、カード通過路よりも第1方向側に配置され、カード通過路の第2方向側の面の、静電容量センサに対向する部分には、第1方向側に向かって突出する突出部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明のカードリーダでは、カード通過路に異物が取り付けられたことを検知するための静電容量センサが、シャッタ部材よりも奥側に配置されるとともに、カードの幅方向において磁気ストライプが通過する位置に配置されている。そのため、本発明では、シャッタ部材よりも奥側に配置される静電容量センサでの検知結果に基づいて、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことを検知することが可能になる。したがって、本発明では、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことが検知されたときに、所定の異常処理を実行することで、スキミング用装置による磁気データの読取を阻止することが可能になる。また、本発明では、静電容量センサは、カード通過路よりも第1方向側に配置され、カード通過路の第2方向側の面の、静電容量センサに対向する部分には、第1方向側に向かって突出する突出部が形成されているため、大きく曲がっているカードが、カード通過路の、静電容量センサが配置された部分を通過するときの静電容量センサの出力信号のレベルと、曲がりのないカードが、カード通過路の、静電容量センサが配置された部分を通過するときの静電容量センサの出力信号のレベルとの差異を小さくすることが可能になる。したがって、カードリーダに挿入されるカードの曲がり状態に関係なく、静電容量センサでの検知結果に基づいて、カード通過路に異物が取り付けられているのか否かを精度良く検知することが可能になる。なお、本発明では、静電容量センサがシャッタ部材よりも奥側に配置されていても、磁気ヘッドによる磁気データの読取や磁気データの記録に静電容量センサが影響を及ぼすことはない。
【0010】
本発明において、静電容量センサは、カードの通過方向において、シャッタ部材と磁気ヘッドとの間に配置されていることが好ましい。シャッタ部材と磁気ヘッドとの間にスキミング用装置が配置される可能性の方が、磁気ヘッドの奥側にスキミング用装置が配置される可能性よりも高いと想定されるため、このように構成すると、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことを効果的に検知することが可能になる。
【0012】
本発明において、静電容量センサは、シート状に形成されていることが好ましい。このように構成すると、シャッタ部材よりも奥側に静電容量センサが配置されていてもカードリーダを小型化することが可能になる。
【0013】
本発明において、静電容量センサは、異物を検知するための検知面を備え、検知面には、自身が断線したことを検知するための断線検知パターンが形成されていることが好ましい。このように構成すると、犯罪者が静電容量センサに何らかの細工を行った場合に、断線検知パターンが断線するため、断線検知パターンでの検知結果に基づいて、犯罪者が静電容量センサに何らかの細工を行ったことを検知することが可能になる。
【0014】
本発明において、カードリーダは、発光素子と受光素子とを有するとともにシャッタ部材よりも奥側に配置されカードの有無を検知する光学センサと、静電容量センサの出力信号および光学センサの出力信号が入力される制御部とを備え、制御部は、静電容量センサの出力信号と光学センサの出力信号とに基づいてカード通過路に異物が取り付けられたことを検知することが好ましい。このように構成すると、光学センサの出力信号のレベルの変動に同期して静電容量センサの出力信号のレベルが変動する場合には、カード通過路でカードが移動しており、制御部は、カード通過路に異物が取り付けられていないと判別することが可能になる。一方で、光学センサの出力信号のレベルが変動していないにもかかわらず、静電容量センサの出力信号のレベルが変動する場合に、制御部は、カード通過路に異物が取り付けられたと判別することが可能になる。したがって、カード通過路に異物が取り付けられているのか否かを精度良く検知することが可能になる。また、光学センサの出力信号のレベルが変動しているにもかかわらず、静電容量センサの出力信号のレベルが変動していない場合には、制御部は、静電容量センサに対して何らかの細工がなされたと判別することが可能になる。
【0016】
本発明において、カードリーダは、静電容量センサの出力信号が入力される制御部を備え、制御部は、カードリーダにカードが挿入される前の待機時における静電容量センサの出力信号のレベルである待機信号レベルを記憶するとともに、待機信号レベルに対する静電容量センサの出力信号のレベルの変化量が所定の閾値以上となる状態が所定時間以上続くと、カード通過路に異物が取り付けられたと判別することが好ましい。このように構成すると、待機信号レベルに対する静電容量センサの出力信号のレベルの変化量が何らかの影響で瞬間的にまたは短時間、所定の閾値以上となっても、制御部は、カード通過路に異物が取り付けられたと判別しない。したがって、カード通過路に異物が取り付けられているのか否かを精度良く検知することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明のカードリーダでは、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことを検知することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態にかかるカードリーダの概略構成を説明するための平面図である。
図2図1に示すカード通過路の、異物検知機構の周辺部分の構成を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
(カードリーダの構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカードリーダ1の概略構成を説明するための平面図である。図2は、図1に示すカード通過路6の、異物検知機構10の周辺部分の構成を説明するための側面図である。
【0021】
本形態のカードリーダ1は、カード2に記録された磁気データの読取および/またはカード2への磁気データの記録を行うための装置であり、たとえば、ATM(Automated Teller Machine)等の上位装置に搭載されて使用される。このカードリーダ1は、カード2が挿入される挿入口3が形成されるカード挿入部4と、カード挿入部4が固定される本体部5とを備えている。カードリーダ1の内部には、挿入口3から挿入されたカード2が通過するカード通過路6が形成されている。また、カードリーダ1の内部には、カード2を搬送するための駆動ローラ(図示省略)およびパッドローラ(図示省略)が配置されており、カード通過路6では、挿入口3から挿入されたカード2が搬送される。
【0022】
本形態では、図1等に示すX方向でカード2が搬送されて通過する。すなわち、X方向は、カード2の通過方向である。具体的には、X1方向にカード2が挿入され、X2方向にカード2が排出される。また、X方向に直交する図1等のZ方向は、挿入口3から挿入されたカード2の厚さ方向であり、X方向とZ方向とに直交する図1等のY方向は、カード2の幅方向(短手幅方向)である。以下の説明では、X方向を前後方向とし、Y方向を左右方向とし、Z方向を上下方向とする。また、X1方向側を「奥(後ろ)」側、X2方向側を「前」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。本形態では、Z2方向(下方向)は、カード2の厚さ方向の一方である第1方向であり、Z1方向(上方向)は、カード2の厚さ方向の他方である第2方向である。
【0023】
カード2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。このカード2の裏面(下面)には、磁気データが記録される磁気ストライプ2aが形成されている。なお、カード2には、ICチップが内蔵されても良い。また、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
【0024】
また、カードリーダ1は、磁気ストライプ2aに記録された磁気データの読取および/または磁気ストライプ2aへの磁気データの記録を行う磁気ヘッド7と、カード通過路6を閉鎖するためのシャッタ部材8と、カード通過路6においてカード2の有無を検知するための光学センサ9と、カード通過路6に異物が取り付けられたことを検知するための異物検知機構10とを備えている。本形態の異物検知機構10は、静電容量の変化に基づいて異物を検知する静電容量センサである。したがって、以下では、本形態の異物検知機構10を「静電容量センサ10」と表記する。
【0025】
カード挿入部4は、本体部5の前端面に取り付けられている。シャッタ部材8は、カード挿入部4と本体部5との境界部分、または、カード挿入部4の奥端側部分に配置されている。シャッタ部材8には、図示を省略するシャッタ駆動機構が連結されており、シャッタ部材8は、カード通過路6を閉鎖する閉鎖位置とカード通過路6から退避してカード通過路6を開放する開放位置との間で移動可能となっている。なお、カード挿入部4には、挿入口3にカード2が挿入されたことを検知するための挿入検知機構(図示省略)が設けられている。この挿入検知機構は、シャッタ部材8よりも前側に配置されている。
【0026】
磁気ヘッド7は、本体部5の内部に配置されており、シャッタ部材8よりも奥側に配置されている。この磁気ヘッド7は、そのギャップ部がカード通過路6に下側から臨むように配置されている。また、磁気ヘッド7は、左右方向において、挿入口3から挿入されたカード2の磁気ストライプ2aが通過する位置に配置されている。光学センサ9は、カード通過路6を挟むように対向配置される発光素子と受光素子とを備える透過型のセンサである。この光学センサ9は、本体部5の内部に配置されており、シャッタ部材8よりも奥側に配置されている。本形態では、複数の光学センサ9が前後方向に間隔をあけた状態で配置されている。なお、光学センサ9は、カード通過路6の上側または下側に隣接配置される発光素子と受光素子とを備える反射型のセンサであっても良い。
【0027】
静電容量センサ10は、シート状に形成された薄膜状のセンサである。この静電容量センサ10は、異物を検知するための検知面10aを備えている。検知面10aには、自身が断線したことを検知するための断線検知パターンが形成されている。静電容量センサ10は、本体部5の内部に配置されており、シャッタ部材8よりも奥側に配置されている。また、静電容量センサ10は、左右方向において、挿入口3から挿入されたカード2の磁気ストライプ2aが通過する位置に配置されている。本形態では、静電容量センサ10は、前後方向において、磁気ヘッド7とシャッタ部材8との間に配置されている。なお、静電容量センサ10は、上下方向から見たときに、光学センサ9と重ならない位置に配置されている。
【0028】
図2に示すように、静電容量センサ10は、カード通過路6よりも下側に配置されている。具体的には、静電容量センサ10は、検知面10aが上側を向くようにカード通過路6の下側に配置されている。カード通過路6の上面の、静電容量センサ10に対向する部分には、下側に向かって突出する突出部11が形成されている。突出部11の下面は、たとえば、上下方向に直交する平面状に形成されている。
【0029】
また、カードリーダ1は、磁気ヘッド7、光学センサ9および静電容量センサ10が接続される制御部12を備えており、制御部12には、磁気ヘッド7の出力信号、光学センサ9の出力信号および静電容量センサ10の出力信号が入力される。また、制御部12には、シャッタ部材8を駆動するシャッタ駆動機構が接続されている。
【0030】
カードリーダ1にカード2が挿入される前のカードリーダ1の待機時における静電容量センサ10の出力信号のレベルを待機信号レベルとすると、制御部12は、待機信号レベルを記憶するとともに、待機信号レベルに対する静電容量センサ10の出力信号のレベルの変化量が所定の閾値以上となる状態が所定時間以上続くと、カード通過路6にスキミング用装置等の異物が取り付けられたと判別する。たとえば、待機信号レベルに対する静電容量センサ10の出力信号のレベルの変化量が所定の閾値以上となる状態が、カードリーダ1でのカード2の処理時間(具体的には、カードリーダ1における正常なカード2の正常な処理時間)よりも長く続くと、制御部12は、カード通過路6にスキミング用装置等の異物が取り付けられたと判別する。
【0031】
また、制御部12は、カード通過路6に異物が取り付けられたと判別すると、上位装置に所定のアラームを通知する等の所定の異常処理を実行する。また、制御部12は、カード通過路6に異物が取り付けられていないと判別しているときに、挿入口3にカード2が挿入されたことが検知されると、シャッタ駆動機構を駆動して、閉鎖位置にあるシャッタ部材8を開放位置へ移動させる。
【0032】
なお、挿入口3からカード2が挿入されてカード通過路6をカード2が通過すると、静電容量センサ10がカード2を検知して、静電容量センサ10の出力信号のレベルが変動する。この出力信号のレベルの変動量はほぼ一定であるため、待機信号レベルに対する静電容量センサ10の出力信号のレベルの変化量と比較される上記の閾値は、静電容量センサ10がカード2を検知したときの静電容量センサ10の出力信号のレベルの変動量に基づいて、かつ、カード通過路6に異物が取り付けられたことを誤検知することがないように設定されている。また、上記の所定時間は可変となっている。
【0033】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、カード通過路6に異物が取り付けられたことを検知するための静電容量センサ10が、シャッタ部材8よりも奥側に配置されるとともに、左右方向においてカード2の磁気ストライプ2aが通過する位置に配置されている。そのため、本形態では、シャッタ部材8よりも奥側に配置される静電容量センサ10での検知結果に基づいて、カードリーダ1の内部(具体的には、本体部5の内部)にスキミング用装置が取り付けられたことを検知することが可能になる。また、本形態では、制御部12は、本体部5の内部にスキミング用装置が取り付けられたことを検知すると、上位装置に所定のアラームを通知する等の所定の異常処理を実行する。したがって、本形態では、本体部5の内部にスキミング用装置が取り付けられても、スキミング用装置による磁気データの読取を阻止することが可能になる。
【0034】
また、磁気ヘッド7とシャッタ部材8との間にスキミング用装置が配置される可能性の方が、磁気ヘッド7の奥側にスキミング用装置が配置される可能性よりも高いと想定されるが、本形態では、静電容量センサ10が、磁気ヘッド7とシャッタ部材8との間に配置されているため、本体部5の内部にスキミング用装置が取り付けられたことを効果的に検知することが可能になる。
【0035】
本形態では、制御部12は、カードリーダ1にカード2が挿入される前の待機時における静電容量センサ10の出力信号のレベルである待機信号レベルを記憶するとともに、待機信号レベルに対する静電容量センサ10の出力信号のレベルの変化量が所定の閾値以上となる状態が所定時間以上続くと、カード通過路6にスキミング用装置等の異物が取り付けられたと判別している。すなわち、本形態では、待機信号レベルに対する静電容量センサ10の出力信号のレベルの変化量が何らかの影響で瞬間的にまたは短時間、所定の閾値以上となっても、制御部12は、カード通過路6にスキミング用装置等の異物が取り付けられたと判別していない。そのため、本形態では、カード通過路6に異物が取り付けられているのか否かを精度良く検知することが可能になる。
【0036】
本形態では、カード通過路6の上面の、静電容量センサ10に対向する部分に突出部11が形成されている。そのため、本形態では、大きく曲がっているカード2が、カード通過路6の、静電容量センサ10が配置された部分を通過するときの静電容量センサ10の出力信号のレベルと、曲がりのないカード2が、カード通過路6の、静電容量センサ10が配置された部分を通過するときの静電容量センサ10の出力信号のレベルとの差異を小さくすることが可能になる。したがって、本形態では、挿入口3に挿入されるカード2の曲がりの状態に関係なく、静電容量センサ10での検知結果に基づいて、カード通過路6に異物が取り付けられているのか否かを精度良く検知することが可能になる。
【0037】
本形態では、静電容量センサ10は、シート状に形成された薄膜状のセンサである。そのため、本形態では、シャッタ部材8よりも奥側に静電容量センサ10が配置されていてもカードリーダ1を小型化することが可能になる。また、本形態では、静電容量センサ10の検知面10aに、自身が断線したことを検知するための断線検知パターンが形成されているため、犯罪者が静電容量センサ10に何らかの細工を行った場合に、断線検知パターンが断線する。したがって、本形態では、断線検知パターンでの検知結果に基づいて、犯罪者が静電容量センサ10に何らかの細工を行ったことを検知することが可能になる。
【0038】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0039】
上述した形態では、静電容量センサ10は、磁気ヘッド7とシャッタ部材8との間に配置されているが、静電容量センサ10は、磁気ヘッド7よりも奥側に配置されても良い。また、上述した形態では、静電容量センサ10の検知面10aに断線検知パターンが形成されているが、検出面10aに断線検知パターンが形成されていなくても良い。さらに、上述した形態では、静電容量センサ10は、シート状に形成されているが、静電容量センサ10は、ブロック状に形成されていても良い。また、上述した形態では、静電容量センサ10は、カード通過路6の下側に配置されているが、静電容量センサ10は、カード通過路6の上側に配置されても良い。また、カード通過路6の上下の両側のそれぞれに静電容量センサ10が配置されても良い。
【0040】
なお、上述した形態において、スキミング用装置が本体部5の内部に取り付けられる場合、犯罪者は、スキミング用装置をカードリーダ1から容易に取り外すことはできない。そのため、犯罪者は、スキミング用装置で取得した磁気データを無線でカードリーダ1の外部に送る可能性が高いが、カード通過路6の上下の両側のそれぞれに静電容量センサ10が配置されていると、静電容量センサ10が有するシールド効果を利用して、スキミング用装置からカードリーダ1の外部へ無線で磁気データを送るためのアンテナの効率を低減させることが可能になる。また、このアンテナの効率を低減させるために、ATM等の上位装置の前面パネルの内側面にシールド部材を貼り付けても良い。また、スキミング用装置で取得した磁気データを無線で外部に送るためには、電池が必要となるため、電池が取り付けられると想定される箇所に電池を検知するための検知機構を配置しても良い。
【0041】
上述した形態では、カード通過路6に異物が取り付けられたことを検知するための異物検知機構10は、静電容量センサである。この他にもたとえば、異物検知機構10は、磁性材料で形成されるコアと、このコアに巻回される検出用コイルおよび励磁用コイルとを備える金属センサ(磁気センサ)であっても良い。また、異物検知機構10は、透過型または反射型の光学センサであっても良い。
【0042】
なお、異物検知機構10が金属センサである場合、異物検知機構10が磁気ヘッド7の近傍に配置されると、金属センサの励磁用コイルが発生させる磁界の影響が磁気ヘッド7による磁気データの読取や磁気データの記録に影響を与える可能性がある。これに対して、異物検知機構10が静電容量センサであれば、異物検知機構10が磁気ヘッド7の近傍に配置されても、磁気ヘッド7による磁気データの読取や磁気データの記録に異物検知機構10が影響を及ぼすことはない。
【0043】
また、異物検知機構10が光学センサであると、透明なカード2が挿入口3から挿入された場合に、光学センサ9の出力信号および異物検知機構10の出力信号に基づいて、この透明なカード2を検知することはできないが、異物検知機構10が静電容量センサであれば、透明なカード2が挿入口3から挿入された場合に、この透明なカード2を検知することが可能になる。また、異物検知機構10で透明なカード2が検知された場合に、このカード2を排出することが可能になる。
【0044】
ただし、異物検知機構10が静電容量センサであると、カードリーダ1が搭載される上位装置が屋外に設置される場合等に、異物検知機構10が雨水の液体を検知するおそれがある。また、異物検知機構10が雨水等の液体を検知すると、カード通過路6に異物が取り付けられたと誤検知するおそれがある。そのため、カードリーダ1が搭載される上位装置が屋外に設置される場合等、カード通過路6に雨水等の液体が入り込むおそれがある場合には、挿入口3から雨水等の液体が排出されるようにカード通過路6を傾けることが好ましい。
【0045】
上述した形態では、制御部12は、待機信号レベルに対する静電容量センサ10の出力信号のレベルの変化量が所定の閾値以上となる状態が所定時間以上続くと、カード通過路6にスキミング用装置等の異物が取り付けられたと判別している。この他にもたとえば、制御部12は、光学センサ9の出力信号と静電容量センサ10の出力信号とに基づいて、カード通過路6にスキミング用装置等の異物が取り付けられたことを検知しても良い。具体的には、光学センサ9の出力信号のレベルが所定の閾値を超えていないにもかかわらず、静電容量センサ10の出力信号のレベルが所定の閾値以上となっているときに、制御部12は、カード通過路6にスキミング用装置等の異物が取り付けられたと判別しても良い。すなわち、光学センサ9の出力信号のレベルの変動と、静電容量センサ10の出力信号のレベルの変動とが同期しないときに、制御部12は、カード通過路6にスキミング用装置等の異物が取り付けられたと判別しても良い。
【0046】
上述のように、挿入口3にカード2が挿入されてカード通過路6をカード2が通過すると、静電容量センサ10がカード2を検知して、静電容量センサ10の出力信号のレベルが変動するため、このようにすると、光学センサ9の出力信号のレベルの変動に同期して静電容量センサ10の出力信号のレベルが変動する場合には、カード通過路6でカード2が移動しており、カード通過路6に異物が取り付けられていないと判別することが可能になる。一方で、光学センサ9の出力信号のレベルが変動していないにもかかわらず、静電容量センサ10の出力信号のレベルが変動する場合には、カード通過路6にスキミング用装置等の異物が取り付けられたと判別することが可能になる。したがって、カード通過路6に異物が取り付けられているのか否かを精度良く検知することが可能になる。また、光学センサ9の出力信号のレベルが変動しているにもかかわらず、静電容量センサ10の出力信号のレベルが変動しないときに、制御部12は、静電容量センサ10に対して何らかの細工がなされたと判別することが可能になる。
【0047】
なお、光学センサ9の出力信号が変動して光学センサ9の出力信号のレベルが所定の閾値以上となっているにもかかわらず、静電容量センサ10の出力信号のレベルが所定の閾値を超えないときに、カード通過路6に何らかの異物が取り付けられたと制御部12が判別しても良い。この場合には、静電容量センサ10の出力信号のレベルを変化させない何らかの異物がカード通過路6に取り付けられたことを検知することが可能になる。
【0048】
上述した形態において、本体部5の内部にスキミング用装置が取り付けられていることを検知できることが、カードリーダ1が上位装置に搭載される前に犯罪者にわかってしまうと、カードリーダ1が上位装置に搭載される前に、カードリーダ1に何らかの細工が行われて、上位装置に搭載された後のカードリーダ1において本体部5の内部にスキミング用装置が取り付けられていることを検知できなくなるおそれがある。そこで、カードリーダ1が上位装置に搭載された後に静電容量センサ10が検知機能を発揮するように、カードリーダ1に所定の機能が設けられていることが好ましい。あるいは、カードリーダ1が上位装置に搭載された後に静電容量センサ10が適切に検知機能を発揮するように、待機信号レベルに対する静電容量センサ10の出力信号のレベルの変化量と比較される閾値を、カードリーダ1が上位装置に搭載された後に自動調整する機能がカードリーダ1に設けられていることが好ましい。
【0049】
上述した形態では、カードリーダ1は、駆動ローラおよびパッドローラを備えるカード搬送式のカードリーダであるが、本発明の構成が適用されるカードリーダは、ユーザが手動でカード2を移動させながら、磁気データの読取や記録を行う手動式のカードリーダであっても良い。たとえば、本発明の構成が適用されるカードリーダは、カードリーダ内へカード2を差し込む際、あるいは、カードリーダからカード2を引き抜く際に磁気データの読取や記録を行ういわゆるディップ式のカードリーダであっても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 カードリーダ
2 カード
2a 磁気ストライプ
3 挿入口
6 カード通過路
7 磁気ヘッド
8 シャッタ部材
9 光学センサ
10 静電容量センサ(異物検知機構)
10a 検知面
11 突出部
12 制御部
X カードの通過方向
Y カードの幅方向
Z カードの厚さ方向
Z1 第2方向
Z2 第1方向
図1
図2