特許第6472720号(P6472720)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472720
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】開口部装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20190207BHJP
   E06B 9/52 20060101ALI20190207BHJP
   E06B 9/04 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   E06B1/56 A
   E06B9/52 B
   E06B9/52 A
   E06B9/04 E
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-125693(P2015-125693)
(22)【出願日】2015年6月23日
(65)【公開番号】特開2017-8601(P2017-8601A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2017年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島田 成子
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−193085(JP,U)
【文献】 特開2010−024683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00 − 1/70
E06B 9/52 − 9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サッシ枠と、アタッチメント枠と、アタッチメント枠に設けたパネル体とを備え、アタッチメント枠は四周枠組みしたものをサッシ枠の室外側面に取り付けてあり、アタッチメント上枠は、サッシ上枠の室外側上面に載置する載置片と、載置片の下方にサッシ上枠の室外側面に対向する室内側面とを長手方向に有し、載置片の下方で、アタッチメント上枠の室内側面をサッシ上枠の室外側面に接着してあることを特徴とする開口部装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、躯体開口部に設ける開口部装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サッシ上枠及び下枠に設けた網戸レールを一枚網戸が走行する引違いサッシ(開口部装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−260821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、サッシの室外側に、更に網戸や雨戸等のパネル体を取り付けることが求められていた。
【0005】
そこで、本発明は、サッシの室外側にパネル体を取り付けできる開口部装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、サッシ枠と、アタッチメント枠と、アタッチメント枠に設けたパネル体とを備え、アタッチメント枠は四周枠組みしたものをサッシ枠の室外側面に取り付けてあり、アタッチメント上枠は、サッシ上枠の室外側上面に載置する載置片と、載置片の下方にサッシ上枠の室外側面に対向する室内側面とを長手方向に有し、載置片の下方で、アタッチメント上枠の室内側面をサッシ上枠の室外側面に接着してあることを特徴とする開口部装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、サッシ枠にアタッチメント枠を取り付けることで、サッシの室外側にパネル体を取り付けできる。
アタッチメント上枠に突設した載置片をサッシ上枠の上面に載置して、載置片の下方で、アタッチメント上枠の室内側面とサッシ上枠の室外側面を接着してあり、ねじ止めしていないから、アタッチメント上枠とサッシ上枠との間に雨水が入り込むことがないので、水密処理が不要である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施の形態にかかる開口部装置において、内障子及び外障子と、内網戸及び外網戸とを一側に寄せた状態の縦断面図である。
図2】第1本実施の形態にかかる開口部装置において、内障子及び外障子と、内網戸及び外網戸とを各々閉じ状態にした横断面図である。
図3】アタッチメント下枠と縦枠との連結部を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は平面図である。
図4図3に示す端部キャップの図であり、(a)は左側面図、(b)は底面図、(c)は正面図、(d)は右側面図である。
図5図2に示す開口部装置において、内障子及び外障子を共に一側に寄せ、内網戸及び外網戸を他側に寄せた状態を示す横断面図である。
図6図1に示す開口部装置において、アタッチメント枠を取り付ける前のサッシの縦断面図である。
図7図2に示す開口部装置において、アタッチメント枠を取り付ける前のサッシの横断面図である。
図8】第2実施の形態にかかる開口部装置において、内障子及び外障子と、内網戸及び外網戸とを一側に寄せた状態の縦断面図である。
図9】第2実施の形態にかかる開口部装置において、内障子及び外障子と、内網戸及び外網戸とを各々閉じ状態にした横断面図である。
図10図9に示す開口部装置において、内障子及び外障子を共に一側に寄せ、内網戸及び外網戸を他側に寄せた状態を示す横断面図である。
図11図8に示す開口部装置において、アタッチメント枠を取り付ける前のサッシの縦断面図である。
図12図9に示す開口部装置において、アタッチメント枠を取り付ける前のサッシの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、まず、図1図7を参照して本発明の第1実施の形態を説明する。
図1及び図2に示すように、第1実施の形態にかかる開口部装置1は、サッシ3と、アタッチメント枠5と、内網戸4と、外網戸(パネル体)6とを備えている。
サッシ3はキッチンやリビング等に用いられる小窓タイプの引き違いサッシであり、サッシ枠7とサッシ枠7内を走行する内障子9及び外障子11とを備えている。サッシ枠7は、サッシ上枠7a、サッシ下枠7b、左右のサッシ縦枠7cを枠組みしてあり、サッシ下枠7bに設けてある内レール13aを内障子9が走行し、外レール13bを外障子11が走行する。
サッシ枠7は躯体2に半外付けしてあり、サッシ枠7の室外側部は躯体壁面14よりも室外側に突設して設けてある。また、サッシ上枠7a及びサッシ下枠7bには、ホロー形材を用いている。サッシ上枠7aの上面15は室外側を下にして傾斜した傾斜面としてある。
サッシ上枠7aにはその室外側端に網戸レール17が形成してあり、サッシ下枠7bにはその室外側端に上方に突設した網戸レール19が形成してある。図6に示すように、網戸レール19はアタッチメント枠5を取り付けていないときに一枚網戸の網戸レールが走行するものである。尚、サッシ下枠7bの室外側面には排水弁24が設けてある。
図7に示すように、左右のサッシ縦枠7cには、各々網戸レール17に対応する位置に内周側に向けて突設する係合突片23が形成してあり、係合突片23の位置には外周側に向けて突設する室外側見付け片18が形成してある。
【0010】
図1及び図2に示すように、アタッチメント枠5は、アタッチメント上枠5a、アタッチメント下枠5b及び左右のアタッチメント縦枠5cを枠組みしてあり、枠組みしたアタッチメント枠5をサッシ枠7の室外側面に取り付けてある。
図1に示すように、アタッチメント上枠5a及びアタッチメント下枠5bは各々ホロー形材であり、各ホローの内部にタッピングホール25が形成してある。
アタッチメント上枠5aは、サッシ上枠7cの上面15に載置する載置片27を有し、載置片27はアタッチメント上枠5aの上端から室内側に突設して形成してあると共にサッシ上枠の上面15に沿った角度で傾斜してある。
アタッチメント上枠5aの室内側面29は載置片27の下方で、サッシ上枠7aの室外側面20に接着剤33で接着固定してある。接着剤33は、本実施の形態では両面テープである。
アタッチメント上枠5aの室外側端には下方に向けて突設した外網戸レール35が形成してある。
【0011】
アタッチメント下枠5bは、室外側端に形成した外網戸レール37と、外網戸レール37の室内側でサッシ下枠7bの網戸レール19に係合するレール係合部39を有し、レール係合部39には上方に突設した内網戸レール41が設けてある。
アタッチメント下枠5bの室内側には下方に突設した取付片43が設けてあり、取付片43はサッシ下枠7bの室外側面20に当接してネジ45で固定してある。ネジ45はサッシ下枠7bに設けた排水弁24より上方で止めてある。
図2に示すように、アタッチメント縦枠5cは室内側端にサッシ縦枠7cの室外側見付け片18(図7参照)に取り付ける取付片47が形成してあり、取付片47はサッシ縦枠7cの室外側見付け片18に室外側から重ねる見付け部47aと見付け部47aの外周側端部で室内側に突設した見込み部47bとが形成してあり、見付け部47aと見付け部47bとで略L字を成している。
図3に示すように、アタッチメント下枠5bとアタッチメント縦枠5cとの組み付けは、アタッチメント下枠5bの左右端に各々アタッチメント縦枠5cを当てて、端部キャップ51と共に固定してある。
図4に示すように、端部キャップ51にはアタッチメント縦枠5cの下端部が嵌合する嵌合凹部51aとネジ孔51bが形成してあり、端部キャップ51はネジ孔51bに挿通するネジ53(図2参照)でアタッチメント下枠5bのタッピングホール25にアタッチメント縦枠5cを挟んで固定してある。
【0012】
図1に示すように、内網戸4はサッシ上枠7aの網戸レール17とアタッチメント下枠5bの内網戸レール41とを走行するように設けてあり、外網戸6はアタッチメント上枠5aの外網戸レール35と、アタッチメント下枠5bの外網戸レール37を走行するように設けてある。
外網戸6は、図6及び図7に示すように、アタッチメント枠5を取り付けていないサッシ3を単独で用いるときの一枚網戸を使用しており、図1に示すように、内網戸4は、その上下寸法が、外網戸6よりもアタッチメント下枠5bの内網戸レール41の突出寸法分Tだけ小さい網戸を用いている。尚、内網戸4はアタッチメント枠5を取り付けたときに新規に取り付けた網戸であり、図2に示すように、内網戸4の縦框の見込み寸法S2は、外網戸6の縦框の見込み寸法S1よりも大きいものを使用している。この内網戸4の縦框は、後述するテラスタイプ用サッシに用いる大型の網戸で使用する縦框と同じ見込み寸法としている。
【0013】
内網戸4及び外網戸6の各網材は、本実施の形態では、一般網材が用いられている。一般網材としては、例えば、ポリプロピレンにポリ塩化ビニル(PVC)をコーティングした網材である。
本実施の形態では、内網戸4及び外網戸6の網は、下記(ア)〜(エ)の種類の網材を選択可能としている。(ア)マジックミラー機能網材、(イ)高強度網材、(ウ)一般網材、(エ)一般網材よりも網目の細かい防虫性とプライバシー性を向上させた快適ネットである。
(ア)マジックミラー機能網材とは、屋外からの光を乱反射させて屋内側への視線を遮ると共に屋内からの眺望を妨げない網材である。マジックミラー機能網材は、例えば黒色ベースのポリエステル系網材の室外側にステンレス加工を施したものであり、室外側からの光を乱反射するものである。
網材としてこのようなマジックミラー機能網材を用いた場合には、図2に示すように、内網戸4及び外網戸6を閉じた状態で、通風と防虫を図ると共に外から室内が見え難くしているので室内のプライバシーを保護できる。一方、図5に示すように、外網戸6と内網戸4を重ねて一方に寄せ、他方に内障子9と外障子11を重ねることで、障子9、11のガラスを通じて外から室内を見ることができるから、例えば、屋外で作業をしている両親が室内の幼児の様子を伺うことができる。
(イ)高強度網材は、ペットの爪にも耐える高強度の網材であり、例えば、ステンレス製の網材がある。
網材に(ア)〜(ウ)の網材を用いる場合には、例えば、内網戸4及び外網戸6を中桟で上下に仕切り、上部に一般網材を設置し、下部にマジックミラー機能網材を設置しても良い。
この場合、室内で休んでいる居住者のプライバシーを保護しつつ、屋外で作業して大人が窓際まで近接して、室内の子供の様子を窺うことができるから、育児中の親等にとって利便性が良い。
また、内網戸4及び外網戸6の上部は一般網材を用い、下部にのみペットの爪にも耐える高強度網材を用いても良い。網戸4、6で開口全体を覆うことで、自然通風を取り入れながら、ペットの出入りを規制できる。また、上部は安価な一般網材を使用するため、安価にペットの安全を確保できる。
【0014】
次に、本実施の形態にかかる開口部装置1の施工について説明する。
図6及び図7に示す網戸付きサッシ3にアタッチメント枠5を取り付けて施工するが、施工前に網戸付きサッシ3の一枚網戸6を外す。
次に、アタッチメント枠5を組み立てる。アタッチメント枠5の組み立ては、アタッチメント上枠5a、アタッチメント下枠5bの各左右端面にアタッチメント縦枠5c、5cを当て、アタッチメント下枠5b及び上枠5aのタッピングホール25にネジ53で止めるが、アタッチメント下枠5bではアタッチメント縦枠5cの外周側に端部キャップ51を取り付けてネジ53で共締めして固定する。
次に、アタッチメント枠5をサッシ枠7に取り付ける。アタッチメント枠5の取り付けは、図1に示すように、アタッチメント枠5の上枠5aの室内側面29とサッシ上枠7aの室外側面20の間に接着剤33を介在して、アタッチメント上枠5aの載置片27をサッシ上枠の上面に載置して、アタッチメント下枠5bの取付片43をサッシ下枠7bの室外側面に当ててネジ45で固定する。
一方、図2に示すように、左右のアタッチメント縦枠5cは、サッシ縦枠7cの室外側見付け片18(図7参照)に取付片47を室外側から当てて室外側から止めるネジ50で固定する。
このように、サッシ枠7にアタッチメント枠5を取り付けた後、サッシ上枠7aの網戸レール17とアタッチメント下枠5bの内網戸レール41の間に新規の内網戸4を取り付ける。アタッチメント上枠5aの外網戸レール35とアタッチメント下枠5bの外網戸レール37との間に外網戸6を取り付ける。この外網戸6は、図6及び図7に示すように、アタッチメント枠5を取り付ける前のサッシ3に用いていた一枚網戸である。
【0015】
次に、第1実施の形態にかかる開口部装置1の作用効果について説明する。
第1実施の形態にかかる開口部装置1によれば、サッシ上枠7aの網戸レール17とアタッチメント下枠5bの内網戸レール41を走行する内網戸と、アタッチメント上枠5aの外網戸レール35とアタッチメント下枠5bの外網戸レール37を走行する外網戸6を設けているので、内網戸4と外網戸6で網戸を引き違い状に設けることができる。
四周枠組みしたアタッチメント枠5をサッシ枠7に取り付けるので、コンパクトな施工ができる。また、アタッチメント上枠5aの外網戸レール35とアタッチメント下枠5bに設けた外網戸レール37の見込み位置が上下でずれるおそれがない。
【0016】
アタッチメント下枠5bの内網戸レール41は、サッシ下枠7bの網戸レール19の上に載置してあるから、内網戸4が走行するサッシ上枠7aの網戸レール17とアタッチメント下枠7bの内網戸レール41の見込み方向のずれを防止でき、内網戸4が、がたつくことなく走行できる。また、内網戸4のがたつきがないから、内網戸4と外網戸6との間に隙間が生じて虫が侵入するのを防止できる。更に、人が内網戸レール41の上に乗って荷重をかけた場合でも、サッシ下枠7bで受けることができるのでアタッチメント下枠5bが脱落するのを防止できる。
アタッチメント下枠7bの内網戸レール41がサッシ下枠7bの網戸レール19にレール係合部39を介して係合してあるから、アタッチメント枠5の取り付け強度を向上できる。
【0017】
内網戸4と外網戸6を引き違い状にして閉じ、内障子9と外障子11の戸先框をそれぞれ縦枠7cから離れるように開いた状態にすることで、サッシ枠7内の全面を網戸4、6で覆いつつ離間した左右の開口から空気の流入と流出を図り、換気効率を高めることができる。
アタッチメント枠5はサッシ枠7に取り付けるものであるから、躯体2に施工後の既設サッシ枠7にも後付けできる。
図1及び図2に示すように、アタッチメント枠5は、サッシ枠7の室外側面20に当接させて固定しているから、サッシ枠7内で走行する内網戸4とアタッチメント枠5内で走行する外網戸6とにおける見込み方向の相対的間隔を適切にでき、内網戸4と外網戸6との間に隙間が生じたり干渉するのを防止でき、内網戸4と外網戸6の開閉性能を安定して維持できる。
アタッチメント枠5は、サッシ下枠7bの網戸レール19に上から係合するレール係合部39を有すると共に取付片43を有し、取付片43をサッシ下枠7bの室外側面20にネジ45で固定することで、上下に間隔をあけた2箇所で固定することになるので、強固に取り付けできる。
【0018】
アタッチメント下枠5bの取付片43は、サッシ下枠7bのホローの室外側面20に設置した排水弁24の上方でネジ45で固定しているので、排水弁24の排水機能が阻害されるのを防止できる。しかも、ネジ45のネジ孔から浸入した雨水はそのまま排水弁24を介して排水できる。
アタッチメント下枠5bは取付片43をサッシ下枠7bの室外側面20に当接しているので、外網戸レール37が受けた荷重モーメントをサッシ下枠7bの室外側面20で受けるから、アタッチメント下枠5bの転びを確実に防止できる。また、アタッチメント下枠5bの外網戸レール37に荷重がかかった場合に、サッシ下枠7bの室外側面20で荷重を受けることができ、アタッチメント下枠5bの位置ずれや脱落を防止できる。
図3に示すように、アタッチメント上枠5aとアッタッチメント下枠5bに設けたタッピングホール25にアタッチメント縦枠5cを当てると共に端部キャップ51をアタッチメント縦枠5cの下端部外周面に当てて端部キャップ51をネジ53で共締め固定してあるから、アタッチメント縦枠5cに端部キャップ51用の加工孔を省略することで、製造コストを抑えることができる。
図2に示すように、アタッチメント縦枠5cは、外周側に突設する取付片47を有し、この取付片47をサッシ縦枠7cの外周側に突設した室外側見付け片18(図7参照)に室外側から重ねてネジ50で固定しているので、ネジ50の先端がサッシ枠7の内周側に露見することを防止でき、意匠性が良い。また、アタッチメント縦枠7cのネジ50の固定孔からサッシ枠7の内周に漏水するのを防止できる。
アタッチメント縦枠5cには、枠の内周側に突出した係合突片23を形成してあるから、この係合突片23を外網戸6の閉鎖時における戸先框係合部にできる。
【0019】
アタッチメント上枠5aに突設した載置片27をサッシ上枠7aの上面15に載置して、載置片27の下方で、アタッチメント上枠5aの室内側面29とサッシ上枠7aの室外側面を接着剤33で接着してあり、ネジ止めしていないから、アタッチメント上枠5aとサッシ上枠5aとの間に雨水が入り込むことがないので、水密処理が不要である。また、アタッチメント上枠5aはサッシ上枠7aに載置する載置片27を備えているので、アタッチメント上枠5aが屋根から落雪等の荷重を受けても、サッシ上枠7aで支持してアタッチメント上枠5aが下方にずれるのを防止できる。
アタッチメント上枠5aの室内側面29をサッシ上枠7aの室外側面20に当接して接着するから、アタッチメント上枠5aの外網戸レール35とサッシ上枠7aの網戸レール17の見込み間隔の位置決めが簡単に且つ確実にできる。
【0020】
以下に本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述した第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の詳細な説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
図8図12に、本発明の第2実施の形態にかかる開口部装置1を示す。この第2実施の形態にかかる開口部装置1は、サッシ3がテラスタイプ用サッシであり、サッシ枠7、内障子9、外障子11及び一枚網戸6に、第1実施の形態にかかる小窓タイプ用サッシのものよりも大きな寸法のものを用いている。また、図12に示すように、第2実施の形態のサッシ3に使用されている一枚網戸6は、図6に示す小窓タイプのサッシ3に使用されている一枚網戸6よりも見込み寸法S1が大きい縦框を用いており、且つ図2に示す新規に装着した内網戸4の縦框の見込み寸法S2と同じ寸法としてある。また、第2実施の形態では、外網戸(パネル体)6の縦框の見込み寸法S1と内網戸4の縦框の見込み寸法S2も同じ寸法としてある。
この第2実施の形態では、内網戸4の縦框の見込み寸法S2と外網戸6の縦框の見込み寸法S1を同じ寸法としているので、内網戸4と外網戸6で同種の縦框を使用できるから、縦框材を兼用でき網戸の製造コストを安価にできる。
更に、第2実施の形態の内網戸4の縦框の見込み寸法S2と第1実施の形態の内網戸4の縦框の見込み寸法S2とを同じ見込み寸法とすることで、第1実施の形態のサッシ枠7と第2実施の形態のサッシ枠7でタイプが異なる為に外網戸(一枚網戸)6の縦框の見込み寸法が異なる場合でも、アタッチメント枠5の上枠5a、下枠5b、縦枠5cに同種のものを長さを変えて使用できるから、第1実施の形態及び第2実施の形態において、アタッチメント枠5の枠材を兼用でき製造コストを安価にできる。
【0021】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、アタッチメント枠5に設けるパネル体は、外網戸6の他に、雨戸やルーバ(可動式又は固定式)、外付けブラインド等であっても良い。
サッシ3は、2本引き2枚建の引き違いサッシに限らず、2本引3枚建や、3本引き3枚建の引き違いサッシや、引き分けサッシや、内開きサッシ等であっても良く、サッシの種類は限定されない。
接着剤33は、両面テープに限らず、アタッチメント上枠5aの室内側面とサッシ上枠の室外側面との間に塗布するものであっても良い。
アタッチメント枠5は既設サッシ3に後付けすることに限らず、サッシ3の新設時にアタッチメント枠5を取り付けるものであっても良い。
【符号の説明】
【0022】
1 開口部装置
5 アタッチメント枠
5a アタッチメント上枠
6 外網戸(パネル体)
7 サッシ枠
7a サッシ上枠
15 上面
20 室外側面
27 載置片
29 室内側面
33 接着剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12