(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
MMTにおけるシグナリングの部分においてメディアコンテンツのAvailable_TimeおよびAsset_Size属性を追加することにより、クライアント端末が対応するメディアコンテンツの獲得可能な時間を取得できるようにするとともに、クライアント端末はネットワークにおける対応する方法によって、現在の広帯域ネットワークにおけるネットワーク帯域幅および広帯域を介してクライアント端末まで伝送されるコンテンツのネットワークにおける遅延を確定し、広帯域ソースコンテンツの獲得可能時間および広帯域チャネルの遅延に基づいて、クライアント端末が予めキャッシュを行う請求を送信する時間区間および端末に必要とされるキャッシュ窓の大きさを演算することを特徴とする、異種ネットワーク伝送における動的時間窓およびキャッシュの演算方法。
MMTシグナリングにおいて必要するコンテンツに対して新しい属性であるAvailable_TimeおよびAsset_Sizeを追加して、広帯域における伝送待ちの該コンテンツのプロバイダーにおける準備の整え、伝送開始可能時間および該部分のコンテンツの大きさの説明に用い、Available_Timeの値の代入は、以下のルールに従うことを特徴とする請求項1に記載の動的時間窓およびキャッシュの演算方法。
1)時間未知
サーバ側が伝送待ちコンテンツの準備を整える時間を確定できない場合、Available_Timeには「unknown」を代入し、また、サーバ側から送信してきたシグナリングにおいてAvailable_Time属性が含まれなかった場合端末は、Available_Timeは未知であると解析する;
2)随時アクセス可能
サーバ側のメディアコンテンツが随時にアクセスおよび送信できる場合、Available_Timeには「anytime」を代入する;
3)特定の時刻に開始し、その後ずっと有効
サーバ側のコンテンツが特定の時刻からずっと有効である場合、Available_Timeには該特定のUTC時間、「(UTC1)」を代入する;
4)特定の時間区間において有効
サーバ側のコンテンツが特定の時間区間において獲得可能な場合、Available_Timeには該時間区間、「(UTC1)−(UTC2)」を代入する;
Available_Timeに対する解析作業は端末において行なわれる;
端末が獲得できるCIファイルに含まれている属性は既に対象の正常開始表示時間−beginを含んでおり、ネットワーク内においてHRBM messageまたはARQ情報を送信することによって、現在の広帯域ネットワークにおけるアップリンク遅延−Df、ダウンリンク遅延−Dt、広帯域ネットワークの帯域幅−Bandwidthを獲得し、シグナリングにおいて広帯域コンテンツが獲得可能な時間の属性Available_TimeおよびAsset_Sizeを追加した後、一つの閾値Thresholdを設定して、ダウンリンク遅延Dtが該閾値より小さい場合、該遅延を無視し、システムは広帯域伝送のメディアコンテンツのために例外的なキャッシュを割り当てる必要がなく、一方、Dtが該閾値より大きい場合、広帯域におけるメディアコンテンツを予め送信することを請求する時間区間確定し、端末のためにキャッシュ窓を割り当て、ネットワーク遅延がより大きく、コンテンツのプロバイダーにより提供されるAvailable_Timeが予めキャッシュを行って同期を保持する条件を満たさない場合、該広帯域ネットワークのチャネルにより伝送するコンテンツを直接廃棄する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の異種ネットワーク伝送における動的時間窓およびキャッシュの演算方法。
MMTにおけるシグナリングについて、MPT表、CIファイルまたはMPUのシグナリング部分においてメディアコンテンツのAvailable_Timeを追加し、Available_Timeにより対応するメディアコンテンツの獲得可能な時間をクライアント端末に通知し、クライアント端末は現在のネットワークにおけるネットワーク帯域幅およびネットワークのアップリンクおよびダウンリンクの遅延を確定し、ソースコンテンツの獲得可能な時間および遅延に基づいて、クライアント端末が異なるサーバに応じるコンテンツ情報について予めキャッシュを行う請求を送信する時間区間を演算し、
MPTにおけるMMT_general_location_info()の予備フィールドにおいて、assetの獲得可能な時間Available_Time情報を追加することにより、リソース請求メッセージの処理において異なる処理方法を有するサーバに対して、Available_Time時間窓の演算する、
ことを特徴とする異種メディア伝送ネットワークにおけるリソースを動的に請求する方法。
前記MPTにおけるMMT_general_location_info()の予備フィールドにおいて、assetの獲得可能な時間Available_Time情報を追加することは、
まず、元のシグナリングにおいて各部分のコンテンツに対してともに新しい属性であるavailable_beginおよびavailable_endを追加することにより、現在のネットワークにおける伝送待ちの該コンテンツのプロバイダーにおける準備の整え、伝送開始可能時間、およびアクセス終了時間の説明に用い
MPTにおけるMMT_general_location_info()記述子は、メディアリソースおよび関連するシグナリングのソース情報を提供し、location_typeは0x00〜0x06、0x0Cの値が対応するassetリソースの位置情報、0x07〜0x0Bの値が対応するシグナリングのソース情報、0x0D〜0x9FによるISOのための予備フィールド、および0xA0〜0xFFによるシステム専用のための予備フィールドであり、予備されるlocation_typeフィールドにおいて、位置ソースが異なるリソースの獲得可能な時間情報を追加する、
ことを特徴とする請求項5に記載の異種メディア伝送ネットワークにおけるリソースを動的に請求する方法。
MMTにおけるシグナリングについて、シグナリング、CIまたはMPUにおいてメディアリソースの獲得可能な時間の属性を追加することにより対応するメディアリソースの獲得可能な時間をクライアント側に通知し、
対応するメディアリソースの獲得可能な時間をクライアント側に通知するための前記メディアリソースの獲得可能な時間の属性の追加は、方法一として、シグナリングにおいて一つの新しい記述子AT_descriptorを追加することによりメディアリソースの獲得可能な時間を記述することにより実現し、
前記方法一は、
記述子AT_descriptorにおいてassetの獲得可能な時間情報を追加し、AT_descriptorにおいて新しい属性を定義することにより、現在のネットワークにおける伝送待ちの該コンテンツのプロバイダーにおける準備の整え、伝送開始可能時間、及びアクセス終了時間の説明に用い、AT_descriptorにおいて定義された新しい属性はlocation_index、available_beginとavailable_endを含んでおり、さらに選択的属性としてavailable_time_countとlocation_countとの一つを含むことができる、ことを特徴とする異種メディアネットワークにおける動的にリソースの獲得可能な時間を提供する方法。
MPTにおけるMMT_general_location_info()記述子は、メディアリソースおよび関連するシグナリングのソース情報を提供し、location_typeは0x00〜0x06、0x0Cの値が対応するassetリソースの位置情報、0x07〜0x0Bの値が対応するシグナリングのソース情報、0x0D〜0x9FによるISOのための予備フィールド、および0xA0〜0xFFによるシステム専用のための予備フィールドであり、予備されるlocation_typeフィールドにおいて、位置ソースが異なるリソースの獲得可能な時間情報を追加する、ことを特徴とする請求項14に記載の異種メディアネットワーク伝送における動的にリソースの獲得可能な時間を提供する方法。
前記方法は、さらに、シグナリングにおいてavailable_time_flagとする予備フィールドを設けることにより、クライアントに現在のメディアリソースの獲得可能な時間を送信できるか否かを通知する、ことを特徴とする請求項11ないし15のいずれか一項に記載の異種メディアネットワーク伝送における動的にリソースの獲得可能な時間を提供する方法。
現時サーバが資源の獲得可能の時間に関するメッセージを発信したかどうかを指示するために、MPTの予備フィールドにおいて一つのビットをavailable_time_flagとして、現在のサーバがリソースの獲得可能な時間の情報を送信したか否かを示すために用い、available_time_flagフィールドが0である場合、メディアリソースの獲得可能な時間が整えていなくて、関連するシグナリングを発信しないことを示し、フィールドが1である場合、メディアリソースの獲得可能な時間の情報がシグナリングとともに送信されたことを示す、ことを特徴とする請求項17に記載の異性メディアネットワーク伝送における動的にリソースの獲得可能な時間を提供する方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、具体的な実施形態を例示しながら、本発明について詳しく説明する。以下の実施形態は、いわゆる当業者が本発明をより理解しやすくするための例示であり、いかなる形式により本発明を限定するものではない。また、いわゆる当業者であれば、本発明の要旨から逸脱しない範囲内において、様々な変形や改良を行うことができ、これらも本発明の保護範囲に属することには注意されたい。
【0019】
現在のところ、異種ネットワークに基づく多様化された端末の表示方式はすでに発展の趨勢となってきている。高品質な放送・ビデオ番組を楽しむと同時に、人々の多様化されたネットワークメディアサービスに対する要望も高まりつつある。放送および広帯域ネットワークにより構成される異種システムにおいて、CIによりクライアント側における放送および広帯域のコンテンツに関する時間的および空間的配置を制御し、メディアコンテンツの同期化を実現する。一般的には、放送チャンネルからのメディアコンテンツは小さくて固定の遅延を有するため、同期化に与える影響がない。一方、ビデオ、オーディオ、字幕、マルチメディア応用などの広帯域からのメディアコンテンツは、現在のIPネットワークの影響を受けやすく、比較的に大きくて変動する遅延を生じさせるため、コンテンツの同期化に悪影響を与える。また、広帯域からのコンテンツには有効アクセス期限という問題があり、すなわち、ある時刻からアクセス可能で、ある時刻まで有効である。このため、本発明ではコンテンツに関する有効期限の情報を提供し、また端末において予め該情報の送信を請求し、かつ対応するコンテンツのためにキャッシュ窓を割り当てるメカニズムを設計した。
【0020】
〔実施例1〕
本実施例によれば、放送および広帯域により構成される異種ネットワークおいて、端末における広帯域の混雑に起因されるコンテンツの同期不能という問題を解決できるとともに、キャッシュによるクライアント側のさらなる消費を低減できる。本実施例では、表示情報(CI)ファイルにおいて時間窓の情報を追加する、メディア処理ユニット(MPU、Media Processinng Unit)において時間窓の情報を追加する、またはMPT(MMT Package Table)においてavailable_time_info()を追加することによって、時間窓の情報を記述するとともに、時間窓の情報を指定した後の動的請求およびメディアリソースのキャッシュを行う方法を提供する。
【0021】
まず、既存のシグナリングまたはその他の場所において各部分のコンテンツに対してともに新しい属性であるAvailable_Timeを追加して、広帯域における伝送待ちの該コンテンツのプロバイダーにおける準備の整え、伝送開始可能時間、およびアクセス終了時間の説明に用いる。その値の代入は以下のルールに従う。
【0022】
1)時間未知
サーバ側が伝送待ちコンテンツの準備を整える時間を確定できない場合、Available_Timeには「unknown」を代入する。また、システムの互換性を考慮して、もしサーバ側から送信してきたシグナリングにおいてAvailable_Time属性が含まれなかった場合、端末は、Available_Timeは未知であると解析する。
【0023】
2)随時アクセス可能
サーバ側のメディアコンテンツが随時にアクセスおよび送信できる場合、Available_Timeには「anytime」を代入する。
【0024】
3)特定の時刻に開始し、その後ずっと有効
サーバ側のコンテンツが特定の時刻からずっと有効である場合、Available_Timeには該特定のUTC時間、すなわち「UTC1」を代入する。
【0025】
4)特定の時間区間において有効
サーバ側のコンテンツが特定の時間区間において獲得可能な場合、Available_Timeには該時間区間、すなわち「UTC1−−UTC2」を代入し、括弧内はUTCである。
【0026】
Available_Timeに対する解析作業は端末において行なわれる。
【0027】
同様に、必要に応じてシグナリングまたはその他の場所において各部分のコンテンツに対してAsset_Size属性を追加して、該部分のコンテンツの大きさを表示できる。
【0028】
新規追加の属性であるAvailable_TimeとAsset_Sizeのシステムにおける具体的な位置は、必要に応じて異なる場所に追加できる。例えば、CI、MPT、MPUなどに追加できる。以下ではこれらの位置に追加する例について説明する。
【0029】
以下、CI、MPTおよびMPUのそれぞれにおいてAvailable_TimeおよびAsset_Size属性を追加する例を示す。
1)CIにおいて新しい属性を追加
mediaSrc属性がMediaSync要素に含まれている場合、新規追加のAvailable_TimeおよびAsset_Size属性も、以下の表1に示すとおり、同様に該要素に含ませる。
【表1】
【0030】
一方、mediaSrc属性がMediaSync要素のサブ要素sourceListに含まれている場合、新規追加のAvailable_TimeおよびAsset_Size属性も、以下の表2に示すとおり、対応するsourceListに含ませる。
【表2】
【0031】
2)MPTにおいて新しい属性を追加
MPT表における各assetにおいて、Asset_Sizeを追加し、その大きさを説明できる。
コンテンツに複数のソールアドレスがある場合、各ソースアドレスにおける該部分のコンテンツに対してそれぞれ一つのAvailable_Timeを割り当てる。一方、該コンテンツにソースアドレスが一つしかない場合、該アドレスのソースコンテンツに対して一つのAvailable_Timeを割り当てる。具体的な実現方法は複数あるが、以下では二つの方法を例示する。
【0032】
A. MPTにおいてAvailable_Time_TypeおよびMMT_Available_Time_info()を追加し、四つの場合を例にすると、Available_Time_Typeに二つのビットを割り当てることにより、Available_Timeの四つの場合を表示することができる。獲得可能な時間に関する分類がさらに多い場合、より多くのビットを割りあてることが考えられる。MMT_Available_Time_info()では、メディアコンテンツに対する獲得可能な時間または獲得可能な時間区間の情報を説明する。MPTは、以下の表3および表4に示すとおりである。
【表3】
【表4】
【0033】
Available_Time_Typeの二つのビットは、獲得可能な時間のタイプを表し、具体的には以下の表5に示すとおりである。
【表5】
【0034】
B. MPTにおいてMMT_Available_Time_info()のみを追加し、MMT_Available_Time_info()では、メディアコンテンツに対する獲得可能な時間または獲得可能な時間区間の情報を説明する。MPTは、以下の表6および表7に示すとおりである。
【表6】
【表7】
available_beginとavailable_endの使い方は以下の表8に示すとおりである。
【表8】
【0035】
3)MPUにおいて新しい属性を追加
MPUにおいては単一のMPUの大きさを記述しているので、表9に示すとおり、ここではmpu_sizeを選択する。
【表9】
【0036】
動的にキャッシュ窓の大きさを割り当てるキャッシュメカニズムの設計思想は、次のとおりである。CIファイルに含まれている既存の属性は既に対象の正常表示開始時間−beginを含んでおり、ICMPメッセージを送信する方法などのIPネットワークにおける対応する方法により、現在の一方向広帯域ネットワークの遅延t
1と広帯域ネットワークの帯域幅Bandwidthを獲得できる。シグナリングまたはその他の場所において広帯域コンテンツが獲得可能な時間の属性Available_TimeおよびAsset_Sizeを追加した後、一つの閾値Thresholdを設定する。遅延t
1が該閾値より小さい場合、該遅延を無視でき、システムは広帯域伝送のメディアコンテンツのために例外的なキャッシュを割り当てる必要がない。一方、t
1が該閾値より大きい場合、具体的な方法によって広帯域におけるメディアコンテンツを予め送信することを請求する時間区間を確定し、端末のためにキャッシュ窓を割り当てることができる。そして、ネットワークの遅延が非常に大きく、コンテンツのプロバイダーにより提供されるAvailable_Timeが予めキャッシュを行って同期を維持する条件を満たさない場合、該広帯域チャネルにより伝送する補助コンテンツを直接廃棄する。
【0037】
具体的な方法は、以下に示すとおりである(実際の状況に応じて以下のステップを選択し、組み合わせることができる)。
【0038】
1)シグナリングまたはその他の場所において、対応するコンテンツのAvailable_TimeおよびAsset_Size属性を追加する。
【0039】
2)クライアント端末は、ICMPメッセージを送信する方法などのIPネットワークにおける対応する方法により、現在の広帯域ネットワークにおける一方向遅延t
1と広帯域ネットワークの帯域幅Bandwidthを獲得する。
【0040】
3)クライアント側は、シグナリング(MPT、CIなど)を解析することによって対応するメディアコンテンツの獲得可能な時間(Available_Time)、正常再生時間(begin)および対応するコンテンツの大きさ(Asset_Size)を獲得する。
【0041】
4)t
1<Thresholdの場合、遅延は無視できる。一方、t
1>Thresholdの場合、以下の(1)〜(5)の方法によって端末が請求を送信する時間窓および端末が割り当てるキャッシュの大きさを演算する。
【0042】
(1)プロバイダーが一つのコンテンツユニットを伝送するのに必要な時間Data_Transfer_Timeを演算する。該時間は一つのコンテンツユニットの大きさと現在の広帯域環境におけるビットレートを演算することによって獲得できる。
【0043】
(2)Available_Timeが“unknown”であるまたはCIにおいて該属性がない場合、処理を行わない。Available_Timeが“anytime”である場合、該ステップを飛ばして(3)に処理を移る。Available_Timeが一つの特定のUTC時間、一つの特定のUTC時間の区間である場合、もっとも早い時間をもって以下の「数1」に示す判断を行う。
【数1】
「数1」の条件が成立しない場合、伝送待ちのメディアコンテンツを獲得可能な時間が遅すぎて、現在のネットワークの遅延においては迅速に端末に到達できないことを表すため、該部分のコンテンツを廃棄する。一方、「数1」の条件が成立する場合、現在のネットワークの遅延による非同期の問題は予めキャッシュすることによって解決できることを表し、次のステップの演算を行う。
【0044】
(3)端末が予めメディアコンテンツの送信を請求する時間区間を演算する。
もっとも早い請求時間は、以下の「数2」により演算できる。
【数2】
もっとも遅い請求時間は、以下の「数3」により演算できる。
【数3】
実際の請求時間は上記二つの時間点の間にあり、以下の「数4」に示すとおりである。
【数4】
【0045】
(4)端末が一つの請求時間を選択すると、端末によりプロバイダーのデータを受信可能な開始時間は、以下の「数5」により演算できる。
【数5】
端末がbegin時間点より前にデータを受信する時間は、以下の「数6」により演算できる。
【数6】
【0046】
(5)CIにおいてAsset_Size属性が示された場合、端末が割り当てるキャッシュ窓の大きさは、以下の「数7」により演算できる。
【数7】
一方、CIにおいてAsset_Size属性が示されない場合、端末が割り当てるキャッシュ窓の大きさは、以下の「数8」により演算できる。
【数8】
【0047】
上記方法において使用される変数およびその意味をまとめて表10に示す。
【表10】
【0048】
以下では、一つの実施例を示す。
クライアント側が対応するシグナリングを受信する場合のシステムの現在の状態は以下の表11に示すとおりであるとする。ここで、Thresholdを0.1sに設定し、Data_Transfer_Timeは一般的には当時のdataの大きさおよびビットレートに基づいて値が定められ、ここでは3sであるとする。
【表11】
【0049】
該シグナリングに含まれている一つの画像およびオーディオファイルの情報は以下の表12に示すとおりである。
【表12】
【0050】
現在のネットワークの遅延は10sであって、0.1sのThresholdよりもはるかに大きいことは、10sの広帯域遅延は許容できないことを表し、予めコンテンツの送信を請求することが必要である。
【0051】
Image.1に対して、その獲得可能な時間は北京時間4:59:50以降のあらゆる時間であるが、獲得可能な時間がより後になっているため、上記「数1」の条件を満たさない。すなわち再生するときにコンテンツを端末に送信することができないため、該コンテンツを廃棄する。
【0052】
Audio.1に対して、その獲得可能な時間は北京時間4:59:20から4:59:50までであり、4:59:20は上記「数1」の条件を満たすので、上記「数2」および「数3」によって、以下「数9」に示すように送信を請求する時間区間を演算できる。
【数9】
【0053】
実際の請求時間が、以下の「数10」に示す時間であるとすると、
【数10】
現在のビットレートが200Kb/sである場合、各変数パラメータは以下の表13に示すとおりに取得できる。
【表13】
ここで、Buffer_SizeはΔt*bitrateとAsset_Sizeとの最小値、即ち2Mbを採用する。
【0054】
上記の実施例において、Image.1はAvailable_Time時間点の確定が遅いため廃棄されるが、Audio.1はCIにおいて確定するAvailable_TimeとAsset_Sizeによって端末が予め送信を請求すべく時間と準備すべくキャッシュ窓の大きさを取得している。
【0055】
〔実施例2〕
本実施例によれば、放送および広帯域により構成される異種ネットワークにおいて端末における広帯域の混雑に起因されるコンテンツの同期不能という問題を解決できるとともに、キャッシュによるクライアント側の例外的な消費を低減できる。
【0056】
本実施例では、異種ネットワーク伝送におけるリソースを動的に請求する時間窓および端末キャッシュメカニズムを提供し、従来のMMTにおけるシグナリングについて、MPT表、MPUシグナリング部分においてメディアコンテンツのAvailable_TimeおよびAsset_Size属性を追加することにより、クライアント端末に対応するメディアコンテンツの獲得可能な時間を知らせる。同時に、クライアント端末はネットワークにおける対応する方法によって、現在の広帯域ネットワークにおけるネットワーク帯域幅およびネットワークのアップリンクとダウンリンクの遅延を確定し、広帯域リソースコンテンツの獲得可能な時間および広帯域チャネルの遅延に基づいて、クライアント端末は予めキャッシュする請求を送信する時間区間および端末が必要とされるキャッシュ窓の大きさを演算する。
【0057】
本実施例では、MPT表、CIファイルまたはMPUシグナリング部分においてメディアコンテンツのAvailable_TimeおよびAsset_Size属性を追加することにより、クライアント端末に対応するメディアコンテンツの獲得可能な時間を知らせる。該部分の技術的実現方法は実施例1と同様であるが、実施例1と異なる部分は、ネットワークのアップリンクおよびダウンリンクの遅延を確定する方法にある。
【0058】
具体的に、本実施例における動的にキャッシュ窓の大きさを割り当てるキャッシュメカニズムの設計思想は、次のとおりである。CIファイルに含まれている既存の属性は既に対象の正常表示開始時間−beginを含んでおり、ネットワーク内においてHRBM messageまたはARQ情報を送信することによって、現在の広帯域ネットワークにおけるアップリンク遅延−D
f、ダウンリンク遅延−D
t、広帯域ネットワークの帯域幅−Bandwidthを獲得できる。シグナリングまたはその他の場所において広帯域コンテンツが獲得可能な時間の属性Available_TimeおよびAsset_Sizeを追加した後、一つの閾値Thresholdを設定する。ダウンリンク遅延D
tが該閾値より小さい場合、該遅延を無視でき、システムは広帯域伝送のメディアコンテンツのために例外的なキャッシュを割り当てる必要がない。一方、D
tが該閾値より大きい場合、具体的な方法によって広帯域におけるメディアコンテンツを予め送信することを請求する時間区間を確定し、端末のためにキャッシュ窓を割り当てることができる。そして、ネットワークの遅延が非常に大きく、コンテンツのプロバイダーにより提供されるAvailable_Timeが予めキャッシュを行って同期を維持する条件を満たさない場合、該広帯域チャネルにより伝送する補助コンテンツを直接廃棄する。
【0059】
具体的な方法は、以下に示すとおりである(実際の状況に応じて以下のステップを選択し、組み合わせることができる)。
【0060】
1)シグナリングまたはその他の場所において、対応するコンテンツのAvailable_TimeおよびAsset_Size属性を追加する。
【0061】
2)クライアント端末は、シグナリングを伝送するまたはARQメッセージを送信するなどのIPネットワークにおける対応する方法によって、現在の広帯域ネットワークにおけるアップリンク遅延D
f、ダウンリンク遅延D
tおよび広帯域ネットワークの帯域幅Bandwidthを獲得する。
【0062】
3)クライアント側は、シグナリングを解析することによって対応するメディアコンテンツの獲得可能な時間−Available_Time、正常再生時間−beginおよび対応するコンテンツの大きさ−Asset_Sizeを獲得する。
【0063】
4)D
f<Thresholdの場合、遅延は無視できる。一方、D
t>Thresholdの場合、以下の(1)〜(5)の方法によって端末が請求を送信する時間窓および端末が割り当てるキャッシュの大きさを演算する。
【0064】
(1)プロバイダーが一つのコンテンツユニットを伝送するのに必要な時間Data_Transfer_Timeを演算する。該時間は一つのコンテンツユニットの大きさと現在の広帯域環境におけるビットレートを演算することによって獲得できる。
【0065】
(2)Available_Timeが“unknown”であるまたはCIにおいて該属性がない場合、処理を行わない。Available_Timeが“anytime”である場合、該ステップを飛ばして(3)に処理を移る。Available_Timeが一つの特定のUTC時間、一つの特定のUTC時間の区間である場合、もっとも早い時間をもって以下の「数11」に示す判断を行う。
【数11】
「数11」の条件が成立しない場合、伝送待ちのメディアコンテンツを獲得可能な時間が遅すぎて、現在のネットワークの遅延においては端末に到達できないことを表すため、該部分のコンテンツを廃棄する。一方、「数11」の条件が成立する場合、現在のネットワークの遅延による非同期の問題は予めキャッシュすることによって解決できることを表し、次のステップの演算を行う。
【0066】
(3)端末が予めメディアコンテンツの送信を請求する時間区間を演算する。
もっとも早い請求時間は、以下の「数12」により演算できる。
【数12】
もっとも遅い請求時間は、以下の「数13」により演算できる。
【数13】
実際の請求時間は上記二つの時間点の間にあり、以下の「数14」に示すとおりである。
【数14】
【0067】
(4)端末が一つの請求時間を選択すると、端末によりプロバイダーのデータを受信可能な開始時間は、以下の「数15」により演算できる。
【数15】
端末がbegin時間点より前にデータを受信する時間は、以下の「数16」により演算できる。
【数16】
【0068】
(5)CIにおいてAsset_Size属性が示された場合、端末が割り当てるキャッシュ窓の大きさは、以下の「数17」により演算できる。
【数17】
一方、CIにおいてAsset_Size属性が示されない場合、端末が割り当てるキャッシュ窓の大きさは、以下の「数18」により演算できる。
【数18】
【0069】
上記方法において使用される変数およびその意味をまとめて表14に示す。
【表14】
【0070】
以下では、一つの実施例を示す。
クライアント側が対応するシグナリングを受信する場合のシステムの現在の状態は以下の表15に示すとおりであるとする。ここで、Thresholdを0.1sに設定し、Data_Transfer_Timeは一般的には当時のdataの大きさおよびビットレートに基づいて値が定められ、ここでは3sであるとする。
【表15】
【0071】
該シグナリングに含まれている一つの画像およびオーディオファイルの情報は以下の表16に示すとおりである。
【表16】
【0072】
現在のネットワークの遅延は10sであって、0.1sのThresholdよりもはるかに大きいことは、10sの広帯域遅延は許容できないことを表し、予めコンテンツの送信を請求することが必要である。
【0073】
Image.1に対して、その獲得可能な時間は北京時間4:59:50以降のあらゆる時間であるが、獲得可能な時間がより後になっているため、上記「数11」の条件を満たさない。すなわち再生するときにコンテンツを端末に送信することができないため、該コンテンツを廃棄する。
【0074】
Audio.1に対して、その獲得可能な時間は北京時間4:59:20から4:59:50までであり、4:59:20は上記「数11」の条件を満たすので、上記「数12」および「数13」によって、以下の「数19」に示すように送信を請求する時間区間を演算できる。
【数19】
【0075】
実際の請求時間は、以下の「数20」に示す時間であるとすると、
【数20】
現在のビットレートが200Kb/sである場合、各変数パラメータは以下の表17に示すとおりに取得できる。
【表17】
ここで、Buffer_SizeはΔt*bitrateとAsset_Sizeとの最小値、即ち2Mbを採用する。
【0076】
上記の実施例において、Image.1はAvailable_Time時間点の確定が遅いため廃棄されるが、Audio.1はCIにおいて確定するAvailable_TimeとAsset_Sizeによって端末が予め送信を請求すべく時間と準備すべくキャッシュ窓の大きさを取得している。
【0077】
古いシステムにおいて、受信側がAssetのAvailable_Timeを獲得できない場合、システムの互換性のために、システムは以下の処理方法を採用できる。端末は、begin時間の前のある適切な時刻において請求を一回送信し(一回のみ送信する)、アップリンク遅延D
fを経てから、サーバ側は時刻tおいて請求を受信する。
【0078】
a) 時刻tがAssetのAvailable_Timeの前にあり、かつ受信側の待ち時間窓の大きさに基づいて時間間隔が大きいと判断する場合、サーバ側から受信側にメッセージを送信し、受信側にAssetのAvailable_Timeを知らせる。サーバは、Available_TimeにおいてAssetを送信する。
【0079】
b) 時刻tがAssetのAvailable_Timeの前にあり、受信側の待ち時間窓の大きさに基づいて時間間隔が大きくないと判断する場合、サーバはAvailable_Timeまで待ってから直接Assetを送信する。
【0080】
c) 時刻tがAssetのAvailable_Timeの後である場合、以下の「数21」に示す判断をする。
【数21】
【0081】
「数21」が成立する場合、現在Asseetを送信しても受信側が時間とおりに受信できることを示すため、サーバは現在の時刻においてAssetを送信する。一方、「数21」が成立しない場合、現在の時刻においてAssetを送信しても間に合わないことを示すため、該Assetを廃棄する。
【0082】
本発明の上記実施例2では、広帯域ネットワークにおける一方向ネットワーク遅延をアップリンクとダウンリンクとのネットワーク遅延に変更し、請求時間窓およびキャッシュ窓の大きさの確定方法を変更した。クライアント端末は、ネットワーク内においてシグナリングを伝送するまたはARQメッセージを送信する方法によって、現在の広帯域ネットワークにおける帯域幅およびアップリンクとダウンリンクの遅延を獲得し、広帯域リソースコンテンツの獲得可能な時間および広帯域チャネルの遅延に基づいて、クライアント端末は予めキャッシュする請求を送信する時間区間および端末が必要とされるキャッシュ窓の大きさを演算しているため、より良い互換性がある。
【0083】
〔実施例3〕
図2−4に示すとおり、本実施例では、異種メディアネットワーク伝送におけるネットワークの混雑などに起因されるメディア関連リソースが同期に再生できないという問題を解決する。上記の実施例と異なる部分は、general_location_info()において予備フィールドを利用して各異なるソース(出所)のメディアコンテンツのために時間窓情報を追加する方法、また通知シグナリングの送信時間を演算する方法を提供することにある。
【0084】
本実施例の具体的な実施には、以下のような三つの部分が含まれている。
一、MMT_general_location_info()記述子においてリソースのAvailable_Time情報を追加する
問題のあるリソースが時間とおりに表示でき、および同期できる問題を解決するために、まず、従来のシグナリングまたはその他の場所において各部分のコンテンツに対してともに新しい属性であるavailable_beginおよびavailable_endを追加することにより、現在のネットワークにおける伝送待ちの該コンテンツのプロバイダーにおける準備の整え、伝送開始可能時間、およびアクセス終了時間の説明に用いる。
【0085】
上記の実施例1では、既にそれぞれMPT、CIおよびMPUにおいてAvailable_Timeを追加する方法を提示した。以下は、MPTのMMT_general_location_info()記述子において獲得可能な時間を追加する方法と実施例について説明する。
【0086】
MPTのMMT_general_location_info()記述子は、メディアリソースおよび関連するシグナリングのソース情報を提供する。location_typeは0x00〜0x06、0x0Cの値が対応するassetリソースの位置情報、0x07〜0x0Bの値が対応するシグナリングのソース情報、0x0D〜0x9FによるISOのための予備フィールド、および0xA0〜0xFFによるシステム専用のための予備フィールドである。古いシステムとの互換性のために、予備のlocation_typeの値において、0xA0〜0xA7との八つの予備値を選択する。各種類のlocation_typeの対応するフィールドにおいて、記述される位置情報のフィールド定義は0x00〜0x06、0x0Cと一致し、また各記述位置情報フィールドの最後においてavailable_beginおよびavailable_end属性を追加する。
【0087】
追加する定義のフィールドavailable_beginおよびavailable_endは以下の表18に示すとおりである。
【表18】
【0088】
available_begin − メディアリソースのもっとも早い(最初)獲得可能な時間である。フィールドが全部0である場合、該リソースのもっとも早い獲得可能な時間が未知であることを示し、フィールドが全部1である場合、該リソースのもっとも早い獲得可能な時間が現在の時間より早いことを示す。
available_end − メディアリソースのもっとも遅い(最後)獲得可能な時間である。フィールドが全部0である場合、該リソースのもっとも遅い獲得可能な時間が未知であることを示し、フィールドが全部1である場合、該リソースの準備が整えた後にいつでも獲得可能であることを示す。
【0089】
ここで、available_beginおよびavailable_endの使い方は、以下の表19に示すとおりである。
【表19】
【0090】
(1)あるリソースが一つの時間帯において獲得可能である場合、新規追加の属性にそれぞれ以下の値を代入する。
available_beginには開始時間「UTC1」との値を代入し、available_endには終了時間「UTC2」との値を代入する。
【0091】
(2)あるリソースがある時刻からいつでも獲得可能である場合、新規追加の属性にそれぞれ以下の値を代入する。
available_beginには開始時間「UTC1」との値を代入し、available_endフィールドには全部1を代入する。
【0092】
(3)あるリソースが任意の時間において獲得可能である場合、新規追加の属性にそれぞれ以下の値を代入する。
available_beginフィールドには全部1を代入し、available_endフィールドには全部1を代入する。
【0093】
(4)あるリソースの獲得可能な状況が未知である場合、新規追加の属性にそれぞれ以下の値を代入する。
available_beginフィールドには全部0を代入し、available_endフィールドには全部0を代入する。
【0094】
location_typeに対応して、ここでは0xA0〜0xFFにある予備フィールドを使用するが、0x0D〜0x9Fにある予備フィールドを使用してもよい。新たに定義されたlocation_typeには、それぞれ0x00〜0x06、0x0Cなどのlocation_typeをもとに獲得可能な時間の情報が追加された。
【0095】
新規追加のlocation_typeについての説明は以下の表20に示すとおりである。
【表20】
【0096】
二、異なるタイプのサーバシステムにおけるクライアント端末の時間請求窓の演算方法
実施例1においては、クライアント端末がシグナリングを解析してメディアリソースのAvailable_Timeを得た後、以下の「数22」に示すように、動的に該リソースの時間窓を請求する。
【数22】
もっとも早い請求時間Earliest_Request_Timeは、以下の「数23」により演算できる。
【数23】
もっとも遅い請求時間Latest_Request_Timeは、以下の「数24」により演算できる。
【数24】
実際の請求時間は上記二つの時間点の間にあり、以下の「数25」に示すとおりである。
【数25】
【0097】
ここで、D
fは現在のメディアネットワークにおけるアップリンク遅延であり、D
tは現在のメディアネットワークにおけるダウンリンク遅延であり、Data_Transfer_Timeは該サーバ側が該メディアリソースを送信するのに必要な時間である。
【0098】
実際の応用において、一般的には二つのタイプのサーバserverがあり、リソース請求を受信した場合、Aタイプのサーバはリソースの準備が整えていないと、直接エラーメッセージを返す。例えば、HTTP serverである。他方、Bタイプのサーバはリソースの準備が整えていないと、すぐにはメッセージを返さず、リソースの準備が整えるまで待ってから、該リソースを送信する。例えば、MMT serverである。
【0099】
実施例1において、請求時間窓の演算は、Aタイプのサーバに用いるものである。
Bタイプのサーバの場合、クライアント端末のAvailable_Timeの演算方法は以下のとおりである。
Bタイプのサーバはまずは請求メッセージを受信し、リソースの準備が整えるまで待ってからリソースを送信できるため、クライアント端末はシグナリングを解析してあるリソースの存在を確認することだけでリソースを請求するメッセージを送信できる。したがって、Bタイプのサーバのクライアント端末に対して、もっとも早い請求時間Earliest_Request_Timeおよびもっとも遅い請求時間Latest_Request_Timeは、以下の「数26」および「数27」により演算できる。
【数26】
【数27】
【0100】
三、サーバが通知Available_Timeシグナリングを送信する時間窓の演算方法
一部のメディア伝送ネットワークにおいて、サーバがあるリソースのAvaliable_Timeの時刻がT
0であると取得できたと仮定すると、該T
0が遅い場合には、送信側がシグナリングを送信してから、クライアント端末が関連するシグナリングを受信する時間も遅くなるため、クライアント端末が正確な請求時間窓を演算したとしても、現在の時刻が既にLatestest_Request_Timeより遅いため、該リソースの請求は依然として失敗してしまう。
【0101】
該場合において、サーバがシグナリングの送信時間を確定するメカニズムを以下のように設ける。
サーバにおいて、同じ方法によってクライアント端末が動的にリソースを請求する時間窓を演算してから、まずは以下の「数28」に示す判断を行う。
【数28】
「数28」の条件が成立しない場合、Receiverがもっとも早くてもLatest_Request_Timeの後にシグナリングにおけるAvailable_Time属性を獲得するしかないことを示し、速やかにリソースを請求できない。したがって、この場合では関連するシグナリングを送信しない。一方、「数28」の条件が成立する場合、ReceiverがLatest_Request_Timeの前にシグナリングにおけるAvailable_Time属性を獲得できることを示すため、続いて次の方法に基づいてシグナリングを送信する時間の区間を獲得する。
通知のもっとも遅い時間Latest_Notify_Timeは、以下の「数29」により演算できる。
【数29】
実際のシグナリングの送信時間Actual_Notify_Timeは、以下の「数30」に示す区間にある。
【数30】
ここで、D
tは現在のネットワークにおけるダウンリンク遅延である。
【0102】
〔実施例4〕
本実施例では、異種メディアネットワーク伝送におけるメディアリソースの獲得可能時間が未知であることによる速やかに請求できないという問題を解決する。上記の実施例3と異なる部分は、記述子AT_descriptor()を追加することによって異なるソースのメディアリソースの獲得可能な時間の情報を記述する方法を提供し、新旧クライアントに新規追加の記述子を解析するプロセスを与えることにある。従来のシグナリングまたはその他の場所において各部分のメディアリソースコンテンツに対してともに新しい属性であるavailable beginおよびavailable endを追加することにより、該メディアリソースがサーバにおいて準備が整えて、獲得を請求可能な時間の説明に用いる。
【0103】
具体的な実施例は以下のとおりである。
一、MPTの予備フィールドにおいて一つのビットをavailable_time_flagとして、現在のサーバがリソースの獲得可能な時間の情報を送信したか否かを示すために用いる。
従来のシステムの互換性のために、シグナリングにおいてクライアント側にあるリソースの獲得可能な時間が確定できるか否かを通知するため、MPTの予備フィールドにおいて一つのビットをもっと表示ビットとし、現在のサーバがリソースの獲得可能な時間の情報を送信したか否かを示すために用いる。
【0104】
MPTの予備フィールドではavialable_time_flagが定義され、具体的には、次のとおりである。
available_time_flag:メディアリソースの獲得可能な時間を送信するか否かを示すために用いる。フィールドが0である場合、メディアリソースの獲得可能な時間がまだ整えていなくて、送信していないことを示し、フィールドが1である場合、メディアリソースの獲得可能な時間の情報がシグナリングとともに送信されたことを示す。
【0105】
新たに定義されたavailable_time_flagのMPTにおける位置は、以下の表21に示すとおりである。
【表21】
【0106】
二、メディアリソースの獲得可能な時間の属性を追加
新規追加の属性available_beginおよびavailable_endは、シグナリング、CI、MPUなどの場所に置かれることができる、以下では、二つの具体的な解決方法を説明し、使用する際はそのうちの一つを選択する。
方法一:シグナリングにおいて一つの新しい記述子AT descriptorを追加し、該記述子によりメディアリソースの獲得可能な時間を記述する。
方法二:シグナリングMPTにおいてメディアリソースの獲得可能な時間の属性を追加する。クライアント端末はシグナリングにおけるメディアリソースの獲得可能な時間によって、対応する区間内において予めメディアのリソースを請求する。該方法二の具体的な実現については、実施例3のMMT_general_location_info()記述子においてリソースのAvailable_Time情報を追加する部分の説明を参照すればよく、ここでは詳細な説明を省略する。
【0107】
以下では、上記方法一の好ましい実施形態について詳細に説明する。
シグナリングにおいて記述子AT descriptorを追加し、メディアリソースの獲得可能な時間を記述する。
【0108】
一つの新しい記述子AT descriptorを追加することによって、現在のメディアリソースの獲得可能な時間の情報の伝送に用いる。送信するときに、AT descriptorをMPTのasset_descriptors{}とともに送信する。
【0109】
AT descriptorの定義は以下のとおりである。
1.紹介
一つのAT descriptorには、送信側がリソースの準備を整え、また獲得可能な時間の情報が含まれている。メディアリソースの獲得可能な時間が既知の場合、AT descriptorはMPTに含まれることも可能である。
【0110】
2.文法
AT descriptorの文法の定義は以下の表22〜表24に示す三つの方式がある。
【表22】
【0111】
方式一は、表22において六つの属性を定義し、それぞれdescriptor_tag、descriptor_length、available_time_count、location_index、available_begin、available_endである。この場合、サーバは一つのAT descriptorのみを送信し、すべてのソースアドレスの獲得可能な時間の情報を含ませる。ここで、available_time_countが表示しているのは、MPTにおける異なるlocation_typeの対応する獲得可能な時間の情報を有する数である。location_index属性は、現在のサイクルにおける獲得可能な時間の情報に対応するMPTにおける異なるlocationソースアドレスのインデックスを提供し、該インデックスによってリソースを獲得できる獲得可能な時間に対応させる。
【表23】
【0112】
方式二は、表23において六つの属性を定義し、それぞれdescriptor_tag、descriptor_length、location_count、location_index、available_begin、available_endである。この場合、サーバは一つのAT descriptorのみを送信し、すべてのソースアドレスの獲得可能な時間の情報を含ませる。ここで、location_countが表示しているのは、MPTにおける異なるlocationソースの数である。location_index属性は、現在のサイクルにおける獲得可能な時間の情報に対応するMPTにおける異なるlocationソースのインデックスを提供し、該インデックスによってリソースを獲得できる獲得可能な時間に対応させる。あるlocationソースのリソースの獲得可能な時間が未知である場合、available_beginおよびavailable_end属性をすべて「0」にする。
【表24】
【0113】
方式三は、表24において五つの属性を定義し、それぞれdescriptor_tag、descriptor_length、location_index、available_begin、available_endである。この場合、サーバは複数のAT descriptorを送信し、それぞれ異なるソースアドレスの獲得可能な時間の情報を示す。location_index属性は、現在のサイクルにおける獲得可能な時間の情報に対応するMPTにおける異なるlocationソースアドレスのインデックスを提供し、該インデックスによってリソースを獲得できる獲得可能な時間に対応させる。
【0114】
3.語義
descriptor_tag − 現在のdescriptorのタグ値である。該descriptorに対応して、ここではdescriptor予備のタグ値を0x8000とする。
descriptor_length − 次のフィールドから該descriptorフィールド終端までの長さを示す。
location_index − 現在のdescriptor記述の時間の対応するMMT_general_location_infoにおけるアドレス情報インデックスを示す。
available_begin − メディアリソースのもっとも早い獲得可能な時間である。フィールドが全部0である場合、外リソースのもっとも早い獲得可能な時間が未知であることを示し、フィールドが全部1である場合、該リソースのもっとも早い獲得可能な時間が現在の時間より早いことを示す。
available_end − メディアリソースのもっとも遅い獲得可能な時間である。フィールドが全部0である場合、該リソースのもっとも遅い獲得可能な時間が未知であることを示し、フィールドが全部1である場合、該リソースの準備が整えた後にいつでも獲得可能であることを示す。
available_time_count − MPTにおける異なるlocation_typeの対応する獲得可能な時間の情報の数である。
location_count − MPTにおける異なるlocationソースの数である。
【0115】
ここで、available_beginおよびavailable_endの使い方は、以下の表25に示すとおりである。
【表25】
【0116】
(1)あるリソースが一つの時間帯において獲得可能である場合、新規追加の属性にそれぞれ以下の値を代入する。
available_beginには開始時間「UTC1」との値を代入し、available_endには終了時間「UTC2」との値を代入する。
【0117】
(2)あるリソースがある時刻からいつでも獲得可能である場合、新規追加の属性にそれぞれ以下の値を代入する。
available_beginには開始時間「UTC1」との値を代入し、available_endフィールドには全部1を代入する。
【0118】
(3)あるリソースが任意時間において獲得可能である場合、新規追加の属性にそれぞれ以下の値を代入する。
available_beginフィールドには全部1を代入し、available_endフィールドには全部1を代入する。
【0119】
(4)あるリソースの獲得可能な状況が未知である場合、新規追加の属性にそれぞれ以下の値を代入する。
available_beginフィールドには全部0を代入し、available_endフィールドには全部0を代入する。
【0120】
この方法において、available_time_flagがいなくても、AT descriptorはdescriptor tagから識別されることができるため、available_time_flagは選択的なものである。
【0121】
以下では、AT descriptorを伝送することによってクライアント側に獲得可能な時間を通知する実現方法について説明する(具体的なプロセスは
図5−6に示すとおりである)。
【0122】
AT descriptorを使って獲得可能な時間を伝送する方法において、
(1)サーバにおけるメディアリソースの獲得可能な時間が未知である場合、送信するシグナリングにおいてAT descriptorを提供しなく、サーバはMPTにおける‘available_time_flag’識別子を‘0’にする。
(2)該メディアリソースの獲得可能な時間が既知で、かつシグナリングにおけるAT descriptorにおいて提供した場合、サーバはMPTにおける‘available_time_flag’識別子を‘1’にする。
(2−1)新しいクライアントについては、AT descriptorのコンテンツを読み込んで該assetの‘location_type’、‘location_index’、‘available_begin’および‘available_end’属性を得て、location_indexによって、クライアント側がMMT_general_location_info()において記述されたlocationリソースの対応する獲得可能な時間情報を知る。クライアント側は、該獲得可能な時間内において予めリソースを請求できる。
(2−2)古いクライアントについては、available_time_flagが無視され、descriptor_tagが0x8000であるAT descriptorを受信すると、古いシステムにとって該tagは予備フィールドであるため、該AT descriptorを無視し、リソースの獲得可能な時間を知ることができない。クライアント側はコンテンツの準備を整える前に予めリソースを請求できるが、成功できない。
【0123】
以上、本発明の具体的な実施例について説明している。また、本発明は上記特定する実施形態に限定されず、当業者は特許請求の範囲に規定された範囲内において様々な変形や修正を行うことができるが,これらは本発明の実質的な内容に影響を及ぼすことないことに理解すべきである。