特許第6472783号(P6472783)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッドの特許一覧

特許6472783表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法
<>
  • 特許6472783-表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法 図000002
  • 特許6472783-表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法 図000003
  • 特許6472783-表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法 図000004
  • 特許6472783-表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法 図000005
  • 特許6472783-表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法 図000006
  • 特許6472783-表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法 図000007
  • 特許6472783-表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法 図000008
  • 特許6472783-表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法 図000009
  • 特許6472783-表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法 図000010
  • 特許6472783-表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法 図000011
  • 特許6472783-表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法 図000012
  • 特許6472783-表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472783
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20190207BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20190207BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   G09G3/3233
   G09G3/20 670J
   G09G3/20 691Z
   G09G3/20 641P
   G09G3/20 623A
   G09G3/20 622A
   G09G3/20 642C
   G09G3/20 642J
   H05B33/14 A
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-253326(P2016-253326)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2017-120421(P2017-120421A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2016年12月28日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0191135
(32)【優先日】2015年12月31日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヒュン−ジュン
【審査官】 斎藤 厚志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−134142(JP,A)
【文献】 特開2007−140534(JP,A)
【文献】 特開2011−053634(JP,A)
【文献】 特開2004−228645(JP,A)
【文献】 特開2004−228948(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/059637(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0317944(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/068920(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0055500(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0074851(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0183759(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/3233
G09G 3/20
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輝度および色座標を測定する使用者端末装置、および
複数のパターンを順次に表示して、前記複数のパターンのそれぞれに対する輝度データおよび色座標データを前記使用者端末装置から受信し、前記受信した輝度データおよび色座標データを用いて補償データを生成および保存する表示装置を備え、
前記使用者端末装置が、
黒色パターンに対する輝度を用いて、環境補正値を決定し、測定された輝度および色座標を前記環境補正値を用いて補正することを特徴とする、光学補償システム。
【請求項2】
前記使用者端末装置が、
受光素子、前記受光素子上に形成されたカラーフィルタ、および前記表示装置に表示されたパターンの光を吸収して輝度および色座標を測定する測定部を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学補償システム。
【請求項3】
前記表示装置が、
前記複数のパターンを順次に表示する表示パネル、および
前記表示パネルに流れる電流を測定し、前記測定された電流に対応する電流データ、前記受信した輝度データ、及び前記色座標データを用いて補償データを生成する光学補償部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光学補償システム。
【請求項4】
前記表示装置が、
映像データが入力すると、前記補償データを用いて前記映像データを補正データに補正して、前記補正データをデータ電圧に変換して前記表示パネルに印加するパネル駆動部を含む請求項3に記載の光学補償システム。
【請求項5】
前記複数のパターンが、複数のデータ電圧のそれぞれに対応するパターンを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光学補償システム。
【請求項6】
前記複数のパターンが、色、形、および大きさのうちの少なくとも一つが異なることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光学補償システム。
【請求項7】
前記表示装置が、
前記表示パネルに流れる電流を測定し、前記測定された電流に対応する電流データを前記光学補償部に出力する電流測定部をさらに含むことを特徴とする請求項3または4に記載の光学補償システム。
【請求項8】
映像表示モードでは、初期設定データを用いて映像を表示する工程と、
前記映像表示モードから光学補償モードに変更されると、複数のパターンを順次に表示して、前記複数のパターンのそれぞれに対する輝度データおよび色座標データを外部の使用者端末装置から受信し、前記受信した輝度データおよび色座標データを用いて補償データを生成して保存する工程と、および
前記光学補償モードが完了し、前記映像表示モードに変更されると、前記補償データを用いて映像を表示する工程を含み、
前記使用者端末装置が、
黒色パターンに対する輝度を用いて、環境補正値を決定し、測定された輝度および色座標を前記環境補正値を用いて補正することを特徴とする、表示装置の光学補償方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、マルチメディアの発達とともに平板表示装置の重要性が高まっている。それに応えて、液晶表示装置、プラズマ表示装置、有機発光表示装置などの平板表示装置が実用化されている。これらの平板表示装置の中で有機発光表示装置は、高速の応答速度を有し、消費電力が低く、自己発光型であるため視野角に問題がなく、次世代の平板表示装置として注目されている。
【0003】
一般的な有機発光表示装置は、複数の画素を含む表示パネルと、各画素を発光させるパネル駆動部を含む。ここで、各画素は、複数のデータラインと複数のスキャンラインの交差によって定義される画素領域に形成される。
【0004】
このような各画素は、図1に示したように、スイッチングトランジスタ(Tsw)、駆動トランジスタ(Tdr)、コンデンサ(Cst)、及び有機発光素子(OLED)を含む。
【0005】
スイッチングトランジスタ(Tsw)は、スキャンライン(SL)に供給されるスキャン信号(S)に基づいてスイッチングされ、データライン(DL)に供給されるデータ電圧(Vdata)を駆動トランジスタ(Tdr)に供給する。
【0006】
駆動トランジスタ(Tdr)は、スイッチングトランジスタ(Tsw)から供給されるデータ電圧(Vdata)に応じてスイッチングされ、駆動電圧(VDD)によって有機発光素子(OLED)に流れるデータ電流(Ioled)を制御する。
【0007】
コンデンサ(Cst)は、駆動トランジスタ(Tdr)のゲート端子とソース端子との間に接続され、駆動トランジスタ(Tdr)のゲート端子に供給されるデータ電圧(Vdata)に対応する電圧を保存して、保存した電圧で駆動トランジスタ(Tdr)をターンオンさせる。
【0008】
有機発光素子(OLED)は、駆動トランジスタ(Tdr)のソース端子とカソード電圧(VSS)が印加されるカソード電極(CE)との間に電気的に接続され、駆動トランジスタ(Tdr)から供給されるデータ電流(Ioled)によって発光する。
【0009】
このような一般的な有機発光表示装置の各画素は、データ電圧(Vdata)に応じた駆動トランジスタ(Tdr)のスイッチングを用いて駆動電圧(VDD)によって有機発光素子(OLED)に流れるデータ電流(Ioled)の大きさを制御して、有機発光素子(OLED)を発光させることによって、所定の映像を表示する。
【0010】
図2は、一般的な有機発光素子の輝度特性を示した図である。
【0011】
図2に示したように、一般的に、有機発光素子は、駆動時間が増加するほど、劣化速度が加速して、輝度特性がだんだん減少することが分かる。したがって、一般的な有機発光表示装置では、時間が経つほど、有機発光素子(OLED)の劣化によって画質が低下するという問題点がある。
【0012】
一般的に、有機発光表示装置に対する画質補償は、製品が出荷される前に、別途の工程を通じて行われる。しかし、有機発光素子(OLED)は、駆動時間が増加するほど劣化が進行して輝度が減少するので、製品の出荷後に発生する画質の劣化がさらに大きい。
【0013】
このように、従来の有機発光表示装置は、製品が出荷された後に使用者に、有機発光素子(OLED)の劣化に伴う画質の劣化を補償することができないという問題がある。
【0014】
以上、説明した背景技術の内容は、本出願の発明者が本発明の導出のために保有していたか、本発明の導出過程で習得した技術情報であって、必ずしも本発明の出願前に、一般公衆に公開された公知技術であるとは言えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上述した問題点を解決するためのものであって、使用者が画質補償を行うことができる表示装置、光学補償システムおよび光学補償方法を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した技術的課題を達成するための本発明の一側面による表示装置は、複数のパターンを順次に表示する表示パネル、および前記複数のパターンのそれぞれに対する輝度データおよび色座標データを外部の使用者が端末装置から受信し、前記受信した輝度データおよび色座標データを用いて補償データを生成する光学補償部を含む。
【0017】
上述した技術的課題を達成するための本発明の他の側面による光学補償システムは、輝度および色座標を測定する使用者端末装置、および複数のパターンを順次に表示して、前記複数のパターンのそれぞれの輝度データおよび色座標データを前記使用者の端末装置から受信し、前記受信した輝度データおよび色座標データを用いて補償データを作成し、保存する表示装置を含む。
【0018】
上述した技術的課題を達成するための本発明のまた他の側面による表示装置の光学補償方法は、映像表示モードでは、初期設定データを用いて映像を表示する工程と、前記映像表示モードから光学補償モードに変更されると、複数のパターンを順次に表示して、前記複数のパターンのそれぞれに対する輝度データおよび色座標データを外部の使用者端末装置から受信し、前記受信した輝度データおよび色座標データを用いて補償データを生成して保存する工程、および前記光学補償モードが完了し、前記映像表示モードに変更されると、前記補償データを用いて映像を表示する工程を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、製品出荷後も使用者が端末装置を用いて画質の劣化を補償することができるという効果がある。
【0020】
また、本発明によれば、使用者が画質の低下なしに、継続的に高画質の映像を視聴することができるという別の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一般的な有機発光表示装置の画素構造を説明するための回路図である。
図2】一般的な有機発光素子の輝度特性を示したグラフである。
図3】本発明の一実施例に係る光学補償システムを概略的に示した図である。
図4図3の表示装置を概略的に示した図である。
図5図4の表示パネルおよびパネル駆動部を詳細に説明するための図である。
図6図4の光学補償部を説明するための図である。
図7】複数のパターンの例を示した図である。
図8】複数のパターンの他の例を示した図である。
図9図3の使用者の端末装置を示した図である。
図10】本発明の一実施例に係る表示装置で光学補償を実行する方法を説明する流れ図である。
図11】本発明の一実施例に係る表示装置で補償データを生成する方法を説明する流れ図である。
図12】本発明の一実施例に係る使用者端末装置で光学補償を実行する方法を説明する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書で記述される用語の意味は、次にように理解されなければならない。
【0023】
単数の表現は、文脈上明らかに別の方法で定義しない限り、複数の表現を含むものと理解されなければならず、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するためのもので、これらの用語によって権利範囲が限定されてはならない。
【0024】
「含む」または「有する」などの用語は、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、工程、動作、構成要素、部分品またはそれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を事前に排除しないものと理解されなければならない。
【0025】
「少なくとも一つ」の用語は、一つまたは複数の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目及び第3項目の中から少なくとも一つ」の意味は、第1項目、第2項目または第3項目のそれぞれと同様に、第1項目、第2項目及び第3項目の中から2以上から提示することができるすべての項目の組み合わせを意味する。
【0026】
「上に」という用語は、ある構成が他の構成のすぐ上面に形成される場合だけでなく、それらの構成の間に第3の構成が介在する場合まで含まれ得ることを意味する。
【0027】
以下では、図を参照して、本発明に係る好適な実施例に対して詳細に説明することにする。
【0028】
図3は、本発明の一実施例に係る光学補償システムを概略的に示した図である。
【0029】
図3を参照すると、本発明の一実施例に係る光学補償システム100は、表示装置110および使用者端末装置120を含む。
【0030】
まず、表示装置110は、映像表示モードおよび光学補償モードのいずれかで動作する。表示装置110は、映像表示モードでは、使用者が視聴しようとする映像を表示する。
【0031】
映像表示モードから光学補償モードに変更されると、表示装置110は、光学補償のために事前に保存しておいた複数のパターンを順次に表示する。そして、表示装置110は、各パターンに対する輝度データおよび色座標データを使用者端末装置120から受信して補償データを生成および保存する。
【0032】
以後、表示モードに変更されると、表示装置110は、光学補償モードで生成した補償データを用いて映像を表示する。
【0033】
次に、使用者端末装置120は、映像表示モードおよび光学補償モードのいずれかで動作する。使用者端末装置120は、映像表示モードでは、使用者の入力によって発生した制御信号を表示装置110に送信する。これにより、使用者端末装置120は、表示装置110に表示される映像を制御することができる。
【0034】
使用者端末装置120は、光学補償モードで表示装置110から光学補償情報が要請されると、表示装置110に表示されたパターンに対する輝度および色座標を測定する。そして、使用者端末装置120は、輝度データおよび色座標データを生成して表示装置110に送信する。
【0035】
図4図3の表示装置を示した図であり、図5図4の表示パネルおよびパネル駆動部を詳細に説明するための図である。
【0036】
図4を参照すると、本発明の一実施例に係る表示装置110は、表示パネル410、パネル駆動部420、メモリ430、光学補償部440、通信部450、電流測定部460および動作モード制御部470を含む。
【0037】
まず、表示パネル410は、パネル駆動部420によって映像またはパターンを表示する。より詳細には、表示装置110が映像表示モードで動作すると、表示パネル410は、パネル駆動部420によって映像を表示する。一方、表示装置110が光学補償モードで動作すると、表示パネル410は、パネル駆動420によって、複数のパターンを順次に表示する。
【0038】
このような表示パネル410は、図5に示したように、複数のスキャンライン(SL)、複数のセンシングライン(SS)、複数のデータライン(DL)、複数の駆動電圧ライン(PL)、複数の基準電圧ライン(RL)および、複数の画素(P)を含む。
【0039】
複数のデータライン(DL)は、複数のスキャンライン(SL)および、複数のセンシングライン(SS)と交差することができる。複数のスキャンライン(SL)と、複数のセンシングライン(SS)は、互いに並んで形成され得る。
【0040】
そして、複数の画素(P)のそれぞれは、赤色画素、緑色画素、青色画素、および白色画素のいずれか一つからなり得る。また、赤色画素、緑色画素、青色画素、および白色画素は、一つの単位画素と定義することができる。各画素(P)は、データライン(DL)のいずれか一つ、駆動電圧ライン(PL)のいずれか一つ、および基準電圧ライン(RL)のいずれか一つに接続することができる。
【0041】
画素(P)は、データライン(DL)からデータ電圧が供給され、データ電圧に応じて、有機発光素子(OLED)に電流を供給する。これにより、画素(P)は、所定の輝度で発光する。画素(P)の構造の詳細な説明は、図1で説明したので省略する。
【0042】
次に、パネル駆動部420は、映像データまたはパターンデータが入力すると、表示パネル410に映像データに相応する映像、またはパターンデータに相応するパターンが表示されるように表示パネル410を駆動する。
【0043】
このようなパネル駆動部420は、図5に示したように、データ駆動部422、スキャン駆動部424およびタイミング制御部426を含む。
【0044】
スキャン駆動部424は、複数のスキャンライン(SL)に接続され、スキャン信号を供給する。スキャン駆動部424は、タイミング制御部426から入力するタイミングスキャン制御信号に応じて、複数のスキャンライン(SL)にスキャン信号を供給する。スキャン駆動部424は、複数のスキャンライン(SL)にスキャン信号を順次に供給することができ、この場合、シフトレジスタを含むことができる。
【0045】
スキャン駆動部424は、集積回路(integrated circuit)のような駆動チップ(chip)に形成して表示パネル410に付着される軟性フィルム上に実装したり、複数のトランジスタを含み、GIP(Gate driver In Panel)方法で表示パネル410の非表示領域に直接形成することができる。
【0046】
データ駆動部422は、複数のデータライン(DL)に接続して、データ電圧を供給する。データ駆動部422は、タイミング制御部426からタイミングデータ制御信号および補償データが入力する。データ駆動部422は、補償データをデータ電圧に変換してデータライン(DL)に供給する。ここで、データ電圧は、画素(P)の有機発光素子(OLED)が所定の輝度で発光するための電圧である。データ駆動部422に供給される補償データが8ビットである場合、データ電圧のそれぞれは、256個の電圧のうちいずれか一つで供給することができる。
【0047】
このようなデータ駆動部422は、集積回路のような駆動チップに形成して表示パネル410に付着される軟性フィルム上に実装したり、表示パネル410上に直接接着することができる。
【0048】
タイミング制御部426は、スキャン駆動部424および、データ駆動部422の動作タイミングを制御するためのタイミング制御信号を生成する。タイミング制御信号は、データ駆動部422の動作タイミングを制御するためのデータタイミング制御信号、およびスキャン駆動部424の動作タイミングを制御するためのスキャンタイミング制御信号を含む。
【0049】
タイミング制御部426は、外部から映像データの入力を受けたり、光学補償部440からパターンデータが入力する。タイミング制御部426は、メモリ430に保存されているデータを用いて映像データまたはパターンデータを補正データに補正する。
【0050】
光学補償が行われる前、メモリ430は、製品出荷前に設定された初期設定データを保存している。ここで、タイミング制御部426は、映像データが入力すると、初期設定データを用いて映像データを補正データに補正する。
【0051】
そして、光学補償が行われた後、メモリ430は、有機発光素子(OLED)の劣化を補償するための補償データを保存している。ここで、タイミング制御部426は、映像データが入力すると、補償データを用いて映像データを補正データに補正することにより、有機発光素子(OLED)の劣化を補償することができる。
【0052】
次に、メモリ430は、初期設定データまたは補償データを保存する。ここで、初期設定データは、表示装置110が出荷される前に、初期光学補償工程によって設定されてメモリ430に保存されているものである。
【0053】
メモリ430は、製品が出荷されるときに、初期設定データを保存しているが、後に光学補償部440によって補償データが生成されると、補償データを保存する。
【0054】
次に、光学補償部440は、動作モード制御部270から光学補償制御信号が入力する。光学補償部440は、光学補償制御信号に応じて光学補償モードで動作して、有機発光素子(OLED)の劣化を補償するための補償データを生成する。
【0055】
特に、本発明は、外部の使用者端末装置120からの光学情報を受信して補償データを生成することを特徴とする。以下では、図6を参照して、光学補償部440に対して、より詳細に説明する。
【0056】
図6は、図4の光学補償部を説明するための図である。
【0057】
図6を参照すると、光学補償部440は、パターン制御部610、光学情報要請部620、電流情報要請部630及び補償データ生成部640を含む。
【0058】
まず、パターン制御部610は、動作モード制御部470によって光学補償モードで動作すると、複数のパターンのそれぞれに対するパターンデータをパネル駆動部420に順次に出力する。
【0059】
前記複数のパターンは、有機発光素子(OLED)の劣化に伴う輝度および色座標の変化を測定するためのものであって、表示装置110に予め保存されている。このような複数のパターンは、複数のデータ電圧に対応するパターンを含む。例えば、複数のパターンは、256個のデータ電圧のそれぞれに対応するパターンを含み、パターン制御部610は、各パターンのパターンデータをパネル駆動部420に順次に出力することができる。
【0060】
また、複数のパターンは、色、形、および大きさのうちの少なくとも一つが互いに異なることを特徴とする。
【0061】
例えば、パターン制御部610は、色が異なる複数のパターンのパターンデータをパネル駆動部420に順次に出力することができる。表示パネル410は、図7に示したように、パネル駆動部420によって、画面のすべての黒色、赤色、緑色、青色、白色を順次に表示することができる。
【0062】
他の例として、パターン制御部610は、大きさが異なる複数のパターンに対するパターンデータをパネル駆動部420に順次に出力することができる。表示パネル410は、図8に示したように、パネル駆動部420によって大きさが異なる四角パターンを順次に表示することができる。
【0063】
また、複数のパターンは、表示装置110全部に黒色を表示する黒色パターンを含む。黒色パターンは、使用者端末装置120で環境補正値を算出するためのものであって、光学補償モードが開始されると、最初に表示される。これに対する詳細な内容は、図9で、使用者端末装置120と一緒に説明することにする。
【0064】
一方、パターン制御部610は、複数のパターンのうちいずれか一つのパターンデータをパネル駆動部420に出力しながら、光学情報要請部620を通じて外部の使用者端末装置120に光学情報を要請する。
【0065】
また、パターン制御部610は、複数のパターンのうちのいずれか一つのパターンデータをパネル駆動部420に出力しながら、電流情報要請部630を通じて電流測定部460に表示パネル410に対する電流情報を要請する。
【0066】
次に、補償データ生成部640は、表示パネル410に示されたパターンに対する光学情報および電流情報を用いて有機発光素子(OLED)の劣化を補償するための補償データを生成する。
【0067】
より詳細には、補償データ生成部640は、通信部450を通じてパターンに対する光学情報が入力する。ここで、光学情報は、表示パネル410に表示されたパターンに対する輝度データおよび色座標データを含む。
【0068】
そして、補償データ生成部640は、電流測定部460から電流情報が入力する。ここで、電流情報は、表示パネル410にパターンが表示される時に表示パネル410に流れる電流データを含む。
【0069】
そして、補償データ生成部640は、パターン制御部610から表示パネル410に表示されたパターンに対するパターンデータが入力する。
【0070】
補償データ生成部640は、表示パネル410に表示されたパターンに対するパターンデータ、輝度データ、色座標データおよび電流データを用いて有機発光素子(OLED)の劣化を補償するための補償データを生成する。補償データ生成部640は、所定のアルゴリズムを用いて、パターンデータ、輝度データ、色座標データおよび電流データから補償データを算出することができる。
【0071】
そして、補償データ生成部640は、生成された補償データをメモリ430に保存する。メモリ430には、製品が出荷される前に保存された初期設定データが保存されているが、補償データ生成部640は、前記初期設定データを補償データに変更および保存する。
【0072】
再び図4を参照すると、通信部450は、外部の使用者端末装置120と無線または有線で通信する。通信部450は、使用者端末装置120に光学情報の要請を送信して、要請に応じた光学情報を受信する。
【0073】
次に、電流測定部460は、表示パネル410に流れる電流を測定し、測定された電流に対応する電流データを補償データ生成部640に提供する。
【0074】
次に、動作モード制御部470は、表示装置110に対する動作モードを制御する。
【0075】
動作モード制御部470は、表示装置110に対する動作モードで表示モードおよび光学補償モードのいずれか一つを決定する。動作モード制御部470は、表示装置110に対する動作モードで表示モードが決定されると、パネル駆動部420が、外部から映像データの入力を受けるよう制御する。
【0076】
一方、動作モード制御部470は、使用者端末装置120から光学補償要請を受信したり、所定の時間が経過すると表示装置110に対する動作モードを表示モードから光学補償モードに変更する。
【0077】
動作モード制御部470は、使用者端末装置120から光学補償要請を受信することができる。つまり、使用者は、表示装置110に対して光学補償が必要であると判断した場合、使用者端末装置120を通じて表示装置110に光学補償を要請することができる。動作モード制御部470は、使用者端末装置120から光学補償要請を受信すると、表示装置110に対する動作モードを表示モードから光学補償モードに変更して、表示装置110に対する光学補償を実行することができる。
【0078】
また、動作モード制御部470は、所定の時間が経過すると表示装置110に対する動作モードを表示モードから光学補償モードに変更して、光学補償を開始することができる。ここで、所定の時間は、有機発光素子(OLED)の劣化速度を考慮して、あらかじめ設定したり、使用者端末装置120を通じて使用者が直接設定することができる。例えば、動作モード制御部470は、1年周期で表示装置110に対する動作モードを表示モードから光学補償モードに変更して、表示装置110に対する光学補償を行うことができる。
【0079】
図9は、図3の使用者端末装置を示した図である。
【0080】
図9を参照すると、本発明の一実施例に係る使用者端末装置120は、測定部910、環境補正値決定部920、データ補正部930および通信部940を含む。
【0081】
まず、測定部910は、表示装置110から光学情報の要請を受信すると、表示装置110に示されたパターンに対する輝度および色座標を測定する。
【0082】
一実施例において、測定部910は、受光素子、および前記受光素子上に形成されたカラーフィルタ(color filter)で構成することができる。測定部910は、表示装置110から入射するパターンの光をカラーフィルターを通過させて色を分離することができる。そして、測定部910は、受光素子を通じて色が分離された光を吸収して色座標および輝度を測定することができる。
【0083】
次に、環境補正値決定部920は、外部光および測定装置の誤差などの環境要因を考慮して、環境補正値を決定する。
【0084】
このような環境補正値決定部920は、黒色パターンに対する輝度をもとに、環境補正値を決定する。前記黒色パターンに対する輝度が0でなければならないが、輝度測定部910は、外部光または測定装置の誤差によって黒色パターンに対する輝度が0より大きく測定される。このような誤差を減らすために、環境補正値決定部920は、表示装置110に黒色パターンが表示される時に測定した輝度値に基づいて環境補正値を決定する。
【0085】
次に、データ補正部930は、環境補正値を用いて、輝度データおよび色座標データを補正する。データ補正部930は、輝度測定部910によって測定された輝度値に環境補正値を減算して輝度データを補正する。
【0086】
次に、通信部940は、表示装置110と無線または有線で通信する。通信部940は、表示装置110から光学情報の要請を受信し、要請に対する光学情報、より詳細には、データ補正部930によって補正された輝度データおよび色座標データを表示装置110に送信する。
【0087】
図10は、本発明の一実施例に係る表示装置で光学補償を実行する方法を説明する流れ図である。
【0088】
図10を参照すると、本発明の一実施例に係る表示装置110は、表示モードでは、初期設定データを用いて映像を表示する(S1001)。
【0089】
より詳細には、外部から映像データが入力すると、パネル駆動部420は、入力した映像データをメモリ430に保存された初期設定データを用いて、補正データに補正する。そして、パネル駆動部420は、補正データをデータ電圧に変換してデータライン(DL)に供給する。ここで、表示パネル410は、データライン(DL)から供給されるデータ電圧に応じて所定の輝度で発光することにより、映像を表示する。
【0090】
次に、表示装置110は、使用者端末装置120から光学補償要請を受信したり、所定の時間が経過すると、動作モードを表示モードから光学補償モードに変更する。そして、表示装置110は、有機発光素子(OLED)の劣化を補償するための補償データを生成する(S1002)。
【0091】
以下では、図11を参照して、補償データを生成する方法に対して、より詳細に説明する。
【0092】
図11は、本発明の一実施例に係る表示装置で補償データを生成する方法を説明する流れ図である。
【0093】
図11を参照すると、本発明の一実施例に係る表示装置110は、動作モードが表示モードから光学補償モードに変更されると、表示パネル410に第1のパターンを表示する(S1101)。ここで、第1のパターンは、黒色パターンに相応し得る。
【0094】
より詳細には、光学補償部440は、パネル駆動部420に第1のパターンに対応する第1のパターンデータを出力する。パネル駆動部420は、入力した第1のパターンデータをデータ電圧に変換してデータライン(DL)に供給する。ここで、表示パネル410は、データライン(DL)から供給されるデータ電圧に応じて所定の輝度で発光することにより、第1のパターンを表示する。
【0095】
他の実施例では、パネル駆動部420は、入力した第1のパターンデータをメモリ430に保存された初期設定データを用いて、補正データに補正することができる。そして、パネル駆動部420は、補正データをデータ電圧に変換してデータライン(DL)に供給することができる。ここで、表示パネル410は、データライン(DL)から供給されるデータ電圧に応じて所定の輝度で発光することにより、映像を表示することができる。
【0096】
次に、表示装置110は、使用者端末装置120に光学情報を要請し、要請に応じた光学情報を受信する(S1102およびS1103)。ここで、光学情報は、第1のパターンに対する輝度データおよび色座標データを含む。
【0097】
そして、表示装置110は、第1のパターンが表示された表示パネル410に流れる電流を測定し、測定された電流に対応する電流データを生成する(S1104およびS1105)。
【0098】
次に、表示装置110は、所定のアルゴリズムを用いて、パターンデータ、輝度データ、色座標データ、および電流データから補償データを算出する(S1106)。
【0099】
次に、表示装置110は、残りのパターンに対してS1101からS1106を繰り返し実行する(S1107およびS1108)。
【0100】
次に、表示装置110は、複数のパターンに対して補償データが生成されると、生成された補償データをメモリ430に保存する(S1109)。
【0101】
再び図10を参照すると、表示装置110は、光学補償が完了すると、動作モードが光学補償モードから表示モードに変更される。そして、表示装置110は、表示モードで補償データを用いて映像を表示する(S1003)。
【0102】
より詳細には、外部から映像データが入力されると、パネル駆動部420は、入力された映像データをメモリ430に保存された補償データを用いて、補正データに補正する。そして、パネル駆動部420は、補正データをデータ電圧に変換してデータライン(DL)に供給する。ここで、表示パネル410は、データライン(DL)から供給されるデータ電圧に応じて所定の輝度で発光することにより、映像を表示する。
【0103】
図12は、本発明の一実施例に係る使用者端末装置で光学補償を実行する方法を説明する流れ図である。
【0104】
図12を参照すると、本発明の一実施例に係る使用者端末装置120は、表示装置110から第1のパターンに対する光学情報の要請を受信すると、表示装置110に表示された第1のパターンに対する輝度および色座標を測定する(S1201およびS1202)。ここで、第1のパターンは、表示装置110の表示領域全体に黒色が表示される黒色パターンに対応する。
【0105】
次に、使用者端末装置120は、第1のパターンに対して測定した輝度値および色座標値を用いて、環境補正値を決定する(S1203)。
【0106】
次に、使用者端末装置120は、環境補正値を用いて前記測定した輝度値および色座標値を補正して、補正した輝度値および色座標値に対応する輝度データおよび色座標データを生成する(S1204)。
【0107】
次に、使用者端末装置120は、輝度データおよび色座標データを表示装置110に送信する(S1205)。
【0108】
次に、使用者端末装置120は、表示装置110から第2のパターンの光学情報に対する要請を受信すると、表示装置110に表示された第2のパターンに対する輝度および色座標を測定する(S1206およびS1207) 。
【0109】
次に、使用者端末装置120は、第2のパターンに対して測定した輝度値および色座標値を環境補正値を用いて補正して、補正した輝度値および色座標値に対応する輝度データおよび色座標データを生成する(S1208)。
【0110】
次に、使用者端末装置120は、輝度データおよび色座標データを表示装置110に送信する(S1209)。
【0111】
次に、使用者端末装置120は、光学補償が完了するまでS1206からS1209を繰り返し実行する。
【0112】
以上で説明した本発明は、前述した実施例及び添付した図に限定されるものではなく、本発明の技術的事項を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であることが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲そしてその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0113】
100:光学補償システム
110:表示装置
120:使用者端末装置
410:表示パネル
420:パネル駆動部
430:メモリ
440:光学補償部
450:通信部
460:電流測定部
470:動作モード制御部
610:パターン制御部
620:光学情報要請部
630:電流情報要請部
640:補償データ生成部
910:測定部
920:環境補正値決定部
930:データ補正部
940:通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12