(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記記憶部は、前記第1または第2金型の動作、前記型締機構の動作、前記射出装置の動作、または、該動作の条件を読出す処理を示す第3〜第n動作情報(nは3以上の整数)と、前記第3〜第n動作情報に関連付けられた第3〜第n画像情報とを格納し、
前記表示部は、前記第3〜第n画像情報を表示する表示部であって、前記第3〜第n画像情報を操作者によって配列された順番に表示し、
前記制御部は、前記表示部に表示された前記第3〜第n画像情報に関連する前記第3〜第n動作情報で示す動作または処理を実行する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の射出成形機。
前記第1および第2動作情報は、少なくとも、前記第1または第2金型に設けられた中子の挿入または抜去、前記第1または第2金型から製品を取り外す押出ピンの挿入または抜去、前記第1または第2金型に付着する樹脂残りを除去する空気吹き付けのいずれかである、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の射出成形機。
前記第1および第2動作情報の動作を同時に実行させる場合、前記第1および第2動作情報に対応する前記第1および第2画像情報は、前記表示部において同一時間または同一工程の前記動作点において並列に表示される、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の射出成形機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0010】
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に従った射出成形機1の構成例を示すブロック図である。射出成形機1は、一連の射出成形動作を繰り返し実行可能な機械であり、例えば、成形品を1回成形する動作をサイクル動作として繰り返す。一連のサイクル動作を実行する時間をサイクルタイムという。
【0012】
射出成形機1は、フレーム2と、固定盤3と、移動盤4と、タイバー5と、型締駆動機構6と、射出装置7と、制御部8と、押出機構9と、ヒューマン・マシン・インタフェース60と、記憶部110と、射出圧力センサS1と、スクリュ位置センサS2とを備えている。
【0013】
フレーム2は、射出成形機1の土台である。固定盤3は、フレーム2上に固定されている。固定盤3には、第1金型としての固定金型11が取り付けられる。タイバー5の一端は、固定盤3に固定されており、その他端は、支持盤10に固定されている。タイバー5は、固定盤3から移動盤4を通過して支持盤10まで延びている。
【0014】
移動盤4は、フレーム2に設けられたリニアガイド(図示せず)上に載置されている。移動盤4は、タイバー5またはリニアガイドに案内され、固定盤3に接近しあるいは固定盤3から離れるように移動することができる。移動盤4には、第2金型としての移動金型12が取り付けられる。移動金型12は、固定金型11に対向しており、移動盤4とともに固定金型11へ接近し、固定金型11に組み合わされる。移動金型12と固定金型11とが合わされ接触することによって、移動金型12と固定金型11との間に製品形状に対応した空間が形成される。
【0015】
型締駆動機構6は、トグル機構13と、トグル機構駆動部14とを備えている。トグル機構駆動部14は、トグル機構13を駆動するために、型締サーボモータ21と、ボールねじ22と、伝達機構23とを備えている。ボールねじ22の先端部には、クロスヘッド15が取り付けられている。ボールねじ22が回転することで、クロスヘッド15が移動盤4に接近し、あるいは、移動盤4から離れるように移動する。伝達機構23は、型締サーボモータ21の回転をボールねじ22に伝達し、クロスヘッド15を移動させる。
【0016】
トグル機構駆動部14がクロスヘッド15を移動させると、トグル機構13が作動する。例えば、クロスヘッド15が移動盤4へ向かって移動すると、移動盤4が固定盤3に向かって移動し、金型11、12の型締が行われる。逆に、クロスヘッド15が移動盤4から離れる方向に移動すると、移動盤4が固定盤3から離れる方向に移動し、金型11、12の型開が行われる。
【0017】
押出機構9は、成形後の製品を移動金型12から取り外すために、押出サーボモータ71と、ボールねじ72と、伝達機構73とを備えている。ボールねじ72の先端部は、移動金型12の内面に貫通している。ボールねじ72が回転することによって、ボールねじ72が移動金型12の内面に付着した製品を押し出す。伝達機構73は、押出サーボモータ71の回転をボールねじ72に伝達し、ボールねじ72を
図1の左右方向に移動させる。
【0018】
射出装置7は、加熱バレル(バンドヒータ)41と、スクリュ42と、計量駆動部43と、射出駆動部44とを備えている。加熱バレル41は、溶融状態の樹脂を、型締めされた金型のキャビティ内に注入するノズル41aを備える。加熱バレル41は、ホッパ45からの樹脂を加熱溶融しつつ貯えておき、その溶融樹脂をノズルから射出する。スクリュ42は、加熱バレル41の内部で回転しながらあるいは回転せずに移動可能に設けられている。計量工程において、スクリュ42は回転し、スクリュ42の回転量(移動距離)によってバレル41から射出される溶融樹脂の射出量が計量され決定される。射出工程においては、スクリュ42は、回転することなく移動し、溶融樹脂をノズルから射出する。
【0019】
計量駆動部43は、計量サーボモータ46と、計量サーボモータ46の回転をスクリュ42に伝える伝達機構47とを有する。計量サーボモータ46が駆動され、加熱バレル41内でスクリュ42が回転されると、樹脂がホッパ45から加熱バレル41内に導入される。導入された樹脂は、加熱されかつ混練されながら加熱バレル41の先端側に送られる。樹脂は、溶融されて加熱バレル41の先端部分に貯えられる。計量時と逆方向にスクリュ42を移動させることによって、溶融樹脂はバレル41から射出される。このとき、スクリュ42は、回転することなく移動し、溶融樹脂をノズルから押し出す。尚、本実施形態では、成形材料として溶融樹脂を用いているが、成形材料は溶融樹脂に限定されることはなく、金属、ガラス、ゴム、炭素繊維を含む炭化化合物などでもよい。
【0020】
射出駆動部44は、射出サーボモータ51と、ボールねじ52と、伝達機構53とを有する。ボールねじ52が回転することで、加熱バレル41内でスクリュ42が
図1の左右方向に移動する。伝達機構53は、射出サーボモータ51の回転をボールねじ52に伝達する。これにより、射出サーボモータ51が回転すると、スクリュ42が移動する。スクリュ42が加熱バレル41の先端部分に貯えられた溶融樹脂をノズル41aから押し出すことによって、溶融樹脂がノズル41aから射出される。
【0021】
射出圧力センサS1は、バレル41から金型へ溶融樹脂を充填する際の充填圧力や保圧工程における保圧圧力を検出する。射出工程においては、射出圧力センサS1は、バレル41から金型への溶融樹脂料の射出圧力を検出する。保圧工程においては、射出圧力センサS1は、速度制御から圧力制御への保圧切替え後の溶融樹脂の保圧圧力を検出する。
【0022】
スクリュ位置センサS2は、スクリュ42の位置を検出する。スクリュ42は、射出サーボモータ51の回転に伴って移動するので、スクリュ位置センサS2は、射出サーボモータ51の回転数や角度位置からスクリュ42の位置を検出してもよい。所定の制御周期ごとにスクリュ42の位置を検出することによって、スクリュ42の速度や加速度が分かる。
【0023】
ヒューマン・マシン・インタフェース(HMI/F)60は、射出成形機1に関する様々な情報を表示する。HMI/F60は、例えば、表示部およびキーボードを備えてもよく、あるいは、タッチパネル式ディスプレイであってもよい。ユーザは、HMI/F60を通じて、射出成形機1の動作に関する指令等の設定を入力することができる。例えば、射出成形は、金型へ溶融樹脂を射出する射出工程と金型における溶融樹脂の保圧圧力を制御する保圧工程とによって製品を成形する。
【0024】
制御部8は、射出工程中に各種センサ(図示せず)から受け取るセンサ情報を監視し、そのセンサ情報に基づいて射出装置7を制御する。また、制御部8は、HMI/F60を通じて設定された上記設定値に従ってスクリュ42を制御する。さらに、制御部8は、必要なデータを表示部100に表示させる。
【0025】
記憶部110は、射出成形機1の複数の動作情報を格納する。動作情報は、金型11,12、型締駆動機構6、あるいは、射出装置7の動作を示す情報である。例えば、本実施形態では、動作情報は、或る生産条件による射出成形動作と次の生産条件による射出成形動作との間の準備を行う段取工程の情報である。段取工程の動作は、或る射出成形動作の終了後に実行されるノズル41aの後退動作、バレル41のパージ動作、金型11,12の搬出動作、金型11,12の交換動作、金型11,12の搬入動作、樹脂材料の交換動作、生産条件の設定変更等を含む。
【0026】
段取工程の各動作は、画像情報としてのアイコンと関連付けられており、アイコンとして表示部100に表示される。アイコンは、対応する動作情報の内容を端的に示す図柄である。アイコンのより詳細な例は、
図2を参照して後で説明する。
表示部100は、段取工程の各動作に関連付けられたアイコンを表示する。オペレータは、表示部100のアイコンを参照することによって段取工程の各動作を直感的に理解することができる。オペレータは、アイコンを選択して、そのアイコンをドラッグ・アンド・ドロップによって任意の順番に配列させる。これにより、表示部100は、任意の順番に配列されたアイコンを表示することができる。
【0027】
制御部8は、表示部100に表示されたアイコンの配列の順に、それらに関連する動作を自動で実行する。例えば、
図3のアイコン配列部A2に示すように、制御部8は、ノズル41aの後退動作、バレル41のパージ動作の実行をシーケンサ(図示せず)に指示し、あるいは、オペレータによる確認等をこの順に自動で実行する。アイコンには、制御部8で実行されるシステムプログラムによる処理も含まれる。ここでは、制御部8で実行されるプログラムを、システムプログラムと呼ぶ。例えば、アイコンには、或る生産条件から次の生産条件への動作条件の変更等の設定変更に必要な情報を記憶部8から読み出す処理(システムプログラムによる処理)も含まれる。尚、アイコン配列部A2には、単一のアイコンがオペレータによって配置された位置に表示される場合もある。この場合には、アイコン配列部A2に表示された単一のアイコンに関連する動作指示または処理が実行される。
【0028】
尚、生産条件等は、同一製品を繰り返し成形する場合には変更する必要が無く、射出成形機1は、自動で繰り返し製品を成形することができる。一方、異なる製品を成形する場合、射出成形動作の条件や金型を変更するために段取工程が必要となる。
【0029】
図2は、段取工程の動作情報とアイコンの例を示す図である。段取工程の動作情報とアイコンは、データとして記憶部110に格納されている。例えば、“ノズル後退”は、ノズル41aおよび加熱バレル41を所定の距離だけ後退させることを示している。“次メモリ呼出”は、次の射出成形動作における型締駆動機構6や射出装置7の動作条件を読み出すことを示している。即ち、次メモリ呼出は、シーケンサによるシーケンス動作ではなく、或る生産条件から次の生産条件への動作条件の変更等の設定変更に必要な情報を記憶部8から読み出すシステムプログラムによる処理を示している。尚、システムプログラムは、制御部8で実行されるプログラムのことであり、シーケンサで実行されるシステムプログラムとは異なる。“自動パージ”は、バレル41内のパージの実行を示している。“バレルヒータSHIFT”は、バレル41の温度を所定温度まで下げる(上げる)ことを示している。“バレルヒータOFF”は、バレル41のヒータの電源をオフすることを示している。“金型搬出”は、金型11,12を型締駆動機構6から搬出することを意味し、“金型搬入”は、金型11,12を型締駆動機構6へ搬入することを意味する。“金型交換”は、搬出された金型11,12の交換を意味する。“金型ヒータON/OFF”は、金型11,12のヒータをオン状態またはオフ状態にすることである。“金型ヒータSHIFT”は、金型11,12のヒータ温度を或る設定温度から他の設定温度へ変更することを意味する。“温調器起動の起動/停止”は、金型の温度調節器を起動または停止することを意味する。“ホッパ切替”は、ホッパ45内の樹脂の材料を交換することを意味する。“原料供給の開始/停止”は、ホッパ45への樹脂材料の供給を開始し、あるいは、ホッパ45への樹脂材料の供給を停止することを意味する。“実行前確認”は、次の動作の実行前にオペレータによる確認を要することを意味する。その他、
図2には、段取工程に必要な各動作の情報とアイコンとが関連付けられて、記憶部110に格納されている。
【0030】
これらの段取工程の動作には、PLC(Programmable Logic Controller)のようなシーケンサで実行される動作と、シーケンサではなくシステムプログラムによってCPUで実行される動作(処理)とがある。例えば、ノズル後退、バレルヒータOFFおよび金型ヒータOFF等は、シーケンサで実行されるシーケンス動作である。一方、次メモリ呼出、バレルヒータSHIFT、金型ヒータSHIFT等は、シーケンス動作ではなく、システムプログラムによる処理である。このように、本実施形態では、シーケンス動作であるか、システムプログラムによる処理であるかに関わらず、段取工程の動作または処理をアイコンで表現している。
【0031】
図3は、表示部100に表示されたアイコンおよびその配列の一例を示す図である。表示部100は、オペレータが選択可能なように、アイコン表示部A1に、段取工程のそれぞれの動作のアイコンのリストを表示する。オペレータは、アイコン表示部A1に表示されたアイコンのリストからアイコンを、表示部100上のポインタ、あるいは、タッチパネルで選択しドラッグすることができる。
【0032】
アイコン配列部A2には、段取工程の動作の順番にアイコンを配列させる。オペレータは、アイコン表示部A1で選択したアイコンを、アイコン配列部A2まで移動させ、任意の位置にドロップする。これにより、アイコン配列部A2において、アイコンが段取工程の動作順に配列され得る。アイコン配列部A2内のアイコンは、ドラッグ・アンド・ドロップで任意に移動させ挿入したり、削除したりすることができる。
【0033】
例えば、
図3に示す段取工程では、或る射出成形動作の後、ノズル41aを後退させる。オペレータは、第1動作情報としてのノズル41aの後退に関連する第1アイコンを選択し、ドラッグ・アンド・ドロップでアイコン配列部A2内の最初の枠に第1アイコンを配置する。
【0034】
次に、条件1でバレル41をパージする。オペレータは、第2動作情報としてのバレル41のパージに関連する第2アイコンを選択し、ドラッグ・アンド・ドロップでアイコン配列部A2内の2番目の枠に第2アイコンを配置する。第2アイコンを配置すると、パージ条件を選択するためにポップアップウィンドウ(図示せず)が開く。オペレータは、このポップアップウィンドウにおいて、パージ条件を入力する。
【0035】
同様に、オペレータは、段取工程の動作順に関連するアイコンを選択し、ドラッグ・アンド・ドロップでアイコン配列部A2内の枠にそのアイコンを配置する。例えば、次に、オペレータの確認を示すアイコン、バレルヒータの温度のシフト(低減)を示すアイコン、金型温調器の動作の停止を示すアイコン、金型の搬出を示すアイコン、次の射出成形動作の動作条件やプログラのロードを示すアイコン、次の金型の搬入を示すアイコン、オペレータの確認を示すアイコン、金型温調器の起動を示すアイコン、そして、樹脂材料の供給開始を示すアイコンがこの順番に配置されている。このように、或る射出成形動作と次の射出成形動作との間の段取工程が、一連の動作のアイコンで表示される。尚、アイコン表示部A1に表示させるアイコンの種類数およびアイコン配列部A2に配列されるアイコン数は限定しない。第1〜第nアイコン(nは1以上の整数)が、アイコン表示部A1に表示され、あるいは、アイコン配列部A2に配列されてもよい。
【0036】
オペレータが実行を指示する(例えば、実行ボタンを押す)と、制御部8は、表示部100に表示されたアイコンの配列順に、該アイコンに関連する動作の指示または処理を実行する。尚、現状動作表示部A3は、射出成形機1が現時点で実行している動作を示している。例えば、
図3は、射出成形機1が金型温調器の動作を停止している場面を示している。
【0037】
段取工程の実行後、次の射出成形動作が開始される。
【0038】
作成された段取工程のデータは、金型11、12を特定する記号または番号、あるいは、成形される製品を特定する記号または番号に関連付けて記憶部110に格納しておいてもよい。これにより、同じ金型11,12を用いる場合あるいは同じ製品を成形する場合に、射出成形機1は、過去の段取工程のデータを記憶部110から読み出して実行することができる。また、アイコン配列部A2は、アイコンをそれに対応する動作順に配列している。しかし、アイコン配列部A2は、アイコンとそれに対応する動作情報とを並べて表示し、動作順に上から下へリストとして表示してもよい。
【0039】
図4は、射出成形機1の生産計画を示す表示部100の画面表示例を示す図である。この生産計画は、所定期間(例えば、1日)における生産計画である。
【0040】
射出成形機1は、例えば、第1〜第3生産条件1〜3を実行し、3種類の製品を成形する予定である。この場合、第1生産条件に従った射出成形動作と第2生産条件に従った射出成形動作との間に、段取工程が必要となる。即ち、第1生産条件から第2生産条件へ変更する際に、第1段取工程を実行し、金型11,12および/または樹脂材料等を変更する。第2生産条件から第3生産条件へ変更する際に、第2段取工程を実行し、金型11,12および/または樹脂材料等を変更する。
【0041】
本実施形態による射出成形機1は、このような複数の生産条件と該複数の生産条件の間の段取工程とを一連の動作として配列することができる。オペレータが実行を指示すると、射出成形機1は、配列順に複数の生産条件と段取工程とを順番に実行する。例えば、
図4に示す例では、射出成形機1は、第1生産条件に従って射出成形動作を実行する。第1生産条件に従った射出成形動作が終了すると、射出成形機1は、第1段取工程の実行し、その後、第2生産条件に従って射出成形動作を実行する。第2生産条件に従った射出成形動作が終了すると、射出成形機1は、第2段取工程の実行し、その後、第3生産条件に従って射出成形動作を実行する。第3生産条件に従った射出成形動作が終了すると、一連の生産計画が終了する。本実施形態による射出成形機1は、このような一連の生産計画を自動で連続して実行することができる。
【0042】
作成された生産計画は、記憶部110へ格納しておけばよい。これにより、射出成形機1は、過去の生産計画を記憶部110から読み出し容易に再現することができる。
【0043】
以上のように、本実施形態による射出成形機1は、段取工程の各動作を示すアイコンを表示部100に表示し、オペレータによるドラッグ・アンド・ドロップによってアイコンを段取工程の動作順に配列させることができる。制御部8は、表示部100に表示されたアイコンの配列順に、該アイコンに関連する動作の指示または処理を実行する。これにより、オペレータは、段取工程の動作をアイコンのドラッグ・アンド・ドロップを行うだけで容易に配列させ組み立てることができる。また、オペレータは、生産条件に適した段取工程を比較的自由に作成することができる。さらに、作成された一連の段取工程は、自動的に実行される。これは、段取工程の時間を短縮し、オペレータによる作業手順の間違いを防止することに繋がり、金型11、12に損傷を与えることを抑制することができる。射出成形機1は、作成された段取工程を記憶部110に格納しておいてもよい。これにより、射出成形機1は、過去の段取工程を記憶部110から読み出し容易に再現することができる。
【0044】
本実施形態では、シーケンサで実行する動作だけでなく、システムプログラムによる処理についても、アイコンで表示し選択可能となっている。これにより、オペレータは、シーケンス動作とシステムプログラムによる処理とを区別することなく、一連の段取工程として表示部100上で組み立てることができる。また、オペレータは、アイコンを配列するだけで、一連の段取工程を自由に組み立てることができる。さらに、一度配列されたアイコンの配列パターンを記憶部110に格納し、データベース化しておけば、オペレータは、過去の段取工程の配列パターンを記憶部110から容易に読み出し再利用することができる。
シーケンサおよびシステムプログラムで実行されるノズル後退、金型交換等の個々の動作および処理が射出成形機1のメーカにおいて予め設計されている場合、オペレータ(ユーザ)は、複数の動作を含む一連の段取工程を実行するために、その個々の動作のために射出成形機1を操作し続ける必要がある。例えば、オペレータは、ノズル後退のボタンを押した後、金型交換のボタンを押す必要がある。また、この場合、金型交換の動作は、予め決められた動作であり、金型交換の動作自体をフレキシブルに変更することはできない。
これに対し、本実施形態によれば、シーケンサおよびシステムプログラムで実行されるノズル後退、金型交換等の個々の動作および処理は、アイコンで表示され、段取工程は、アイコンを配列することで簡単に組み立てることができる。オペレータは、一連の段取工程の実行を指示した後、その段取工程が終了するまで、基本的に射出成形機1の操作をする必要がない。また、金型交換のような個別の動作を複数の動作に細分化してアイコンで表示させてもよい。これにより、オペレータは、金型交換の動作自体をフレキシブルに変更することができる。つまり、本実施形態によれば、所定のシーケンス動作の内容についても、ユーザがアイコンの配列を変更するだけで簡単に変更することができる。
【0045】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態による表示部100に表示された生産工程のアイコンおよびその配列の一例を示す図である。第2実施形態による射出成形機1は、生産工程の各動作についてのアイコンをドラッグ・アンド・ドロップで配列可能にしている。
【0046】
図5のA10は、生産工程の各動作に対応するアイコンを示すアイコン表示部である。A11は、一連の生産工程の動作を示すフローを示す生産フロー表示部である。
【0047】
アイコン表示部A10は、オペレータが選択可能なように、生産工程のそれぞれの動作アイコンのリストを表示する。オペレータは、生産フロー表示部A11に表示されたアイコンのリストからアイコンを、表示部100上のポインタ、あるいは、タッチパネルで選択しドラッグすることができる。
【0048】
生産フロー表示部A11において、横軸は、移動盤(ダイプレート)4の位置あるいは移動金型12の位置を示している。縦軸は、時間または工程を示している。尚、横軸および縦軸は、正確な位置および正確な時間を表さなくてもよい。例えば、位置P0_1とP0_2は、金型11、12が型締された状態で移動盤4の位置としてはほぼ同一である。しかし、位置P0_1では、金型11,12は、型締されているが、アンロック状態である。位置P0_2では、金型11,12は、ロックアップされた状態である。このように、横軸は、移動盤4の位置および金型11、12の状態を含めた概念を表示している。例えば、縦軸は、生産工程の各動作を時間的に配列し表示しており、同一の単位(例えば、秒、分、時間)で表示されているとは限らない。従って、
図5の生産フロー表示部A11の各動作点PTの時間間隔は、互いに異なる場合がある。
【0049】
生産工程のフローは、複数の動作点PTと、隣接する2つの動作点PT間を繋ぐ複数の線分LNと、各動作点PTで実行される動作に対応するアイコンとで表されている。動作点PTは、射出成形動作の開始からの時間または工程に対する金型11、12または移動盤4の位置を示す点である。また、動作点PTは、1つまたは複数の生産工程の各動作を実行可能な時点または位置を示し、アイコンを配置可能な点である。アイコンは、生産工程のフローの動作点PT上に配置することができるが、線分LN上には配置することができない。生産工程のフローの基となる動作点PTおよび線分LNからなる線図は、記憶部110に予め格納されている。記憶部110は、生産条件に従って異なる複数の生産工程の線図を格納している。オペレータは、製品の種類によって、生産工程を選択し、表示部100は、選択された生産工程の線図を表示する。
【0050】
さらに、オペレータは、生産工程の動作の順番にアイコンを動作点PTに配列させることができる。オペレータは、アイコン表示部A10で選択したアイコンを、生産フロー表示部A11まで移動させ、任意の動作点PTの位置にドロップする。これにより、生産フロー表示部A11において、アイコンが生産工程の動作順に配列され得る。生産フロー表示部A11内のアイコンは、ドラッグ・アンド・ドロップで任意に移動させ挿入したり、削除したりすることができる。
【0051】
また、予め所定の動作点に配置された固定のアイコン(固定画像情報)は、オペレータによって選択の余地が無く、所定の動作点PT上に予め配置されている。このような既設の固定アイコンは、線図とともに記憶部110に予め格納されている。
【0052】
例えば、
図5では、動作点PT3において、移動盤4が移動を開始し、金型11、12の型締を開始している。従って、動作点PT3には、型締の開始を示すアイコンが設定されている。動作点PT12において、型締が完了し、ロックアップを開始している。従って、動作点PT12には、ロックアップの開始を示すアイコンが設定されている。動作点PT15において、樹脂の射出を開始している。従って、動作点PT15には、射出の開始を示すアイコンが設定されている。動作点PT18において、金型11、12の冷却を開始している。従って、動作点PT18には、冷却の開始を示すアイコンが設定されている。動作点PT21において、金型11、12のアンロックを開始している。従って、動作点PT21には、アンロックの開始を示すアイコンが設定されている。動作点PT24において、金型11、12の型開を開始している。従って、動作点PT24には、型開の開始を示すアイコンが設定されている。その後、動作点PT33において、一連の生産工程が終了している。動作点PT3、PT12、PT15、PT18、PT21、PT24、PT33のアイコンは、オペレータによって選択的に配置されてもよいが、予め設定された固定アイコンであってもよい。オペレータは、固定アイコンを移動させることはできない。
【0053】
以下、本実施形態では、
図5に示す動作点のアイコンは、固定アイコンとして説明を進める。この場合、記憶部110から線図を読み出すと、
図5に示す線図および固定アイコンが生産フロー表示部A11に表示される。オペレータはさらに他のアイコンを追加することができる。
【0054】
図6は、オペレータによるアイコンの追加が完了した後の生産工程のフローを示す図である。上述の通り、オペレータは、アイコン表示部A10のアイコンを、ドラッグ・アンド・ドロップで、生産フロー表示部A11の任意の動作点PTに配置する。
【0055】
例えば、動作点PT4には、 “中子入り1”および “中子入り2”の2つのアイコンが並列に配置されている。これは、“中子入り1”および“中子入り2”が同時に実行されることを意味する。このように、同時に実行させる動作に対応する複数のアイコンは、表示部100において同一時間または同一工程において並列表示させればよい。尚、“中子入り1”は、第1動作情報に対応し、そのアイコンは、第1画像情報に対応する。“中子入り2” は、第2動作情報に対応し、そのアイコンは、第2画像情報に対応する。中子とは、例えば、中空形状またはパイプ形状のような内部をくり抜いた製品を作成する際に用いられる金型の部分である。金型は、複数の中子をキャビティ内に挿入する場合がある。
【0056】
第2実施形態では、金型11、12には、3つの中子がある。
図6に示す“中子入り”のアイコン内の数値は、3つの第1〜第3中子の番号である。“中子入り1”において、第1中子が金型11、12内のキャビティに挿入される。それと同時に、“中子入り2”において、第2中子が金型11、12内のキャビティに挿入される。第1および第2中子は、同時に挿入して差し支えないものとする。
【0057】
“中子入り”のアイコンがドラッグ・アンド・ドロップで動作点に配置されたときに、表示部100は、中子の番号、型締状態から金型12までの位置、および、一旦停止の要否等を入力するためのポップアップウィンドウを開く。
図7(A)は、中子入りのポップアップウィンドウの一例を示す図である。オペレータは、第1〜第3中子のいずれかの番号を選択する。例えば、
図7(A)では、第1中子が選択されている。中子を挿入開始する金型12の位置は、配置される動作点によって制御部8が自動で決定してもよい。あるいは、中子を挿入開始する金型12の位置は、予め設定されていてもよい。設定された金型12の位置と動作点とが整合しない場合には、表示部100は、エラーを表示してもよい。第2中子についても、第1中子と同様に設定される。
【0058】
次に、動作点PT7には、“中子入り3”のアイコンが配置されている。これは、“中子入り3”が実行されることを意味する。“中子入り3”において、第3中子が金型11、12内のキャビティに挿入される。第3中子についても、第1および第2中子と同様にポップアップウィンドウで設定される。
型締、射出、型開の後、動作点PT25には、“中子戻し3”のアイコンが配置されている。これは、“中子戻し3”が実行されることを意味する。“中子戻し3”において、第3中子が金型11、12内のキャビティから抜去される。
【0059】
“中子戻し”のアイコンがドラッグ・アンド・ドロップで動作点PT25に配置されたときに、表示部100は、中子の番号、型締状態から金型12までの位置、および、一旦停止の要否等を入力するためのポップアップウィンドウを開く。
図7(B)は、中子戻しのポップアップウィンドウの一例を示す図である。オペレータは、第1〜第3中子のいずれかの番号を選択する。例えば、
図7(B)では、第3中子が選択されている。中子戻しを開始する金型12の位置は、配置される動作点によって制御部8が自動で決定してもよい。あるいは、中子戻しを開始する金型12の位置は、予め設定されていてもよい。設定された金型12の位置と動作点とが整合しない場合には、表示部100は、エラーを表示してもよい。
【0060】
次に、動作点PT28には、“中子戻し2”および“中子戻し1”の2つのアイコンが並列に配置されている。これは、“中子戻し2”および“中子戻し1”が同時に実行されることを意味する。“中子戻し2”において、第2中子が金型11、12内のキャビティから抜去される。それと同時に、“中子戻し1”において、第1中子が金型11、12内のキャビティから抜去される。第1および第2中子についても、第3中子と同様にポップアップウィンドウで設定される。
【0061】
次に、動作点PT31には、“押出ピン入り”のアイコンが配置されている。これは、“押出ピン”が金型11,12から製品を押し出すことを意味する。押出ピンは、製品を金型11、12から取り外すために、金型11、12から押し出されるピンである。
【0062】
続いて、動作点PT32には、“押出ピン戻し”のアイコンが配置されている。これは、“押出ピン”が金型11,12から製品を押し出した後、金型11,12へ引っ込むことを意味する。“押出ピン入り”および“押出ピン戻し”のアイコンは、動作点31、32において連続しており、時間的に連続した動作である。このように、複数の動作を連続的に実行させる場合、該複数の動作に対応するアイコンは、表示部100において時間または工程において連続する(隣接する)複数の動作点に表示させればよい。
【0063】
“中子入り1”〜“中子入り3”、“中子戻し1”〜“中子入戻し3”、“押出ピン入り”および“押出ピン戻し”のアイコンは、オペレータによって選択的にドラッグ・アンド・ドロップで動作点PT4、PT7、PT25、PT28、PT31およびPT32に配置される。これにより、一連の生産工程のフローが完成する。
尚、アイコンは、基本的に任意の動作点PTに配置可能であるが、明らかに矛盾する動作や危険な動作は禁止される。例えば、 “中子入り”と“中子戻し”とは、一対として配置されていなければならない。第1中子の“中子入り”が設定されているにもかかわらず、第1中子の“中子戻し”が設定されていない場合には、生産工程のフローは実行できず、エラーとなる。また、型締期間中では、“押出ピン入り”は設定することができない。
【0064】
射出成形機1が生産工程を実行すると、動作点PT1〜PT33に配置されたアイコンで示す動作をこの順番で実行する。これにより、生産工程が実行され、射出成形動作が実行される。
【0065】
例えば、
図6に示す生産工程の射出成形動作は、次のように実行される。
【0066】
まず、動作点PT3において、型締が開始され、移動盤4が金型12を金型11へ接近させる。金型12を移動させながら、動作点PT4において、金型11、12の第1中子、第2中子が同時に挿入される。動作点PT7において、金型11、12の第3中子が挿入される。
【0067】
次に、動作点PT12において、金型11,12が接触し、金型11,12のロックアップが開始される。ロックアップ完了後、動作点PT15において、金型11、12のキャビティ内に樹脂が射出される。射出終了後、動作点PT18において、金型11,12を冷却する。
【0068】
冷却後、動作点PT21において、金型11、12のアンロックを開始する。アンロック完了後、動作点PT24において、金型11、12の型開を開始する。型開において、金型12を移動させながら、動作点PT25において、第3中子が戻されて抜去される。動作点PT28において、金型11、12の第1中子、第2中子が同時に戻されて抜去される。
【0069】
次に、動作点PT31において、押出ピンが製品を押し出す。これに続いて、動作点PT32において、押出ピンが戻る。これにより、一連の生産工程が完了する。同一製品を繰り返し成形する場合には、同一生産工程が繰り返し実行される。一方、他の製品を成形する場合、
図4を参照して説明したように、段取工程で生産条件を変更して、その生産条件に対応する生産工程が実行される。
【0070】
尚、アイコンは、金型11、12や移動盤4に関する動作だけでなく、他の構成要素の動作であってもよい。例えば、金型11,12に付着する樹脂残りを除去する“空気吹き付け”動作の対応するアイコンについても、アイコン表示部A10に表示させてもよい。オペレータは、“空気吹き付け”のアイコンを選択的に線図上に配置してもよい。
【0071】
また、動作点PTおよび線分LNからなる線図自体は、予め設定されており、オペレータによって変更できないようになっている。しかし、オペレータが線図を変更できるようにしてもよい。この場合、例えば、動作点PTを増減させたり、型締、射出、型開のタイミングを変更可能にしてもよい。さらに、線図に予め固定されているアイコン(ロックアップ開始、射出開始、冷却開始、型開開始等のアイコン)は、オペレータによって変更され得ないようになっている。しかし、オペレータが、これらのアイコンのタイミングや位置を変更可能にしてもよい。
【0072】
このように、第2実施形態は、生産工程の各動作についてのアイコンをドラッグ・アンド・ドロップで配列可能にしている。第1実施形態では、動作情報は、段取工程の各動作の情報であるが、第2実施形態では、動作情報は、或る生産条件の生産工程における射出成形動作の情報である。また、オペレータによって選択可能な動作情報は、射出成形動作の開始から完了までの金型11,12の動作情報または型締駆動機構6の動作情報である。オペレータは、射出成形動作の金型11,12の動作に対応するアイコンまたは型締駆動機構6の動作に対応するアイコンをドラッグ・アンド・ドロップで生産フロー表示部A11の線図上に配置する。これにより、オペレータは、生産工程のフローを容易に組み立てることができる。また、オペレータは、生産条件に適した生産工程を比較的自由に作成することができる。さらに、作成された一連の生産工程は、自動的に実行される。これは、生産工程の時間を短縮し、オペレータによる作業手順の間違いを防止することに繋がる。射出成形機1は、作成された生産工程を記憶部110に格納しておいてもよい。これにより、射出成形機1は、過去の生産工程を記憶部110から読み出し容易に再現することができる。
【0073】
第2実施形態では、シーケンサで実行する動作だけでなく、システムプログラムによる処理についても、アイコンで表示し選択可能となっている。これにより、オペレータは、シーケンス動作とシステムプログラムによる処理とを区別することなく、一連の生産工程として表示部100上で組み立てることができる。また、オペレータは、アイコンを配列するだけで、一連の生産工程を自由に組み立てることができる。さらに、一度配列されたアイコンの配列パターンを記憶部110に格納し、データベース化しておけば、オペレータは、過去の生産工程の配列パターンを記憶部110から容易に読み出し再利用することができる。
本実施形態によれば、シーケンサおよびシステムプログラムで実行される“中子入れ”や“中子戻し”の工程等の個々の動作は、アイコンで表示され、生産工程は、アイコンを配列することで簡単に組み立てることができる。オペレータは、一連の生産工程の実行を指示した後、その生産工程が終了するまで、基本的に射出成形機1の操作をする必要がない。また、“中子入れ”のような個別の動作を複数の動作に細分化してアイコンで表示させてもよい。これにより、オペレータは、“中子入れ”等の動作自体をフレキシブルに変更することができる。つまり、本実施形態によれば、所定のシーケンス動作の内容についても、ユーザがアイコンの配列を変更するだけで簡単に変更することができる。
【0074】
第2実施形態は、第1実施形態と組み合わせてもよい。例えば、
図4の第1〜第3生産工程の条件を第2実施形態に従って設定後、第1および第2段取工程の条件を第1実施形態に従って設定すればよい。その後、オペレータが実行を指示することによって、射出成形機1は、第1生産工程、第1段取工程、第2生産工程、第2段取工程、第3生産工程の順番に自動で実行する。これにより、射出成形機1は、複数種類の製品を、生産計画通りに、自動で成形することができる。
【0075】
第1および第2実施形態によれば、生産工程および段取工程における各動作の関連性や流れが表示部100に表示される。従って、オペレータは、生産工程および段取工程の各動作のタイミングおよび順番を確認しながら、自由度の高い設定を感覚的に容易に実現することができる。生産工程および段取工程の各動作のタイミングおよび順番の設定を予め設定しておけば、射出成形機1は、多品種の製品を小ロットで短時間に生産することができる。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【解決手段】射出成形機は、第1金型と第2金型の少なくとも一方を移動させて型締または型開する型締機構と、第1金型と第2金型との間のキャビティに樹脂を射出する射出装置と、第1または第2金型の動作、型締機構の動作、射出装置の動作またはシステムプログラムによる処理を示す第1および第2動作情報と、第1動作情報に関連付けられた第1画像情報と、第2動作情報に関連付けられた第2画像情報とを格納する記憶部と、第1および第2画像情報を表示する表示部であって、第1および第2画像情報の少なくとも一方を操作者によって配置された位置に表示する表示部と、表示部に表示された第1または第2画像情報の少なくとも一方に関連する第1または第2動作情報で示す動作を指示しまたはシステムプログラムによる処理を実行する制御部とを備える。