特許第6472682号(P6472682)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472682
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】光変色性玩具セット
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/22 20060101AFI20190207BHJP
【FI】
   A63H33/22 K
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-45697(P2015-45697)
(22)【出願日】2015年3月9日
(65)【公開番号】特開2016-104110(P2016-104110A)
(43)【公開日】2016年6月9日
【審査請求日】2018年1月18日
(31)【優先権主張番号】特願2014-235127(P2014-235127)
(32)【優先日】2014年11月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000111890
【氏名又は名称】パイロットインキ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】安田 満行
(72)【発明者】
【氏名】神谷 祥江
【審査官】 田辺 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/008936(WO,A1)
【文献】 特開2013−099516(JP,A)
【文献】 特開2009−172021(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/020418(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H1/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピーク波長が400〜495nmの範囲にある光源を備えた光照射具と、400nm未満の最大吸光度から400nmの吸光度間の吸光度積算値(x)と、400nmを超える吸光度の吸光積算値(y)が下記式(1)を満たすフォトクロミック化合物を含む光変色性表示体と、透明性支持体上に染料又は顔料を含む400〜495nmまでの最小透過率が5%未満である光遮蔽性有色像と、400〜495nmまでの最小透過率が5%以上である光透過性有色像とを設けた成形体とからなる光変色性玩具セット。
y/x≧0.02 (1)
【請求項2】
前記光変色性表示体と成形体は互いに密接する面を有する請求項1記載の光変色性玩具セット。
【請求項3】
前記成形体がシートである請求項1又は2記載の光変色性玩具セット。
【請求項4】
前記光遮蔽性有色像及び光透過性有色像の有色度が20以上である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光変色性玩具セット。
【請求項5】
前記成形体の光遮蔽性有色像と光透過性有色像は異なる形状の像である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光変色性玩具セット。
【請求項6】
前記光変色性表示体に非変色性着色像を設けてなる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光変色性玩具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光変色性玩具セットに関する。更に詳細には光変色性表示体と、光照射具と、前記光変色性表示体に像を形成するための成形体とからなる光変色性玩具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォトクロミック化合物を含むフォトクロミック層を設けた日光写真用感光性シートが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記日光写真用感光性シートは、露光部と非露光部を有するマスクを載置して太陽光を暴露することにより、露光部のフォトクロミック化合物が発色して所望の像が形成されるものであり、前記マスクとしては透明性基材に光を遮蔽するインキでネガ画像を形成したマスクや光遮蔽性基材に穴を空けたマスクが用いられている。
前記マスクは、透明性基材にネガ画像を形成したり、光遮蔽性基材に穴を空けているため、使用者はフォトクロミック層を備えた光変色性表示体に形成される像を予測でき、繰り返しの使用により遊戯が単調になりがちで飽きのくることがあった。
そこで、光変色性表示体に像を形成するためのシート(マスク)を見て予想される像と、前記シートを光変色性表示体上に載置して太陽光や紫外線を照射することにより形成される像が異なり、意外性、変化性を付加した光変色性玩具が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前記光変色性玩具はフォトクロミック化合物を変色させるために紫外線を含む光を照射する光源を用いているため、人体への影響が懸念される。
また、青色光を照射する光源を用いて人体への影響が少なく、安全性の高い光変色性玩具が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−19751号公報
【特許文献2】特開2013−99516号公報
【特許文献3】国際公開第2013/008936号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、光変色性表示体に像を形成するための成形体(マスク)を見て予想される像と、前記成形体を光変色性表示体上に載置して人体への影響が少なく、安全性の高い青色光を照射することにより形成される像が異なり、意外性、変化性を付加した光変色性玩具セットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ピーク波長が400〜495nmの範囲にある光源を備えた光照射具と、400nm未満の最大吸光度から400nmの吸光度間の吸光度積算値(x)と、400nmを超える吸光度の吸光積算値(y)が下記式(1)を満たすフォトクロミック化合物を含む光変色性表示体と、透明性支持体上に染料又は顔料を含む400〜495nmまでの最小透過率が5%未満である光遮蔽性有色像と、400〜495nmまでの最小透過率が5%以上である光透過性有色像とを設けた成形体とからなる光変色性玩具セットを要件とする。
y/x≧0.02 (1)
更には、前記光変色性表示体と成形体は互いに密接する面を有すること、前記成形体がシートであること、前記光遮蔽性有色像及び光透過性有色像の有色度が20以上であること、前記成形体の光遮蔽性有色像と光透過性有色像は異なる形状の像であること、前記光変色性表示体に非変色性着色像を設けてなること等を要件とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、光変色性表示体に像を形成するための成形体(マスク)を見ても形成される像を予測することができず、複雑且つ変化性に富む様相変化が視認され、長期間使用しても飽きることがなく、遊びのバリエーションを広げた安全性の高い光変色性玩具セットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】フォトクロミック化合物の波長と吸光度の関係を示すグラフである。
図2】本発明の光変色性玩具セットの一実施例を示す説明図である。
図3】光変色性表示体の縦断面説明図である。
図4】成形体の縦断面説明図である。
図5】光変色性表示体に成形体を載置して光照射した状態を示す説明図である。
図6】光変色性表示体に光照射した後の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の光変色性玩具セットは、光照射具と、光変色性表示体と、前記光変色性表示体に像を形成するための成形体とからなる。
前記光照射具に設けられる光源はピーク発光波長が400〜495nmの範囲にあって、主に青色光を照射するものである。よって、従来のフォトクロミック化合物を良好に変色させる光源である350〜390nm付近にピーク波長を有する紫外光を照射する光照射具とは異なり、紫色乃至青色光であるため、人体への影響が少なく、安全性が高い。
前記光源としては、前記ピーク発光波長を有する光源であれば全て用いることができるが、好ましくは青色発光ダイオードが用いられる。
前記発光ダイオードとしては、日亜化学工業(株)製、青色LED、品番NSPB636CS(ピーク波長465nm)、京セミ(株)製、青色LED、品番KED471M31(ピーク波長470nm)、星和電機(株)製、青色LED、品番SEDB16001A1(ピーク波長460nm)、京セミ(株)製、紫色LED、品番KED405UH3(ピーク波長405nm)、OPTOSUPPLY製、紫色LED、品番OSSV5111A(ピーク波長430nm)、OPTOSUPPLY製、紫色LED、品番OSSV9131A(ピーク波長430nm)が挙げられる。
【0009】
前記光照射具は、光源を取り付けるための本体を有することが好ましい。
前記本体は、プラスチック、ゴム、ガラス、金属、石材、木材等の材質により形成され、好ましくはプラスチックにより形成される。
前記本体は光源を取り付けるものであって、必要により光源の光を効率的に照射するリフレクターを設けたり、光源を発光させるための電源を収容したり、通電用スイッチを設けることもできる。
前記電源としては、太陽電池或いは乾電池が好適に用いられ、乾電池は一次電池或いは二次電池のいずれであってもよい。
前記電源を光変色性表示体に設けることにより、軽便な光照射具が得られる。
なお、電源として太陽電池を用いる場合、太陽光により光照射が可能となり、屋外での使用が可能となる。
前記太陽電池を用いる場合、太陽電池と共に蓄電池を併用することにより、太陽光下により発電し、蓄電池に充電して光照射が可能であり、太陽光下及び屋内でも光照射が可能となる。
前記電源を光変色性表示体に設ける場合、前記表示体に設けられた電源と光照射具は電気コードにより電気的に接続されてなる。
また、電源として発電式の電源を用いることもでき、モーター型手動発電機を光照射具の本体に設けたり、光変色性表示体に設けて光照射具と電気コードにより電気的に接続することもできる。
更に、スピーカー等の音声発生部材と、音声発生部材から所望の電子音を発生させるための電子音を制御する回路基板を収容することもできる。
前記本体の形状は特に限定されるものではなく、光線銃等、種々の形状が挙げられる。
【0010】
前記光照射具において、光源と光変色性表示体が接した際に光源が発光し、光源と光変色性表示体が離れた際に光源が消光する制御機能を設けて、安全性の向上と電力消費を抑制することができる。
前記検知体としては、リミットスイッチ、光電センサ、超音波センサ等を用いて光源を発光、消光させたり、玩具に設けた磁性体の磁力を検知して光源を発光、消光させるリードスイッチが挙げられる。
【0011】
前記光源には、光源から照射される紫外線を除去する透明性を有する紫外線吸収層を設けることもできる。
前記紫外線吸収層は、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂等の透明性樹脂に紫外線吸収剤を適量添加して成形した成形体の他、バインダー樹脂中に紫外線吸収剤を添加して光源表面に塗工して設けることもできる。
前記紫外線吸収剤としては、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−〔5−メチル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
オクチル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、
2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、
2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、
2,2′−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、
2−[2−ヒドロキシフェニル−3,5−ジ−(1,1’−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール2−[3−t−ブチル−5−オクチルオキシカルボニルエチル−2−ヒドロキシフェニル]−ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−4−オクトオキシフェニル]−ベンゾトリアゾール、
メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコール300の反応生成物、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、
ペンタエリスリトールテトラキス(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート)、
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、
2′−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、
2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、
2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2′−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォン酸−トリハイドレート、
2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)−メタン、
2−〔2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル〕−ベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン、
2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナマート、
フェニルサリシレート、
4−tert−ブチルフェニルサリシレート、
4−オクチルフェニルサリシレート、
2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、
2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、
エタンジアミド−N−(2−エトキシフェニル)−N′−(4−イソドデシルフェニル)、
2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリル−オキシカルボニル)−エチル−7−オキサ−3,20−ジアゾジスピロ(5,1,11,2)ヘンエイコ酸−21−オン、
微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化チタンを例示できる。
【0012】
前記光変色性表示体は、紙、合成紙、プラスチック、ゴム、金属、ガラス、石材、木材、布帛等の基材(支持体)から構成され、基材中にフォトクロミック化合物を添加したり、基材上にフォトクロミック化合物を含むフォトクロミック層を設けたものである。
具体的には、フォトクロミック化合物を汎用のバインダー樹脂、例えば、各種合成樹脂エマルジョン、水溶性乃至油溶性の合成樹脂、その他糊剤等から選ばれる固着剤を含むビヒクル中に配合して塗料や印刷インキ等の液状物を調製し、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷方法、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の方法により、基材上にフォトクロミック層を設けて光変色性表示体が得られる。
この際、前記基材は白色、透明、半透明の他、非変色性有色顔料の適宜量を混在させた有色の材料を用いたり、表面に着色層を設けた材料を用いることもできる。
また、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂中にフォトクロミック化合物をブレンドした成形用樹脂により光変色性表示体を成形して得ることもできる。
この際、フォトクロミック化合物と共に、非変色性有色顔料の適宜量を混在させて光変色時の色変化を多彩に構成することもできる。
【0013】
前記フォトクロミック化合物としては、青色光を適用した際にも高い感度で変色するスピロオキサジン誘導体、スピロピラン誘導体、ナフトピラン誘導体等のフォトクロミック化合物、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物が用いられる。
前記フォトクロミック化合物は400nm未満の最大吸光度と400nmの吸光度間の吸光度積算値(x)と、400nmを超える吸光度の吸光積算値(y)が下記式(1)を満たす(図1参照)。
y/x≧0.02 (1)
前記式(1)を満たすことにより、ピーク波長が400〜495nmの範囲の光源に対しフォトクロミック性を発現し、光照射時に視認可能な色濃度を呈することができる。
前記y/xが0.02未満では、前記光照射具を用いて光照射してもフォトクロミック化合物が発色しなかったり、或いは、殆ど発色せず十分な色濃度が得られないため、使用者が色変化を視認することができず、玩具としての実用性を満足させ難い。
なお、y/xは好ましくは0.025以上であり、より好ましくは0.03以上である。
【0014】
前記フォトクロミック化合物としては、
1,3,3−トリメチル−6′−(2,3−ジヒドロ−1−インドリノ)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(1−ピペリジノ)−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1,3,3−トリメチル−6′−インドリノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1,3,3−トリメチル−6′−モルホリノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1−エチル−3,3−ジメチル−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1,3,3−トリメチル−9′−メトキシ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1,3,3−トリメチル−8′−ブロモ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1−エチル−3,3−ジメチル−6′−ピペリジノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1−エチル−3,3−ジメチル−6−モルホリノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1,3,3−トリメチル−8′−シアノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1−エチル−3,3−ジメチル−6′−インドリノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1,3,3−トリメチル−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]キノリノ[6,5−b][1,4]オキサジン]、
1−エチル−3,3−ジメチル−8′−シアノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
3,3,9,9−テトラフェニル−3H,9H−ナフト[2,1−b:6,5−b′]−ジピラン、
3,3,10,10−テトラフェニル−3H,10H−ナフト[2,1−b:7,8−b′]ジピラン、
3,3,9,9−テトラフェニル−3H,10H−ナフト[4,3−b:8,7−b]−ジピラン、
3,3−ジフェニル−9−メトキシ−3H−ナフト[4,3−b]ピラン、
3,3−ジフェニル−10−メチル−3H−ナフト[2,1−b:5,6−b]ジピラン−8−オン、
3,3,9,9−テトラ(4′−メトキシ−フェニル)−3H,9H−ナフト[2,1−b:6,5−b′]−ジピラン、
3,3−ジフェニル−8−(2−(4−ジメチルアミノ)フェニル)エテン−3H−ナフト[4,3−b]ピラン、
3,3−ジフェニル−5−アセトキシ−3H−ナフト[4,3−b]ピラン、
3,3−ジフェニル−8−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)カルボニル−3H−ナフト[4,3−b]ピランを例示できる。
【0015】
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物としては、
1,2−ビス(2−メチル−6−ニトロ−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−メチル−6−(1−ピロリジノ)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−ジエチルアミノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−メチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−ジベンジルアミノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−ブチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾフラニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−ブチル−6−ニトロ−3−ベンゾフラニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−メチル−5−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−チエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2,4−ジメチル−5−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−チエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2,4−ジメチル−5−(4−アミノフェニル)−3−チエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−エチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−ジベンジルアミノ−2−エチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
等を例示できる。
【0016】
更に、前記フォトクロミック化合物は、スチレン系オリゴマーに溶解して用いることもでき、耐光性を向上させると共に、発色濃度を向上させることができる。
前記スチレン系オリゴマーは重量平均分子量が200乃至6000、好ましくは200乃至4000のものが用いられる。スチレン系オリゴマーの重量平均分子量が200未満の場合、含有モノマーが多くなり、安定性に欠けるため耐光性向上効果を発現し難くなる。また、重量平均分子量が6000を越えると、光照射により色残りが発生し、且つ、発色濃度が低くなり、変色感度は鈍くなる。
なお、重量平均分子量は、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフ法)により測定する。
前記スチレン系オリゴマーとしては、低分子量ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、α−メチルスチレン重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体等があげられる。
前記フォトクロミック化合物とスチレン系オリゴマーの質量比は、1:1〜1:10000であることが好ましく、より好ましくは1:5〜1:500である。
前記質量比を満たすことによって、耐光性向上効果に優れ、且つ、フォトクロミック化合物は十分な発色濃度を示すことができる。
【0017】
更に、ヒンダードアミン系光安定剤を添加して耐光性をいっそう向上させることもできる。
また、前記フォトクロミック化合物と共に変色感度調整剤を用いることもできる。
前記変色感度調整剤は、水酸基、エステル基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも一以上の官能基を有し、沸点が150℃以上であり、且つ、融点又は軟化点が150℃以下の有機化合物である。
前記有機化合物としては、炭素数8以上の脂肪族一価アルコール、炭素数8以上の脂肪族二価アルコール、炭素数7以上の芳香族アルコール、炭素数7以上の脂肪族エステル、炭素数7以上の芳香族エステル、炭素数6以上の脂肪族カルボン酸、炭素数6以上の芳香族カルボン酸が挙げられる。
【0018】
更に、フォトクロミック化合物と、重量平均分子量が12000以下のアクリル系オリゴマーとからなる鋭敏な消色感度を示すフォトクロミック材料を用いることもできる。
前記フォトクロミック化合物は、重量平均分子量が12000以下のアクリル系オリゴマー中に溶解して実用に供され、発色感度は鋭敏であると共に、消色感度を鋭敏化させる変色機能の調節が可能である。
前記重量平均分子量が12000以下のアクリル系オリゴマーとしては、アクリル酸エステル共重合体が好適に用いられ、東亜合成(株)製、商品名:ARUFON UP−1170(重量平均分子量8000、ガラス転移点−51℃)、同UP−1080(重量平均分子量6000、ガラス転移点−61℃)、同UP−1000(重量平均分子量3000、ガラス転移点−77℃)、同UP−1020(重量平均分子量2000、ガラス転移点−80℃)、同UP−1010(重量平均分子量1700、ガラス転移点−31℃)、同UH−2000(重量平均分子量11000、ガラス転移点−55℃)、同US−6100(重量平均分子量2500、ガラス転移点−58℃)、同UC−3510(重量平均分子量2000、ガラス転移点−50℃)等が挙げられる。
【0019】
更に、フォトクロミック化合物と、複数のガラス転移点が異なるオリゴマー、又は、ガラス転移点が異なるオリゴマー及びポリマーとからなり、一方のオリゴマーのガラス転移点が−30℃以下であり、他方のオリゴマーまたはポリマーのガラス転移点が40℃以上である鈍感な消色感度を示すフォトクロミック材料を用いることもできる。
前記フォトクロミック化合物は、複数のガラス転移点が異なるオリゴマー、または、ガラス転移点が異なるオリゴマー及びポリマー中に溶解して実用に供される。
前記フォトクロミック化合物を溶解する媒体として一方のオリゴマーのガラス転移点が−30℃以下であり、他方のオリゴマーまたはポリマーのガラス転移点が40℃以上であることにより、発色感度を鋭敏化させると共に、消色感度を鈍化させる変色機能の調節が可能である。
前記オリゴマーとしては、スチレン系オリゴマー、アクリル系オリゴマーが挙げられる。
前記スチレン系オリゴマーとしては、低分子量ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体、α−メチルスチレン重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体等が挙げられる。
前記ポリマーとしては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂が挙げられる。
前記スチレン系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ジメチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン誘導体の単独重合体又はそれらの組み合わせからなる共重合体、及びスチレン誘導体とジビニルベンゼン、メチルメタクリレートアクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン等との共重合体等が挙げられる。
前記アクリル系樹脂としては、アクリル系単量体、例えば(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルから選択された少なくとも1種のモノマーを構成単量体として含むホモポリマーまたは共重合体が挙げられる。
【0020】
前記フォトクロミック化合物は、マイクロカプセルに内包させたフォトクロミックマイクロカプセル顔料、熱可塑性又は熱硬化性樹脂中に分散したフォトクロミック樹脂粒子として用いることもできる。
また、前記フォトクロミック化合物に加えてスチレン系オリゴマーを含む系、更にヒンダードアミン系光安定剤や変色感度調整剤を含む系も同様にマイクロカプセルに内包させてフォトクロミックマイクロカプセル顔料を形成したり、熱可塑性又は熱硬化性樹脂中に分散してフォトクロミック樹脂粒子を形成することができる。
前記マイクロカプセル顔料や樹脂粒子は、平均粒子径0.5〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは、1〜30μmの範囲が実用性を満たす。前記マイクロカプセルの平均粒子径が100μmを越えると、インキ、塗料、或いは熱可塑性樹脂中へのブレンドに際して、分散安定性や加工適性に欠ける。一方、平均粒子径が0.5μm未満では、高濃度の発色性を示し難くなる。
粒子径の測定はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置〔(株)堀場製作所製;LA−300〕を用いて測定し、その数値を基に平均粒子径(メジアン径)を体積基準で算出する。
前記マイクロカプセル化は、イソシアネート系の界面重合法、メラミン−ホルマリン系等のin Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
【0021】
前記フォトクロミック化合物と共に紫外線吸収剤を内包するフォトクロミックマイクロカプセル顔料を用いることにより、太陽光による発色を軽減させることができる。
なお、マイクロカプセル内のフォトクロミック化合物と紫外線吸収剤の質量比は1:0.01〜1:100、好ましくは1:0.1〜1:50、より好ましくは1:1〜1:10である。
前記質量比を満たすことにより、太陽光による発色をいっそう軽減させることができ、屋外での実用性を満足させ易くなる。
なお、光変色性表示体を屋外で使用する場合、表示体に400nm以下の光を吸収する光吸収層を設けることにより、表示体が太陽光によって色変化することを防止することができるため好適である。
前記光吸収層は、390nmにおける透過率が5%未満、好ましくは4%以下であることにより、いっそう表示体が太陽光によって色変化することを防止することができる。
前記光吸収層としては、紫外線吸収剤を含む層が挙げられる。
【0022】
前記フォトクロミック層中には、蓄光材料或いは蛍光材料を含有させたり、フォトクロミック層の下層に蓄光材料或いは蛍光材料を含む層を設けることもできる。
蓄光材料を用いた系では光照射具からフォトクロミック層に光照射した際、照射箇所の蓄光材料が発光し、蛍光材料を用いた系では照射箇所の蛍光材料がリン光を発するため、意外性を有すると共に、光照射時に視認される像と、光照射を止めた状態でフォトクロミック化合物により形成される像の様相が異なるため、変化性を有する光変色性玩具セットを得ることができる。
前記蓄光材料は、公知のCaS/Bi系、CaSrS/Bi系、ZnS/Cu系、ZnCdS/Cu系、SrAl2 4 /稀土類金属系等の材料を用いることができる。
前記蛍光材料は、蛍光染料(蛍光増白剤を含む)、蛍光染料を樹脂に固着させた蛍光顔料、CaS:Eu2+、CaSiN:Eu2+、SrSi:Eu2+、(Sr,Ca)SiO:Eu2+、CaAlSiN:Eu2+、SrCa:Eu2+、(Ba,Sr)SO:Eu2+、YAl12:Ce3+、ベータサイアロン(β−sialon:Eu2+)等の無機蛍光体等が挙げられる。
前記蓄光材料或いは蛍光材料は一種類を単独で用いる他、二種類以上を併用して用いてもよい。また、蓄光材料と蛍光材料を併用して用いることもできる。
【0023】
前記光照射具と、光変色性表示体と、前記光変色性表示体に像を形成するための成形体を組み合わせて光変色性玩具セットが得られる。
なお、前記光変色性表示体と成形体は一体であってもよいが、光変色性表示体と成形体が別体の光変色性玩具セットであってもよい。
更に、前記光変色性玩具セットは、複数の成形体を備えた様々な像を形成することのできる玩具セットであることが好ましい。
前記成形体は、光照射具と光変色性表示体との間に介在させて光照射することにより玩具に像を形成することができる。
前記成形体は、透明性支持体上に染料又は顔料を含む400〜495nmまでの最小透過率が5%未満である光遮蔽性有色像と、400〜495nmまでの最小透過率が5%以上である光透過性有色像とを設けてなる。
前記光遮蔽性有色像と、光透過性有色像は、大きさの異なる同一形状の像であってもよいが、意外性を付与するために異なる形状の像であることが好ましく、各像は並設、或いは一部が重なっていてもよい。
更に、前記成形体自体を光透過性有色像とすることもできる。
前記成形体は、光照射具と光変色性表示体との間に介在させて光照射すると、光透過性有色像を設けた箇所は光が透過し、光遮蔽性有色像を設けた箇所は光が遮られるため、成形体に形成された像(光透過性有色像と光遮蔽性有色像が合わさった像)と、光変色性表示体に形成される像が異なり、形成される像を予測することができず、複雑且つ変化性に富む様相変化を視認することができる。
なお、光透過性有色像及び光遮蔽性有色像は、それぞれの色数を多くして多彩なものとしたり、各像の色差を近くすることにより、成形体に形成された像(光透過性有色像と光遮蔽性有色像が合わさった像)と、光変色性表示体に形成される像にいっそう意外性と変化性を付与できる。
前記成形体は、光変色性表示体と密接する面を有することにより、光変色性表示体上に明瞭な像を形成することができる。
また、前記光遮蔽性有色像は、成形体の光変色性表示体と密接する面に設けることが好ましく、光変色性表示体上に遮蔽性有色像によって光が遮られた箇所がより明瞭な像を形成することができる。
なお、前記成形体は、立体形状の他、シートであってもよい。
前記光変色性表示体が平面形状(シート)の場合、前記成形体の形状は、平面形状(シート)の他、少なくとも一面が平面形状の立体物が挙げられる。
また、前記光変色性表示体が立体形状の場合、前記成形体の形状は、前記表示体に密接する立体表面を少なくとも有する立体物が挙げられる。
また、前記透明性支持体と、光透過性有色像及び光遮蔽性有色像の有色度(透明支持体の色と各像の色との差)は20以上が好ましく、各像が視認され易くなる。一方、有色度が20未満では透明性支持体との色の差が視認され難く、商品性を損ない易い。
前記光透過性有色像及び光遮蔽性有色像は、染料又は顔料を含む像であり、バインダー樹脂を少なくとも含有するインキや塗料を用いて透明性支持体上に印刷等の方法により形成される。
前記透明性支持体の材質は特に限定されるものではなく、ガラス、プラスチックが挙げられる。
前記光遮蔽性有色像に用いられる染料及び顔料は、400nm以上495nmまでの最小透過率が5%未満となる像を形成できればその種類、添加量は特に限定されるものではないが、カーボンブラック、酸化チタン、ピグメントイエロー81等が用いられ、これらの染料及び顔料は色濃度が比較的薄い場合でも最小透過率が5%未満となり易いため好適に用いられる。
前記光透過性有色像に用いられる染料及び顔料は、400nm以上495nmまでの最小透過率が5%以上となる像を形成できればその種類、添加量は特に限定されるものではないが、アシッドレッド92、アシッドブルー90、アシッドブルー1、アシッドレッド289、アシッドレッド87、アシッドブルー9、アシッドブルーPH、ピグメントイエロー13等が用いられ、これらの染料及び顔料は色濃度が比較的濃い場合でも最小透過率が5%以上となり易いため好適に用いられる。
【実施例】
【0024】
以下に実施例を記載するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
なお、実施例中の部は質量部である。
光照射具のピーク波長の測定方法
分光光度計(Gretag Macbeth社製、Spectro Eye)を用いて、未照射時の反射スペクトルを基準にして光照射時の反射スペクトルを測定し、各波長でのスペクトル差を率に換算して強度とし、最も高い値の波長をピーク波長とした。
フォトクロミック化合物の吸光度測定及び吸光度積算値の測定
フォトクロミック化合物1部をエタノール8000部に混合、溶解し、溶解部をデカンテートして、日立製作所製U−3210形自記分光光度計にて吸光度を320nmから700nmの波長の範囲で測定した。測定した吸光度−波長特性グラフについて、400nm未満の最大吸光度を示した波長から400nmまでの吸光度積算値(x)と400mn以上の吸光度積算値(y)との比y/xを面積比により計算して求めた。
光吸収層の光反射率測定方法
光吸収層を設けた玩具と、設けていない光変色性表示体の各表面に、分光光度計(Gretag Macbeth社製、Spectro Eye)を用いて波長390nmにおける反射スペクトルを測定し、下記式より光反射率とした。
光反射率=(光吸収層を設けた表示体の390nmにおける反射スペクトル値)/(光吸収層のない表示体の390nmにおける反射スペクトル値)×100
その他の波長400nm、410nmについては各波長における反射スペクトルを測定し、同様にして各波長の反射率とした。
有色度の測定方法
分光光度計(Gretag Macbeth社製、Spectro Eye)を用いて、白色紙及び黒色紙の上に像が形成されていない箇所の透明性支持体を載置し、その状態のLab値を基準として、白色紙又は黒色紙を同じ状態に載置した像形成部分の透明性支持体のΔELab値を測定し、白色紙上又は黒色紙上のΔELab値の内数値が大きい値を有色度とした。
400nm以上495nmまでの最小透過率測定方法
像のない透明性支持体を対照サンプルとし、像形成部分を試料として、日立製作所製U−3210形自記分光光度計にて透過率を400nmから495nmの波長の範囲で測定した。その値の最小透過率を400nm以上495nmまでの最小透過率とした。
なお、各測定は25℃において行った。
【0025】
実施例1(図2乃至6参照)
光照射具の作製
円筒形の本体(直径25mm、長さ200mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具9を得た。
【0026】
光変色性表示体の作製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−ナフトオキサジン(y/x=0.06、x=60.92、y=3.62)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製 商品名:ピコラスティックA−5)15部、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール10部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部をアクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合して得られたフォトクロミックインキを調整した。
支持体3として白色厚紙の全面に前記フォトクロミックインキを用いてスクリーン印刷により印刷してフォトクロミック層4を設けて光変色表示体2を得た。
【0027】
成形体(シート)の作製
透明性支持体6として透明PETフィルム(厚さ100μm)上に、アシッドブルーPH7部、アクリル樹脂エマルジョン95部、消泡剤2部、粘度調整剤3部を混合した非変色インキをスクリーン印刷により青色の「A」の文字を印刷して光透過性有色像7(400nm以上495nmまでの最小透過率43%、有色度72)を得た。
次いで、「A」の文字の上に重ねてNOVOPERM YELLOW H10G(PIGMENT YELLOW 81)5部、50%アクリル樹脂酢酸ブチル溶液94部、粘度調整剤1部を混合した非変色インキをスクリーン印刷により黄色の「あ」の文字を印刷して光遮蔽性有色像8(400nm以上495nmまでの最小透過率1.8%、有色度97)を形成して成形体5(シート)を得た。
【0028】
光変色性玩具セットの作製
前記光照射具と光変色性表示体と成形体とを組み合わせて光変色性玩具セット1を得た。
前記光変色性玩具は光変色性表示体のフォトクロミック層上に青色の「A」及び黄色の「あ」の文字が重なって視認される成形体を載置して前記光照射具を用いて光照射し、成形体を取り外したところ、光変色性表示体に赤地に白色の「あ」の文字が形成され、「A」の文字は殆ど形成されなかった。
前記光変色表示体を暫く放置すると再び全面が白色になり、再び成形体を載置して光照射具を用いて光照射すると赤地に白色の「あ」の文字が形成された。
なお、光照射具の光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具セットを得ることができた。
【0029】
実施例2
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)の先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設け、本体の後部から電気コードを延設して光照射具を得た。
【0030】
光変色性表示体の作製
1,3,3−トリメチル−8′−シアノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン](y/x=0.09、x=18.59、y=1.67)2部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール0.5部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、支持体として白色布帛にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に水分散型紫外線吸収剤3部、アクリル樹脂エマルジョン50部、消泡剤1部、粘度調整剤2部を混合した無色のトップコート剤をスクリーン印刷して光吸収層を設けて光変色性表示体を得た。
なお、前記光吸収層の390nmにおける光反射率は2%であった。
【0031】
成形体(シート)の作製
透明性支持体として透明塩化ビニルフィルム(厚さ500μm)上に、PV ファスト レッド E5B(PIGMENT VIOLET 19)4部、50%アクリル樹脂酢酸ブチル溶液94部、粘度調整剤1部を混合した非変色インキをスクリーン印刷により赤色の恐竜絵柄を網点にて印刷して光透過性有色像(400nm以上495nmまでの最小透過率33%、有色度88)を得た。
次いで、恐竜柄の上に重ねてカーボンブラック1部、50%アクリル樹脂酢酸ブチル溶液99部、粘度調整剤1部を混合した非変色インキをスクリーン印刷により黒色の骨の絵柄を印刷して光遮蔽性有色像(400nm以上495nmまでの最小透過率6%、有色度79)を形成して成形体(シート)を得た。
【0032】
光変色性玩具セットの作製
前記光照射具と光変色性表示体と成形体とを組み合わせて光変色性玩具セットを得た。
前記光変色性玩具は光変色性表示体のフォトクロミック層上に赤色の恐竜柄及び黒色の骨柄が重なって視認される成形体を載置して前記光照射具を用いて光照射し、成形体を取り外したところ、光変色性表示体に青地に白色の骨の絵柄が形成され、恐竜柄は殆ど形成されず、あたかもX線を照射して骨の画像を映し出すレントゲンのような様相変化を付与することができた。
前記光変色表示体を暫く放置すると再び全面が白色になり、再び成形体を載置して光照射具を用いて光照射すると青地に白色の骨の絵柄が形成された。
なお、光照射具の光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具セットを得ることができた。
また、光変色性表示体のフォトクロミック層上に成形体を載置して、太陽光を照射しても変色せず、成形体を載置して光照射具を用いて光照射したところ青地に白色の骨の絵柄が形成された。
【0033】
実施例3
光照射具の作製
紫外線吸収剤1部、アクリル樹脂50%キシレン溶液50部、イソシアネート系硬化剤10部を混合して紫外線吸収インキを得た。
前記紫外線吸収インキを用いて、LED(ピーク波長405nm)の表面に塗工してLED表面に紫外線吸収層を設けた。
円筒形の本体(直径20mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源として前記LEDを取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0034】
光変色性表示体の作製
1−エチル−3,3−ジメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−モルフォリノ)−ナフトオキサジン(y/x=0.06、x=60.92、y=3.62)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−5)15部光安定剤1部、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン5部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン10部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、支持体として淡黄色合成紙にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に紫外線吸収剤3部、50%アクリル樹脂キシレン溶液6部、消泡剤0.1部、キシレン2部、メチルイソブチルケトン2部を混合した無色のトップコート剤を用いてハート型にスクリーン印刷して光吸収層(光吸収像)を設けて光変色性表示体を得た。
なお、前記光吸収層の390nmにおける光反射率は1%であった。
【0035】
成形体(シート)の作製
透明性支持体として透明PETフィルム(厚さ100μm)上に、IRGALITE YELLOW LBK(PIGMENT YELLOW 13)5部、50%アクリル樹脂酢酸ブチル溶液94部、粘度調整剤1部を混合した非変色インキをスクリーン印刷により黄色のレモン柄を網点にて印刷して光透過性有色像(400nm以上495nmまでの最小透過率22%、有色度87)を得た。
次にそのレモン柄の上に重ねてNOVOPERM YELLOW H10G(PIGMENT YELLOW 81)5部、50%アクリル樹脂酢酸ブチル溶液94部、粘度調整剤1部を混合した非変色インキをスクリーン印刷により黄色の「レモン」の文字を印刷して光遮蔽性有色像(400nm以上495nmまでの最小透過率0.9%、有色度97)を形成して成形体(シート)を得た。
【0036】
光変色性玩具セットの作製
前記光照射具と光変色性表示体と成形体とを組み合わせて光変色性玩具セットを得た。
前記光変色性玩具は光変色性表示体のフォトクロミック層上に黄色のレモン柄及び黄色の「レモン」の文字が重なって視認される成形体を載置して前記光照射具を照射し、成形体を取り外したところ、光変色性表示体に赤地に白色の「レモン」の文字が形成され、レモンの絵柄は殆ど形成されなかった。
前記光変色表示体を暫く放置すると再び全面が白色になり、再び成形体を載置して光照射具を用いて照射すると赤地に白色の「レモン」の文字が形成された。
なお、光照射具の光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具セットを得ることができた。
また、光変色性表示体のフォトクロミック層上に成形体を載置して、太陽光を照射するとハート型の周囲は赤色に変色するものの、ハート型の部分は殆ど変色せず、その状態でハート形の部分に成形体を載置して光照射具を用いて光照射したところ赤地に白色の「レモン」の字が形成された。
【0037】
実施例4
光照射具の作製
円筒形の本体(直径25mm、長さ200mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0038】
光変色性表示体の作製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−ナフトオキサジン(y/x=0.06、x=60.92、y=3.62)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製 商品名:ピコラスティックA−5)15部、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール10部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部をアクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合して得られたフォトクロミックインキを調整した。
支持体として白色厚紙の全面に前記フォトクロミックインキを用いてスクリーン印刷により印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上に粘着層を有した膜厚16μm透明PETフィルムをラミネート加工して光変色表示体を得た。
【0039】
成形体(立体物)の作製
透明性支持体として半球形状の樹脂成形物の球面上に、アシッドブルーPH7部、アクリル樹脂エマルジョン95部、消泡剤2部、粘度調整剤3部を混合した非変色インキをタンポ印刷により青色の「×」の記号を印刷して光透過性有色像(400nm以上495nmまでの最小透過率43%、有色度72)を得た。
次いで、透明性支持体の平面部分にNOVOPERM YELLOW H10G(PIGMENT YELLOW 81)5部、50%アクリル樹脂酢酸ブチル溶液94部、粘度調整剤1部を混合した非変色インキをタンポ印刷により黄色の「○」の記号を印刷して光遮蔽性有色像(400nm以上495nmまでの最小透過率1.8%、有色度97)を形成して成形体(立体物)を得た。
【0040】
光変色性玩具セットの作製
前記光照射具と光変色性表示体と成形体とを組み合わせて光変色性玩具セットを得た。
前記光変色性玩具は光変色性表示体のフォトクロミック層上に青色の「×」及び黄色の「○」の記号が重なって視認される成形体の平面部分を密接配置して前記光照射具を用いて光照射し、成形体を取り外したところ、光変色性表示体に赤地に白色の「○」の記号が形成され、「×」の記号は殆ど形成されなかった。
前記光変色表示体を暫く放置すると再び全面が白色になり、再び成形体を載置して光照射具を用いて光照射すると赤地に白色の「○」の記号が形成された。
なお、光照射具の光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具セットを得ることができた。
【0041】
実施例5
光照射具の作製
円筒形の本体(直径25mm、長さ200mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0042】
光変色性表示体の作製
1,2−ビス[2−メチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン(y/x=0.03、x=20.73、y=0.62)0.6部を、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを調整した。
支持体として白色厚紙の全面に前記フォトクロミックインキを用いてスクリーン印刷により印刷してフォトクロミック層を設け光変色表示体を得た。
【0043】
成形体(シート)の作製
透明性支持体として半球形状の樹脂成形物の球面上に、PV ファスト レッド E5B(PIGMENT VIOLET 19)4部、50%アクリル樹脂酢酸ブチル溶液94部、粘度調整剤1部を混合した非変色インキをタンポ印刷により赤色の魚の絵柄を印刷して光透過性有色像(400nm以上495nmまでの最小透過率33%、有色度88)を得た。
次いで、透明性支持体の平面部分にカーボンブラック1部、50%アクリル樹脂酢酸ブチル溶液99部、粘度調整剤1部を混合した非変色インキをタンポ印刷により黒色の骨の絵柄を印刷して光遮蔽性有色像(400nm以上495nmまでの最小透過率6%、有色度79)を形成して成形体(立体物)を得た。
【0044】
消色具の作製
紫外線を含む500nm未満の光を遮蔽する顔料〔NOVOPERM YELLOW H10G(C.I.PIGMENT YELLOW 81)〕5部、塩化ビニル樹脂100部を混合して成形した消去具(シート)を得た。
【0045】
光変色性玩具セットの作製
前記光照射具と光変色性表示体と成形体と消去具を組み合わせて光変色性玩具セットを得た。
前記光変色性玩具は光変色性表示体のフォトクロミック層上に赤色の魚の絵柄及び黒色の骨の絵柄が重なって視認される成形体の平面部分を密接配置して前記光照射具を用いて光照射し、成形体を取り外したところ、光変色性表示体に紫地に白色の骨の絵柄が形成され、魚の絵柄は殆ど形成されず、あたかもX線を照射して骨の画像を映し出すレントゲンのような様相変化を付与することができた。
前記紫地に白色の骨の絵柄が形成された成形体は、室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
【0046】
前記紫地に白色の骨の絵柄が形成された成形体に消色具を配置して白色のLEDを備えた光照射装置を用いて光照射したところ、照射箇所が紫色から白色に変色した。
再び成形体を載置して光照射具を用いて光照射すると紫地に白色の骨の絵柄が形成された。
なお、光照射具の光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具セットを得ることができた。
また、光変色性表示体のフォトクロミック層上に成形体を載置して、太陽光を照射しても変色せず、成形体を載置して光照射具を用いて光照射したところ紫地に白色の骨の絵柄が形成された。
【符号の説明】
【0047】
1 光変色性玩具セット
2 光変色性表示体
3 支持体
4 フォトクロミック層
5 成形体
6 透明性支持体
7 光透過性有色像
8 光遮蔽性有色像
9 光照射具
図1
図2
図3
図4
図5
図6